紀宝町議選
1月29日21時30分確定【定数11】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,261 | 榎本 健治 | 46 | 自 | 現 |
当 | 621 | 川原田規泰 | 67 | 無 | 新 |
当 | 535 | 萩野 進也 | 68 | 無 | 現 |
当 | 384 | 原 章三 | 75 | 共 | 現 |
当 | 360 | 獺越 幸雄 | 67 | 無 | 現 |
当 | 359 | 奥峪 康之 | 65 | 無 | 現 |
当 | 339 | 向井 健雅 | 68 | 無 | 現 |
当 | 313 | 大倉 孝司 | 64 | 無 | 現 |
当 | 278 | 鈴木 学 | 74 | 無 | 元 |
当 | 272 | 平野美津子 | 75 | 無 | 現 |
当 | 260 | 市川 潔 | 75 | 無 | 現 |
157 | 野田 純志 | 74 | 無 | 現 |
当日有権者数 8,888人
投票者数 5,205人
無効投票数 66票
投票率 58.56%
AR砂場で土砂災害学習 (市野々小 )
那智勝浦町立市野々小学校で27日、拡張現実(AR)の技術を応用した新しい学習コンテンツ「AR砂場」を使った土砂災害学習があった。和歌山県土砂災害啓発センター主任の筒井和男さんらが講師を務め、5、6年生12人が砂場で山や谷を作ることを通じて、災害が起こりやすい地形の見つけ方を学んだ。
AR砂場は、砂場の山や谷を地形に見立て、その形状をリアルタイムで計測しながら等高線や標高別の配色といった視覚情報をプロジェクターで合成するもの。土砂災害学習に不可欠な地形についての理解を深める視覚補助の役割が期待される。同センターと和歌山工業高等専門学校の学生らが共同開発した。
筒井さんは児童に向け「土砂災害の恐れがある場所は、谷の出口や川の近くの扇状地、崖や急な斜面の近くだけれど、離れた場所の地形はどうやったら分かるだろう?」と問いかけ、地形図の等高線について解説。児童はAR砂場で実際に平らな地面や山を作り、急な斜面や谷筋といった地形の見極め方を学んだ。妙法山や烏帽子山(えぼしやま)、光ヶ峰といった険しい山に囲まれた那智川流域の地形も作り、その特徴を考察した。
那智川の支流・鳴子谷川の模型に航空写真や土石流のシミュレーション動画を投影する試みもあり、児童から「本物の山みたい」と声が上がった。筒井さんは「地形を読み取ることで、ハザードマップに表れていない危険箇所を発見することもできるかも。6年生は中学生になると少し違う地域へ通学することになるけれど、進学先周辺の地形にも関心を持ってほしい」と呼びかけた。
小賀実樹君(6年)は「等高線について今日初めて聞いたけれど、砂場はリアルタイムで色が変わってすごく分かりやすかった。災害から身を守るためには、やっぱり早めに避難が大切だと思う」と話していた。
AR砂場は、第1回高専防災減災コンテストのアイデア検証進出提案に選出されており、今年3月に東京都で最終審査の発表が行われる。筒井さんは「将来的には土砂災害啓発センターの常設展示として、中高生を含む多くの来館者の学習に役立てたい」と期待を寄せていた。
(2023年1月29日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で25日、ふるさと学習があった。6年生90人が、熊野速玉大社の濵中孝成禰宜(ねぎ)から毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行されている「御燈祭(おとうまつ)り」の歴史などについて学んだ。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環で実施。子どもたちに自分たちが暮らしている町の歴史や文化を学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得て授業を設けている。
濵中禰宜は、熊野権現が祭られている熊野神社は全国に約5000社あり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、銅鐸などのさまざまな出土品から、弥生時代から神倉山で祭りが営まれていたとされています」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事など、一連の行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが祭りの本意。コロナ禍で上(あ)がり子の皆さんは上がれませんが、地元には素晴らしい祭りがあることを誇りに思ってもらい、今後に伝えてもらえればうれしいです」と語った。
大石蓮稀(はずき)君は「一度も上がったことはありませんが、一日の流れや白い物を食べる意味が分かりました。授業を聞いて通常の祭りができるようになったら、参加してみたい」と話していた。
(2023年1月29日付紙面より)
木本、21世枠選出ならず (センバツ高校野球 )
3月に甲子園球場で開かれる「第95回記念選抜高校野球大会」の出場校が27日に決まり、21世紀枠の東海地区候補校だった県立木本高校は惜しくも選ばれなかった。報告を受けた選手たちは、ユニホームに着替え、夏の甲子園を目指して練習に打ち込んだ。
校長から結果を聞いた、榎本和真主将(2年)は「正直悔しいけど、こうして注目していただいたことはいい経験になった」と振り返り「目標にしてきた県1番になって地域の方々とOBの皆さん、保護者の皆さんに恩返ししたい。甲子園は地域の方々の期待も大きく、OBの皆さんの夢でもある。僕たちの代で成し遂げたい。夏に1番を取って甲子園に行きたい」と前を向いた。
西垣戸洋一監督は「結果は残念だが、選手たちはすでに夏に向けて意識を持った表情だった。普段から自分たちを律しながら戦っている子どもたちなので心配はない。夏に向けて攻撃力を高めていこうと生徒たちと話をしている」と話していた。
木本高校は、部員13人で県内強豪校と互角に戦い秋季大会県ベスト4に進出したことや、140㌔近いストレートを誇る投手が2人いること、地元に愛されていることなどが高く評価され、東海推薦校に選出されていた。
21世紀枠は全国9校から氷見高校(富山県)、城東高校(徳島県)、石橋高校(栃木県)の3校が選ばれた。
(2023年1月29日付紙面より)
補陀洛山寺で立春大護摩供星祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で27日、立春大護摩供星祭(りっしゅんおおごまくほしまつり)があった。おととし、昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。
この日は、同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。熊野修験の山伏のほら貝が響く中、髙木住職らが入堂し、法要を営んだ。
続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛、身体健全などを祈願。その後、僧侶2人と山伏1人が本堂内で豆をまき、さらに回廊から境内に向けてまいた。
例年は多くの参拝者が集まる中、かみしも姿の厄年の人たちが、境内に設置されたやぐらから豆まきや餅まきを行い、にぎわっている。
髙木住職は「コロナ禍となって4年目。すぐには終息は難しいため、まずは共生していかなくてはならない。そして、戦争は今もなお続いている。仏教に携わる僧侶として、できることは微力だが、以前のような生活に戻ることと、世界平和を祈念し、お参りを続けていきたい」。
今後については「もうすぐ、コロナも5類に引き下げとなる。5月の例大祭には多くの方々にお参りいただければ幸いです」と語った。
なお、毎年和歌山県内外から、多くの人々が訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、今年も中止を発表している。
(2023年1月29日付紙面より)
戸別受信機希望者169人 (新宮市 )
防災行政無線戸別受信機の配布を進めている新宮市は17日、戸別受信機無償貸与者を決定する抽選を市役所で行った。田岡実千年市長がパソコン上で抽選のボタンを押し、本年度の貸与者を決定した。
近年、激甚化・頻発化している大規模災害に対して、防災情報を速やかに取得してもらうことを目的に実施。防災行政無線放送の「聞こえない」を少しでも解消するため、本年度は「防災行政無線システム改修事業」として約4742万円が計上。うち、約700万円が戸別受信機無償貸与に充てられる見込みとなっている。
このたびの無償貸与の対象者は▽身体障害者手帳(1級・2級)の交付を受けている者▽療育手帳(A判定)の交付を受けている者▽精神障害者保健福祉手帳(1級)の交付を受けている者および自立支援医療費の支給認定を受けている者▽介護保険要介護3以上または要介護2で認知症がある者▽指定難病やその他、常時特別な医療などを必要とする在宅療養者―で1058人(2022年12月7日現在)。昨年末から1月13日にかけて貸与希望者を募り、169人から申し込みがあった。
本年度の貸与予定数100台を超える申請があったため、このたびの抽選に至った。なお、本年度の抽選から外れた人は、優先的に来年度以降の抽選対象となる。希望台数に満たない場合は「固定電話がなく、かつ携帯電話を所有する人がいない世帯の世帯主」も条件に付し希望者を募っていくという。
田岡市長は「希望者が貸与予定数よりオーバーしてしまい、抽選となって申し訳ない。外れてしまった人に対しては、来年度に対応させていただけると思っている」と話している。なお、抽選の結果は近日中に郵送で通知。戸別受信機の設置は2~3月にかけて実施していくという。
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■メール配信サービスなど利用を
市では、気象条件などによって防災行政無線放送の内容が聞き取りにくい場合のために、メールや電話、FAXの配信サービスや、放送内容をツイッターで同時配信するサービスなどを展開している。各種サービスについての問い合わせは市防災対策課(電話0735・23・3333、内線4203)まで。
(2023年1月19日付紙面より)
新宮支部が安全祈願祭など (県自動車整備振興会 )
和歌山県自動車整備振興会新宮支部は17日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合で「新年の集い」を開いた。会員ら約25人が出席。業界の振興・発展を願うとともに安全を祈願した。
同整備振興会は、自動車社会における整備事業の公共性と責務の重大性を認識し▽公平誠実な応接▽公正明朗な取引▽優秀なサービスの提供―などの信念と意識を持って、事業経営を行い顧客および社会に対する責任を果たすことを目的に1952年に設立。県内7協議会で2022年4月現在、会員数は944人となっている。
開式に当たり、久保正彦理事長が、1月からスタートした電子車検証、24年10月から開始する自動車の電子的な検査(OBD検査)、今年10月からのインボイス制度などに言及し「整備業界も大きく変化し、ペーパーレス化やデジタル化が一層推進され、対応が求められている」とあいさつ。
「今年はうさぎ年。飛躍の1年であるよう、会員一丸となって躍進したい。業界が目まぐるしく変化するがお体に気を付けていただき、ご活躍を」と呼びかけた。
田岡実千年市長は「高い技術を持って地域住民が安全で快適に運転ができることにご貢献いただいている」と感謝。現在整備が進む紀伊半島一周高速道路の現状に触れ「早ければ令和10~12年ごろには実現いただけるのではと希望を持っている。車での長距離移動も増えると思う。引き続き技術を最大限に発揮していただければ」とあいさつした。
田原正士新宮警察署長は「飲酒運転の横行、高齢者の交通事故防止対策も重要課題。交通事故のない安全なまちづくりのため、皆さまとの連携をさらに強化していきたい」と協力を求めた。
交通講話では、嶝口知宏交通課長が管内の交通情勢や、同署の取り組みなどを説明した。
閉会後、会員らは熊野速玉大社に移動し、1年の安全を祈願した。
(2023年1月19日付紙面より)
本格公演を生徒が鑑賞 (熊野川中学校 )
文化庁が行う事業として、本格的な「落語と紙切り」の公演が16日、新宮市立熊野川中学校(松本潤校長)であった。全校生徒25人が参加、プロによる演芸を楽しんだ。代表生徒6人による、紙切りの実践もあった。
文化庁の「文化芸術による子供育成推進事業」として実施した。公演に先立ち昨年の12月14日に、ワークショップ(事前学習会)を開催。生徒らは落語や紙切りについての予備知識を得た上で、公演に臨んだ。新宮市立熊野川小学校(山本佳人校長)の3年生から6年生の23人も観覧に訪れた。
公演ではまず、桂小南さんが、落語について説明。「話を聞いて想像し、頭に絵を描いて笑ってもらう」「1人で2人3人の役をやる」「手ぬぐいや扇子で物を表現する」などを語った。
林家二楽さんが、紙切りを披露した。軽妙な小話で場をつなぎながら紙を切り、作品を見せた。生徒のリクエストにも即興で対応。見事な出来栄えに、児童生徒の歓声が湧いた。
「紙切り大喜利」では、代表生徒6人がステージ上で、ワークショップの際に出されていた「山の物」の紙切りに挑戦した。「クマ」「サル」「キノコ」などを切って作り、称賛の拍手を浴びた。
桂さんと林家さん2人の紙工劇落語「牛ほめ」もあった。桂さんの落語に合わせ、その場面を林家さんが紙切りで作り、スクリーンで映し出した。会場では大きな笑い声が響いていた。
3年生の松本友惺(ゆうせい)さんは「本格的な落語は今まで見たことがなかった。落語を何年もやってきただけあって、面白かった。紙切りも本当にうまくてすごいと思った。良い経験になった」と述べた。
同事業は、日本の一流の文化芸術団体に、小中学校などで公演してもらうもの。子どもらが優れた舞台芸術を鑑賞する機会を得ることにより、発想力やコミュニケーション能力の育成、将来の芸術家の育成や芸術鑑賞能力の向上につなげることを目的としている。
(2023年1月19日付紙面より)
宇久井小でジビエ出前授業 (那智勝浦町 )
和歌山県は現在、県内323校の小中学校や特別支援学校の給食に、「わかやまジビエ」(シカ肉、イノシシ肉、ジビエソーセージ)を提供している。那智勝浦町立宇久井小学校では17日、給食提供に先立って県による出前授業があり、5年生23人が学習やレザークラフトに取り組んだ。
県畜産課の上田雅彦課長補佐は「ジビエは狩猟で手に入れた野生動物の肉を指すフランス語。昔の日本では猟師が食べるのに必要な分だけ捕っていたが、現代では野生動物による農作物の獣害が多く発生するようになった。和歌山県ではその対策で捕獲したシカやイノシシを食資源や観光に生かそうと取り組んでいる」と解説した。
レザークラフトにはレタメロディア(有田川町)の中井謙次朗さんが協力。那智勝浦町を含む県内各地で生産されたシカ革(一部イノシシ革)を使い、児童とリス、ハリネズミ、ネコなどのキーホルダーを手作りした。
中井さんは「革は猟師たちが命がけで捕獲した一頭一頭の動物の命を頂いてできている。以前は『いらないもの』として処分されていたが、僕たちがフランスのパリで展示会を開いた時には、『日本にしかないもの』と高く評価された。現在ごみになっているものも、視点を変えれば世界で通用するものになる。皆さんにはいろいろな文化や価値観に触れてほしい」と思いを伝えた。「革製品は長年使うと色が濃くなり、光沢が出てくる」と話すと、児童から「大切に育てる」と声が上がった。
同校では20日(金)に、シカ肉を使ったベニスンシチューが提供される。亀井めぐさんは「ジビエは駆除した動物の肉を安く売っていると思っていたが、高級なものもあると知ってイメージが変わった。キーホルダーは、ランドセルに着ける。給食が楽しみ」と話していた。
(2023年1月19日付紙面より)
市長訪問し受賞報告 (新宮市 )
近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の寺地優太さん(2年)がこのほど、中高生を対象にした科学コンクール「第66回日本学生科学賞」中学の部で、内閣総理大臣賞を受賞した。12日、寺地さんは市役所を訪れ田岡実千年市長に受賞報告。「これからも研究を進めていきたい」と展望を語った。
1957(昭和32)年にスタートした同科学賞は、中学生、高校生を対象とした歴史と伝統ある日本最高峰の科学コンクール。
毎年9~10月に身の回りの小さな疑問や不思議の解明、教科書に書かれている学説に対する疑問の解決などについて、個人や生徒が共同で取り組んだ実験・研究・調査作品を募集し、専門家により書類審査とプレゼンテーション審査を行い、優秀な作品を表彰するもの。
今回、寺地さんは「ウミホタルは血の匂いを感じて餌をみつける」をテーマに研究し、最高賞である同賞を受賞。昨年12月24日に東京都江東区の日本科学未来館で表彰式が行われ、式典後には臨席された秋篠宮さまから興味を持ったきっかけや今後の展望などについて質問を受けたという。
なお、寺地さんは昨年、「令和3年度わかやまネイチャー・アワード」個人部門において、「ウミホタルの嗅覚について」をテーマに研究し入選を果たしている。
ウミホタルに興味を持ったのは、小学生の時に参加した新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)でウミホタルを採取したことがきっかけ。以降、刺激を受けると発光物質を分泌する神秘的な生態に魅せられ、小学5年の時から研究を続けている。研究には妹の絢星さん(神倉小5)も協力。飼育を担当するなど、実験を後押しした。
また、研究や実験に当たっては、三重大学の「ジュニアドクター育成塾」や瀧野会長らの支援も受けている。
学校では、スーパーサイエンス部に所属する寺地さん。池上校長は「他のメンバーにとっていい刺激になっていると思います」。田岡市長は「中学生のレベルではなく、専門家並みの研究をされている。将来、研究者として活躍してくれることを期待しています」と激励した。
寺地さんは「ウミホタルは2、3㍉の大きさだけど、餌を食べているところを見ると一生懸命生きていていとおしく思う。ウミホタルの生態についてはまだ分からないところがあるので研究を続けたい。甲殻類の養殖に役立てることができれば」。
「室内・屋外での実験を組み合わせられたのは、新宮というまちの環境だからこそだと思います」と話していた。
(2023年1月14日付紙面より)
きのくに建築賞で高評価 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」がこのほど、「第6回きのくに建築賞~ワカヤマの魅力ある建築~」において最優秀賞と和歌山県知事賞を受賞した。12日、設計者の山下設計・金嶋設計共同企業体の金嶋正人さん、施工者の村本・三和特定建設工事共同企業体の大前智裕さんが市役所を訪れ、建築主の田岡実千年市長と喜びを分かち合った。
「丹鶴ホール」は、地上鉄筋コンクリート造(4階図書館は鉄骨造)。敷地面積約9248平方㍍、建築面積約2959平方㍍、延べ床面積は約6444平方㍍。
文化ホール(1~3階)・熊野学コーナー(2階)・図書館(4階)で構成され▽一人一人がまちづくりの担い手▽人が中心となる施設▽生き生きとしたまちへ 人輝き文化奏でる都市―を基本理念に、市民を中心とした文化創造活動を通した熊野地方の価値の創出を目指して2021年10月にオープンした。デッキからは熊野速玉大社や神倉神社、新宮城跡、熊野川などを眺望することができる。
なお、敷地内では施設建設に当たって2015年に縄文~江戸時代にいたる遺構や遺物が発見。昨年11月に「新宮市下本町遺跡」として国史跡に指定されている。
きのくに建築賞は、県建築士協会、県建築士事務所協会、日本建設家協会近畿支部和歌山地域会の3団体によるまちづくり協議会が主催し、郷土の美しい景観に寄与する優れた建築者を地域資産と捉え、それを見いだす場として創設したもの。
和歌山の建築文化の向上と、活気ある魅力的で美しいまちづくりに寄与することを目的としている。
今回は12年以降に完成した建築物が対象。昨年11月20日に県立近代美術館で開催された最終審査では、書類選考を通過した紀三井寺ケーブル山麓駅や有田市民水泳場「えみくるARIDA」、和歌山城ホールなどを抑え、歴史的背景や景観との調和、眺望などが審査員から高評価を受け最高賞を受賞するに至った。
このたびの受賞を受け、金嶋さんは「プロポーザルから完成まで足かけ7年。ずっと携わらせていただき、いろいろな問題もあったが最終的にこういう賞を頂きうれしく思っている。基本設計の段階から歴史から形を発想するという考え方はあったが、大変勉強になりました」。
大前さんは「これから50年、60年残る建物の施工に携われたことは光栄なこと。三和建設としても大きなチャレンジだった。実際に施設を使用されている方々を拝見すると施工させていただけて本当に良かったと感じます」と笑顔。
田岡市長は「建設に当たってはいろいろなことがあったが、結果的に大変貴重な遺跡の発見にもつながった。遺跡も国史跡に指定され、二重の喜び」と思いを語った。
なお、同施設は(公社)日本サインデザイン協会が主催する日本サインデザイン賞においても入選を果たしている。
(2023年1月14日付紙面より)
南紀串本観光協会(島野利之会長)と串本町消防本部(寺島正彦消防長)が12日、潮岬にある望楼の芝でイベント「本州最南端の火祭り」の準備に取り組んだ。
この準備は、21日(土)午後1時~6時30分ごろ実施予定のイベントで行う芝焼きの延焼を止める緩衝帯を東側の芝地外周に設ける内容。同協会職員15人が手分けして幅約3㍍を意識しながら外周に火を入れて枯れ芝を焼き、必要以上に延焼しないよう同本部職員15人が散水で火勢を調整する形で進めた。
引き続いて芝地西側一面にも火を入れたが、昨年終盤の刈り込みで枯れ草が少ないため焼けるところだけ焼いた段階で作業を終了した。
このイベントは同芝の管理手法として取り入れている芝焼きを日没直後から営み、夕闇深まる中で広がる炎の幻想的な光景で観光誘客を図る内容。実施前には物産販売、しょらさん鍋(トビウオのつみれ汁)振る舞い、芋餅販売、舞踊披露、式典、県立串本古座高校弓道部による火矢射式(点火式)、演出花火といった趣向もある。新型コロナウイルスの情勢でおととしと昨年は中止したため、本年度は3年ぶりの実施予定。感染症予防の一環で餅まきと串本節がないが、本州四端の市町長が視察する予定で同協会によるモデルロケット打ち上げ体験会(事前申込者対象、午後3時ごろ打ち上げ予定)や田辺海上保安部と紀の国灯台利活用推進委員会による潮岬灯台特別一般公開(午後2時~4時30分、当日受け付け)が連動する予定で、例年に増して見どころは多い。
これら状況を踏まえて島野会長は「もちろん新型コロナウイルスの状況も直前まで注視するが、気持ちとしてはやりきりたいという思い。実施にこぎ着けたときには、各自の感染症予防を呼びかけて大勢の皆さんに楽しんでいただきたい」とコメントした。
当日のイベント実施の有無などの問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)まで。
(2023年1月14日付紙面より)
神倉神社の石段検分 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で13日、石段検分が行われた。2月6日(月)の「御燈祭(おとうまつ)り」に向け、関係者が石段の安全を点検。ひび割れなどが73カ所見つかり、祭り当日までに修繕していく。
「御燈祭り」は1400年以上前から続いているとされており、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。白装束に荒縄を巻いた「上(あ)がり子」と称する参拝者が神倉山で松明(たいまつ)に御神火を受け、山門の開閉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下る勇壮な祭りとして例年、全国から大勢の人が訪れている。
今年は前向きな検討が行われていたものの、新型コロナウイルス感染症第8波の襲来を案じ、約2000人の上がり子が山門内に集結することによって長時間の3密が避けられない状況にあることを考慮。クラスター(感染者集団)が発生する危険が高くなると予想されることから、3年連続となる上がり子の参加中止の判断に至った。
当日は正午から神倉山への入山を制限し、報道関係者や一般撮影者の入山も禁止。最少人数の神職と介釈(かいしゃく)のみで営まれ、翌7日(火)の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止する。
点検には同大社や神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)、神倉青年団(中山忠吏団長)などから13人が参加。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)が寄進したと伝わる自然石を積み上げた538段の石段を一段ずつチェックし、石が動くなどの問題箇所にチョークで印を付けていった。猪飼会長は「3年連続の規模縮小は残念だが、現状を考えると仕方ない。『来年こそ』の思いを諦めず、本来の祭りができることを信じています」と話していた。
(2023年1月14日付紙面より)
バランスボールを試験導入 (新宮市 )
健康増進などを目的に、新宮市役所で11日からバランスボールの試験導入が始まった。約2カ月間の効果検証を経て、全庁的な導入について検討していくという。
バランスボールは、椅子として使用することで骨盤周りを刺激したり、体幹部を鍛えたりするもの。腰痛予防や姿勢改善などにも効果があるとされており、全国各地の自治体ではバランスボールを椅子代わりに使用する試みが広がっている。
県内では、田辺市が昨年2月に本格導入。腰痛に苦しむ職員が多く、また価格も数千円からと安いことから、自費購入すれば使用可能とした。
新宮市では、健康意識の高い若手職員からの提案を受け、健康増進の一環として試験導入を決定。使用を希望する職員ら約10人が自費でバランスボールを購入し、椅子代わりにバランスボールに座りながら職務に励んでいる。
試験導入に先立ち、昨年11月からバランスボールに座って公務に当たっている田岡実千年市長は「たまに腰痛があって周りに勧められた。(腰痛が)良くなった気がする。使い続けることでさらに楽になることを期待しています」。
総務課行政改革係の玉井祐貴係長は「おなかに力が入って腹筋に良さそう。自身は腰痛はないが、ダイエット効果が期待できそう。姿勢が良くなることで集中力も高まるので職務にも集中できて一石二鳥だと思います。本格的な導入に向け、検証を行っていきたい」と話していた。
全庁的な導入が決定すれば新年度からの開始で職員が自費で購入することになる。
なお、バランスボールを導入する企業や自治体は増えており、スポーツ庁が従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に取り組む企業を認定する「スポーツエールカンパニー2022」でも、バランスボールを取り入れた企業が含まれている。
(2023年1月12日付紙面より)
塩竈神社で「脊美祭り」神事斎行 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で8日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者8人が参列し、商売繁盛や船の安全などを祈願した。
脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承し、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。
例年は、井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取り西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(畑下圭喜社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などを披露しているが、近年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から規模を縮小し、神事のみ斎行している。
厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い祝詞を奏上。参列者が玉串をささげ、コロナの収束を願った。
並川区長は「無事に滞りなく神事を終え安心した反面、3年連続の規模縮小は残念でなりません。脊美子を区民の皆さんが料理でおもてなしをすることが大きな祭典の一つ。『来年こそ』という思いを諦めず、通常の祭りができるよう願い継承していければ」と話していた。
(2023年1月12日付紙面より)
潮岬中3年・久保凛さん (串本町 )
皇后盃第41回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会の出場チーム情報が10日に発表され、串本町立潮岬中学校3年・久保凛さん(14)が前回に引き続き和歌山チームの一人として選抜されたことが公となった。同大会は15日(日)午後0時30分に京都市内で実施予定。久保さんは選考会の結果から3区を走ることになると見据え、本番に向けた調整に打ち込んでいる。
この大会は、日本陸上競技連盟が女子陸上競技中・長距離選手の普及と強化育成を目的として年1回主催。西京極総合運動公園たけびしスタジアム京都(=陸上競技場)をスタート・ゴール地点とする42・195㌔コースを中学2年生~社会人選手9人でつなぐ内容で、3区と8区が中学生限定区間となっている。
和歌山陸上競技協会は昨年11月26日に紀三井寺公園補助競技場で同大会選手選考会〈中学〉を実施。女子3000㍍種目には県全域から久保さんを含む16人が挑み、久保さんは記録9分44秒31で1位となった。
2位に約32秒差をつけ、前回の選抜のきっかけとなった記録をさらに7秒68縮める好成績。久保さんは「ラストでもう少し上げられたかなと思う。自分としては十分納得できる結果です」と自負している。
同協会は選考会上位3人を中学生選手として選抜していて、誰がどの区間を走るかは直前で決まるという。久保さんによると同大会中学生限定区間は3区がエース区間だそうで「前回は3区を走って区間10位だった。今回も選考会で1位だったので3区を走ることになると思いますが、区間3位以上になることを目指してチームに貢献できる走りをしたい。できれば区間賞を獲得したい」と意気込んでいる。
同大会の様子はスタート15分前からNHKの総合テレビやラジオ第1で生中継、NHKプラスで同時配信される予定。
(2023年1月12日付紙面より)
恵美須祭りで浜を清掃 (新宮漁協 )
漁業や商業の神の祭り「十日えびす」の日である10日、新宮漁業協同組合(中村誠二郎組合長)は、新宮市王子町の熊野恵美須(えびす)神社への参拝と海岸清掃を行った。組合員の約20人が参加、海上安全や大漁を祈願した後、王子ヶ浜に落ちたごみを拾い集めた。
例年は「恵美須祭り」として、神職を招いての式典や、地域住民が参加する餅まきを行っていたが、コロナ禍の影響で昨年とおととしは中止。今年は、新型コロナウイルスの新規感染者が増加していることから、神職の出仕もなく組合員だけで参拝した後、王子ヶ浜を清掃、餅まきは中止とした。
参加者は全員で参拝の後、ごみ袋を持ち王子ヶ浜へ。砂浜を歩き、ごみを拾い集めた。広範囲を歩き、重機に流木を積み込むなどして、黙々と作業していた。
中村組合長は「新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、恵美須祭りにおける餅まきなどは中止することになったが、漁協の組合員から『海へ感謝の意味を込めて、組合員のみで王子ヶ浜の清掃活動を行ってはどうか』との提案があった。少人数での屋外での清掃活動であれば感染の心配も少ないと判断し、清掃活動を行うことになった」と経緯を説明。
餅まきの中止にも言及し「コロナ禍が終わり、もう大丈夫となったら、餅まきを盛大にやりたい」と語った。
(2023年1月12日付紙面より)
「二十歳の集い」に212人 (新宮市 )
新宮市の「令和5年二十歳の集い」が4日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。振り袖やはかま、スーツ姿の新成人212人が出席。田岡実千年市長や来賓らに見守られながら大人への第一歩を踏み出した。
昨年4月からの成年年齢の引き下げに伴い、市ではこれまでの「成人式」を「二十歳の集い」に変更。20歳を人生の重要な節目の年齢であるとの考えを基に、対象年齢や式典開催日を例年同様とし、実施するに至った。
新型コロナウイルス感染対策が講じられた式典では、国歌・市歌静聴に続き速水盛康教育長が「これまでの20年間の生活を振り返り今日の日を一つの節目とし、社会人としての自覚と責任、そしてふるさと新宮に誇りを持ち、自分自身の人生をたくましく切り開いて」と開式の辞。
田岡市長は「20年間、この素晴らしい新宮市に生まれ育ったことを誇りに思っていただき、つらい時も支えてくれた保護者や友達、地域の方々への感謝の気持ちも感じてほしい。これからが人生の本番。真面目に一生懸命取り組む心、他人のことを思いやる心を大事に頑張ってください」とあいさつした。
来賓の榎本鉄也市議会議長は「失敗を恐れず、何事にもチャレンジしいろいろな体験をしてください」と祝辞。濱口太史県議が「皆さんには熊野の魂が宿っている。ふるさと発展のためにも力を注いで」とメッセージを寄せた。
新成人を代表して、中上連さんが仲間や両親、恩師、地域住民らに感謝を述べ「新宮市で生まれて良かった、新宮市で育って良かったと誇りに思っている」。
バスケットボールで高校インターハイを目指すためにふるさとを離れるまでに経験した社会体験活動や人権学習会などが大きな糧になったとし「社会人としてはまだまだ未熟。一人一人置かれている立場は違うが、それぞれが自身の目標に向けて歩み続けている最中。これからも人との関わりを大切にし、誰かの支えになるような社会人になれるよう、日々精進するとともに、これまでお世話になった方々に少しでも恩返しできれば」と誓いを新たにした。
市教育委員の中村八十八さんのあいさつで閉式。市内中学校の校舎などがスクリーンに映し出され、お笑いコンビ「横山ポンスケ・ゆうすけ」の2人がコントを披露し、二十歳のはなむけとした。
(2023年1月6日付紙面より)
公民館が文科省より表彰 (太地町 )
太地町公民館(江﨑隆司館長)はこのほど、文部科学省が実施する第75回「優良公民館表彰」において、優良公民館表彰館に選ばれた。事業内容などが他の模範と認められる公民館に対して表彰されるもので、和歌山県では太地町のみとなった。
優良公民館表彰は、公民館やその他公民館と同等の社会教育活動を行う施設(社会教育センター、生涯学習センターなど)のうち、特に事業内容や方法などに工夫を凝らし、地域住民の学習活動に大きく貢献している施設を表彰するもの。
今年は岡山県の岡山市立京山公民館が最優秀館に輝いた。最優秀館1館、優秀館4館含む合計72館が表彰館に選ばれた。太地町公民館は県からの推薦を受け、「過去・現在・未来 くじらと関わり続ける公民館」のキャッチフレーズとして応募。優良公民館表彰審査委員会が審査を行い、今回の表彰に至った。
町公民館は1949年に発足され、翌年に公民館報創刊号(現在は「鯨波」)を発行。82年に新築開館し、2016年に館内エレベーターを設置した。
町公民館は町の社会教育基本方針にのっとり、「豊かな生活を支援する」「公民館報の内容充実」「幅広い年齢層が参加できる各種事業の企画」を目標に活動。
地域資源を活用したまちづくりとして、「太地の歴史に関する講座」や「博物館・美術館と連携した講座」を開催するとともに、在米太地人系クラブや関東太地会、関西太地会などの組織の事務局も担っている。
さらには2カ月に1回発行する「鯨波」では、関東・関西太地会だよりのコーナーを設け、県外に住む町出身者の近況も紹介。町民と町出身者のつながりを深めることにも寄与している。
町教育委員会によると今後は、町が進める「福祉の町づくり」や「子どもたちを学校と地域が一体となって育てる町」に重きを置き、同館を高齢者が集える場所にするとともに、誇れる子どもたちを育成するために、引き続き学校や地域と連携しながら取り組んでいくという。
江﨑館長は「合併せずに一町で取り組んできた活動がずっと引き継がれている。ますます、町づくりの中での公民館の役割は大きくなる。3年間、コロナ禍の中でもできることはやってきた。来年はそれらに幅を持たせていきたい」。
宇佐川彰男教育長は「これまでの歴代の担当者や館長にも感謝したい。事業充実のために、各分野に専門職員を配置するとともに、皆さまに喜んでいただけるように各職員が懸命に頑張ってくれている。今後も努力したい」と語った。
表彰式は2月3日(金)に、東京都千代田区にある文部科学省第1講堂で開催され、同町も出席予定だという。
(2023年1月6日付紙面より)
「初競りマグロ」奉納 (和歌山県漁連 )
和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄代表理事会長)による「初競りマグロ」の奉納が4日、那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)であった。紀州勝浦漁業協同組合の片谷匡代表理事組合長や、同連合会の額田浩事務局長など6人が参加。勝浦地方卸売市場の初市に揚がったビンチョウマグロを神前に供え、大漁や海上安全を祈った。
勝浦市場の初競りマグロの同大社への奉納は、同連合会により毎年行われている。今年は全長1・5㍍、重さ21㌔のビンチョウマグロが持ち込まれた。神事では、神職が祝詞を、巫女(みこ)が神楽を奉納。一同を代表して片谷組合長が玉串をささげた。
男成宮司はあいさつで「水産業を取り巻く環境は厳しいと聞くが、今年一年、神様の加護の中で、少しでも良い方向に進むことを願う。私らの食卓に、おいしいマグロが並ぶことを期待している。皆さんのますますの発展と、海上安全を祈念する」と語った。
片谷組合長は「大漁や海上安全を祈願した。マグロの価格が安定することを願うとともに、水揚げを受け入れる体制もしっかりとしてあげたい。衛生管理もしっかりとしたマグロを届けられるようにしていきたい」と話した。
勝浦地方卸売市場の初市は、奉納と同日の4日に開かれた。今年は水揚げ量が約69㌧、水揚げ金額が税込み約6037万円だった。
(2023年1月6日付紙面より)
新宮公設市場で初市
新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「令和5年初市」があった。午前7時過ぎから初競りが始まり、威勢のいい掛け声が市場内に響く中、イチゴやトマト、ダイコン、白菜、かんきつ類などが次々と競り落とされた。
同市場は生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県内の公設市場第1号として設置された。
初競り前の式典で小田会長は、4年目に入ったコロナ禍や10月から始まるインボイス制度などに言及。「昨年は少子高齢化や人口減少に加えて、長引く新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢や円安などを背景としたエネルギー、食料品などの原材料の価格上昇の影響などもあり、一段と厳しい年となった。今年はうさぎ年。国内外のさまざまな困難な状況が少しでも明るい方向に向かうことで飛躍する1年となることを願っています」とあいさつした。
市場管理者の田岡実千年市長は「市場を取り巻く状況は、特にここ2、3年はコロナ禍の影響によりかなり厳しい時期が続いたが、ここにきてようやく有効なワクチンや新薬も開発され明るい兆しも見えてきた。広域行政としても、青果・水産の両卸売会社にご協力いただきながら、新鮮な食材を安定的に提供できるよう、市場機能の充実・活性化に向け取り組んでいきたい」と誓いを新たにし、一層の市場利用に向け協力を呼びかけた。
(2023年1月6日付紙面より)
令和5年初射会 (新宮弓友会 )
新宮信用金庫理事長杯卓球大会
レスリング「近畿ブロックNTS研修会」