新宮市新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・田岡実千年市長)は24日、市役所別館大会議室で記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症対策に係る市独自の支援政策などに関して説明をした。支援策に係る補正予算については28日(火)の臨時議会で上程する。
市が打ち出す支援策は▽「新宮市飲食店経営持続化支援金」の給付▽水道料金の免除▽帰省自粛学生応援事業―など。国の特別定額給付金事業(仮称)などを含め、補正予算総額は29億9536万8000円。
また、25日(土)から5月31日(日)までの期間、出勤に伴う職員間の接触機会を減らし、市役所業務の継続性を確保するため、土・日曜日も開庁し交代制勤務を実施する。平日の窓口の混雑の緩和を図り、来庁者の感染リスクを低下させる。対象職場は市役所本庁、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局、保健センター、水道事業所。
会見に当たり、田岡市長は「幸いにも市では現在、感染者は発生していないが、不要不急な外出自粛要請を行う中、市民生活や地域経済は大きな打撃を受けている」とあいさつし、支援策の内容を説明。国の給付金についても「できるだけ早く市民の皆さんにお渡しできるように作業を進める」と報告した。
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市が提案する支援策は次の通り。
■「新宮市飲食店経営持続化支援金」の給付
売り上げの減少など大きな影響を受けている市内飲食店の支援のため、定額10万円を給付(持ち帰り、宅配専門店除く)。
■水道料金の免除
市内の全使用者の5月請求分(4月検針分)の水道料金(基本料金および使用料金)を全額免除。
■帰省自粛学生応援事業
市出身の学生に対して、帰省の自粛を求める代わりに地場産の米5㌔やレトルト食品、市長メッセージなどを「仕送り」して生活を支援する。
(2020年4月25日付紙面より)
まちなか商品券の引き換えについて (那智勝浦町 )
新型コロナウイルス感染症に関連する緊急経済対策として那智勝浦町は22日より「那智勝浦まちなか商品券」の引き換えはがきの郵送を開始した。引き換えは27日(月)から5月29日(金)まで町内郵便局で行われる。同町では引き換え時の混雑配慮や「三つの密」を避けるための対策を呼び掛けている。
商品券は収入の減った町民と小規模事業者への支援が目的。同町では緊急事態宣言が発出されていることや、引き換え時には郵便局に多くの町民が集まってしまうのではいかとの不安の声も寄せられていることに触れ、「生活が苦しい方には一刻も早くお届けしたいと考えている。5月末まで期間があるため、引き換えを急がない方は郵便局が混雑しないよう配慮をお願いいたします」と呼び掛けている。
対策としては▽引き換え場所を町内11カ所(紀伊勝浦、那智勝浦朝日、那智天満、那智勝浦港、那智宇久井、那智山、那智井関、色川、太田、下里、那智浦神)の各郵便局に分散▽郵便局に安全を確保する取り組みを依頼▽引き換えに行く人の誕生月での振り分け(奇数月生まれは奇数の日、偶数月生まれは偶数の日に引き換え)―などを挙げている。
同町は「町としても感染予防対策を行っているため、町民の皆さまにもマスク着用やせきエチケットの徹底、発熱など体調不良の際は引き換えを控えるようお願いいたします。引き続き、手洗いなどの感染予防の取り組みをお願いいたします」と話している。
問い合わせは那智勝浦町役場総務課(電話0735・52・4811)、観光企画課(電話0735・52・2130)まで。
(2020年4月25日付紙面より)
高池小前6年生制作の看板 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の前年度6年生11人が卒業記念で制作したクマノザクラ道案内看板3基が23日、道の駅虫喰岩からクマノザクラのタイプ木を目指す道中に設置された。
この看板は、同町観光協会(須川陽介会長)と連携したふるさと学習「クマノザクラ学習」の一環で1月下旬からデザインを練り、2月下旬から制作を開始。組み上げの段階に差し掛かった3月2日に新型コロナウイルスに伴う臨時休業が始まり、未完成で終わらせたくないと考え11人から残りの作業を引き受けた大畑校長が仕上げた。設置するまでには至らず、大畑校長は卒業時に11人と「必ず設置する」と約束をして仕上がった看板を預かっていた。
他方、同協会は制作時に想定した設置場所3カ所の地権者と交渉を進め、諸事情で年度をまたぐ形となったが一通り協力を得ることができこの日の設置に至った。
作業には同協会の須川会長と事務局職員2人、同校の大畑校長ら教職員3人、役場地域振興課職員1人が参加。タイプ木基準で手前約700㍍、約420㍍、約280㍍の県道沿いに見やすい高さを意識して打ち込んだ。
看板の素材には、同校児童が6年来使う学習机の使用済み天板(65㌢×45・5㌢)を活用。描かれている内容は▽クマノザクラまで あと700m▽よっていってよ クマノザクラ この先420m▽いらっしゃいませ 楽しんでね★ あと少し280m―の3種類で、縦辺両端に長さ1・8㍍の支柱、横辺両端に装飾木を組み付けた形になっている。
11人との約束を果たした大畑校長は「遅くなってしまったが、約束した通りに設置できて良かった。11人には来シーズン、この看板が役立つところを見て達成感を感じてほしい」とコメント。
須川会長は「今日こうして子どもたちが作った看板を設置できたことは、本協会の『未来につなぐ』という点も含めてうれしく思うところ。今後も子どもたちと一緒に取り組みを続けていきたい」と語った。
この日は道案内看板と併せ、11人が同協会主催の桜フェア開会行事に自主参加して取り組んだクマノザクラ卒業記念植樹用の看板も設置された。
(2020年4月25日付紙面より)
飛雪の滝百姓塾がブランド化 (紀宝町浅里 )
「にほんの里100選」に数えられる紀宝町浅里で23日、町のブランド米「飛雪米」の田植えがあった。農事組合法人飛雪の滝百姓塾(木下起査央・代表理事)の会員が80㌃の田んぼに飛雪米の「結びの神」を植えた。
百姓塾は2005(平成17)年に任意団体として誕生。11(平成23)年9月の紀伊半島大水害で甚大な被害を受けたが、翌年には農地の復旧に努め、15(平成27)年に法人化した。
設立当初は耕作面積37㌃からスタート。年々、耕作放棄地を耕し、今では120㌃の水田を管理。昨年は約3・3㌧を収穫した。また、国や県の補助金を活用して環境美化や獣害対策にも取り組んでいる。
結びの神は県農業研究所が12年かけて開発した品種。同地区では結びの神とコシヒカリを生産し、「飛雪米」としてブランド化した。熊野川と山々に囲まれ、豊かな水と土地で育った飛雪米は、ふっくらした食感が特徴だという。
例年、名古屋市の岡谷鋼機の社員や「おもしろ大学」のメンバーなどを招き田植え体験を行っているが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止した。
8月中~下旬に稲刈りを予定しており、木下代表理事は「新型コロナの終息を願い、夏には稲刈りを体験してもらいたい。多くの人においしい飛雪米を食べてほしい」と話していた。
(2020年4月25日付紙面より)
熊野速玉大社でコカリナ奉納 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で10日、コカリナ奉納演奏があった。コカリナの第一人者・黒坂黒太郎さんと同市出身の歌手・矢口周美(かねみ)さん夫妻が新型コロナウイルス感染症で混乱する世界の安寧などを祈り、コカリナや歌、オートハープの優しい音色を境内に響かせた。
コカリナはハンガリーの民族楽器を改良したもの。1995年に黒坂さんが日本に紹介し、黒坂さんと日本の木工家によって改良が加えられ、現在のコカリナが誕生した。黒坂さんはコカリナ奏者として国内外でコンサートを実施する傍ら、東日本大震災や紀伊半島大水害の支援コンサートを展開するなど、被災地支援にも積極的に取り組んでいる。
夫妻は、この日、同市で開催される聖火リレー出発式典で演奏する予定だったが、オリンピックの延期に伴い式典も中止に。しかし「感染を防ぐために祈りをささげたい」との思いから、このたびの奉納に至った。
黒坂さんは「来年はきっと事態も収束し、素晴らしいオリンピックが開催できるよう願っています」と思いを込め、国立競技場建設のために伐採された神宮の森の木で作ったコカリナなどで6曲を奉納した。聖火リレー出発式典で演奏する予定だった「世界中の友達に平和を」では、矢口さんが手話を交えて歌唱。美しい歌声が社殿に響いた。
奉納を終え、矢口さんは「熊野の再生の神様の力が必要だと感じた。貧富も関係なく、世界中の人が同じように恐怖を感じている。生きている人や神様、総動員で力を結集して乗り越えていかなければならない」。
上野宮司は「コロナウイルスの影響で重苦しい気を吹き飛ばすようなすがすがしく素晴らしい演奏でした」と感謝を述べ、「この木でコカリナを作ってください」と境内のナギの木から切り分けた枝を贈った。
(2020年4月12日付紙面より)
新型コロナウイルス対策 (三重県 )
三重県は10日、県独自の新型コロナウイルス「感染拡大阻止緊急宣言」を出した。9日時点で、感染経路が不明な事例は確認されていないものの、これまで15人の感染が確認された。感染が拡大する近隣の愛知県、岐阜県と連携を強化し、取り組みを進める。
県民の「命と健康」を最優先に考え、感染者数を抑えるとともに医療提供体制の確保と社会機能の維持を両立させることが狙い。「感染防止対策を徹底いただくとともに、感染はひとごとではなく、明日には自身や大切な家族にも起こり得る事態であるということを認識いただき、個人への偏見や差別につながる行為、人権侵害、誹謗(ひぼう)中傷などは絶対に行わないよう、ご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。
県では「オール三重」で次の対策に取り組む。
▽医療機関への通院や通勤など生活の維持に必要な場合を除き、生活・文化圏が重複する愛知県、岐阜県と「緊急事態宣言」が発出されている7都府県への移動の自粛。
▽広域の移動の多い県立学校、県立特別支援学校の臨時休業の早期検討。
▽入院医療提供体制の充実や軽症者の受け入れ検討、医療従事者の確保、施設設備の整備など医療提供体制の整備推進。
▽県としての追加的な対策を速やかに検討、実施。
(2020年4月12日付紙面より)
障害者用駐車場供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は9日、役場庁舎玄関前と付近駐車場に3台分の障害者用の駐車スペースを整備し、供用を開始した。
障害者が役場を利用する際の利便性向上などを目的に、4日から駐車場内の区画整備を実施。役場横には元々、障害者用スペースが2台分あったが狭かったこともあり、和歌山県が定める基準に合わせて整備した。
また、付近駐車場も3台分の駐車スペースを障害者用駐車場の2台分に整えた。整備作業は8日に終わり、9日から供用が開始された。
同町では「障害者の方の駐車場の幅を広げ、駐車台数を増やしたので利便性の向上ができたと思います。役場に来られた際はぜひご利用ください」と話している。
(2020年4月12日付紙面より)
新宮サッカースポーツ少年団団長・津呂建二さん
新宮神社でさくら祭 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内にある新宮神社で3日、例祭(さくら祭)が執り行われた。大社崇敬会の杉本義和会長や敬神婦人会の久保あや子会長ら約30人が参列し、桜の枝を玉串として奉奠(ほうてん)した。
新宮神社は明治40年、神社合祀(ごうし)令により、新宮町内にあった18社18柱の祭神を大社境内の金刀比羅(ことひら)宮に合祀したのが始まり。中でも最も位の高い渡御前(わたりごぜん)社の主祭神・神武天皇の例祭に合わせて、毎年4月3日に営まれている。同神社は昨年から御代(みよ)替わりの年の記念事業として修復工事を行っている。鬼瓦と拝所の瓦は、当時(江戸時代のものとされる)のものを利用しているという。
祭典では、上野宮司による祝詞奏上の後、桜の小枝を髪に挿した巫女(みこ)たちが、桜の木を背に優雅に「浦安の舞」を奉納した。
上野宮司は参列者らに対し「新型コロナウイルス感染症のことで気がめいるが、一人一人が食物を大切にし、しっかり栄養を取って体力をつけ、元気な気持ちを持って健康に留意を」と呼び掛けた。
祝詞奏上では、コロナウイルスの早期の終息を願ったと話し「本来なら春で心麗しい時だがコロナ災禍で気を病んでいる人も多いのでは。そういった気を吹き飛ばし、一日でも早く心の底から花をめで、祭りを楽しむことができるようにお祈りをしました」と話していた。
祭典終了後には、関係者らにより、参拝者や地域住民らに厄払いの餅が配られた。
(2020年4月4日付紙面より)
一枚岩のセッコクが開花 (古座川町 )
古座川町相瀬、一枚岩の壁面に根付くセッコクの開花が始まった。2日現在でごく一部が白い花を付けている状況。ここ数年では特に早いシーズンインとなっている。
セッコクはラン科の多年草で、温帯域の岩や木に着生し複数本の節がある茎を伸ばして繁茂する。一枚岩には点々と小さな虫食い状のくぼみがあり、その一部に根付いている。
草丈は20~30㌢、花は約3㌢。一枚岩の巨大な壁面に比べるとごく小さい存在だが、花盛りを迎えると対岸からでも咲いているのが見て取れるようになる。
セッコクの花のシーズンは一般に約1カ月とされ、今年はゴールデンウイーク半ばが終盤にかかりそうなタイミング。19日(日)とその前後3日間の午後5時前は風物詩「一枚岩の守り犬の影」が上流側の壁面に映り込む時期で、天候が良ければ花と影を併せて観賞できる好機でもある。
道の駅虫喰岩の施設は本年度から運営者が変わり5月1日(金)にcamp &Food「monolith」がオープン予定。先行して今月3日から30日(木)まで屋台の出店が始まっている。昨年まであった単眼鏡が今年はないので、セッコクを観賞するときは各自で望遠鏡を持参すると役立つ状況だ。
(2020年4月4日付紙面より)
紀宝町鵜殿の讃寿会グラウンドゴルフ部(福本稔夫部長)は3日、鵜殿グラウンドで本年度最初の活動を実施した。部員約30人が参加し、和気あいあいと楽しんだ。
新型コロナウイルス感染症対策を取りながら、健康維持のため毎週金曜日に活動を続けている。この日は桜を眺めながら8ホールを4周し、元気いっぱいにプレーした。
女性最高齢の辻本ミサエさん(92)は「グラウンドゴルフが大好き。これが生きがい」。男性最高齢の中井清さん(90)は「これからも続けたい」と笑顔を見せていた。
福本部長は「町の了解を得ながらグラウンドを使用し、部員の健康のために活動を続けている。皆さん、楽しんでくれていますよ」と話していた。
(2020年4月4日付紙面より)
新宮市仲之町に就労支援センター開所 (NPO法人ぷろぼのくまの )
新宮市仲之町で中高生向け「くまのチャレンジスクール」と社会人向け「くまのジョブトレスクール」を運営するNPO法人ぷろぼのくまの(柴田哲弥理事長)はこのほど、同町に新施設「くまの就労支援センターヨリドコ」を開所した。休校措置が終了し次第、社会人のパソコン(PC)スキルの獲得支援などを展開していく。
開所に当たり、同法人は昨年9月13日から12月2日にかけて、改修資金を集めるために、インターネットを通じて資金調達するクラウドファンディング(CF)を実施。CFを通じ139万円の支援を受けたほか、203万円もの寄付が直接届けられたという。総額は342万円で目標金額の350万円をほぼ達成した。柴田理事長は「こんなに集まるとは思っていなかった。還元がない中でこれだけの寄付を頂き感謝しかないです」と話す。
新型コロナウイルス感染症の影響で開所式はなし。小中学校の休校措置に伴い、利用者が体を動かせるようにと、3月上旬から改修工事と並行して空間の利用を開始した。バランスボールや小型トランポリンなどを配置し、夕方までのPC教室が終了次第、子どもたちが遊びや学びに利用している。
同所での開所にこだわった理由は「まちなか」。「まちの真ん中で困っている人を受け入れ、社会性を身に付けてもらうために間口を広くした」と柴田理事長。「誰かのよりどころとなるように」との思いを込め「ヨリドコ」と命名した。道沿いに上がりスペースを設け、テーブルと座布団を配置。「生きづらさを感じている人限定ではなく、利用者、商店街を歩く人が交流できる施設になれば」と期待を寄せた。
(2020年4月4日付紙面より)
【第9回】今こそ食育のチャンス!
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、さまざまな影響が広がっていますね。
不安な状況が続いて、ご自宅で過ごす時間も増えているのではないでしょうか? そこで、私が今こそ提案したいのが、食育です! それどころじゃないよという声も聞こえてきそうですが、お子さんたちと過ごす時間が増える今こそ食育のチャンスだと思うんです。
自宅で長い時間を過ごすとなると、ついついお子さんとご両親で別々の時間を過ごしてしまいがちですよね。でも、長い休校と春休みで、子どもたちも退屈していると思います。そんなときに、お料理をイベントにして、一緒に作るというのは、いかがでしょうか? クッキーやドーナツなどのスイーツを作るのも楽しそうですし、ギョーザを皮から作ったり、ピザを焼いてみたり。普段やらない手間のかかるお料理を一緒にするのは、本当にオススメです。
一緒に作るときに、ぜひ心掛けていただきたいポイントが幾つかあります。一つ目は一緒に思い切り楽しむということです。上手くできないことを笑い合ったり、会話を楽しみながら作ってください。とにかく「お料理は楽しい!」と思ってくれるように、演出することが大切です。小学生の家庭での調理経験を研究した論文では、「食事を楽しんでいる児童ほど、調理や食事の準備をよく行っている」と報告されています(小学生高学年の食生活と学習態度や意欲との関連性、大阪教育大学紀要、2007)。お料理を楽しめる子は、食事を楽しめる子ということですね。また、「調理経験は自尊感情のうち【他者への思いやり】に最も強く影響を及ぼす」という論文もあります(小学生の家庭での調理経験が食事観、自尊感情、教科に対する関心に及ぼす影響、栄養学雑誌、2018)。つまり調理経験のある子どもは、人に優しい子になる可能性が高いということです。これは、人との関わりに大きく関連していると思うのですが、楽しい経験が優しさを生み出すという側面もあると考えています。
もう一つのポイントは、とにかく褒めてあげてほしい!ということです。調理工程でもそうですが、一緒に食べて「おいしい!」「ありがとう!」と言ってあげてほしいのです。「自分で作ったものを家族や友達に食べてもらい、『おいしい』と言ってもらえたときの喜びは、【自分が大切なものである】という自尊感情につながる」(高学年児童の学校給食への関心と学習態度・意欲や健康状態との関連、日本食育学会誌、2018)という報告があるくらい、作ったものを褒めてもらうことは、子どもたちにプラスになるんです。
最後のポイントは一緒に考える!です。お料理は大人とやると、指示されたことをする「お手伝い」になりがちです。私は、大人が子どもと一緒に「味どうかな?」「どうやったらおいしくなるかな?」と考えながら作ることで、子どもの思考力や自尊心の向上につながるのではと考えています。ぜひ、巣ごもり中の楽しいイベントの一つとして、お料理を取り入れてみてはいかがでしょうか。
(2020年4月4日付紙面より)