城南中学校が初挑戦 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)で28日、政府が推進する「GIGAスクール構想」で導入したタブレット型パソコン(PC)を活用した、初のオンライン火災避難訓練が行われた。教職員による一次消火訓練や代表者による消火体験の様子を各クラスのモニターに中継し、全校生徒160人が視聴した。
同校では年1回、新宮消防本部の協力を得て火災避難訓練や消火・煙体験に取り組んでいる。本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、大人数が移動する訓練ができないことから、オンラインでの訓練を企画した。
この日は理科室からの出火を想定し、教職員が出火場所を特定して避難指示の校内放送を行い、一次消火へ向かう緊迫した現場の様子を中継した。訓練後、久安孝典教頭は生徒たちに「避難訓練の意義は何だと思いますか?」と問い掛け、その答えを▽火災が発生したときに向けて意識を高める▽災害に対する備えの大切さを学ぶ―の二つだと説明。校内地図の画像を共有しながら教室からの避難経路を確認した。
小林優月さん(3年)は「リモートでの避難訓練は初めてで新鮮だった。やる気がある人だけでなく、全員が同じ環境で参加できるのが良かったと思う」。山原優奈さん(同)は「普段使っている校舎の動画だったので分かりやすかったが、消火器の使い方など細かいところまでは動画では見えなかった」とそれぞれメリットやデメリットを語った。
吉田校長は「人間は初めてのことが起こるとパニックになってしまう。避難を経験しておくことが命を守ることにつながる。2学期は地震や津波を想定した避難訓練も実施したいと考えているので、真剣に取り組んでほしい」と呼び掛けていた。
(2021年6月30日付紙面より)
災害用備蓄水「なんたん水」 (串本町 )
串本町の災害用備蓄水「なんたん水」がこのほど、モンドセレクション2021で最高金賞を獲得した。3年前に続く評価で、同町は引き続き現行体制で製造を続ける考え。他方、製造10周年記念として、小型ロケットの打ち上げにちなんだ記念ボトル商品化の挑戦も始めている。
「なんたん水」は、東日本大震災以降に災害用備蓄水の必要性を強く感じ、日本とトルコの友好など町のPR要素も盛り込んだ形で11年度から製造を始めた。保存期間は県内でもトップクラスの5年間。津波緊急避難時の持ち出しやすさや常温下における安全消費の観点で、500㍉㍑ペットボトルの1商品のみを展開し、1本当たり100円で役場水道課や町内外の委託販売先で販売している。個人備蓄の裾野を広げるため、高齢者世帯へ24本入りケースの状態で無料配達する努力も重ねている。
日本清流百選・平成の名水百選の選定を受ける古座川から取水し、古田浄水場の膜ろ過装置で浄化し硬度1・2㍉㌘の軟水に仕上げている。この水を同浄水場系の上水道として配水しているが、なんたん水は浄化まもない水を災害用備蓄水として加工(カルキを除去するなど)し商品化している。
モンドセレクションは食材の国際的品評機関。味覚、衛生、成分表示の適正、原材料などの項目で審査し、最高金賞・金賞・銀賞・銅賞・賞外の各評価をしている。評価の有効期間は3年間。「なんたん水」は12年と15年に金賞、18年と21年は最高金賞の評価を獲得していて、同課の佐藤則夫課長は有収率向上により膜ろ過の速度が下がり、より磨きがかかるようになったことが評価向上の要因だと受け止めている。
今回の獲得は、向上した品質が変わらず保持できている証しともなった。前年度は製造量を若干上回る3万6980本を供給。56%が町備蓄、44%が販売となっていて、販売規模は新型コロナウイルス感染症に伴う県南部への教育旅行集中の影響も含め増加傾向にあるという。
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安定供給を目指す一方で挑戦を始めた記念ボトルはアルミ容器で10年保存を目指す内容。同町独自のロケット振興の一端で連携する漫画「宇宙兄弟」のデザイン画を外装に取り入れる形で商品化を模索している。
災害用備蓄水としてはもちろん、ロケット見物客の土産需要など普段使いの頻度を上げたい考え。容量は490㍉㍑、売価は200円、初回製造数は4万本を想定していて、現在同課で外装のデザインを検討している段階だという。
最高金賞の継続獲得で品質を誇る「なんたん水」の安定供給と記念ボトル商品化の挑戦。田嶋勝正町長は記念ボトルの売れ行きがよければ次年度以降の製造も考えるとし、「地震や津波の発生時に水は大事なので、備蓄目的で作ってきた。高評価はもちろん、昨年は過去最高の売り上げとなり住民の意識も高まっているのかなと感じうれしく思う。新展開のアルミボトルは記念という思いで買っていただければ」とコメントした。
(2021年6月30日付紙面より)
住民が設備の使用方法学ぶ (那智勝浦町 )
今年3月30日に完成した那智勝浦町宇久井里地区の津波避難タワーで28日、現地説明会があった。地元住民約10人が参加し、町職員から設備の使用方法などを学んだ。
タワーは同地区の一部が津波避難困難区域であることから、住民の命を守るために一時避難場所として昨年11月に着工した。
鉄骨造で高さ9㍍、床面積が53・95平方㍍、収容人員は約100人。想定浸水深は三連動地震で約1・9㍍、巨大地震で約4・9㍍。事業費は地質調査や設計管理、工事費などを含め約5500万円で、主に緊急防災減災事業債を活用している。
町内に設置された避難タワーは今回の里地区で5基目。30日に現地説明会を行う天満地区の避難タワーで6基目となる。
町によると、海に隣接する築地地区には現在、避難設備がないため、避難タワーなどの設備設置について検討を重ねているという。
この日、堀順一郎町長も現場を訪れ「施設を使うということはできれば避けたいが、地震が発生した際は津波が来ることをいま一度お考えいただきたい。工事の際は住民の皆さまにご迷惑をお掛けしたが、命を守るためのタワーなのでご容赦いただきたい」とあいさつした。
職員は▽階段へと続く扉の解錠方法▽緊急時に点灯する照明▽USBやコンセントの差し込み口▽ビニールシートやトイレセットなどが完備されたボックス―などの詳細や使用方法について説明した。
住民からは「解錠方法の手順が記された看板を設置する方が良いと思う」「ボックス内に備蓄品の開封を行うためのカッターなどを入れておいてはどうか」「夜間に解錠して設備を使用する訓練を実施すべきでは」などの提案があった。
タワー近くに住む山本明さんは「周辺には高齢者もいるため、タワーが完成して安心している。ありがたい。訓練は必要だと思う」。
里一区の土井正治区長は「緊急的な避難を行うためのものだが、両側から津波の確認もできる。タワーができてありがたい」と語った。
(2021年6月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部理事長杯
バドミントン講習会 (串本町体育協会 )
なぎなた選手権和歌山県予選で活躍 (近大新宮高 )
第7回王子カップ2021
ひまわり基金地域貢献賞 (新宮信用金庫 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)はこのたび、「ひまわり基金地域貢献賞」を選定した。受賞したのは「花てまりの会」(おお木博子会長)と「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長)の2団体。
同金庫は地域貢献事業を行うことを目的に1999年4月に「しんぐう信金ひまわり基金」を設立。地域振興や環境保全などのボランティア活動に努める団体を毎年表彰し、活動を助成している。
22日に同金庫勝浦支店と本店で表彰式があった。勝浦支店では、羽根洋一支店長が「新型コロナウイルスの影響で晴れやかな気持ちになれないときもあるが、地域の方々の心が和み、色鮮やかな花で町を彩ってくれていることに感謝しています。今後も地域のために活動の継続を願っております」と述べ、おお木会長に表彰状と目録を手渡した。
おお木会長は「ありがたい。取り組みは継続が重要だと思う。今後もできる限り長く、町の活性化や癒やし、景観美化のためにお手伝いできればうれしい」と話した。
本店では営業部の横川英之部長が「信用金庫としても地元で頑張っている方々を応援したい。当地域を代表するクマノザクラを全国に発信していただくことは地域の誇りとなる。今後も発展に寄与していただけたらありがたいです」と話した。
勝木会長に代わり、田尾友児副会長は「会が発足されて半年くらいだが、評価を頂きありがたい。今後は会員の皆さまに入会して良かったと思っていただけるよう努力していくとともに、クマノザクラの生息地や特徴を研究し全国に広げていけたら」と語った。
「花てまりの会」(勝浦支店推薦)は、約17年前から活動を開始。地域住民の憩いの場づくりや町内美化、観光客の受け入れに対するおもてなしを大切にして日々、きれいな環境づくりを目指している。昨年は第30回全国花のまちづくりコンクールで奨励賞を受賞した。
「日本クマノザクラの会」(本店営業部推薦)は今年2月に発足した団体で会員は現在、約160人にも上る。紀伊半島南部の熊野・奥熊野地域を象徴する103年ぶりの新種「クマノザクラ」は性質など、判明していない点も多いことから、野生集団の保全に配慮した適切な利用方法が必要となるという。そのため、同会では保護や正しい情報発信に注力している。
(2021年6月24日付紙面より)
※ おお木博子会長の「おお」は、左側が「羽」の下に「令」、右側が「寛」
神倉小4年が浄水場見学 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童436人)の4年生63人は23日、クラスごとに同市磐盾の新宮浄水場を訪れ、毎日の生活で使われる水がどのようにつくられるのかを学んだ。
社会科の「暮らしを支える水」の一環。市の上水道は和歌山県内で2番目に着手され、1932(昭和7)年12月に給水を開始した。89年たつ現在でも、毎日約1万1000立方㍍の水を市内に供給し続け、市民の生活を支えている。
浄水場で職員の南功起さんが「浄水場ができる前は井戸や山の湧き水、川の水を使っていたが、水中の細菌やウイルスによって感染症が起こっていた。浄水場では塩素で水を消毒し、飲んだ人が病気にならないようにしている」と説明。ポンプや給水池を経由して市内に水が供給される仕組みを紹介した。
児童は水中の泥を沈める「薬品沈でん池」やさらに細かい物質を除去する「急速ろ過池」などを見学。熊野川の取水口から浄水場をつなぐ全長473㍍のトンネルの出口に刻まれた「清麗」の文字を眺め、命懸けで上水道の設備を造り上げた先人たちの努力に思いをはせていた。
今後は浄水場を訪れて学んだことを新聞形式でまとめる予定だという。
(2021年6月24日付紙面より)
区と教委と大島小一丸で (大島プール )
串本町大島にある社会教育施設「大島プール」(屋外プール)で18日、遊泳期間に向けた清掃作業があった。
このプールは、大島港右手の旧消防団車庫前から中道へ入り、海方向へ進んだ突き当たりに位置。社会教育目的で毎年一般開放していて、期間中は大島区(稲田賢区長)が委託を受け安全監視に当たっている。
そのような状況により、清掃作業は同区と所管の教育委員会教育課、学校プールとして利用する同町立大島小学校の三者一丸で期間前に行う形が定着している。コロナ禍の情勢を考慮して昨年に引き続いて今年も児童の参加は無しとし、教職員と区民有志、同課職員の約25人一丸で取り組んだ。
プールの水を抜きながらたまったごみを取り除き、浴室用洗剤を使ってコケや泥などの汚れをこすり落とし、更衣室やプールサイドも一通り水洗いした。今年も時折小雨が降る状況となったが、こどもや地域のためだとひるまず作業に励んで遊泳期間中の整然とした状態を取り戻したという。
本年度の遊泳期間は7月1日(木)から8月31日(火)までの2カ月間。大島小児童の学校プール利用を最優先としていて、今年は7月の5日(月)、9日(金)、13日(火)、16日(金)が大島小の貸し切り日となる(一般利用不可)。利用料は一人1回につき町民上限200円(中学生以下と65歳以上は無料適用)、町外上限300円(無料適用なし)、10人以上のグループ利用時に団体割引の適用を受けられる。
プールは25㍍水槽(水深1・1~1・2㍍)と小プール(水深50~60㌢)があり、水は循環ろ過で清浄を保っている。遊泳時間は午前10時~午後4時。施設内は土足厳禁で、遊泳に必要なものは各自で準備としている。
利用時の注意事項は同施設内の掲示を参照。問い合わせは同町教育委員会教育課社会教育グループ(電話0735・62・0006、7月26日以降は電話0735・67・7260)まで。
(2021年6月24日付紙面より)
3密回避で19施設と締結 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は、大雨や台風などで避難情報を発令した際に町内19の宿泊施設を避難所として使用できる協定を11日、役場町長室で締結した。前回締結分の協定期限は昨年12月末に終了したが、町民の安全確保のために事業を継続。今回も宿泊施設から協力の申し出があったという。
協定は指定避難所での3密回避を目的とした町の新型コロナウイルス感染症対策の一つ。昨年の避難者数は41世帯70人だった。
宿泊施設への避難は避難情報が発令時に町民が直接、宿泊施設に連絡を入れ申し出を行うもので、宿泊施設の受け入れ状況に応じての対応となる。役場や宿泊施設の送迎はない。
受け入れ時は部屋、風呂、トイレ、布団を提供。食事は含まない。食事などの個別サービスの利用や入湯税が必要な施設については別途負担となる。これまで費用は1泊1人5000円を町が負担していたが、施策の長期継続のため、今回から町民が1人2000円を負担することとなった。
締結式には7宿泊施設の代表らが出席。堀順一郎町長は「避難所の3密回避のためにご協力いただいている。避難情報が出た際は宿泊客のキャンセルも多いと聞いた。避難所利用によって少しでも事業者さまの支援にもつながれば」と述べた。
出席していた「碧(あお)き島の宿熊野別邸中の島」の野口滋己取締役社長は「町民の皆さまの安心や安全のために申し出させていただいた。何らかの形でもご協力できればうれしい。避難の際は温泉などで疲れを癒やしていただきたいです」と話していた。
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町と協定を締結した宿泊施設は次の通り。
▽ホテル浦島
▽碧き島の宿熊野別邸中の島
▽かつうら御苑
▽なぎさや
▽海のホテル一の滝
▽万清楼
▽湯快リゾートプレミアム越之湯
▽民宿かつうら荘
▽民宿亀の井
▽こいで
▽温泉民宿 小阪屋
▽美滝山荘
▽民宿わかたけ
▽お宿はな
▽休暇村南紀勝浦
▽パルスイン勝浦
▽ホテル&レンタカー660
▽サンライズ勝浦
▽ビジネスホテルブルーハーバー
(2021年6月13日付紙面より)
蓬莱地区福祉委員が蓬莱保に寄贈 (新宮市 )
新宮市の蓬莱地区福祉委員会の大江加予子委員長と松尾由美子副委員長は11日、市立蓬莱保育所(赤坂厚子所長、園児88人)を訪れ、雑巾60枚を寄贈した。
同委員会は地域の見守りや引きこもりの防止、日頃なかなか会う機会の少ない人たちとの交流を目的にサロン活動などを実施している。
雑巾は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から催しの制限を余儀なくされる中、5月に開かれた総会で提案して会員たちが各家庭で作成。寄贈は4年ほど前から行われており、昨年は新型コロナの影響で中止していた。
この日は市社会福祉協議会の職員も来所。大江委員長らが赤坂所長に手縫いの雑巾を手渡した。大江委員長は「昨年は渡すことができなかったため、コロナ禍ではありますが何とかできないかという思いから会員の皆さんにお願いし、協力して作りました。掃除などの際に少しでも役立ててもらえれば」。
受け取った赤坂所長は「皆さんに心を込めて作っていただいた雑巾を寄贈してもらい、大変ありがたい。3歳児以上の子どもたちが掃除で使っており、絶対に欠かせない品物。大切に有効活用させていただきます」と感謝していた。
(2021年6月13日付紙面より)
英会話とガイドの基礎学ぶ (新宮市 )
新宮市と新宮商工会議所、(公社)新宮市シルバー人材センターで構成される「新宮市生涯現役促進地域連携協議会」は11日、市内各所で令和3年度スキルアップセミナー「観光ガイドの基礎知識と観光案内の簡単な英会話を学ぶ(Ⅰ)」を開催した。10人が参加し、市観光協会登録ガイドの福辻京子さんから英会話を交えたガイドの基礎を学んだ。
同協議会は2018年に発足。19年度開始分の厚生労働省「生涯現役促進地域連携事業」実施団体に全国14団体の一つとして採択されて以降、市内在住のおおむね55歳以上の中高年齢者を対象に就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
昨年度は「野菜づくり体験」を皮切りに生涯現役スキルアップセミナーを開始。新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも「川舟下り船頭を知ろう!」「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」「郷土料理を作ってみよう」など6回のセミナーを展開してきた。
本年度初となったこの日のセミナーは会場を屋外に移して実施。熊野速玉大社駐車場に集合した参加者を前に、福辻さんが「(観光ガイドは)お客さんの時間を頂いて案内させていただいているという気持ちで取り組んでいる」「テキスト丸暗記ではなく、自分が得た知識で案内するのがガイドの仕事」などと説明。
「今日のことは知識としてインプットして。ガイドの仕事に興味を持っていただけたら」と呼び掛けた。
参加者らは、英語で自己紹介を行った後「World Heritage Site(世界遺産)」や「pilgrimage(参詣道)」など、当地域を説明するために欠かせない英単語を学習。
フィールドワークでは福辻さんによる観光案内や英会話講座などを吸収しながら、同大社敷地内、寺町を経て神倉神社へ。「千年以上もの間、日本中から人々が熊野にやって来ました。今では世界中から観光客が訪れています。本日は来てくれてありがとうございました(Thank you for coming today)!」といったおもてなしのあいさつも学び、約2時間の行程を終了した。
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■登録(無料)を呼び掛け
同協議会では、55歳以上の市内在住者に対し、「あと2、3年働きたい」「週に2、3日だけ働きたい」「ボランティア、サークルを探したい」などといった希望の登録を呼び掛けている。
登録は市役所別館1階の総合相談窓口へ。電話(0735・29・7384)でも相談や登録を受け付けている。
(2021年6月13日付紙面より)
「でも、ぼくはまけない。くるしんでいる人をもっと早く見つけられるようがんばる」。10年前の紀伊半島大水害時に那智勝浦町で災害救助犬として活躍したミック。2014年1月に永眠したが、その姿は絵本「災害救助犬ものがたり『さがせ!ミック』」で生き続けている。
絵本の作者は、紀宝町井田の田中千鶴見(ちづみ)さん(80)。過酷な状況の中で行方不明者を捜索した災害救助犬への敬意と感謝を込め、3年がかりで描き上げた。
「ミックは警察犬として活動し、災害救助犬の訓練も受けていた。子どもの頃からハンサムで、穏やかな性格。立派な犬だった」。飼い主で訓練士の瀧本美鈴さんを通じてミックに出会ったのは水害前だった。
ミックはNPO法人和歌山災害救助犬協会認定の災害救助犬で県警察本部嘱託警察犬でもあった。厳しい訓練を乗り越え、東日本大震災や紀伊半島大水害などの災害現場で活躍し、警察犬としても優秀な能力を発揮してきた。
絵本にはミックの生い立ちから警察犬、災害救助犬として成長し、現場で活躍する姿が描かれている。水害時には土砂や流木で埋まった林の中を捜索し、多くの人を見つけた。
「かあさん、ぼくはがんばるよ。だって、ぼくは災害救助犬ミックだもの」。最後のページにはミックと瀧本さんの深い絆を映し出した。
本紙が発行した特別報道写真集など、当時の写真や映像を参考にしたという田中さん。「災害を繰り返してほしくないが、起こったときは災害救助犬が重要な役割を果たすことを多くの人に知ってもらいたい。絵本は幅広い世代の人たちに読んでほしい」と口にした。
絵本にも登場した瀧本さんは「田中さんは救助犬の応援をしてくれている方。ミックの頑張りが認められてうれしい。絵本を通じて、災害時に全国で活躍する犬や人がいることを知っていただける機会になれば」と話している。
絵本は新宮市佐野の「スーパーセンターWAY南紀店」で14日(月)から販売される。価格は1540円(税込み)。インターネット通販でも購入できるという。
(2021年6月12日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」は9日、那智勝浦町宇久井地区と狗子ノ川地区に位置する熊野古道「小狗子(こくじ)峠」入り口周辺の補修などを行った。会員10人が参加し、イノシシによる掘り起こしや雨などで崩れた部分を直した。
小狗子峠はゆるやかな石畳の道や付近にある屋敷跡が有名な古道だ。今回は入り口付近に流れる小川周辺の石積みが獣害などにより崩れ、川内にも石が散乱。そのほか、水を流す溝部分にも土砂が堆積していたことから、作業に至ったという。
会員は溝部分の土砂を除き、U字溝を埋め込んだほか、石積みの補修や草刈りなどの整備に取り組んだ。
これまで代表を務めていた太田耕二さんに代わってこのほど、会長に就任した地庵(じあん)晋司さんは「小狗子峠を観光資源にすることが最終目的。今後も会員一同で整備を継続してきれいにしていきたい」と語った。
(2021年6月12日付紙面より)
城南中と王子ヶ浜小が研修会 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)で9日、王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)と合同の研修会が開かれた。小中の教職員約50人が参加し、全体会・分科会を通じて互いの教育活動に関する情報を共有した。
王子ヶ浜小に通う児童のほとんどが城南中学校に進学することから、9年間を見通した教育活動を展開するため、両校教職員の連携を強化することが目的。例年3回実施しているが、新型コロナウイルス感染症対策の観点から公開授業は中止している。
全体会で自己紹介をした後▽学力向上▽人権・防災▽生徒指導―の3部会に分かれて両校の取り組みを共有。人権・防災部会では、差別や虐待のない温かな社会づくりに向けて城南中学校が独自に取り組む「エンジリボン活動」について発言があった他、「小中共にSNS(会員制交流サイト)トラブルへの対応が問題となっている。教職員から働き掛けるだけでなく、児童・生徒主体のルール作りも必要では」「新型コロナ感染拡大で、防災教育や避難訓練の実施にも影響が出ている」といった課題も挙げられた。
吉田校長は「前年度熊野川中学校に勤めていた時、地域の方から『小学校の子、中学校の子ではなく、熊野川の子どもとして見ている』と言われ、はっとさせられた。同じ地域にある学校として、同じ方向を向いて教育活動をしていきたい」と話していた。
(2021年6月12日付紙面より)
サブレがプレミア和歌山認定 (第二なぎの木園 )
新宮市新宮の障害者福祉事業所「第二なぎの木園」(社会福祉法人熊野緑会、大前裕一理事長)が製造するサブレ「THIS IS WAKAYAMA SABLE」がこのほど、プレミア和歌山に認定された。サブレブランドの立ち上げ当時から製造に関わる利用者の一人、尾地裕也さん(24)は「認定いただいてうれしい限り。もっと多くの人に食べてもらいたい」と笑顔を見せる。
同施設は、利用者の工賃向上や生きがいづくりなどを目的に2019年10月、民間専門家チームのサポートにより、サブレ専門ブランド「なぎのは」を設立。
「和歌山を代表するお菓子になれば」との思いを込め、商品を「THIS IS WAKAYAMA SABLE」と命名。▽湯浅角長のしょうゆ▽那智勝浦天満牧場の牛乳▽那智勝浦両谷園の無農薬緑茶▽南高梅▽有田みかん―を使用するなど「オール和歌山」にこだわった商品作りを進めてきた。
商品には「障害のある人が地域を支える存在になれば」といった願いも込められており、商品展開のプロセスでは、利用者のプロ意識の醸成や仕事を成し遂げることの喜びや楽しみを体験する場の提供を目指すと共に、職員が利用者の目標達成のために一緒に考えながら挑戦していく過程を重要視している。
約1年8カ月前の立ち上げ以降、増設した製菓工房で利用者、職員共に試行錯誤を重ねて商品作りにまい進してきた。同施設職業指導員の西芙味さんは「製造過程で使用する機械の扱いなどにも苦労した。今では用意から片付けまで、全て利用者さんたちがやってくれています」。現在は利用者15人が製造に当たっている。
利用者と職員一丸となった取り組みが実を結び、商品は翌月に開催された「第11回スウィーツ甲子園」(兵庫県主催)で見事グランプリを受賞。製造量との兼ね合いを図りながらの販路拡大に向けた開拓に乗り出した矢先、新型コロナウイルス感染症の波が当地域にも押し寄せ、商品を扱っていた道の駅や各施設の休業などに伴い注文が激減。
認定はそんな状況下における朗報だった。「注文が減り、利用者さんのモチベーションも下がる中で励みになったと思います。素材にこだわり『これが和歌山です』と銘打った自信作。そのことが認められたのはありがたいこと」と西さん。
「県外にも販路を拡大していければ。もっと多くの人に『和歌山の味』を知ってもらいたい」と、コロナ終息後を見据えつつ語った。
同商品は、10個入り1080円(税込)、5枚入り594円(税込)で道の駅やイオン新宮店など県内約30カ所で販売している。
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■プレミア和歌山
安全・安心を基本に、幅広い分野で優れた県産品を「和歌山らしさ」「和歌山ならでは」の視点で認定・推奨する制度。
(2021年6月12日付紙面より)
県高校総体卓球競技で活躍 (新宮高校 )
県消防救助技術会 (新宮市消防本部 )
第49回和歌山県消防救助技術会が1日、和歌山市加太の県消防学校であった。新宮市消防本部からは8人が出場。芝下朋也さん(20)が「はしご登はん」で35人中1位となったほか、同種目で2人が入賞、「引揚救助」で東紘助・西一慶・湯川貴生・西地裕・林勇成さんチームが7チーム中3位入賞を果たすなどの好成績を収めた。同消防本部で「はしご登はん」1位は初の快挙となる。
同技術会は県内の消防職員が一堂に会し、日頃の訓練の成果を発揮する大会。それぞれの種目の活動内容に安全性などの観点から審査項目が設けられており、他の消防本部と競い合い、学び合うことで救助技術の向上を図り、他の模範となる消防救助隊員を育成する目的もある。
今年は県内16消防本部から200人以上が参加。個人・団体種目合わせて七つの種目で救助技術を競い合った。例年なら1位入賞者は全国消防救助技術大会への出場権を獲得するが、今年は新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み全国大会の規模を縮小することから、出場者は7月9日(金)に京都市で開催される東近畿地区指導会で、7府県から2人が抽選で選ばれるという。
「結果は予想していなかった」と初出場で1位となった芝下さん。技術会当日はコロナ感染予防のため結果発表を待たずして車に搭乗。1位の知らせは帰路の途中に届いたという。
趣味は筋トレで柔道は初段の腕前。「手応えはあった。訓練の成果を出せたと思う」と笑顔で語り、「もし全国大会の代表に選ばれた際には課題を克服し完成度を上げていきたい。今回得た経験を実際の現場活動で生かし、市民の皆さんの安心安全につなげていければ」。
越水薫消防長は「技術会の種目には普段の火災や救助の全ての要素が含まれている。出場したことでレベルは上がっているはず。いい結果に終わって喜んでいる。こういった経験を繰り返しながら災害時に生かしていきたい」と話していた。
(2021年6月6日付紙面より)
日本の森・滝・渚全国協議会
「日本の森・滝・渚(なぎさ)全国協議会」(会長=市川熙(ひろし)・山口県光市長)令和3年度第1回理事会が3日、オンラインで実施された。副会長を務める田岡実千年新宮市長をはじめ8人が参加。ウェブ会議システムを活用し意見交換を行った。
同協議会は、「森林浴の森全国協議会」「日本の滝全国協議会」「日本の渚全国協議会」の統合により2007年に発足。それぞれ「森林浴の森日本100選」の森林(1987年選定)、「日本の滝百選」の滝(90年選定)、「日本の渚・百選」の渚(96年選定)を有する自治体により構成されていた。
自然敬愛に基づき郷土を愛する心を育むとともに心豊かな人づくり、自然と共生する潤いのあるふるさとづくり、国づくりを推進し、日本の豊かな自然を守り後世に伝えることを目的としている。
目的の達成に向け▽地域の活性化▽地域の知名度向上のための情報発信▽情報収集および調査研究▽優れた自然環境の保全▽地域相互の連携―などの事業を展開している。新宮市では、「桑ノ木の滝」が滝百選に、「高田の里」が森林浴の森100選に登録されている。
昨年度は新型コロナウイルス感染状況を鑑み、協議会は理事会・総会ともに対面での開催は中止としていた。
開催に当たり、市川会長は「長期化するコロナ禍の影響で先行きが見通せない状況だが、終息を見つめると疲弊した地域経済の活性化のためには各地の魅力を生かした観光振興が重要な役割を担うと考える」とあいさつし協力を呼び掛けた。
田岡市長は「昨年に引き続きお会いできないのは残念だが、リモートではあるが顔を見ながら会議ができることをありがたく思っている」とコメントした。
この日の理事会では、書面決済となる総会へ提出する議案などについて審議。総会関連事業が2年連続で中止となることを憂慮し、リモート対談を実施し会報「百選賛美」に掲載することや、コロナ終息後を見通し、ホームページやパンフレットの改訂を実施していくことなどを共有した。
(2021年6月6日付紙面より)
土砂災害啓発センター (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)では、昨年度県内の小中学校で実施した防災学習の感想文をファイルにまとめて展示している。
同センターによると、防災学習を実施後、感謝の言葉や重要だと感じたことなどを書きつづった感想文が各校から届くという。感想文はこれまでも展示スペースなどに掲載していたが、学習を実施する学校数も増えてきたことから今回、目次や各校ごとの見出しを付けてまとめた。
ファイルは小学校と中学校でそれぞれ1冊ずつあり、感想文を書いた生徒児童の名前は消去するなど、個人の特定につながらない配慮も行っている。
坂口所長は「『初めて山が崩れることを知りました』などの内容のものもあった。皆さんの感想文はわれわれにとっても大きな気付きがある」と評価。
今後の防災学習や感想文の狙いなどについては「子どもたちに学んでもらうのはもちろんだが、自宅で家族に話したり、感想文をきっかけに大人の方々にも防災を勉強しようと思っていただけたらありがたい。これからも取り組みを継続していきたい」と語った。
(2021年6月6日付紙面より)
新宮市立図書館休館に伴い
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向けた市立図書館休館に伴って5日、市立神倉小学校図書室の一般開放が始まった。開放期間は7月までの毎週土曜日午前9時~午後1時。
読み聞かせなどの読書活動や児童生徒の学習スペース、図書の閲覧に利用してもらうためで、開放中は学校司書や図書館職員がカウンターに常駐する。
絵本や小学生向けの小説、伝記、図鑑、詩集、一部中学生向けの小説などが閲覧できるが、貸し出しはできない。利用時間や来館対象者の制限はなし。利用時は新型コロナウイルス対策としてマスクを着用し、学校横の駐車場に限りがあるため、できるだけ徒歩や自転車で来室する。
図書館職員は「どなたでも利用していただけるので、ぜひ気軽にお越しください」と利用を呼び掛けている。
なお、新聞閲覧は同所ではなく、市役所別館ロビー(平日午前9時~午後5時)へ。
問い合わせは新宮市教育委員会教育政策課(電話0735・23・3365)まで。
(2021年6月6日付紙面より)
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