休園前最後のお別れ会 (新宮市立王子幼稚園 )
本年度を最後に休園となる新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)で16日、お別れ会があった。卒園を迎える園児11人がダンスやゲームで楽しいひとときを過ごし、園生活での思い出をつくった。
同園は園児数の減少と、応募者が少なかったことから本年度で休園措置となった。お別れ会は園児の思い出づくりの機会にと、卒園式前に毎年行われていた催し。
子どもたちは「椅子取りゲーム」「ジャンケン列車」「腕相撲」「コマ回し大会」など、さまざまなゲームに挑戦。○×ゲームでは園にちなんだ問題が出され、「どっちかな?」と迷いながら移動して正解を発表するたびに歓声を上げ盛り上がった。
お菓子バイキングもあり、園児は籠に用意されたお菓子を一人ずつ袋に入れていき、職員や友達と会話を弾ませて仲良く味わった。会の後は園庭でドッジボールをしてにぎやかに過ごした。
丸山紗生(さき)ちゃん(6)は「ドッジボールが楽しかったです。幼稚園でみんなと会えなくなるのは少し寂しい。1年生では、鉄棒が上手になりたい」。
山邉智也君(6)は「みんなで話をしながらお菓子を食べてうれしかった。小学生になったら、友達をいっぱいつくって勉強を頑張りたい」と話していた。
同園は1958(昭和33)年1月9日に開園。開園式には51人の園児が出席した。ピーク時の79(昭和54)年には、138人の園児がいたという。
(2020年3月17日付紙面より)
町内の海岸の環境守る (那智勝浦町 )
那智勝浦町の住民有志によって発足された「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長、会員35人)が15日、同町勝浦のお蛇浦(じゃうら)周辺の海岸で初の清掃活動を実施した。20人が集まり、町の名所である同所で発泡スチロールやプラスチックごみなどの回収に汗を流した。
同会は町内の海などを定期的に清掃活動することで、景観や環境を保持し、啓発していくことを目的に発足された。今後も2カ月に1回は活動を行うという。
この日はお蛇浦や26日(木)に営まれる弁天祭を控えた弁天島周辺の範囲で作業。両所は町民や観光客にも人気の名所であり、外国人もよく訪れているという。
地形的にもごみが漂着しやすいことから、これまでも近隣住民や町内のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)などが長年、有志で清掃に取り組んでいる。
猪飼会長は「勝浦の良い魚も釣れ、景観も良い。できるだけそのきれいな海を子どもから孫、子孫へとつなげていけたら」。
今後については「同町の各所の海で活動していきたい。要請があればほかの団体の方々のご協力もしていきたい」と語った。
(2020年3月17日付紙面より)
タイプ木ガイドツアー (古座川町観光協会 )
古座川町観光協会(須川陽介会長)主催のクマノザクラのタイプ木ガイドツアーが14日にあり、約60人が満開を迎えたタイプ木などに親しむ一助として参加した。
同協会が展開する帯企画「古座川桜フェア」=29日(日)まで=の一環。新型コロナウイルス感染症の拡大予防機運が広まる一方、タイプ木は開花が進むにつれ断続的ながらも町内外からの観賞を集めている状況で、その後押しとして計画通り取り組むこととした。
樹木医・矢倉寛之さんをガイドとして迎え、午後1時30分と3時の2回、同協会事務所がある道の駅虫喰岩を拠点にして実施。前半は38人が参加し、矢倉さんは分類の考え方や町域にはヤマザクラとクマノザクラの2種類が野生種としてあり両者が開花時期をずらして共存していることが異なる種と考えるきっかけになったこと、その両者の交雑は起こり得る仕方のないことだがソメイヨシノやオオシマザクラなどよそから持ち込んだ品種との交雑は絶滅に追い込む危険があるとし植樹の責任の重さを参加者と一緒に実感する機会も持った。
道中の山腹には時間差や色彩の濃淡もさまざまなクマノザクラが開花し、クローンのソメイヨシノが一斉に咲き出すのに対し野生種のクマノザクラは1本1本に個性があると説明。お気に入りの1本を決めてよく観察し、他の木はどう違うのだろうと比較して個性への理解を深めてもらえればとした。また陽樹のクマノザクラはたき木を得るための伐採後に新天地を得て種をつないできたが、最近はその機会がなく植林ではない場所は極相林に向け遷移が進んでいる。クマノザクラの多くが窮屈そうに生えているのは他の木との競争に負けているからだとし、今後どう残していくかが考えるべき課題の一つであることも示唆した。
この日のタイプ木は、多少雨に打たれたもののほぼ満開。利用した人は木の全体や花を手持ちのカメラで撮影するなどしながら観賞した。
矢倉さんは「生態系のことを考えて植樹をすることをきちんと認識するためには、ペットを山に捨てないのと同じように理解することが必要」と今回の案内に込めた思いをコメント。「きれいだと思うのはもちろん、プラスアルファでじゃあそのきれいさを守っていくには何が必要かをそれぞれの言葉で話してもらえたら、今日の観察会は有意義になると思う」と参加者の今後を期待した。
同フェアにおける同協会主催行事はこの日のツアーで終了。同協会事務所内では関係企画として、同協会カレンダーの原画を担当したフォトグラファー・濵口恵美さんによるクマノザクラの写真展を引き続き開いている。その他取り組みとして、同町小川にあるKii Gardenのスイセンの広報や案内に協力している。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。
(2020年3月17日付紙面より)
YouTubeチャンネル開設 (紀宝町ウミガメ公園 )
国内外で新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」も25日(水)まで営業時間を短縮した。一方、臨時休校で自宅学習中の子どもたちにウミガメの魅力や知識を伝えようとYouTube(ユーチューブ)公式チャンネル「紀宝町ウミガメ公園」を開設し、新たな取り組みにも挑戦している=写真。
動画を見た子どもたちにウミガメや環境問題に興味を持ってもらおうと、地域おこし協力隊で飼育員の伊藤柊也さんと本紙が合同で企画した。
16日現在、「ぶくぶくするアカウミガメ」「世界一可愛い餌の取り合い」「呼ぶと来るスッポンモドキ」など、伊藤さんが撮りためていた動画がアップロードされている。
伊藤さんは「ずっと観察していないと見られない瞬間や啓発授業の様子も紹介していくつもり。ぜひチャンネルを見てください。新型コロナ終息後にはウミガメ公園に足を運んでほしい」と話している。
チャンネルは、YouTubeで「紀宝町ウミガメ公園」と検索する。
同公園の飼育プールは24日(火)まで改装工事中だが、園内の屋外プールでウミガメと触れ合うことができる。飼育プールでは、普段アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイを観察できる他、ネコザメなどの海洋生物や数種類の淡水ガメを展示している。ウミガメの保護啓発、ストランディング(死亡漂着)個体調査、混獲個体の保護、上陸・産卵調査にも力を入れている。
□ □
■営業時間短縮
紀宝町ウミガメ公園は25日まで、全館の閉館時間を午後3時とする。1階の情報共有コーナーは午後5時まで開放する。
これまでもアルコール消毒液の設置や接客時のマスク着用などの対策をして業務に当たっていたが、10日に三重県内で新たな感染者5人が確認されたことにより、今回の措置に踏み切った。
23日(月)時点で状況の改善が見られない場合は、町役場と協議の上、期間を延長する可能性もある。
(2020年3月17日付紙面より)
4月から原則屋内禁煙へ
健康増進法の改正に伴い、4月1日から全国で原則屋内禁煙が義務化となる。昨年7月に病院や学校、行政機関を対象に原則敷地内は禁煙となっていたが、4月からは飲食店や職場、事業所などでも屋内禁煙となるほか、喫煙室の標識掲示の義務や未成年の喫煙エリアへの立ち入り禁止などが施行されるなど、受動喫煙を防止するための対策が一層強化される見通しだ。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立。同法律により原則屋内施設の全面禁煙が初めて法制化された。
4月から、飲食店に対して①店内禁煙②喫煙専用室設置(飲食不可)③加熱式たばこ専用の喫煙室設置(飲食可能)④店内一部に喫煙可能室を設置(飲食可能)⑤店内の全てで喫煙可能(飲食可能)―の五つの分類が生じ、喫煙可能とする場合には標識を掲示するほか、喫煙可能室の設置に当たり、最寄りの保健所への届け出が必要となる。違反すると指導や命令、罰則などが適用される場合もある。
店舗ごとの対応条件としては▽2020年4月1日時点で営業している店舗である▽資本金または出資の総額が5000万円以下▽客席面積が100平方㍍以下―の条件のうち、一つでも当てはまらない店舗については原則①となり、一定の基準を満たした場合には②、③の設置も可能。
前述の条件全てに当てはまる、既存の経営規模の小さな飲食店(既存特定飲食提供施設)に対しては、経過措置として①~③に加え④、⑤も可能。しかし⑤では従業員を含む20歳未満の入店や立ち入りが不可となる。
また、喫煙専用室などの基準については「出入り口において室外から室内に流入する空気の気流が毎秒0・2㍍以上である」「たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井などによって区画されている」「たばこの煙が屋外または外部の場所に排気されている」ことが設けられており、加熱式たばこ専用喫煙室、シガーバー、換気装置などの設置、改修など受動喫煙防止対策に取り組む店舗などに対する助成金制度もある。
和歌山県では、新型コロナウイルス感染症の対応などにより、店舗や県民に対する周知に遅れが出ている状況だという。東牟婁振興局保健福祉課は「対応は各店舗で異なるので確認を」と呼び掛けている。届け出や喫煙可能を示す標識などは県ホームページからダウンロードできる。
問い合わせや相談は同振興局(電話0735・22・8551)の保健福祉課へ。
(2020年3月13日付紙面より)
議会中に黙とうささげる (新宮市議会 )
新宮市議会(前田賢一議長、15人)3月定例会期中の11日、議員や市職員ら出席者は議場において約1分間の黙とうをささげ、東日本大震災の犠牲者を追悼した。
震災から今年で9年。一般質問を中断した上、午後2時46分に前田議長の呼び掛けで黙とうが行われた。新宮市は震災で甚大な被害を受け多大な犠牲者が出た宮城県名取市と姉妹都市提携を、気仙沼市と交流都市協定を締結している。
名取市では死者911人、行方不明者65人(2011年当時)。気仙沼市では死者1143人(うち関連死109)、行方不明者214人(18年現在)。両市とも震災に伴う津波や火災などで壊滅的な被害を受けた。
(2020年3月13日付紙面より)
東日本大震災から9年 (新宮市 )
2011年の東日本大震災から9年を迎えた11日、新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児66人)で地震と津波を想定した避難訓練があった。全園児が市保健センター横のタウンガーデンまで逃げ、絵本を通じて災害から身を守る方法を学んだ。
同園では毎月1、2回、地震や火災、不審者などを想定した避難訓練を実施している。急な災害に対応できるよう、事前に予告せずに訓練を行うなど、徐々に難易度を高くして取り組んできた。
この日は午前10時に地震を知らせる放送が鳴った。外で遊んでいた園児は園庭中央に集まり、室内では机の下に入って頭を守った。園庭で人数を確認した後、急いでタウンガーデンまで逃げた。園舎に戻ると、東日本大震災の被災経験を基に描かれた絵本「つなみのえほん ぼくのふるさと」を教職員が読み聞かせた。ライフジャケットの着用練習もあった。
下岡園長は「食事中や幼稚園から帰るときなど、地震がいつ起こるかは誰も教えてくれない。震災のとき、釜石市では諦めずに少しでも高いところに逃げた人の命が助かった」と紹介し、命と体を守るよう呼び掛けた。
(2020年3月13日付紙面より)
コロナ影響で卓球合宿中止 (那智勝浦町 )
国内外で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、3月中に那智勝浦町に滞在予定だった大学卓球部の合宿が相次いで中止となった。経済的効果や町の周知、今後の来町にもつながる合宿の中止は同町にとっても大きな痛手となる。現状の詳細や今後について、合宿誘致に携わる同町在住の中西毅さん(66)に話を聞いた。
中西さんによると、合宿誘致は地域活性化や卓球競技の振興を目的に11年前から始まった。京都、大阪などを中心に大学卓球部を回り同町のPRを行ってきたという。
南紀くろしお商工会や町、町観光協会、南紀勝浦温泉旅館組合らが協力し、来町の際は歓迎セレモニーを開き、選手たちにも好評だという。
「他県と比較して気候的にも良い。体育文化会館には24台の立派な卓球台もあるため、50人までの規模の合宿なら受け入れが可能」。
選手たちが練習後に体を癒やす町内の旅館や民宿などの宿泊施設に触れ、「各宿泊施設の皆さんが、食事にも気を使い献立を考えてくれている。この町ではマグロが食べられ、温泉で体を休めることができるのも大きなポイント」と中西さんは話す。
□ □
合宿は春と夏に実施されており、今季は5~8日に大阪経済法科大学、10~15日に佛教大学、25~29日に近畿大学がそれぞれ来町する予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受け、全て中止になったという。「合宿はバスの移動などが主となるので、感染の可能性も上がってしまう。さらにクラブ活動も自粛となっているので今回は残念な結果となった。早期の終息を願っています」と話した。
□ □
夏の合宿には龍谷大学、大阪商業大学、同志社大学、佛教大学が例年訪れている。
卓球合宿について中西さんは「合宿に来てもらい、技術などを向上していただくのはもちろんだが、若い世代の方々にこの町の良さを知っていただき、再び訪れていただけたらありがたい。町の活性化にもつながる」。「今後は卓球だけでなく、そのほかのインドアスポーツの誘致にも広がっていけばうれしい」と語った。
(2020年3月12日付紙面より)
クマノザクラ花の時期に (古座川町 )
古座川町池野山にあるクマノザクラのタイプ木の開花がこのほど始まり、日に日にその度合いが進んでいる。同町発表によると11日現在で「五分咲き」の段階。他方、峯の優良木、蔵土(くろづ)や中崎の群生地の一部でほぼ満開に達する木もあるなど、町全体では時間差を伴いながら開花が進む状況にあるという。
クマノザクラは2018年3月、日本植物分類学会が国内10種目の基本野生種とする森林総合研究所の研究論文を受理したことが新種として判断する節目となった。タイプ木はその過程で必要となった標本を採取した木。同町は判断の節目以降速やかにクマノザクラを町の花として制定し、節目の半年後に発足した同町観光協会も帯企画「古座川桜フェア」を展開して適切な振興に努めるさなかにある。
道の駅虫喰岩前の県道を串本町佐部方向へ約850㍍進んだ先の民有地にあり、地元の高池小児童が手作りした看板が目印。今年は3日ごろから花が見られるようになり、同町は昨年に引き続いて公式ホームページのトップページ左上のリンク先で開花の様子を平日に更新しながら情報発信している。併せて町内の観賞に適した優良木や群生地を伝える「クマノザクラMAP」も公開し、観賞時の利便を図っている。
このリンク先は従来からあるソメイヨシノの主な観賞先の開花状況を伝えるリンク先と並列で運用していて、更新を担う役場地域振興課は「現地を訪ねるときの目安として参考にしてもらえれば」としている。
(2020年3月12日付紙面より)
9682人の卒業生を輩出 (矢渕中学校 )
これまで9682人の卒業生を輩出してきた紀宝町立矢渕中学校。1974(昭和49)年に建設された現校舎の老朽化が進み、町では大規模改修工事を計画した。令和2年度内に本工事の詳細設計をし、早期に工事着工できるよう進めていく。
72回目を数えた本年度の卒業式では70人が学びやを巣立った。学校の歴史は長く、47(昭和22)年4月4日、当時の鵜殿村立鵜殿中学校として設立された。翌年、鵜殿・御船・井田三組合立中学校を創設。10月1日に開校式を行い、以降この日が創立記念日となった。
50(昭和25)年3月1日、校名が鵜殿村・御船村・井田村三ヶ村組合立矢渕中学校に決まった。51(昭和26)年10月13日には木造の旧校舎が竣工(しゅんこう)した。
71(昭和46)年2月5日、この2階建て校舎は一夜にして焼失した。「鵜殿村九十年史」にはこう記している。
「矢渕だ!中学校が火事だ」村人は取るものも取りあえず矢渕へ走った。寒い夜空をこがして、真紅の炎が大きな二階建校舎に燃え狂っている。火事場は驚きと悲しみの騒ぎが続いた。校舎の東にあった体育館と、その隣りにあった図書館だけが焼失を免れたが、焼け残った校舎は全く使い物にならなかった。(一部中略)
火災から20日後にはプレハブ7教室が完成し、授業再開となった。その後、校舎再建に取り掛かり、井田中学校との統合が実現。74(昭和49年)6月22日、現在の校舎と体育館の新築落成式が執り行われた。
2006(平成18)年1月10日、町村合併により、現在の紀宝町立矢渕中学校となった。苦難を乗り越え47年を迎えた現校舎。大規模改修では照明のLED化や防災機能の強化、床、壁の張り替えなどに取り組む。
(2020年3月12日付紙面より)
会員のみで実施 (なちかつ古道を守る会 )
那智勝浦町のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は11日、同町湯川で「ゆかし潟クリーン作戦」を実施した。新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、今年は一般参加の呼び掛けを行わず会員のみで実施した。
汽水湖のゆかし潟周辺は熊野古道大辺路が通っており、妙法山も見ることができる。湖にはさまざまな魚や生物が生息している。この景観をきれいに保つため毎年クリーン作戦を行っている。
午前10時に会員16人が喫茶きよもん駐車場に集合。太田代表は「例年より少ない人数ですが、できるだけきれいにしましょう。ごみが捨てられている所へは、廃棄が続きます。道路から目立つごみにも気を付けてください」と呼び掛けた。
参加した会員は2人組になるなどして、夏山(なっさ)トンネル付近や、ゆかし潟周辺のごみを分別しながら拾い集めた。
(2020年3月12日付紙面より)