「コロナに負けるな」 (手作りマスクに込めた思い )
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マスク不足が叫ばれるようになってはや2カ月。いっときに比べマスク不足解消の兆しは見えつつあるものの、いまだ入手できない人が多いのが現状だ。
そんな中、マスク不足を払拭(ふっしょく)しようと、趣向を凝らしたマスクを手作りする人が増加。好みの布で作ったマスクを身に着ける人々が、春、そして間もなく初夏を迎えようとするまちなかに彩りを与えている。
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困難な状況にあっても女性のおしゃれ心は健在だ。「ガーゼが品薄」「耳に掛けるゴムが手に入りにくい」。そんな情報が流れるごとに誰かが代替案や代用品を提案し、手法などがアップデートされていく。今ではインターネットで「手作りマスク」と検索すると、無料型紙や彩り豊かな手作りマスクの画像などが日々更新されている。中には国が配布する布マスクの俗称「アベノマスク」を「ベツノマスク」「ウチノマスク」としてリメークしてしまうつわものも。
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100年前のパンデミック(世界的大流行)「スペイン風邪」では、当時の日本の総人口約5600万人に対し約2400万人が感染したとされ、終息には丸2年を費やした。スペイン風邪の大流行をきっかけに、当時、主に炭鉱などで働く人たちの粉じんよけとして使用されていたマスクが一般に普及したという。
しかし当時もマスクの供給が需要に追い付かず値段が高騰。さらに困難な状況に一山当てようと、マスクの「不正商人」が横行したという。
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いまだ終息のめどの立たない新型コロナウイルス禍。このたびもマスクなどの転売が社会問題となったが、いつの時代も暴利商法を用いて不正を働く者がいる一方、しなやかに、そしてたくましく困難に立ち向かう人々の姿もある。このコーナーでは、鮮やかなマスクを身に着けた人々の笑顔にスポットを当てたい。
「コロナに負けるな」。「手作りマスク」には、そんな人々の思いが込められているのではないだろうか。
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本紙では、自慢の「手作りマスク」を着用した写真を募集しています(マスク単体でも可)。あなたのすてきな「手作りマスク」の写真をお送りください。画像は「手作りマスク」コーナー宛てで、熊野新聞社フェイスブックもしくはメール(info@kumanoshimbun.com)でお送りください。
(2020年4月29日付紙面より)
中止事業の予算を活用し (古座川町老連 )
古座川町老人クラブ連合会(奥根公平会長)がこのほど、全会員に首掛け式の空間除菌剤1個を配ることを決めた。近々入荷予定で、単位老人クラブ会長経由で会員に届けるという。
24日にあった役員会で、新型コロナウイルス感染予防の観点から本年度前半の行事をすべて中止する判断をした同町老連。関係予算の新たな有効活用の方法を話し合う中で奥根会長(88)が身に着けている空間除菌剤が話題になり、それを全会員へ配って感染予防意識を喚起する方向へとまとまった。
その空間除菌剤は薬局を営む娘夫婦が感染予防に役立てばという思いで託した品で、薬剤師として近隣の病院に勤めた経験を持つ夫・尾鷲恭二さん(68)は医療従事者が身に着けている状況を見て自身も3年ほど前から使っているという。奥根会長は「手洗いや消毒、マスクなど基本の対策の上乗せとして、人が集まる場所へ行かなければならないときに使っている」と利用の状況を語り、ただ配るのではなく感染予防の説明をし日頃の心掛けを高めながら配るとしている。
同町老連事務局の同町社会福祉協議会によると、会下には12の単位老人クラブがあり総会員数は300人弱。今回は予備分も含めて320個を購入し、会員の感染予防に役立てるとしている。
(2020年4月29日付紙面より)
事業主らに応援金など支給 (紀宝町 )
紀宝町は27日、独自の新型コロナウイルス対策として、町に住民票または法人登記を有し県外に事業所、店舗などを構える中小企業・小規模事業者に支援金を、三重県の協力金交付対象外の全ての町内食事提供施設に応援金を支給すると発表した。
県では「緊急事態措置」として、対象施設に休業または営業時間を午後8時(アルコール提供午後7時)まで短縮するよう要請し、協力した県内中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)に協力金を交付している。
同町は和歌山県と隣接し、県外で事業を展開する事業主などが多いことから、町では県外事業者向けの支援金として1事業者当たり最大25万円を交付する。29日から5月6日(水・振休)まで休業や営業時間の短縮といった三重県の要請に協力することなどが条件となる。
応援金は、町内で喫茶店や飲食店など食事提供施設を経営し、県の休業要請に当てはまらない事業者に10万円を交付する。
受け付けはいずれも5月18日(月)から6月5日(金)までで、郵送での申し込みとなる。申請書は町のホームページでダウンロードできるほか町産業振興課、町商工会でも入手できる。支援金、応援金ともに申請要件が異なるため、詳しくは町産業振興課(電話0735・33・0336)まで問い合わせを。
町では5月13日(水)の臨時議会に一般会計補正予算として計上し、可決されれば5月末から交付を開始する。
会見した西田健町長は「紀宝町に住民票を有しながらも県外で活躍する人が多い。厳しい状況にある施設の皆さんに町として応援金を交付し、持続・継続できるよう支援したいという強い思いを持って提案した」と述べた。
(2020年4月29日付紙面より)
グランドール紀の風 (新宮市 )
新宮市佐野のサービス付き高齢者住宅グランドール紀の風(鈴木幹啓代表取締役、中村光德施設長)は23日、職員らが手作りした紙製の桜を飾った同施設内のテラスで「テラスでお花見お茶会」を開いた。マスク着用や互いの距離を空けるなど新型コロナウイルス感染対策を取った利用者は笑顔で外の空気を味わい、花見を楽しんだ。
同施設では毎年、同市の黒潮公園で花見を行っているが、新型コロナの影響で実施できない状況となったため、今回の花見を計画した。
桜の花は柔らかい折り紙で作成。利用者も手伝い、竹と段ボールで木の幹や枝を再現した。準備は1カ月ほど要したという。
花見はグループごとに行われ、職員がシャボン玉を飛ばし、お茶やお菓子でもてなした。
利用者は晴天の下、日光浴をしながら手作りの桜を鑑賞。「本当にきれい」とうれしそうに目を細めていた。また、花見待ちの利用者はバルーンアートなどを楽しんでいた。
催しを企画した同施設管理者の森晶平さんは「新型コロナの影響で利用者の方が屋外へ出ることができないため、少しでも楽しんでもらおうと考えた。今回の催しが今後の良い思い出になってくれたら」と話した。
中村施設長は「新型コロナの影響で面会が禁止になっているため、入居者の方やご家族にはご不便をかけ心苦しく思う。こんな時だからこそ、感染拡大には細心の注意を払いながら、笑顔でいられる環境を提供したい。その様子を写真に収めてご家族に送らせていただきます」。
「来年こそは利用者の皆さまに屋外で思い切り空気を吸ってもらい、お花見を楽しんでもらいたい。そして最高の笑顔をつくっていきたいと思う」と語った。
(2020年4月29日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で13日から15日にかけて、例大祭が営まれた。新型コロナウイルス感染症の影響で一部中止、規模縮小となったが、最終日の15日の渡御祭(とぎょさい)では、御霊(みたま)を抱えた九鬼宮司と時代行列が社殿から旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで練り歩いた。最後は熊野修験道による「採燈大護摩(さいとうおおごま)」も執り行われ、新型コロナ終息が祈願された。
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例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣(ほうじょう)を願う祭り。
15日午前は本殿前において神職や氏子総代など関係者のみが参列し、本殿祭が営まれた。
この日は特別に新型コロナ終息を願い、疫病よけとして、力強く太鼓をたたきながらの「大祓詞(おおはらえのことば)」が唱えられた。
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渡御祭では新型コロナの感染拡大防止の観点から、中学生による大和舞や巫女(みこ)舞、御田植神事なども中止となった。例年400人が参加した行列も40人ほどに縮小となったが、「挑花(ちょうばな)」と呼ばれるチョウを付けた菊の造花が祭りに花を添えた。
また、御霊を移す神輿(みこし)も中止となっため、今回は「厨子(ずし)」と呼ばれるヒノキ製の箱に御霊を移し、九鬼宮司が抱え渡御した。この形式での渡御は初だという。大斎原に到着後は宮司が祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
その後、熊野修験道による「採燈大護摩」が行われ、参列者の家内安全や、コロナウイルスの終息が祈願された。
九鬼宮司は「コロナにによって現在、国難といわれる状況になっている。飲食業や宿泊業などさまざまな業種の方々も生活が戻るように頑張っている。皆さま方の思いを受けながら今回の祭りは祈り一辺倒でさせていただいた」。
来年の例大祭については「祭りは地域活性化につながる大きな行事。来年は今まで以上に力強い祭りにできれば」と語った。
(2020年4月17日付紙面より)
総務建設委員会でコロナ対策 (新宮市議会 )
新宮市議会の総務建設委員会(福田讓委員長、7人)が15日、市役所であった。4人の議員が出席し、全国的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に対する市の対応などについて質問した。
三栗章史委員は、市庁舎内で感染があった場合、部署が閉鎖になる可能性があるとし、対策について質問。当局は、職員から感染者が出た場合や濃厚接触者と判明した場合、所管事務が滞らないように業務を継続していくとしながらも、多数の感染者が出る可能性を想定し、課を2班に分けて勤務する準備を進める必要があるとした。
市におけるマスク不足に対して当局は「市でも在庫がなく職員には個人で負担してもらっている。市民に配布できる備蓄もない」と理解を求めた。
上田勝之委員は▽感染予防、防止▽感染者が発生した場合の対応▽経済的困窮者への支援―について質問した。感染防止の観点から、ゴールデンウイークに他府県から帰省する人に対して2週間の自宅待機を強く要請するメッセージを出すべきと提言。市長から簡潔に広く市民に訴えかけるべきとした。
紀宝町の備蓄用マスクの配布や那智勝浦町の事業所に対する消毒液の配布などを挙げ「市からの発信が市民の不安解消につながるように早急な対応を」と求めた。
生活困窮者に対する国の支援制度について「方向性が定まれば市役所は混乱するのではないか。支給に該当しないケースも出てくるし書類も煩雑する可能性がある」。これに対し田岡実千年市長は、17日から市役所別館に相談窓口を開設することを報告した。
静岡県御殿場市が、損失額を保証した上で市内のバーなどに対し休業要請したことを例に挙げ「市として支援、助成のために思い切った対策を」と訴えた。田岡市長は「市内1800軒の商店、1000軒の飲食店に支援をするのは市の体力ではなかなか難しい」とし、国が打ち出す経済施策に期待したいと述べるにとどまった。
固定資産税などの支払い猶予や減免を望む意見に対して、当局は国では地方税法の一部改正を予定しており、全ての地方税を対象に徴収猶予や減免措置が設けられるなどと説明した。田岡市長からは水道料金の支払期間の猶予を水道事業所に指示をしているとの報告があった。
竹内弥生委員は、緊急事態宣言発令後の先週末、夜のまちに大勢の人が湧いていたと聞いたと危惧。「ストレスや自粛疲れなどで人があふれてくるのは必然。その第一波はゴールデンウイークで次はお盆時期と考える。他府県から帰省してきた人たちに対し、再度強く2週間の自宅待機を促すべき」と強く要望した。
また、夜の飲食店において「飲食店は消毒液さえあれば工夫をしながらなんとかやっていけるが接近を伴う夜の店は難しい。お金があれば休業できるという個人事業主も多い」と述べ、相談窓口でのしっかりした誘導と、飲食店に対する消毒液の配布を求めた。
福田委員長は「市民の安全を守るために相談窓口は土日いつでも対応できるようにしていただきたい」と要望し、市民に対する情報の発信を含め、できることは早急に対応をと呼び掛けた。
委員らからの意見を受け、田岡市長は飲食店など市内事業所に対して、除菌効果のある次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を配布すると明言。16日実施の市新型コロナウイルス感染症対策本部会議で方向性を定めるとした。
(2020年4月17日付紙面より)
本年度2回目のアユ放流 (古座川漁協 )
古座川漁業協同組合(大屋敏治組合長)が16日、本年度2回目となる稚アユ放流に取り組み500㌔を管内流域各所へ分散して放った。
この放流は、アユ資源の安定増強を目的とした県内水面漁業協同組合連合会委託事業の一環。同組合は例年並みの天然遡上(そじょう)に対し基準量1・5㌧を設定し、これを2回に分けて管内流域に放っている。
2回目は古座川町内の児童に体験提供する形が恒例になっていて、事前に呼び掛けたところ新型コロナウイルス対応に伴う制約がかかる中、県道を挟んだ向かいにある清流・古座川を生かしたふるさと学習を計画する同町立明神小学校(速水和美校長、児童10人)が学習の足掛かりとするため提供を希望した。
同校前の河原で組合員らと合流した児童は、井口一副組合長のあいさつを受け持参したバケツで体長10㌢弱のアユを預かって静かに川へ注ぎ放った。
高学年はホースを使って行う放流も経験。大西泰平君(5年)は「今年のアユは前より大きかったけどあまり跳ねなくておとなしかった。元気に、健康に育ってほしい」と話し、川で群れるアユを見送った。
本年度の天然遡上はここ数年では平年並みで、放流量は1・5㌧として今後の状況を見るという。児童は今後も同組合に釣りなどを教わる予定で、井口副組合長は「大きくなってまた古座川で遊ぶ時に『こういうことあったなー』という思い出をしっかりとつくってもらえれば。アユが遡上できる自然豊かでふるさとの誇りでもある古座川。これからも古座川漁協として引き続き保全に頑張っていきたい」と子どもの今後に期待しつつ語った。
同漁協は本年度もアユ漁(友釣り漁)の解禁日を6月1日(月)と設定して準備を進めている。
(2020年4月17日付紙面より)
萩千取美惠さんが箏曲奉納 (熊野速玉大社 )
新型コロナウイルス感染症の終息を願い、和歌山市在住の萩千取美惠(はぎちどり・みえ)さんが15日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で箏(そう)曲と唄を奉納した。
萩千取さんは幼い頃から箏(こと)と三味線を習い、生田流京都當道(とうどう)会萩延(はぎのぶ)会の萩侑加代子さんに師事。世界平和を祈って熊野地方を中心に各地の神社で演奏し、古曲を伝承する活動を続けている。
熊野地方を訪れたのは14日で、毎月15日の月次祭(つきなみさい)に合わせて飛び込みで奉納することとなった。「若菜献饌」「春の曲」「千鳥の曲」を演奏し「今日は周囲に人がおらず、自然と一体になり、神様が聴いてくださっていると感じることができた」と語った。
上野宮司は「すがすがしく、素晴らしい演奏だった」と評し「人に聞かせるために演奏するのと、神様に奉納するのは全く次元の違うこと。この場所で演奏するのはひとしおで、熊野速玉大社は神気一体となり、魂をよみがえらせる地。われわれも新型コロナが終息するよう、祈っております」と感謝した。
(2020年4月17日付紙面より)
熊野速玉大社でコカリナ奉納 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で10日、コカリナ奉納演奏があった。コカリナの第一人者・黒坂黒太郎さんと同市出身の歌手・矢口周美(かねみ)さん夫妻が新型コロナウイルス感染症で混乱する世界の安寧などを祈り、コカリナや歌、オートハープの優しい音色を境内に響かせた。
コカリナはハンガリーの民族楽器を改良したもの。1995年に黒坂さんが日本に紹介し、黒坂さんと日本の木工家によって改良が加えられ、現在のコカリナが誕生した。黒坂さんはコカリナ奏者として国内外でコンサートを実施する傍ら、東日本大震災や紀伊半島大水害の支援コンサートを展開するなど、被災地支援にも積極的に取り組んでいる。
夫妻は、この日、同市で開催される聖火リレー出発式典で演奏する予定だったが、オリンピックの延期に伴い式典も中止に。しかし「感染を防ぐために祈りをささげたい」との思いから、このたびの奉納に至った。
黒坂さんは「来年はきっと事態も収束し、素晴らしいオリンピックが開催できるよう願っています」と思いを込め、国立競技場建設のために伐採された神宮の森の木で作ったコカリナなどで6曲を奉納した。聖火リレー出発式典で演奏する予定だった「世界中の友達に平和を」では、矢口さんが手話を交えて歌唱。美しい歌声が社殿に響いた。
奉納を終え、矢口さんは「熊野の再生の神様の力が必要だと感じた。貧富も関係なく、世界中の人が同じように恐怖を感じている。生きている人や神様、総動員で力を結集して乗り越えていかなければならない」。
上野宮司は「コロナウイルスの影響で重苦しい気を吹き飛ばすようなすがすがしく素晴らしい演奏でした」と感謝を述べ、「この木でコカリナを作ってください」と境内のナギの木から切り分けた枝を贈った。
(2020年4月12日付紙面より)
新型コロナウイルス対策 (三重県 )
三重県は10日、県独自の新型コロナウイルス「感染拡大阻止緊急宣言」を出した。9日時点で、感染経路が不明な事例は確認されていないものの、これまで15人の感染が確認された。感染が拡大する近隣の愛知県、岐阜県と連携を強化し、取り組みを進める。
県民の「命と健康」を最優先に考え、感染者数を抑えるとともに医療提供体制の確保と社会機能の維持を両立させることが狙い。「感染防止対策を徹底いただくとともに、感染はひとごとではなく、明日には自身や大切な家族にも起こり得る事態であるということを認識いただき、個人への偏見や差別につながる行為、人権侵害、誹謗(ひぼう)中傷などは絶対に行わないよう、ご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。
県では「オール三重」で次の対策に取り組む。
▽医療機関への通院や通勤など生活の維持に必要な場合を除き、生活・文化圏が重複する愛知県、岐阜県と「緊急事態宣言」が発出されている7都府県への移動の自粛。
▽広域の移動の多い県立学校、県立特別支援学校の臨時休業の早期検討。
▽入院医療提供体制の充実や軽症者の受け入れ検討、医療従事者の確保、施設設備の整備など医療提供体制の整備推進。
▽県としての追加的な対策を速やかに検討、実施。
(2020年4月12日付紙面より)
障害者用駐車場供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は9日、役場庁舎玄関前と付近駐車場に3台分の障害者用の駐車スペースを整備し、供用を開始した。
障害者が役場を利用する際の利便性向上などを目的に、4日から駐車場内の区画整備を実施。役場横には元々、障害者用スペースが2台分あったが狭かったこともあり、和歌山県が定める基準に合わせて整備した。
また、付近駐車場も3台分の駐車スペースを障害者用駐車場の2台分に整えた。整備作業は8日に終わり、9日から供用が開始された。
同町では「障害者の方の駐車場の幅を広げ、駐車台数を増やしたので利便性の向上ができたと思います。役場に来られた際はぜひご利用ください」と話している。
(2020年4月12日付紙面より)
新宮サッカースポーツ少年団団長・津呂建二さん
飛鳥町小又の田んぼアート (近大新宮高校 )
熊野市の飛鳥地区まちづくり協議会が毎年実施している「飛鳥町小又田んぼアート」の11㌃の田んぼのデザインに近畿大学附属新宮高校美術部の二河さくらさん(3年)の「ハスとメダカ」をテーマにした作品が決定した。5㌃の田んぼは熊野市立飛鳥小学校の戸嶋かのんさんの「ねずみの三兄弟」に決まった。
田んぼアートは地域活性化などを目的に実施され、ビオトープ小又が管理運営を行う。これまでに和歌山県立新宮高校の生徒のデザインも選ばれたことがある。
アートは田んぼに「ゆきあそび」「黄大黒米」などの10種類の古代米を植えて描かれる。6月から8月中旬までが見頃で、田んぼの色が変化する光景を一目見ようと期間中は約2000人が来場するという。稲刈りは9月末に実施される。
二河さんはデザインについて「近くにはメダカやハスがあると聞いていた。満開に咲くハスとその中を力強く泳ぐメダカたちのようにこの地域が発展することを願って1週間ほどでデザインしました。できるだけ多くの品種を使ったので、色の変化を楽しんでほしいです」と説明。
「多くの色をどこに使うかを考えた。遠くから見てもはっきりと分かるように細かくなりすぎないように努力した。完成したら見に行きたいと思う」と語った。
同協議会の小畑貞文さんは「良い作品です。うまいこと描いてくれている。田んぼアートに適している」と二河さんのデザインを評価した。
事務局の杉本和巳さんは「全国的にも田んぼアートで古代米を10種類も使う所は少ないので小又のアートは色の評価も高い。二河さんのデザインは学生の新鮮な気持ちを表現してくれている。ありがたい」と語った。
(2020年4月9日付紙面より)
雨嶋トンネル(仮称)が貫通 (すさみ串本道路 )
現在建設中のすさみ串本道路雨嶋トンネル(仮称)が7日、約4カ月の掘削作業を経て貫通した。発注者・国土交通省紀南河川国道事務所の谷成二副所長ら担当職員もその瞬間に立ち会い、施工者・前田建設工業株式会社の現場作業員らと共に万歳三唱の声を上げて喜んだ。
この道路は、すさみ町江住と串本町串本を結ぶ延長19・2㌔の自動車専用道路として平成26年度に事業化され、おととし秋には工事用道路の設置が始まり現在は用地取得が完了した区間から順次本体工事の発注をする段階に差し掛かっている。国土交通省が先月31日に発表した本年度予算内では直轄事業の一つに数えられ、事業費98億円を計上しているところでもある。
同日現在の計画にあるトンネルの数は16本。うち8本が発注済みで、雨嶋トンネルと二色トンネル(仮称)の2本が先んじて掘削作業に差し掛かっていた。
雨嶋トンネルの設計値は延長225㍍、幅員12㍍。昨年3月の発注以降、工事用道路や坑口の取り付けなど段取りを進めて12月に掘削作業へと入った。すさみ町里野方向から串本町和深方向を目指す片掘りで貫通を目指し、二色トンネルより若干早く貫通の瞬間を迎える形になった。
この日の掘削作業は重機で実施。施工者と発注者が距離を取って見守る中、2分ほどの削岩を経て1㍍程度の貫通孔が開いた。坑内に陽光が差し込むや万歳三唱で歓喜し、ただちに清めの儀を営んで貫通を祝うなどした。
雨嶋トンネルは今後も工程を進め、本年度中に道路としての形が仕上がる予定。他方、二色トンネルも貫通目前のところまできているという。同道路初となるトンネル貫通の瞬間を見届けた谷副所長は、このように道路としての形が見えてくる状況が今後の進み具合の好刺激になることを期待しつつ「まだ用地(取得)の部分が残っているので具体的にいつとはお知らせできないが、地元の皆さまのご期待に添えるよう一日でも早い開通を目指し、かつ安全に事業を進めていきたい」と思うところを語った。
(2020年4月9日付紙面より)
市内5小学校の187人へ (新宮市土建協同組合 )
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長)は8日、市内5校の新小学1年生187人に防災頭巾220個を贈呈した。市役所別館で贈呈式が行われ、松根理事長らが「子どもたちの命を災害から守るために役立ててください」と速水盛康教育長に手渡した。
市立の小学校では、かつて児童らは教科書を頭に乗せて守り、避難訓練に取り組んでいた。組合は2010(平成22)年5月に創立60周年記念で、逃げるときに両手を使うことができればより安全と市内小学校全児童に防災頭巾を贈呈。「さまざまな工事において、音やほこりなどで迷惑を掛けている市民に対して何かできることがあれば」との思いもあったという。小学校生活を通して使用できるようにと翌年から毎年新1年生に贈り続けており、今回で11年目になる。
速水教育長は「今年は新型コロナウイルス感染症対策で学校が臨時休業になるなどのさなか、明るい話題を提供してくれた。われわれも防災に対して意識を高め、気を引き締めながら気持ちを新たにしていきたい」と感謝を述べた。
(2020年4月9日付紙面より)
再開2年目の商業捕鯨 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第七勝丸」(32㌧、乗組員5人)が3日夜、再開され2年目となる商業捕鯨を行うため東北沖などを目指し太地漁港を出港した。駆け付けた家族らが漁の安全を願い船を見送った。
昨年7月に31年ぶりの再開となった商業捕鯨。同船は漁が好調だったため、昨年10月に当初の見込みより早く帰港している。
太地漁協によると、宮城県や千葉県の捕鯨船と協力し、5日から宮城県沖でミンククジラ漁を開始する予定。続いて青森県八戸沖でもミンククジラを、千葉県房総半島沖で国際捕鯨委員会(IWC)規制対象外のツチクジラを捕り、北海道網走沖で再びミンククジラを対象に操業を行う。漁期は11月までとなるが、水産庁が定めるミンククジラの漁獲枠100頭に達し次第、漁が終わる。一時的に太地沖に戻り、5、6月ごろにかけてマゴンドウとツチクジラを捕る予定だという。
同漁協の〆谷(しめたに)和豊業務部長(53)は「大きいクジラが捕れて水揚げできればうれしい。安全第一に操業していただければ」。
竹内隆士船長(41)は「今年は最初から商業捕鯨としての操業になる。今回は天候の関係もあり、安全な操業のため、夜の出航となった」と説明。
「しっかりと漁獲枠を取り終えて、今後の枠の増加につなげていけるように頑張りたい」と抱負を述べた。
(2020年4月5日付紙面より)
飲食業界も悲鳴
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受け、当地方においても不要不急な外出を自粛する人が増え、客足が遠のいた飲食店が大きな打撃を受けている。そんなさなか、会員制交流サイト(SNS)などで「○○店でコロナ感染者が食事をしていた」「○○で感染者が出た」「感染者が○○に立ち寄った」などといったうわさやデマが流布。業界は悲鳴を上げている。
新宮市内の飲食店経営者は「SNSではあり得ないようなうわさが拡散されており驚いている。営業していることがデマである何よりの証拠なのに」と困惑した表情。「当店だけの問題ではない」と憤りを見せる。
新宮市料理飲食業組合(平見一雄組合長)も現状を問題視。「われわれもコロナウイルスの影響を鑑み、『ご来店ください』とは言えない中で、より一層厳しい状況になっている」と現状を語る。
当地域でも営業を自粛する店舗や閉店、休業を選択した店舗、不安を抱えながらも営業を続ける店舗などさまざまだ。営業を続ける店舗では、普段以上に手洗いやアルコール除菌などを徹底し対策を取っていると強調。同組合は「それぞれに考えた上で下した結論。どの選択が正しいとかではない」と話す。
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先月、米紙「ワシントン・ポスト」に、和歌山県の新型コロナウイルス対策を絶賛する記事が掲載された。県は政府の反応を待たずに知事の強力なリーダーシップの下で迅速な検査と感染ルートの追跡を徹底した結果、封じ込めに成功したとたたえている。
「和歌山モデル」と呼ばれるそれは、迅速な判断と行動によってウイルスの流行を抑制し、感染の連鎖を絶つことができるといった教訓をもたらした。
2月の半ば、湯浅町の病院に勤める男性医師が陽性であることが判明。その後同病院において医師と患者3人に感染の疑いが持たれた。
当時、国は医療機関を受診する目安として「中国・湖北省への渡航歴」や「37・5度以上の発熱が4日以上続く人」に限定。県は基準に当てはまらない人に対しても検査を実施。約3週間後、仁坂吉伸知事は安全宣言を出し、ウイルスの封じ込めに成功した。
現在においても県では、ホームページ(https://www.pref.wakayama.lg.jp/index.html)上で発生状況や情報の更新を続けている。
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新型コロナウイルスという見えない敵との戦いが長期化する中で、不安やストレスを抱える人は少なくない。しかし、出どころ不明なうわさを流布することは、飲食店のみならず商店を廃業に追い込むことも起こり得るという想像力が必要だ。また、不安感から帰国者・接触者相談センターに不要な問い合わせをすることは、本来検査や治療を受けるべき人が手遅れになってしまう危険性もある。県ホームページで状況を確認し、冷静な判断をする必要があるだろう。
幸いにもまだ感染者が出ていない当地域において必要なのは、うわさの流布や真偽を検証することではなく、せきエチケットや手洗い・うがいの徹底を、私たち一人一人が心掛けることではないだろうか。
(2020年4月5日付紙面より)
公式HPをリニューアル (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会が3月31日、リニューアルした同パーク公式ホームページ(HP)の運用を始めた。
同協議会は、2014年4月17日に旧HPを開設。以来約6年が経過し、昨今のインバウンド(訪日外国人観光客)の傾向も考慮に入れて、多くの観光客がいっそう快適に利用できる形を目指して内容を再構築したという。
ページデザインを一新し、旧来の日本語、英語に中国語(簡体字)版を新たに追加。地域別一覧で紹介しているジオサイトをフリーワードでも検索できる機能を取り入れ、ジオパークガイド申し込みについて旧来の申込用紙をダウンロードして使用する形に加えて申し込みフォームも利用できるようにしたのが、今回のリニューアルの主なポイントだという。
同ガイドが推奨するコース紹介を随時していたが、その内容をモデルコースとして紹介する要素も導入。旧来と同一アドレス(https://nankikumanogeo.jp)でリニューアル後のHP運用を始めていて、同協議会事務局は「ぜひご覧ください」と呼び掛けている。
今回のリニューアルは、パソコン版とスマートフォン版の両方を対象としている。
(2020年4月5日付紙面より)
新宮市
新宮市の丹鶴城公園(新宮城跡)のサクラが開花。3日現在で七分咲きとなっている=写真①。公園にはソメイヨシノ122、シダレザクラ21、ボタンザクラ5、ヤマザクラ5、カンヒザクラ3の計156本のサクラが植栽されている。
同所は例年大勢の花見客でにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、恒例の夜桜ライトアップは中止。市は、日中のサクラ観賞は可能だが、公園内での飲食を控えるとともにせきエチケットの徹底などを呼び掛けている。
文化複合施設建設が進む丹鶴小学校跡地のサクラも開花=写真②。現在八分咲きといったところだ。同所のサクラは建設工事に伴い撤去の案もあったが、地域住民の要望に応える形で保存されるようになったもの。春を待つ通行人やドライバーらの目を楽しませている。
(2020年4月5日付紙面より)