城南中、王子ヶ浜小と王子幼が合同で (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長、生徒179人)、王子ヶ浜小学校と王子幼稚園(山本眞也校長・園長、児童355人、園児21人)は26日、合同避難訓練を実施した。幼稚園の参加は初。地震発生の放送を聞いた園児と児童、生徒らは身を守る行動をとった後、高台を目指して避難路を駆け上がった。
東日本大震災と同規模の地震による家屋倒壊の危険性と津波を想定し、児童生徒が安全かつ迅速に避難できるようにと取り組んだ。幼小中が合同で訓練を行う姿から校区の防災意識の高揚を図る狙いもある。
小学生は建物の倒壊の恐れがある場合や校外活動中に被災した場合、柔軟に判断し、より高い所へ逃げるという危機意識を養う目的。中学2年生が小学1年生の、中学3年生が幼稚園児の避難を補助した。
震度6強の地震を想定し、揺れから身を守る行動を取った児童生徒らはそれぞれ避難を開始した。中学2、3年生は王子ヶ浜小付近での校外学習中に地震が起こったという設定で、園児や児童と合流。東仙寺を通り、海抜17・7㍍の近畿大学附属新宮高校・中学校のグラウンドへ避難した。
訓練には新宮警察署、新宮消防署、市役所、保護者、地域住民やボランティアなどが協力した。集合した子どもたちを前に市防災対策課の北和敬さんは「みんな先生の言うことをよく聞いてちゃんと避難できていたと思う。危ないところもあったと思うが、落ち着いて避難してください」と呼び掛けた。
山本校長は東京大学特任教授の片田敏孝さんの言葉を紹介し「津波が起こっても怖がることはない、することはただ一つ。ただただ逃げること。それにつきる。自分の命は自分で守りましょう」と訴えた。
中田校長は「幼稚園、小学校、中学校が合同では初の訓練。真剣に取り組んでいたと思います。実際に災害が起こった際も落ち着いて行動できれば」と話し、地域の協力に感謝していた。
(2018年11月28日付紙面より)
丸正酢、勝浦魚市場など (那智勝浦町 )
世界一の若手料理人を決める国際料理コンクール「サンペレグリノ・ヤングシェフ2018」で優勝した藤尾康浩さん(30)は25日、和歌山県の協力で那智勝浦町天満の丸正酢醸造元を訪れ、昔ながらの酢作りの製法を見学した。
コンクールは世界的な食品・飲料会社ネスレのイタリアにあるグループ会社が主催して開いている。県はしょうゆや酢、梅、サンショなど特産品のPRに力を入れていることから、若い料理人を生産現場に案内し、生産者との交流を支援。海外からの招へいの機会に、県産食材の魅力を世界に発信するのが目的。藤尾さんは和歌山のアユを使った料理で優勝した。
丸正酢では代表の小坂晴次さんらが出迎えた。小坂さんは1879(明治12)年の創業以来139年にわたって変わらない伝統の古式醸造について丁寧に説明。藤尾さんは、常に16度の伏流水が湧き出る井戸、熊野杉や竹で作った巨大な「こもかむり木桶(きおけ)」が並んだ仕込み蔵などを見て回った。
井戸から引いた水を試飲した藤尾さんは「軟らかくて温かい」と感心し、「日本の伝統的な調味料の作り方を見たくて視察を希望しました。建物に入った時の香りが印象的でした」と話した。
26日は、同町築地の勝浦地方卸売市場を訪れ、マグロの競りなどを見学。県漁業協同組合連合会の職員から水産資源にやさしい漁法、はえ縄漁について説明を受けた。
(2018年11月28日付紙面より)
新宮市熊野川町
新宮市熊野川町を流れる和田川沿いで季節外れのサクラが開花している=写真。
秋に咲くサクラはこれまでにも見かけたことがあるが、今年は特に多い。原因は日本を襲った台風24号などの強風や塩害で葉を落としてしまい、サクラの花芽に成長を抑制するホルモンが送られないからだという。
周囲は赤や黄色の紅葉に包まれており、その中に咲くサクラの花。少し違和感があるがそれもまた風情であり、美しい。
(2018年11月28日付紙面より)
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年4月中旬までに一升瓶で約10万本造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種の銘柄になる。
紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(74)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から140年近く伝統を守っている。熊野川の伏流水の井戸水を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている。
先月25日から仕込みを始め、杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(44)らが、タンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる“櫂入れ作業”などに取り組んでいる。26日は初搾りが行われた。出来上がったもろみを機械に入れ、酒かすと清酒に分離。清酒を利き猪口(ぢょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。小林さんは「今年もちゃんとおいしくできておりほっとしています」。新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として12月中旬に店頭に並ぶ予定。
同社の『本醸造太平洋』は今年5月、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」のメイン部門で2年連続の最高金賞を受賞している。小林さんは「少し甘口で女性にも飲みやすく造っています。ぜひ楽しんでください」と話していた。
(2018年11月28日付紙面より)
少林寺拳法南紀熊野スポ少演武発表会
高校選手権では近畿出場権獲得
新宮JC杯中学新人サッカー大会
和歌山県知事選
11月25日22時56分確定
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 246,303 | 仁坂 吉伸 | 68 | 無 | 現 |
61,064 | 畑中 正好 | 66 | 無 | 新 |
当日有権者数 816,227人
投票者数 312,863人
無効投票数 5,495票
投票率 38.33%
新嘗祭・献穀講祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝される。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。同大社責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら約40人が参列し、五穀豊穣を祈った。
大祭は同大社拝殿で営まれた。神殿の御扉が開かれ、男成宮司が祝詞を奏上。雅楽が流れる中、正装の2人のみこが「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の掛橋廣行さんらが玉串をささげ、訪れた観光客も厳かな神事を見守っていた。
(2018年11月25日付紙面より)
鵜殿、神内地区で例大祭 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の烏止野(うどの)神社と神内の神内神社で23日、例大祭が営まれた。
鵜殿地区は例大祭に合わせ「うどのまつり」が開かれ、子どもから大人までが参加し、地区全体がまつり一色に包まれた。
このまつりは旧鵜殿村時代から続く伝統的なもので、朝から鵜殿ばやしの手踊り一行とだんじりが町内を練り歩き、各所で餅ほりが繰り広げられた。
町内を回った午後からは、みこしが烏止野神社を出発。女性みこしも登場し、男性顔負けの威勢のいい声が飛び交った。
神内神社では厳かに神事が執り行われ、神内小学校6年の増田あおいさん(12)と山門優奈さん(12)が浦安の舞を奉納した。
神事が終わると、子どもらがみこしを担ぎ、山車を引いて地区内を巡った。神社に到着後は餅まきがあり、にぎわいを見せた。
(2018年11月25日付紙面より)
杉の郷えぼし寮で「えぼし祭」 (新宮市 )
新宮市高田の障害児者支援施設杉の郷えぼし寮(上路拓司施設長)は23日、恒例の「えぼし祭」を開いた。利用者や地域住民ら多くの人が訪れ、ステージや模擬店などでにぎわった。
会場には焼きそば、たこ焼き、フランクフルト、ぜんざいなどの模擬店や喫茶、バザーが並び、利用者が日頃製作している製品が展示された。
屋外ステージでは高芝の獅子舞保存会、ハラウフラリリィレア、アフリカンダンス、お楽しみステージ「好きです!TAKATA」、歌手の小芝陽子さんらが踊りやライブを披露し、盛り上がった。豪華景品が当たる福引抽選会もあり、当選番号が読み上げられるたびに会場から拍手や歓声が上がった。
開会で上路施設長が「えぼし寮が高田の地で開設して今年で22年。多くの方々の協力に感謝しています。短い時間ですが皆さんに楽しんでもらい、交流の輪を広げてもらえればと思います」とあいさつ。「天候にも恵まれ、たくさんの人に足を運んでいただきありがたく思います。地域の皆さんの支えがあってこその祭り。これからも助け合いながら一体となって盛り上げていければ」と話していた。
(2018年11月25日付紙面より)
ゆかし潟祭りが初開催 (那智勝浦町 )
ゆかし潟祭り実行委員会(実行委員長・濵﨑信雅湯川区長)は23日、「ハートの形の汽水湖 ゆかし潟祭り」を那智勝浦町湯川のCafeきよもん周辺で開催した。豊富な催しや各種団体のステージ、飲食や雑貨などの店が並び、会場は多くの来場者でにぎわった。「ゆかし潟一周スタンプウオーク」では地元の名所の良さを再認識する参加者の姿が見られた。
環境省から日本重要湿地として認定され、ジオパークとしても注目を浴びる同湖の周知と町の活性化が祭りの目的。
大林幸子副実行委員長は「今日は素晴らしいハート形の汽水湖であるゆかし潟の景色を楽しんでください。第1回の開催、元気出していきましょう」と開会宣言。来場者らは湖や周辺の自然を堪能しながら歩き、温泉を使ったおかゆやコーヒー、ゆで卵の振る舞いに舌鼓を打った。
濵﨑実行委員長は準備や開催に尽力した関係者に感謝を述べ、「皆さんのお時間が許す限り、ステージをお楽しみください」とあいさつ。来賓の堀順一郎町長も祭りの開催を祝った。
ステージでは、グリーンコーラスやフラハプナ、タカシとヨーイチ、泉富夫さんらが歌やダンスで会場を盛り上げた。演歌歌手・小芝陽子さんやオルガン奏者の升井勝之さんのパフォーマンスが披露され、大きな拍手が送られた。自由参加の踊りもあった。
同湖で調査を行う県立自然博物館学芸課長の平嶋健太郎さんは「ここには希少生物が数多くいる。その存在を皆さま方に覚えていただけたらうれしい」と語った。
和歌山市から訪れた北野重夫さん(71)は「ゆかし潟をゆっくり見て回れたので良かった」と述べ、妻の久美子さん(70)は「きよもんの湯が好きでよく来ている。今日も入浴して帰る」と話した。孫の齋藤匠君(8)は「水がきれいだった。楽しかったのでまた来たい」とコメントし、光君(5)は「好きな鳥がいてかわいかった」と笑顔で語った。
(2018年11月25日付紙面より)
男女年代別順位
和歌山県中学校バレーボール新人大会
初の防災体験フェア (太地町 )
太地町社会福祉協議会は18日、同町多目的センターで初の防災体験フェアを開催した。社協職員や自衛隊、ボランティアらが協力し、防災に関する催しや講話で来場者の防災意識や知識向上に努めた。
近い将来発生が予想される巨大地震や災害などに対して、町内・地域住民の防災意識を高めようと実施した。太地町や陸上自衛隊信太山駐屯地、航空自衛隊串本分屯基地、自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所が後援している。
会場では自衛隊による車両展示や放水体験があった。防災用品、飲食などの物品販売のほか、簡易サンダルやトイレ、ロープワーク、応急手当の講習ブースも並んだ。自衛隊によるラッパ演奏や行進、「ファンシードリル」(演舞)の披露に、来場者らは大きな拍手を送った。
午前中には同町子ども会(法花真左美会長)と太地小・中学校PTA(岩口敦会長)による「防災ウォークラリー」があり、児童らは町内にある10カ所の避難階段を楽しみながら覚えた。防災○×クイズや担架リレー、太地子ども園園児の鼓笛隊による演奏も会場を沸かせた。
防災講話では地方協力本部の合田直樹副本部長が阪神大震災や東日本大震災での自衛隊の活動や役割を解説。経験を踏まえ、消防などが使う災害用の資機材を自衛隊にも導入したことを報告した。「いつ起きてもおかしくない南海トラフ巨大地震。どう対処すべきか一人一人が真剣に考え、心構えをしっかりと持つ必要がある」と語った。
友人と訪れた田中健太郎君(太地小5年)は「ロープの結び方は難しかった。自衛隊の車が並んでいて格好いいと思った。全部おもしろかった」。
同町社協の岡本研事務局長は「多くの方々にご協力いただき、今回初の開催に至った。防災に関する知識や意識を高めていただき、これからの生活に生かしていただけたら」と話していた。
(2018年11月21日付紙面より)
第11回町民舞踊祭 (那智勝浦町 )
「第11回町民舞踊祭」が18日、那智勝浦町体育文化会館で催された。主催は実行委員会(田中喜世委員長)と町文化協会(後誠介会長)。特別出演の三輪崎郷土芸能保存会を含め8団体約80人が華やかに踊りを披露し、大勢の観客が、次々に繰り広げられるあでやかな舞で晩秋のひとときを楽しんだ。
開演前、町文化協会の後会長は「舞踊祭は昨年が第10回の節目で、今年は新しい一歩。ぜいたくな秋のひとときを過ごしていただければ」とあいさつ。堀順一郎町長は日頃の文化活動に感謝し「練習の成果をご披露いただければ」と述べ、素晴らしい一日を祈念した。
今年は哲泉流清流支部が初登場。紀宝町立神内小2年の塚田新菜さんと近大新宮高2年の山崎勝貴君も初出演し、それぞれにりんとした「詩舞」を披露した。最後に登場した三輪崎郷土芸能保存会は、県指定無形民俗文化財で日本遺産にも含まれる「鯨踊」を迫力いっぱいに演じ、会場を圧倒した。
(2018年11月21日付紙面より)
市婦連が「愛の日バザー」 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)による「愛の日バザー」が20日、市福祉センターであった。収益金は後援した市社会福祉協議会(向井一雄会長)を通じて全額、地域福祉充実のために使われる。
1968(昭和43)年に和歌山県が制定した「愛の日」(11月15日)に合わせ毎年開催されている。かっぽう着姿の市婦連会員23人が、各家庭に寄付を呼び掛けて集めた食器や日用品、電化製品、おもちゃなどの商品を格安で販売した。開店前から大勢の人が並び、盛況だった。
バザー開始前に会場を訪れた向井会長は、日頃の市婦連会員の地域活動への積極的な参加に感謝し、「今後もふるさとを誇りに思える新宮市のために、皆さんと力を合わせていきたい」などとあいさつした。
仲会長は「皆さまから心温まるご協力を頂きました。この大切なご支援を福祉に役立ててもらい、一人でも多くの地域の方々と支え合うことができれば」と話していた。昨年の売上金は16万1170円だった。
(2018年11月21日付紙面より)
三輪崎小学校で「夢の教室」 (新宮市 )
財団法人日本サッカー協会(JFA)は19日、新宮市立三輪崎小学校(芝﨑勝善校長)でこころのプロジェクト「夢の教室」を開いた。水泳選手として日本選手権で活躍し、ロンドンオリンピックにも出場した加藤和(いずみ)さんが「夢先生」として来校し、ミニゲームや体験談を通して5年生71人に、夢に向かって努力することの大切さなどを訴えた。
JFAは同プロジェクトを2007年度からスタートした。サッカー界だけでなく、他のスポーツ選手とも一丸となって子どもたちの心身の健全な発達に貢献していくことを目的に全国各地で開催している。当地方では昨年に続き2回目。
加藤さんは授業の前半、体育館で児童たちと一緒に体を動かしながらミニゲームを楽しみ、目的を達成するために仲間と協力することや相手を思いやる心の大切さを伝えた。
後半は場所を教室に移し、日本選手権やオリンピックで自らが出場した競技の映像を放映した。水泳をしていた兄の影響で小学1年生から始めたことや、6年生でオリンピック選手になりたい夢を持ったなどと紹介。「楽しいという気持ちを持ち続けること、努力を忘れず前向きに取り組む姿勢が大切」と呼び掛けた。
授業を受けた北美咲さん(11)は「努力をすることが大事だと分かった。自分にも夢があるので、楽しいと思う気持ちを忘れずに頑張りたい」と話していた。
(2018年11月21日付紙面より)
高校ラグビー和歌山大会
全国高校サッカー選手権和歌山大会
JAみくまの杯女子学童軟式野球大会
東牟婁スポ少交流大会バレーボール
愛称決まり発表も (那智勝浦町 )
那智勝浦町水産振興会(片谷匡会長)は17日、同町築地の勝浦地方卸売市場で第9回「那智勝浦いせえび祭り」を開いた。町、町観光協会共催、南紀くろしお商工会、南紀黒潮広域水産業再生委員会ほか協賛。水揚げされたばかりの新鮮なイセエビの直売やイセエビ汁の振る舞いなどがあり、大勢の人でにぎわった。
和歌山県は全国でも有数のイセエビの漁獲量を誇る。多くの人に同町産のイセエビを知ってもらい、地産地消の拡大を推進するのが目的。直売コーナーやイセエビ汁の無料配布には大勢の人が並んだ。イセエビの天丼やコロッケ、うどん、シチュー、ピザなどの販売をはじめ、紀南調理師会の会員らの調理実演や、イセエビのつかみ取りが来場者の注目を集めた。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の和歌山県住みます芸人「わんだーらんど」が司会を務めるステージでは、紀宝町鵜殿の熊野水軍太鼓、子どもたちのダンスチームやわかば保育園の園児らのダンスがにぎやかに繰り広げられた。
青森県青森市から観光に訪れた中村敦さん(50)は「宿泊先のホテルでチラシを見て知りました。青森ではイセエビが取れないのでうれしいですね。イセエビ汁が楽しみです」と喜んでいた。
10月に募集していた東牟婁地域産のイセエビの愛称は、選考の結果「南紀黒潮イセエビ」に決まった。
(2018年11月18日付紙面より)
松本章子さん招き講演会 (県内商工会議所女性会 )
和歌山県内商工会議所女性会は16日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で講演会を開いた。講師で(株)おはなはん代表取締役の松本章子さん(77)が、▽人の役に立って喜んでもらうことをやり切る▽やり続けてきた人は幸せになる力を持っている▽文句は絶対言わない。反省すれば解決する―など妻、母、経営者としての人生観を語った。
平成30年度若手後継者等育成事業の一環で、約70人が参加。本年度幹事商工会議所を務める新宮商工会議所女性会の丹羽美穂会長が「今日の講演は女性会活動の参考になる。女性会としてさらなる親睦を深めてください」とあいさつした。
松本さんは、120歳まで生きることが夢だと言い、「努力しないと長生きしない。私は努力が大好きで、これからも努力をしたい」。女性としていつまでも若々しくきれいでいたいと強く思うことが大切で、決めたことをやり切るエネルギーが自分を元気に若くしてくれると笑顔で話した。
クリーニング店の一人娘として大切に育てられ、両親から生き方、考え方を学んだ。23歳で結婚、25歳でお好み焼き店を開業。店名「おはなはん」はNHK朝の連続ドラマの題名にちなんだ。「焼きたてのおいしいお好み焼きを食べてもらいたい」と試行錯誤の末、生カップお好み焼きを誕生させた。
家事を怠ることなく嫁、妻、母、経営者の4役をこなしてきた。「食事の用意、洗濯、掃除全てやり切った。家庭が基盤となって経営できた。お客さんに満足してもらうために何をすべきか考え続けた」と振り返った。
どん底を3回経験したが「たくさんの人に支えられ助けてもらった。お客さんの役に立てるから頑張れた」。今は海外に目を向けた経営戦略が夢だという。
「自分以外全てがお客さん」。感謝の大切さを伝え、参加した女性会員らに「思い続けることが大切。一つのことを決めたらやり切ってほしい」とエールを送った。
(2018年11月18日付紙面より)
2羽の個体、つがいの可能性も (那智勝浦町 )
特別天然記念物であるナベヅル2羽が15日、那智勝浦町中里の田んぼに飛来した。
ツル目ツル科ツル属のナベヅルは全長約1㍍の冬鳥。毎年、鹿児島県や山口県に渡り、水田や河川などに生息する。環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定され、世界中の推定個体数が約1万2000羽といわれている。
中里在住で地元猟友会に所属する坂本和彦さん(66)は自宅近くの田んぼで多発するシカの獣害を警戒していたところ、ナベヅルを発見した。「珍しい鳥だと思った。これまでも近くでハクチョウやコウノトリが来たと聞いていたが、まさかツルだったとは。昔から鳥が好きだったのでうれしい」と話した。
日本野鳥の会和歌山県支部所属の中井節二さんによると、ナベヅルは2~3年の周期で熊野地方に飛来し、御浜町で多く目撃されている。過去には同町で越冬した個体も確認されているという。中井さんは「つがいの可能性もある。発見しても刺激を与えないように、できるだけ近づいての撮影などは控えていただけたら。この地での滞在や個体のためにも、静かに見守ってほしい」と呼び掛けている。
(2018年11月18日付紙面より)
「納税表彰並びに感謝状贈呈式」が15日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、税務行政の運営に貢献したなどとして個人14人と4団体が受賞した。新宮税務署(榎本伸署長)、公益社団法人新宮納税協会(西義弘会長)、新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)が主催。
主催者を代表して榎本署長が「多年にわたり、卓越した指導力と行動力を発揮され、申告納税制度の普及発展、租税教育の推進に努められるなど納税道義の高揚に極めて顕著な功績を挙げられた」と述べ「皆さま方の理解と信頼の下、業務の効率化、高度化を進め、より質の高い税務行政に取り組みたい」と関係者の取り組み、理解と協力などに感謝した。
表彰状、感謝状贈呈後、来賓祝辞に続き向井一雄さんが「今後とも納税協会ならびに納税貯蓄組合連合会の組織の一層の充実、拡大と活発な事業活動の積極的な推進に協力し、正しい申告と納税に努め他の模範となるよう努力を重ねていく」とあいさつした。
中学生の「税についての作文」で近畿税理士会会長賞を受賞した妹尾杏樹さん(那智中3)は、賞状を受け取った後、受賞作品を朗読した。本年度は新宮税務署管内から610点の応募があった。
(2018年11月17日付紙面より)
巽真悟後援会「真翔会」が寄付
新宮市の県立新宮高校硬式野球部OBで、元ソフトバンクホークス投手の巽真悟さんの地元後援会「真翔会」(武田丈夫会長)は15日、同会の解散に伴い、会費の残金130万円を同校硬式野球部に寄付した。武田会長、少年野球時代の監督でもある橋本和士事務局長らが同校を訪れ、今後のために役立ててほしいと前田成穂校長に手渡した。
巽さんは、1987年1月10日生まれ、古座川町出身。小学2年生で地元の少年野球チームに入団し野球を始める。新宮高校入学当初は投手兼外野手だったが、2年生の秋から本格的に投手に転向した。
近畿大学を経て、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けて入団し、プロ8年間で24試合に登板し1勝4敗。2度トライアウトを受けた後に、復帰を断念。2017年1月からは独立リーグ(ベースボール・チャレンジ・リーグ)栃木ゴールデンブレーブスの親会社である人材派遣会社エイジェックで、元プロアスリートによるセカンドキャリア形成の支援を目的に採用した社員の第1号として勤務している。
武田会長らは「いろいろな寄付の仕方なども考えたが、(巽さんが)野球人として大きく羽ばたくきっかけになったのが同校硬式野球部での3年間だったことから、全会一致で同校への寄付が決まった。地元の方にいろいろと夢を見せていただいた。集まったこのお金を通じて、同校で夢ある選手を育てていってほしいという気持ち」などと経緯を説明し、現役時代や野球を始めた当時の思い出を語るなど談笑した。
寄付を受け前田校長は「皆さんの善意あるお金であり、硬式野球部のためにしっかりと使わせていただけたら」と感謝した。
(2018年11月17日付紙面より)
古式ゆかしく「紅葉祭」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれ、秋の自然の恵みに感謝をささげた。
本社拝殿での神事では男成宮司はじめ神職が正装に身を包み、宮司が本殿を開扉。祝詞をささげた後、冠に紅葉の飾りをつけたみこが紅葉の小枝を手に「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。参列者らは順に玉串をささげた。那智の滝前の別宮・飛瀧(ひろう)神社でも神事があった。
寛和2(986)年に那智山で花山法皇が「千日修行」をした際、秋の陽光に映える紅葉をめでて歌を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。
(2018年11月17日付紙面より)
古座中体育館で音楽鑑賞会 (古座川町教育会 )
古座川町立古座中学校体育館で15日、町内の小中学校を対象にした音楽鑑賞会があり児童や生徒、教職員や保護者200人余りが室内楽団「ゾリステン・ドライエック」の演奏などに親しんだ。
この演奏会は、同町教育会(海野文宏会長)が主催する秋恒例の合同文化行事。音楽会(発表会)と鑑賞会を隔年で計画していて、本年度は後者の巡りに当たる。
「ゾリステン・ドライエック」は2002年にドイツ・ライプツィヒで結成された室内楽団で、現在は広島県を拠点にして主に日本のプロ演奏家らが在席している。本物の音楽をもっと身近にするというコンセプトに基づき年間約260件の公演を重ねていて、この日はそのうちの1件として同町の児童生徒に演奏を届けた。
開会に当たり海野会長は「素晴らしい演奏を聴いて音楽は楽しい、素晴らしいという思いを持ってほしい。目で見て耳で聴いて心に残る演奏を楽しんでほしい」とあいさつ。同楽団は3人組で出演し、サックスやドラムセット、木琴の生演奏で児童や生徒も耳にしたことがありそうなクラシックの楽曲やアニメ曲など11曲を演奏した。
聴くだけでなく、シンプルな楽器を配って共演したり、音楽紙芝居を上演したり、指揮者体験を勧めてみたり、手拍子を求めてみたりと、同団は演奏に参加するさまざまな機会も提供し、児童生徒も引き込まれるように鑑賞を楽しんだ。アンコールを誘ってさらに1曲を演奏し、ミッションと題してリズムに合わせた早口言葉などへの挑戦も促した。
閉会に当たり会場校の髙尾昌伸校長は「それぞれの楽器の一流の演奏者が3人一緒になると、さらに素晴らしい音楽を作り出せる。皆さんも同じで、一人でも素敵だが、友達と一緒に、クラス全員で、学校全体で力を合わせればもっと素敵になれる。今日の鑑賞会で感じたことをこれからの学校生活で生かしてほしい」とあいさつして締めくくった。
(2018年11月17日付紙面より)
県高校ハンドボール新人大会
新宮市スポ祭少林寺拳法乱捕り大会
熊野那智大社に一番湯奉納 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
湧き出る温泉水を朝一番で源泉からくみ上げ、神前に供える「献湯祭(けんとうさい)」が11日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で営まれた。南紀勝浦温泉旅館組合(中定俊組合長、組合10館)の組合員、組合旅館の宿泊客の中から希望者が参列した。
今年で41回目となる献湯祭。宿泊客の参加は同組合の新たな試みで、正式参拝や神事の後に振る舞う「温泉もち投げ」の投げ手経験などを盛り込んでいる。ホテルなぎさやに滞在中のスペインからの旅行客、フランシスカさんは「日本には7回、那智勝浦町は2度目です。今日は参加できて本当にうれしいです」と笑顔で話していた。
神事では、神職が祝詞を奏上、中組合長が祭文を読み上げ、裃姿の各旅館代表者が16カ所の源泉の一番湯を順に供えた。一同で自然の恵みに感謝するとともに業界の繁栄を祈願した。
同大社は、来年3月まで続く創建1700年記念境内施設整備事業を実施している。拝殿内部工事は献湯祭に間に合うよう取り進められ、この日は修復と塗り直しを終えた拝殿での初めての行事となった。
男成宮司は太古からの紀伊半島の地質活動に触れ、「自然は猛威を振るうこともありますが恵みも豊か。いの一番の温泉を大神さまも気持ち良くお喜びでしょう。那智勝浦町を訪れる方々が温泉に浴し、心身ともに癒やされますように」と結んだ。
(2018年11月13日付紙面より)
火災予防運動で総合訓練 (新宮市 )
秋の全国火災予防運動中の11日、新宮市消防本部は同市佐野の新宮港緑地と同市熊野川町の紀州造林跡地で総合訓練を実施した。市消防団の団員らと市消防職員が放水や礼式、資機材取り扱いの訓練に取り組んだ。
実災害に即した訓練を消防団員が主体となって行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的としている。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
新宮港緑地での訓練には団員97人と市消防職員18人が参加。人員報告後、整列した団員らを前に市消防団の竹内由定団長は「市民の安心・安全と生命、財産を守る任務があり、どのような現場でも安全・迅速な対応ができるよう訓練を。火災の発生しやすい季節になってくるので十分注意をしてほしい」とあいさつした。
放水訓練ではホースが破れた想定で交換する作業などにも取り組んだ。礼式訓練では基本と出初め式で実施する行進をした。
竹内収・市消防次長は「いずれの訓練も今後の消防活動に重要な役割を果たすもので、今後も訓練を重ね、来るべき災害に備えていただきたい」と講評。台風時の活動への感謝を述べ、消防団の協力が必要不可欠だと呼び掛けた。
熊野川地区では団員38人と消防職員14人が訓練を実施した。
(2018年11月13日付紙面より)
大島地区で島内避難訓練 (串本町 )
串本町の大島地区で11日、島内避難訓練や防災学習会が行われた。3連動地震(東海・東南海・南海地震の同時発生)を想定した内容で、今回は小中学生を含む住民163人が最寄りの高台を目指して津波緊急避難行動を実践。その後は二次避難所とされる大島小に集まりさまざまな体験をして防災意識を高めるなどした。
同訓練は、大島小・大島中と大島区・須江区・樫野区が合同で年1回、3連動地震を想定して取り組んでいる。同学習会は島内各所が地震や津波で被災し住民が二次避難所に避難する流れをつくるために取り入れている機会で、今回は同町役場総務課防災・防犯グループ、同町消防本部、串本警察署、内閣府と県がそれぞれ防災体験企画を持ち込み、訓練参加者への啓発を行った。
同日午前9時に3連動地震が発生した想定で同訓練が始まり、防災行政無線による合図で住民の多くがその時間帯にいるであろう自宅から最寄りの高台へと避難。小中学生は年長の住民を気遣いつつ高台へと駆け上がり、高台では自主防災組織の役員が避難状況を確かめるなどした。
航空自衛隊串本分屯基地のバスやスクールバスを使って同訓練参加者を二次避難所へ搬送し、大島小体育館で避難者受け入れ訓練を実施。小学生と住民は地区(大島、須江、樫野、同基地)単位で、外部機関が持ち込んだ防災体験をローテーションしながら一通り体験した。
内閣府と県が持ち込んだのは、準天頂衛星「みちびき」を使った衛星安否確認サービスの体験。情報端末で登録した自身の避難者情報が衛星経由で集約されインターネット上で確認できるようになるという仕組みで、全員で試験入力して利便性を確かめるなどした。
警察はドローンや救助資機材のデモンストレーション、消防は消火器操作体験や負傷者搬送法の紹介、防災・防犯グループは業者招致により簡易トイレの組み立て体験や可搬型浄水器の紹介といった機会を提供した。
中学生と保護者有志は別行動を取り、同基地の隊員が炊き出した米20㌔を手分けしておにぎりにし、野戦鍋で沸かした湯を使って非常用のみそ汁も作って訓練参加者や運営陣に配るなどした。
その他、防災意識を高めるきっかけになればと、消防、警察、自衛隊の各特殊車両や自衛隊の非常食やウオーターシューターなど、県警の救援活動紹介パネルなどの展示もあった。
この訓練や学習会は島民の防災意識を高めることを狙いとし、小中学生はさらに避難経路の選択と率先避難を実践し、担い手となるため救助や避難所運営を身に付けるなどの目的を持って同訓練や同学習会に参加した。
全体会で小学生は印象に残ったことや防災意識がついたと感想を寄せ、中学生はこのような体験を通して誰も死なないようにすることが大事だと発表。大島小中を兼務する布引伸幸校長は、災害はいつ起こるか分からないが大島で暮らしている以上は何かがあれば逃げることや、学校と地域はできることで支え合い互いに恵まれることが大切だと講評して締めくくった。
(2018年11月13日付紙面より)
新宮ユネスコ協会が鐘打会 (新宮市 )
「世界平和記念日」の11日、新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は新宮市薬師町の瑞泉寺(麻谷正彦住職)で「平和の鐘」を鳴らし、世界平和を祈願した。
1918(大正7)年11月11日は第1次世界大戦が終結した日。ヨーロッパ各国では祝日に制定されたり、戦没者追悼式典などが営まれたりするなど、重要な日とされている。「平和の鐘」は4年目の取り組みで、約10人の会員らが午前11時から順番に鐘を突き、手を合わせた。
麻谷住職は「今年は第1次世界大戦終結から100年目の節目の年。平和に対する切なる願いを鐘の音に乗せて、一人でも多くの人の心に響かせてもらえたら」とあいさつ。中谷会長は鐘を鳴らすことには時間や危機を知らせるなどいくつかの意味があると述べ「願いや祈りを込める意味もある。平和とは平穏な日々の蓄積。平和が持続することを祈って鐘を鳴らすことは大切」と話していた。
仲之町商店街のサンタウンホールでは12月8日(土)と9日(日)、会員による「第4回写真展」を開催する。熊野地方の風景や世界遺産に関する写真を展示予定。開場時間は正午から午後4時まで。
(2018年11月13日付紙面より)
高校ラグビー和歌山大会
高校サッカー和歌山大会
新宮市スポーツ祭典ソフトボール
高校レスリング新人大会
南紀熊野ジオパーク現地審査 (新宮市 )
日本ジオパーク委員会は7日、新宮市や那智勝浦町などで南紀熊野ジオパークの現地審査を実施した。
両市町と太地町、古座川町、串本町、北山村、白浜町、上富田町、すさみ町、奈良県十津川村の10市町村で構成する南紀熊野ジオパークは2014年8月28日に日本ジオパークに認定された。
4年に1度、再認定の現地審査を受ける必要があり、今回、審査員3人が来訪。地質遺産の保全、活用の仕組みと取り組み、前回審査時からのジオパーク活動の進展などを審査した。
6日にすさみ町、串本町を訪問。7日は那智勝浦町の「まちなかジオツアー」、新宮市で毎月1回開いている「時空の旅」を視察した。
「時空の旅」はジオパークガイドの石坂容子さん、福辻京子さんが紹介した。「川の参詣道」として世界遺産となった熊野川で平安時代の上皇や貴族たちが利用した川舟に乗り、江戸時代の石垣が残る新宮城跡などを巡るツアーで2016年から始まった。
石坂さんが「この城跡の魅力は石垣にある。石の加工や配置などで時代が分かる。石垣は城を守るものか、城主の権力と財力を示すものか、じっくり見てほしい」などと話し、新宮城跡を案内した。
審査員は各所で質問するなど、石垣に興味を示していた。視察後、福辻さんは「ガイドで大事なのは終わりの時間。今回は開始時間が予定より遅れたが、予定通り終わった。この日のために10回ほど下見し、審査員が何に興味があるのか探りながら案内できた。安全に終えることができて良かった」と話していた。
日本ジオパーク委員会による再認定の判断は来年1月18日(金)に公表される予定。
(2018年11月9日付紙面より)
部落解放・人権政策確立要求滋賀県実行委員会(以下、滋賀実行委)の会員18人が6、7の両日、人権研修のため新宮市を訪れた。会員らは「大逆事件の犠牲者顕彰碑」や「中上健次生誕の地碑」、神倉神社、佐藤春夫記念館などを見学しながら同市の歴史や文化を学び、人権問題について理解を深めた。
滋賀実行委は会員の人権学習の一環として毎年「人権スタディーツアー」を実施している。向井雅男副市長が「人権社会の確立に向け、皆さまと共にまい進していきたい」と田岡実千年市長のあいさつを代読。「今回の研修が実り多いものとなれば」と一行を歓迎した。
7日の研修では同市春日の市人権教育センター(春日隣保館)で、佐藤春夫記念館の辻本雄一館長が「大逆事件」について講話した。辻本館長は1891(明治24)年にロシア皇太子が襲撃された「大津事件」がきっかけとなり刑法73条(大逆罪)が成立したと説明。以降、明治期の「幸徳秋水事件」、大正期の「虎ノ門事件」、昭和期の「朴烈(パクヨル)・金子文子事件」、「李奉昌(イボンチャン)事件(桜田門事件)」の四つの大逆事件が起こった。辻本館長は「少なくとも三つは冤罪(えんざい)。中でも大石誠之助ら熊野・新宮の関係者が巻き込まれた明治の大逆事件は規模が大きかった」と述べた。
大逆事件で検挙された誠之助を中心とする関係者らが「紀州グループ」と称されるゆえんについて、辻本館長は「権力の側の命名であってそういうグループが実在したわけではない。危険グループの一掃といった捏造(ねつぞう)になりかねない。彼らはそれぞれの個を基調として時代の動向に時にはあらがい、時には押し流されながら、若者特有の悩みや煩悶(はんもん)を抱えつつ生きていただけ」と語った。
辻本館長は誠之助が名誉市民となったいきさつやその人柄、思想などを紹介。成石平四郎や高木顕明、峯尾節堂ら他の犠牲者についても説明し、研修に参加した会員らは熱心にメモを取るなどして真剣に耳を傾けていた。
(2018年11月9日付紙面より)
城南中でオレンジリボン授業参観 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)は7日、各学年を対象に授業参観を開き、「オレンジリボン」の授業を実施した。4年目になる取り組みで保護者らが見守る中、生徒たちは児童虐待などへの学びを深めた。
オレンジリボンキャンペーンは2004年に栃木県で子どもが虐待を受け、命を奪われた事件をきっかけに始まった。会場となった体育館には3日の文化祭で教職員や保護者らから集まった子どもたちへのメッセージカードが飾られた。森浦展行教諭が授業を進行し、子育てあんしんネットしんぐうの会員らと、市社会福祉協議会の大谷康央事務局長が見学に訪れた。
2年生の授業では森浦教諭が社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色と意味を説明した。生徒らは協力してオレンジリボンのバッジを作り、カードにメッセージを記入した。最後は生徒を代表して玉置七彩(ななせ)さんがあいさつし、授業が終了した。
大谷事務局長は「地域と学校がつながることで、一つのきっかけができてくれれば」。子育てあんしんネットしんぐうの川嶋ひとみ委員長は同校の積極的な取り組みに感謝し「『虐待』という言葉は重たいですが、皆が笑顔で相手を思いやる気持ちを忘れないでくれれば」。
森浦教諭は「温かい気持ちになってもらい、一人で抱え込まずに誰にでも相談してもらえれば」と話していた。
(2018年11月9日付紙面より)
つばき園舎で小児科講座 (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院小児科による公開講座が6日に串本町立くしもとこども園つばき園舎であり、保護者や保育教諭ら約30人が医療機関への救急搬送が必要な子どもの症状などへの理解を深めた。
この講座は、同病院と地域を身近にする取り組みの一環として前年度から始まった。同病院の勤務医が講師登壇する点を特色にして回を重ねていて、本年度は3回目、前年度からの通算で7回目の実施になるという。
講師は同病院小児科医員の草野信義さんで、演題は「急ぐ症状・急がない症状」。名田倍也・同病院事務部事務長のあいさつを経て登壇し、新宮・東牟婁地方において小児科医は「絶滅危惧種」と対比できるぐらい数が少なく対応力が限られている点を前置きし、すぐに治療が必要な子どもが円滑に受診できる医療環境づくりへの理解と協力を求めて話を進めた。
急ぐ症状を判断する目安について▽発熱▽咳や鼻水▽下痢や嘔吐▽皮疹▽けいれん▽頭をぶつけた―といった主訴別に説明。これらの目安は日本小児科学会のサイト「こどもの救急」でも示され、小児救急相談(電話#8000、平日午後7時~翌日午前9時、土・日・祝日午前9時~翌日午前9時)もあるので迷ったときは利用してほしいとアピールした。
目安に該当した場合が急ぐ症状であり救急搬送が必要だが、けいれんの目安に該当した場合については自家用車で運ぶのは危険(運転者が子どもに気を取られて運転を誤る可能性が高い)なのですぐに救急車を呼ぶよう呼び掛けた。
草野さんは「(小児科医は)皆さんのためにありたい」と改めて思いを掲げ、診療時間内は気軽な来院、診療時間外や日曜応急診療時は事前に電話連絡をすることへの協力を求めた。余った時間で質問にも気さくに答えて、地域との歩み寄りを深めた。
(2018年11月9日付紙面より)
太地町からアメリカへ移住した人々やその子孫たちで組織する在米太地人系クラブ(脊古正純代表)の訪問団41人を歓迎するパーティーが5日、同町公民館で開かれ、訪問団と町民合わせて約110人が集まった。久しぶりに再会する親戚らが昔話に花を咲かせるなど、会場は温かい雰囲気に包まれた。
明治以降、アメリカ・カリフォルニア州のターミナル島に移住した太地の先人たちは、マグロ缶詰製造などで成功し、ピーク時には県内各地や静岡県などから約3000人の移民を集めた。1915年に「在米太地人会」が結成され、終戦後の56年には「太地人系クラブ」に名称を変更。一世の高齢化などから2006年に解散。08年に太地町から調査団が派遣された際に再結成の話が持ち上がり、11年に再結成された。15年に結成100周年を迎え、太地町から80人の代表団が訪米するなど交流が続いている。
今回の訪問は3日から7日までの日程。4日は「第33回太地浦くじら祭」にも参加した。団体で太地を訪れるのは初という。
開会式で宇佐川彰男教育長は同クラブの歴史を紹介し「アメリカと太地の人々の絆が続くように、中学生や高校生の派遣も考えたい。今日は親睦を深めましょう」とあいさつ。脊古代表は「下は6歳、上は90歳代までの訪問団。太地町の皆さんが100%何から何までやってくれた。一緒に食事ができてうれしい」と感謝した。会場ではマグロの解体ショーもあった。
小学校5年の時に渡米した森本仁千さん(69)は「くじら祭が素晴らしかった。漁船に乗船した体験は忘れられない。太地は元気な町だ」、新宮高校卒業後、18歳で渡米した宮川勝揮さん(78)は「アメリカで想像していた何倍もの歓迎をしてくれた。日本語の分からない三世、四世もみんな満足しているように感じる」と喜んでいた。
脊古代表は「二世はもう90代。今は五世までいる。今回、若い人に募集をかけてみたところ、自分のルーツを知りたいという声が多く上がり、これだけの訪問団になった。みんな来て良かったと言ってくれた。交流を続けたい」と話していた。
(2018年11月7日付紙面より)
ペップトーク講演会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会は3日、同町体育文化会館で「心に響くコミュニケーション・ペップトーク やる気を引き出す魔法の言葉」講演会を開催した。同町民総合体育大会40回記念講演会で、スポーツ少年団の指導者やスポーツクラブの参加者ら84人が聴講に訪れ、トレーナーズスクエア株式会社の代表取締役社長、岩﨑由純さんの講演に耳を傾けた。
ペップトークとはアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を励ますために行っている短い激励のメッセージ。ペップは「元気、活気、活力」の意味で、ペップトークは緊張や不安をやる気に変える「前向きな背中の一押し」の言葉。
岩﨑さんはアメリカのスポーツ現場で学んだ経験を生かし、実例を示しながら、ユーモアあふれる語り口で紹介した。
「選手は技術や体力を磨いて試合に臨む。指導者は言葉の力を磨く。どれだけ選手にパワーを与えられるかが指導者だ。日本人は言霊のパワーを知っている」と述べ、ペップトークの特徴を▽短く▽分かりやすく▽肯定的な言葉を使う▽魂を揺さぶる▽人をその気にさせる―などを挙げた。
「ミスするな。この試合に負けたら走らせるぞと試合前に選手に言っては駄目。これでは勝って大喜びしている姿は想像できない」と語り、「イメージは実現化する。してほしいこと、成功や勝利をイメージさせることが大切」と訴えた。
「『廊下を走るな』ではなくて『廊下を静かに歩こう』」など肯定的な言葉を使う必要性を強調。「質問に答えられないときは『どうして分からないの』と責める否定質問ではなく、『どこまで分かっているか教えて』の肯定質問で」などと述べ、積極的な言葉という意味の造語「ポジティ語」を提案した。
できなかったプレーの事実をまず受け入れ、その時の状況や精神的状態などをしっかり聞く「傾聴力」をつけ、悪かった点は改善点として良い意味に捉える「とらえ方変換」をし、やってほしいという「してほしい変換」に変え、やればできると「背中の一押し」をするなど、選手育成のステップを説明。選手の成功を信じて指導すると選手は期待に対して潜在意識で反応する「ピグマリオン効果」なども解説した。
「誰かの夢の実現や目標の達成を応援する人が『ドリームサポーター』。それは子どもにとっては親や兄弟、先生、指導者」と来場者に呼び掛けた。
(2018年11月7日付紙面より)
第43回紀南吹奏楽のつどい (紀南地区吹奏楽連盟 )
串本町文化センターで4日、合同演奏会「第43回紀南吹奏楽のつどい」があった。過去最多の9団体が出演。今回は500人規模の鑑賞を集める中、各団体個別や中高別、合同で演奏を響かせた。
この演奏会は、紀南地区吹奏楽連盟(木村享照理事長)が主催。1967(昭和42)年に旧新宮商業高校の故・植村俊平教諭が呼び掛けて始まり、以降は同連盟や前身の県吹奏楽連盟紀南支部により年1回の頻度で計画されている。荒天に伴う中止や持ち回りで開かれる県吹奏楽祭に置き換わった年もあり、実施は43回目。県内では最も歴史のある地方合同の演奏会だという。
今年は同連盟結成50周年に当たり、その記念事業に位置付けて計画した。出演は▽緑丘中▽光洋中▽那智中▽潮岬中▽新宮高▽新翔高▽串本古座高▽近大附属高中▽那智勝浦吹奏楽団―の各吹奏楽部員や同団員で、総勢約150人(主催者発表)。序盤~中盤は各団体個別(新翔高と串本古座高を除く)による演奏披露で、部員は2曲、団員は3曲(他にサプライズ楽曲1曲)を発表した。終盤は中高別に合同ユニットを編成し、中学生は楽曲『情熱大陸メインテーマ』『宝島』、高校生は楽曲『ヤングマン』『サンバ・エクスプレス』で力強く演奏を響かせた。
日頃の活動成果を披露して相互交流し、集団活動をする力と演奏技術の向上を図るのが今回のつどいの目的。開会に当たり同連盟の西野政和副会長は同連盟結成50周年の節目を支える経験豊かな先生の指導を受けてさらに活躍することを部員らに期待し、閉会に当たり木村理事長は「いろいろな活動の中から吹奏楽を選び、演奏し鑑賞するという吹奏楽を通してわれわれはこのようにつどいをしている。このご縁を大切にし、これからもいい紀南のまちを一緒につくっていければと考えている。皆さま、本日はありがとうございます」と述べて締めくくった。
(2018年11月7日付紙面より)
新宮市共同募金委員会
社会福祉法人和歌山県共同募金会新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)による今年度2回目の赤い羽根共同募金運動が4日、市内4カ所であり、市社会福祉協議会、高校生、有志ボランティアが買い物客らに募金を呼び掛けた。
赤い羽根共同募金は戦後復興の一助として1947年に始まった住民主体の活動で、新宮市では「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の「3つの活動募金」として呼び掛けている。昨年度の実績額は計411万8422円で、今年の目標額は450万円。
新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前では、新宮高校の生徒らが街頭募金運動を展開した。
同協議会の大谷康央事務局長は「赤い羽根共同募金は自分の町を良くし、地域課題を解決するために活用されます。来年3月末まで取り組んでいきます。協力をお願いします」と呼び掛けている。
(2018年11月7日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮剣友会が例大祭に合わせ奉納試合
12月1日に準決勝、決勝
新人大会全4部門で近畿出場権獲得 (新宮高校弓道部 )