ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:143件の記事がありました
【検索ステータス】 
2022年04月29日
1 安全安心な運航目指し
 知床沖の事故受け緊急点検  (近畿運輸局 )

 北海道の知床沖で遊覧船が遭難した事故を受け、国土交通省近畿運輸局は管内の旅客船を対象に一斉緊急安全点検を展開している。28日には勝浦海事事務所、串本海上保安署の職員らが管内2事業所を対象に安全点検を実施。救命・消防設備などを確認した。

 今月23日、知床半島沖で26人が乗った遊覧船が浸水し遭難。これまで発見された11人全員の死亡が確認されており、事故から5日が経過した現在も行方不明者の捜索が続いている。

 緊急安全点検は事故の重大性を鑑みて展開されているもの。▽安全管理規定の順守状況▽事故予防措置▽救命設備の備え付け▽非常時の脱出手順―などの確認を含め、事故防止対策の措置状況を重点的に点検し、併せて安全指導を行った。

 那智勝浦町の勝浦観光桟橋では、紀の松島観光株式会社が運航するくじら号を対象に点検。同社では、天候が悪くなった場合には運航を中止したり、引き返したりなどの判断を船長が行っており、始発に先立って沖の状況を確認するなどの安全対策を講じているという。

 点検を終え、勝浦海事事務所の中川洋所長は「問題なく良好」と点検結果を伝え「安全を最優先に運航を。安全安心に運航していただけるようにわれわれも精いっぱい努力したい」。

 同社の鈴木哲也船長は「いろいろな所で船の事故が起きている。いつ点検に来ていただいても大丈夫なように備えはしているが、安全運航を目指して一層気を引き締めたい」と話していた。

(2022年4月29日付紙面より)

遊覧船遭難事故を受け点検を行う勝浦海事事務所の職員ら=28日、那智勝浦町
2022年04月29日
2 町の景観保ちきれいに
 県職員が道路清掃活動  (新宮市・那智勝浦町 )

 東牟婁振興局新宮建設部は26日、新宮市の国道168号と同169号、那智勝浦町の県道那智山勝浦線で本年度初となる清掃活動を実施した。職員約20人が参加し、各箇所でごみ拾いに取り組んだ。

 活動は観光客や地域住民たちの快適な道路利用や景観美化を目的に東牟婁地域の玄関口である3カ所で毎年4、8、12月の年3回行われている。

 小雨の中、参加者は2人一組となって道路を清掃。那智勝浦町では、体育文化会館やかつうら御苑などの歩道や道路沿いに落ちているたばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどのごみを丁寧に拾っていった。

 同部職員は「植木の中などの見えにくい場所に空き缶や紙くずが捨てられているのが目立ちました。当地方には観光地もあり、地域の方々も日頃からきれいにしてくれていると思います。訪れた人たちが『また来たくなる町』と感じてもらえるよう、今後も取り組んでいければ」と話していた。

(2022年4月29日付紙面より)

丁寧にごみを拾っていく職員=26日、那智勝浦町の県道那智山勝浦線
2022年04月29日
3 新たな太鼓響かせる
 太地漁協が飛鳥神社へ奉納  (太地町 )

 太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)は27日、同町の飛鳥神社に新しい太鼓を奉納した。奉納報告祭で髙橋正樹宮司が太鼓を打ち鳴らし、町に力強い音を響かせた。

 以前神事で使用していた太鼓は1980(昭和55)年に太地水産協同組合が奉納したもの。祭典の始まりに鳴らす他、例大祭では樽神輿(たるみこし)の境内入場を知らせる重要な役割を果たしていたが、長年使う中で皮が破れてしまったため、太地漁協が中心となって新調する運びとなった。

 奉納報告祭には、脊古組合長をはじめとする漁業関係者や神社関係者が出席し、豊漁や町の発展を願って玉串をささげた。

 髙橋宮司は「大変ありがたい。祭典の始まりや神様のお出ましを告げる太鼓。新たな太鼓の響きに、神様も感応してくれたはず」と語り、脊古会長へ感謝状を贈呈。

 脊古会長は「少しでも響きが良いものをと思い、新調まで半年ほどかかったが雄牛の牛革を使用した太鼓にした。ようやく奉納できてうれしい。大漁を願い、新たな気持ちで一歩ずつ前に進んでいきたい」と話していた。

(2022年4月29日付紙面より)

奉納報告祭に参列した皆さん=27日、太地町の飛鳥神社
2022年04月29日
4 機関連携し救助活動展開
 上野山などで災害警備訓練  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)が27日、防災関係4機関と合同で災害警備訓練に取り組んだ。

 大規模災害発生時の初動確立と機関連携による要救助者対応に万全を期す目的で計画。連携先として航空自衛隊串本分屯基地、串本町消防本部、串本海上保安署、串本町役場に合同参加を求めて臨んだ。

 この日午前2時に和歌山県南方沖でマグニチュード8・7の地震が発生したと想定し、訓練は発生から10時間後の設定で始めた。同保安署の巡視艇むろづきが新宮署第二機動隊5人と資機材を新宮港から串本漁港へ輸送、続き同基地の輸送トラックが要救助者のいる串本町の上野山防災広場まで輸送。到着後はただちに現地対策本部を立ち上げて防災相互通信用無線機などで串本町役場などと情報共有を図り、同隊が初動を固めるまでの間に同基地の隊員が先行して模擬倒壊家屋の進入位置を確保した。同隊はチェーンソーを使って取り除けない支障を開口し、閉じ込められた要救助者を救出し同本部救急隊や現地救護所へと引き継いだ。

 この日は小雨で時折濃霧に包まれる気象条件だったが、新宮署警備課の谷英人課長によると旧串本署が培った諸機関との連携を速やかに感得して、新宮署もこの連携を引き継ぐ姿勢を地域に示したいという思いでひるまず5機関計約40人で同訓練を敢行したそう。後半の訓練内容は1月12日に旧串本署が実施した同訓練をやや簡素化した内容で、田原署長はこの経験を今後の連携の足がかりとして持ち帰り検討して今後に生かすことを参加者に呼びかけて講評とし同訓練を締めくくった。

(2022年4月29日付紙面より)

串本町消防本部と連携し要救助者を救出する新宮警察署の第二機動隊=27日、串本町上野山
串本海上保安署(写真上)や航空自衛隊串本分屯基地(同下)とも連携
2022年04月29日
5 本紙エリアの受章者なし  令和4年春の褒章  
2022年04月29日
6 管内で感染拡大、警戒を  連休前に注意呼びかけ  (新宮保健所 )
2022年04月29日
7 描いて脳を活性化  月2回の進化絵教室  (新宮市 )
2022年04月29日
8 よろいかぶとなど展示  クマノミチの端午の節句展  (熊野市 )
2022年04月29日
9 「戦没者慰霊祭」開催へ  総会で川原田さんを会長に選任  (紀宝町遺族会 )
2022年04月29日
10 今回は1人5000円分を配布  「紀の宝商品券」5月中旬から発送  (紀宝町 )
2022年04月29日
11 14種類の石そろえて紹介  ヘンな模様の石展始まる  (南紀熊野GPC )
2022年04月29日
12 山盛りのタケノコ届く  天満保育園に円心寺から  (那智勝浦町 )
2022年04月29日
13 お悔やみ情報
  
2022年04月27日
14 高野坂でシロアリ被害?
 休憩所立ち入り禁止など呼びかけ  (新宮市 )

 新宮市にある世界遺産の熊野古道「高野坂」の休憩所がシロアリ被害を受けている―? 市では現在、休憩所が倒壊する恐れがあるとして、プレートとロープを設置して休憩所の立ち入りおよび使用への注意を呼びかけている。

 「高野坂」は同市広角から三輪崎までの約1・5㌔のコース。こけむした石畳や雄大な熊野灘、四季折々の植物などを眺めながら、ゆっくりと古道歩きを楽しめるコースとして人気のスポットとなっている。

 コース内には本山派山伏(天台宗系)を率いた聖護院宮が熊野三山を巡る際に利用した休憩場所と伝わる「聖護院宮の休憩所跡」があり、現在の屋根付き休憩所もその周辺に位置している。コースのほぼ中間にあり、古道歩きを楽しむ人々の憩いのスペースとなっていた。

 休憩所は、1999年に144日間にわたって開催された地方博覧会「南紀熊野体験博」の頃に和歌山県が設置したもので、設置から20年以上となる。柱部分にシロアリによる被害が見られるほか、柵や床板も経年劣化や蟻害(ぎがい)などにより腐朽している状況だ。

 市担当課によると「管理は市だが県に設置してもらったので抜本的な修理は県が行うことになっている。状況は県に説明している。『高野坂』を歩く際には、危険なので休憩所には近づかないでいただければ」と話している。

(2022年4月27日付紙面より)

倒壊の恐れがある休憩所=新宮市の「高野坂」
経年劣化や蟻害などによる腐朽が目立つ
2022年04月27日
15 防災モデルにしたい
 三輪崎区が防災施設を視察  (新宮市 )

 新宮市三輪崎区の屋敷満雄区長や区の防災担当ら6人が23日、紀宝町の津本防災センターを視察し、津本地区自主防災会(産屋敷誠会長)の取り組みを学んだ。

 津本地区自主防災会は2011年の紀伊半島大水害を教訓に、12年4月に発足。13年に防災センターが完成した。センターを拠点に、防災訓練や炊き出し訓練、子どもから高齢者までの幅広い世代を対象にした防災講話などを継続して開催。地域の防災力向上に努め、16年には「地区タイムライン」を作成し、町と連携を図ってきた。

 子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。これらの活動が評価され、昨年度の「みえの防災大賞」に選ばれた。

 視察は屋敷区長が津本自主防の取り組みを知り、三輪崎地区のモデルにしようと計画した。同センターで産屋敷会長らが津本自主防の取り組みを紹介。「今後は個別避難計画の策定と南海トラフ地震津波対策の推進を進める予定です。若い人を含めて津本地区全体の防災意識を高め、住民の生命を守るため、頑張っていきます」と伝えた。

 新型コロナウイルス対策として、カーテンの仕切りを設置し、車中泊など分散避難訓練を実施したことを学び、「意識の高さを感じた」「訓練を継続することが大事」などの意見があった。

 屋敷区長は「いい勉強になった。今後も視察し、三輪崎区の防災に生かしたい」と話していた。

(2022年4月27日付紙面より)

取り組みを聞く三輪崎区の関係者=23日、紀宝町の津本防災センター
設備や備蓄品などを視察する
2022年04月27日
16 釣りを通して海を考える
 主催事業で小学生3人ら  (潮岬青少年の家 )

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「海の環境を考える!本州最南端の魚釣り体験!」が23日にあり、小学生3人とその家族が海との関わり方を考えるきっかけを得るなどした。

 引き続く新型コロナウイルスの情勢により本年度も主催事業の事前告知を県広報紙「県民の友」と公式ホームページのみとし、参加者の数を抑えつつ実施を目指している同家。その最初の実施となるのがこの日の主催事業で、釣れた魚の種類や海に漂うさまざまなものから海の環境を考える内容の日帰り型の体験プログラムを準備して参加を呼びかけた。

 当日は新宮市、串本町、田辺市の小学生3人が家族連れで参加。釣りに詳しい後藤明洋副所長から海のそばで活動するときに注意すべき事柄などを教わった後、浪の浦の船瀬漁港へと移動して釣りに挑戦した。

 釣りざおの先にウキ釣りの仕掛けをつなぎ、餌はオキアミを使用。今回は▽アジ▽ムツ〈幼魚〉▽クロホシイシモチ▽カサゴ▽グレ▽キタマクラ―の6種類が釣れ、キタマクラは猛毒を持つため他の魚と一緒にしたり食べたりしてはいけないことを教わるなどした。

 その後は同家で振り返りをし、今回は釣果がなかったがゴンズイなど毒針を持っている魚もいてかかった場合はじかに触らないなど注意が必要なことも学んだ。釣りをすれば魚が得られる海だが、浜にはいろいろなものが漂着することも写真で紹介。プラスチック類は長く海を漂うと劣化で砕けてマイクロプラスチックとなり、魚が餌と間違えて食べるなど海に悪い影響を与える筋道を連想して日々の生活から海へごみを出さないことの重要さを考えるなどした。

 後藤さんは今回のまとめとして「海は楽しいが、波にさらわれるなど危険と隣り合わせの場所でもある。遊ぶときは海に背を向けず、ライフジャケットを着て楽しんでほしい」と呼びかけてプログラムを締めくくった。

(2022年4月27日付紙面より)

釣り上げた魚を興味津々に観察する参加者ら=23日、串本町潮岬の船瀬漁港
2022年04月27日
17 一字一字に心を込めて
 丸山千枚田オーナーの立て札共同制作  (木本、紀南両高校書道部 )

 熊野市紀和町の丸山千枚田に設置するオーナーらの立て札の共同制作が23日、同市の県立木本高校であり、同校書道部11人と県立紀南高校書道部3人が取り組んだ。

 この取り組みは、地元高校の丸山千枚田との関わりの一環として2011年に木本高校で始まり、翌12年からは両校合同で進められ、今年で12年目となる。杉の間伐材で作った幅9㌢縦75㌢の立て札に、それぞれが鮮やかな墨痕でオーナーの住所と氏名をしたためた。制作は4月から取りかかり、約150枚を予定している。

 木高書道部の奥村海斗部長(17)=3年=は「2回目の経験だが、緊張した。普段は木に書くことがなく、字がにじまないので難しかった」、紀南高校書道部の前田浩志部長(16)=2年=は「初めてだが、緊張で手が震えた。棚田に自分の作品が飾られるのはうれしい」と、それぞれに話した。

 丸山千枚田は、(一財)熊野市ふるさと振興公社が棚田保全の賛同者から出資金を募る「オーナー制度」を採用して保存に努めている。22日現在のオーナー数は125組135口741人。棚田の全体規模は1340枚7・2㌶で、ふるさと振興公社が4・6㌶を管理し、うち1・54㌶がオーナー用となっている。公社がオーナーを対象に取り組む、たいまつをかざして害虫を追い払う「虫おくり」行事は中止が決まっているが、5月21日(土)には「田植えの集い」開催を予定している。振興公社の和平憲一さんは、こうした行事を通じて千枚田の保存に理解が深まるよう期待し、立て札は「28日(木)までに設置したい」とした。

(2022年4月27日付紙面より)

立て札制作に取り組む=23日、熊野市の木本高校書道部室
木本、紀南両校書道部の皆さん
2022年04月27日
18 新宮高男子Bが優勝
 新宮弓友会主催の月例射会  
2022年04月27日
19 楽しく競技に慣れ親しむ
 黒潮ミニバスケットボールクラブ  (進め!!青春 )
2022年04月27日
20 串本古座が優勝飾る
 3年ぶりの連盟杯春季大会  (紀南バレーボール連盟 )
2022年04月27日
21 串本オーシャンズ連覇
 第42回マクドナルド・トーナメント  
2022年04月27日
22 お願い額433万円に設定  日赤和歌山県支部新宮市地区  (協賛委員会 )
2022年04月27日
23 感染対策、引き続き徹底を  市長が動画でメッセージ  (新宮市 )
2022年04月27日
24 選管が当選証書付与  堀順一郎氏代理人に  (那智勝浦町 )
2022年04月27日
25 給食にも影響及ぶ  食材費の高騰受けて  
2022年04月27日
26 本年度最初の避難訓練  下里小で地震・津波想定し  (那智勝浦町 )
2022年04月27日
27 ハナショウブ鮮やか  季節先取り1輪のみ  (新宮市 )
2022年04月27日
28 ナニワイバラ白く彩る  青木宏之さん宅の庭で春真っ盛り  (那智勝浦町 )
2022年04月27日
29 町長賞1席に楠本憲平さん  第3回石垣記念館写真展  (太地町 )
2022年04月27日
30 出場目指して試技に臨む  県消防救助技術会選考会  (串本町消防本部 )
2022年04月27日
31 出会い、楽しみ、交流へ  対象広げ新子育てサロン  (紀宝町 )
2022年04月27日
32 ハマヒルガオが花の盛り  新宮・王子ヶ浜海岸で  
2022年04月27日
33 琵琶を弾じ、平家を語る  荒尾努さんが平曲奉納  (熊野那智大社 )
2022年04月27日
34 お悔やみ情報
  
2022年04月23日
35 青天の下、元気よく
 住民らがこいのぼり設置  (新宮市熊野川町 )

 熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田で、毎年恒例のこいのぼり設置作業を実施。世界平和や地域活性化などへの願いを込めた。

 2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、また「地域の人々を元気づけたい」との思いから、地元住民らが設置を始めて10回目。なお、今年もおととし、昨年に引き続き、災害復興イベント「鯉のぼり祭り」は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、中止となった。

 11年まで町内イベントで使用し、熊野川行政局で保管していたこいのぼりは水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼びかけを行い、県内各地から集まったものだ。

 この日は会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりは青天の下、風を受けて元気に泳いだ。

 こいのぼり設置期間は5月13日(金)ごろまで。下阪会長は「新型コロナウイルス感染症のまん延やウクライナ情勢など暗い話題が続いている。少しでも明るい話題になれば。世界の平和と地域の活性化への思いを託して設置しました」と話していた。

(2022年4月23日付紙面より)

青空を泳ぐ30匹のこいのぼり=22日、新宮市熊野川町
会員ら約10人が設置作業を行った
2022年04月23日
36 ヒジキが広域で不漁
 一部は解禁見送りも  

 那智勝浦町の各漁業協同組合でこのほど、組合員のヒジキ漁が解禁。しかし収穫量は少なく、新宮市三輪崎や太地町の漁協は、資源量確保のため解禁自体を中止している。広域の不漁は「黒潮大蛇行」による海水温の上昇が、原因の一つと考えられている。

 和歌山東漁協浦神支所では、19日に解禁となった。解禁したばかりのため、今年の収穫量はまだ不明だが、4~5年前は5㌧から10㌧ほどあったのが、昨年は300㌔ほどに減少した経緯がある。支所の職員は「今年も200から300㌔ほどではないか」と予想している。

 浦神では初日の19日、組合員が漁港で収穫したばかりのヒジキを広げて干す姿が見られた。2日ほど干して乾燥させ、ごみなどを取り除いた後、浦神支所の市場に出すという。干す作業を行う80歳代女性は「今年は量が少なく、サイズも短い」とこぼしていた。

 なお、浦神に先だって宇久井漁協は1日に、和歌山県漁協勝浦支部、和歌山東漁協那智支所は14日に解禁。しかし宇久井は「近年も今年も収穫はなし」。勝浦や那智は19日午後4時現在で「目立った収穫は見られない」という。勝浦と那智は、昨年の収穫量は10㌔や20㌔と、ほぼ無いに等しい状態だったため「採りに行く人自体があまりいないのかも」と話していた。

 太地町漁協と三輪崎漁協は、解禁自体を見送った。太地は「見送りは3年連続。サイズが小さく、採ったら育たなくなる」。三輪崎は「去年も今年も見送り。磯枯れ(磯焼け)してしまっている」と語った。

 ヒジキ不漁は広範囲にわたっており、当地方の特産品の一つである、串本町の「姫ひじき」も、生育不良で2年連続の収穫断念となっている。同町串本にある県水産試験場は、生育不良の原因の一つを「黒潮の大蛇行」であると分析。

 黒潮の「枝」が流れ込むことで海水温が年間を通じて高くなるほか、潮流にも影響を与えていると考えられている。この状況は当然、串本町に限定ではなく、那智勝浦町、太地町、新宮市三輪崎も同じと思われる。

(2022年4月23日付紙面より)

収穫したヒジキを広げて干す=19日、那智勝浦町浦神
2022年04月23日
37 給食にも提供されるレンゲ米
 食を支える「地元産」㊦  

 熊野地域の特産品といえば、かんきつや海産物を思い浮かべるが、お米もふるさと納税の返礼品に並ぶなど人気を集めている。山間部を中心に田園風景が広がり、米作りに適した条件がそろう熊野地域にはいくつものブランド米がある。熊野市紀和町丸山千枚田の「丸山千枚田米」、御浜町尾呂志の「尾呂志米」、紀宝町の「飛雪米」「レンゲ米」などがそうだ。中でもレンゲ米は「地元産」として学校給食に提供されている。

  □     □

■レンゲ米



 コシヒカリのレンゲ米を栽培し、町レンゲ米栽培部会(中西和益代表)に所属する井賀淳也さん(38)は「12~13年前から取り組んでいる。10月には田んぼにレンゲの種をまき、花が咲く前の3月に耕運して肥料にしている。一手間多くなるが、安心な食材を届けるため今後も作り続けたい」と話す。

 かつて、春の田んぼにレンゲの花が咲く光景は珍しくなかった。レンゲ米は、昔から伝わる栽培方法「レンゲ農法」で作った米。今では苗を植える前に畑を作り、レンゲをすき込むことにより自然の窒素を土壌に発生させ、それを有機肥料として利用している。

 農薬や化学肥料を極力使わずに栽培できることから、2002年から同部会が取り組みを開始。「安心安全な地元食材を子どもたちに」との思いで、町内の学校給食に提供するようになった。

 会員5人が約1150㌃の田んぼで栽培し、昨年度は給食用に1万4400㌔を収穫した。本年度は町内7小中学校で計900食分、1日約70㌔を用いており、地元産品が学校給食を支えている。

(2022年4月23日付紙面より)

レンゲ米を栽培する井賀淳也さん=20日、紀宝町大里
町給食センターで調理されるレンゲ米=同日、紀宝町神内
2022年04月23日
38 玄関水槽などリニューアル 式典や行事開き今後に弾み (串本海中公園センター)

 串本町有田にある串本海中公園センター(鈴木一正代表取締役、黒田徳仁支配人)が22日、施設の一部改修を終えリニューアルオープンした。

 改修内容は▽水族館玄関水槽のリニューアル▽ウミガメプールデッキの作り替え▽レストラン「アクロポーラ」と水族館の連絡道の舗装替え▽同館壁面のデザイン変更と芝生広場への木製テーブル・いす配置による滞留環境創出―など。

 玄関水槽は、入って左側の水槽が築50年を経て水漏れなどが続いたため更新整備。幅4㍍、水深1㍍、奥行き1・5㍍の水槽を新たに据え、串本の海の浅海の様子を伝える展示へと変更。併せて周囲にファンタジックな海の絵柄を配して明るいイメージの演出を図っている。

 この日は開館に先だって式典があり、同センターの親会社・株式会社鈴木商会(鈴木一正代表取締役社長)を代表して高橋正志専務取締役は「運営を引き継いで以降17年間続けられたのは、串本の海の豊かさと来館者の愛好、関係者の力添えあればこそ」と感謝。鈴木社長を筆頭にしリニューアルに至った経緯を報告し「これからも愛されるよう、このリニューアルを機に心を入れ替えて串本の海を守る」と決意を掲げて引き続きの愛好を関係者らに願った。

 来賓を代表して平井治司副町長と南紀串本観光協会の島野利之会長が同センターの今後の弾みを期待しつつ祝辞を披露。高橋専務取締役と平井副町長、和歌山東漁業協同組合の垣下良夫副組合長で除幕をしてリニューアルを祝い、同館の森美枝館長は愛される水族館として今後も努める、同センターの黒田支配人は美しい海を守り次の世代に残す、とそれぞれ決意を掲げて関係者の立ち会いに感謝した。

 以降、記念行事として串本町立串本西小学校(福島恵美校長、児童39人)を招待し、館内見学やウミガメ放流の体験機会も提供した。

(2022年4月23日付紙面より)

除幕でリニューアルを祝う高橋正志専務取締役(左から3人目)ら=22日、串本海中公園センター水族館
記念行事で招待した串本西小に新しい玄関水槽を紹介
2022年04月23日
39 アキラ自動車が優勝 第177回職場対抗ボウリング大会 
2022年04月23日
40 38度以上の発熱なし  小児ワクチン、副反応報告  (新宮市医師会 )
2022年04月23日
41 町政への関心、投票率の回復は  過去45年間で減少続く  (那智勝浦町長選 )
2022年04月23日
42 青空の下でコンサート  吹奏楽部が昼休みに  (近大新宮 )
2022年04月23日
43 わかやまおもてなしPR映像完成  きのくに線活性化プロジェクト  (和歌山県 )
2022年04月23日
44 およげ!こいのぼりくん  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2022年04月23日
45 ストレッチマシンを体験  改修終えた体育文化会館で  (那智勝浦町 )
2022年04月23日
46 宿泊避難支援事業活用を  上限増額、実施期間は通年に  (新宮市 )
2022年04月23日
47 体操や歌で楽しいひととき  いっぷく亭、4カ月ぶりに  (紀宝町 )
2022年04月23日
48 連携を強めて楽しく  熊野ラグビー開校式に約50人が参加  (熊野市 )
2022年04月23日
49 児童文学の成立に触れる  かんりん文庫読書講演会  (串本町 )
2022年04月23日
50 真っ赤な「まりひめ」堪能  太田小児童がイチゴ狩り  (那智勝浦町 )
2022年04月23日
51 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第48回】風景は食卓と土をつなぐ  

 食育と聞くと、農業体験が大切だと思っている方が多くいらっしゃいます。確かに、子どもたちが農業に触れて、食べ物がどんな風に育ち、どう収穫されているかを知ることは、とてもいい食育になると思います。東京でも、そのために田んぼや畑を借りて、子どもに農業体験をさせる家庭もあるくらいです。ただ、どこの家庭でもできることではありませんよね。わが家も、娘が3歳になる前にたった一度だけ、稲刈り体験をさせてみましたが、11歳の今では何も覚えてないそうです(笑)。そこからも機会があればやらせたいとは思うものの、時間もかかるし、なかなかできず、今日まできてしまいました。でも、体験だけが食育ではありません。私は、そんなご家庭に風景で食育することをお勧めしたいと思います。

 例えば今なら田植えの時期ですよね。車で走っていると、水の張った田んぼや、田植えをしている様子を目にすることができます。そんなときに、「あ、田植えをしているよ!」と子どもに声をかけて、その様子を見せるだけでも、十分食育になるのです。手で植えているのか、機械で植えているのか、農家の方はどんな服装で、どんな体勢で仕事をしているか、稲はどんな様子か。一つの田んぼにどれくらい植えられるのか。そんなことを田んぼを見ながら話すだけでも、子どもたちの中にはその風景が確実に残ります。今の時期に植えて、田んぼの水量を調節したり、雑草を抜いたり、手を入れてやっと秋に収穫できること。そこから稲刈りをして、脱穀をしてもみ取りをして、さらに精米をして、白いお米ができること。そんな説明をしてあげると最高ですよね。そして、家でお米を食べるとき、「今日見たよね」とその風景の話をもう一度してみてください。お米がいかに手間をかけて育てられているかが、よく分かると思います。1本の稲から採れるお米はたったの約70粒です。稲1株には22本の穂がついているので、1株から採れるお米は約1540粒! お茶わん1杯は、約3250粒といわれていますから、2株と少しのお米が必要です。そんなお話もぜひしてあげてください。

 田んぼでなくても同じです。畑を通りかかったら、「これはなんの畑かな」と一緒に見てみるだけで、立派な食育になります。今の季節は畑の上にできる作物もたくさんありますから、掘らなくても何の畑か分かりますよね。分からないときは、一緒にスマホで調べるのもお勧めです。農家の方に聞いてみるのもいいかもしれません。風景は、食卓と土をつないでくれる先生なのです。特に熊野地方には豊かな自然があるからその機会はとても多いと思います。

 これからゴールデンウイーク。どこかに出かけられるご家庭もたくさんあると思います。いつも見慣れた景色より、風景に目をやる機会も増えますし、子どもの印象にも残りやすいので、ぜひ一緒に探してみてください。食べ物と子どもの距離がグンと近くなると思います。

(2022年4月23日付紙面より)

2022年04月15日
52 終息や安穏を願い舞奉納
 熊野那智大社で「桜花祭」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)は14日、自然の恵みに感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「桜花祭(おうかさい)」を営んだ。桜の花のかんざしを挿した巫女(みこ)が那智の滝前で「浦安の舞」を優雅に奉納した。

 平安時代に花山法皇(968~1008年)が那智山で千日間の山ごもりをした際に、「木のもとをすみかとすればおのづから花見る人となりぬべきかな」と桜の美しさを詠んだという故事にちなんだ祭典。

 神事は本社拝殿と別宮飛瀧(ひろう)神社斎場でそれぞれ営まれた。宮司以下神職の烏帽子(えぼし)や巫女の髪飾りには桜の小枝が付けられ、長さ約1㍍のヤエザクラの枝を幣帛(へいはく)として奉献した。

 本殿や飛瀧神社では多くの参拝者が神事を見守るとともに、撮影する人の姿もあった。

 男成宮司は「7月の例大祭もご奉仕できることを祈っている。また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で悲惨な状況が伝えられている。コロナウイルスの終息と、一日も早く穏やかな日が訪れてほしいです」と語った。

(2022年4月15日付紙面より)

巫女が浦安の舞を奉納した=14日、那智勝浦町の熊野那智大社・別宮「飛瀧神社」
2022年04月15日
53 繁忙期控え安全点検
 熊野川川舟下り  (勝浦海事事務所 )

 国土交通省の「小型船舶の安全キャンペーン」期間と、繁忙期となるゴールデンウイークに合わせ、国交省の勝浦海事事務所(中川洋所長)は13日、新宮市の熊野川川舟センターの南檜杖係留所で、川舟の安全点検を実施した。3隻とその船頭に対し、必要な装備や書類、技量などを点検。ガイドラインに沿った運航が可能かを確認した。

 同事務所は、連休などの繁忙期を前に、安全確保と事故防止のため、管内の旅客事業者の船舶に対して点検を行っている。ガイドラインは、2011年の天竜川川下り船の事故を受けて、国交省などがまとめた、川下り船の安全対策となる。

 熊野川の川舟下りは、熊野川町ふれあい公社(代表理事=下阪殖保・同川舟センター長)が運営。川舟は4隻を登録しており、うち実際に使用する3隻の点検を受けた。

 点検には同事務所から、中川所長をはじめ4人が訪れた。所員が川舟に乗り込み、救命胴衣や浮輪、消火のための水くみバケツ、安全管理規定の書類などが備えられているかを確認した。エンジンが停止した場合に備えた、「竿(さお)」を使った操船の技量確認も行った。

 講評で中川所長は「いずれの項目もおおむね良好だった。安全運航は最大の使命であり、これに勝るものはない。熊野川の自然を満喫し、喜んで帰ってもらうためにも、安全安心な運航に努めていただければ」と呼びかけ。

 同センター職員の大濵考之さん(60)は「何より安全が第一。お客さんに無事に楽しんでもらえるよう、より一層の安全運航に努めたい」と話した。

(2022年4月15日付紙面より)

点検を受ける船頭ら=13日、熊野川川舟センター南檜杖係留所
2022年04月15日
54 企業の協力も得て900㌔
 管内流域各所で稚アユ放流  (七川漁協 )

 古座川町の七川漁業協同組合(中田善和組合長)が8日、管内流域各所で稚アユ放流に取り組んだ。

 アマゴと双翼の管理対象魚・アユの資源増強を目的とした放流。平年は県内水面漁業協同組合と連携し600㌔規模でしているが、昨年に続いて今年も大手釣り具メーカー「株式会社シマノ」の漁場活性化を目的とした協力が得られ、1・5倍量の900㌔規模で行う形となった。

 中田組合長によると、匹数に換算すると10万匹超の規模。この日は組合員ら27人が手分けして古座川本流に550㌔、同支流平井川に250㌔、同支流添野川に100㌔を分散放流したという。

 同漁協管内の今年のアユ漁の漁期は6月4日(土)から12月31日(土)までと設定。中田組合長は「七川漁協管内は水がきれいな場所。その分、アユの数が少なくないとよそほど大きくならない面もあるが、まずは環境ともどもアユ漁を楽しんでもらえたら」と来る漁期に向け語った。

 同漁協管内でアユ漁をする場合は、同漁協が発行する鑑札が必要。19歳以上は同漁協規定の遊漁料(日券で2000円など)が必要となるが、18歳以下は年齢を証明する書類を提示すれば無料で発行を受けられる。詳しくは管内にある赤いのぼりを立てた同漁協関係のおとり店などに尋ねるとよい。問い合わせは同漁協(電話0735・77・0063)まで。

(2022年4月15日付紙面より)

管内流域へ稚アユを放流する組合員(七川漁業協同組合提供)
2022年04月15日
55 45年の歴史に幕閉じる  お別れパフォーマンス  (川上邦子舞踊研究所 )
2022年04月15日
56 現役で国公立大学へ35人  2021年度の進路状況  (新宮高校 )
2022年04月15日
57 禅とはどのようなものか  横田南嶺老師が本出版  
2022年04月15日
58 春の花壇が見頃迎える  タウンガーデンで草引き  (新宮市 )
2022年04月15日
59 満開まであと数日  和泉さん宅のフジの花  (那智勝浦町 )
2022年04月15日
60 新規就農でイチゴ栽培  那智勝浦町・綿引陽介さん  
2022年04月15日
61 河内島前でほぼ花盛りに  下り道沿いのシャクナゲ  (串本町 )
2022年04月15日
62 民話のワンシーンを描く  「守り犬の影」出現時期に  (古座川町 )
2022年04月15日
63 第1回定例会一般質問(終)  串本町議会  
2022年04月15日
64 Fカヤックで釣果に挑む  橋杭ビーチ拠点で競技会  (串本町 )
2022年04月15日
65 遊び通し英語に親しむ  5歳児対象に新年度も  (紀宝町 )
2022年04月15日
66 オンツツジとフジが満開  新宮市の「浮島の森」で  
2022年04月15日
67 元気に育て 願い込め  一足早く「こいのぼり」  (新宮市 )
2022年04月15日
68 お悔やみ情報
  
2022年04月14日
69 子どもの健やかな成長願う 春を告げる例大祭始まる (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭「本宮祭」が13日、始まった。神を宿すとされる稚児が主人公の神事「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形民俗文化財)では、地元の稚児の神聖な体が地面に着かないよう父親が肩車をして練り歩き、温泉で身を清めるなどして子どもの健やかな成長を願った。

 熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣(ほうじょう)を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。

 今年は昨年同様、人数制限などの対策を講じ規模を縮小しつつも緩やかに従来の規模に戻して執り行う運びとなった。

 湯登神事に参加した子どもは2~4歳の5人。斎行に当たり九鬼宮司は「今年も新型コロナウイルスの影響で厳しい状況ではあるが、本宮祭は春を告げる祭り。いろいろな思いの中、ご参加いただいたことに感謝。子どもたちの健やかな若竹のような成長を願いたい」とあいさつ。榎本隆文・総代会長は「万全な新型コロナ対策で臨みたい。ご協力を」と呼びかけた。

 好天の下、親子は大社本殿前で拝礼を受けた後、九鬼宮司らを先頭に参道を下り国道168号を歩いた。

 湯の峯温泉では温泉に漬かり身を清めた後、温泉粥(かゆ)などを食べた。狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)で正装し、稚児の額に神の証しとして朱色の口紅で大の字を書き入れて準備を整えた。

 2歳の樹丞(きすけ)君と参加した同町の植野元樹さん(26)は「自身も2歳の時に稚児として父親と参加した。子どもの健やかな成長と健康を祈っています」と話していた。

 祭りは15日(金)の渡御祭(とぎょさい)、斎庭(さいてい)神事まで続く。祭りの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」にて配信される。

(2022年4月14日付紙面より)

社殿で拝礼を受け湯の峯温泉に向かった=13日、田辺市本宮町
2022年04月14日
70 小水力発電機のお披露目会
 色川地域振興推進委員会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町色川地域の住民らで組織される「色川地域振興推進委員会地域循環共生圏班」は10日、同町の口色川付近で小水力発電機と太陽光発電によるオフグリッドシステム(※)のお披露目会を開いた。(特非)地域再生機構が実施する自然エネルギー(小水力発電)を学んで実践する「自然エネルギー学校」の事業を2020年から取り組んできた共生圏班。メンバーらはワークショップで完成させた設備の仕組みや取り組みについて、住民や町内外から参加した見学者に対して説明を行った。

 共生圏班は同町が19年度に策定した地域循環共生圏構想の実現に向け、住民有志が自主的取り組みを行うべく組織された。同地域で地域循環共生圏づくりの活動に取り組んでいる。

 活動の一つである脱炭素では、地球環境基金の助成を受けて、事業を実施。25年度以降には再生可能エネルギーで稼ぎ、地域循環共生圏づくりに投資する事業体「(仮称)色川シュタットベルケ」の設立を目指すとしている。

 見学者は21年度に設置した小水力発電の実機とソーラーパネルなどを見て回った。小水力発電の設備では取水枡に川の水を流入させて、パイプを通った水の落差を利用。それにより、水車装置が作動して発電する仕組みだ。また、太陽光発電は渇水期の水力発電の電力を補う対策としても使用されるという。

 充電池などの機材は水源から最も近い位置に住むメンバーの東条雅之さん宅に設置。発電した電気を使い、室内のイルミネーションを点灯させ、動画の上映も行った。

 東条さんは「共生圏班としていろんなことに取り組んでおり、電力自給もその一つ。電力自体は少ないので全ての家電は使えないが、エコな生活なら賄っていける。町が地域循環共生圏を掲げてくれてうれしい」。

 事務局を務める(一社)南紀自然エネルギーの仁木佳男さんは、「今後は売電などの事業化を目指し、調査やさまざまな試行を進めていく計画。また、色川だけでなく、新宮市や古座川町でも脱炭素と持続可能な地域づくりの実践を進めていきます」と話した。

 メンバーの外山哲也さんは「立地や川の管轄、水量などの点からも、色川で小水力発電の普及などは難しいかもしれない。しかし、今回の取り組みで、電気がぜいたく品であることや一般家庭よりも電気を使わなくても幸せに暮らしていけることに改めて気づくことができた」と語った。

 その後は見学者と住民が触れ合う、交流の場が設けられた。

  □     □

※オフグリッドシステム=電力会社の送電網につながらず、独立して電気を自給自足する状態のこと。

(2022年4月14日付紙面より)

小水力発電機の設備について説明などが行われた=10日、那智勝浦町口色川付近
発電した電気を使用してイルミネーションなどを点灯させた
2022年04月14日
71 三佐木地区を元気に
 三輪崎でささやかな花火大会  (新宮市 )

 新宮市三輪崎の孔島付近で12日夜、ささやかな花火大会が行われた。三輪崎漁港には近隣の住民らが訪れ、つかの間の花火大会に心を躍らせた。

 三輪崎・佐野・木ノ川地区の1980年度生まれの同級生などで組織する「三佐木55年度会」が主催。三佐木地区への愛情を示すとともに、これからも見守り続けたいとの思いをサプライズ花火に託した。

 花火は、打ち上げ位置から近い三輪崎地区住民に対して事前に回覧で周知。約3分間にわたり55発の花火が夜空を彩り、三輪崎漁港周辺に集まった住民からは歓声と拍手が起こっていた。

 事業実行代表責任者の海野紘史さんは「回覧を回した際、住民の皆さんの中には非日常を味わえると、楽しみにしてくれている人もいた。この打ち上げ花火で愛する三佐木地区が少しでも元気になってくれたら」と思いを語った。

(2022年4月14日付紙面より)

大輪の花が夜の三輪崎漁港を彩った=12日夜、新宮市三輪崎
2022年04月14日
72 見頃迎えた花を楽しんで
 熊野那智大社の「秀衡桜」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)にある県天然記念物の「秀衡桜(ひでひらざくら)」が現在、見頃を迎えている。純白の花は参拝者の目を楽しませており、写真を撮影する人の姿も多く見られた。

 高さ約15㍍、幹の周囲2㍍の巨木。今から約800年前、武士の熊野詣でが盛んな時代に奥州藤原氏の第3代当主・藤原秀衡が夫人と共に参詣した際、奥州から持ち込んだ苗を植えたと伝わる。花の姿が雲かかすみに見まがうほど真っ白く咲くため「白山桜」とも呼ばれる。

 同大社によると、10日ごろに開花し、連日暖かい日が続いた頃から、一気に花が咲いたという。12日時点で八分咲き、13日には満開間近となったことから、14日に営まれる「桜花祭」に花を添える形となった。

 大谷知也権禰宜(ごんねぎ)は「今週末が見頃だと思う。季節のものですので、目で楽しんでいただけたら」と話していた。

(2022年4月14日付紙面より)

満開間近の秀衡桜=13日、那智勝浦町の熊野那智大社

2022年04月14日
73 7チームが出場し開幕
 第42回学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント  
2022年04月14日
74 シバザクラ咲き誇る  まなびの郷の花壇に  (紀宝町 )
2022年04月14日
75 浦安の舞、獅子舞を奉納  阿田和神社で春季例大祭  (御浜町 )
2022年04月14日
76 「ハッピー弁当」を協力店に  横断歩道ハンドサインキャンペーン  
2022年04月14日
77 地域に根差した読書活動評価  文部科学大臣表彰に「元気キッズ」  (紀宝町 )
2022年04月14日
78 優秀作品に表彰状  世界遺産についての感想文  (新宮ユネスコ協会 )
2022年04月14日
79 一面で菜の花が開花  まるで「黄のじゅうたん」  (新宮市熊野川町 )
2022年04月14日
80   
2022年04月14日
81 相談194件、昨年より減少  新宮・東牟婁消費生活相談窓口  
2022年04月14日
82 A型献血協力者の確保へ  血液センターが呼びかけ  (和歌山県 )
2022年04月14日
83 パン店にも影響波及  小麦価格の上昇  (キッチントムトム )
2022年04月14日
84 鑑賞通してウクライナを思う  映画「ひまわり」緊急上映会  (田並劇場 )
2022年04月14日
85 第1回定例会一般質問⑤  串本町議会  
2022年04月14日
86 木山さんの畑でダイコン収穫  潮岬こども園の4、5歳児  (串本町 )
2022年04月14日
87 小学校入学おめでとう!  新宮市・那智勝浦町・太地町  
2022年04月14日
88 2年連続「看護師」が1位  小学6年生の将来の夢  (こども新聞 )
2022年04月14日
89 お悔やみ情報
  
2022年04月13日
90 新宮―白浜間、28億円超の赤字 17路線30区間の収支を公表 (JR西日本)

 JR西日本は11日、利用者が少ない在来線17路線30区間の収支を初めて公表した。2017~19年度の営業損益の赤字額の平均は、紀勢線の新宮―白浜間が、山陰線の出雲市―益田間の34億5000万円に続く28億6000万円。JR西日本は、経営状況の厳しさを示すデータを共有することで、沿線自治体と存廃を含めた運営の在り方の協議を加速させたい考えだ。

 今回の開示対象は19年度の1㌔当たりの1日の輸送密度2000人未満だった区間。在来線総距離の約3割に及び、全ての線区で赤字だった。30区間の合計赤字額は約247億円となった。JR西日本では「地域の皆さまと課題を共有し、地域のまちづくりや線区の特性・移動ニーズを踏まえて、鉄道の上下分離などを含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたい」と見解を示している。

 情報開示を受け、和歌山県の仁坂吉伸知事は「路線ごとに採算を合わせる必要はなく、黒字路線の収益を赤字路線に配分するなど、全ネットワーク維持の方向で考え、また、輸送密度などの一律の基準を用いて地方路線の切り捨てありきで見直しを進めるのではなく、地域資源を活用した利用促進などの柔軟な対応を行うべき」などとコメント。

 新宮市の田岡実千年市長は「新宮―紀伊田辺間で実施していた『サイクルトレイン』が、この4月から御坊までに拡大し、これまでJRを利用していなかった人も利用する機会が増えた。周辺自治体と共に観光を盛り上げ利用促進につなげたい」。

 市観光協会の里中陽互会長は「道も良くなり、また人口減少などの影響で鉄道を利用する人も少なくなったのでJRの公表はショックだが予想はしていた。住民や関係自治体も真剣に考えていかないといけない問題では」と話している。

(2022年4月13日付紙面より)

新宮市徐福のJR新宮駅
2022年04月13日
91 クリスタルボウル演奏
 小林ちひろさんが奉納  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社で10日、東京都世田谷区在住の演奏家の小林ちひろさんによる、クリスタルボウル演奏の奉納があった。五つのクリスタルボウルを使い、幻想的な音色を響かせた。

 小林さんは、太地町に友人がおり、その友人の仲介で、初の同大社での奉納演奏が実現した。もともと神社仏閣が好きで、2年ほど前から、聖地の一つである熊野三山でも奉納演奏がしたいと思っていたが、コロナ禍の影響で、ずっと来ることができなかったという。

 空路で9日に南紀白浜空港に到着、本宮、速玉の両大社も参拝し、この日に那智での奉納演奏となった。クリスタルボウルは、水晶でできた円筒形のボウルで、専用のバチでたたいたり、開口部の縁をなぞったりして音を出す。

 小林さんは、奉納演奏前に、熊野那智大社で正式に参拝。祈りをささげた上で、境内にあるあずまやの長生殿に移動し、演奏を行った。

 サイズや模様の違う五つのボウルを並べ、バチで鳴らして、空気が静かに揺らぐような、ゆったりとした音の空間を生み出した。たまたま居合わせた参拝客は、小林さんの前に用意された椅子に腰かけて耳を傾け、その音色を堪能していた。

 小林さんは「奉納演奏の夢がかない、感慨深い。やっとかなったとの思いがある。素晴らしい所だと思った」と感想。

 同大社の男成洋三宮司は「素晴らしい、癒やされるような音色だった」と話した。

(2022年4月13日付紙面より)

クリスタルボウル演奏を行う小林ちひろさん=10日、熊野那智大社
2022年04月13日
92 77年前、沖縄の中学生は何を見た
 中田、阪本さん招き平和学習  (矢渕中 )

 紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)で8日、平和学習があった。修学旅行の事前学習として、3年生72人が太平洋戦争で唯一の地上戦があった沖縄の歴史を学んだ。

 作家の中田重顕さん(79)が講師を務め、元有線放送アナウンサーの阪本浩子さん(80)が朗読。2人は20年ほど前から各中学校で平和学習を続け、沖縄に修学旅行する意味を伝えてきた。

 中田さんは「77年前、沖縄の中学生と先生たちは何を見たのか。沖縄で学ぶべきことは、命が何より大切だと言えなかった時代の悲しみ。それを象徴するのが沖縄学徒隊である。女子学徒隊の悲劇を中心に考えてみよう」と切り出した。

 「戦争は人類が考え出した最悪の政策」と断じ、ロシアによるウクライナ侵攻を交えながら「戦争は軍服を着た兵士たちが戦うものだった。子ども、お年寄り、障害者など軍服を着ない人たちを非戦闘員と呼び、戦争中でも保護されるべきとされていた」とハーグ陸戦条約を説明。

 1941(昭和16)年12月8日、太平洋戦争が勃発。日本国中が戦争一色になり、女性たちも軍事教練を強いられた。沖縄は日本でただ一つ地上戦が行われ、子どもを含む県民50万人中、10万人が亡くなった。

 沖縄を守っていた日本の第32軍の主力部隊「第62師団」は三重県や愛知県出身の兵隊を中心に構成され、熊野市出身者は71人、御浜町は23人が沖縄で戦死したとし「紀宝町は何人だろう。君たちで調べてほしい」と求めた。沖縄では中学3年生から軍に協力し、女学校の生徒594人が動員され361人が戦死した。男子生徒は800人が死亡した。

 「『殺せ、殺しなさい、皇国の女性は捕虜になどならない、撃ちなさい、なぜ撃たない』。17歳の少女のこの世のものとも思えぬ声だった。しばらくのためらいの後、自動小銃の響きわたる音がした」。阪本さんは、女学生の手記などを朗読した。

 中田さんは「第三外科壕(ひめゆりの壕)で戦死した少女たちは、親やきょうだいにかわいがられてきた。青春もなく恋も知らず、大人が始めた戦争の犠牲になって死んだ」と伝えた。最後は「再び、こんな戦争をする世にするのか、しないのかは、これからの社会を築く君たちの手にかかっている。よく歴史を学び、自分の頭で、自分の心で考えられる人になってほしい」と語った。

 3年生は5月16~21日に、沖縄県のひめゆりの塔、平和の礎(いしじ)、ガマなどを訪れる予定。生徒会長の中野悠君は「沖縄では歴史をしっかり勉強したい。ウクライナの人たちなど民間の人が被害に遭わないでほしい」と話していた。

(2022年4月13日付紙面より)

沖縄の歴史を伝える中田重顕さん(右)と阪本浩子さん=8日、紀宝町立矢渕中学校
平和学習に取り組む3年生
2022年04月13日
93 三輪崎支所救助員が快挙
 海難救助貢献し表彰  (串本海上保安署 )

 新宮市三輪崎の三輪崎漁業協同組合で11日、串本海上保安署長表彰授賞式があった。海難救助に貢献したとして、内海浩一署長が熊野灘救難所三輪崎支所の救助員、谷奥孝信さん、井上元和さん、川上清雄さん、堀内秀訓さんに対し表彰状を手渡した。

 串本町で最大時間雨量50㍉、累積雨量193㍉を記録(和歌山県危機管理局発表)した3月18日。新宮・東牟婁地方でも強風、高潮注意報が発表され大荒れの天候となった。

 三輪崎漁港港口においてミニボートが転覆し、乗員3人が海中転落したとして、海上保安庁緊急通報用電話番号「118番」に通報が入ったのが午後3時30分。

 同署からの救助協力要請を受けた谷奥さんら4人は、救助員として漁船考良丸(船長=谷奥さん)と井上丸(船長=井上さん)で現場に急行し、午後4時ごろに転覆したミニボートにつかまって救助を求める男性3人を考良丸に引き上げ、迅速かつ安全に要救助者を救助した。3人は体力を消耗していたものの、命に別条はなかった。

 表彰状を手渡した内海署長は「管内が串本から新宮と非常に長く、リアス式海岸で巡視船も近づけないことが多いが、いつも連絡したときには気持ちよく引き受けてくれてありがたい。今後とも協力を」と呼びかけた。

 谷奥さんや井上さんは、当時は大しけで自分たちの身にも危険を感じたと振り返りつつ「もう少し時間がたっていたら危なかったかもしれない。助けることができて良かった。これからもできることがあれば協力したい」と話していた。

 なお、同署によれば救助された3人は、全員救命胴衣を着用していた。海上保安庁では、海難事故防止のため、救命胴衣の常時着用を呼びかけている。

(2022年4月13日付紙面より)

表彰を受けた井上元和さん(前列左)、谷奥孝信さん(同右)、川上清雄さん(後列中央)、堀内秀訓さん(同右)。内海浩一署長(後列左)と=11日、新宮市三輪崎の三輪崎漁業協同組合
海難救助に対し表彰状を受けた
2022年04月13日
94 景観美化に汗を流す  たばこ商業組合紀南支部  (新宮市 )
2022年04月13日
95 通学路で子どもの安全守る  可搬式オービスで取り締まり  (新宮警察署 )
2022年04月13日
96 学芸員が解き明かす「本宮祭」 蘇理剛志さんが講話 (熊野本宮大社)
2022年04月13日
97 小麦の価格が上昇  うどん店に影響迫る  (新宮市「たぬき屋」 )
2022年04月13日
98 豊かな実りが生き物誘う  久司さん宅のレンゲ畑  (那智勝浦町 )
2022年04月13日
99 ピアノ演奏に聞きほれる  麦の芽会がコンサート  (新宮市 )
2022年04月13日
100 新しい園生活始まる  丹鶴幼で入園式  (新宮市 )
2022年04月13日
101 いろんなことに挑戦して  みくまの支援学校で入学式  (新宮市 )
2022年04月13日
102 技と心磨き、さらに精進を  萩原きもの総合学院が卒入式  (新宮市 )
2022年04月13日
103 高校生の可能性に期待  防災ワークショップ  (紀南高校 )
2022年04月13日
104 春の一日を楽しむ  3年ぶりに「丸山千枚田の畦塗り体験」  (熊野市 )
2022年04月13日
105 骨髄バンクの応援団  勇気の会・紀州支部  
2022年04月13日
106 規模抑えつつ生誕祝う  霊巌寺で法会「花まつり」  (古座川町 )
2022年04月13日
107 新入生53人の入学を許可  本年度の入学式を挙行  (串本古座高校 )
2022年04月13日
108 第1回定例会一般質問④  串本町議会  
2022年04月13日
109 小学生13人、中学生29人新入  町立小中学校が一斉に入学式  (古座川町 )
2022年04月13日
110 お悔やみ情報
  
2022年04月12日
111 歴史重ね、後世につなぐ
 新宮LCがサクラを寄贈  (新宮市 )

 新宮ライオンズクラブ(新宮LC、金嶋正人会長)の会員ら33人は9日、新宮市の黒潮公園で清掃奉仕を展開した。また、新宮LC認証60周年を記念し、同所にオオシマザクラ60本を植樹。新宮市に寄贈した。金嶋会長が田岡実千年市長に目録を贈呈した。

 本年度(2021年7月1日~22年6月30日)、認証60周年を迎えた新宮LC。節目を迎えるに当たり記念式典などを盛大に執り行う予定としていたが、いまだ猛威を振るう新型コロナウイルス感染症情勢を受け、実施は困難な状況に。

 そんな中、コロナ禍にあっても比較的行いやすい清掃活動とサクラの植樹および寄贈をもって、60周年に対する機運を高めるとともに、地域に対する感謝を示す機会とした。新宮LCは、紀伊半島大水害(11年)の復興を祈念し、翌12年にも同所にヤマザクラの植樹を行っている。

 目録を受け取った田岡市長は、さまざまな事業を通したまちづくりへの協力に感謝を示し「近い将来、この場所が市民の皆さんが花見に訪れる場所になれば」と期待を寄せた。

 金嶋会長は「新宮LCは60年前、チャーターメンバー2人から始まった。その時自分は5歳。歴史の重みを感じずにはいられない。これまでさまざまな奉仕事業をしてきた。今後も70年、80年と歴史を積み重ね、後世に引き継いでいってほしい」と話していた。

 清掃活動には、田岡市長ほか市職員3人も参加。それぞれ火箸とごみ袋を手に、約2時間にわたり敷地内の美化活動に汗を流した。

(2022年4月12日付紙面より)

清掃奉仕に参加した皆さん=9日、新宮市の黒潮公園
金嶋正人会長(右)が田岡実千年市長に目録を手渡した
約2時間にわたり清掃活動を実施
2022年04月12日
112 運転者に安全運転呼びかけ
 河内橋北詰で早朝街頭啓発  (古座川町 )

 古座川町宇津木、河内橋北詰の交差点一帯で8日に春の全国交通安全運動の早朝街頭啓発があり、通行する運転者に安全運転が呼びかけられた。

 同町交通指導員会(松下健生会長)を軸にした行事で、毎年春秋の同運動に合わせて実施している。当日は同会とその事務局を持つ町役場、警察署等再編に伴い新たに新宮警察署から20人が啓発員として参加。代表して同署交通課の嶝口知宏課長が啓発の重点や再編後の同署の姿勢を伝え、初動に弾みをつけた。

 この交差点は丁字構造で、啓発員は3組に分かれ通行する運転手全員に声がかけられる形で布陣。同課の課員が安全な停車を図り、他の啓発員が物資を渡し親しく声をかけて適切運転を求めた。

 啓発を経て西前啓市町長は、道幅が狭い役場から下流約300㍍までの区間が近々ゾーン30(最高速度30㌔区域)になることを事前報告しつつ、「今後は新宮署の指導を頂きながら交通事故ゼロを目指して頑張る」とし引き続きの交通安全確保への協力を啓発員に要請。松下会長は「お年寄りと子どもを交通事故から守れるよう、それぞれの持ち場において今後とも頑張りたい。古座川町はこれからも信号がなくても大丈夫なよう、横断歩道は歩行者に譲る点を重点的に癖づけることを目指していきたい」とコメントした。

  □     □

 今期の運動期間は6日から15日(金)までの10日間で、県・交通事故をなくする県民運動推進協議会が掲げる運動の重点は▽子どもをはじめとする歩行者の安全確保▽歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上▽自転車の交通ルール順守の徹底と安全確保▽高齢者の交通事故防止―の4点。

 この日はオークワ串本店前でも地域交通安全活動推進委員と同署による横断歩道の歩行者優先の指導を含めた街頭啓発があり、同委員が横断歩道周辺でメッセージボードをかざし視覚的に順守してほしい事項を運転者へアピールするなどした。

(2022年4月12日付紙面より)

通行する運転者に物資を渡して安全運転を呼びかける啓発員=8日、河内橋北詰交差点一帯
2022年04月12日
113 自然の恵みに感謝 熊野本宮大社で新茶祭 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で10日、新茶祭が営まれた。大社裏の茶園で同大社敬神婦人会役員らが摘み取った特産品「音無茶(おとなしちゃ)」の新芽を神前に供え、自然の恵みに感謝するとともに産業の発展を祈った。

 音無茶は、平安時代に熊野を訪れた殿上人が植えたのが始まりといわれている。名前は大社近くを流れる音無川にちなんで付けられた。昭和30~40年代に栽培面積を増やし、現在は町内で40戸ほどが約5㌶で栽培している。黄金色でまろやかな味わいが特徴だ。

 昨年は3軒の農家が生葉約500㌔、緑茶加工後約100㌔、委託加工農家9軒が生葉約300㌔、緑茶加工後約60㌔を出荷。なお、令和3年をもって茶工場操業は終了している。

 この日は敬神婦人会の5人が、祓戸(はらいど)王子近くの茶園約10㌃で新芽を摘み取った。大社では毎年、収穫した一番茶を皇室に献上しているが、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に引き続き取りやめとなった。

 生産農家の倉谷夏美さんは「暖かくて霜の被害もなかった。順調な収穫ができそう」と笑顔。本格的な茶摘みは今月下旬から5月上旬ごろを予定しているという。

 神事を終え、九鬼宮司は「日本の平穏の中でお祭りができることに感謝。改めて祭りを通してコロナ収束を願い、そして世界の平和を祈ることは、蘇(よみがえ)りの場所が本来やるべき一つの姿とも思っている」。

 13日(水)から始まる例大祭「本宮祭」に対し「滞りなく、また、少しでも笑顔に会える場面を皆さま方と共有することができれば」と関係者らに協力を呼び掛けた。

(2022年4月12日付紙面より)

新芽を摘み取る敬神婦人会役員ら=10日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年04月12日
114 裸形上人しのび平和願う
 那智山青岸渡寺で開山祭  (那智勝浦町 )

 西国第一番の観音札所である那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で10日、開山祭献茶法要会が営まれた。本尊の如意輪観世音菩薩(ぼさつ)を開帳し、同寺の開祖とされる裸形上人(らぎょうしょうにん)をしのび、髙木住職や智英副住職らが読経し茶が供えられた。また、例年設けられる茶席は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から昨年、おととしと同様に中止となった。

 開山祭は約1600年前にインドから渡来し、那智の滝で修行したと伝えられる裸形上人の遺徳をたたえるため、1949年に始まった。

 献茶式は表千家と裏千家が1年交代で奉仕しており、今年は茶道表千家流音無会(筑紫充代代表)の桝田ゆうさんが献炭と献茶を務めた。

 法要後、筑紫代表は「ロシアによるウクライナ侵攻が行われている。早く平和になっていただきたい。そしてコロナが早く終息することを願っています」。

 髙木住職は「筑紫さま社中によって、裸形上人の遺徳をしのび、献茶を執り行っていただいた。観音様の思いやりや優しさ、慈しみの心を知って、知らしめていただきたい。現在、ウクライナ情勢やコロナ禍と厳しい世相となっている。世の中の平和と安寧、安穏をご祈念いたしました」と語った。

(2022年4月12日付紙面より)

献茶式の様子=10日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
髙木亮英住職らが読経を行った
2022年04月12日
115 六つ葉のクローバー発見  山﨑紀彦さんが散歩中に  (串本町 )
2022年04月12日
116 学校給食米の生産始まる  2学期見据えて田植え  (串本町地産地消生産者組合 )
2022年04月12日
117 近大新宮が初戦突破  春季高校野球県予選が開幕  
2022年04月12日
118 熊野速玉大社での奉納演奏を配信  →Pia-no-jaC←  
2022年04月12日
119 それぞれの政策など語る  立候補予定者招き公開討論会  (那智勝浦町長選 )
2022年04月12日
120 楽しくゆかし潟を散策  勝浦千歳連合会  
2022年04月12日
121 心身ともに成長誓う  新翔高校に97人入学  (新宮市 )
2022年04月12日
122 ピカピカの1年生!  公立小中学校で入学式  (新宮・東牟婁 )
2022年04月12日
123 「交通事故死ゼロを目指す日」  交通ルール順守を呼びかける  (紀宝署 )
2022年04月12日
124 マツバウンランの花  あぜ道などに咲く  (紀宝町 )
2022年04月12日
125 カフェに再び笑顔広がる  Cafe de アプローチ  (紀宝町 )
2022年04月12日
126 かんきつ栽培に挑戦  地域おこし協力隊に北出さん  (紀宝町 )
2022年04月12日
127 お悔やみ情報
  
2022年04月08日
128 歩いて名産品を獲得
 「旅するつもりでウォーキング」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は町内在住の65歳以上を対象に健康増進を目的とした「旅するつもりでウォーキング」を5月1日(日)から開始する。歩数を集計し自身で申告するもので、目標歩数に達した場合は同町から県外の名産品が贈られる。

 1日7000歩以上歩くことが認知症や運動機能低下、骨粗しょう症の予防にも良いとされていることから、介護予防事業の一環として実施。イベント形式にすることで楽しみながら運動に取り組める工夫を凝らした。

 参加にはまず、歩数計や携帯電話を使用して、自身の1日の歩数を計測する必要がある。続いて、役場や出張所(宇久井、下里、色川、太田)にある申込書に必要事項や1日の歩数を記入し申し込む。ウオーキング開始後は1カ月間の歩数を毎日、記録用紙に記し集計する。その後、締め切り日までに役場か出張所に提出する。

 スケジュールは前述の第1回に加え、第2回が7月1日(金)~31日(日)、第3回は9月1日(木)~30日(金)に実施する。

 申し込み期限は第1回が4月28日(木)、第2回が6月30日(木)、第3回が8月31日(水)までとなっている。一度に第3回までの申し込みも可能。

 各回の合計歩数が21万歩に到達した場合は、自身が最初に選択した同町から105㌔離れた県外の名産品を獲得できる。105㌔は70歳前後の高齢者の平均歩幅で1日7000歩を1カ月歩いた際の距離を換算した際の数字。

 第1回の賞品は大阪府岸和田市コースの「四ツ屋根だんじりせんべい」や奈良県天理市コースの「天理スタミナラーメン」、三重県志摩市コースの「食べる鰹(かつお)節 薄味付」のいずれかとなる。

 1日7000歩に到達しなかった場合でも、合計7万5750歩以上ならば「丹敷の湯」の無料入浴券1回分が贈られる。

 町地域包括支援センターの理学療法士・櫻井良恵さんは「町では車が必須だが、免許返納などで車が使えなくなった際に困る方も多い。地域で住み続けるためにも歩けることが重要になる。また、コロナ禍で遠出ができないため、お出かけ気分を味わってもらえるようにと県外の名産品にしました。ご参加いただければ」と話していた。

 なお、第2回の賞品は愛知県小玉どんこ」、京都府の「京都黒谷和紙ミニ和綴(と)じノート」、香川県の「最高級醤油【極み】」。第3回は長野県の「駒ヶ根産黒ゴマ卓上ゴマ」、福井県の「越前そばパスタリングイネ」、広島県の「美バナナジャム」となっている。

(2022年4月8日付紙面より)

健康になりながら、賞品がもらえる「旅するつもりでウォーキング」がスタートする=5日、那智勝浦町役場
2022年04月08日
129 課題に取り組み盛り上げる
 家村さんが地域おこし協力隊に着任  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町役場で6日、地域おこし協力隊の着任式があった。鹿児島県出身の家村直宏さん(38)が着任し、堀順一郎町長から委嘱状を受けた。

 地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域などに移住して、地場産品PRなどの地域おこし支援や農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図るもの。

 町では2011年1月から採用を開始。先月31日現在では、12人が卒隊し、6人が町内に定住している。また、現役の協力隊メンバーは家村さんを除き3人。

 家村さんは色川地区を担当し、移住交流事業の支援や地域の情報収集・広報活動、地域団体の活動サポート、地域課題の整理や対策の検討などに取り組む。

 1級建築士でもある家村さん。前職は京都市役所都市計画課係長を務め、まちづくりに尽力してきた。協力隊を志したきっかけは、旅行で訪れた色川地域だったという。豊かな自然や景色、きれいな水、人の魅力に引かれたことから、何度も足を運び、現在に至ったと話した。

 堀町長は「色川地域はもちろん、那智勝浦町は自然も人も潜在能力が高い。色川を中心にご活動されると思いますが、ぜひ町を盛り上げてほしい。ご活躍を期待しています」と歓迎した。

 妻の友子さん(37)と、長男の莞佑(かんすけ)君(7)と次男の泰地君(2)と共に色川地域に住む家村さんは「色川には色川を愛している方々が多くいらっしゃる。その中で高齢化などの課題にどう立ち向かっていくかを検討しなくてはならない」。

 今後については「まずは地域の方々とコミュニケーションを図り、皆さまが培ってきた歴史や文化、暮らしの考えを学びたい。そして自分自身がこれまでやってきたことを生かして、色川地域を盛り上げ、今後は町全体に広げていけたら」と語った。

(2022年4月8日付紙面より)

地域おこし協力隊に着任した家村直宏さん=6日、那智勝浦町役場
2022年04月08日
130 「自分が進む道見つけ出す」
 近大新宮に154人入学  

 新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)で7日、令和4年度入学式が開かれた。中学校に48人、高校に106人が入学し、それぞれの目標を胸に学校生活をスタートさせた。

 本年度は学校法人近畿大学の熊井英水理事、近畿大学附属新宮高校・中学校保護者会の小倉一利会長列席の下、保護者も参加して式を挙行した。

 池上校長は154人の入学を許可し、式辞で「人格という器に学問を詰め込む」という近畿大学創設者・世耕弘一氏の言葉を引用。人格の養成を主眼とする同校の教育方針について、「自ら頑張り、自ら達成感を感じ取ることができるように、一人一人の個性を知り、少し上の目標を示し、それに向かって頑張らせること。それが近大新宮の教育。新入生の皆さんには、熊野地方唯一の私立進学校で学ぶ喜びと誇りを持つことを期待する」と述べた。

 在校生を代表して高校生徒会の濱田青葉会長が「学校生活では、勉強する機会や試合に出る機会、ゼミに参加する機会など、さまざまな機会が与えられる。それに挑戦するのか、逃げるのか、決めるのはいつだって自分自身。皆さんの学校生活が笑顔であふれるよう、心より祈っている」と歓迎の言葉を述べた。

 中学校の新入生を代表して中家颯大君、高校を代表して𠮷良和子さんが「心を優しく、たくましくすることに努めながら、自分が進む道を見つけ出せるよう、努力します」と宣誓した。

(2022年4月8日付紙面より)

中家颯大君(左)と𠮷良和子さんが宣誓=7日、新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校
式に臨む新入生たち
2022年04月08日
131 千枚田保全に活用を
 県労働者福祉協とゆとり創造基金が寄付  (熊野市 )

 三重県労働者福祉協議会(番条喜芳理事長)と同県勤労者ゆとり創造基金協会(同)は熊野市役所で丸山千枚田(同市紀和町)の景観維持と保全のため、同市ふるさと振興公社(理事長・河上敢二市長)に計50万円の寄付金を贈呈した。

 贈呈式には南牟婁郡熊野市地区労働者福祉協議会の二郷充会長、県労働者福祉協議会の木村敬明専務理事も同席した。寄付金額はそれぞれ25万円。理事長から河上市長に目録が手渡された。

 丸山千枚田は1340枚の棚田があり、農林水産省が認定する「日本棚田百選」にも選ばれている。振興公社では1996年からオーナー制度を採用して保全活動を続けているが、両組織は当初から10口の特別オーナーとして約23㌃の割り当てを受け、希望者を募って「田植え・稲刈り体験」に参加してきた。しかし、コロナ禍の影響で2020年度の田植え、21年度の田植え・稲刈りは中止に。番条理事長は「千枚田も厳しい状況だが、長く保存してほしい。ぜひ有効に活用を」と話し、河上市長は多額の寄付に感謝。「千枚田は市にとって重要な観光資源であり、文化資源。さらに保全活動に励みをつけたい」と述べた。

(2022年4月8日付紙面より)

番条喜芳理事長(左)が河上敢二市長に目録=熊野市役所
2022年04月08日
132 儀式に使われた聖石  【紀宝町】荘司家の裏庭に  (熊野アーカイブ ~熊野に人あり、歴史あり。~ ⑭ )
2022年04月08日
133 県土強靱化の進展目指す  河川整備計画を策定  (国交省近畿地方整備局 )
2022年04月08日
134 ルールしっかり守って  ドライバーに注意喚起  (太地町 )
2022年04月08日
135 通勤時に交通安全呼びかける  各団体で早朝街頭啓発  (那智勝浦町 )
2022年04月08日
136 第1回定例会一般質問②  串本町議会  
2022年04月08日
137 運転者の適切な運転を促す  春の全国交安運動街頭啓発  (串本町 )
2022年04月08日
138 マムシグサの花  県道小船紀宝線沿いで  
2022年04月08日
139 高齢者に交通安全の声かけを  ファミマ紀宝バイパス店を協力店に  
2022年04月08日
140 革製メガネケースを作る  寺子屋広場でレザークラフト教室  (紀宝町 )
2022年04月08日
141 新1年生が笑顔で初登校  町内全小学校で入学式  (紀宝町 )
2022年04月08日
142 新入団員らに辞令交付  令和4年第1回消防団員任命式  (新宮市 )
2022年04月08日
143 お悔やみ情報