接戦の末、新人下す (和歌山県議選・新宮市選挙区 )
統一地方選挙の前半戦である和歌山県議会議員選挙が9日、投開票された。定数1に対し現職と新人の2人が立候補していた新宮市選挙区では、自民現職の濱口太史氏(56)が接戦の末、無所属新人の上田勝之氏(57)に408票の差をつけ、4回目の当選。同選挙区では12年ぶりとなる選挙戦を制した。投票率は56・31%だった。
最後まで気の抜けない戦いだった。確定時刻は午後9時28分。同市神倉の選挙事務所で当選の知らせを受けた濱口氏は、支援者らと握手を交わすなどして喜びを分かち合った。
同僚議員や近隣自治体の首長らが祝いに駆け付けた。伊藤算志後援会長は「本当に難しい選挙だった。今日一日、不安で不安で仕方なかったが、僅差ではありますが皆さま方にお支えいただき、4期目の県政へ送り出すことができた」と感謝。玉木久登県議は「これからも新宮市、そして和歌山県のためにみんなで頑張っていくのでご支援を」と呼びかけた。
娘の安奈さんから花束を受け取った濱口氏は「当初から危ない、危ないと言われていた選挙戦。そんな中、多くの皆さま方に応援を頂き、一人一人に広げていただいた結果。この地域、まだまだ元気になる要素がたくさんある。自民党の所属議員として公明党の皆さんのお力も借りながら、そして県政や国にもつなぎながら、皆さんと一緒になってこの地域を元気にしていきたい」とあいさつ。
報道陣の取材に対して「相手の強さも感じた。毎日毎日本当に戦いだった。当選できてほっとしている。まだ働ける喜びをひしひしと感じている。皆さまのご支援には感謝しかない」と心境を語り「3期12年務めさせていただき、ようやく議員として一人前になれたという自覚がある。身近に感じられる県会議員が求められていると感じた。これからは地域の皆さんと一緒になって、地域を元気にする活動を展開していきたい」と話していた。
後援会青年部の杉本雄一朗部長が音頭を取り、万歳三唱で当選の喜びを共有した。
□ □
■上田勝之氏、敗戦の弁
上田勝之氏は落選の知らせを受け、同市井の沢の選挙事務所で支援者らを前に「3期連続の無投票の可能性を受けて、出馬に踏み切らせていただいた。12年ぶりの選挙戦。400票余りの差で、現職にはあと一歩及ばず、落選が決まった。ひとえに私の責任、大変申し訳ございませんでした」。
支援者らの支えに感謝を伝え「悔いのない、良い選挙戦を戦わせていただきました。本当にありがとうございました」と深く頭を下げた。
(2023年4月11日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411010102.jpg)
周年祭に多くの来場者 (ウミガメ公園 )
紀宝町の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で9日、18年目の「周年祭」が開かれ、地元住民や観光客らが多彩な催しを楽しんだ。
全国で唯一、ウミガメ保護施設を併設した道の駅で、1993年に開業。2005年4月の物産館オープンを機に毎年、周年祭を開いてきた。新型コロナウイルスの影響で20年以降自粛してきたが、4年ぶりに復活した。
ミニ観葉植物のプレゼント、外れなしの「ガチャガチャ抽選会」、オリジナル焼き菓子「かめっこ」の無料試食会には、長蛇の列ができた。出張ピザ、雑貨店などが並び、飛雪米を使った具だくさんの「おにぎり」も人気を集めた。
淡水ガメの展示や、飼育するアオウミガメのタッチイベントもあり、子どもたちが甲羅に触れるなどした。町のキャラクター「カメレンジャー」も登場し、来場者と一緒に記念撮影した。
(2023年4月11日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411100101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411100102.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411100103.jpg)
地方創生担当大臣賞 (温泉総選挙2022 )
那智勝浦町のホテル浦島で8日、旅して日本プロジェクトが主催する「温泉総選挙2022」の地方創生担当大臣賞の授賞式があった。受賞したのは、このほど同催しの歴史・文化部門において2位にも輝いた「南紀勝浦温泉(以降、同温泉)」。温泉総選挙総合プロデューサーで、社会起業家の山下太郎さんが来町し、南紀勝浦温泉旅館組合の清水貞吾組合長に表彰状を手渡した。
国民参加型の地方活性化プロジェクトの温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じてさまざまな情報に触れ、各温泉地の利用促進を図り、地域活性化につなげることが目的。
ウェブやリアル、交流サイト(SNS)などを用いて投票を行う。九つの部門があり、全国各地の温泉地が毎年、エントリーを行っている。
同温泉はこれまでに、「総選挙2018」で総務大臣賞を、「総選挙2019」では歴史・文化部門で1位、「総選挙2020」では同部門で3位、「総選挙2021」で1位を受賞している。
今回の地方創生担当大臣賞は同温泉が、地方の重要産業である漁業や地域住民との幅広い連携、地域資源を生かす活動など、多くの地域活性化に係る取り組みが評価されて受賞に至った。
直接現地を訪れての表彰は、今年から始めたという山下さんは「この町は歴史がある。文化と温泉、海の幸まである温泉地はまれ。多くのコンテンツがそろっている。歴史・文化を伝える代表的な温泉地として、今後の活躍を期待しています」と評価した。
清水組合長は受賞について「町の温泉を、組合や観光機構で売り出していくための足掛かりとなる。組合の中平理咲さんや皆さんの努力に感謝します。来年は1位に返り咲きたい」と笑顔。
那智勝浦観光機構(NACKT)の理事長も務める清水組合長は、観光庁が実施する「インバウンド向けモデル観光地公募事業」の地域に先日、全国11の地域の一つとして選定されたことを紹介。同町と同一エリアとして選ばれた奈良県と共に、高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けて取り組むと述べた。
課題については「土日は国内のお客さまが来てくれるが、平日は課題。解決にはインバウンドの集客が重要になる」と主張。観光庁が世界に誇れる持続可能な観光地域づくりを行う「先駆的DMO」に、このほど選定した田辺市熊野ツーリズムビューローにも触れ、組合や機構をはじめ、関係機関と連携して、同DMOが対応するインバウンドの受け皿としても努めていくと語った。
(2023年4月11日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411090101.jpg)
2学期前の新米納入見据え (串本町地産地消生産者組合 )
串本町地産地消生産者組合(山下敏文組合長、組合員19人)による学校給食米の田植えが8日から始まった。坂本渡副組合長(69)が2学期の学校給食再開前に新米を届けられるよう見据え、二色地内で仕立てた水田に苗を植えて栽培に取りかかった。
学校給食における地産地消推進と町内の休耕田解消を同時に図る策として、2009年度から同組合による学校給食米生産をしている同町。当初は旧古座町域にある小学校だけだった学校給食も、16年度の町学校給食センター本稼働に伴い全町規模(旧組合立の名残で田原小、古座小の卒業生が通う古座川町立古座中学校も含む)となり、相応に同組合も組合員数を増して必要量の納入に励んでいる。
4㌧から一気に15㌧に増え、最近は少子化13㌧前後となっている年間必要量の目安。新型コロナウイルスの情勢でその量が安定しない状況だが、同組合は余った分を町内の福祉施設に卸すなどして無駄を出さず生産規模を保っているという。
同町はコシヒカリを納入する品種として指定。坂本副組合長は「子どもたちの『おいしい』と言う声が支え。納入先の職員も新米の到着を喜んでくれるので頑張れる」と励みを語り、今年新たに導入した田植え機が好調で天候に恵まれたこともあり「今日は一気に50㌃はいけそうだ」と張り切って田植えに臨んでいた。
山下組合長(73)によると、組合員の田植えの時期はまちまちで組合全体としては4~5月が田植え、8~9月が収穫の時期となるそう。坂本副組合長ら前半組は作柄を大きく左右する出穂の時期が梅雨にかかる、後半組は収穫の時期が台風のシーズンにかかる、加えてまちの子どもが食べるので安全な生産が大前提と幾重にも栽培の難しさが重なる中で組合員は子どもが喜んでくれる学校給食米の生産に頑張っている。山下組合長は梅雨や台風、伴う病気に直面することなく学校給食米が納入できる今後を願って、坂本副組合長の田植えを見守った。
(2023年4月11日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20230411050101.jpg)