日本サッカー協会が必勝祈願 (熊野三山一寺 )
11月20日(日)に開幕する2022サッカーワールドカップカタール大会に向け、熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は26、27の両日、熊野三山一寺で日本代表の必勝祈願祭を営んだ。27日には新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で神事が斎行され、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長、反町康治技術委員長、宮本恒靖理事らが参列。仁坂吉伸知事も激励に駆け付け、チームの健闘を願った。
熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里。その縁で、協会は2002年ワールドカップ日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺と関係自治体などで組織する熊野三山協議会は1984年に発足。熊野地方の文化財の保護、保全、調査研究などを進めているほか、上記の理由を基に「熊野とサッカー」をテーマに各種取り組みを遂行している。
祈願祭には田嶋会長をはじめとするサッカー関係者や仁坂知事、向井雅男副市長、熊野三山協議会関係者らが参列。巫女の「神なぎの舞」に続いて参列者らが玉串を供え必勝を祈願した。
田嶋会長は「7大会連続出場という歴史がある中で、監督・選手たちが勝ちにいきたいと本当に思っている大会。ドイツ、コスタリカ、スペインと、決して簡単な相手ではないが、勝ちたいという志と実力を兼ね備えたチームだと思っている。期待しているし、皆さんにも応援してもらいたい」と話していた。
1次リーグE組の日本の初戦は23日(水・祝)。強豪ドイツに挑み、コスタリカ、スペインと対戦する。
(2022年10月28日付紙面より)
新宮城跡で「和傘の灯り」 (新宮YEG )
新宮市の新宮城跡で26日、新宮商工会議所青年部(新宮YEG、岩澤宣之会長)による「和傘の灯(あか)り2022~人と場所、未来へ想(おも)いを繋(つな)ぐ~」が始まった。30日(日)までの期間中、午後5時30分から9時(最終日は8時)にかけて、和傘や石垣のライトアップ、プロジェクションマッピングで城跡を鮮やかに彩る。
市内の文化財に目を向けることによって歴史・文化への理解を深めてもらう目的で2018年に初めて開催。まちの貴重な資源を広く発信することによって、交流人口を増加させ地域活性化につなげる狙いもある。
新宮城跡での実施は4回目で、今回は入り口から鐘の丸にかけて、約170本の和傘を設置。鐘の丸広場では白色の和傘30本をスクリーンに見立て、プロジェクションマッピングを展開している。また、鐘の丸の石垣にスポットライトを当て、秋の夜長に石垣が浮かび上がるように演出するなど、趣向を凝らした内容となっている。初日の26日には夕刻から多くの人が訪れ、カメラやスマートフォンで撮影するなどして幻想的な風景を楽しんでいた。
(2022年10月28日付紙面より)
教育環境整備審議会が発足 (串本町 )
串本町教育環境整備審議会(山本誠士会長、委員10人)が26日、教育長諮問を受けるため発足した。この日は役場本庁で初会合があり、委員は年度内の答申を見据えて情報共有を図るなど今後の審議体制を整えた。
この審議会は過去、自治体合併により誕生した現串本町の教育環境整備を進めるに当たっての方向性を見いだすため2005年12月、教育長諮問により発足。町教育委員会は1年後に示された答申に沿い後の小中学校の統合を進めてきた。
答申から16年が経過し、その方向性を現在の社会情勢や学校教育制度に対応させる必要性を感じたことが今回の教育長諮問の事由。教育力の適正水準維持や格差なき教育を求める再編の方向性を得るため、委員の人選を進めて2回目となる同審議会発足にこぎ着けた。
委員は26年4月に統合予定の串本小と橋杭小を除く各小学校区(校区同一の場合は小・中学校区)と校区によらず町内全体枠から計10人を人選。会合で初顔合わせをし、潮﨑伸彦教育長は最近の予想以上の児童生徒数の減少や複式学級増を背景に見据えつつ改めて同審議会から方向性を得て今後の取り組みを進めたい旨を伝えた。
委員互選で山本会長(町内全体枠、串本青少年センター長、元学校長)、寺町忠副会長(大島小学校区、大島地区代表区長、元町議会議長)を選出し、代表して山本会長が潮﨑教育長の町立小中学校の統合再編についての諮問を受けた。
以降、同審議会事務局の町教委教育課から現在の児童生徒規模や複式学級の設置状況、28年度までの規模推計や小規模校の長短などの資料を提供。審議を始めるに当たっての各委員の意見交換もあり、現在の答申に基づく取り組み状況や統合を判断する児童生徒数の目安(実際はその基準はなく保護者の意向が主な目安となっている)、複式学級の長短などの確認や▽子どもが主役、保護者が準主役、地域はその応援をする立場という関係性を踏まえた上で統合の話し合いを進めるべき▽地域にも学校に対する思いがあり統合は時間をかけて取り組むべき―などの意見もあった。
今後は月1回程度会合を重ね、年度末の答申を目指す予定。審議期間が前回の半分となる点について同課は「統合の枠組みなど前回のような具体的な内容に至らずとも、今後の統合を進める上での筋道になる考え方を答申していただければ」と話している。
(2022年10月28日付紙面より)
定例会で黒瀧さんから学ぶ (紀宝町民児協 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)は、町福祉センターで10月定例会を開催。約20人が参加し、NPO法人あそぼらいつ(熊野市)の黒瀧一輝理事長(40)から子どもの権利を学んだ。
あそぼらいつは、全ての子どもたちに「子どもらに本来ある力」が輝く社会づくりを目指し、子どもの権利醸成に寄与することを目的に、2016年に設立。子どもの居場所づくり、小規模保育、子ども活動支援など11の事業に取り組んでいる。
黒瀧さんは、NPO法人子どもステーションくまの理事長、県少子化対策県民会議委員、熊野市民生委員児童委員の主任児童委員などを務めている。
「あそぼらいつの実践」をテーマに「いろんな価値観が認められる世の中になり、大人の価値観を押しつける時代ではなくなった。大人と同等の権利を子どもにも位置付ける国際的な子ども権利条約もあり、次の世代に何ができるかを考えた時、子どもの権利を守ることが必要と考えた。子どもの権利の中でも特に遊ぶ権利を大事にしようと、あそぼらいつを設立した」と語った。
子どもには▽対等な人間として、尊厳をもって扱われる権利▽自分の感情と意見を持ち、それを表す権利▽考えを変える権利―などがあると紹介した。
0~2歳が対象の小規模保育「こぐま」には13人が通い「自己肯定感を育むため、毎日の散歩など野外活動を通して五感を大事にしている。五感は自分の存在が感じやすくなる」と伝えた。
子育て支援センター事業「ひよっこ」、熊野市ファミリー・サポート・センター事業、リトルファーマーズ事業、災害支援事業なども紹介し「子どもに特化した『子ども支援団体』として0歳から若者支援を中心とした社会福祉法人を目指します」と話した。
(2022年10月28日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
常設エコ広場が開設 (新宮市 )
新宮市役所第4駐車場(JR新宮駅側)内に常設エコ広場が開設した。開設日時は市役所開庁日(土・日・祝日と年末年始除く)の午前9時~午後4時。
市内171カ所にある通常のエコ広場の時間帯(地区ごとに異なるが、基本的に午前7時~8時)に広場に行けない人や、クリーンセンターまで行く手段(車など)がない人のため、また、資源物収集量の増加による燃やせるごみの減量化と市民の利便性向上を図ることが目的。
「エコ広場の常設」は田岡実千年市長が昨年の市長選の折に公約に掲げており、本年度当初予算において「常設エコ広場運営事業」として835万8000円が計上。可決を経てコンテナなどを収納するための倉庫を建設するなどして運営開始へつなげた。
なお、常設エコ広場には開設時間中、市民生活課の職員1人が常駐。ごみの分別や捨て方などについて案内する。
運用初日の3日、多くの市民が缶や瓶、新聞紙などを持ち込み、職員の案内を受けながら品目ごとにごみを捨てていた。
カセット式ガスボンベなどを持ち込んだ同市野田在住の大竹文子さんは「今までクリーンセンターに持ち込みしていたけどとても便利になった。お友だちにも教えてあげたい」と笑顔。
田岡市長は「常設エコ広場開設に当たっては、多くの市民から要望があった。今日からスタートすることができ、大変うれしくありがたい。住みやすいまちづくりを目指して、今後も生活に密着した施策を行っていきたい」と述べ「三佐木・蜂伏地区にも必要だと感じている。まずは様子を見てから検討していきたい」と話していた。
分別品目は通常のエコ広場と同様で、燃やせるごみを除く18品目。燃やせるごみと長辺30㌢以上の粗大ごみ(家電製品など)の持ち込みはできない。資源物は事前に分別・洗浄すること。開設時間外は資源物の持ち込みはできない。また、倉庫前は駐停車禁止。駐車スペースに車を止めてから利用を。
分別について不明な点は、生活環境課(電話0735・23・3333、内線2001、2003)まで。
(2022年10月4日付紙面より)
「第13回町民舞踊祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町民舞踊祭実行委員会(田中喜世実行委員長)と町文化協会(後誠介会長)は2日、同町の町体育文化会館で3年ぶりとなる「第13回町民舞踊祭」を開催した。おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響から中止となった日本舞踊の祭典。今年は西川流友華会から始まり、若柳流若吉会まで7団体が舞台を彩った。なお、西川流友彩の会は都合により、欠演となった。
同舞踊祭は日舞の魅力を広く伝え、日々の練習の成果を披露することが目的。
文化協会の後会長は「大人の舞踊には、大人ならではの微妙な心情の深い味わいがあり、子どもの舞踊にはかわいらしさがある。あでやかな舞踊を楽しみながら、ぜいたくな秋のひとときをお過ごしください」とあいさつ。
舞踊祭では子どもから大人までの出演者が次々に登場し、さまざまな人生模様などを表現した。多くの保護者や関係者が来場し、動画撮影する人や拍手で応援する姿が見られた。
串本町から訪れた50代女性は「新聞で知った。出演者に知人はいないが、日舞に興味があったので来ました。皆さんの踊りが素晴らしかったです」と話していた。
田中実行委員長は「300部のプログラムを用意していたが、全く足りないほど、多くの方が来場してくれた。無事、終えることができて良かった。来年はさらに勉強を重ねて、開催したい」と話していた。
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舞踊祭には毎年、各地からさまざまな団体が特別出演として参加し、会場を盛り上げている。
今回は三重県鈴鹿市から、加藤訓峯(さとみね)会主率いる加藤流訓峯会のメンバー10人が出演した。
津軽三味線の全国大会・団体部門において、優勝を果たしている訓峯会が「秋田甚句」「津軽タント節」などを披露。力強く、美しい音色を会場に響かせ、会場からは大きな拍手が送られた。
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出演団体は次の通り。
【出演団体】
▽西川流友華会▽藤紀流藤紀和会▽坂東流勝浦柳蛙(りゅうあ)会▽宇久井千弘会▽哲泉流清流支部▽西川流友千恵会▽若柳流若吉会
【特別出演】
加藤流訓峯会
(2022年10月4日付紙面より)
秋晴れの下、2年半ぶり斎行 (花の窟神社 )
熊野市有馬町の花の窟(いわや)神社(山川均宮司)で2日、秋季例大祭が斎行された。2年半ぶりに県無形民俗文化財の「お綱掛け神事」が復活。綱に触れると御利益があるとされ、秋晴れの下、県内外から多くの人が訪れた。
同神社は高さ約45㍍の巨岩をご神体とし、毎年春と秋の2回、例大祭を実施。農作物の収穫に感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するお綱掛け神事は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年10月から中止が続いていた。今年は感染状況が落ち着いてきたため、人数制限をして開催した。
午前10時の花火を合図に開始。白装束の氏子が、花や扇で飾った長さ約170㍍の大綱の片方を巨岩の一番上に結び付けた。参拝者らがもう片方を持ち、近くの国道42号を渡って七里御浜海岸まで引っ張った後、境内南隅の支柱に固定した。
いずれも有馬小学校5年の光山智彩さんと前東子さんが浦安の舞、西美有さんと細川果純さんが豊栄の舞を奉納し、厳かな雰囲気に包まれた。
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コロナ禍で、ここ2年は自粛していた「お白洲(しらす)引き行事」も有馬町で同日開催され、祭りムード一色となった。
お白洲引き実行委員会(和田仁祭典委員長、西村茂之実行委員長)の主催で、七里御浜海岸の白石を花の窟神社に奉納する行事。感染拡大防止のため、規模を縮小した。
法被姿などの参加者が威勢よく花車を引き、伊勢音頭や餅まきも盛り上がった。
和田祭典委員長は「3年ぶりに行うことができた。好天にも恵まれ、本当にうれしい」と笑顔を見せていた。
(2022年10月4日付紙面より)
保健セの健康教室で40人 (串本町 )
串本町保健センター主催の健康教室が9月29日に役場本庁舎であり、田嶋勝正町長と事前に申し込んだ40人が口腔(こうくう)フレイル予防をテーマにして学ぶ機会を得た。
町民の健康増進を目的として毎年開いている同教室。今回は前述したテーマでくしもと町立病院公開講座を役場へ招致する内容を計画し、町民に受講を呼びかけた。
当日は田嶋町長が65歳以上町民の要支援・要介護認定率が県平均より高い(前年度実績で全体の24・2%)一方で支援・介護の担い手不足が社会問題化している現状を伝え、「フレイルは早期に発見し適切な療法を行えば十分に改善していけるという。今日の受講でいろいろ勉強をしていただければ」と呼びかけて開会。
同病院は「いつまでもお口から食べられるように~食べることに関わる専門職の視点~」と題したシンポジウムを準備し、リハビリテーション部の岸尾俊尚技師長〈理学療法士〉によるコーディネートで秋山裕由院長代理〈内科医〉、看護部の吉田裕子さん〈摂食・嚥下(えんげ)障害看護認定看護師〉、リハ部の江川泉さん〈言語聴覚士〉、栄養部の大屋舞依子さん〈管理栄養士〉がそれぞれの専門性を発揮して基調講演。口腔フレイルの概念やその状況からの悪化で懸念される誤嚥(ごえん)性肺炎などの生活支障、対局にある健康へ向かうためのトレーニングや日々の口腔衛生管理、元気の源である栄養をしっかり摂取するための食生活の工夫を一連の情報として紹介した。
終盤では質疑応答の時間もあり▽加齢に伴う味覚低下への対処方法▽声の出しにくさやかすれは口腔フレイルの初期現象(呼吸が弱まっている)でこの段階から早めに受診や予防を目指すのが良いこと▽好みだが健康維持のため控えている高栄養食品は一口なら過剰摂取にならないので控えるよりむしろ食の楽しみとして食べた方が心身に良いこと▽むせたりたんが出た場合に何科を受診すればいいかが分かりにくい(大半は内科でその診断によりより適切な科が推奨される)―といったやりとりがなされた。
(2022年10月4日付紙面より)