新宮市で初の合同企業説明会 (和歌山県 )
和歌山県は26日、新宮市野田の市福祉センターで「和歌山県就活サイクルプロジェクト合同企業説明会」を開催した。同市では初めてで、熊野地方をはじめとする22社が参加。県内で就職を希望する人らがブースを回り、各企業の説明を受けるなどした。
県では結婚や出産などで離職した女性や定年退職した人、都会で働くUターン希望者などに県内で再び働いてもらおうと2月を就活強化月間として4月の就職を目指すサイクルを推進している。2017(平成29)年には県再就職支援センターを開設し、転職や再就職、ワーク・ライフ・バランスなどの相談、適職診断、情報の提供と発信などをしている。
同説明会は昨年度から県内で開催しており、31人の就職につながっている。今回は和歌山、橋本、田辺、新宮の4市で実施した。個別面談方式の企業面談ブース、適職診断、キャリアコンサルタントによる再就職相談コーナー、就活・保活相談コーナーが設けられ、受け付けを済ませた来場者らは興味のある事業所のブースで話を聞くなどしていた。
県商工観光労働部商工労働政策局労働政策課の担当者は「県内の事業所も人手不足と聞いています。再就職する人が活躍していただければうれしい」と話していた。説明会は来年度以降も実施していく予定となっている。
(2019年2月28日付紙面より)
世界遺産登録15周年御朱印も (熊野那智大社 )
「創建1700年記念境内施設整備事業」による工事が続く那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で、このほど拝殿足場のメッシュシートが外された。3月末ごろには、足場も撤去され、4月19日(金)に竣工(しゅんこう)式が営まれる。
同事業は平成29年11月に始まった。前回の拝殿屋根のふき替えは昭和30年ごろ。緑青色の屋根の銅板が、新鮮な輝きを見せている。拝殿の工事完了後は、鳥居や宝物殿などの境内にある建物の塗装工事に入る。
同大社と別宮「飛瀧(ひろう)神社」では、世界遺産登録15周年を記念して特別御朱印を授与している。授与期間は12月31日(火)まで。初穂料はいずれも500円。問い合わせは同大社まで。
(2019年2月28日付紙面より)
三尾川小クマノザクラ学習 (古座川町 )
古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(濵地久夫校長、児童9人)が26日、町内在住の樹木医・矢倉寛之さんを外部講師として迎え、クマノザクラの学習会に取り組んだ。
このサクラは昨年3月、森林研究・整備機構森林総合研究所=茨城県つくば市=による論文提出により国内では約100年ぶりの新種と判断され、その標本木が同町池野山にあることで町の花にもなった野生種。この学習会は、同町にも複数自生するクマノザクラを観察しその価値を考える機会として取り入れる学校が増えていて、同校は高池小に続いて2例目の実施となる。
矢倉さんは神奈川県横浜市から同町へ移住した樹木医で、クマノザクラなど町内の植物の研究にも熱心。三尾川八幡神社前で合流した児童教職員は▽ソメイヨシノ▽オオシマザクラ系(総称・サトザクラ)▽ヤマザクラ―の冬芽をじっくりと観察し、同じサクラでも見分けるポイントとなる特色(他のサクラとの違い)があることを確かめ、さらに中村橋先の谷あいにあるクマノザクラを訪ねて冬芽を見比べて、町内のいろいろなサクラへの興味を高めた。
矢倉さんはカワヅザクラなど観賞用に植えられているサクラを除き、町内では冬芽を観察した4種類のサクラが多いと紹介。まもなく咲くクマノザクラの花の写真(花びらの枚数が5、6、7枚の写真)を見せ、野生種のクマノザクラにはいろいろな個性があることなども伝えた。
矢倉さんは移住者として感じている古座川町の植生の特色を『都会になくて古座川にあるもの』という観点で複数例に挙げ、「(この日教わった)見分け方は忘れてもいいけれど古座川町はすごいということを忘れず、今のうちに町のいいものや好きなものをたくさん見つけて、会う人や町に来る人に自慢してほしい。それがクマノザクラを守ることにつながる」といったメッセージも託した。
児童は学習会に参加した感想を織り交ぜながら▽枝垂桜はどんなサクラか▽サクラは病気にかかりやすいのか―などを質問し、矢倉さんもその一つ一つに回答。児童を代表して片桐悠哉君(5年)は「古座川町にはいろんなサクラがあることや見分け方が分かった。今度は自分でサクラを観察してみたいと思った」と感想を述べて矢倉さんに感謝した。
(2019年2月28日付紙面より)
訪日外国人対応セミナー (新宮市 )
日本政策金融公庫和歌山支店と田辺支店は26日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で「インバウンド対応セミナーin新宮」を開催した。講演と支援策説明の2部制で行われ、新宮市内をはじめ県内の来場者らが訪日外国人への対応について理解を深めた。
第1部では日本政策金融公庫総合研修所研究主幹の竹内英二さんが「これからが本番~インバウンド4000万人時代へ~」の演題で基調講演をした。竹内さんはインバウンドの増加は世界的な現象であるとし、アジア・太平洋の伸び率が高いと話した。目的の約半分は観光、次いで海外にいる友人や親戚を訪問、医療、宗教の理由も多いと述べ、訪れる人数と経済効果は必ずしも比例しないことなどを解説。
日本へのインバウンドの9割はアジアで、市場は中国がリードしていると話した。訪日旅行は日本体験型へ変化しており、「日本だから行く」という人が増えることで地方にもチャンスがあるとした。普段の生活、風景、仕事など現在あるものが商品になることを国内の事例を挙げて紹介した。
課題として、観光ルート開発など広域で連携した取り組みと行政の力が必要になること、地域ならではの商品や遊びの開発、富裕層へのアピールなどを挙げ「インバウンド振興は地域の経済をよくするために行うので、お金をもうけることも大切。また、日本の地域の文化や歴史を理解してもらうには語学力も必要になる」と呼び掛けた。
過度の観光地化を防ぐこと、日本らしさの維持、日本人の集客も重要になるとし「1年や2年で解決できる話ではなく、長い目で考えていくことが大切」と締めくくった。
続いて東京観光経営コンサルティング事務所の井上朋子代表が「訪日外国人集客力アップに必要なこと」をテーマに話した他、第2部では県商工観光労働部観光局観光交流課の武田啓義さんが県の支援策を説明した。
日本政策金融公庫の須藤健文・田辺支店長は「インバウンドは地方活性化につながる大きなテーマ。国際的なイベントが(日本で)続くが、インバウンドの効果を最大化するためには開催地だけでなく、和歌山県内にもどんどん呼んでいただき、それぞれの地域で活性化につなげていただければ」とあいさつした。
(2019年2月28日付紙面より)
新宮弓友会主催の2月月例射会
2位三輪崎、3位串本と県大会出場へ (県下小学生バレー新人大会東牟婁予選 )
ふるさとすくすく森づくり (新宮警察署 )
子どもたちに木や森林を大切にする気持ちを育んでもらおうと、新宮警察署少年補導員連絡会(柳本利文会長)と同署(大髙圭司署長)は2日、紀宝町浅里の山林で植樹行事「ふるさとすくすく森づくり」を実施した。神倉少年野球クラブと蓬莱フレンズに所属する児童や保護者ら約60人が参加し、ヤマザクラやイロハモミジ、アカガシなど5種類の苗木50本を植えた。
青少年健全育成の一環として2008年から始まり9回目。12年は紀伊半島大水害の影響で中止している。植樹後には豚汁やおにぎりが振る舞われ、交流を深め合った。
柳本会長は少年補導員の活動を紹介し「普段、大自然の中で作業をすることはそんなにないと思います。すくすくという言葉を辞書で調べると、『積極的に、前向きに真っすぐ伸びる』とありました。これは樹木にも人間にも当てはまること。今日は笑顔で頑張りましょう」と呼び掛けた。
山林を所有する公益財団法人熊野林業の尾﨑征朗理事長は「樹木を通して自然の大切さを学んでほしい。元気にすくすく育つように心を込めて植えてください」とあいさつした。大髙署長は「学校も学年も異なる児童や保護者が参加してくれています。互いにコミュニケーションを取りながら、協力して友達、親子の絆を一層深めてください」と話した。
熊野林業の佐竹剛さんらが作業の流れや植樹の仕方などを説明。子どもたちは五つのグループに分かれてくわを使い、それぞれ場所を決めて穴を掘り、苗木を入れて土をかぶせた。
参加した井上慎晟(じんせい)君(11)は「穴を掘るのが難しかった。(木が)大きく育つとうれしいです」と話していた。
(2019年2月3日付紙面より)
行政無線と消防車で防火広報 (新宮市消防本部 )
新宮市消防本部は1日から、防災行政無線放送と消防自動車による防火公報活動を始めた。今月下旬までの予定。防災行政無線は毎日午前10時に放送され、消防自動車については、行政無線の放送後に必用に応じて適宜実施される。
新宮市では今年に入り7件の火災が発生しており、例年に比べて非常に多くなっていることや、昨年1年間の発生件数(5件)をすでに上回っている状況などから、住民に対して注意喚起のために防火広報を実施することになった。
担当者らは「当地方は空気が乾燥し、火災の発生しやすい気象状態になっていますので、火の取り扱いには十分にご注意願います」と呼び掛けると同時に、「防災行政無線による放送は、毎日実施する予定ですが、当日の気象状況などから判断し、放送を実施しない日もありますのでご注意願います」と理解を求めた。
(2019年2月3日付紙面より)
ロングハイキングを前に (新宮市 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)は1日、新宮ユネスコ協会会長で元同校校長の中谷剛さんを講師に迎え、世界遺産講座を開いた。7日(木)に実施する熊野古道ロングハイキングの事前学習として開催。1年生200人が聴講した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は教育や文化に関わるさまざまな活動を行っているが、世界遺産を登録し保護することもその活動の一つ。1960年代、エジプトでアスワンハイダム建設の際に、水没の危機にひんしたアブシンベル神殿を守るためにユネスコが立ち上がり、遺跡群を他の場所に移した。中谷さんは「この出来事がきっかけとなり、72年にユネスコ総会で世界遺産条約が採択された。以降、ユネスコは世界遺産の保護活動を行っている」などと説明した。
ユネスコ憲章の一文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」を紹介し、ユネスコは教育や科学、文化上の関係を通じて国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進すべく設立されたものと解説した。
世界遺産には文化遺産、自然遺産、複合遺産があることも解説し、7日のロングハイキングで歩く予定になっている熊野古道の小雲取越を含む世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は文化遺産として登録されたと話した。
三つの分類以外にも戦争や差別によって生まれた「負の遺産」や、紛争や災害によって破壊の危機にある「危機遺産」も存在することを説明し、中谷さん自身が訪問した負の遺産・アウシュビッツ強制収容所(ポーランド)についてスライドを使って解説した。
中谷さんは「道が世界遺産になっているのはこことスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路だけ。日本で12番目に登録された、非常に貴重な場所。大切にしながら、7日は一緒に熊野古道を歩きましょう」と講座を締めくくった。
(2019年2月3日付紙面より)
王子幼で節分集会 (新宮市 )
3日の「節分」を前に、新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長、園児21人)で1日、「節分集会」があった。この日は王子ヶ浜小学校の児童14人も参加。子どもたちは歌やゲーム、紙芝居などで楽しいひとときを過ごした。
交流は学期ごとに年3回以上実施しており、毎年行われている。園児と児童らは『鬼のパンツ』『鬼の祭り』の合奏を元気いっぱいに披露した。○×クイズでは節分にちなんだ問題などが出され、子どもたちは「どっちかな?」「こっちこっち」と移動し、正解を発表するたびに歓声や拍手が上がるなど、会場はにぎわった。
同小教職員扮する鬼が登場すると、泣き出す園児らもいたが、児童らを中心にみんなで力を合わせて豆をまき、鬼たちを退治した。交流を深めた子どもたちは一緒に豆を食べ、紙芝居の読み聞かせを楽しむなどして節分気分を満喫した。最後は全員で記念撮影をし、次回の再会を約束した。
山本園長は「泣いてしまった園児もいましたが、みんなが協力しあう姿が見られました。子どもたちに少しでも季節感や日本の伝統文化を感じてもらえれば」と話していた。
(2019年2月3日付紙面より)