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2023年02月23日
1 先輩後輩の絆つなぐ
 募金箱設置で東日本支援  (補陀洛山寺 )

 「東日本大震災を風化させたくないという強い思いで活動を続けている後輩がいます」。そう話すのは那智勝浦町浜ノ宮にある補陀洛山寺の髙木智英住職だ。同寺には現在、「NPO法人3・11ツナグ 東日本大震災の募金」と記された手作りの募金箱が設置されている。震災を風化させないために各地でさまざまな活動を展開するツナグ。理事長を務めるのは、比叡山学院での修業時代に髙木住職と共に学んだ後輩で、名古屋市にある覚王山日泰寺の僧侶・泉智仁さんだ。先輩後輩の絆は今もなお続いており、髙木住職がその活動に感銘を受けたことから今回の設置に至った。

 福島県出身の泉さんは震災以前、同県浪江町と南相馬市にあった二つの寺を祖父と共に守り、僧侶としての務めを果たしていた。2011年3月11日、地震と津波が町を襲った。

 浪江町の寺は流され、もう一方の寺は残ったが、檀家(だんか)たちの住宅は壊滅的な被害を受けた。さらに追い打ちをかけたのが、福島第一原発事故だった。放射能汚染で町から人がいなくなったという。

 泉さんは自らの道を模索し、被災地の現状を伝え、震災を風化させないための活動に尽力することを決意。講演に加え、習得した和太鼓で「復興太鼓」の奉納や指導、各地の特産品を被災地に届ける取り組み、義援金支援、高校生と考える防災教育と防災グッズ作成など、全国各地で活躍している。

 髙木住職が補陀洛山寺の住職を拝命した際には、泉さんが駆け付けて勇壮な復興太鼓で先輩の前途を祝福。熊野修験にも太鼓を指導した。

 今回の募金箱は、震災への支援に取り組んでいる愛知県立一宮商業高校にツナグが依頼し、作成したもの。泉さんが直接、同寺に届けた。

 泉さんは「髙木先輩の住職就任と補陀洛山寺での太鼓奉納はお互いの夢だった。夢がかない、先輩には感謝しかない。募金は被災地への寄付や防災を学ぶ学生たちに使わせていただきます」。

 ツナグの会員となった髙木住職は「彼とは同じ寮に住み、共に学んできた。卒業してもその絆は続いている。震災を風化させず、後世に伝えつなげていきたいという彼の思いを応援したい。参拝の際はご協力いただけますと幸いです」と話していた。

(2023年2月23日付紙面より)

東日本大震災を風化させないための募金箱が設置されている=那智勝浦町の補陀洛山寺
昨年1月の補陀洛山寺晋山記念大法会の際の1枚、髙木智英住職(左端)と泉智仁さん(右端)(補陀洛山寺提供)
2023年02月23日
2 順次ライトアップを実施
 「桜フェア」の準備着々  (古座川町観光協会 )

 古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)が3月4日(土)から4月2日(日)まで、振興企画「桜フェア」を展開する。今回はライトアップを軸にした内容を計画していて、実施に向け今月21日に鶴川公園で試験点灯に臨むなど準備を着々と進めている。

 町内で順々に花盛りを迎えるさまざまなサクラをより多くの人々に親しんでもらうことを狙いとした同企画。今回は三尾川(みとがわ)にある古傳山光泉寺のイチョウのライトアップで用いた光源(LED照明4基と大容量バッテリー2基のセット)で期間中の土、日曜日と祝日の午後6時~7時30分に見頃を迎えたサクラを順次照らすという。

 計画段階での実施予定日は▽鶴川公園〈カワヅザクラ〉=3月4、5、11、12日▽池野山〈クマノザクラタイプ標本木〉=18、19、21日▽一枚岩〈ソメイヨシノ〉=25、26日と4月1、2日。期間を逸脱しての実施はないが開花の進み具合により日程を変更する場合があるとし、適時公式ホームページや交流サイト(SNS)、道の駅虫喰岩(むしくいいわ)で最新情報を発信するので確認した上で観賞しに来てほしいという。一枚岩は河川敷へ下りるスロープ付近で行うとし、その折は道の駅一枚岩monolith(モノリス)も夜間営業をする予定。小雨決行だが、荒天の場合は中止するという。

 普段と違った光景で夜間の町内外からの来訪者を増やすことが今回の狙い。試験点灯は良好な照らし方を見極めるための実施で、担当する同協会事務局の上田柊大郎さんは開花状況に応じて見極めた内容に修正を加え良好に観賞してもらえるよう心がけるという。

 鶴川公園には16本のカワヅザクラがあり、ライトアップは道路に面する木以外で行うという。今月21日現在、木によって開花の進み具合に差があるがおおむね咲き始めから三分咲きの段階。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。

(2023年2月23日付紙面より)

鶴川公園で試験点灯に臨む古座川町観光協会事務局の上田柊大郎さん=21日、古座川町鶴川
2023年02月23日
3 南方系動植物への影響
 今年1月の積雪・低温で  

 今年1月24日から25日にかけ、熊野地方各地で近年まれに見る積雪が確認された。熊野地方に生育する南方系動植物にも、積雪や寒波によるダメージと推察される影響がでている。

 動植物は種ごとに生育可能な環境条件が異なっており、気候は分布を決める重要な環境要因となる。例えば、当地方の海岸線に広く見られるハマユウ(ハマオモト)の分布限界は、年平均気温15度、冬の最低気温マイナス3・5度の等値線と一致していることが知られている。熱帯系の生物では凍結が北限を決める大きな障壁であり、霜が降りるかどうかが分布の境界となることもある。

 当地方の植物に詳しい熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二会長によれば「積雪の影響が最も顕著だったのは、石垣を覆っていた外来種のオーシャンブルー(アサガオ)やヒメツルソバなど近年急激に分布を広げていた種で、地上部の葉がほとんど枯れてしまった。在来種では、耐寒性の弱い熱帯・亜熱帯性のシダ『ヘゴ』にダメージがあり、今後要観察」としている。

 一方、那智勝浦町の宇久井半島では駒ヶ崎灯台周辺などで集団越冬するオオキンカメムシの死骸が見つかった。7年ほど前から個体数調査を行う浜際康太さんによれば「すさみ町の江須崎で大量死が発見されたとの知らせを受け、宇久井半島でも調査をしたところ、54匹の死骸が見つかった。生存個体は781匹いたが、弱って動けないものも多く見られた」という。

 オオキンカメムシは体長2・5㌢ほどになる大型の熱帯性のカメムシで、赤い体色に黒の斑紋が特徴。見つかった死骸の8割は雌で「雄は越冬前にカンコノキに集まって栄養補給をするようだが、雌はそのまま越冬に入ることが影響したのでは。いずれにせよ生態に謎が多く、今後も調査が必要」と話していた。

(2023年2月23日付紙面より)

葉にダメージを受けたヘゴ=2月5日、太地町
オオキンカメムシの死骸(浜際康太さん提供)
2023年02月23日
4 プログラミングを学ぶ
 児童の発明クラブで講座  (新宮市 )

 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の講座「プログラミングを学ぼう!」が19日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であった。市内の小学生会員26人が参加。ブロック状の学習用キットを使い、プログラミングとは何かを楽しみつつ学んだ。

 発明クラブは全国各地にあり、和歌山県内でも11市町で活動が行われている。新宮市では、市内の小学校の4~6年生を対象に、年間を通して講座を開催。児童に理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。

 この日は、近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部(大石凜空部長)の森田直樹顧問と、部員5人が講師を務めた。森田顧問は、プログラミングについて「決められたことを決められた通りにする」と説明。プログラミング言語も紹介したほか「パソコンやスマホ、冷蔵庫や掃除機などにも入っている」と明かした。

 学習用キットの内容物として、電源、振動・明るさ・音を感じ取るセンサー、LED、バイブレーターなどの部品があることを伝えた。これらを組み合わせて「部屋が明るいときだけ、LEDが光る装置を作る」「暗いときだけ光るようにする」などの装置を作るよう出題。児童らは、電源と部品の組み合わせを考え、これらを行った。

 出題内容は「明るいときだけ光らない」「手をたたいて振動させると、LEDが光る」「揺らすか手をたたくとLEDが光る」など、だんだんと高度化。児童らは、森田顧問や部員らの助言を受けながら、試行錯誤して装置を組み上げていた。

 神倉小4年の⻆真友君は「いろいろ知らなかったことが分かって良かった。結構難しくて、迷ったりもしたけど、楽しかった」と話した。

(2023年2月23日付紙面より)

森田直樹顧問や部員の助言を受け装置を組み立てた=19日、新宮市井の沢の新宮商工会議所
2023年02月23日
5 オンラインで授業を実施  西向小と出雲小が交流  (串本町 )
2023年02月23日
6 ブラジル移民の活躍知る  串本文化セで講演会開き  (南紀国際交流協会 )
2023年02月23日
7 心と体の健康考える  アグレッシブコース1、2年生  (近大新宮 )
2023年02月23日
8 語り部ジュニアの今後  世界遺産学習サミットに向け  (田辺市本宮町 )
2023年02月23日
9 「献血にご協力を」  勝浦LCが奉仕活動  
2023年02月23日
10 美しい瑠璃色の小花  オオイヌノフグリ  
2023年02月23日
11 犬小屋と靴のミステリー  財布発見も真相は謎のまま  (那智勝浦町 )
2023年02月23日
12 元世界王者が指導  児童対象の一輪車教室  (北山小学校 )
2023年02月23日
13 ひな人形の飾りを制作  親子らママサークルで  (紀宝町 )
2023年02月23日
14 「お話会」で絵本を楽しむ  井田、成川両保育所の5歳児  (紀宝町立図書館 )
2023年02月23日
15 タイへ高級柑橘を輸出  人気高く昨年の3倍に増加  (JA伊勢 )
2023年02月23日
16 紀宝町、熊野市の3組織を表彰  3年ぶりに「熊野地域のつどい」  
2023年02月23日
17 12年ぶり選挙戦か  元市議が出馬意向表明  (和歌山県議選新宮市選挙区 )
2023年02月23日
18 お悔やみ情報
  
2023年02月22日
19 熊野の歴史など学ぶ
 語り部育成の講演会  (和歌山県観光連盟 )

 紀州語り部担い手講演会(座学編)が19日、新宮市野田の福祉センターであった。18人が参加、講演を通して語り部に必要な、熊野や高野山が育んだ歴史や文化などを学んだ。

 和歌山県観光連盟の主催で、新宮市のほか田辺市や和歌山市でも実施。内容は同じで、第1部は「熊野」、第2部は「高野山」、第3部は「紀州語り部」の魅力を語るものだった。第1部では、国際熊野学会代表委員の山本殖生さんが講演したほか、熊野家三九郎さんが熊野を題材とした落語を披露した。

 山本さんの講演の演題は「日本一の熊野牛玉(ごおう)宝印」だった。山本さんは熊野牛玉宝印について「魔よけのお守り札。家の門口や田の水口に置いた」と説明。「牛玉」の由来について「もともとは牛にできる結石、牛黄(ごおう)のこと。漢方で使われ、中国では万能の解毒薬とされる。牛黄を混ぜた墨や朱を用いて加持祈とうすれば、除災や招福のパワーが得られると考えられた」と話した。

 最初は印として額に押すものだったことを解説。「顔を洗うと消えるので、白い紙に印を押すようになった」と語った。熊野本宮大社では、紙に印を押す古い形式の儀式を今もやっていることも発言。「やがて版木でたくさん押すように。それが熊野牛玉宝印の始まり」と述べた。

 起請文(きしょうもん)(誓約書)として使われたことにも言及。「日本で2番目に古い起請文に熊野の、那智の牛玉宝印が使われている」と示した。「中世から起請文として使われ、一揆を起こすようなときに書いた。みんなで書いて血判を押し、儀式をやったと思われる」と語った。

 古文書にある、熊野牛玉宝印の記述も提示。図柄についても「戦国時代から烏(からす)文字に。日本第一も戦国時代からで、もともとは書いていなかった」と明かした。熊野牛玉宝印が忠誠を誓う際の起請文として▽豊臣秀頼と近畿の大名▽薩摩藩と琉球国王▽代替わりした将軍と各大名―の間で使われたことも伝えた。

 熊野比丘尼(びくに)が全国に広めたこと、あまりに有名なため偽物も出回るほどであったことも付け加えた。

 熊野家さんの落語は「三枚起請」で、遊女がお客に愛を誓う起請文を3枚も出していたというものだった。参加者の笑いを誘い、盛んな拍手で称賛された。

(2023年2月22日付紙面より)

熊野牛玉宝印の歴史などを学んだ=19日、新宮市野田の福祉センター
講話する山本殖生さん
2023年02月22日
20 中学校統合、今後の予定示す
 保護者対象に説明会  (新宮市 )

 新宮市役所別館で20日夜、「緑丘中学校・城南中学校統合に関する保護者説明会」があった。城南中学校・王子ヶ浜小学校の保護者らが参加。速水盛康教育長や市職員らが中学校統合に関するスケジュール案などについて説明した。

 昨今の生徒数減少に伴う諸問題への対応を行うべく昨年、市教育委員会では緑丘・城南各中学校の統合検討を開始。

 統合に向けた話し合いを進めるため、9月に「緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会」(板谷貴史・城南中育友会長)第1回会議が行われ、今年1月31日に開かれた第3回会議では、市当局から令和9年4月の統合を想定した統合スケジュール案が示された。

 スケジュール案などについて保護者らの理解を得るために開かれたこのたびの説明会は▽城南中学校・王子ヶ浜小学校▽緑丘中学校・神倉小学校―の各保護者を対象に2回に分けて実施した。

 市が示す案では、令和5年度から公募やアンケート、パブリックコメントなどを実施した上で新中学校名を検討。その後、校歌や校章の作成、新制服デザインなどに着手する。

 令和6年度に教育課程編成等委員会を設置し、経営方針や教育課程、学校行事、部活動、通学路などの検討を進めていく。

 統合後の場所を現緑丘中とする案において、令和6年度後半以降に仮設校舎の建設準備を行い、令和7年度に仮設校舎の建設と並行して大規模改修の設計を行い、令和7年度後半以降に生徒・児童、部活動交流や大規模改修、閉校式・開校式に向けた準備を行う計画としている。

 開催に当たり、速水教育長は「子どもたちの将来に向けて教育環境を整える必要があると考えている」とあいさつ。市職員がスケジュール案などについて説明した。

 質疑応答では、保護者が「教育だけではなく、環境づくりも大事。地域に子どもたちの声が聞こえないのは大きな問題。城南中の跡地の利用も並行して考えていく必要がある。関係各課も参加すべきでは」「困っていること、やりたいことは大人では分からない。子どもたちが気軽に意見を言える場をつくってほしい」などと意見。

 対し、市は「まず子どもたちのことを考えて中身を検討していきたいという思いがある」。跡地に関しては「市のまちづくりとして大きな観点で考えていかなければならない」などと理解を求めた。

 緑丘中学校・神倉小学校の保護者を対象にした説明会は22日(水)午後7時から、同所で開催される。

(2023年2月22日付紙面より)

速水盛康教育長らがスケジュール案など説明=20日夜、新宮市役所別館
2023年02月22日
21 「菜花摘み」体験旅行
 色川地区の農園で新企画  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町口色川の安田裕志さん(42)が同所で営む農園「vegelike(ベジライク)」で18日、新規体験旅行企画「1・2月の旬の時期だからこそ味わえる菜花摘み取り体験と季節限定『菜花』限定ランチ」があった。愛知県名古屋市から友人同士の女性3人が参加、食用の菜花を摘み、創作ランチを楽しんだ。

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)が企画立案に協力した。第1次産業の活性化を図るとともに、新たな那智勝浦ブランドを創出し、さらに農業と観光という二つの地場産業を融合しようと考えた。安田さんは菜花を12年前から作っているが、摘み取り体験の実施は初めてという。

 ランチは、安田さんの農園で採れた菜花を使用。同町大野の体験レストランAima(アイマ)で提供した。企画はもともと、1月に4回、2月に4回の実施を予定していたが、コロナ禍の影響でこの日が初回の実施となった。

 農園では、安田さんが収穫の仕方を説明。「つぼみか、花がちょっとついたぐらいのものを、ハサミで切り取って」などと語り、実演した。「無農薬なので、このままでも食べられる。生でも甘くておいしい」とも伝えた。参加者は、さっそく収穫を体験。ハサミで切ってはポリ袋に集め、また時折生で口に運んでは「甘くておいしい」と笑顔を見せていた。

 那智勝浦観光機構の牛久保賢一さんは「色川や太田には、体験コンテンツにできそうな素材がある。これらをPRすることで、町全体を活性化できれば」と話した。

 「菜の花」とは本来、アブラナ科の花の総称。安田さんの農園では、菜花の食用品種「花飾り」を栽培している。花が開いてしまう前のつぼみの状態が食べ頃で、旬は1月と2月、収穫は3月上旬ごろまで続くという。天ぷらやおひたしのほか、卵と炒めたり、浅漬けにして刻みおにぎりに混ぜたりしてもおいしいとのこと。

(2023年2月22日付紙面より)

収穫を楽しむ参加者=18日、那智勝浦町口色川のvegelike
2023年02月22日
22 義援金を大使館へ届ける
 トルコ地震の見舞い交え  (串本町 )

 串本町の田嶋勝正町長ら一行が17日に駐日トルコ共和国大使館のコルクット・ギュンゲン特命全権大使と面会し、町内外から寄せられたトルコ南東部地震災害義援金〈第1回目分〉1500万円を届けつつ犠牲者への哀悼と被災者への見舞いの意を示すなどした。

 この義援金は、トルコ共和国で現地時間6日未明以降相次いだ大きな地震で被災した人々の支援を目的として7日から募集を開始。役場本庁、旧役場古座分庁舎、文化センター、トルコ記念館の4カ所に義援金箱を設置し、10日には振込口座(紀陽銀行串本支店普通449160と三十三銀行古座支店普通7001609、いずれも振込手数料が必要)も開設して受け付けている。

 町内外から高額寄託の申し出もあり、15日までに集まった額から1500万円を第1回分として同大使館に託すこととした。17日は同町議会(鈴木幸夫議長)と合同の陳情活動の延長で同大使館を訪問。田嶋町長と鈴木議長以下議員11人、佐藤武治県議会議員と日本トルコ友好議員連盟会長でもある二階俊博衆院議員らが面会を求め、代表して田嶋町長が同義援金寄託の目録を読み上げてギュンゲン大使に手渡した。

 町総務課によると、その折に田嶋町長は「現在も救援活動が続き、復旧復興には時間がかかると思われる。われわれはトルコにずっと寄り添いながら義援金協力を呼びかけ続ける」と申し添え、ギュンゲン大使は「困難に直面している時にお目にかかれることを心強く思う。日本、和歌山県、とりわけ串本の皆さまはトルコ人の心の中では大変特別な存在で、本日皆さまが来て下さったこともその証明。心より感謝申し上げる」と応えて申し出に感謝したという。

 二階衆院議員もできることを考えてトルコに寄り添う意を示し、復興への足取りを踏み出すことを祈念。田嶋町長は併せて同町立潮岬中学校(平原良一校長)の3年生が手作りしたメッセージボードも託し、串本はさまざまな形で被災を乗り越えることを願っていることも伝えた。

 同課は今回の被災からの復旧復興を支えるため、今後も同義援金の受け付けを続けるとしている。問い合わせは同課(電話0735・62・0555)まで。

(2023年2月22日付紙面より)

義援金〈第1回目分〉の寄託を申し出る田嶋勝正町長(中央)=17日、駐日トルコ共和国大使館(串本町提供)
コルクット・ギュンゲン特命全権大使と面会する田嶋町長ら一行(同提供)
2023年02月22日
23 危険箇所を地域住民に説明  小中合同人権・防災学習  (相野谷小・中 )
2023年02月22日
24 おもちゃ作りを楽しむ  わくわく科学教室に児童21人  (紀宝町 )
2023年02月22日
25 健康増進で公務災害防止  消防団員健康づくりセミナー  (新宮市 )
2023年02月22日
26 クジラさん、こんにちは!  わかば保育園が卒園遠足  
2023年02月22日
27 仲間との絆忘れずに  ジュニア駅伝チーム解散式  (新宮市 )
2023年02月22日
28 被災者への思いを乗せて  潮岬中3年生ボード託す  (串本町 )
2023年02月22日
29 さまざまなゲームに挑戦  中央児童館で「あそび大作戦」  (新宮市 )
2023年02月22日
30 お悔やみ情報
  
2023年02月11日
31 那智駅のカンザクラ開花
 シンボルは今年も咲かず  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮のJR那智駅のカンザクラ(寒桜)の開花が始まった。早咲きで知られるこのサクラは毎年1月初旬から咲き始め熊野地方の春を一足早く知らせてくれる。道の駅なち側にある地域のシンボルとされていたカンザクラは、今年も開花しなかった。

 カンザクラは栽培品種で、カンヒザクラとヤマザクラの雑種。早咲きで有名なカワヅザクラよりも開花は早い。これまで、本紙などでもカンヒザクラとして紹介されてきた木だ。

 日本クマノザクラの会会長も務める国立研究開発法人森林研究・整備機構「森林総合研究所」の勝木俊雄さんによると、那智駅の木々と枯渇している道の駅側の木はいずれもカンヒザクラではないと解説した。

 開花している駅ホームの2本は、8日現在で七、八分咲きほど。美しいピンク色の花の蜜を求めて小鳥やミツバチでにぎやかとなり、その様子をスマートフォンなどで撮影する駅利用者や地域住民らの姿が見られた。

  □     □

■シンボルは花付けず



 隣接する道の駅なち側のカンザクラは、地域のシンボルとして、来駅する人々の目を楽しませていたが、3年前から樹勢が弱り始めた。

 管理する町農林水産課では、これまでに東牟婁振興局林務課や県の林業試験所に相談し、肥料を与えて除草するなどの対策を進めてきた。

 その努力もあってか、おととしは勝浦側(西側)の幹の花は咲いたという。今年は西側・東側ともに花を付けず、枯渇状態となっている。

 町では、全て枯れてしまった場合に対応するため、生きている幹から出た枝を採取してヤマザクラを台木に接ぎ木をして育てる取り組みも行っている。

 大阪府からバイクで訪れた50代男性は「以前に来た際はきれいに咲いていた覚えがあるので、元気がないのは寂しい。駅側にもあったのは知らなかった。こちらはきれいに咲いていたのでうれしく思う。この2本は枯れないでほしい」と話していた。

(2023年2月11日付紙面より)

一足早く春を知らせるカンザクラ=8日、那智勝浦町のJR那智駅

今年も花を付けなかった道の駅なち側のシンボルの木
2023年02月11日
32 手を出さない強い心を培う
 古座中で薬物乱用防止大会  (古座川町 )

 古座川町立古座中学校(井口英夫校長、生徒73人)で9日に薬物乱用防止大会「わかやまNO!DRUG!フェスティバル」があり、生徒らが不正薬物の経路や誘いの断り方などを教わって手を出さない強い心を培うなどした。

 この大会は、県が各保健所を架け橋にして学校や不正薬物等関係諸機関・団体と連携して共催している全校規模の啓発行事。この日は新宮保健所串本支所の和田安彦支所長が実施の趣旨、井口校長が学びの動機付けをして開会した。

 序盤は大阪税関和歌山税関支署新宮出張所の市口知さんが「税関の仕事と不正薬物等の密輸について」と題して講演。不正薬物などの摘発で活躍する麻薬探知犬「エスメ」号のデモンストレーションも織り交ぜ、さまざまな不正薬物等がさまざまな手口で国内へ持ち込まれようとしている現実を印象づけた。

 中盤は同支所保健環境課の藪内弘昭さんが○×クイズで正しい認識を深め、県福祉保健部健康局の榎本章さんが薬物事犯の検挙状況を説明。県内の検挙者数は人口比率で考えると決して少ないとは言えず、10~20代の占める割合が高く好奇心や雰囲気に飲まれて手を出すケースが多いなどの状況を伝えて自衛の必要性を諭した。

 終盤は生徒を代表して西脇大貴さん、巽乙葉さん、橘心優さん(以上2年)、山田果菜さん(1年)、大屋孝太さん(3年)と教員がペアになり、どのように誘われるかや断り方(話題をそらす、何度も同じことを聞く、延々とためらう、誘ってくる相手が引かないようなら何か理由をつけて立ち去る)を実演。生徒会の谷口菜乃会長(2年)が「薬物の誘惑に乗ると心と体を壊し、他人にも迷惑を掛けてしまう。身を守るためには一人一人が手を出さない強い心を持たなければならない。『ダメ。ゼッタイ。』の合言葉をみんなに呼びかけて薬物をこの社会から無くすることを決意する」と宣言して気持ちを引き締めた。

 最後に大会の始終を見届けた県薬物乱用防止指導員串本地区協議会の堀正会長は「薬物を断る実演をして、『ダメ。ゼッタイ。』の強い意志を生徒さん全員が持ってくれたと思う」と確信を掲げ、税関や同支所の説明で必要な知識も身に付いたと振り返って締めくくった。

(2023年2月11日付紙面より)

麻薬探知犬デモンストレーションや断り方実演の様子=9日、古座川町立古座中学校
大会宣言を掲げる谷口菜乃会長
2023年02月11日
33 歯科受診の習慣つけよう
 無料券でフッ化物塗布  (紀宝町 )

 予防のため定期的に歯科を受診する習慣をつけてもらおうと紀宝町は2015年度から、小中学生に年2回分のフッ化物歯面塗布の無料クーポン券を送っている。本年度分クーポンの使用は3月末までで、早めの受診を呼びかけている。

 町では歯の健康への意識を高めてもらうため01年から歯科衛生士が常勤し、さまざまな歯科保健事業に取り組んでいる。

 乳幼児期には歯科健診でのフッ化物歯面塗布、保育所・幼稚園でのフッ化物洗口(うがい)を希望者に行っており、小中学生になると、歯科でフッ化物塗布を受けられるクーポンを送付している。

 本年度は昨年4月に対象者へ2回分を送っており、なくした場合でもみらい健康課で再発行できるという。

 受診すると、年齢に適した歯ブラシや好みの風味の歯磨き粉がもらえる。クーポンを利用する場合は、町内の協力歯科医院に予約し、当日、クーポンを持参する。

 フッ化物塗布は高濃度のフッ素を歯科医師や歯科衛生士が歯に塗り、歯の質を強くするもので、歯の生え始めや、永久歯へ生え替わる時期の子どもの虫歯予防として行われている。半年に1回の頻度で塗布すれば効果的だという。

 同課の歯科衛生士、竹田仁香さんは「虫歯ができてしまってからの治療ではなく、予防として歯科を受診する習慣をつけましょう」と呼びかけている。

(2023年2月11日付紙面より)

乳幼児健診でフッ化物歯面塗布を受ける子ども=紀宝町鵜殿の町福祉センター
2023年02月11日
34 災害への危機意識養う
 王子ヶ浜小で地震・津波避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長、児童325人)で9日、地震・津波避難訓練があった。児童らは落ち着いて避難経路をたどるなどして防災への意識を高めた。

 避難経路の確認や方法を身に付け、災害への危機意識を養ってもらおうと毎年実施している。この日は当地方に震度5強の地震が起きた後、津波が発生したと想定。緊急放送が流れると児童らは防災頭巾をかぶって身を守り、教職員の指示に従って海抜20・6㍍の学校屋上へと逃げた。

 避難完了後、谷口校長は話をせず、素早く避難できていたと講評。あらゆる状況を想定しておくことが大事と語り「いつ、どこで、どの程度の災害があるか分かりません。いざという場合のために『心の準備』『物の準備』『連絡の準備』など、家族の人たちと話し合って確認して」と話した。

 避難時に重要な「押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、近寄らない」を略した「おはしもち」を伝え「訓練を通じて常に意識し、もしものときには実行できるように覚えておいてください」と呼びかけていた。

(2023年2月11日付紙面より)

落ち着いて避難経路をたどる児童ら=9日、新宮市立王子ヶ浜小学校
谷口幸生校長(右)の話に耳を傾けた
2023年02月11日
35 できる限りの支援を  二階氏がトルコ大使館訪問  
2023年02月11日
36 目標達成に向け現状確認  オンラインで大規模氾濫減災協議会  (和歌山県 )
2023年02月11日
37 現職3陣営が出席  両選挙区ともに無投票か  (和歌山県議選立候補予定者説明会 )
2023年02月11日
38 特選に垣本正道さん  写連紀南支部1月優秀作品  
2023年02月11日
39 下里中生徒が稽古に励む 11日の「御弓祭」に向けて (那智勝浦町)
2023年02月11日
40 未来社会の実現に貢献を  宣言式でデジタル納税推進誓う  (新宮納税貯蓄組合連合会・新宮納税協会 )
2023年02月11日
41 従業員総意で義援金を寄託  トルコとの友好思い小森組  (串本町 )
2023年02月11日
42 男女とも全国平均上回る  小中学生の体力調査  (熊野市 )
2023年02月11日
43 町づくりの中に人権問題を  3年ぶりに人権講演会  (紀宝町 )
2023年02月11日
44 消防団への理解を求める  女性団員らが促進キャンペーン  (紀宝町 )