ボランティア・サポート・プログラム (那智勝浦町 )
国土交通省が国道の清掃・美化活動に取り組むボランティア活動を支援するボランティア・サポート・プログラムの調印式が18日、那智勝浦町役場であった。出席した実施団体の町建設業組合有志の会の上地秀和代表と堀順一郎町長、国交省紀南河川国道事務所の川尻竜也所長が協定を結んだ。同町においての締結は初で、今後は3者が協力して朝日地区の歩道部において、清掃や美化活動などに取り組む。
2000年から始まった同プログラムは道路管理者である国交省や市町村が実施団体の活動をサポートし、実施団体が責任を持って活動を行う取り組み。清掃用具など活動に必要な道具は国交省が支給し、市町村は収集ごみの処理や団体との連絡窓口として協力する。
和歌山県内で6団体目。紀南河川国道事務所管内では新宮市(2団体あり)、田辺市、白浜町に次いで5団体目となった。活動内容は清掃のみならず、各団体によってさまざまだという。
実施団体として申し出た有志の会には、町建設業組合(21社)からカミジ技建株式会社、井筒建設株式会社、木原造林株式会社、大和建設株式会社の4社が参加。
同町朝日地区の勝浦交差点から那智勝浦消防本部東交差点までの歩道部(片側約550㍍、上下線約1100㍍)で清掃に取り組み、道路構造物の目視点検なども行う。活動日は偶数月の第2火曜日に定めている。
調印式では堀町長が「朝日地区の国道42号は交通量も多く、町営バスも通る。活動いただけることで町内の美化や意識の向上、活性化にもつながる」。
川尻所長は「有志の会の皆さまがプロの目線で目視点検を行っていただけることは心強い。三位一体となって、地域に取り組みが根差せるように頑張りたい」と話した。
上地代表は「生まれ育った地元に貢献したいとの思いで参加した。那智勝浦町は観光の町。お越しいただいた皆さまに『マグロや温泉も良かったが、道路もきれいだった』と思っていただけるように努めたい」と語った。
(2022年2月20日付紙面より)
和歌山大学が出前講義 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で16日、和歌山大学による高大連携出前講義があった。同大学教育学部の三品英憲教授が「日本社会と中国社会―比較をすれば見えてくる?―」と題してオンラインで講話し、1、2年生16人が聴講した。
高校生により専門的な大学での学びやその楽しさを体験してもらおうと実施しており、オンライン開催は今回が初。三品教授は中国近現代史が専門で、教育学部では世界史に関する講義を担っている。
三品教授は講義の狙いについて「日本人と中国人は同じモンゴロイドで稲作や漢字、箸など文化的にも多くの共通点を持つことから『同種同文』といわれるが、価値観や社会体制は大きく異なっている。その違いを歴史的観点から考察し、互いの理解につなげていくことが重要」と説明した。
江戸時代の日本社会と清代の中国社会の特徴を、財産相続形態の違いから解説。「家業・家産・家名を長男1人が受け継ぐ長子単独相続制を取った日本では、身分やムラ社会(※)の構成員が固定化され、『村八分』という強制力を持つ『寄合』の組織に滅私奉公する価値観が形成された。一方、男子均分相続制を取った中国には身分がなく、個々人がより良い生活を求めて居住地を移動し、努力や才覚によって階級の上昇・没落が決まる流動的な社会が形成された。村への帰属意識が弱く、個人の自由が優先される社会であるがゆえに、現在のような一党独裁体制が求められるようになった。このような社会構造の違いが価値観の違いを生み出した」と語った。
鍋割優心君(1年)は「新型コロナウイルス感染症のニュースで中国のことを耳にする機会が増え、それを理解するきっかけになるのではと思って参加した。中国のようなネットワーク型社会のいい面と弱い面の両方を知ることができて面白かった」と話していた。
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※ムラ社会
集落に基づいて形成され、有力者を中心とした厳しい秩序を保つ排他的な社会。日本特有の村落社会を指す用語。
(2022年2月20日付紙面より)
住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は16日、役場1階会議室(期日前投票時に使用する場所で「新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口」の隣)に「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」窓口を設置した。配置された職員が同給付金に係る町民への案内や質問、業務に対応する。
給付事業は国の経済対策に基づくもので、世帯全員の令和3年度住民税均等割が非課税の世帯と、コロナの影響で昨年1月以降の収入が減少して「住民税非課税相当」(※)の収入になった家計急変世帯のいずれかが対象となる。同町では約2700世帯が対象だという。
給付は1世帯につき10万円だが、重複しての受給はできない。支給時期は確認書または申請書の受理から約2~3週間後が目安としている。
受給するには手続きが必要で、世帯全員の令和3年度の住民税が非課税の世帯に関しては、町から届いた確認書に必要事項を記入の上、返信する。
「住民税非課税相当」の収入になった家計急変世帯は申請が必要。申請書に必要事項を記入し添付書類などとともに、郵送または直接提出する。申請期間は3月1日(火)~9月30日(金)。いずれの世帯も3月上旬から随時支給される予定とした。
同窓口では給付事業を進めるに当たり、コロナの影響でない収入減少による給付申請は、不正受給(詐欺罪)に問われる可能性があると注意を促している。
なお、自宅や職場などに都道府県や市区町村、国(の職員)などをかたる不審な電話や郵便があった場合は、町や最寄りの警察署か警察相談専用電話(#9110)に連絡するなど、同給付金の「振り込め詐欺」や「個人情報の詐取」に注意するよう呼び掛けている。
担当職員は「申請書などは現在、対象世帯全てには送付できていない。世帯主さまがお亡くなりになられた世帯や転入世帯など約150世帯分は今後送付させていただく。ご不明な点がある際は電話や窓口でのご説明をさせていただきます。お気軽にご相談ください」と話している。
臨時特別給付金に関する問い合わせは同窓口(電話0735・29・2280)まで。
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※住民税非課税相当
世帯員全員のそれぞれの年収見込額(令和3年1月以降の任意の1カ月収入×12倍)が住民税非課税水準以下であることを指す。
(2022年2月20日付紙面より)
丹鶴幼で地震津波避難訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児44人)で18日、地震・津波避難訓練が行われた。園児らは落ち着いて避難経路をたどるなどして防災への意識を高めた。
同園では火災や地震、不審者などを想定した各訓練を定期的に実施し、日頃から防災・防犯意識を高めている。この日は午前10時ごろに地震発生を知らせる放送が流れた。園庭で遊んでいた子どもたちはその場に座り、手で頭を覆って身を守った後、教職員の指示に従って避難を開始。年長児と3歳児が手をつなぎながら、近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。
下岡園長は「今日は上手に逃げることができました」と講評。「周囲に落下物があるときは丈夫な物の下に潜り、お外などで遊んでいる場合は『ダンゴムシのポーズ』で頭や体を守ってくださいね」と伝えた。
地震後には津波が発生する可能性があると語り「災害はいつ起こるか分かりません。近くの高い建物などに避難することを忘れないで」と呼び掛けていた。
訓練後にはみんなで園に戻り、クラスごとに分かれて災害にまつわる紙芝居の読み聞かせや防災頭巾の装着方法を確認した。
(2022年2月20日付紙面より)
谷瀨三兄弟が防災担当大臣表彰 (新宮市 )
新宮市蜂伏在住の谷瀨剛君(12)、悠君(10)、将君(7)で結成されるはちぶせ探検隊「みんなの命をつなぎ隊 谷瀨三兄弟」が制作した「今だ!逃げ時マップ ぼくたちの安全地帯へ」がこのほど、第18回「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」(一般社団法人日本損害保険協会主催)において、防災担当大臣賞を受賞した。10日、市役所で同大臣表彰伝達式と市長表彰式が行われ、田岡実千年市長が表彰状と記念品を贈った。
同コンクールは、楽しみながらまちにある防災・防犯などに関する施設や設備を見て回り、身の回りの安心安全を考えながらマップにまとめて発表する実践的な安全教育プログラム。特に優れた作品には「文部科学大臣賞」「防災担当大臣賞」などが贈られる。
本年度は、小学校、子ども会、児童館など、全国の371団体から5697人が参加。971作品が寄せられた。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年東京で行われている表彰式は中止となっている。
日頃から、両親より2011年の紀伊半島大水害における被災体験について聞く機会が多かった3人。「自分たちの住んでいる地域の災害リスクや、災害に応じた避難場所を知りたい」との思いから、大水害から10年の節目となった昨年の8月、防災対策課の櫻井勇太さんの協力を得るなどしてマップ作りを開始。
地域の特性を調べたり地域住民から聞き取りを行ったりしながら、約2カ月かけて完成させた。3人は「蜂伏には若い家族が多い。蜂伏会館には赤ちゃん用の備蓄品がない」など、調査を進める上で気付いたことを市に提言したという。
田岡市長は「素晴らしい完成に感動。いろんな人にマップを知ってもらうことで市の防災力向上につながれば」と称賛。
剛君は「お父さんとお母さんから、水害の時は水が来るのが早く力も強いということを聞いた。頑張って作ったマップでいい賞をもらえてうれしい」。悠君、将君も「めっちゃうれしい」と声をそろえた。
兄弟にはおととし4月に妹の蘭ちゃんが誕生。母・真理子さんは「妹が産まれたことで、さらに命の大切さを感じたと思う。マップ作りを通して兄弟の絆がさらに強まったのでは」と話していた。また式典後には、櫻井さんに対して、3人からサプライズで手書きの感謝状が贈られた。
3人が制作したマップは、市役所4階エレベーターホールで一定期間展示される。
(2022年2月11日付紙面より)
梅村代表理事らが市長表敬 (新宮青年会議所 )
一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義代表理事と宮本大二郎専務理事は9日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長を表敬訪問した。今年一年の意欲や思いを伝えるとともに、団体の活動に協力を呼び掛けた。
梅村代表理事就任2年目となる今年の新宮JC。2年連続の就任は新宮および県内でも初という。「変化そして改革のとき」をテーマに掲げ、内容の変化・作り直しによる改革を目指す。
梅村代表理事は、新型コロナウイルス感染症の影響で思ったような事業展開がかなわない現状を報告。また、同JCにおける女性会員の比率は高いものの20代会員がいない状況を伝え「会員拡大のための活動をしっかりしていかないといけない。定款や規約を変更し、入会しやすい状態に変えていきたい」。
また「コロナ禍で子どもたちも活動できていない。青少年の育成やまちづくりに関して、JCでできることは担っていきたい」などと意気込みを語った。
第32代理事長を務めた田岡市長は「自分の仕事をしながらの活動は体力的にも時間的にも大変だが、自分自身の成長に必ずつながる」と激励。
「JCに入っていなければ、市長という責任ある仕事に就けていないと思う。鍛えていただいたおかげで今があると感謝している」と伝えた。
対し、梅村代表理事は「会員も減っているが、JCの継続を見据え、若い人につなげていけるように道筋をつくることができれば」と抱負を語った。
(2022年2月11日付紙面より)
広報きたやま11月号 (北山村 )
第19回和歌山県広報コンクールで、北山村が発行する「広報きたやま」の2021年11月号が広報の部(町村部)で1位、7月号が写真の部(組み写真の部)で2位に選ばれた。広報紙制作を担当する北山村役場総務課の橋爪大希(たいき)主事は「1位になったのは初めて。たくさんの方から記事ネタやご意見を頂いたおかげ」と笑顔で語った。
和歌山県広報協会主催のコンクール。広報技術向上を目的に、県内市町村が21年1~12月に発行した広報紙などを審査する。今年は広報紙の部に30点(市部9点、町村部21点)、写真の部に35点(一枚写真の部24点、組み写真の部11点)、映像の部に3点の応募があった。
11月号は、▽企画▽文章▽デザイン▽写真▽視認性―の5項目の合計点で69点(最高100点)を獲得。オールカラーで写真が多く「北山グルメを堪能しよう!」「北山村歴史シリーズ 大塔宮護良(おおとうのみやもりなが)親王と竹原八郎」など多彩な情報を掲載していることが評価された。一方で「飲食店紹介では店主が登場した方がいい」「文字を大きくしては」などの意見もあったという。
7月号は「観光筏(いかだ)下り安全祈願神事」のページが▽表現力▽技術力▽感動力▽独創力▽意匠力―の5項目で、50点満点中49点を獲得。移動しながら望遠レンズや広角レンズを使い分けて撮影し、シンプルにまとめた点が好評だった。
橋爪主事は「前任者の仕事を引き継ぎながらも、他の市町村の広報紙を参考に、自分なりにレイアウトやデザインを工夫してきた。3カ月に1回の発行前には、役場のほぼ全員から意見を頂いて修正を重ねている。今後も、村民の方々に楽しく読んでもらえる広報を目指したい」。
11月号は、日本広報協会主催の「令和4年全国広報コンクール」に出品される。これまでの広報誌は北山村のホームぺージ(https://www.vill.kitayama.wakayama.jp/about/koho/)で見ることができる。
(2022年2月11日付紙面より)
串本町が10日、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金〈住民税均等割非課税世帯分〉の案内通知の発送を始めた。給付開始日は28日(月)で、通知を受けた世帯は同封の確認書を返送してほしいという。
国のコロナ克服・新時代開拓のための経済対策に基づき市町村が事務代行して実施する同給付。同町の場合①住民税均等割非課税世帯②令和3年1月以降に新型コロナウイルス感染症の影響で家計急変のあった世帯―のいずれかに該当(ただし住民税が課税されている者の扶養親族等のみからなる世帯は除外)する世帯が対象で①は案内通知に含む確認書の返送②は3月1日(火)から9月30日(金)まで役場2階に設置する臨時特別給付金事務局(兼コールセンター)窓口で給付の希望を受け付ける。
1世帯当たりの給付額は10万円で、給付先は世帯主が指定する金融口座。①は確認書に不備がないかを確かめた上で事務処理を進め、至近の振込期日で給付をする。
②は申請書に加え申立書で年間収入見込額または年間所得見込額で対象となる事情を申し立てる必要があり、まずは窓口に申し出て説明を受けるところから始まる。例えば年間収入見込額(令和3年1月以降の任意の1カ月の収入を12倍した額)で申し立てる場合の非課税相当収入限度額は世帯状況によりまちまちだが、世帯主が配偶者・扶養親族計2人を扶養している場合は168万円、配偶者・扶養親族計3人を扶養している場合は209万7千円など。同見込額が該当する同限度額を下回る事情があれば申し立てができ②に該当すると認められれば申請が受理され至近の振込期日で給付を受けられる。
同限度額の他の区分など詳細は今月14日(月)から開設するコールセンター(電話0735・67・7432、土・日・祝日を除く平日午前8時30分~午後5時15分)または前述した窓口まで。
①の世帯数は除外後の数で約3200世帯。同事務局は、町福祉課名の封筒で案内通知を発送したので着実に受け取り確認書を返送してほしいと話している。
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古座川町も7日付で前述の①に該当する約630世帯(除外後の数)に案内通知を発送済み。給付開始日は28日としている。②に該当する世帯への対応は10日現在で未確定。決まり次第周知を図るとしている。コールセンターの設置予定はなく、問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月11日付紙面より)
3高校で読書のススメ講座 (新宮・東牟婁 )
帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。
和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。
「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。
共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。
大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。
新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
サクセムがパンとマスク寄贈 (太地町 )
和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。
2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。
さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。
ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。
昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。
中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。
町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
東仙寺で節分星祭 (新宮市 )
新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。
同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。
参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。
鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
町内7カ所に救援金箱設置 (古座川町 )
古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。
この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。
同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。
当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。
投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月4日付紙面より)