知床沖の事故受け緊急点検 (近畿運輸局 )
北海道の知床沖で遊覧船が遭難した事故を受け、国土交通省近畿運輸局は管内の旅客船を対象に一斉緊急安全点検を展開している。28日には勝浦海事事務所、串本海上保安署の職員らが管内2事業所を対象に安全点検を実施。救命・消防設備などを確認した。
今月23日、知床半島沖で26人が乗った遊覧船が浸水し遭難。これまで発見された11人全員の死亡が確認されており、事故から5日が経過した現在も行方不明者の捜索が続いている。
緊急安全点検は事故の重大性を鑑みて展開されているもの。▽安全管理規定の順守状況▽事故予防措置▽救命設備の備え付け▽非常時の脱出手順―などの確認を含め、事故防止対策の措置状況を重点的に点検し、併せて安全指導を行った。
那智勝浦町の勝浦観光桟橋では、紀の松島観光株式会社が運航するくじら号を対象に点検。同社では、天候が悪くなった場合には運航を中止したり、引き返したりなどの判断を船長が行っており、始発に先立って沖の状況を確認するなどの安全対策を講じているという。
点検を終え、勝浦海事事務所の中川洋所長は「問題なく良好」と点検結果を伝え「安全を最優先に運航を。安全安心に運航していただけるようにわれわれも精いっぱい努力したい」。
同社の鈴木哲也船長は「いろいろな所で船の事故が起きている。いつ点検に来ていただいても大丈夫なように備えはしているが、安全運航を目指して一層気を引き締めたい」と話していた。
(2022年4月29日付紙面より)
県職員が道路清掃活動 (新宮市・那智勝浦町 )
東牟婁振興局新宮建設部は26日、新宮市の国道168号と同169号、那智勝浦町の県道那智山勝浦線で本年度初となる清掃活動を実施した。職員約20人が参加し、各箇所でごみ拾いに取り組んだ。
活動は観光客や地域住民たちの快適な道路利用や景観美化を目的に東牟婁地域の玄関口である3カ所で毎年4、8、12月の年3回行われている。
小雨の中、参加者は2人一組となって道路を清掃。那智勝浦町では、体育文化会館やかつうら御苑などの歩道や道路沿いに落ちているたばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどのごみを丁寧に拾っていった。
同部職員は「植木の中などの見えにくい場所に空き缶や紙くずが捨てられているのが目立ちました。当地方には観光地もあり、地域の方々も日頃からきれいにしてくれていると思います。訪れた人たちが『また来たくなる町』と感じてもらえるよう、今後も取り組んでいければ」と話していた。
(2022年4月29日付紙面より)
太地漁協が飛鳥神社へ奉納 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)は27日、同町の飛鳥神社に新しい太鼓を奉納した。奉納報告祭で髙橋正樹宮司が太鼓を打ち鳴らし、町に力強い音を響かせた。
以前神事で使用していた太鼓は1980(昭和55)年に太地水産協同組合が奉納したもの。祭典の始まりに鳴らす他、例大祭では樽神輿(たるみこし)の境内入場を知らせる重要な役割を果たしていたが、長年使う中で皮が破れてしまったため、太地漁協が中心となって新調する運びとなった。
奉納報告祭には、脊古組合長をはじめとする漁業関係者や神社関係者が出席し、豊漁や町の発展を願って玉串をささげた。
髙橋宮司は「大変ありがたい。祭典の始まりや神様のお出ましを告げる太鼓。新たな太鼓の響きに、神様も感応してくれたはず」と語り、脊古会長へ感謝状を贈呈。
脊古会長は「少しでも響きが良いものをと思い、新調まで半年ほどかかったが雄牛の牛革を使用した太鼓にした。ようやく奉納できてうれしい。大漁を願い、新たな気持ちで一歩ずつ前に進んでいきたい」と話していた。
(2022年4月29日付紙面より)
上野山などで災害警備訓練 (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)が27日、防災関係4機関と合同で災害警備訓練に取り組んだ。
大規模災害発生時の初動確立と機関連携による要救助者対応に万全を期す目的で計画。連携先として航空自衛隊串本分屯基地、串本町消防本部、串本海上保安署、串本町役場に合同参加を求めて臨んだ。
この日午前2時に和歌山県南方沖でマグニチュード8・7の地震が発生したと想定し、訓練は発生から10時間後の設定で始めた。同保安署の巡視艇むろづきが新宮署第二機動隊5人と資機材を新宮港から串本漁港へ輸送、続き同基地の輸送トラックが要救助者のいる串本町の上野山防災広場まで輸送。到着後はただちに現地対策本部を立ち上げて防災相互通信用無線機などで串本町役場などと情報共有を図り、同隊が初動を固めるまでの間に同基地の隊員が先行して模擬倒壊家屋の進入位置を確保した。同隊はチェーンソーを使って取り除けない支障を開口し、閉じ込められた要救助者を救出し同本部救急隊や現地救護所へと引き継いだ。
この日は小雨で時折濃霧に包まれる気象条件だったが、新宮署警備課の谷英人課長によると旧串本署が培った諸機関との連携を速やかに感得して、新宮署もこの連携を引き継ぐ姿勢を地域に示したいという思いでひるまず5機関計約40人で同訓練を敢行したそう。後半の訓練内容は1月12日に旧串本署が実施した同訓練をやや簡素化した内容で、田原署長はこの経験を今後の連携の足がかりとして持ち帰り検討して今後に生かすことを参加者に呼びかけて講評とし同訓練を締めくくった。
(2022年4月29日付紙面より)
孔島鈴島で例大祭 (新宮市 )
新宮市三輪崎の孔島(くしま)嚴島(いつくしま)神社と鈴島蛭子(えびす)神社で18日、例大祭が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から関係者のみが参列し斎行。孔島・鈴島保護委員会の井上元和委員長や中村武・三輪崎八幡神社氏子総代会長、屋敷満雄三輪崎区長らが航海の安全や大漁、新型コロナ早期収束などを願い玉串をささげた。
孔島嚴島神社の主祭神は海路を守護する神として信仰を集める市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。鈴島蛭子神社の祭神は漁港を見守る大漁の神である蛭子命(ひるこのみこと)とされている。孔島と鈴島は南紀熊野ジオパークを構成するジオサイトに認定されており、孔島嚴島神社の石造物は、2017年に日本遺産「鯨とともに生きる」に追加登録されている。
毎年、大勢の地域住民が参加している餅まきは、新型コロナ情勢を踏まえおととし、昨年に引き続き今年も中止に。熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)が斎主を務め、しめやかに神事が営まれた。
井上委員長は「今日は風が強いが雨も降らず、天候に恵まれて良かった。本来なら多くの地域住民にご参列いただき、美しい三輪崎の海を見てもらいたいが仕方ない。大漁と新型コロナの一日も早い収束を祈りました」。
孔島・鈴島や周辺の自然保護を主たる目標に定めて活動を展開する同委員会。井上委員長は「漁協組合職員が美化活動に協力してくれておりありがたい限り。しかし、同所に流れ着くプラスチックごみは後を絶たない。一人一人の意識が大事。ポイ捨てはやめてほしい」と話していた。
例大祭は毎年、旧暦の3月18日に営まれている。
(2022年4月19日付紙面より)
古座小前で取り締まり (新宮警察署 )
串本町中湊、串本町立古座小学校正門前で18日早朝、新宮警察署による可搬式速度違反自動取締装置(通称・可搬式オービス)を用いた速度違反の取り締まりがあった。
通学路における通行車両の交通法令順守意識の向上、ひいては通学する児童を保護することが目的。同署は管内にある学校の第1学期始業に合わせてこの取り締まりを始め、ほぼ連日の実施で目的の推進を図っているという。
古座小正門前の県道は法定速度(自動車の場合は毎時60㌔)が適用されていて、利用者相互の配慮が交通事故の抑止に大きな役割を果たしている。同装置による取り締まりを要する状況はほぼないと判断し、この日は車両通行を妨げずかつドライバーから目に付きやすい位置に同装置を配置し警察官3人も同装置横やその周囲で姿を見せるなど、ドライバーの意識喚起に重点を置き登校時間帯に合わせて活動した。同時に日々の交通状況をじかに見届け、交通安全面での課題を探ることにも努めていた。
(2022年4月19日付紙面より)
目覚山水底神社で明神祭 (那智勝浦町 )
大漁と海上安全を祈願する明神祭が17日、那智勝浦町宇久井の目覚山(めさめやま)水底(みそこ)神社で営まれた。参列者は海上安全や地域の発展などを祈願した。
同神社の御神体は獅子頭、社殿横の大きな岩、蛇など複数の説がある。このうち蛇については、1286(弘安9)年5月に伊勢方面から入港する船に乗り込み、目覚山に鎮座したと伝えられる。社殿は1961(昭和36)年に造営されたが、90(平成2)年の9月から11月にかけて上陸した4回の台風で全壊。今の社殿は92(平成4)年4月に竣工(しゅんこう)した。
祭りは旧暦3月14日の前の日曜日に開かれるという。かつては船主が祭主となり、後には宇久井神社宮司に受け継がれてきたが、95(平成7)年度からは区が実施している。神社には中路進総区長をはじめ、宇久井漁業協同組合、宇久井青年会、区の役員や漁業関係者など、合わせて約20人が参拝に訪れた。
神事は熊野那智大社から出仕した神職によって営まれた。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、宇久井青年会による獅子神楽の奉納はなかった。参拝者一人一人には「目覚山神符」と餅が配られ、それぞれが安全操業の誓いを新たにした。
中路総区長は「海上安全や大漁祈願、地域の発展に加えて、新型コロナウイルス終息も祈願しました。近年は一般参拝者が減っていることを懸念している。目覚山は素晴らしい場所なので、ぜひ区民の皆さまにも知っていただけたら幸いです」と話した。
(2022年4月19日付紙面より)
ラ・フェスタ・プリマベラ (新宮・東牟婁 )
クラシックスポーツカーの公道ラリー「ラ・フェスタ・プリマベラ2022」が15~18日に開催された。16日には56台が出走し、那智勝浦町のブルービーチ那智、太地町立くじらの博物館、串本町の潮岬観光タワーを通過。ランボルギーニ(イタリア)やジャガー(英国)、ポルシェ(ドイツ)などの名車を一目見ようと集まった地域住民らが、沿道から旗を振って歓迎した。
「古いものに敬意を」「いくつになっても心・少年」「イベントに関わる全ての人と友情の輪を広げる」の精神の下、2009年に始まったイベント。毎年春に開催されることから、イタリア語で春を意味する「プリマベラ」の名を冠している。株式会社フォルツァ主催。
今年のラリーは愛知県名古屋市の熱田神宮をスタートし、2府5県の約1250㌔を走ってゴールの京都府京都市の岡崎公園へ向かう。
16日は好天に恵まれ、ルーフ(屋根)をオープンにしたクラシックカーが潮風を受けて沿岸部を疾走。ブルービーチ那智のチェックポイントでは、地元の観光パンフレットや那智黒あめなどの土産を受け取った。
普段は目にすることのないクラシックカーの姿に、地元の子どもたちも大喜び。武内弥那人(みなと)君(勝浦小2)は「車が大好き。5番や33番の車がかっこよかった」と笑顔で話していた。
(2022年4月19日付紙面より)