新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒562人)で22日、文化祭「第29回彩雲(あやぐも)祭」が開かれた。行事テーマは「今できることを全力で!~『協力』が成功と楽しさの源~SDGsとともに」。文化クラブによるステージなどがあり、生徒たちがさまざまな催しを楽しんだ。
昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で規模を縮小し、文化祭と体育祭を1日で実施したため、文化祭を単独開催するのは2年ぶり。
学校行事にさまざまな規制がかかる中「一度きりの高校生活で、今できる最大限のことを全力でやり遂げたい。持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールに向け、自分たちにできることを考えたい」との思いを込めて開催した。
オープニングセレモニーでは、玉置七彩生徒会長が「1、2年生は初めての文化祭。手探りながら、全校生徒が一生懸命準備に携わってきた。思いっきり楽しみ、自己の成長の場にしましょう」とあいさつ。尾﨑玄多・行事企画運営委員長は「今年は文化祭を1日開催ができて本当にうれしい」と語り、動画を通じて文化祭を楽しむための七つのルール▽体調が悪いときは無理せず参加を見合わせる▽大声を出さず、3密を避ける▽教室は常に換気―などを呼びかけた。
文化部のステージでは、吹奏楽部が今年のコンクール曲「生命(いのち)のアマナ~ウインド・アンサンブルのために~」などを演奏。放送部による星新一の「ある夜の物語」、詩「道程」の朗読、琴部の「虹」「千本桜」の演奏、書道部のパフォーマンスなどが会場を盛り上げた。
午後には各クラス、生徒会、委員会によるアトラクションや展示があり、SDGsに関連した企画が多く見られた。
(2022年9月23日付紙面より)
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すくすくワークショップ (那智勝浦町 )
那智勝浦町地域子育て支援センター(戸塚ゆう子センター長)は12、13の両日、同町福祉健康センターで「すくすくワークショップ」を開いた。町内で子育て中の親子らが参加し、センサリーボトルを作った。
センサリーボトルとは透明の瓶にオイルやビーズ、ラメ、カラーセロハンなどを入れ、ゆっくりと揺らめく様子を楽しむおもちゃ。「安らぎのジャー」「魔法のビン」とも呼ばれる。
この日はペットボトルと洗濯のり、カラフルなジェリービーズなどを使って工作。子どもたちは好きな色のフェルトボールを選んでペットボトルに入れ、浮いたり沈んだりする様子を不思議そうに眺めた。
南知希君(3)と参加した母親の準子さんは「色がきれいで、集中して作ってくれたと思う。最近はおもちゃだけではなく、他の子どもたちに興味を持ち始めたようで、遊んでいるところを近くに見に行ったりしています」と話していた。
ワークショップは未就園児と保護者を対象に、毎月実施している。10月は18日(火)と19日(水)にハロウイーンの工作をする予定だ。申し込みは同センター(電話0735・52・0224)まで。
(2022年9月23日付紙面より)
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新宮警察署と串本海保署 (串本町・古座川町 )
新宮警察署(田原正士署長)と串本海上保安署(内海浩一署長)の合同による災害パネル展示が21日、串本町文化センターと古座川町中央公民館の2会場で始まった。いずれも30日(金)までの実施で、日々の防災意識を高める一助として目を通してもらえればとしている。
旧串本警察署と串本海上保安署の取り組みを継承しての実施で、地域住民のさらなる防災意識の向上を図ることが目的。展示物は写真や啓発ビラなどで、警察活動や海上保安活動の様子や同活動越しに見る被災地の状況を伝えて普段の防災意識を高める構成としている。
串本海上保安署のパネルの内容は阪神淡路大震災以降の主だった大規模災害における活動紹介で2会場ともほぼ共通。新宮署のパネルの内容は2会場で異なっていて、串本町会場は令和元年台風19号と平成30年西日本豪雨と平成23年紀伊半島大水害、古座川町会場は同大水害と東日本大震災となっている。
合同の災害パネル展実施は2018年に旧串本警察署と串本海上保安署が取り組んで以来約4年ぶり。趣旨が近しい連携として約2年前に合同で津波防災の街頭啓発をした経緯もあり、こちらも災害パネル展実施期間の初日にオークワ串本店前、29日(木)に同古座川店前で継承実施するとしている。物資は災害時の海上保安活動の概要と津波緊急避難時の確認事項や非常持ち出し品を伝える啓発ビラなど。ビラは100セットを準備し新宮警察署と串本海上保安署の各署員5人で手分けして住民へ配り、その説明で防災意識を促した。
新宮警察署警備課の谷英人課長は「防災週間から少し遅れてしまったが、今は台風シーズンに当たるので何とか9月中には実施し皆さんの防災意識を高めたかった」とこれら啓発活動実施の思いをコメント。同時に串本海上保安署との関係を幅広く深め、両署連携による災害対応力を強化していければと両署の内部的な狙いも見据えて語った。
(2022年9月23日付紙面より)
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「農地バンク」の活用呼びかける (御浜町 )
高齢化や担い手不足で耕作放棄地が課題となる中、「年中みかんのとれるまち」がキャッチフレーズの御浜町は、町内でかんきつを栽培する新規就農者を募っている。
「農地バンク」への支援も行っており「現在、農地バンクには売りたい、貸したい農地がたくさん登録されており、これらの農地を耕作していただける方を募集しています。兼業などで農業をしたい方は、ぜひご活用ください。農地の売買や貸借の交渉も役場がお手伝いさせていただきますので、お気楽にご連絡ください」と呼びかけている。
農地バンクは、農地の売買、貸借を希望する所有者などから申請のあった情報をホームページや窓口で公開し、農業を営むことを目的として、農地の利用を希望する人に紹介する制度。
町ではホームページを開設し、登録されている農地や農地登録までの流れなどを紹介している。「御浜町農地バンク」で検索を。問い合わせは農林水産課(電話05979・3・0517)で受け付けている。
町では、みかん農家としての就農や移住希望者に向けた新しいパンフレットを作製。Iターン、Uターンでみかん農家になった就農者や、移住者の声を紹介した。
役場1階町民プラザではみかん農家のインタビュー映像を流し、町長室前にも紹介パネルを設置しており、農林水産課の担当職員は「かんきつ栽培に興味のある方はご相談ください」と話している。
(2022年9月23日付紙面より)
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新宮ジュニアレスリングクラブ
宇久井神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭が18日、本殿で営まれた。宇久井地域唯一の文化事業である例大祭だが、新型コロナウイルスの感染症状況を鑑みて、3年連続で規模を縮小。熊野那智大社の神職が出仕し、祭典役員、党家(とうや)講などの関係者ら約30人が参列して海上安全や豊漁、地域の繁栄、氏子らの無病息災、新型コロナウイルス感染症の終息などを祈願した。
例年の例大祭は、掛け声勇ましく神輿(みこし)行列が区内を練り歩き、御舟による海上渡御や獅子舞、婦人会と園児による手踊り、餅まきなどで地域全体が活気づく伝統行事だ。今年も「神輿」「御舟」「神楽」「踊り」「餅まき」は中止となった。
神事では林美喜(よしき)権禰宜(ごんねぎ)が祝詞を奏上し、出席者が玉串をささげた。この日は宇久井青年会(柴原寛会長)と秋葉会(梶誠仁会長)による獅子神楽の奉納が行われた。
祭典委員長の亀井二三男さんは「コロナ禍のため、3年連続で式典のみという形は残念。しかし、台風接近の中においても、無事に終えることができて良かった」。
来年については「子どもが参加しての祭りだが、3年間は参加ができていない。住民や地域としても伝統と文化を継承していきたい。今後もコロナの終息を祈願し、来年こそは通常通りの形で斎行したい」と語った。
(2022年9月21日付紙面より)
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台風14号は温帯低気圧に
大型の台風14号が19日、和歌山県に接近し、新宮・東牟婁でもJRが運行を取りやめたほか、住民が一時避難するなどして警戒を強めた。気象庁によると、台風14号は20日午前9時に東北沖の太平洋上で温帯低気圧に変わった。
19日午前4時ごろ、県内全域に暴風警報が発令された。午後6時ごろまでに、串本町や田辺市など8市町村が「高齢者等避難」を出した。北山村では午後5時15分に災害対策本部を設置した。
県南部では局地的に激しい雨が降り、和歌山地方気象台によると降り始め(17日午前0時)から20日午前5時までの間に田辺市本宮町で333㍉、古座川町西川で184㍉を観測した。
JR西日本は19日昼ごろから県内の路線の運転を順次取りやめた。20日午前9時過ぎから運転を再開したが、通勤通学の足に影響が出た。
和歌山地方気象台によると、19日午後5時3分に串本町潮岬で最大瞬間風速20・6㍍、同32分に新宮市で19㍍を観測。新宮市の廣津野(ひろつの)神社境内では大木が倒れ、市保健センター横の「タウンガーデン」で約5㍍の皇帝ヒマワリが根元から折れ曲がるなどの被害があった。同所を管理するボランティアグループ「タウンガーデン」の平田裕子代表は「風や大雨の影響でミモザやスモークツリーの木が倒れたこともある。残念だけど公園内に倒れてくれたのがせめてもの救い」と話していた。
(2022年9月21日付紙面より)
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高池小5年感謝伝えつつ (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の5年生10人が16日、池野山にある学校田そばでイネの脱穀作業に取り組んだ。
同校の歴代5年生が取り組む稲作体験(通称・米米クラブ)の一環。本年度の5年生は淡佐口幸男さんから池野山にある広さ1・5㌃の水田を借りてもち米「かぐらもち」を育て、6年生の応援を得て8日に刈り取りさがりにかけて天日干ししていた。
淡佐口さんもできるだけ雨にぬれないよう守ったことでほどよく乾き、台風14号接近による風や雨が心配されるため急ぎ脱穀作業を実施。世話役の中根和夫さんから手順を教わり次々に淡佐口さんのコンバインについている脱穀機に乾いたイネの束を入れ、役目が終わったさがりを分解し泥を洗い流して後片付けした。水田の水を得ているため池が次年度から使えなくなるため、淡佐口さんのこれまでの協力は本年度が最後。世話役の奥根公平さんが10人の様子を動画撮影し記録にとどめた。
採れたもみの量は推定32㌔。ひとまず淡佐口さんに保管してもらい3学期に最後の体験となる精米作業をすることを確認し、今回でひとまず世話役終了となる中根さんと奥根さんに歴代5年生の分まで感謝を伝えて脱穀作業を終えた。
(2022年9月21日付紙面より)
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「人魚姫」公演に350人 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で17日、劇団東少公演ミュージカル「人魚姫」があった。約350人が来場し、歌や踊りで彩られた不朽の名作を楽しんだ。
「丹鶴ホール」開館記念オープニングイヤー事業(後期)の一環。アンデルセン原作の名作童話を菅井建さんの脚本、源紀さんの演出でミュージカル化。マリーナ役を元「モーニング娘。」の小川麻琴さん、王子役を俳優の渡辺和貴さん、隣国の王女役を元HKT48の多田愛佳さんが演じている。
劇団東少は1949年の創立以来、公演活動を続けて半世紀を越える歴史ある児童演劇の専門劇団。公演地は北は北海道から南は九州沖縄までと幅広く、公演日数も年間100日を超え20万人以上を動員している。
同劇団は同ミュージカルの公演に当たり「人魚姫を通して子どもたちに夢のような美しさと人生の喜びや悲しみを深く感じてもらい、たくましく心豊かに生きてもらいたいと願っております」とコメントしている。
同演目は、プロローグ、エピローグのある2幕7場で公演。約1時間30分にわたって主演者らが美しくも切ない「人魚姫」の世界観を披露。来場者らは大きな拍手を送った。
(2022年9月21日付紙面より)
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新宮グラウンドゴルフ同好会9月秋季大会
県高校卓球選手権で活躍 (新宮高校 )
北山小と太地小が交流
北山村立北山小学校(松本広明校長)と太地町立太地小学校(海野文宏校長)は9日、同村で交流学習を開いた。両校の5、6年生(北山7人、太地19人)と教職員たちは観光筏(いかだ)下りを体験。北山川の渓谷美や筏師の伝統技術を堪能するなどして親睦を深めた。
交流学習はコロナ禍で行事などの大幅な規模縮小を余儀なくされる中、山口賢二・北山村長と三軒一高・太地町長が、少しでも子どもたちに交流の場を設けようと話し合い実現。昨年9月に北山小の児童と教職員が地域を学ぶ目的で同町を訪れ、12月には太地小の6年生が同村で北山小の子どもたちとじゃばらの収穫を体験した。
マスク姿で救命胴衣を身に着けた児童らは筏師からの説明を受けた後、2グループに分かれて筏に乗り込み笑顔で出発。渓流に近づくと「怖い!」「こんなの初めて」などと声を上げながら、スリルと感動を味わった。
体験後は道の駅おくとろに移動して昼食を味わい、次回の再会を約束して太地の児童らを見送った。
太地小6年の雜賀大陽君(11)は「初めての筏下りは少し怖かったけど、迫力があって楽しかった。あまり北山小のみんなと話せていないので、これから仲良くなっていきたい」。
北山小6年の浦畑真菜さん(11)は「太地小のみんなと再会し、同じ時間を過ごせてうれしかったです。コロナで会える機会も限られるかもしれないけど、また交流できることを楽しみにしています」と笑顔を見せていた。
(2022年9月11日付紙面より)
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食生活や運動習慣考える (紀宝町 )
紀宝町神内の町子育て支援センターで9日、みらい健康課による「ママのための骨健康度チェック」があった。センターを訪れていた母親らが骨の状態を調べ、食生活や運動習慣などについてアドバイスを受けた。
骨粗しょう症は骨の量が減り、骨折しやすくなる病気。閉経後の女性に多いことから、女性ホルモンの減少に関わりが深いと考えられている。
20歳代をピークに40歳代から徐々に骨は少なくなるため、若い頃から食生活に気を配り、適度な運動を心がけてもらおうと、9月の健康増進普及月間に合わせ、子育て支援センターを会場に2年前から行っている。
手首の骨で測定する「骨健康度測定器」を使い、5段階の結果で健康度を判定した。結果を基に管理栄養士の畠博子さんが、カルシウムを多く含む牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐などの大豆製品を食べ、適度な運動で骨を鍛えるよう呼びかけた。
この日は保健師や歯科衛生士が定期的に訪問する「育児相談」も同じ時間帯に設けられ、子どもたちも身長や体重を測ったり、歯磨き指導を受けたりした。
(2022年9月11日付紙面より)
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ツルの手形アート作り (新宮市 )
新宮市佐野のくろしお児童館で8日、「おててとあんよ~手形・足形アート~」があった。19日(月・祝)の「敬老の日」にちなみ、0~3歳の子どもと保護者が、長生きの象徴であるツルの手形アートを作った。
誰一人として同じ形、サイズのものは存在しない子どもたちの「今」を記録する手形足形アートを制作する教室。同館のpetapeta―art(R)アドバイザーの柗田(まつだ)由衣加さんが講師を務め、毎月季節の題材を用いて作品作りを行う。
近隣市町での新型コロナウイルス感染拡大を受け、今回は手形のスタンプのみで、装飾やお絵かきは家庭で行う形で実施。児童館を訪れた親子たちが入れ替わりでツルの羽根の部分に手形を押していった。
髙塚彩葉ちゃん(3)、瑞葵ちゃん(1)と参加した母親の美希さんは「おじいちゃん、おばあちゃんたちに送ろうと思います。遠方に暮らしてはいますが、ほとんど毎日ビデオ通話で話しており、娘たちも祖父母が大好きです」と話していた。
(2022年9月11日付紙面より)
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那智谷大水害遺族会が追悼式 (紀伊半島大水害から11年 )
当地方に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害(2011年)から11年。各地で同水害の犠牲者を追悼するための慰霊祭や式典などが営まれた。本紙エリアでも新型コロナウイルス感染対策を講じつつ、遺族や関係者らが故人をしのび、防災への誓いを新たにした。
4日未明、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園では那智谷大水害遺族会(岩渕三千生〈みちお〉代表)による追悼式があった。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から岩渕代表のみが参加し、死者・行方不明者数と同じ29個のLEDキャンドルに祈りを込めて明かりをともした。
午前1時、岩渕代表は慰霊碑と明かりがともされたキャンドルを前に、静かに祈りをささげた。
今年の追悼式は参列の呼びかけを行わなかったが、自発的に集まった遺族ら約30人は慰霊碑に手を合わせて故人をしのんだ。
水害で母と姉を失った新宮市の寺本圭太さん(33)は「何年たってもつらさは変わらない。各地での災害発生のニュースは他人事には思えません。今日は父と一緒に来た。昨年8月に誕生した長女が無事、1歳を迎えることができたことを母と姉に報告しました」と話した。
岩渕代表は追悼式やおいの故・紘明(ひろあき)さん=当時(15)=について「あの時の状況がフラッシュバックする。何年たとうが僕らの思いは変わらない。『見守っていてよ』という思いで毎年、追悼式を行っている」。
災害や今後については「災害を二度と起こさないためにも、この行事を続けていかないといけない。他人を当てにせず、自分の命は自分で守らなくてはいけない」と思いを語った。
(2022年9月6日付紙面より)
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1年生がキャリアゼミ (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(東啓史校長)で8月31日、キャリアゼミナールがあった。近畿圏内のさまざまな大学や専門学校から講師を招き、19の講座を開講。1年生200人が興味のある学部・学科や希望の進路に合わせて、対面やオンラインで熱心に耳を傾けた。
理学・工学系講座では、三重大学工学研究科の林田祐樹教授が「ヒトの脳とコンピュータとをつなぐ」と題して講話。体内の電気信号を測り、応用することで筋ジストロフィーやてんかんによる症状の緩和や網膜神経模倣デバイスによる人工視覚が可能となるとし「医学で人を幸せにすることもできるが、景色などの情報を脳が分かる電気信号に変換する情報工学にしかできないこともある」と自身の研究分野の魅力を語った。
看護系講座では和歌山県立医科大学保健看護学部講師の辻あさみさんが、近代看護教育の母フローレンス・ナイチンゲールの功績や看護師の仕事について語った。受講した坂地壮さんは「母と兄が看護師なので、自分も後を追いかけたい」。江﨑颯さんは「自分も母親が看護師。進路についてはまだ悩んでいるが、今日の講義で、環境を整え、人としての関わりを大切にすることで患者さんの人生を変えることができるというところが印象に残った」と話していた。
(2022年9月6日付紙面より)
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JCLツアー第7戦実施 (古座川町 )
三菱地所ジャパンサイクルリーグ(JCL)プロロードレースツアー2022第7戦「キナン古座川ロードレース」が3日に古座川町内であり、リーグ参加10チームの選手49人が町内設置の周回コースで熱戦を繰り広げた。
JCLは地域創生をキーワードにし2021年、地域密着型のプロチームが一丸となって始めたサイクルロードレースリーグ。今季は10チームの選手が全国各地に競技の舞台を求めて対戦を重ねている。
古座川町を競技の舞台とするのは今回が初で、地元団体で結成する古座川ロードレース実行委員会(須川陽介実行委員長)が受け皿となって大会を運営。母体のJCLは昨今の情勢を鑑みて地域創生要素の観戦エリアを設けずレース以外のイベントを見送る判断をし、代替としてインターネットによるライブ配信の視聴を呼びかけて実施へとこぎ着けた。
心配された台風の影響は届かず、ほどよく雲がただよう晴天の下で開会を迎え、会場地最寄りのキナンレーシングチームから順次紹介を受けて競技にエントリー。道の駅一枚岩前をスタート・ゴール地点とし、西前啓市町長による号砲で一斉に出走した。
舞台は下露~小川間の町道を経由する全長41・6㌔の周回コース。選手は3周(124・8㌔)で競い、「Team UKYO SAGAMIHARA」のアール・ネイサン選手が3時間11分45秒でゴールを駆け抜け1着となった。本紙関係ではキナンレーシングチームの山本大喜選手が宇都宮ブリッツェンの増田成幸選手とともにネイサン選手と終盤の接戦を繰り広げ、僅差で3着となった。リザルト(競技結果)の詳細はJCL公式ホームページを参照。
同リーグは昨年開始ながら目下、国際自転車競技連合(UCI)加盟を目指してまい進するさなか。古座川町内はロングコースが設定できる国内でもまれな環境と評価されていて、この加盟による格上げが成り今後も誘致が続けば世界規模の競技の舞台を宿すこととなる。西前町長は伴う通行規制への町民協力を見据えつつ、この誘致を形にした実行委員らの引き続きの頑張りを期待した。
(2022年9月6日付紙面より)
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大水害献花式で誓い新た (新宮市 )
新宮市は4日、同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道 熊野川」の紀伊半島大水害慰霊碑前で犠牲者追悼献花式を営んだ。田岡実千年市長、向井雅男副市長、速水盛康教育長、榎本鉄也議長をはじめとした市議会議員、市幹部職員、地域住民ら関係者約30人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに、災害に強いまちづくりを誓った。
参列者たちは、同市で犠牲になった14人の名前が刻まれた慰霊碑の前で黙とうをささげ、白い菊を献花。故人をしのび、静かに手を合わせた。
田岡市長は「災害でお亡くなりになられた方々の無念の思いと、ご遺族の皆さまの深い悲しみを思うと今も哀惜の念に堪えない」と追悼。
市では災害後、国、県、市民からの多大な支援と励ましを得て復旧・復興を進めるとともに、防災対策を見直し、災害に強いまちづくりに努めてきたと述べ「これからも紀伊半島大水害を片時も忘れることなく、市民の皆さまが安心・安全に暮らすことができるまちを築いていく」と決意を新たにした。
同道の駅に隣接する「かあちゃんの店」は同水害で店が全壊。従業員だった女性が自宅で亡くなった。同店を経営する竹田愛子さん(81)は「亡くなった店のスタッフにみんな元気でやっているよと報告した。お店が続いていけるようにともお願いしました。若い人が続けてくれるとうれしい。災害の記憶も伝えていかなければ」と話していた。
(2022年9月6日付紙面より)
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