田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で29日、本宮郵便局(同町本宮)で押印される風景印第一号の奉納奉告祭があった。九鬼宮司や同郵便局の西清隆局長らが参列。新風景印の使用開始を祝った。
風景印(風景入通信日付印)は郵便局に配備されている消印の一種。1937年に制度が創設され、同年7月に現在の富士山頂郵便局と富士山北郵便局で使用が開始された。
局名と押印年月日欄と共に、地域の名所旧跡や観光地などにちなむ図柄が描かれている。通常の消印とは異なり、郵便窓口などで利用者から申し出があった場合に押印する。
本宮郵便局でも、1995年ごろの開局と同時に風景印の使用を開始。28日をもって同大社旧社地・大斎原が描かれた旧風景印を廃止し、29日から同大社の社殿・大斎原の大鳥居・八咫烏を題材にしたデザインに一新した。
この日、奉納されたのは初日1番印の特別祈念押印と印のデザイン画など。同郵便局によると、すでに全国から1000通を超える押印依頼があるという。
同大社境内に八咫ポストが設置されたのが2009年の10月29日。設置からちょうど12年後の新風景印使用開始を受け、九鬼宮司は「多くの人が風景印を押して熊野の地に思いをはせていただける。コロナ収束後には参詣や観光で熊野に訪れてくれる人が増えるのでは」と感謝。
西局長に対し「多くの方々の思いがこもった郵便を、それぞれの場所に思いを込めて届けてほしい」と伝えた。
西局長は「コロナ禍の中、どうにかして活性化に協力できないか思案し、一生懸命デザインを考えた。今後も大社や地域と一体となって本宮町を盛り上げていきたい」と話した。
同大社の八咫ポストに投函したはがきについては田辺郵便局にて処理されるため風景印は押印されない。風景印押印を希望する人は本宮郵便局窓口で申し出るか、押印の指示内容や連絡先を明記し、返信用封筒(返送先を明記し必要な切手を貼付したもの)などを送付する。問い合わせは本宮郵便局(電話0735・42・0050)まで。
(2021年10月31日付紙面より)
ごみ散乱防止強化月間 (新宮市 )
2020年に施行された「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に伴い、東牟婁振興局は29日、新宮市高田地内の国道168号で管内関係機関と協働して清掃作業を実施した。環境省吉野熊野国立公園管理事務所や市生活環境課、同振興局の新宮建設部や地域振興部、県庁廃棄物指導室、新宮保健所衛生環境課から15人ほどが参加し、国道ののり面付近に散乱するごみを回収した。
条例の施行を受けて、今年から毎年10月が「和歌山県ごみの散乱防止強化月間」に指定されている。県によると、同所のごみは車から捨てられている可能性が高く、ペットボトルや缶、瓶、弁当などの食べ物から出るプラスチックごみなどが多いという。
今回のメンバーでの清掃は2度目。職員らは急な斜面を下り、のり面に廃棄されたごみを燃えるごみと燃えないごみに仕分けながら、作業に汗を流した。
新宮保健所衛生環境課の堀内達司課長は「県では不法投棄への対策として、これまで168号沿いにごみ箱の設置などを行ってきた。ごみが捨てづらい環境をつくるために以前から撤去作業も実施している。今後も継続していきたい」と話していた。
この日回収したごみの量は約400㌔(軽トラック5台分)にも上った。
(2021年10月31日付紙面より)
7校が協力「丹鶴ホール」 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」建物沿いに、市内7校が育てた花プランターが設置され、施設に彩りを与えている=写真。
「令和3年度花いっぱい運動」の一環。和歌山県誕生150年や、30日開幕の「紀の国わかやま文化祭2021」への機運を盛り上げ、観光客らを温かく迎えるため、各学校が協力した。
協力者は▽市立神倉小学校▽市立城南中学校▽市立緑丘中学校▽市立高田中学校▽県立新宮高校▽県立新翔高校▽県立みくまの支援学校―の児童・生徒の皆さん。プランターは同文化祭期間中、11月21日(日)まで設置される。
(2021年10月31日付紙面より)
近大新宮中3年に林業学習 (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を活用した林業教室が28日、近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)3年生33人を対象に開かれた。生徒たちは間伐体験や原木市場見学、木工教室を通じて紀州材が製造される過程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
紀の国森づくり税を活用し、36万㌶の広大な森林を有する和歌山県の林業や環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことが目的。同校の参加は3年目で、新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で組織する紀南木材新緑会(野地陽介会長)と熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が協力した。
講義では、新緑会の野中亮伸さんが「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は第3位の91%」と紹介。森林が持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を十分に発揮させるためには、森林の適切な管理と伐採・利用が不可欠と述べ、林業の重要性を強調した。「森林は未来につなぐ私たちの宝物。苗木が成長して原木になり、製材を経て大工が家を建て、皆さんの元へ届くという木の一生を体験してほしい」と語った。
間伐体験では直径20㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、のこぎりで切り倒した。
山本里緒さんは「昔の新宮市が林業で栄えていたことなど、知らないことがたくさん。自分たちの世代が植えた木を生きている間に切ることはないと聞き、森林がこれまでの世代から引き継がれてきた大切なものだと感じた」。岡嵜悠士朗君は「北山村の筏(いかだ)下りが林業と関わりが深いと聞いたことがあったが、新しい発見がたくさんあった」と話した。
(2021年10月29日付紙面より)
中ノ川で「いきいきサロン」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町中ノ川の中ノ川クラブで27日、同町社会福祉協議会の「いきいきサロン」があった。地域住民ら約10人が参加し、新宮警察署特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さんと脊古佳さんが詐欺の手口や防止対策などについて講話した。
同協議会では高齢者の地域活動を促す「いきいきサロン」を町内16地区で開設している。いきいきサロンは地域の高齢化や1人暮らしの増加を背景に始まった取り組みで、引きこもり防止や生きがいづくりなどが目的。
同地区では中ノ川いきいきグループが毎月第4水曜日に▽マスク着用▽手指消毒▽換気―などの新型コロナウイルス感染対策を施し行われている。
講話で楠本さんは、県内では今年9月末から現在までに44件、約7300万円の特殊詐欺被害が発生しており、昨年一年間より12件も増加していると紹介。中でも高齢者の割合が全体の81・8%を占めていると説明した。件数の多い犯行手口については▽預貯金▽キャッシュカード▽還付金▽架空料金請求―の詐欺を挙げた。
楠本さんと脊古さんは「ATMでの手続きは詐欺。還付金がそのような形で返還されることは絶対にありません。公的機関の名前を出されても信用せず、新宮もしくは串本警察署に相談してほしい。確認電話の開設もしているので、一人で悩まず連絡を」と呼び掛けていた。
参加した70代・女性は「具体的に分かりやすく、とても有意義な時間でした。以前、自宅に不審な電話もあったため、改めて意識を高めていきたい」と話していた。
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相談先の連絡先は次の通り。
▽新宮警察署 0735・21・0110
▽串本警察署 0735・62・0110
▽「かけて損なし ちょっと確認電話」 0120・508・878
(2021年10月29日付紙面より)
相野谷小中合同防災学習 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷小学校と相野谷中学校による合同防災学習が25日、同小学校であった。小学4~6年生の22人と中学生24人が災害対応ゲーム「クロスロード」に挑戦し、災害にどう対応し、行動するかを考えた。
町教育委員会による防災教育事業の一環。町学校防災アドバイザーで三重大学大学院工学研究科の川口淳・准教授を講師に招いた。当初、地震と津波をイメージして通学路を歩き、危険箇所や災害時に役立つ物を探す予定だったが、雨天のためクロスロードに変更した。
児童生徒はまず、図書館で防災学習に取り組んだ。川口准教授は国内で過去10年間、マグニチュード6以上の地震が300回発生したことを挙げ「地震が起きたら山崩れの発生やブロック塀、家などが倒壊する恐れがある。相野谷地区は海から離れているが、津波が海から相野谷川へ逆流する可能性もあるため、高台に逃げることが必要」と伝えた。
体育館に移動後、4~5人でグループを組み、クロスロードに挑戦。クロスロードは災害発生時の救助や応急活動、避難所運営などの事例が書かれたカードを自らの問題として考え、YESかNOかで自分の考えを示すカードゲーム。
「被災者のあなたは、避難所に犬を連れてくることを許しますか?」の問いに「連れていかないとかわいそうだから」と「YES」の児童生徒が多い一方、「NO」と答えた生徒は「動物アレルギーの人もいる」などと意見した。
「水も食料も持たない家族が多数いる避難所で非常持ち出し袋を開ける?」などの質問が続き、それぞれが自分の意思を示し、グループで行動を考えた。児童生徒たちはゲームを通して災害時の対応を自らの問題として捉え、自分とは異なる意見にも耳を傾けていた。
(2021年10月29日付紙面より)
くしもとこども園で避難訓練 (串本町 )
串本町立くしもとこども園(中山紀子園長、園児154人)が26日、消防本部立ち会いの下で南海トラフを震源とする大きな地震や津波から命を守る訓練に取り組んだ。
同園は町内で唯一低地にある保育・幼児教育施設。海抜約5㍍の立地にあり前述した地震が起こった場合は津波による浸水も予想されるため、月1回の頻度で敷地に接する海抜15㍍の西の岡へ駆け上がる避難訓練に取り組んでいる。
普段は園独自でしているが年1回、消防本部に見てもらい改良すべき点などで助言を得る形も取っている。同本部は園児の励みになればと願って毎回、消防車両見学の機会を届けて印象を強める後押しをしているが、本年度は同園から新型コロナウイルス感染症予防の観点で消防車両見学はなしにしたいと申し出を受け、助言のみで協力した。
園内一斉放送で地震発生と安全確保の指示が流れ、園児は先生の話をしっかり聞いてまずは机の下へ潜り込んで頭と体の安全を確保。次いで揺れの収まりと避難開始の指示が流れ、園児は防災頭巾をかぶり上靴のままで西の岡まで駆け上がった。
年長は自分の足で走り、年少はお散歩カー(大型ベビーカー)に乗り保育教諭が4人がかりで押し上げ。電動でないお散歩カーは力業の大変さを伴い、それなりに時間を要しつつ避難を完了した。
中山園長が西の岡で全員の避難を確かめ、同本部は園児に先生の言うことをよく聞きしゃべらず他の人を押さずに逃げること、保育教諭にカートを押し上げるため日々鍛錬を欠かさないことを意識付け。最後に合い言葉(自分の命は自分で守る・早く高い所へ逃げる・安全になるまで戻らない)をみんなで思い出して締めくくった。
あと1年余りで高台に新しい園舎ができるが、それまでこの訓練は不可欠、と意識する中山園長。「今日はスムーズに避難でき、日頃の訓練の大事さを改めて再確認した」と今回の訓練を振り返り、「避難に限らず日頃から子どもの体力や運動能力を高めておきたい」と今後を見据えて語った。
(2021年10月29日付紙面より)
那智勝浦町総合体育大会バドミントン大会
夢と希望詰まった冊子完成 (勝浦LC )
勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC、戸間宏治会長)「心に太陽を委員会」が制作したカラー冊子「10年後 ふるさとの希望と夢」がこのほど完成した。A4判142㌻で、発行冊数は3000部。総事業費は約400万円。完成した冊子は那智勝浦町、太地町を中心とした近隣市町村の小・中学校、行政・教育関係機関、LC関係者、投稿者(掲載者)らに配布される。
「心に太陽を委員会」は、2012年、前年の紀伊半島大水害時に災害復旧に従事・協力した関係者を対象に、町民らのメッセージを掲載した「私たちを助けて下さった皆様へ~ありがとう~『心に太陽』を輝かして頂いたお礼の感謝集」を発行した。
大水害から10年。同委員会は2回目のテーマを「夢・未来 提案プロジェクト」とし、ふるさとの未来を考えるきっかけにと那智勝浦、太地の両町民や近隣市町村住民らから、それぞれが思い描く夢と希望を反映した提案やイラストなどを募集。約100人から寄せられた「ふるさとの希望と夢」を1冊の本にまとめ上げた。
新型コロナウイルスの影響で思うような活動ができない中「地域のために何かできることはないか」と模索し企画した。紀伊半島一周高速道路の全線事業化に伴い増加が見込まれる人流や資本の流入に備える狙いもある。
なお、同プロジェクトチームは冊子内で、妙法山麗を▽自然いっぱいの林間都市へ▽住みやすいシルバータウンに▽日本のシリコンバレーに―などと提案している。
5日、那智勝浦町築地の清水設計事務所内ミーティングルーム・勝浦ライオンズクラブ例会場では会員らが集まり、冊子の配布手段などについて話し合った。
冊子完成に当たり、鵜殿忠德・前会長は「すでに配布が済んでいる学校の子どもたちは喜んでくれていた。寄せられた投稿を見て、自分自身新たに気付かされたことも多い。ふるさとの未来について、一人でも関心を持ってもらえたら成功だと思う」と話している。
冊子は希望者には無料で配布する。また、名前や住所が未記入だった投稿者に対し、冊子と記念品を贈呈するため「心当たりのある人は連絡を」と呼び掛けている。問い合わせは同LC事務局(電話0735・52・0974)まで。
(2021年10月7日付紙面より)
下里小・太田小の児童が (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で4日、ダンスチーム「カルティベイト」によるヒップホップダンスのワークショップがあった。同小と町立太田小学校の4~6年生計55人が参加し、プロのダンサーから楽曲「Uptown Funk」の振り付けを教わった。
文化庁が実施する「文化芸術による子供育成総合事業」の一環。14日(木)に文化庁選定文化芸術団体のNPO法人国際文化交流促進協会カルティベイトが巡回公演「これがヒップホップダンス!」を開催する予定で、そこで一緒に踊る児童の事前練習として実施した。
この日はEGAさんら4人のダンサーが来校し、ヒップホップのステップや動き、かっこよく見せるためのポイントを伝授。児童は「カウントを取ってくれているときはできたけれど、音楽に合わせるのがまだちょっと難しい」と素早い動きに苦戦しながらも、笑顔で練習に取り組んだ。
EGAさんが「楽しかったですか?」と問いかけると一斉に児童の手が上がっていた。
(2021年10月7日付紙面より)
OBらが動画制作に協力 (新宮高校 )
今年創立120周年を迎える新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)の3年プログラミング選択生34人が現在、同校の歴史を振り返る動画制作に取り組んでいる。11月6日(土)の記念式典での上映を目指して作業を進めており、9月30日には同校OBら5人が作業に協力した。
生徒たちはグループごとに、同校の前身となる旧制新宮中学校が設立された1901(明治34)~2021(令和3)年を10年刻みで担当。創立100周年の時に編さんされた「新高百年百話」などを参考にしている。
30日には、小野俊二さん、矢熊敏男さん、隅地洋さん、辻本雄一さん、中瀬古友夫さんの5人が来校。中瀬古さんが新宮中学校創立10周年記念絵はがきや旧制新宮高等女学校の古写真について解説し、動画制作用に写真を提供した。
旧制新宮中学校第39回卒業生で、創立100周年記念事業実行委員長を務めた小野さん(95)は、学生時代の学校の様子を尋ねに来た生徒たちに「当時の義務教育は6年。中学校は男子校で、兄が通っていた時の制服は学生服だったが、自分の時は戦時中で国民服になっていた。集合写真ではみんな足にゲートルを巻いている」とアルバムをめくりながら語った。
1941(昭和16)年~50(昭和25)年を担当するグループの生徒たちは、「本だけでは分からなかったところがイメージできるようになった」「木造校舎で桜並木があるなど、今と全然雰囲気が違った」と話していた。
(2021年10月7日付紙面より)
相野谷小で「読み聞かせ」再開 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷小学校(岩本直樹校長)で6日、ボランティアによる読み聞かせが再開し、1、2年生計16人が絵本の世界を堪能した。
町内の各小学校にはボランティアの「読み聞かせグループ」があり、町学校支援本部「元気キッズ」の支援を受けて活動を続けている。
相野谷小学校では10年以上前から活動しており、現在は山本出味さん、平典子さん、藤根和子さん、道中真智子さんが当番制で毎週水曜日の午前8時25分から10分程度、読み聞かせを通して本の楽しさを伝えている。
この日は、2学期最初の活動で、道中さんが「つみつみでんしゃ」を紹介した。絵本を開くと、黄色や赤色などに染まった秋の山を走る電車が登場。お客を乗せて秋の風景を楽しむ物語で、道中さんは優しい口調で読み進めた。
同小のグループは、山本さんを中心に2011年からベルマークを集めて学校図書室に本を寄贈しており、これまで11万809円分が集まり、79冊を贈った。山本さんは「子どもたちもベルマークを集めてくれる。保護者さんの協力を得て、2年に1回、仕分け作業を行っている。今後も活動を継続したい」と話していた。
(2021年10月7日付紙面より)
ふるさと自慢写真コンクール (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)の商業振興部会(須川晴夫部会長)が那智勝浦町と太地町の小・中学生から募集していた「ふるさと自慢写真コンクール」の表彰式が2日、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅であった。
コンクールは地域の子どもたちにふるさとの良さを写真によって再認識してもらおうと始まった。今年で17回目。118作品が集まった。特選には下原咲和(さわ)さん(勝浦小5)の「海を行くゴジラ」、角拓利(たくと)君(勝浦小6)の「貴久の滝」、小賀実樹君(市野々小5)の「六地蔵と那智の滝」が選ばれた。
表彰式には下原さんと小賀君が出席。森川会長とJR新宮駅の小林豊係長が、2人に賞状と記念品を手渡した。
森川会長は保護者やJR西日本に対し感謝を述べ、「コロナ禍の中でも多数の応募があった。子どもたちのエネルギーが頼もしい。皆さまの写真を通して、地域の良いところをたくさん知ってもらうことで地域が良くなります」。
商業振興部会の木下勝之副部会長が「素晴らしい写真、喜んでいます。これからもコンクールに期待されるものが大きくなっていくと思う」など祝いの言葉を贈った。
自分用のカメラで普段から景色の撮影などを行う下原さんは「去年も参加しましたが、入選に入ることもできなかった。特選を取ることができてうれしい」と笑顔で話した。
これまでも同コンクールに参加したことがあるという小賀君は「三重の塔を撮影する人も多いが、今回はお地蔵さまと滝を撮るほうが良いと思った。写真を撮影するのは好き。次回もやってみたい」と話していた。
特選には同商工会の商品券のほか、JR新宮駅、和歌山県漁連勝浦市場、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、南紀勝浦温泉旅館組合、那智黒総本舗から副賞が贈られた。
入賞作品23点はJR紀伊勝浦駅舎2階に展示中。那智勝浦ロータリークラブのカレンダーにも掲載される予定。
(2021年10月3日付紙面より)
串本町と包括連携協定締結 (第一生命保険株式会社 )
第一生命保険株式会社和歌山支社新宮営業オフィス(林田祥道オフィス長)が1日、串本町と地域社会形成などに係る包括連携協定を締結した。林田オフィス長はまず健康増進分野で支援するとし、この連携を足掛かりにし同町の全国発信など協働の幅を広げていきたいと意気込んでいる。
同社は事業の舞台となる地域の諸課題解決の力になりたいという思いで自治体や公共機関との協定締結を重ねている。同オフィスの協定締結は昨年10月に新宮市と締結した高齢者見守りに関する協定に続いて2例目。包括連携協定としては県南部初で、同支社エリア内では橋本市、紀美野町、かつらぎ町、高野町、九度山町に続いて6例目になるという。
この日は同町役場で締結式があり、林田オフィス長と田嶋勝正町長が同協定書に署名。同支社の古矢直人副支社長ら社員4人も立ち会い見届けた。田嶋町長は町として取り組まなければならない事柄を網羅する形での協定締結に感謝し、ウィズ・コロナ下の行政には大変な面もあろうが協定の力も借りて向上に傾注したいとして協力を求めた。
連携事項は▽健康増進▽ワーク・ライフ・バランスの推進▽子育て支援・保育対策▽青少年育成・教育▽ライフプランサポート▽高齢者支援▽スポーツ振興▽産業振興・中小企業支援▽環境保全▽町政情報の発信▽その他地域社会の活性化および町民サービスの向上―の11項目で、いずれも保険業法上許容される範囲での協力としている。締結を見届けた古矢副支社長は「町民の皆さまの期待に応える決意を新たにした」と述べ、健康増進の支援をスタートとして同協定に掲げるさまざまな分野へと連携を広げるための協議を今後も続けることを両者に期待した。
同オフィスは現在、新宮市との協定内容の拡充や那智勝浦町との協定新規締結も調整中。串本町との連携の足掛かりとする健康増進分野の支援は健診事業の概要や実施日程などを案内し受診を後押しする内容で、独自制作したチラシを配る形で近々始めるという。同支社はこの日、締結の縁で感染症予防資材(マスク、ペーパータオル、消毒液)の寄贈を別途申し出た。
(2021年10月3日付紙面より)
高田小で「赤い羽根共同募金」の授業 (新宮市 )
新宮市立高田小学校(大家淳志校長、児童6人)で1日、赤い羽根共同募金についての授業があった。市社会福祉協議会生活支援コーディネーターの福島圭さん、地域福祉部の植地美貴さんと戸村早希さんが来校し、募金を行う意味や取り組みなどについて講話した。
子どもたちに募金の大切さや、人として支え合いや優しい気持ちを養ってもらおうと初めて実施。今後は市内の小学校で授業を計画している。
植地さんと戸村さんは、共同募金には緑や青、黄、白、黒など全7種類があることを紹介。「募金は色によってそれぞれに意味があり、全て人に関わるもの。その中で、赤い羽根は福祉や災害支援のために活用されています」と説明した。
その後、2人は同募金の成り立ちを表現した手作りの紙芝居「赤い羽根共同募金ってなぁに?」を読み聞かせ。募金は町づくりや人とのつながりに重要な役割を担っていると語り「私たちが暮らす町には赤い羽根共同募金でできている支え合いがいっぱいあります。そのことを忘れないでくださいね」と呼び掛けた。後半には子ども食堂や食事を作るのが困難な高齢者への弁当の配布、サロン活動など、さまざまな状況で役立てられていることを伝えた。
授業を終え、児童は「いろんな種類の募金があることが勉強になった」「改めて助け合いが大切だと分かった」「私も少しでも役に立ちたいと思った」などの感想を伝えた。
戸村さんは「子どもたちが熱心に聞いてくれている姿を見て、うれしかったです。共同募金の仕組みに興味を持ってもらい、いろんな人に伝えていってもらえれば」と話していた。
(2021年10月3日付紙面より)
市制施行記念日に伴い (新宮市 )
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和3年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が地方自治や社会福祉、消防水防などで市に貢献した個人11人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して88年、旧熊野川町が町制を施行して65年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから16年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人1000人と101団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します」とあいさつ。
新型コロナウイルス感染拡大防止に対する協力に感謝し「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
榎本鉄也・市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かし、変わらぬお力添えを」。
濱口太史・県議会議員は「皆さま方がそれぞれの分野で支えていただいていることが、新宮市の安心安全と一体感を生んでいるのでは。今を生きる私たちも皆さまと力を合わせ、新宮市がいつまでも持続できるよう尽くしたい」と祝辞を述べた。
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表彰を受けたのは次の皆さん。
【地方自治功労】
▽葛薮髙盛=高田区総区長として高田区の自治の進展のために尽力
▽仲 一郎=選挙管理委員会委員として選挙管理執行およびその進展に尽力
【社会福祉功労】
▽中谷健兒=民生委員・児童委員として社会福祉のために尽力
▽垣本日登美=同
【産業経済功労】
▽関 康之=商工会議所役員・会頭として産業振興のために尽力
【消防水防功労】
▽岡﨑武人=消防団員として消防防災活動に積極的に従事
▽寺田正德=同
▽特別養護老人ホーム熊野川園=災害時の避難場所として施設を提供するなど地域防災に尽力
【保健衛生功労】
▽中平佑子=健康づくり地域推進員として健康増進活動に尽力
▽大江加予子=ボランティア活動を通じてさまざまな健康増進活動に尽力
【教育文化功労】
▽平山 孝=補導協力委員として地域の青少年の健全育成や非行防止に尽力
【特別功労】
▽(故)山上皓一郎=文化観光施設の保全・復元に尽力
(2021年10月2日付紙面より)
役場で聖火トーチ展示 (串本町 )
串本町が1日、役場1階玄関付近で東京2020オリンピック聖火リレートーチなどの展示を始めた。
経由地の一つとなった同町では4月9日に同リレーが通過。当時同町の国際交流員だったトルコ人のドゥルナ・オズカヤさんや串本沖におけるクロマグロ完全養殖確立の主導者・熊井英水さんらランナー11人が橋杭岩一帯で聖火をつないだ。他方、新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮した実施で、観覧は極力オンライン視聴でするよう呼び掛けられた状況もあった。
後に同リレーで用いられたトーチの自治体提供枠(有償)の受け付けがあり、同町教育委員会が経由地でありながら当日じかに見届けられなかった町民にトーチだけでも見せ雰囲気を伝えたい、という思いで申し込んだ。併せて当日の様子を伝える写真パネル18枚とランナー用のユニホーム1着も準備し、一式がそろったことで展示へと踏み切った。
トーチは貴重品のためクリアケースに収める形で展示。写真パネルは町と東京2020組織委員会の撮影分から抜粋して製作し、ユニホームは新規購入してそろえた。他にパートナー企業(NTT)の応援グッズ(エコバッグや扇子、いずれも耐水仕様)も若干数譲り受けて並べていて、先着順で自由に持ち帰ってほしいとしている。
展示期間は定めておらず、当面常設としている。問い合わせは同町教育委員会教育課(電話0735・67・7260)まで。
(2021年10月2日付紙面より)
緊急事態宣言の解除に伴い (三重県立学校 )
三重県に発出されていた新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されたことから、県立木本高校、紀南高校で1日から通常授業が再開された。
御浜町の紀南高校(森典英校長)では、2学期になって初めての通常授業で、マスク姿の生徒たちが登校した。
8月30日に予定していた始業式を9月13日に2、3年生、14日に1年生が分散登校で実施。9月中は在宅学習に取り組み、オンラインで健康チェックと出欠確認し、全教科の課題学習に励んだ。
通常授業初日に、校門前で登校を見守った森校長は「生徒たちの元気な姿を見ることができてうれしい。10月末には体育祭、11月には文化行事を予定しており、今日からが本格的なスタート。個別登校で就職に向けた勉強に取り組んだ3年生も多く、すでに内定を頂いた生徒もいます」と話していた。
熊野市の木本高校(松本徳一校長)では、8月30日にオンラインで始業式を行い、31日の分散登校後、9月1~24日にオンライン授業を実施。27~30日は登校する人数を半分に制限する分散登校に切り替え、クラスを2班に分けて一日おきに教室とオンラインでの授業を行ってきた。
10月1日からは全校生徒が登校し、校内での部活動も感染症対策を講じた上で再開した。
(2021年10月2日付紙面より)
市野々小で防災学習発表 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で9月30日、5、6年生による防災の学習発表があった。5年生7人は他学年の児童に向け、2011年9月の紀伊半島大水害発生当時の地域の様子や復興への道のりについて報告。6年生5人がそれを踏まえ、早期避難と分散避難の提案をした。
紀伊半島大水害で甚大な被害を受け、児童1人が亡くなった同校では、毎年さまざまな防災教育を実施。本年度は県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長、同町井関在住の防災士・久保榮子さん、町役場総務課防災対策室が学習に協力した。
例年であれば保護者や地域住民を招いた特別授業「市小(いちしょう)防災の日」で学習の成果を共有するが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっているため、集会で他学年の児童向けに発表した。
早期避難について、6年生は「なぜ早めの避難が必要かというと、紀伊半島大水害の時、逃げ遅れて流された人がいるから」と述べ、具体的には警戒レベル3(高齢者など避難)で避難しておくよう呼び掛けた。
分散避難については、新型コロナ感染を防ぐため、避難所や自宅、親戚の家、ホテル、車など安全な場所にバラバラに避難することを提案。ホテルや民宿を避難施設として利用する場合、1回1人2000円の自己負担で避難できる町の制度があることを紹介した。
(2021年10月2日付紙面より)
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