那智勝浦町二河にある金剛寺で毎年実施される伝統の荒供養「二河の火祭り」は今年、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。当日の23日は同地区に住む役員のみが集まり、来年の祭り実施を願うとともに、供養のため小たいまつを宝篋印塔(ほうきょういんとう)に供えた。
荒供養は1510(永正7)年に始まったとされ、先祖代々の総供養も兼ねて地元の若者たちが継承してきた。二橋青年会が行事を受け継ぎ、青年会で保存会(大江政典会長)を組織して地元住民らと共に伝統を守っている。
大江会長によると、戦時中の一時期を除き祭事は営まれており、中止になったことはないという。
例年は白装束に身を包んだ若者たちが本堂で採り火し、種火を分け合って裏山へ駆け上がる。その後、宝篋印塔前でたいまつに点火し、架線を目掛けて次々に投げ上げる。その幻想的な光景を一目見るために地域内外から多くの人が集まる。
今年は新型コロナの発生状況を鑑み、5月に中止を決定した。この日は5人が裏山を登り、目神八幡(めがみはちまん)の社にサカキを、宝篋印塔ではシキミと点火された小たいまつを供え、手を合わせた。
大江会長は「地元や近隣からも多くの方々が見物や撮影に来てくれるため非常に残念」。
「過去に比べて人は減ったが火祭りは年に1回人が集まる交流の場。コロナの状況にもよるが、来年はぜひ実施したいと思う」と語った。
(2020年8月25日付紙面より)
さかさ川河口部の掘削作業実施 (新宮市 )
新宮市の熊野古道「高野坂」広角側入り口付近にある「さかさ川」の美化活動に努めている市民団体「さかさ川をきれいにする会」(平野雅裕会長)は23日、同川河口部から王子ヶ浜に堆積していた砂利の掘削作業を実施した。
さかさ川はJRきのくに線の高架下を流れて王子ヶ浜(大浜)につながる幅約8㍍の小さな川。6月中旬ごろに市王子ヶ浜を守る会の会員が毎朝続けているパトロール中に状態を発見し平野会長に連絡した。河口付近は以前から川をふさぐことが頻繁にあり、天候や満ち潮、引き潮などが影響とされていて同会で現地を確認した後、環境省や海岸管理者である和歌山県に重機を使用し河道確保する応急対策を行いたいとの旨を伝えていた。
県と市の職員が作業に合わせて周辺のごみ拾いを実施する中、平野会長は重機を使用して丁寧に堆積した大量の砂利を取り除いていった。
平野会長は「県から環境省に作業許可を出してもらい、ようやく行うことができた。重機を提供していただいた日本環境開発株式会社の皆さんのご厚意と協力に大変感謝しています。台風や波などによって地形が変わって再び川が閉塞(へいそく)してしまう可能性があり万全とは言い切れないため、今後も堆積の解消に向かってしっかりと見守っていきたい」と話していた。
(2020年8月25日付紙面より)
認定6周年記念企画始まる (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会と同パークガイドの会主催の日本ジオパーク認定6周年記念企画「行ってみて知ってみて南紀熊野ジオパーク」が22日から始まった。31日(月)までの間にエリア内でガイドツアーや串本町潮岬にある同パークセンター内でワークショップ(WS)を順次開く内容で、詳細は同パーク公式ホームページを参照。
南紀熊野ジオパークは2014(平成26)年8月28日に日本ジオパークとして認定を受け、4年ごとに迎える再認定の1回目も無事乗り越えて現在6年目を迎えている。拠点施設の同パークセンターは令和元年7月27日に開所。本年度は序盤に新型コロナウイルスの影響で臨時休館を余儀なくされたが、再開後の弾みを目指して7月から月例でイベントを企画し情報発信を強めている。
8月は日本ジオパーク認定6周年の節目に絡め、両主催で同パークを知る足掛かりとなるイベントを複数準備。期間初日はガイドツアーが予約が催行人数に届かず中止になったものの、オンラインガイドツアー「世界遺産+ジオで二度おいしい那智山」とWS「とっても小さな貝を探してみよう」は計画通り実施した。
同ツアーには11人がウェブ会議の形で参加。現地で行動するジオパークガイドの解説を視聴し、インターネット経由で適時質問を寄せるなどして熊野古道大門坂や那智の滝への理解を深めた。
WSは同センターの本郷宙軌研究員と福村成哉研究員を軸にした企画。オゴクダ浜(潮岬灯台の北側にある浜)で採取した砂を顕微鏡で観察し、貝類など気になった粒ベスト10を選んで観察用プレパラートを作る内容で、実施時間帯(午後1~3時)に来館した子どもらが随時挑戦した。
両研究員は貝類以外に有孔虫の殻やサンゴ類のかけら、ウニのトゲやガラスなどが砂粒と一緒に混ざっていることを事前に紹介。観察しやすいようシャーレに小分けした砂の量からきれいな形で見つかる貝の数はごく少量で、見つけた子どもは集中力全開で砂粒と同じ大きさの小さな貝を観察用プレパラートへと移し取り、挑戦の記念として持ち帰った。
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WSは翌23日も同じ時間帯で実施。この日はガイドツアー「ちょっとだけ・大雲小雲」「南紀熊野ジオパーク 化石から知る大地の成り立ち」も事前予約が催行人数に達し実施された。ガイドツアーは一部締め切りとなったものもあるが、24日現在で参加受け付け中のものも複数あり。いずれも要参加費、要事前予約。事前予約や問い合わせは同センター(電話0735・67・7100、メールe0320005@pref.wakayama.lg.jp)まで。
(2020年8月25日付紙面より)
高田地区で稲刈り作業 (新宮市 )
新宮市の高田地区の田んぼで現在、稲刈りが行われている。22日には同地区在住の溝口ももさんら4人が協力して、ずっしりと実った稲穂を収穫した。
溝口さんらは高田の休耕田の増加に伴い、少しでも活用していければとの思いで同区の友人である金子蘭さん、岡本のぞみさん、水口いおりさんとともに昨年から始動。葛薮正さん所有の広さ約15㌃の田んぼを借り、地元のベテラン農家たちに教わりながら作業に取り組んでいる。今年は5月に「こしひかり」の田植えを実施した。
この日は同区の子どもたちも参加。晴天の下、メンバーらは鎌を使用して育った稲を刈り、協力しながらわらで束ねるなどして作業を進めていった。
金子さんは「現在、新型コロナウイルスの影響で休止している高田キッズのカレー作りなどで使用できればと思って始めました。活動当初は田んぼの状況も悪かったのですが、いろんな方々に肥料や農薬のことなどを教わりこの日を迎えることができました」。
溝口さんは「昨年は害虫に食べられたりもしましたが、今年は実が詰まっていて重みを感じる。農家の皆さんから気に掛けてもらい、さまざまなことを教えていただいたおかげです。今後も協力しながら育てていき、より良い米を作っていければ」と話していた。
(2020年8月25日付紙面より)
熊野速玉大社で戦没者慰霊祭 (戦後75年 )
「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び 以(もっ)て万世の為に太平を開かんと欲す」―。1945(昭和20)年8月15日、昭和天皇の玉音放送で日本国民にポツダム宣言受諾による終戦が告げられた。終戦記念日の15日、全国各地で戦没者慰霊祭が営まれた。新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)においても新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しつつも境内の忠魂碑前で慰霊祭を斎行。市遺族会や神職ら8人が参列し、英霊に対し追悼の誠をささげるとともに平和への誓いを新たにした。
総務省によると、同市においては他の都市より遅かったものの、製材工場が密集していた海岸地帯を中心に終戦直前に集中的に砲弾などを受けた。また、44(昭和19)年ごろから勤労動員が始まり、多くの学生らが和歌山市や大阪府、兵庫県などへ動員された。
44年12月3日、三輪崎上空に米軍機が初めて侵入、焼夷(しょうい)弾を投下した。翌45年1月19日には大浜基地付近、広角方面が被爆し十余人が死傷。23日には焼夷弾により佐野、高田の森林六百余町歩(約600㌶)が焼失した。また、同年4月7日には午前と午後の2回にわたり空襲があり、大浜で十余人の死傷者、三輪崎国民学校で23人の負傷者が出ている。
以降も熊野地、野田、阿須賀などが焼夷弾や爆弾などの攻撃を受け、7月24日午前には西阿須賀町から丹鶴町にかけて250㌔爆弾数個が投下。当時、現在の新宮郵便局付近にあった県立新宮高等女学校では校舎全壊、死者50人、負傷者200人の被害を受けた。なお、市では59(昭和34)年11月10日に「世界連邦平和宣言都市」を採択。市民一致で世界の平和を誓っている。
市遺族会は慰霊のために沖縄県の紀乃国之塔などを訪問する予定だったが、新型コロナの影響で断念したという。上野宮司は、和歌山県神社庁では来年の2月に沖縄での慰霊祭を予定していると述べ「慰霊は戦争で亡くなった人への感謝を表す意味もある。日本を立派な国にしていくことが今を生きるわれわれの責任。その思いを胸に、一日一日を大事に生きていきたい」と思いを語った。
(2020年8月18日付紙面より)
第14回紀宝町花火大会
紀宝町の鵜殿港でお盆の15日、「第14回紀宝町花火大会」があった。例年、約700発の花火が帰省客らを楽しませているが、今年は新型コロナウイルス感染症対策として花火を中止し、初精霊供養と灯籠を焼く銀滝花火のみを執り行った。
町村合併前の「初盆供養・追善花火大会」を新町でも引き継ぎ、2006年から町の花火大会として実行委員会(実行委員長・西田健町長)が主催。毎年、メッセージ花火や追善早打ちなど趣向を凝らした花火が夜空を染め夏の風物詩に定着している。
今年はせきエチケット、マスクを外す際は他の人と距離を取るなど新型コロナと熱中症対策を講じて遺族のみが参列した。
はじめに西田町長が「猛暑に加えて新型コロナウイルス感染症が拡大して厳しい夏を迎えている。今年は花火を中止し、申し訳なく思う。精霊の皆さま方は今日の繁栄と幸せにご努力された。ふるさと紀宝町、ご遺族の安寧を見守りいただきたい」とあいさつした。
東正寺(とうしょうじ)の片野晴友住職らによる読経に続いて西田町長、遺族代表の上地暁斗さんが焼香。33柱の初盆家庭が供えた灯籠に手を合わせ故人の冥福を祈った。最後は銀滝花火が灯籠を焼いた。
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紀宝町商工会青年部(玉置一貴部長)は「〝絆〟感謝運動」として、花火大会の運営に協力。約20人が午前6時から会場設営に汗を流し、灯籠設置や片付けなど終了後まで作業に携わった。
この運動は地域貢献を目的に、全国の商工会青年部が毎年6月にボランティア活動を実施しており、紀宝町の青年部は「ほたる灯ろう展」に協力してきた。
今年は、灯ろう展が中止になったため、毎年協力している花火大会の手伝いを感謝運動と位置付けた。玉置部長は「日頃の感謝の気持ちを込めて、ふるさと紀宝町への恩返しとして作業した。来年は新型コロナが終息して花火の打ち上げも行ってほしい」と話していた。
(2020年8月18日付紙面より)
勝浦・天満地区で盆行事 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の天満・勝浦地区で16日、初精霊送りがあった。天満地区では那智川河口の天満の浜から、勝浦区では勝浦漁港から初精霊船が出航した。
新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、両地区共に安全を重視し、地区回覧板や訪問などで事前に地区住民に向け感染拡大対策への協力を求めた。
天満の浜では天満区(山本年昭区長)の合同初精霊送りがあり16柱を送った。参列は1世帯3人までで、参列者は2㍍の距離を保ち行事を見守った。
円心寺の住職が読経し、天満念仏講の人たちが御詠歌をささげた。天満交友会のメンバーが水中に入り、精霊船「極楽丸」を沖に出した。浜には送り火がたかれ、花火も打ち上がった。
勝浦地区では1955(昭和30)年に当時の青年会が、海を汚さない配慮から合同の行事を始めた。現在は勝浦初精霊送り実行委員会(大嶽勝司委員長)が中心となり、勝浦6区の区長や運営委員が協力。海翁禅寺、正念寺、法泉寺の住職が出仕し、地域挙げての盆行事となっている。
今年の初精霊は42柱だった。参列は世帯主と家族のみで、他府県在住者や子どもの参列を自粛した。
大嶽委員長が司会を務め、参列者一同で合唱した後、極楽船が港を出た。夕暮れの勝浦漁港に住職の読経が流れ、灯籠を乗せて進む船に遺族が静かに手を合わせた。
(2020年8月18日付紙面より)
公立小中学校、高校で始業式 (新宮市 )
新宮市の公立小中学校、県立高校で17日、始業式や学期交代式が開かれた。1~2週間の夏休みが明け、校舎に「おはようございます」と児童・生徒の元気なあいさつが響いた。
三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童371人)では放送集会で式を実施。嶋田校長は「放送なので皆さんの顔を見ることはできませんが、日焼けした元気な顔がそろっていることでしょう。休みが終わってしんどいなと感じる人も、だんだんと学校のリズムで生活できるよう、心と体の調子を整えて」と話した。
児童会代表の高芝新君(6年)は「川でクロールの練習をして、上手に泳げるようになってうれしかった」、倉地奏汰君(6年)は「川でテナガエビを捕り、祖母に天ぷらにしてもらった」と思い出を紹介。2学期で頑張ってほしいこととして▽友達を大切にする▽友達と力を合わせる▽最後まで諦めない―の三つを呼び掛けた。
通学路では「さわやか朝の声かけ運動」があり、教職員や市教委、子ども見守り隊、地域住民らが登校する児童・生徒に笑顔であいさつをしていた。
(2020年8月18日付紙面より)
那智勝浦町体育協会
第40回マクドナルド・トーナメント
警戒本部現地警戒所の開所式 (太地町 )
9月から始まる小型鯨類の追い込み漁を前に和歌山県警は5日、太地町多目的センター敷地内に新設された「和歌山県警察太地町特別警戒本部現地警戒所」で対策の警戒強化を行うための警戒所開所式を行った。反捕鯨団体への対策として2011年から毎年設置されており、今年で10回目。同警戒所では初の開所となり、来年3月まで設置する。
反捕鯨団体は過去にいけすの網の切断をはじめとし、12年に同町森浦にあるモニュメントの破壊、13、14年は執拗(しつよう)な追跡や写真撮影などの迷惑行為を行った経緯がある。昨年の漁期間中は国内外含む約70人の活動家が来町したが、大きなトラブルはなかったという。
漁期間中、警戒所では安全パトロール班7人が交代しながら1班2人で24時間を勤務。また、活動家には女性が多いことから、例年に引き続き安全パトロール班に女性警察官を1人配置している。
同本部では現在、団体の確認はないとしながらも、商業捕鯨が再開2年目となることや森浦湾の鯨類が観察できる海上遊歩道の供用が今年7月に開始されたことを受け、さらなる注意や警戒の必要性を示した。
開所式では太地町特別警戒本部の谷本克也本部長(和歌山県警察本部警備部長)、小畑博昭副本部長(新宮警察署長)らが出席。
谷本本部長は反対運動は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で不透明な部分があるとしながらも、イルカ漁に対する抗議活動は継続されていると示した。
重点として「違法行為の未然防止」と「関係機関との連携強化」を挙げ、「捕鯨などの関係者のみならず、太地町の住民が安心して仕事や生活ができるよう、対策に当たる全員が一丸となり最善を尽くしたいと考えている」と訓示した。
その後、部隊員である警察官らはパトカーに乗り込み、町内の巡回に出発した。
(2020年8月7日付紙面より)
新型コロナ対策会議 (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)は5日、新宮市役所で第1回「新宮市議会新型コロナウイルス感染症対策会議」を開いた。議員が新型コロナに係る市の対応や今後の支援策、方針などについて質問した。
同対策会議は、災害時における議員の役割や行動に関する「新宮市議会災害発生時対応要領」を基に、新型コロナのような大規模感染症の発生時にも対応できるよう要領の一部改正を行ったもので、6月定例会本会議において設置された。
開会に当たり、久保議長が「全国的に感染者が増え、近隣市町村でも感染者が確認されている。今週からは学校が夏休みに入り、来週にはお盆の帰省シーズンを迎える中、市民はこれまで以上に大きな不安を抱えている」とあいさつ。
当局が新型コロナに係る給付金や支援金の受け付け・給付状況について説明。また、今後の支援策について▽プレミアム付共通商品券の発行▽介護サービス事業者等支援補助金▽子育て世帯応援商品券配布事業▽新生児臨時特別定額給付金(仮称)―などを計画していると報告した。
プレミアム付共通商品券の発行は、新型コロナの影響で落ち込んだ地域経済と市民生活の支援を行う目的で、全市民1人当たりプレミアム率40%の1万円(1万4000円分)の商品券を販売するもの。市が全世帯に送る引換券をもってしての購入となる見通し。
子育て世帯応援商品券配布事業は、「子育て世帯への臨時給付金」の支援対象外となっている平成14年4月2日~平成16年4月1日生まれの子どもがいる保護者などを対象として1人につき市共通商品券1万円分を支給。
新生児臨時特別定額給付金(仮称)は、国の特別定額給付金の基準日を過ぎて、令和3年4月1日までに生まれた子ども1人に対し5万円を給付するもの。いずれも9月定例会で補正予算として上程する予定。
議員からは盆の帰省シーズンにおける感染拡大を危惧する声が多く、田岡実千年市長自らが防災行政無線で感染対策の徹底や、人権への配慮を呼び掛けるメッセージを発信すべきとの意見が上がった。
医療従事者が安心して職務を果たすための環境づくりや、感染予防対策を示した市独自のガイドラインの提示、面接制限が行われている介護現場における入居者や家族へのサポートなどを求める声もあった。
田岡市長は「新宮保健所管内では感染者はゼロだが、感染リスクはゼロではない。引き続き3密を避けることや手洗い・マスクの徹底を」と呼び掛けるとともに「誰が感染するか分からない中、感染者や感染が疑われる者が非難されるといった風潮が広がってしまうと、当人は医療機関の受診をちゅうちょしたり行動履歴を隠したりするようになり感染拡大につながる可能性がある。感染した人に対して励まし見守っていくことが終息につながっていくのでは」と思いを語った。
(2020年8月7日付紙面より)
管内、県内の交通情勢を報告 (南郡交対協 )
南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)の本年度総会が5日、御浜町役場であり、顧問の濱口裕史・紀宝警察署長が管内、県内の交通情勢(4日現在)と対策を報告した。
重大事故に直結する速度超過や信号無視、横断歩行者妨害など悪質危険な交通違反、あおり運転の取り締まりを強化し、歩行者保護に重点を置いた取り組み、反射材の配布活動も継続するとした。
管内では164件(前年同期比39件減)の交通事故が発生。交通量の多い日中の国道42号で多発し、前方不注視や安全不確認による追突、出合い頭事故が多い。死亡事故は発生していないが、転落や車と自転車の衝突、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの事故があり、予断を許さない状況にあるという。
横断歩道で止まってくれた車に対して児童が感謝の意を表する「止まってくれてありがとう運動」を実施しており、濱口署長は「横断歩道で止まらない車や住宅街の狭い道路でスピードを出す車を見掛ける。歩行者と車の事故は死亡事故に直結する危険性が高く、引き続き、住宅街での移動オービスを運用していく」と述べた。
県内では2万8020件の交通事故が発生。前年同期より5611件減少し、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としての外出自粛が要因とみている。
死亡事故は昨年、統計を取り始めた昭和29年以来最小の75人だったが、今年は45件46人で前年同期より6人増加した。このうち25人が高齢者で、17人が歩行中の事故で大半が夜間に発生し、反射材を着用していなかった。今後、高齢者の交通安全意識高揚を図り、死亡事故を減らすことが課題とした。
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副会長の西田健・紀宝町長、紀宝、御浜両町の議会議長ら20人が出席し、本年度の事業計画、予算を決めた。
同協議会は紀宝警察署管内の議会、老人クラブ連合会、小中学校、高校、県などで組織。昨年度は年4回の交通安全運動期間中、広報啓発活動、交通安全教室などに取り組んできた。
冒頭、大畑会長が「先月28日に御浜町で2人の陽性患者が出たが、その後の検査で濃厚接触者が陰性との結果が出た」と報告。「お盆を控えて交通事故の多発が懸念されるが、コロナ対策を講じながら新しい生活様式を踏まえて啓発活動を工夫したい。それぞれの立場でご協力を」と述べた。
本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、7月の「夏の交通安全県民運動」を中止したが、秋の全国交通安全運動(9月21~30日)、年末の交通安全県民運動(12月1~10日)は実施する計画だという。年間を通して、毎月11日に早朝街頭指導、子どもを対象にした交通安全教育などを行う。
(2020年8月7日付紙面より)
10月再開目標にし図書館 (串本町 )
串本町図書館が1日から、仮移転作業のため休館期間へ入った。仮移転先は地域保健福祉センター(町立体育館の隣)。公には10月ごろ移転先で開館としているが、内部的には10月1日(木)付の再開を目標にして作業を進めている。
この仮移転は、図書館がある施設(旧園舎)の敷地を年末までに地権者に返還するために実施。同館は津波が届かず町民の利便性を損なわない場所への移転を模索し続けているが、現時点で筋道はついておらず将来に本移転ありとして今回は仮と位置付けている。
同町教育委員会教育課社会教育グループによると、同センター1階の空き部屋(旧食堂)とロビーを仮移転先とし今月5日現在で整備工事はほぼ完了に達しているという。
他方、仮移転では下旬の搬出に向け計画的に蔵書の箱詰め作業を始めている。同館職員によると、元と先ではフロアの形状が異なるため改めて利便性の高い書棚の配置を決め、それに合わせて蔵書を並べる必要があるそう。相応にシステム面での準備も要するなどで、5万冊規模の蔵書や再活用する書棚の搬出よりもそれらの搬入の方が大仕事になるが目標にかなうよう進めたいと話していた。
移転元の施設は8月末までに空にし、9月以降に解体撤去して敷地を返還するという。
(2020年8月7日付紙面より)