cafeそらで手作り弁当 (美熊野福祉会 )
社会福祉法人「美熊野福祉会」の障害者自立支援施設「ワークランドそら」が運営する「cafeそら」(新宮市佐野)は、6月1日(月)から、一般向けに手作り弁当の販売と配達をスタートする。現在は試験的に一部行政機関や各種団体から注文を受けた分を利用者らが各所に配達。新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限される中、利用者からは「配達楽しい」などの声が上がっている。
「cafeそら」は「障害のある人の、働きたいという希望をかなえる場所」としてオープン。カフェの売り上げは、諸経費を除いて全て利用者の工賃となる。「皆にとって楽しい場所、憩いの場所、癒やしの場所」になることを目指して運営しているが、新型コロナの影響で4月後半からカフェを臨時休業としており、いまだ再開のめどは立っていない。
そんな状況の中、「仲間(利用者)たちが働く喜びを感じることができるよう」、手作り弁当の販売と配達をスタート。スタッフらが作った基盤に沿う形で、利用者らが一生懸命弁当作りや配達に努めている。
弁当はからあげ弁当やハンバーグ弁当など5種類(各700円)。コンセプトは「気持ちを込めて、目でも味でも楽しんでもらえるお弁当」。メインのほか、平均7種の総菜も全て手作り。仕入れや旬、彩りによって内容も毎日変えているという。ご飯大盛り無料。
基本的には2日前までに予約が必要だが、当日注文も相談に応じる。一つから配達可能。配達時間は火~土曜日の午前10時30分~午後2時。配達エリアは新宮市~那智勝浦町、太地町。
また、毎週木曜日は「北山村DAY!」と題し、利用者らが北山村に手作り弁当を配達する。
他にも「おそうざいセット」(900円)もあり、希望に応える形で対応していくという。今後は要望に応じてレディース弁当や新メニューも考案していく意向だ。
同福祉会の大代聖子さんは「カフェが再開した時には、より安心して喜んでもらえる環境を整えたい」と希望を語り、「職員一同、利用者さんに働く喜びを感じていただける事業所を目指しています。利用者さんが一生懸命作り、感染対策を徹底した上でお弁当を届けています。応援してあげてください」と呼び掛けている。問い合わせ、注文は同カフェ(電話0735・29・6010、FAX0735・29・6011)まで。
(2020年5月30日付紙面より)
ウミガメ保護監視員の委嘱式 (紀宝町 )
アカウミガメの上陸・産卵シーズンを迎え紀宝町は28日、同町ウミガメ公園で保護監視員の委嘱式を行った。任期は2年間で、保護監視員は萩野進也代表をはじめ、木村一樹さん、西昌志さん、前地敏久さん、杉浦利也さん、前地正喜さんの6人。6月1日(月)から産卵期の2カ月間、井田海岸で上陸がないかパトロールする。
同町はウミガメの産卵地として知られ、旧紀宝町で1988(昭和63)年7月1日に全国でも珍しい「ウミガメ保護条例」を制定。保護監視員を委託し、町ぐるみで保護活動を展開、旧鵜殿村との合併で誕生した新・紀宝町でもこの条例を引き継いだ。
式では西田健町長が保護監視員に委嘱状を手渡し「今年は新型コロナの影響で社会的閉塞(へいそく)感が漂っているが、ウミガメの産卵で元気を取り戻し、町をPRしてほしい」とあいさつした。
萩野代表は「七里御浜海岸、井田海岸にウミガメのシーズンがやってきた。御浜町ではすでに上陸が確認された。われわれは、地元の井田小学校の子どもたちが小さな命を大切にする情操教育の一環として保護活動に取り組んでいる。狭くなった海岸でもウミガメがやって来てくれる。そういう状況がある限り、保護活動を頑張っていきたい」と述べた。
今年も産卵した1頭分の卵を井田小学校のふ化場に移し、ふ化するまで児童が観察する。その他はこれまで同様、自然ふ化で見守る。
(2020年5月30日付紙面より)
高田川などに計36㌔ (熊野川漁協 )
熊野川漁業協同組合(大嶋邦嗣組合長)は29日、熊野川各支流にウナギの稚魚計36㌔を放流した。
毎年実施しており、稚魚は和深養鰻が育てたもの。放流したのは高田川、赤木川上流、赤木川下流、篠尾川、十津川敷屋、大塔川、音無川、四村川、三越川に各4㌔ずつ。
新宮市高田を流れる高田川では、熊野川漁協高田地区の後呂州亮理事と監視員の久保嘉信さんが、体長20㌢、体重40㌘ほどのウナギ約100匹を水温に慣らしてから放った。四方に散ったウナギは、岩の下などに潜っていった。500㌘の成魚になるには4~5年かかるという。
後呂さんは「天然ウナギは年々数が少なくなっている。放流して少しでも数を増やしていけたら」と語り、6月1日(月)のアユ漁解禁について「新型コロナウイルスは心配だが、高田川では密になることはないと思う。ぜひ楽しんでもらいたい」と話していた。
(2020年5月30日付紙面より)
【第13回】砂糖は子どもをキレさせる?
「白い砂糖は体に悪い」という話があるのをご存じですか?インターネットで「白砂糖」を検索すると、ゾッとするような「白砂糖は悪だ!」というような情報であふれています。中には砂糖を食べさせることで、キレる子どもが増えているというようなものもあります。
結論から言うと、これらの情報は真っ赤なうそです。「砂糖は急激に血糖値を上げるために、インスリンが大量に分泌されて、低血糖になるからイライラする」というような話が書かれていますが、これも全く根拠のない情報です。砂糖は炭水化物です。つまり、砂糖も、白米も、小麦も同じというわけです。血糖値への影響も同じです。でも、「ご飯が子どもをキレさせる」なんて話は聞いたことがないですよね。今日は、あまりにまん延してしまったこの「白砂糖」のお話をしようと思います。
砂糖にはさまざまな種類がありますよね。「黒糖」「白砂糖(グラニュー糖)」「三温糖」「和三盆」。茶色い砂糖は白い砂糖より、体に良いと思いますか?
砂糖は全て、サトウキビから作られます。サトウキビを細かく刻み、その汁を搾ります。そして、不純物を取り除くために石灰と一緒に煮るんです。ここまでは、全ての砂糖に共通した作業です。この第一段階で汁をそのまま煮詰めて、固めたものが「黒糖」です。同じようにこの段階で汁を煮詰めて結晶化させ、そこにお水を足して作られるのが「和三盆」です。この段階から、さらに不純物を取り除き、煮詰めて結晶化し、遠心分離器にかけてその結晶を取り出したものが「白砂糖」。その結晶をさらに煮詰めたものが「三温糖」です。
驚きませんか? 「三温糖」と「白砂糖」はほとんど作り方は変わらないんです。ミネラルが豊富といわれていますが、ほとんど変わりありません。「白砂糖は漂白されている!」なんていう情報もありますが、もちろんそれもうそです。それぞれ、味や風味が違う砂糖にすぎないのです。
世界保健機関(WHO)では1日の砂糖摂取量を、総エネルギーの10%未満にすることを推奨しています。でも、こんな論文もあります。「砂糖の摂りすぎはよくないが、適量摂取はむしろ情緒を安定させる。また、脳がエネルギー源として利用できるのはブドウ糖だけである。砂糖は摂取するとすぐに単糖類になるのでブドウ糖の良い給源である」(神戸大学大学院人間発達環境学研究科紀要「幼児の手づくりおやつと砂糖の利用」、2007年)疲れたときやイライラしたときに甘いものが欲しくなるのは、脳がエネルギー源としてのブドウ糖を求めているからで、とても理にかなっています。砂糖は、甘いおやつとして以外にも、和食の味付けや、食品の保水性や防腐効果もあります。どうか白砂糖の誤った情報に流されることなく、甘いものを上手に活用して、幸せな食卓をご家族と共有してください。そして、子どもたちに砂糖の役割を教えてあげてほしいと思っています。
(2020年5月30日付紙面より)
和歌山県で紀州みらいチケット
「お互い生き残りましょう。今の山を越えれば良くなったところが見えますから」―そう話すのは松竹新喜劇代表で、田辺市に事務局を置くボランティア団体「げんき注入!実行委員会」でも代表を務める渋谷天外(てんがい)さんだ。
新型コロナウイルスの影響を受け、経済的に疲弊する和歌山県内の飲食店や宿泊施設などを応援する目的で、同委員会が「紀州みらいチケット」を作成した。新型コロナ終息後に来店できるように据え置き期間を設け、料金を先払いするもので、客が事業者を支援する仕組みになっている。
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プレミアム商品券などのような特典は一切ない支援型の商品券。広島県内で実施されている「ひろしま飲食店未来チケット」を参考にし、同委員会が企画した。
2000円と5000円の2種類のチケットがあり、加盟店が販売する。購入店舗でのみ使用可能で、1回につき、1人1枚使用できる。使用期限は無期限となっている。
売り上げが減少した事業者にとって、チケットによる収入は当面の運転資金に充てることができる。11日から開始し、加盟店は現在、20店舗に上ったという。
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チケットの今後について渋谷さんは「フェイスブックなど会員制交流サイト(SNS)などで発信しているが、情報弱者の方にどう伝えていくかが課題。店舗を利用するお客さまの方からチケットの存在をお声掛けいただけたらさらに広がっていくはず」。
「コロナ終息など先が見えないのが現状。チケットはお客さまがお店を助ける仕組み。お店の方もきっと未来のお客さまに対し、おもてなしをしていただけると思う。お互いの絆も深まるのでは」と語った。
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同委員会のホームページでチケット加盟店舗の登録ができる。登録後はホームページ上に店舗の情報が掲載される。
なお、チケット販売の上限額は1000万円までとなっており、そのほかの詳細などはホームページで確認できる。
加盟希望やチケット購入などの問い合わせは、げんき注入!実行委員会(電話0739・34・2705)まで。
(2020年5月24日付紙面より)
相談件数200件超える (和歌山県消費生活センター )
和歌山県消費生活センターは22日、新型コロナウイルスの感染拡大に関連した相談が、4月末の時点で215件に達したとして、新型コロナを口実にした悪質商法や個人情報詐取に注意を呼び掛けている。
新型コロナに関連した相談が同センターに寄せられるようになったのは1月下旬以降。3月以降急増し、4月の相談件数は3月のほぼ3倍の155件に及んだ(5月15日時点の速報値)。
相談事例としては「通販サイトでマスク2箱をクレジットカード決済したが、届いたのはマスクの絵が描かれた2冊の冊子だった。メールで返品を申し出ると『1冊分の返品に応じる』と返答があり、納得できないことを伝えると受信拒否された」「6月に予定していた挙式の11月への延期を希望したところ、希望の時間には開催できないと言われたため解約を申し出ると100%の解約料が必要だと言われた」「県を名乗り、健康調査を口実にした不審な電話を受けたため、すぐに電話を切った」など。「特別定額給付金」に関連した相談も確認しているという。
同センターでは、市町村や総務省が▽現金自動預払機(ATM)の操作を求める▽受給に当たり、手数料の振り込みを求める▽メールを送り、URLをクリックして申請手続きするよう求める―などの行為を行うことは絶対にないとし、給付金に便乗した詐欺に注意を払う必要があるとしている。
消費生活全般に関するトラブルの相談は同センター(電話073・433・1551)、同センター紀南支所(電話0739・24・0999)まで。
(2020年5月24日付紙面より)
新宮市のタウンガーデンで
新宮市保健センター横のタウンガーデンで、皇帝ヒマワリが鮮やかな黄色の大輪の花を咲かせている=写真。本来より数カ月も早い開花に、同所の花壇を管理するボランティア団体「タウンガーデン」の平田裕子代表は「毎年秋から冬にかけて咲いていたのに」と驚きを隠せない。
皇帝ヒマワリは熱帯、亜熱帯の地域に広く分布するキク科の植物。日本では沖縄県で自生し、お茶としてたしなまれている。大きいものでは4、5㍍の高さになる。和名「ニトベギク」は、明治末に新渡戸稲造が日本に持ち込んだ説に由来する。
夏に咲くヒマワリが首をもたげるように花を付けるのとは異なり、皇帝ヒマワリは空に向かい真っ直ぐに花を咲かせる。タウンガーデンでは3年前に種を植え、現在は2㍍以上の高さとなっている。昨年は11月後半に花を付けていた。
(2020年5月24日付紙面より)