色とりどりの大絵馬完成 (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で26日、大絵馬作りが行われた。町内の子どもたち31人が参加。太地町在住で日本画家の土長けいさんが講師を務める中、子どもたちは好きな絵の具を用いて来年の干支(えと)「卯(う)」の絵馬を完成させた。
同神社における大絵馬作りは昨年に引き続き2回目。神社本庁の過疎地域活性化推進施策を受けており、今年は「町の平和と繁栄を願って子どもたちで大絵馬を描こう」をテーマに開催された。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。参加者が多かったことや、昨今のコロナ情勢を考慮し、子どもたちは「青」「赤」「黄」の3班に分かれて作業を実施。また、時間の短縮を図るため、ステンシル(型押し)の手法に挑戦した。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いた。
鮮やかな青系統のグラデーションをバックに子どもたちは、それぞれ好きな絵の具を選び、スポンジを使って同神社例大祭を象徴するササや干支のウサギを表現した。土長さんが仕上げを行い、カラフルに彩られた来年の絵馬が出来上がり。子どもたちは拍手で完成を祝った。
土長さんは「モチーフ(ウサギ)は小さいがいっぱい描いてもらった。大人数だったのでできる限り密にならないように工夫しました。好きな色を使ってもらって個性あふれる絵馬に仕上がったと思います」。
髙橋宮司は、子どもたちに「お正月には絵馬を見に来て。また来年の大絵馬作りに参加してください」と呼びかけ、「元気でにぎやかな絵馬が完成した。来年は良い年になると思います」と笑顔を浮かべた。
大絵馬と子どもたちがそれぞれ作成した小さな絵馬は、年末あたりに境内に掲げられる予定。
(2022年11月30日付紙面より)
串本ライオンズクラブ(串本LC、山形五六会長)が27日、串本町古座にある旧古座川病院跡地で第6回自動二輪車安全運転講習会を開き愛好者29人が県警察本部交通部交通機動隊からじかに指導を受けて安全運転の意識を高めるなどした。
自動二輪車の知識や技術を高めて交通事故防止を図ることを目的とし、年1回の頻度で実施。旧串本警察署の統合に伴い今回は新たに新宮警察署へ協力を求め、同隊と調整して実施日時を決め口コミで愛好者に参加を呼びかけた。
当日は串本LC会員18人と同署交通課の課員が場内安全の確保に献身。開会に当たり山形会長と同署の山本貴彦・串本分庁舎長があいさつし、以降は同隊の隊員4人が手分けして運転前点検の紹介や▽スラローム▽ちどり▽連続カーブ▽急制動―といった練習コースで指導を注ぐなどした。
各練習コースは公道を走る中ではほぼ経験できない内容ぞろいで、その無理のない練習を通して自身の運転の限界がどこにあるかを実感し、万が一その限界に直面しても対処できる向上を図るのが狙い。今回は急制動以外の各練習後にそれら内容が連続するロングコースを組み、向上を確かめる機会も取り入れた。
全体を指揮した同隊第一小隊第三分隊の西村将平分隊長は「一生懸命に練習し考えていただけたことで、今後は交差点などで自身の動き方が変わっているのを感じられると思う」と話し、その成果を生かして危険を解消しより安全な運転を楽しみ他の愛好者にも教え広めることを期待。この講習会を計画する中軸で愛好者の一人として参加もした串本LCの小森正剛・第一副会長は帰路でさっそく成果を実行するよう促して締めくくった。
(2022年11月30日付紙面より)
火災予防運動に伴い総合訓練 (新宮市 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)と市消防本部(垣内一男消防長)は27日、同市佐野の新宮港緑地で新宮地区総合訓練を実施した。熊野川町を除く、市内7分団団員と団本部91人、消防本部職員16人が参加。放水や礼式などの各訓練に取り組んだ。
訓練は消防団員が主体で実災害に即した訓練を行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的に毎年実施している。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
今年は秋の全国火災予防運動(9~15日)期間中の13日に行う予定だったが、天候不順のため延期に。なお、熊野川地区では延期日の20日も天候に恵まれなかったため、訓練は中止となった。
訓練開始に先立ち、田岡実千年市長が日頃の活動に感謝を伝え「地震発生時には津波や火災などにより多くの住民から助けを求められる事態になる。特に消火活動は消防団の皆さまの力がなければ対応できない」。
「皆さま方の存在は地域住民にとって大変心強く、寄せられる期待はますます大きくなっている」とあいさつ。
中谷団長は「市民の安心・安全のために対応力向上のため、訓練を重ねていきたい。自分で納得のできる訓練になるように」と呼びかけた。
新型コロナウイルス感染症の影響で春の総合訓練は中止となっており、約1年ぶりとなった今回の訓練では、発生が危惧される南海トラフ地震に対応するため、可搬式ポンプからポンプ車への中継送水・放水訓練を展開。機関運用や無線交信要領の習得に努めるとともに、団員間の連携強化を図った。
訓練礼式は、消防活動に必要な、厳正な規律と迅速かつ的確で秩序ある団体行動を身に付け、消防精神の錬成を図ることを目的に実施。団員らが職員から指導やアドバイスを受け、真剣な表情で訓練に取り組んでいた。
閉式に当たって、垣内消防長が「大きな地震が発生するといろいろな所で同時に火災が発生する。各分団が各担当地域で消火活動を行うことを考えておかないといけない。普段から地震発生を想定し、しっかりと訓練をしておく必要がある」と講評。
「準備のための訓練を、全体の目標として取り組んでいきたい」とさらなる協力を呼びかけた。
(2022年11月30日付紙面より)
世界道路交通犠牲者の日 (新宮市 )
11月の第3日曜日は「世界道路交通犠牲者の日」。紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵さんとその支援者、新宮警察署、第一生命株式会社和歌山支社新宮営業オフィスの社員らがこの国際デーに合わせて26日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で安全運転と交通死ゼロを呼びかける啓発活動を実施した。
犠牲者を追悼し、遺族の救済や交通犯罪予防の取り組みの重要性を啓発する国際デーで、2005年の国連総会決議で定められた。日本では、TAV交通死被害者の会(大阪府)が「黄色い風車」を統一アイテムとした運動を展開している。
当地方で活動の中心となっている中岡さんは、2018年12月14日に紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くした。家族と共に事故現場を訪れた中岡さんは、白い花と黄色い風車を手向け「犠牲者を悼み、二度と事故が起こらないよう願う心は世界共通。ハンドルを握る責任と命との重さを感じ、ドライバーの方々には安全運転を心がけてほしい」。孫の間部遙斗君(10)も「事故をなくすため、ちゃんと信号を守ってほしい」と思いを語った。
啓発活動では、買い物客たちに黄色い風車や12月11日(日)に同市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催される「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」のチラシなどを手渡した。
新宮警察署によれば、2022年に管内で発生した交通事故(11月25日現在)は、死亡事故3件、人身事故64件、物損事故約1250件。啓発に協力した第一生命の林田祥道オフィス長は「情報を頂き、地域の方々への呼びかけに協力させていただいた。私たち社員一同も、改めて日々の仕事で安全運転を心がけていきたい」と話していた。
(2022年11月30日付紙面より)
新宮の速玉祭・早船競漕 (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した出船区への表彰式が行われた。上り優勝を飾った王子区ほか、上り・下りの3位入賞区に賞状などが贈られた。
3年ぶりの実施となった今年の早船競漕。コロナ禍で練習機会が少ない中、9隻の早船が勢いよくスタートし、上札場(かみふだば)を目指す約1・6㌔のコースで競い合った。上りでは、王子区が15分50秒のタイムで競漕を制した。
上り①王子②阿須賀③丹鶴、下り①堤防②阿須賀③春日―が表彰を受けた。神職によるおはらいに続いて、王子区を代表して参列した山﨑聡光さんが玉串を奉てん。下地昌宏審判長から、上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金が、下り表彰では1位に賞状と盾、2、3位に賞状が贈られた。
各出船区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.LinkCorporationの椋野玲史代表取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。同社は例大祭斎行に当たり、御船祭の舞台となる上札場~下札場(しもふだば)、渡御ルート、御旅所周辺の整地にも協力した。
賞状を受け取った山﨑さんは「純粋にうれしく思う。コロナ禍だが、やるからには勝ちたいという気持ちがあった。ベテラン勢が多く、連携が取れていたと思う。来年も優勝を目指したい」。
下地審判長は競漕参加者をねぎらい「昨年から早船の修理などに協力いただいた」と関係者らに感謝。「来年もよろしくお願いします」と呼びかけていた。
例大祭の様子はドキュメンタリー映像として特設サイト「まつりと 日本のまつり探検プロジェクト」にて配信予定。QRコードを読み取るかhttps://matsurito.jp/jump/jump1にアクセスを。
(2022年11月27日付紙面より)
中学校統合場所など協議 (新宮市 )
新宮市役所別館で25日夜、「緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会」(板谷貴史・城南中育友会長)の第2回会議が開かれた。市から委嘱を受けた学校・教育関係者ら13人の委員が出席。保護者アンケートなどを基に意見交換を行った。
2007年、学校や幼稚園などの適正規模と配置などについて審議するために設置された市教育環境整備計画審議会は、多感な中学生の教育の充実や指導が難しくなることから、両校の2校を残すことを答申した。
そんな中、08年に市総合計画において、10年後には両校とも適正規模から外れることが予想されるとして、統合をしていく方針が出された。方針を受け、中学校統合について再度検討が行われたが、当時は統合により適正規模を大きく上回ることが予想されることから統合は見送りに。適正規模から外れる10年後をめどに再度検討することとなっていた。
現在の両校の生徒数は、緑丘中学校228人、城南中学校152人の計380人。千穂・丹鶴小学校、蓬莱・王子小学校が統合された小学校再編が完了した2013年度当時の489人と比較して109人(22・3%)減少している。学級数も緑丘中は8、城南中は6となっており、両校とも法律上の基準「12~18学級」、和歌山県基準の「9~18学級」の適正学級数を下回っている。
開催に当たり、速水盛康教育長が関係者らの協力に感謝を伝え「皆さまの意見や質問を伺いながら今後のスケジュール案作成につなげていければ」とあいさつした。
9月7日に開催された第1回委員会での委員らの提言を受け、市では9~10月にかけて緑丘・城南中学校、神倉・王子ヶ浜小学校の保護者らに対しアンケートを実施。配布対象世帯数778世帯中、86・88%に当たる676世帯から回収した。
質問内容は、望ましいと思う学級数や統合により期待される面・心配される面、新しい学校づくりに向けて必要な取り組みなど。統合する場合、統合後の中学校に適している場所に関しては現緑丘中は321世帯、現城南中が57世帯、「どちらでもよい」が19世帯などとなった。
統合に反対する意見としては▽問題を抱えている子どもが増えているのに統合する必要はない▽生徒同士で何かあったときに先生の目が届きにくくなるのでは―などがあった。
当局からアンケートに対する説明を受け、委員らは「保護者が何も分からない状況でアンケートを取っている。市の方針を説明していないから反対意見も出てくるのでは」「反対の人の不安を払拭していく必要があるのでは」「ある程度のたたき台を」などと意見。
速水教育長は「アンケートでは統合に対して『やや期待できる』といった意見が多く、望ましい学級数については3学級とする声が多かった。適正規模化を進めていくべきと裏付けられたのでは」。
統合後の場所を現緑丘中とする案で年度内にスケジュール案を作成していくとし「皆さんの不安を軽減できるように努めたい」などと理解を求めた。
(2022年11月27日付紙面より)
工事方法や内部の様子 (橋を架ける会 )
熊野川河口に橋を架ける会(会長=田岡実千年新宮市長)は25日、国土交通省と工事業者の協力の下、「新宮紀宝道路の現場見学会」として、熊野川河口大橋を見学した。会員や新宮市と紀宝町の職員など、約60人が参加。概要説明を受けた後、橋の上部や内部を見学した。
一般国道42号新宮紀宝道路は、紀宝町神内から新宮市あけぼのに至る、延長2・4㌔、幅員12㍍の自動車専用道路。熊野川河口大橋はその一部で、熊野川をまたぐ橋長821㍍の橋となる。熊野川河口大橋は新宮市側と三重県側の両方から工事が行われており、すでに橋脚は全て設置され、道路となる上部が両側から延びてきている。
見学に先立ち、国交省紀南河川国道事務所の渡邉泰伴所長があいさつ。「(熊野川河口大橋は)もう少しで橋桁がつながるところ。今日は橋の工法や、橋桁の中を見てもらえる。令和6年秋の完成に向けて頑張りたい」と語った。
田岡会長もあいさつ。「熊野川河口に橋を架ける会は、平成16年に組織。民間の方もおり、熱心に年何回か要望活動をしていただいたおかげで、このように夢の架け橋ができつつある。民間の方々の尽力のおかげで実現したと思う。これまで活動、ありがとうございます。見学会が有意義になることを祈る」と話した。
国交省の職員が改めて、工事の概要を説明。橋の上部はとりあえず来年の1月か2月にはつながること、その後も工事は続き、完成は2024年秋を目指していることなどが伝えられた。
この後、見学に出発。橋の上部を歩いて感触を確かめた。国交省や工事業者より「(新宮市の)最大津波高想定は14㍍だが、この橋の上は20㍍以上」などが紹介された。橋の内部にも入り、内部を貫通して引っ張るケーブルでコンクリートの重さを支えていることも解説を受けた。
新宮市蓬莱から訪れた、民間会員の70代男性は「素晴らしいし、すごい。橋の幅広さにびっくりしたし、中のケーブルも初めて見た。橋を造るのは大変と感じた。完成を期待したい」と話した。
(2022年11月27日付紙面より)
千穂第一地区福祉委員会 (新宮市 )
新宮市の千穂第一地区福祉委員会(玉置裕委員長)は25日、区内に暮らす65歳以上の住民を対象に、同市の神倉老人憩いの家で災害備蓄食品など100袋を配布した。
同委員会は住民同士の交流を目的に、サロンやホウ酸団子作り、神倉小学校への雑巾寄贈などの活動に取り組んでいる。例年は「ふれあいいきいき交流会」で住民が集う場を設けているが、新型コロナウイルスの再拡大を受け、物品の配布に切り替えた。
福祉委員たちは検温や手指消毒などの感染症対策を取りつつ、訪れた住人たちに乾パンやインスタント雑炊、水、カイロ、防災ブック、サロンの案内などを入れた袋を手渡していった。
会場では「お久しぶり」「元気やった?」と近況報告をする姿も見られ、平田利子さん(88)は「回覧を見て、近所の方3人と一緒に来た。普段から備蓄はしているが、それに加えようと思う」と語った。
玉置委員長は「今年こそ交流会を開きたいと思っており、残念ではあるが、少しでも生活や防災に役立ててほしい」と話していた。
(2022年11月27日付紙面より)
新宮市熊野川町の若もの広場で15日、「第13回ふれあいグラウンドゴルフ大会・熊野川」が開かれた。秋晴れの下、地域住民や市立熊野川中学校の生徒ら計131人が集い、和気あいあいとプレーした。
高齢者らの仲間・健康・生きがいづくりやひきこもり防止を目的に毎年開催している大会。熊野川区長連絡協議会、公民分館、ゆうゆうクラブ熊野川支部、福祉委員会、民生委員児童委員協議会などで組織する「熊野川ふれあい交流事業実行委員会」(木村康史・実行委員長)が主催し、市社会福祉協議会が後援
している。熊野川中学校の生徒22人も受け付けや審判、司会で運営に協力した。
木村実行委員長は「久しぶりに顔を合わせる人、毎日会っている人、いろいろだと思うが、最後の餅ほりまで楽しく愉快に交流して」。同中生徒会の中前幸太会長は「今日晴天に恵まれたのも、皆さんの日頃の行いが良いからでは。元気にグラウンドゴルフを楽しみましょう」とあいさつした。
参加者たちは4~6人のチームで8ホールを2周。芝生の難しいコースに「全然飛ばないねえ」「逆に行きすぎた」と盛り上がった。初プレーの中学生たちは、あさっての方向に飛んでいくボールに苦戦しながらも、チームの参加者らに教わって徐々にこつをつかんでいた。
終了後には、最高齢102歳の奥栗枝さんに特別賞が贈られていた。
(2022年11月17日付紙面より)
第24回西向子ども祭り (串本町 )
串本町立西向小学校で12日にイベント「第24回西向子ども祭り」があり、同校の児童やその家族、教職員や校区内の住民など地縁者が挑戦や鑑賞などを楽しみながら一体的に親交を深めた。
同校(山本隆介校長)と同校育友会(谷端純会長)が実行委員会を立ち上げて計画した親子・地域交流行事。毎年晩秋に開いていて、今年も新型コロナウイルスなど感染症予防のため餅つきやバザーの再開はできなかったが代わりに新規企画を取り入れて内容を充実し各自感染症予防の協力を求めて来場を呼びかけた。
今回も子ども祭りとミニ演芸会の2部構成。子ども祭りではわたがしやアイスクリーム、菓子つりや積み木、昔遊びや刺しゅう糸のミサンガ作り、共同制作「メッセージツリー」など各コーナーに分散して密集を避け、児童はチャレンジランキングと題して▽丸太きり競走(目分量で重量1㌔の切り出しに挑戦)▽ビー玉つまみ・皿うつし▽割り箸落とし▽空き缶積み〈新規〉▽ピンポンカップイン〈新規〉―に挑戦した。
ミニ演芸会では西向小1~3年生、4~5年生、6年生の3組がそれぞれ音楽発表をし、ゲストの県立串本古座高校吹奏楽部の演奏を鑑賞した。1~3年生と4~6年生別で同ランキングの成績上位発表もあり、拍手で達成者を称賛。実行委員会を代表して谷端会長が実施に対する協力への感謝を掲げ、引き続きの西向小への支援を呼びかけて締めくくった。
(2022年11月17日付紙面より)
朗読劇で知る地域の偉人 (神倉小学校 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で15日、一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)による東くめの朗読劇「鳩ぽっぽのものがたり~東くめさんと基吉さんのこと~」があった。5年生64人が観覧し、地域の偉人であるくめの功績を学んだ。
神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が同校と行う「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」に協力した。同協議会は、保護者OBやボランティア有志などの協力も得て、同校児童のふるさと学習を、学校とともに推進している。同日は、新宮市が輩出した偉人として西村伊作や佐藤春夫、くめを紹介する取り組みを行っている、熊野新宮ミュージアムが朗読劇を行うことになった。
朗読劇は、日本で初めて口語体で幼稚園唱歌を作ったくめと、その夫で幼稚園教育の研究者だった基吉の功績などを分かりやすく紹介するもの。出演者も市出身の米本有希さんが若年、早藤真里さんが晩年のくめ、西庄英二さんが基吉を演じ、向井莉加さんがピアノを担当した。
くめ、基吉の両者ともに、新宮市(当時は新宮町)の出身であること。くめが作る以前は子どもが口ずさめるような易しい口語体の歌はなかったことなどが紹介された。くめと基吉の会話として、口語体の幼稚園唱歌の誕生のいきさつを再現。くめが作詞、滝廉太郎が作曲を行い、「鳩ぽっぽ」が誕生したことを語った。
向井さんのピアノ演奏に合わせた、米本さんの歌唱もあった。「鳩ぽっぽ」のほか、くめ作詞の「お正月」「かちかち山」などを歌った。児童らは、朗読劇、歌唱のどちらも、熱心に眺め、静かに耳を傾けていた。
児童を代表して佐藤伶菜さんが「朗読劇を通して東くめの功績を学べた。子どもから老人まで誰でも知っている曲を新宮市の人が作ったことを誇りに思う」と感想を述べた。
(2022年11月17日付紙面より)
開運暦の発送作業進む (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。今月中に北海道から沖縄県までの全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、15日は髙木住職と髙木智英副住職ら4人が発送作業の追い込みに入った。
那智山開運暦はB6判32㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩(ぼさつ)のお前立ち像が表紙を飾る。
▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などに加え、来年完成予定の熊野信仰・山岳宗教のシンボルとなる行者堂の完成予想図も掲載されている。
この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。同寺では発送作業を終えた後は、祈とう札の準備や大すす払いなどの迎春準備に取り組むという。
髙木住職は「来年はうさぎ年で飛躍の年。新型コロナウイルス終息や世界平和、明るく穏やかな年となることを祈っている」と語った。
希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。
(2022年11月17日付紙面より)
新宮港で10機関がテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(委員長=久保浩也・東牟婁振興局新宮建設部長)は9日、同港三輪崎第4号岸壁で令和4年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、那智勝浦町、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロの水際対策における連携体制を強化した。
訓練は、テロ事案に対する関係機関の対応を相互確認するとともに、各機関の連携をより一層強化し、テロ関係事案に的確に対応することが目的。国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内から拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生、負傷者の救助と消火―の5項目を想定した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートから発砲があり、海保巡視船が威嚇射撃して不審者を逮捕。入国審査や手荷物検査では、追い詰められた不審旅客がナイフを振り回す場面があるなど、実践さながらを想定し行われた。
久保委員長は「新宮港は国際港湾施設として地域の産業・経済活動を支える重要な港。コロナ感染拡大の影響で国際のクルーズ船入港の実績はないが、入国制限の緩和などで訪日観光客が増加することが考えられる。訓練を通して、テロ対策の重要性・必要性を再確認するとともに、それぞれの組織のつながりの強化を」とあいさつ。
新宮港公安危機管理担当官の真部克彦・田辺海上保安部長は、関係各位の日頃の取り組みに感謝を伝え「ロシアのウクライナ侵攻など世界が混沌(こんとん)としているが、以前と変わらずテロは発生している。関係機関が一丸となって連携を強めお互いに高め合うことが必要」と訓練の重要性を訴えた。
訓練後には、副担当官の田原正士・新宮警察署長が「実践さながらの訓練で、各機関の連携が確認できる内容。非常に心強く感じた」と講評。
来年5月に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)や、大阪府で行われる関係閣僚会合、また25年に開催される大阪万博などに言及し「国際的に注目を集める行事は、テロの格好の攻撃対象となる可能性が考えられる」。
「絶対に新宮港からテロを敢行しようと画策する者やテロに利用される物を入れさせないという強い姿勢で国際テロ対策に臨む必要がある」と述べ、引き続いての各関係機関のより一層の連携強化とテロへの対処能力の向上を呼びかけた。
(2022年11月11日付紙面より)
宇久井小でアイスカービング (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童178人)で2日、氷彫刻家の小阪芳史さんによるアイスカービングがあった。チェーンソーやドリルで大きな氷から立体が作り出されていく迫力のショーに、子どもたちから拍手喝采が沸き起こった。
アイスカービングとは、氷から動物や花などの彫刻を削り出すアートで、制作・展示時間が短いはかなさも魅力の一つ。小阪さんはこれまでにも佐野柱松などで毎年パフォーマンスを披露してきた。
小阪さんは、四角い氷と色水を使って繊細な花を作って見せたり、ドライアイスの煙を吹きかけたりするパフォーマンスで子どもたちを楽しませた。重さ70㌔の氷を使った彫刻では、児童は「何ができるのか」とワクワクしながら完成を待ち、2匹のウミガメが現れると「すごい」「ファンタスティック!」と声が上がった。
「最初は真っ白で何を作っているのか分からなかったけれど、氷を切った瞬間にウミガメが現れてびっくりした」「甲羅の模様が繊細ですごいなと思いました」「解けてしまうなんてもったいない」との感想が聞かれた。彫刻は児童玄関に飾られ、下校時に触って楽しんでいた。
(2022年11月11日付紙面より)
少年少女発明クラブ11月講座 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、市福祉センターで11月講座「ホバークラフトに挑戦しよう」を開いた。市内の小学生の会員18人が参加。奥山均さんが講師を務め、子どもらはホバークラフト(水陸両用車)の仕組みについて学びを深めた。
発明クラブは全国各地で活動をしており、活動は県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
ホバークラフトとは、船体上部から吸い込んだ空気を下部に吹き込み続けることで浮上する乗り物。スカートと呼ばれる側壁の下部と水面または地面の隙間から常に空気が漏れ出ることで船体が空中に浮かび、平坦な面であれば地上・水上・雪上区別なく進むことができる。
飛行機やヘリコプターと同じ航空機に分類されるが、日本の法律では水上走行を主とすることから船舶に分類されている。
奥山さんが仕組みについて説明した後、子どもらは制作を開始。悪戦苦闘しながらも船体を作り、モーターとプロペラを搭載して仕上げた。完成後は試走させ、電池パックの位置を変えるなどバランスを整え、各自改良を加えていった。
市立神倉小学校4年の尾鼻凜さんは「楽しかった。難しくなかったけど走らせた時にぶつかって、それを直すのが大変でした」と話していた。
次回の講座は12月17日(土)、市役所別館での開催を予定している。
(2022年11月11日付紙面より)
紀南地域高等学校活性化推進協
県立木本、紀南両高校の在り方を検討する本年度4回目の「紀南地域高等学校活性化推進協議会」が8日、県熊野庁舎であった。委員を務める両校や地域の関係者が、アンケート結果を基に中学生、保護者が高校に何を求めているかを分析し、情報共有した。
2025年度に5学級規模の学びをスタートさせる必要があるため▽2校が統合して一つの校地で学ぶ(1校5学級規模)▽2校が連携して二つの校地で学ぶ(4学級+1学級)▽2校が独立して学ぶ(1校3学級+1校2学級)―を想定して協議してきた。本年度中に方向性を決める方針だという。
アンケートは熊野市、御浜町、紀宝町の中学2年生262人と中学1、2年生の保護者486人を対象に実施。
中学生は240人が回答(回収率91・6%)。「高校選択で重視することは」との問いに「通学しやすい」が31・3%だった。1学年当たりの学級数は、1学級(40人)、2学級(80人)、3学級(120人)がほぼ同数となった。学級数を選んだ理由として「多くの出会いに期待する」が半数を超えた。
保護者は415人が回答(回収率85・4%)。5学級規模での学校の在り方は「2校統合(1校5学級)」が44・6%、「統合せずそれぞれの学校で学ぶ(1校3学級+1校2学級)」が35・9%だった。
「2校統合」は▽生徒が少なくなっているので二つの校舎に分ける必要はない。部活動なども強くなる▽今のうちに統合したほうがよい―など、「統合せず」を選んだ理由には▽学力や進路希望に合わせた学習環境を整えてほしい▽2校とも特色があるのでそのままがいい―などの記述があった。
アンケート結果を基に、委員からは「少人数できめ細かに教育してほしいとの思いが表れている」「学級数は出会いへの期待、人数が増えることへの不安が反映されているのでは」「両校存続を望んでいる声が多くあると感じた」「選択肢が少なくなることは求めていないのでは」などの意見があった。
(2022年11月11日付紙面より)