公共交通再編に向け住民説明会 (新宮市高田地区 )
新宮市高田地区の新高田会館で14日夜、同地域における公共交通再編に関する住民説明会があった。地域住民ら約20人が出席。10月1日(土)からの実施を予定している公共交通再編の案について市職員から説明を受けた。
昨年度、市は同地区の公共交通に関してアンケートや意見交換会などを通して住民意見を聴取。交通事業者や関係機関と調整を重ね、住民意見などを基に再編案を作成。このたびの説明会を実施するに至った。
説明会開催に当たり、新谷嘉敏企画政策部長は、再編案作成に向けての地域住民の協力に感謝を示し「これまでご意見いただいた中でお示しできる案が完成した。社会情勢も変わる中、今後も意見を頂きながらより良い再編を目指したい」とあいさつした。
同地域の人口は3月末現在で245人(167世帯)、高齢化率は57・14%。現在▽路線バス高田線▽行政バス▽医療センター送迎事業(通院タクシー)▽熊野川診療所送迎事業▽買い物サロン―が主な移動手段となっている。
市が掲げる再編テーマは「既存交通の利便性向上による移動手段の確保」。地域公共交通の再編と生活支援の両面から交通課題への対応を目指す。
「行き先、便数が少ない」「運賃が高い」などが課題として挙がっていた路線バス高田線は、市街地の大型ショッピング施設を通過するルートに変更し現在の1日3往復を5往復に増便。高田―新宮駅間の上限運賃を500円とするなどの独自運賃を設定すると提案。
「自宅からバス停まで遠い」などが課題だった既存の行政バスは、運行範囲と便数、頻度の拡充による路線バスへの接続強化を図る。運行は同地区地域おこし協力隊が担う。
医療センター通院タクシー・熊野川診療所送迎・買い物サロンに関しては、運行内容のさらなる周知や行き先の拡充など利便性の向上について、高田支所や市社会福祉協議会の既存事業の中で地域住民と共に継続協議をしていくとしている。
市職員は既存交通の新旧比較表・路線図(案)などを示しながら説明。住民は「路線バスの利便性は上がるかもしれないが総合的には不十分だと感じる」「通院は地域の最大の課題。その問題に関してあまり対応されていないと感じる。乗り合いバスのようなものがあれば」「具体的なことが一つも聞こえてこない」などと意見した。
新谷企画政策部長は「今後どういったことができるのか、相談や検討をしていきたい」と理解を求めた。
(2022年4月16日付紙面より)
潮岬望楼の芝管理運営委 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝で11日、晩春恒例の芝刈り作業が始まった。芝地のほぼ全面を一刈りする内容で、ゴールデンウイーク(GW)明けまで段階的に続く予定。
この作業は、潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)によるGW中の同芝キャンプ場の有料開設に合わせた定例の手入れ。本年度は29日(金・祝)から5月5日(木・祝)までの期間で最初の有料開設をすることを今月12日の役員会で決め、それまでにテント設営場所として提供する芝地の東側を仕上げるため一足早く11日から着手している。
高齢者も多い同委員の体力と安全を考慮して一日の作業時間を休憩込み4時間までとし、回を重ねて段階的に刈り進める。作業時の人員は10人前後。有料開設の実施を決めるまでは同委員それぞれ愛用の草刈り機を持って旭の森周囲など遊歩道沿いの草を刈り、決定後の翌13日からはさっそく手押しの芝刈り機4台を投入して東側の芝刈りに取りかかった。田仲会長はまだ作業序盤だが東側の芝刈りは順調に進んでいると話し、新型コロナウイルスの情勢により3年ぶりとなるGW中の有料開設に意気込んでいる。
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同芝キャンプは本年度から無料開設を取りやめ、有料開設期間のみ設定。小学生以上1人1泊1000円(日帰りや車中泊も含む)の清掃協力金と引き換えに、環境省の許可に基づいて望楼の芝の東側でテント設営場所を提供し受付で配布したごみ袋でキャンプごみを引き受ける(分別出しが条件)。
清掃協力金は、同芝キャンプ場専用駐車場(望楼の芝の北東に位置)そばで期間最終日前日まで午前8時~午後5時に設置する現地受付で対応。先行で期間前日の午後4時から利用でき、田仲会長は夕方に自ら待機するので1泊分を納入してほしいという。
同芝キャンプ場の問い合わせは町産業課(電話0735・62・0557、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。
(2022年4月16日付紙面より)
旧串本は微減、本宮は減 (観光入込客数 )
和歌山県はこのほど、2021年観光客動態調査(速報値)を発表した。本紙エリア内では対20年比で、観光入込客の総数、日帰り、宿泊のいずれも、那智勝浦町が微増、旧串本町が微減、田辺市本宮町が減となった。
那智勝浦町は、総数で5万9530人、日帰りで3万2143人、宿泊で2万7387人のプラスとなった。対20年比で順に、107・1%、105・3%、112・0%となる。
微増の理由について県は「火災で一時閉館していた温泉旅館が、リニューアルオープンしたのが一要因ではないか」と分析している。
しかし他方で、19年比は66・0%、64・8%、69・4%となっており、コロナ禍の深刻さがうかがえる。
旧串本町は、総数で4253人、日帰りで609人、宿泊で3644人のマイナスとなった。対20年比で順に、99・6%、99・9%、98・7%。対19年比は70・5%、78・5%、53・5%となっている。
田辺市本宮町は、総数で38万970人、日帰りで36万6300人、宿泊で1万4670人のマイナス。対20年比は71・5%、70・9%、81・0%という結果になった。
県はこの理由を、集計が「年度」ではなく「年」のためと考えている。20年の数字は20年の1月から12月までの集計で、20年1月はまだぎりぎり、コロナ禍の影響が本格化する前。熊野本宮大社への初詣客が多数訪れていたため、これが加算されている。対して21年の1月は、コロナ禍で初詣客は激減し、集計に大きく影響した。
なお対19年比は、50・9%、51・6%、43・0%となった。
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21年の外国人宿泊客数も発表された。本紙エリアでは対20年比で、新宮市が44・1%、那智勝浦町が8・1%。コロナ禍による激減の度合いが鮮明となった。
(2022年4月16日付紙面より)
熊野那智大社が救援金箱設置 (那智勝浦町 )
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く現状を受けて、熊野那智大社(男成洋三宮司)では現在、本殿前にウクライナ人道危機救援金箱を設置している。
これまでも熊本地震、九州北部豪雨や西日本豪雨の被災地などへも義援金の支援に取り組んでいる同大社。
今回も人道支援のために先月中頃から箱を設置。期間は5月のゴールデンウイーク明けまでを予定しているという。集まった救援金は町を通じて、日本赤十字社に寄付を行うとしている。
神職らは「われわれは祈ることが使命です。こういうときだからこそ、取り組ませていただいております。参拝の際にはお気持ちでご協力いただけましたら幸いです」と話していた。
(2022年4月16日付紙面より)
18歳からカーローン可能に (新宮信用金庫 )
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が1日、施行された。新宮市大橋通に本店を置く新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)では、「カーライフプラン」(マイカーローン)の契約の対象年齢を18歳以上に引き下げた。
これまで▽1人暮らしの部屋を借りる▽クレジットカードを作る▽高額な商品を購入したときにローンを組む―といったとき、未成年者の場合は親の同意が必要だったが、民法の改正により18歳以上で親の同意がなくても上記契約や進路決定などが自分の意思で行うことが可能となる。
そんな中、多くの金融機関が返済できなくなるリスクがあるとして、ローンの対象年齢を据え置きの20歳以上を条件としているが、同信金では公共交通機関が少ないなどといった地域の実情を踏まえ、カーローンのみ対象を18歳以上に引き下げて契約できることを決定した。
引き下げに伴い、18歳以上から新車や中古車、バイクなどの購入のほか、免許取得や車検・修理、車庫設置などの用途で融資を受けることが可能となる。
営業推進部の口地耕司部長と審査部の濵口康夫課長は「お金を使うということにはいろいろな責任が生じてくる。その辺の周知を含めて丁寧に対応していきたい。収支のバランスなどを考慮して審査をしていく」とし、「人口減少の中、地元で働きたいといった若い人たちを応援していければ」と話していた。
(2022年4月6日付紙面より)
県割引プランが開始 (那智勝浦町も期待 )
和歌山県民向けの旅行割引制度「わかやまリフレッシュプランS」が、4月から利用可能となった。本紙エリア内の主要観光地である那智勝浦町も、同プランによる入り込み観光客数の増加に期待を寄せる。
同プランは、コロナ禍で落ち込む観光業界を支援するための県の施策。県民限定で、県内の総旅行代金の2分の1以内、1人1泊当たり最大5000円を補助する。利用期間は28日(木)までとなっている。
同町の観光企画課では4日現在、まだ始まったばかりのため、同プランによる入り込み客数は未集計となっている。ようやく、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除となったこともあり、今後の動向に注目している。
また同町では3月に、初のオンライン開催となった「まぐろ祭り」(同運営委員会主催)が、目標の10倍を超える申し込みを集めるなど、盛況となった経緯がある。このため同課では「今度はリアルで来てもらえるように頑張りたい」と意気込む。
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他方で、肝心の同プランの申し込みは、予定の応募数を大幅に下回った。このため県は、3月31日までとしていた募集を、4日から追加募集とした。
チケットはもともと、約1万6000人分を用意していたが、応募は約6500人分にとどまった。本来は応募があふれ、抽選を行う予定だったが、3月末現在での応募者全員が当選となった。
(2022年4月6日付紙面より)
本年度の稚アユ放流実施 (古座川漁協 )
古座川漁業協同組合(大屋敏治代表理事組合長)が5日、管内流域4カ所(佐本、三尾川(みとがわ)、明神、小川)に分散して稚アユの放流に取り組んだ。
県内水面漁業協同組合連合会の事業委託による、管内の資源増強を目的とした春恒例の取り組み。天然アユの砕波帯調査や遡上状況を目安にし、今年は例年並みの1・5㌧を1㌧と0・5㌧の2回に分けて放流する計画を組んでいる。
今回の放流量は1㌧で、同連合会から届いたのは紀ノ川漁業協同組合で中間育成した体長おおむね10㌢の稚アユ。当日は大屋組合長(65)と理事や組合員有志が4組に分かれて3台の輸送車を迎え、あらかじめ定めた放流場所へホースを伸ばして分散放流した。
今年の天然アユの遡上は断続的だが昨年よりは良好との判断をしていて、引き続き理事ら組合員も各所で魚影を確認しながら状況を見守るという。大屋組合長は「県内水面漁連から届いた稚アユは思っていた以上に大きく形もそろっていて、これが解禁時にどうなるかを楽しみにしている。今年も大勢の皆さんに古座川へ訪れていただけたら」と放流の成果を期待した。
古座川漁協管内のアユ漁の次の漁期は6月1日(水)~12月31日(土)で、友釣り漁から順次解禁となる。漁時は同漁協
が遊漁料と引き換えで発行する鑑札が必要(18歳以下は無料だが、証明書を提示して発行を受ける必要がある)で、詳細は同漁協公式ホームページの遊漁規則を参照。問い合わせは同漁協(電話0735・72・3800)まで。
(2022年4月6日付紙面より)
宇久井海と森の自然塾 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井半島で自然保護活動を展開する「宇久井海と森の自然塾」は3日、環境省宇久井ビジターセンター園地内でのタケノコ掘りや休暇村南紀勝浦での温泉入浴、タケノコ料理がセットになった体験行事「竹の子ウオッチング&温泉入浴」をスタートさせた。
初日には小雨の中、近隣市町村から7人が参加。同塾運営協議会のメンバーと共に、かつては里山の棚田だった園地内のモウソウチクの林に入り、地面から顔をのぞかせているタケノコを掘り起こして汗を流した。
新宮市佐野から参加した70代女性は「友人に誘われて2回目の参加。慣れないつるはしを使って汗が出ました」。一緒に参加した友人は「掘ったタケノコは、ワラビと一緒に炊いて食べようと思う」と話していた。
4月中は10日(日)、17日(日)にも開催予定で、20人以上の団体は月・金・土曜日の開催も可能。参加費は大人2500円、中学生以下2200円。10人以上の団体は大人2200円、4歳以上中学生以下2000円。申し込みは、開催日2日前午後5時までに、ビジターセンター内の自然塾運営協議会(電話0735・54・2510)まで。水曜日休館。
(2022年4月6日付紙面より)
新宮神社でさくら祭り (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内にある新宮神社で3日、例祭(さくら祭り)が執り行われた。大社崇敬会の杉本義和会長や敬神婦人会の久保あや子会長たち約30人が参列。桜の枝を玉串として奉奠(ほうてん)し、春の訪れを祝った。
新宮神社は1907(明治40)年、神社合祀(ごうし)令により、新宮町内にあった18社18柱の祭神を大社境内の金刀比羅(ことひら)宮に合祀したのが始まり。中でも最も位の高い渡御前(わたりごぜん)社の主祭神・神武天皇の例祭に合わせて、毎年4月3日に営まれている。
同神社は2019年に御代(みよ)替わりの年の記念事業として修復工事を実施した。鬼瓦と拝所の瓦は、当時(江戸時代のものとされる)のものが利用されているという。
祭典では小雨の中、上野宮司が祝詞を奏上。その後、参列者が桜の枝を手に玉串をささげていった。この日は雨天のため、巫女(みこ)たちによる舞の奉納は取りやめとなった。祭典終了後には、関係者らによって参拝者らに厄払いの餅が配られた。
上野宮司は「あいにくの天候となりましたが、無事に滞りなく神事を終えることができました。新型コロナウイルスの影響が厳しく、まだまだ油断できない状況にある。不安でつらい日々が続く中でも希望を持ち、いい一年となるよう願っています」と話していた。
(2022年4月5日付紙面より)
4月上旬から運用予定 (太地町 )
太地町に3月30日、町営じゅんかんバスの新車両が1台納車された。町公民館駐車場では車両を販売した和歌山トヨタ自動車株式会社新宮店の玉置直人さんらが町職員に対し、車載装備などを説明した。4月上旬から運用される予定。
じゅんかんバスは2001年に運行が開始され、町民の意見や周辺道路網の変化などにより時刻および経路の改編を行ってきた。町には路線を一般的な形で走行する通常タイプ(大型)のバスと、手を上げた場所から乗車できる自由乗降タイプ(小型)の2種類がある。
今回の車両は14人乗りのハイエースコミューターで自由乗降タイプに使用される。目立ちやすい青色のカラーリングに加え、高齢者が利用しやすいように手すりや補助ステップを設置。車内放送用マイクも完備した。旧車両と併せて運行されるが、この車両をメインとして使用するという。購入費用は476万5880円。
デザインを手掛けた太地町立くじらの博物館の中江環副館長によると、町を象徴する「イソヒヨドリ」「ハマセンダン」「ハマユウ」が描かれており、きれいな海と自然豊かな山の緑に加えて、降り注ぐ太陽やセミクジラ、コビレゴンドウが囲むシンボル的なデザインになっているという。
中江副館長は「町から依頼を頂いた。太地町の象徴的なものを組み合わせてデザインしました。町民の皆さまや観光客の方々にもなじみやすいものになればうれしいです」と話した。
三軒一高町長は「町民の皆さまに気付いていただけるように目立つ色にしてほしいとお願いしていた。今後は自動運転のカートも整備していきます。一つ一つ進歩していけるように努めていきたい」と語った。
(2022年4月5日付紙面より)
子ども会チーム対象に大会 (串本町 )
串本町立体育館で2日、子ども会のドッジボールチームを対象にした交流大会があり、町内外の3チームが総当たり戦や対抗戦で試合に臨んだ。
新型コロナウイルスの情勢によりドッジボール競技による交流を目的とした県大会が2年続けて中止となり、とりわけチームの準主力(=主に5年生)、主力(=主に6年生)として練習を続けたが活躍の機会がない状況はかわいそうだと感じた東牟婁地方子ども会連絡協議会が今年2月の郡大会実施を計画したが、これも県へのまん延防止等重点措置適用で実現できず。
諦めきれない指導者陣は郡大会の会場地・串本町の教育委員会に交流会の実施を掛け合い、年度をまたぐ形となったがこの日の活躍の機会創出へとこぎ着けた。
急きょ実施で常連団体の一部は参加が間に合わなかったが、当日は潮岬と太地、競技熱が高まり昨夏結成した大島の3チームが参加。ウオーミングアップを経て総当たり戦をし、その後は3チーム混合で即興チームを作り6年生対5年生、5年生以下対5年生以下の試合にも臨んだ。
6年生対5年生の1セット目は6年生が圧勝し、2セット目は接戦となったが僅差で6年生が勝利。潮岬の6年生(現・中学1年生)メンバーは「5年生は強かったけど、まだまだ強くなれると思った。潮岬は今日の試合で全勝したけれど、みんなが強くてチームワークも良かったからだと思う。下級生も努力とチームワークで頑張ってほしい」と話し、下級生の対抗戦を見届けた。
閉会に当たり指導者を代表して山本誠士さんは最高学年が実力を託す良い機会になったとし、この交流を励みにしてこれからも楽しんでドッジボールに挑戦してほしいと呼び掛けて締めくくった。
(2022年4月5日付紙面より)
2年ぶりの餅まきも (大勝浦「弁天祭」 )
那智勝浦町の大勝浦地区にある弁天島の例大祭「弁天祭」が3日、大勝浦漁民集会場であった。弁天島保存会(猪飼伸、宏(こう)両代表)など17人が参列、商売繁盛や大漁、芸能上達などを祈願した。2年ぶりの餅まきもあり、にぎわいを見せた。
本来は弁天島で営まれるが、雨天のため会場を移した。またコロナ禍の影響で、昨年は保存会の役員5人だけが参加して神事のみ実施、餅まきもなかった。今年は場所こそ移したが、例年通りの内容での実施となった。
祭壇には旬の野菜や果物のほか、マグロも供えられていた。勝浦八幡神社の髙橋正樹宮司が神事を担当し、祝詞を奏上。参列者が順次、玉串をささげて祈った。
髙橋宮司は、玉串の意味を説いたほか、同じ祭りを毎年続けられることを「ありがたい。コロナ禍の時代だからこそ、余計に感じる。これが日本の伝統」と伝えた。
餅まきでは、約30人の近隣住民が集まっていた。保存会の会員らが、約50㌔の餅と、袋に詰めた菓子を盛大にまいた。集まった住民らは、歓声を上げて餅や菓子を集めていた。
伸代表(43)は「大阪から毎年来てくれる人が、遠方にもかかわらずまた来てくれた。弁天祭も無事終わり良かった」と感想。
宏代表(41)も「雨で場所は変わったが、例年通りの弁天祭ができて良かった。餅まきも喜んでもらえたし、菓子まきは初めてだったが、子どもらが喜んでいて良かった」と話した。
弁天島は古くから「勝浦三景」の一つに数えられる景勝地で、島には「白蛇弁天」が祀(まつ)られている。パワースポットとしても注目を集め、コロナ禍の前は弁天島を目指す外国人観光客の姿もあった。
弁天祭はこの弁天島を会場に、1年で最も潮が引く旧暦の3月3日に合わせて実施している。好天なら干潮時には磯伝いに歩いて島に渡ることができる。
(2022年4月5日付紙面より)