雨天初の「扇立祭」斎行 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」が営まれた。神職が速玉宮前で高さ1・5㍍、幅1・65㍍の檜扇(ひおうぎ)を開帳。奉賛会役員や関係者らが新型コロナウイルス終息や無病息災、家内安全などを願い神前に玉串をささげた。雨天での斎行となった今回は、各殿用全ての檜扇が拝殿にまつられた。
熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ祭り。神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願い始まった。
室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物。現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら花鳥風月が描かれており、「熊野檜扇」と称される。
祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもの。本殿用は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製したものとなっている。
今年の扇立祭は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から神事のみを斎行。上野宮司が新型コロナや自然災害の終息などを願い祝詞を奏上し、巫女(みこ)らが「扇舞(浦安の舞)」を奉納した。
例年では雨天の場合は祭りを順延。晴天日に各殿にて6握の檜扇を開帳するが、7握全ての檜扇が拝殿でまつられるのは初めてという。
神事を終え、上野宮司は「7月14日は古来から伝わる大切な日。この日に合わせて檜扇を開帳できる喜びをかみしめている。檜扇に宿る神様の風によって疫病を払い除いていただければ」。
また、各地で甚大な被害を及ぼしている豪雨災害に関して「祭りの最中にも被災者は苦しんでいる。一日も早い復興を願うばかり」と、祝詞に込めた思いを話した。
(2020年7月16日付紙面より)
スポーツボイス教室始まる (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会生涯学習課は14日夜、同町天満の体育文化会館で本年度初のスポーツボイス教室を開催した。紀宝町在住でスポーツボイス公認インストラクターの森まりかさんが講師を務め、約30人が音楽に合わせて発声しながら楽しく汗を流した。
スポーツボイスは声帯や咽頭筋、呼吸をつかさどる横隔膜や内臓を支える腹横筋など、全身の筋肉を動かしながら声を出す運動。誤嚥(ごえん)防止や代謝向上などの効果もあり、介護予防にもつながるとされており、昨年度から定期教室として始まった。コースは「しっかり」と「ゆったり」の2種類があり、12月まで各13回ずつの開催を予定している。
この日は「しっかりコース」が行われた。参加者はストレッチで体をほぐすと、音楽に合わせてハミングしながらウオーミングアップを開始。普段あまり使うことがないとされる顔や顎周辺の筋肉をしっかりと動かし、森さんから「顔ではなく鼻を動かす」「声帯が壊れやすくなるので声は出し過ぎない」などの説明を受けながら約1時間かけて全身運動や喉の使い方、息の吐き方などを体験した。
町内在住の20代女性は「初めて参加させてもらいました。腹式呼吸で体の軸を捉えるのが難しかった。今後はしっかりと自分の体と向き合おうと思いました」。森さんは「たくさんの方々が参加してくれ、初心者や若い人も来ていただきうれしかったです。スポーツボイスは子どもから大人まで簡単に取り組める。この教室を通して各家庭でも継続して実践してもらえれば」と話していた。
(2020年7月16日付紙面より)
「木高百年史」を発行
県立木本高校とPTA、同窓会で組織する木本高校創立100周年記念事業実行委員会(久保治也委員長)はこのほど、創立から現在までの歴史をまとめた「木高百年史」を発行した。
創立100周年の記念事業として、実行委員会が3年前から準備を進めてきたもので、70周年、80周年記念誌を引用した。
木本高校は南牟婁郡立高等女学校、県立木本中学校が設立された1920(大正9)年から数え、今年100周年を迎えた。48(昭和23)年には木本中学校、南牟婁高等女学校を統合し、三重県木本高等学校が設立された。55(昭和30)年、県立木本高等学校の校名に変更し、71(昭和46)年から77(昭和52)年にかけて現在の新校舎が完成した。
百年史では、創立からの歩みや通学風景、学校生活を写真とともに紹介。戦時中の集会風景や慰問袋調製の貴重な写真も掲載した。卒業生が当時の思い出もつづった。
8月30日(日)まで熊野市文化交流センターで販売中(1冊1700円)。郵送の場合は百年史購入希望と記入し、郵便番号、住所、氏名、電話番号を添えて同校へFAX(0597・85・2002)で申し込む。後日、郵便振替の案内書を送付する。郵送の場合は1冊2000円。
久保委員長は「当時の先輩方の学校建設に対する大変なご苦労を百年史で再確認していただければ幸いです」と話している。
(2020年7月16日付紙面より)
街頭で「歩行者優先」呼び掛け (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は15日、新宮市橋本のイオン新宮店南側の横断歩道で、「横断歩道における歩行者優先」を呼び掛ける街頭啓発を実施した。歩行者や駐車場利用者らに啓発物資を配布するとともに、通行する車両に対し交通ルールの順守を訴えた。
住民に対し「歩行者優先」の交通ルールを浸透させ、歩行者に被害が及ぶ交通事故を防ぐことを目的に管内で初めて実施。「横断歩道における歩行者優先」は現在実施中の「わかやま夏の交通安全運動」(20日まで)の重点項目でもある。
新型コロナウイルス感染予防の観点から啓発物資は持ち帰り方式で配布。警察官5人が「横断歩道歩行者優先」などと書かれたプラカードを掲げ、広く呼び掛けを行った。
昨年、和歌山県内では33件の死亡事故のうち3件が横断歩道横断中に発生。人身事故1859件中、53件が横断歩道横断中に起こった。管内では昨年の死亡事故件数2件のうち1件、人身事故47件中2件が横断歩道横断中に発生している。
また、日本自動車連盟(JAF)が2019年に全国で行った「信号機のない横断歩道における車の一時停止率調査」によると、和歌山県は8・90%でワースト10位(ワースト1位は三重県)。18年調査では1・40%と、三重県と並んでワースト3位だった。
上畑充史交通課長は「管内では昨年、横断歩道を渡っていた高齢者が亡くなる事故が発生している。歩行者に安全に横断歩道を渡ってもらうことは子どもや高齢者を守ることにもつながる。啓発を通して歩行者優先が浸透していく社会を目指していけたら」。
また、今年は先月15日時点で県内で6件の死亡事故が発生しており、うち2件が横断歩道以外の横断中に起こっているとし、歩行者に対して「無謀な横断をせず、きちんと横断歩道を渡ってもらえれば」と話していた。
(2020年7月16日付紙面より)
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とう、先祖供養法要があった。例年、多くの参拝者が集まるが、本年は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から規模を縮小した。髙木亮英副住職らが護摩をたき上げ、人々の幸せや無病息災、コロナ終息などを祈った。
世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、髙木副住職らが読経し、護摩壇で祈とうが行われた。
開帳法要はこの日も含め、1月27日の立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)、5月17日の渡海上人供養の春まつりの年3回営まれている。
髙木副住職は「本日は土用の月に当たり、今日お参りするとご本尊の御利益を頂き、4万6000日参ったことになるありがたい日。規模を縮小して実施したが、遠方からもご参拝に来ていただいた。感謝しています。国内外ではウイルスなどがはびこっているが、終息と皆さまの幸せをお祈りさせていただきました」と語った。
(2020年7月11日付紙面より)
未使用布マスクの回収ボックス (新宮市社協 )
新宮市社会福祉協議会(田中信秀会長)は9日から同市野田の福祉センター内、1階事務所入り口前に不要マスクの回収ボックスを設置している。同協議会では「持って来られない方は、連絡をいただければ取りに伺いますので、ご協力よろしくお願いします」と呼び掛けている。
不織布や手作りマスクの普及に伴い、地域住民から「現在は必要ないため、回収してもらえる場所はないか」「余ったマスクを必要な人に届けることはできないか」などの問い合わせがあったことを受け、政府から配布されたものや手作りの布マスクを対象に実施。未開封・未使用品のみで、手作りマスクについては個包装のものに限る。回収したマスクは枚数に応じて必要とする組織や団体、社会福祉施設などに配布する。
同協議会の西典久部長は「最近ではどんなときでもマスクは必需品となってきており、中には必要としている方もいると思います。うまく地域で行き渡り、多くの人が有効活用できれば」と話していた。
受付期間は8月31日(月)までで、時間は平日午前8時30分~午後5時15分。郵送でも可。問い合わせ・受け付け先は社会福祉法人新宮市社会福祉協議会(〒647―0041 新宮市野田1の1、電話0735・21・2760)。
(2020年7月11日付紙面より)
誰もが利用できる休憩所 (那智勝浦町 )
那智勝浦町在住の女性から弊社宛てに手紙と写真が届いた。同町市野々の工事現場付近に建てられた休憩所と仮設トイレが誰でも使用可能なことに感動したという内容だった。
休憩所は木製のあずまやになっていて、雨や日光を防いでくれる造り。テーブルや椅子が置かれ、所々に造花が飾られており、くつろげる空間となっている。トイレは熱中症対策や快適な利用を含め、冷暖房が完備されている。
この休憩所は「那智川平野川他流域整備工事」を実施する同町の井筒建設株式会社が設置したもの。同社によると、工事関係者だけでなく、熊野古道を歩く人々や近隣住民らにも利用してほしいという思いがあるという。令和3年1月末までの工事期間中の設置となるが、喜ぶ声は多い。同社の工事担当者は「近くを通った際は、どなたでも気軽にご利用ください」と話している。
市野々区の長雄正紘区長は「JR那智駅から大門坂までトイレがなかった。今、町が神社近くにトイレを建設予定だが完成までもう少しかかる。古道を歩く人や地域住民が皆、施設とトイレを喜んでいる。区としてもありがたい」と話した。
女性からの手紙には「町内の業者さんが熊野古道を歩く人のために作ったと聞きました。素晴らしい思いやりの行動を見つけてうれしかったです」とつづっている。このほか、町内には大門坂付近にも新宮市の夏山組が誰でも利用できる休憩所を設置している。
那智勝浦町は観光が主力産業の町。新型コロナウイルス終息後に訪れる多くの観光客のためにも、細かく小さなところにも気を配り、手が届くことは重要な要素であろう。
「思いやりの気持ち」はそれらの仕組みを補完する大事な役割を果たすのではないだろうか。
(2020年7月11日付紙面より)
人見建設が社を挙げ貢献 (串本町 )
串本町串本にある株式会社人見建設(人見健一社長)が9、10日の2日間、社を挙げて橋杭海水浴場の清掃奉仕に取り組んで整然とした砂浜を取り戻した。
地域貢献の一心で役場産業課に申し出た奉仕活動。1週間ほど前から社員全員で仕事の段取りをつけ、奉仕のための2日間を確保して実施にこぎつけたという。
後に請け負う工事の関係で砂浜の現状を事前に把握していた同社は、9日にショベルカー4台と運搬用トラックを投入。9日は社員15人がかりで人の力では動かし難い流木から順に対処し、重機で砂浜から引き上げ撤去した。翌10日もできる限り細やかに漂着ごみを拾い集めて奉仕を完了した。
人見社長(62)は「今年は海開きをしないと思っていたがすると聞き、その時は『こんなんでできるんか。ごっつ汚いし』と思った。地元の会社として何か地域貢献をしたいという思いはかねてあったし、町はまたお金を出して掃除をするみたいに言っていたので、それやったらタダでもいいからうちにやらせてほしいと申し出た」といきさつをコメント。
「自分も昔から健康のためにここを歩いているが、この(清掃前の)砂浜へはだしで入ったらさすがに痛いと思う。泳ぎに来た皆さんに『きれいな海だった、また来たい』と思ってもらえるよう、これを機会に毎年やっていきたい。うちがきれいにしたことを皆さんが喜び、それを見てうちがまたやろうという気持ちになるようなイメージで」と新たに手にした地域貢献の実感を声にしながら、社員と横一線で砂浜の美化に励んでいた。
(2020年7月11日付紙面より)
新宮バレーボールスポーツ少年団監督・仲宗根康視さん
【第16回】キャラ弁は作るべきか?
いつの頃からか、「キャラ弁」という言葉が定着しました。ご飯やおかずを使って、キャラクターをかたどったお弁当です。私の娘が保育園に行き始めた頃、ブームはすでに盛り上がっていたので、「キャラ弁」が広まって10年近くがたとうとしています。今では、お母さんの負担や、クラスの中でのお弁当格差を考慮して「キャラ弁禁止」という園や学校もあると聞きます。かく言う私も「キャラ弁」作りに奮闘した一人です。アニメのキャラクターを、ハムやチーズをカットして作ったものです。「日頃、仕事ばかりしてるんだから遠足の時くらい…」となぜか「キャラ弁」作りが罪滅ぼしのような感覚に陥っていました。今となっては、なぜあんな気持ちになっていたのかと思いますが、子どもは私の作る「キャラ弁」をとても喜んでくれていたのは確かです。
さて、この「キャラ弁」について研究した論文があります。研究対象は、幼稚園や保育園に通う幼児637名とその保護者です。子どもが普通のお弁当と、「キャラ弁」のどちらを好むかをアンケート調査したところ「キャラクター有りを選択したのは291人で有効回答数の64・0%、キャラクター無しを選択したのは127人で有効回答数の27・9%であった」(こども教育宝仙大学「子どもはキャラ弁が好きか?」、2020年)とあります。6割以上の子どもが「キャラ弁」を好んでいます。これは、保護者の就業形態や料理をする回数とは、特に関連がなかったとも書かれています。もう一つ注目したい結果があります。「キャラ弁」は食育になると思うか?という質問です。その結果はこうなっています。「作成群は食育になると考える傾向が強く見られ、非作成群は食育にならないと考える傾向にあった」。つまり、キャラ弁を作るお母さんは「食育になる!」と考え、キャラ弁を作らないお母さんは「食育にならない!」と考えているわけです。また、栄養的な話では、キャラ弁は脂質が高く、塩分が多いので良くないとも書かれています。
皆さんはどう感じましたか?私はこの論文を読んで、「キャラ弁」も一つの食育なんだなと感じました。なぜなら、幼児期の子どもにとって最も大切な食育は、「食事は楽しい!」と思ってもらうことだと考えているからです。子どもが喜ぶなら、栄養バランスなんて、朝食や夕食でバランスを取れば済むことです。ただ残念ながら「キャラ弁」の威力はそう長くは続きません。この論文にも、3歳児は好むが、5歳児になるとあまり好まないという結果が出ています。
「キャラ弁」は「食を楽しむ」という入り口としては有効だと私は思います。ただそれは、おうちで楽しく食事を取れていれば、それと何ら変わりはないのです。お母さんが作るお弁当は、「キャラ弁」でもそうでなくても、子どもは楽しみに食べてくれます。お母さんの、ゆとりを削って疲弊してまで作るほどの効力はありません。子どもたちにとって、お弁当の見栄えよりも、家に帰ったときのお母さんの笑顔の方がうれしいに違いないのです。罪滅ぼしで作っていた昔の自分にも、「やらなくていいよ」と言ってあげたいくらいです(笑)。
(2020年7月11日付紙面より)
奉賛会らが敷砂利整備 (神倉神社 )
神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)は2日、新宮市の神倉神社で敷砂利の整備を実施した。同会メンバーと同市熊野川町東敷屋の株式会社河崎砂利(河崎禮造代表取締役社長)の社員約15人が境内に砂利をまくなどして、奉仕活動に汗を流した。
同神社の敷砂利が少なくなってきていることを知った同社が、景観を損なわないよう役に立ててもらいたいと14㌧の砂利を寄贈した。
社員がトラックで運び、下ろした敷砂利を参加者らは協力しながらスコップでならし、境内の地面を平らにするなどして作業を進めた。河崎社長は「神倉神社は由緒あるところ。立ち寄る参拝者の人たちが美しいと思い、再び訪れたくなるような場所であってほしいです」。
猪飼会長は「河崎社長のご厚意と協力に大変ありがたく思います。新型コロナウイルスの影響もありますが、緊急事態宣言が解除されてから参拝客も少しずつ戻りつつある。多くの人に訪れてもらえるよう、今後も景観を保っていければ」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会が建設中 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は、同地区の津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫の建設を進めている。住民が協力して建築作業に取り組み、秋ごろの完成を目指している。
同自主防災会には約330世帯が所属。地震津波、水害に備え、高台の3カ所に一時避難場所を整備しており、倉庫は矢渕中近くと町福祉センター近くの各一時避難場所の中間にあり、両避難場所から遊歩道を歩いて向かうことができる。
完成後は住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。建物は木造平屋建ての約26坪。収納スペースや土間、仮設トイレ、物置を整備し、維持費削減のため電気、ガス、水道は設置しないという。
「大災害時の死者ゼロ」を目指そうと、2年前に計画が持ち上がった。海抜約30㍍にある町有地を借り、材料費はみえ森と緑の県民税の助成を受けた。町の前向きな協力も得て建設に踏み切った。
住民自らが立ち上がり、自主防災会で整備することを決めた。昨年6月から作業を開始し、伐採や草刈りなどに取り組み、1年がかりで土地を整備した。地盤改良や基礎工事などは専門業者に依頼し、先月21日の棟上げ後は住民が集まり作業に汗を流している。
森倉組長は「みんなで手作りすることで防災に関心を持ってほしい。避難所で生活するための物資を保管することで、避難時に重いリュックを持って逃げる必要がなくなる。災害後の災害関連死の減少にも役立つと思う。この取り組みによって町内や近隣市町の自主防災がより活発化するきっかけになれば」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
水産土木建設技術セと協定締結 (串本町 )
串本町は2日、一般社団法人水産土木建設技術センター(吉塚靖浩理事長)=東京都中央区=と漁港等の施設の災害復旧支援に関する協定を結んだ。
この協定は、同法人が内陸や道路に比べて施工頻度が低く技術の継承がしづらい点で水産関係施設の被災後の早期復旧が困難となっている現状を支援するため、自治体を対象にして締結の希望を受け付けている。平成30年8月の島根県松江市との締結を皮切りとし、同日までに全国15市町村(松江市は漁業集落排水施設と漁協等施設の2協定、他は漁協等施設の協定のみ)と締結。串本町は専門的な技術や業務の蓄積がある同法人の支援により迅速な復旧を図る目的で締結を希望したそうで、全国で17例目、県内では由良町、日高町に続き3例目になるという。
この日は串本町役場本庁で締結式があり、田嶋勝正町長は「大小21の漁港がこの町には存在する。最近の台風や高潮で本当に大きな被害がもたらされていて、今回の協定で専門的な技術を持つ水産土木建設技術センターと協定を結ばせていただけることを心強く思う」、吉塚理事長は「こういった活動を通して技術者が不足している自治体のご支援になればと思っているので、今後とも串本町さんとは災害時に手を携えながら円滑な復旧がなされるよう努力していきたい」と思いを交わしつつ、協定書への署名に臨んだ。
締結には同センターの松嵜哲夫調査役と吉田多真己調査役、役場産業課の南和夫課長ら担当職員も同席。南課長が平成30年度以降の同町における台風被害の状況を報告し、改めて思いを交わしあって歩み寄りを深めた。
この協定は各市町村が管理する漁港や漁場等の施設を対象とし、支援として▽災害の状況を確認するために行う現地調査業務▽災害報告に必要な資料の作成業務▽災害査定に必要な設計図書その他関係資料の作成▽災害査定への対応業務▽災害復旧支援に附帯する業務―を規定している。
(2020年7月4日付紙面より)
たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は2日、那智勝浦町役場とJR紀伊勝浦駅周辺で清掃活動に取り組んだ。参加した会員18人は新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、ごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、活動している。
同支部は毎年7月初めに、同駅とJR新宮駅の2カ所で未成年者の喫煙防止を促す啓発を行っているが、本年は新型コロナの影響で中止となった。啓発の代わりとして、先月18日に新宮市役所から新宮駅までの清掃を実施。加えてこの日の活動となった。
大谷部長は「喫煙する人が減ったため、最近は吸い殻などのごみが少なくなった。しかし、組合としては少しでも町をきれいにしたいと思うので清掃を続けたい」。
未成年者の喫煙防止については「未成年の方も昔と比べてたばこを吸う人が減った。私たちもたばこを購入に来た方に対して年齢が分かる身分証の提示もお願いしている。たばこは20歳になってからお願いします」と語った。
次回は9日(木)に太地町の道の駅たいじで清掃を行うという。
(2020年7月4日付紙面より)
軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )