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2022年08月25日
1 大地には自然の脅威もある 後誠介さんが「紀伊半島大荒れ」を出版 (那智勝浦町)

 那智勝浦町在住で和歌山大学客員教授(災害科学・レジリエンス共創センター)、南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員を務める後誠介さんが30日付で「紀伊半島大荒れ 大地の成り立ちからみた豪雨災害」(はる書房)を出版する。前作「熊野謎解きめぐり 大地がつくりだした聖地」の姉妹本の位置付けとなる今作について後さんは「前作では大地の成り立ちによってできた熊野の景観や霊場の魅力を伝えた。今回、大地には災害という自然の脅威があることをつづっている。前作が表、今回が裏になる」と話している。

 本作は紀伊半島を襲った過去の大水害に着目し、自然災害が大きな災害へとなる仕組みなどを詳細に解説し、後さんが各地で実施した防災講演の内容を基に書き改めたものだ。また、カバー絵に使用している「新宮川水系図」は後さんが自身で手がけている。

 これまで後さんが本紙で発表した記事や論文を用いたコラムも掲載されている。写真は自身が撮影したものに加え、那智谷大水害遺族会や本紙が提供している。

 本はA5判並製の120㌻カラー(ISBN978―4―89984―202―6)。税込み1430円。3章立てで、「伝えたい災害の記憶」「ちょっとひと休み」「これも知っておこう」などのコラムも掲載。「でき方の違う大地は壊れ方が違う」という点に着眼し、大地の成り立ちから豪雨災害を考える内容となっている。

 「平成の大水害は地形図と地質図がそろっており、大地の成り立ちという視点から豪雨災害を考えることができた」と後さん。

 第1章「あっという間に避難できなくなる……」では平成の紀伊半島大水害において、事態急変の原因やその根底に迫り、被災者の体験談や土砂災害からの避難情報を課題として取り上げている。

 第2章「土砂災害を引き起こしたカギは?」は多発した大規模崩壊と土石流の特徴や紀伊半島の大地の成り立ちをひもとく。「大規模崩壊が北向き斜面で多発」「大きな岩塊を伴う土石流は南向き斜面で多発」「雨量が多かった北山川の上・中流域では崩壊の規模・頻度が低かった」など、紀伊半島大水害の「3つの不思議」を解説。

 第3章「避難のタイミング」では、明治、昭和、平成に繰り返し紀伊半島大水害が発生している点に触れるとともに、「土壌雨量指数」が370~480で岩塊を含む土石流や大規模崩壊が発生していることなどを分かりやすく記した。

 前作に引き続き、同町在住の新聞記者・須川達也さんが本の構成についての提案や助言を行い、新宮市在住のアーティスト・平野薫禮(ぐれ)さんがキャラクターやイラストを描いている。

 後さんは「地質学は歴史科学。新たな視点を加えて、合理的根拠の下に本を執筆した。市町村や学校の職員の皆さま、防災や自然保護に取り組む方々に読んでいただけると幸いです」と語った。

 本は和歌山県内や三重県では販売されており、東京や大阪などの全国書店は30日(火)から販売される。通販サイトのアマゾンでは現在、予約を受け付けている。

 熊野新聞社新宮本社でも若干数販売している(税込1430円)。直接引き渡し。現金のみ。なくなり次第終了。

(2022年8月25日付紙面より)

「紀伊半島大荒れ」を出版する後誠介さん
2022年08月25日
2 打ち上げ見据えて試乗会
 観光クルーズの模索進む  (串本町 )

 海上からのロケット「カイロス」打ち上げ見学を見据えた観光クルーズ事業化の模索が串本町内で進んでいる。その当事者による試乗会が21日にあり、想定航路一帯に理解のある関係者に乗船と事業化に向けた意見の協力を求めるなどした。

 このクルーズは昨年9月、必要性を見越した南紀串本観光協会が前述した見学にも対応できる内容を組んで試行。後にその形を収益事業化して町を盛り上げたいと考え旅行業務取扱管理者資格を取得した令和トラベル(岡本将和代表)と漁船「光芽那丸」(瓜田有冶船長)が名乗りを上げ、同協会はその支援協力をする立場に回って実現を目指している。

 現在はクルーズの催行に必要な条件が整った段階で、内容の立案~商品化が目下の課題。今回の試乗会は巡航先にある各地域資源への理解がある関係者から事業化に向けた意見をもらって内容を磨く趣旨で計画し、同協会の仲介で東牟婁振興局や南紀熊野ジオパークセンター、役場産業課や企画課の各職員が協力した。

 当日は和歌山東漁業協同組合の協力で乗降しやすい同組合串本本所の浮桟橋を発着場所とし、橋杭岩~紀伊大島金山下の海食洞~箱島付近〈ロケット「カイロス」打ち上げ見学海域〉~くしもと大橋一帯を巡る約1時間の内容で実施。ガイドも同乗する予定だったが都合がかみ合わず中止となり、瓜田船長は想定時間に沿って船を進めることに専念し、同協会の宇井晋介事務局長と岡本代表が各巡航先で関係者の意見を聞く形で成果を目指した。

 同日現在、催行開始のめどは未定。12月のロケット「カイロス」打ち上げ開始が濃厚視される状況にあり、間に合わせる形で事業としての実動を目指したいとしている。

 主導する岡本代表は「浮桟橋を使わせてくれる和歌山東漁協の組合員優先で利潤が回る体制にしたい」として引き続き従事する漁船の裾野を広げたい考え。さらに収益事業としての安定を図るため、打ち上げ見学以外の内容も複数考えて利用頻度を高めることも今後に見据えて臨んでいる。

(2022年8月25日付紙面より)

各巡航先に理解がある関係者の協力を得て実施した試乗会の様子=21日、串本町沖
箱島付近の打ち上げ見学海域で意見を交える関係者ら
2022年08月25日
3 「笑顔」が永遠のテーマ
 「広報きほう」が200号迎える  (紀宝町 )

 紀宝町が毎月1回発刊する広報紙「広報きほう」が9月号で200号を迎えた。企画調整課の2人が担っており、大森菜央さんは「担当して1年4カ月になります。今回、200号を迎える上で歴代担当者や町民の皆さんに話を聞いて、その思いも実感できた。皆さんの思いを受け継いで、これからも親しまれる紙面をつくっていきたい」、愛野裕基さんは「内閣総理大臣賞受賞後に担当が決まり、プレッシャーしかなかったが、一生懸命取り組んできた。今後も大森さんをサポートしていきたい」と話す。

 広報きほうは、当時の鵜殿村と紀宝町が合併した2006年1月の翌月から発行。これまで県広報コンクールで幾度も特選に輝き、全国コンクールで最高賞の内閣総理大臣賞を受賞するなど数々の賞に輝いてきた。

 毎年12月号で特集を組んでおり、2019年度の「LGBT」、20年度の「老いじたく」が2年連続で総務大臣賞を受賞した。

 記念すべき200号では、見開き2㌻で歴代担当者や町民へのインタビュー、配布されるまでの流れなどを掲載した。

 16年にわたり町の情報を発信し続け、発刊100号の際、広報きほうの永遠のテーマは「笑顔」と紹介した。現在担当する2人は「これからも楽しく、伝わりやすい広報を目指していきたい」と口をそろえた。

(2022年8月25日付紙面より)

「これからも楽しく」と笑顔を見せる広報担当の大森菜央さん(右)と愛野裕基さん
2006年2月の「広報きほう」第1号
2014年5月に迎えた100号
2022年08月25日
4 思い思いの作品が完成
 中央児で夏休み工作  (新宮市 )

 新宮市野田の中央児童館で22、23の両日、夏休み工作「牛乳パックランタンを作ろう」があった。同館に登録している小学1~4年生19人が手作りのランタンを作った。

 子どもたちは職員から使用する材料の紹介や作り方、注意事項の説明を受けた後、作業を開始。1日目は三つ折りにした障子紙をコップに入った絵の具に数回浸して色染めに取り組み、破らないよう丁寧に広げて乾燥させた。

 2日目には前日に乾かした紙を小さくならないようにはさみで四角形に切り、のりを塗った牛乳パックに貼り付けていった。最後はリボンと革ひもの中から好みの物を選び、パックの上部に取り付けて思い思いの作品を完成させた。

 山本梛温(なの)さん(7)は「剝がれてこないように障子紙を貼る作業が少し難しかったけど楽しかった。初めて作ったわりにはうまくいったので出来は90点。家に持ち帰って飾りたい」と話していた。

(2022年8月25日付紙面より)

「牛乳パックランタン」作りに励む子どもたち=23日、新宮市野田の中央児童館
思い思いの作品を完成させた
2022年08月25日
5 手分けして今年の実り収穫  潤野の水田で利用者や職員  (エコ工房四季 )
2022年08月25日
6 仕掛け三つで5匹捕まえる  高池小4年生がウナギ石漁  (古座川町 )
2022年08月25日
7 三輪崎海水浴場に多数  高田自然プールも好調  (新宮市 )
2022年08月25日
8 冠水孤立の解消目指す  高田相賀線の道路改良  
2022年08月25日
9 3年連続で規模縮小を決定  宇久井神社例大祭  (那智勝浦町 )
2022年08月25日
10 ウナズキギボウシの花  新宮市高田の岩場で  
2022年08月25日
11 秋季リーグの上位目指す  同志社大卓球部が合宿  (那智勝浦町 )
2022年08月25日
12 積極的にチャレンジを  県立新宮高校で始業式  
2022年08月25日
13 矢渕中学校が3位入賞  三重・熊野バレーボール大会  
2022年08月25日
14 地元の「熊野選抜」が優勝  第18回中学軟式野球大会  
2022年08月25日
15 お悔やみ情報
  
2022年08月20日
16 2年目の運行、10月3日から
 「銀河」車両見学会も開催  (JR西日本 )

 長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの運行が10月3日(月)から開始する。来年3月までの約5カ月間にわたり京都―新宮間を運行する。2年目の運行となる今回は、海側座席を倍増するなど進化。県を挙げた「おもてなし」を充実させるなどして、さらに鉄道の旅と当地方の魅力のPRを図っていく。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。紀南コースは昨年7月16日に運行を開始し、12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。

 今回は昼行列車では出発時間を約2時間早め、停車駅(紀伊田辺駅)を新たに追加。おもてなし停車時間も拡大する。新大阪駅、京都駅の到着時間が約1時間早まることによって、関東や九州、北陸方面からも利用しやすいダイヤとなる。

 夜行・昼行列車ともに海側座席を倍増する運行(夜行列車24席→61席、昼行列車30席→71席)とし、車窓からの美しいオーシャンビューを演出。宇久井―那智間では県、那智勝浦町、和歌山大学、南紀熊野ジオパークガイドの会の協力の下、景観改善活動も実施した。

 また、新たなおもてなしプランの設定やプランのリニューアルを図るとともに、地元企業との合同企画により新たなオリジナル商品も発売していくという。

 運行開始初日は、午後9時15分に京都駅を出発。翌4日午前9時37分に新宮駅に到着する。新宮駅発の初便は5日午前9時50分。新型コロナウイルス感染症の状況により変更となる場合があるが、来年3月8日(水)までの間で夜・昼行それぞれ36本の運行を予定している。

 なお、日本旅行が企画する個人旅行商品は今月30日(火)から発売予定。詳細は「WEST EXPRESS 銀河」特設サイト(https://www.jr-odekake.net/railroad/westexginga/)からリンクする専用ページで周知する。

  □     □

■10月1日、車両見学会

 JR西日本は、2年目運行に先駆け10月1日(土)、試運転期間に車内を特別に見学できる「車両見学会」を実施する。

 時間は午前9時45分~10時45分。参加料金は大人(中学生以上)150円、子ども(小学生)70円(小学生未満は大人1人につき2人まで無料。3人目からは子ども料金が必要)。

 事前申込制で募集人数は100人。申込多数の場合は抽選となる。申込期間は9月1日(木)~14日(水)必着。往復はがきの往信裏面に見学希望者全員(最大4人まで)の①氏名(ふりがな)②生年月日(西暦)、代表者の③郵便番号④住所⑤電話番号⑥見学者に車いす利用者がいる場合は人数―を記入し、返信表面に代表者の住所、氏名を書いて、〒647―8555新宮市春日1の1、新宮市役所商工観光課内宛てで送る。抽選結果は返信用はがきで知らせる。なお、列車の遅れや天候、新型コロナウイルス感染状況などにより、時間を短縮したり中止となる場合もある。

(2022年8月20日付紙面より)

「WEST EXPRESS 銀河」(JR西日本提供)
2022年08月20日
17 浮子などの漁具目立つ
 三輪崎海岸で海洋ごみ調査  (南紀熊野ジオパーク探偵団 )

 地元の自然や地球環境に関心を持つ中高生らで組織する「南紀熊野ジオパーク探偵団」(東垣〈あずま・わたる〉団長=南紀熊野ジオパークセンター長)のメンバーや研究者ら17人が17日、新宮市の三輪崎海岸で海洋ごみの調査活動を実施した。

 “think locally,act globally(地域で考え、地球規模で行動)”のモットーの下、南紀熊野ジオパークをフィールドに探求活動を行う。本年度の研究テーマは、昨年に引き続き「海洋環境を考える」だ。

 調査には、新宮市の県立新翔高校、新宮高校から生徒4人が参加し、砂浜約500㍍を歩きながら、漂着したごみを分類・記録して収集した。

 プラスチック片178個(うち一つがアラビア語)やペットボトル51個(うち三つが中国語、一つが韓国語、一つが台湾語)、発泡スチロール49個の他、大きなブイや浮子(うきこ)、漁網などの漁具40個(うち五つが中国語)が回収された。

 京都大学学際融合教育研究推進センター次世代研究創成ユニットの島村道代・特定准教授は「漂着するごみの7~8割は陸由来、残りが海から来るものだが、今回は漁具が増えた印象。地元のクリーン活動によって目立つごみは拾われているらしく、増減は詳しく検討する必要がある」と語る。

 参加した新翔高校の谷岡俐育さん(2年)は「ボランティアが好きで参加した。思っていたよりもごみの種類が多かった」。他にも「小学生の頃に比べたらごみが減った気がする」「ボロボロになったものが多かった」などの感想が聞かれた。

 今後は白浜町の志原海岸でも調査を行い、2地点の結果を共有しつつ事後学習を行う。最終的には、来年度の日本地球惑星科学連合大会などの学術大会で成果を報告することを目指すという。

(2022年8月20日付紙面より)

調査に参加した皆さん=17日、新宮市三輪崎
回収された漁具
2022年08月20日
18 本尊開帳し御詠歌唱える
 コロナ禍での御十七夜法要  (那智山青岸渡寺 )

 西国三十三所観音霊場の第一番札所、那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は17日夜、観音の縁日法要の御十七夜(おじゅうしちや)を営んだ。開帳された本尊の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)を前に、新型コロナウイルス感染症対策で各自の間隔を保った善男善女が手を合わせた。

 旧暦8月17日の「御十七夜」は各地の観音霊場で法要が営まれており、青岸渡寺では盆に当たる新暦8月17日に本尊を開帳している。開帳は節分(2月)、開山祭(4月)と盆の年3回。

 昨年と同様にコロナ対策として、地元の那智山観音講の信者のみが法要に参列。一般参拝者は3密を防ぐために本尊より距離を取る形で外陣(げじん)からの参拝となった。

 午後7時から髙木住職が追善供養と所願成就を祈り、参列者も般若心経を詠唱。本尊を前に信者が御詠歌を唱え、夜の境内に鐘の音と歌声が流れ響いた。

 先月開かれた晋山式にて、正式に住職の任命を受けた髙木住職は「正式な形で住職となってからは初の御十七夜法要を務めさせていただいた。観音信仰の布教に全身全霊を込めて務めていくが、私一人ではできない。多くの皆さまのご協力と、神仏の御神徳が成せるもの。変わらず、精進していきたい」と話した。

 同町市野々から参拝に訪れた女性は「コロナ禍のため、3年ぶりに観音様にお参りができた。心が洗われるようでした」と話していた。

(2022年8月20日付紙面より)

開帳された本尊を前に手を合わせる信者=17日夜、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
外陣から参拝を行う一般参拝者
髙木亮英住職
2022年08月20日
19 道徳教育の在り方考える
 文化セで教育講演会聴講  (串本町教育研究会 )

 串本町教育研究会(会長=水上茂秀・潮岬小学校校長)が17日、同町文化センターで本年度教育講演会を開き町立の小中学校に勤務する教員ら約150人が資質を高めるため聴講した。

 「ふるさとを愛し、串本の未来を担う子どもを育てる」をテーマにして年1回実施している研修の機会。新型コロナウイルスの情勢によりおととしは中止、昨年はオンライン実施とし、今年は感染対策を講じつつ3年ぶりに平年通りの集合研修として開いた。

 開会に当たり水上会長はテーマ達成のための活動方針として▽連携▽実践交流による指導力の向上▽学ぶ姿勢の大切さ―の3点を掲げ、部会活動と全体活動のハイブリッドによる研究と修養を推し進める自主研究団体が町教研だと位置付け、今回のめあてを示して教職員の資質向上の努力を後押しした。

 演題は「子どものための授業づくり」で、兵庫教育大学大学院の淀澤勝治准教授が講師として登壇した。淀澤准教授は道徳教育・幼児教育専攻で2021~22年度文部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の指定に基づき潮岬中を軸にしてさまざまな助言を寄せていることで接点がある人材。この日は副題として「教科化によって道徳授業をどう変えるか?」を掲げ、▽豊かな感性▽豊富な教養▽学び続ける力―といった着眼点で体験による実感を託しながら教科化の背景や児童生徒みずからが考え議論する道徳授業を作る上での要点を伝えるなどしたという。

(2022年8月20日付紙面より)

3年ぶりに集合研修の形で開いた教育講演会=17日、串本町文化センター
道徳授業の在り方についての提言を受け止める町立小中学校の教員ら
2022年08月20日
20 感謝を忘れず日々躍動を
 サッカー部15周年記念事業  (近大新宮 )
2022年08月20日
21 和歌山選抜が全国制覇
 堀愛菜さん、結菜さんが優勝に貢献  (ガールズトーナメント )
2022年08月20日
22 テッポウユリが出迎え  下里神社の境内入り口  (那智勝浦町 )
2022年08月20日
23 カメムシきらいにならないで!  昆虫研究家・浜際康太さん  (こども新聞 )
2022年08月20日
24 中学校国語・理科に課題  全国学力・学習状況調査  (和歌山県 )
2022年08月20日
25 東北・北陸の大雨災害  福祉センターで義援金募集  (新宮市 )
2022年08月20日
26 連日催行で序盤の利用好調  ジオモニターツアー始まる  (熊野御坊南海バス )
2022年08月20日
27 特賞~4等の当選者決める  本年度のサマー抽選会実施  (串本リリースタンプ会 )
2022年08月20日
28 教育の現場も交え形探る  学校づくり協議会が発足  (串本町 )
2022年08月20日
29 幼児教育・保育の課題に対応  保育所のあり方検討委員会  (紀宝町 )
2022年08月20日
30 お悔やみ情報
  
2022年08月20日
31 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第52回】リボベジで食育を!  

 お盆も過ぎましたが、今年は残暑が厳しい日々が続きますね。

 暑くて、キッチンに立つのも嫌だし、お買い物に行くのも嫌!という方が多いのではないでしょうか? そんな方にお勧めの食育があります。それが「リボベジ」です。リボベジとは「リボーンベジタブル」の略で再生野菜のこと。普段料理で捨ててしまう野菜のヘタや根の部分を再生して育てることをいいます。例えば、豆苗(トウミョウ)。豆苗って、根っこから1~2㌢くらいをカットして、残った根を水につけていると、またニョキニョキと生えてきますよね? そしてそれを収穫して食べますよね。あれこそまさに「リボベジ」なんです。豆苗やカイワレ大根以外にも「リボベジ」できるものはたくさんあるんです。

 例えば根菜。根菜は葉が生えているヘタ部分(2~5㌢の厚さにカットしたもの)を切り口がつかる程度の水に浸しておくと、2週間ほどで葉っぱが生えてきます。大根やニンジン、カブなんかも再生可能です。ニンジンの葉っぱは、なかなか食べない方も多いと思いますが、パセリ代わりの料理の彩りに使えます。大根の葉は、炒めてふりかけにしてもいいですし、おみそ汁の具にするのもお勧めです。玉ネギも再生可能です。玉ネギの芯の部分を水に浸しておくだけでもニョキニョキと緑色の芽が生えてきます。特に味にクセもなく、万能ネギ代わりに使うことができます。

 葉野菜も実は「リボベジ」することができます。根の部分から3㌢ほどを水につけておくと、10日間ほどで葉が生えてきます。ホウレン草やチンゲンサイもできます。根っこが残っていなくても、根に近い部分を残して水に浸すと、成長するんです。野菜の生命力はすごいですよね。

 リボベジには、幾つか注意点があります。一つめは「水を小まめに替えること」これが一番大切です。新鮮なお水でないと元気には育ちません。1日1回は必ずお水を替えて、使っている容器のぬめりや、水につかっている部分のぬめりも、きれいに洗ってあげてください。二つめは「日光を当て過ぎないこと」基本的には日陰がお勧めです。そして三つめは「新鮮な野菜を使うこと」元気な野菜の切り口でやらないと、うまくいかないのが「リボベジ」です。

 正直「リボベジ」は、野菜代の節約になる!というほどの収穫は期待できません。どの野菜も、少しだけ成長した部分を収穫して、食卓にちょこっと使える程度です。でも、野菜の生命力を感じることができたり、簡単に野菜の成長を日々観察できるので、食育にはもってこいなのです。手間もたった2週間ほどですし、土も必要ありません。野菜を畑で育てて、収穫して食べる体験というのは、すぐにできることではないですが、誰でも家で簡単に野菜を栽培して、実際に食べる体験ができるのだから、最高ですよね。

 ぜひお子さんと一緒に「リボベジ」に挑戦して毎日変わる野菜の様子を観察してはいかがでしょうか? 夏の自由研究としても、とってもお勧めの食育です。

(2022年8月20日付紙面より)

2022年08月11日
32 熊野の自然や歴史に触れる
 東京大学体験活動プログラム  

 東京大学の学生・院生ら10人が7日、「東京大学体験活動プログラム」のため来熊した。10日まで4日間の日程で、新宮市や田辺市本宮町、那智勝浦町、太地町を訪問。熊野古道歩きや熊野三山巡り、座学などを通して当地方の歴史や文化、自然に触れる機会とした。

 同大学の濱田純一・前総長が提唱した「よりタフによりグローバルに」を基に2012年度から始まったプログラムの一つ。新しい考え方や生活様式を学び「知のプロフェッショナル」に必要なアイデアや発想力を身に付けることが狙い。

 同大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんが13年に台風の中、熊野古道「大雲取越」を歩いた際に「円座石(わろうだいし)」から見上げた丸い空に感動したことがきっかけで熊野に興味を持つようになり、当地方でのプログラムを企画。今年で4回目となる。

 なお、今回はプログラム実施に当たって、学生と院生の垣根を越えて参加者を募集。25人が希望し、選考を経て学生5人、院生5人が参加の機会を得た。熊野学研究委員会の山本殖生さん、中瀬古友夫さん、瀧野秀二さんが講師を務め、参加者らの学びに寄り添った。

 初日、新宮市に到着した一行は同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」の「熊野サロン」へ。山本さんからレクチャーを受け、熊野三社のルーツや熊野信仰の興り、歴史、宝物などについて学んだ。

 座学後には、参加者らが「理系なので日本文化に接する機会がなかった。これを機に熊野の歴史を勉強したい」「地方出身なので地域振興、地域活性化に興味があって参加した」「今後、クジラとイルカの生態を勉強する予定。山のことも勉強したい」などと参加の動機を紹介した。

 秋山さんは「プログラム開催に当たり、これまでで一番多い25人の学生らが参加を希望してくれた。学部もさまざまで、まちづくりや防災など、いろいろな分野への興味から参加してくれた。学生にとっても地域にとっても将来につながっていくと思う」と話していた。

 同大学大学院人文社会系研究科・文学部と新宮市は昨年3月に連携協定を締結。人文学を応用しての地域振興や交流促進、地域連携活動などを図っている。

(2022年8月11日付紙面より)

熊野三山や熊野古道などを巡り知見を深めた=7日、新宮市の熊野速玉大社
「熊野サロン」で座学に挑む参加者ら=同日、新宮市の「丹鶴ホール」
2022年08月11日
33 陽性者、情報のスマホ入力に協力を
 和歌山県  

 和歌山県内で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増加している状況を鑑み、県では緊急性の高い患者への対応をできるだけ円滑に行うため、新型コロナ検査の陽性者本人または家族などによる基本情報のスマートフォン入力を開始。県内保健所が行っていた電話連絡(基本情報などの聞き取り)を一部、行わない方針に変更した。電話連絡を行わない対象者は、原則として3歳以上59歳以下で、スマートフォンやパソコンから基本情報の必要項目を入力した人。入力した症状や基礎疾患などから緊急性が高いと判断した人に対し、療養方法について保健所から電話連絡が入る。

 基本情報の入力は▽陽性者(または陽性者の家族)の携帯電話番号に管轄保健所から送られてくるショートメッセージサービス(SMS)のリンクからスマートフォンで行う方法▽SMSをパソコンに転送して行う方法▽診療所や病院などで配布するチラシの入力フォームQRコードからスマートフォンで読み込む方法(インターネットにつながらない機器には対応していない)―がある。入力フォームには療養方法の希望や、食料などの支援物資(無料)配送の申し込み項目もあるため、できる限り早めの入力を。

 また、陽性者への療養対応を優先するため、感染経路と濃厚接触者の特定のための行動調査は自身によるフォーム入力を基本とする。聞き取りによる行動調査は、医療・介護・救急などの従事者以外は原則行わない。濃厚な接触があったと思う人や職場には、自ら連絡して注意喚起を行うこと。一般の事業所などは、自主的に感染拡大防止への対策(濃厚接触者の特定と自宅待機など)の検討を。

 陽性者の同居家族は全員が濃厚接触者に該当するため、保健所からの連絡がなくても家庭内の感染対策に努めるとともに、隔離待機(原則、患者と最後に接触した次の日から5日目まで)を行うこと。

 新宮保健所では「高齢者や緊急性の高い方への対応を早く行うことができるよう、スマホやパソコン入力へのご協力をお願いします」と呼びかけている。また、新型コロナウイルス感染症の検査を受けた際には、検査結果が判明するまでは公共交通機関の利用を避け自宅で過ごすこと。検査の結果陰性だった場合でも症状がある人は外出を控えて人との接触を避ける。体調が悪くなったときは、かかりつけの医療機関を受診すること。

 療養中に▽うとうとして呼びかけに応じない▽けいれんを起こしている▽息苦しさがある▽唇が紫色になっている―のような緊急性の高い症状が出現した場合には最寄りの保健所(新宮保健所0735・21・9630、串本支所0735・72・0525)もしくは「新型コロナウイルス感染症専用相談窓口 和歌山県コールセンター」(電話073・441・2170、24時間対応)に相談を。

  □     □

■適切な換気でエアロゾル感染予防を



 厚生労働省では、換気の悪い場所でのエアロゾル感染が増えているとして、熱中症を予防しながら適切な換気を行うなどの対策を呼びかけている。

 可能であれば対角線上にあるドアや窓を2カ所開放し、窓が一つしかない場合は扇風機などを窓の外に向けて空気の流れをつくること。

(2022年8月11日付紙面より)

基本情報入力画面(スマートフォン)
入力フォームのQRコード
和歌山県新型コロナウイルス感染症診療・検査・療養等の情報サイトのQRコード
2022年08月11日
34 「ほうき踊り」に大きな輪
 3年ぶりに井田観音で  (紀宝町井田 )

 井田観音のある紀宝町井田の井田下り場集落センターで9日夜、「納涼盆踊り」が3年ぶりに開かれた。子どもから大人までが大きな輪を作り、江戸時代から続く「ほうき踊り」を踊った。

 ほうき踊りは町指定無形文化財で、地元住民らでつくる井田観音ほうき踊り実行委員会が毎年8月9日に開催する盆踊りで奉納している。新型コロナウイルスの影響で2年中止となっていたが、地域を元気づけたいとの思いから感染症対策をとった上で開催した。

 夕暮れ時の午後7時過ぎ、浴衣姿の住民らがぞくぞくと集まり、やぐらを囲んで「甚句」などをにぎやかに踊った。ヨーヨー釣りやかき氷などが用意され、子どもたちも祭りの雰囲気を楽しんでいた。

 ほうき踊りは、稲の害虫を退治し、追い払う動きを模したもので、30人ほどがほうきを持って伝統の踊りを奉納した。子どもたちも大人の動きをまねしながら挑戦した。

 実行委員長の前地敏久さんは「今年は花火などの行事も多々あることから、地域を元気づけたい、子どもたちにも楽しい夏の思い出をつくってほしいとの思いで開催した。伝統の踊りを受け継いでいってもらえたらうれしい」と話していた。

 「厄落とし」として有名な井田観音も開帳された。盆踊りと3月の初午祭(はつうまさい)で公開されている。本尊は高さ30㌢、金箔(きんぱく)をほどこした観世音像で鎌倉時代の作と伝わる。1258年に西忠次が海岸で発見し祭ったことが始まり。同家の古文書によると、その後460年を経て子孫の西忠三郎が堂宇を建立し、安置したという。

(2022年8月11日付紙面より)

伝統の「ほうき踊り」を奉納=9日、紀宝町井田
開帳された井田観音
2022年08月11日
35 景観を保つ意識を
 県職員が道路清掃活動  (新宮市・那智勝浦町 )

 東牟婁振興局新宮建設部は9日、新宮市の国道168号と同169号、那智勝浦町の県道那智山勝浦線で清掃活動を実施した。職員約20人が参加し、各箇所でごみ拾いに取り組んだ。

 活動は観光客や地域住民たちの快適な道路利用や景観美化を目的に東牟婁地域の玄関口である3カ所で毎年4、8、12月の年3回実施している。

 晴天の下、参加者は2人一組となって道路を清掃。那智勝浦町では、体育文化会館やかつうら御苑などの歩道や道路沿いに落ちているたばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどのごみを丁寧に拾っていった。

 同部職員は「全体的にはきれいですが、たばこの吸い殻が少し目立ちました。当地方には観光地もある。日頃から地域の方々も掃除をしてくれていることとは思いますが、みんなで美しい町として景観を保つ意識を忘れないでもらえれば」と話していた。

(2022年8月11日付紙面より)

清掃活動に取り組む職員=9日、那智勝浦町の県道那智山勝浦線
2022年08月11日
36 うなぎ石漁の石組み作る  ふるさと自然あそび塾で  (古座川町 )
2022年08月11日
37 JGC委員長ら現地調査  南エリアの主要箇所巡り  (南紀熊野ジオパーク )
2022年08月11日
38 没後30年、中上健次を語る(終)  熊野大学で講師陣ら  (新宮市 )
2022年08月11日
39 創刊30周年迎える  「色川だより」38号発行  (那智勝浦町 )
2022年08月11日
40 来年こそは関西大会へ  近大新宮吹奏楽部が金賞  (新宮市 )
2022年08月11日
41 夏空にヒマワリぐんぐん  高さ4・5㍍超に  
2022年08月11日
42 市内17カ所に募金箱設置  打ち上げ花火を目指して  (熊野市 )
2022年08月11日
43 女子3選手が団体、個人で入賞  東海中学校総体柔道大会  (矢渕中 )
2022年08月11日
44 お悔やみ情報
  
2022年08月09日
45 貴重な生原稿、見つかる
 中上健次顕彰委員会に寄贈  (新宮市 )

 中上健次顕彰委員会はこのほど、新宮市名誉市民で芥川賞作家の中上健次(1946~92年)の生原稿の寄贈を受けた。6日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で発表があり、故人の妻のかすみ(紀和鏡〈きわ・きょう〉)さん、長女の紀さんは寄贈者に対し「大切に取ってくださっていてありがたい。心から感謝したい」と話した。

 寄贈を受けたのは、中上初期の小説「修験」の直筆生原稿。雑誌「文芸」(74年9月号)初出、「化粧」(78年3月、講談社)に収録されている。原稿用紙に書かれたものは数が少なく珍しい資料であるとともに、同顕彰委員会で所蔵するもののうち2番目に古い資料となる。同顕彰委員会では現在、約100点の作品(コピー含む)を所蔵しているという。

 寄贈者は東京都在住の長谷川阿貴(あき)さん。父の故・川西政明さん(1941~2016年)が所蔵していたもので、川西さんは大学卒業後に河出書房新社へ入社。72年に退社し文芸評論家として活躍した。中上に関する記述としては「中上健次を読む」(「本を読む 同時代の作家に関する十四章」82年、集英社)、「安部公房から中上健次まで」(「昭和文学史 下巻」2001年、講談社)がある。

 かすみさんの元に長谷川さんから生原稿を所有しているとの文書が届いたことを機に寄贈の運びとなった。原稿は400字詰め原稿用紙20枚分。なお、川西さんが中上を担当していたのか、またなぜ原稿を所有していたのかについては不明とのこと。

 冒頭は万年筆だが途中からはボールペンで書かれていることから、かすみさんと紀さんは「途中でインクが切れたのだと思う。1日で仕上げた原稿では」と推測する。

 当時は出版社によっては原稿が戻ってこないケースもあり、中上が没後30年を迎える節目の年に原稿の発見に至ったことに対してかすみさんは「いろいろな意味で貴重な発見。作品を振り返るきっかけにもなった」と感謝。

 顕彰委員でもある文芸評論家の高澤秀次さんは「『修験』は中上の最初の短編集『化粧』の冒頭を飾る短編。『化粧』は『熊野集』や『千年の愉楽』にもつながる実験的な試みが見られる短編集となっている。紀州の風土も見え隠れする。そんな生原稿が発見されたことは価値があることだと思う」と話していた。

 なお、原稿は同施設内市立図書館「中上健次コーナー」で、秋ごろの公開を予定している。

(2022年8月9日付紙面より)

短編小説「修験」の生原稿が見つかった=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
原稿の解説をする(左から)高澤秀次さん、中上かすみさん、中上紀さん
2022年08月09日
46 演奏や紹介で一体感を共有
 創立65周年記念コンサート  (串本分屯基地 )

 航空自衛隊串本分屯基地(中津洋紀司令)の創立65周年記念コンサートが7日に紀南文化会館=田辺市=であり、約900人が中部航空音楽隊(五味渕敦隊長)による演奏などを通して一体感を共有した。

 1957年4月の空自9082部隊展開を創立として歴史を紡ぐ同基地。現在は太平洋方面の対空警戒監視や災害対応を主任務とし、現在65周年の節目を迎えている。

 地域との縁も重んじ、新型コロナウイルスの情勢で最近は休止しているが平年は年1回の一般公開などを実施し、祭事や訓練、交通安全啓発など地域行事へも積極参加。これらつながりを感謝の思いを持って確かめる機会としているのが5年周期で取り組む創立記念事業となっている。

 この日開いたコンサートは式典(今後実施の見込み)と対で定例化している行事で、静岡県浜松市を拠点とする同音楽隊が出演。同基地の招待者と一般の事前申込者が来場し、2部構成で8曲、アンコールに応えて2曲を鑑賞した。

 同基地はコンサートと併せて活動紹介ブースも設け、同基地の軽装甲機動車など装備品や航空自衛隊の任務詳細などを隊員の適時解説を交えて伝えるパネル展示、航空機関係のポスター・フォルダーの進呈で来場者との接点を重ねた。自衛隊和歌山地方協力本部もブースを設け、ミニ制服試着体験やイベント紹介(8月26、27日に新宮港で開く自衛隊サマーフェスタ<護衛艦くまのの寄港など>の宣伝含む)などで接点を後押しした。

 同基地招待で来場し、代表して同音楽隊に花束を贈って感謝した県立串本古座高校吹奏楽部の深石みどりさん(2年)は「想像を超えて圧倒されるすごい演奏で、ソロ演奏もかっこ良かった。自分たち(=同部)は少人数なので、迫力を出すために圧倒するような演奏を心がけたいと思いました」とコメント。会場受付で来場者を一通り出迎えた中津司令は「65年間、串本の地で任務に当たれたのは地域皆さまの協力あればこそのたまもの。今後も地域と協働し、国民の安全安心のための活動をしていきたい」とこのコンサートに寄せる思いを語った。

(2022年8月9日付紙面より)

中部航空音楽隊を招いて開いた串本分屯基地創立65周年記念コンサート=7日、紀南文化会館
来場者を迎える中津洋紀司令(左)
コンサートと併せて開いた活動紹介ブース
2022年08月09日
47 土砂災害の学び深める
 恒例の夏休み企画14日まで  (土砂災害啓発センター )

 那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(稲田健二所長)は14日(日)まで、小学生以上を対象とした夏休み企画を開催している。事前予約が必要な「砂防えん堤の見学と石積み体験」と「雲の模型の製作ワークショップ」に加え、随時実施している「土石流について学ぼう」の三つの企画が用意されている。

 同センターは毎年、内容を変えながら夏休み企画を実施。近年、全国各地や県内で発生している土砂災害について専門知識を持った職員が詳細などを解説する。

 「砂防えん堤の見学と石積み体験」では、同センター近くにある砂防えん堤「鳴子谷川1号堰堤」を見学し、えん堤で用いられる工法である石積みの施工体験ができる。14日までの期間、連日午前10時30分から実施。定員は10人。

 「雲の模型の製作ワークショップ」は、雲を分類した10種類の模型を製作するもの。気象予報士の資格を持つセンター職員が解説し、実物の転倒ます型雨量計を使って、雨や雨の観測についての説明も行われる。実施日は11日(木・祝)、14日で、いずれも午後1時から90分程度。小学高学年以上が対象で、小学生の場合は保護者同伴が必要。定員は5組。

 期間中に申し出があれば、随時実施する「土石流について学ぼう」では、土石流の様子や砂防えん堤の効果が理解できる土石流模型装置を使用して、実験を行う。

 センター内には同町井関在住で紀伊半島大水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居や土砂災害の実例など解説をしたパネル、小中学校における防災学習感想文などの展示もある。

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■初日の様子は



 初日となった6日午前には太地町立太地小学校に通う花村瑛斗君(6年)と森栞那(かんな)さん(2年)が「砂防えん堤の見学と石積み体験」「土石流について学ぼう」に参加した。

 同センターの筒井和男さんが、2011年に甚大な被害を発生させた紀伊半島大水害や各地で起きた土砂災害を動画や写真で説明し、砂防えん堤の効果を伝えるために土石流模型装置で実験した。

 実際に砂防えん堤を見学後、えん堤に用いる工法を学ぶために再びセンターへ。2人は修景工模型に、発泡スチロール製の石とコンクリートに見立てたクッション材を置きながら、石積み体験に取り組んだ。最後は工事看板に自身らの名前を書き、記念撮影をして体験は終了となった。

 花村君は「砂防えん堤がないと本当に怖いと思った。いろいろな対策をしていることや石の積み方などもよく分かりました」と笑顔で語った。

 筒井さんは「土砂災害の危険性や砂防えん堤の効果を知ってもらうとともに、土砂災害を引き起こす雨や気象にも興味を持っていただけたら。お気軽にご参加ください」と話している。

 申し込みは名前(ふりがな)、連絡先、希望イベント、日程、人数を記入し、FAX(0735・29・7534)または、メール(e0806041@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。問い合わせは土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。

 雨天時はセンター内のみでの説明となり、大雨警報などが発表された場合は中止となる。

(2022年8月9日付紙面より)

石積み施工体験に取り組んだ参加者=6日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センター
きいちゃんも登場し記念撮影
2022年08月09日
48 2年連続関西大会へ 新宮高校吹奏楽部が快挙 (新宮市)

 新宮市の県立新宮高校吹奏楽部(亀谷覚史顧問、尾鷲心部長)が、6日に和歌山市で開かれた第58回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で金賞を受賞。2年連続で県代表に選出され、20日(土)に京都コンサートホール(京都府)で開催される関西大会へ駒を進めた。

 部員たちは6日夜、新宮高校に帰校後に結果発表を受け、これまで一緒に音楽を作り上げてきた仲間やOB・保護者らと喜びを分かち合った。

 演奏曲は「生命(いのち)のアマナ~ウインド・アンサンブルのために~」。新型コロナウイルス感染拡大の世情を受けて作曲された曲で、不条理に立ち向かって未来を切り開く姿、命の尊さや生きることの美しさを表現している。

 尾鷲部長は「体調不良でコンクールに出場できなくなった部員から『かわいい後輩たちともう一回一緒に演奏したいから、関西大会に連れて行って』と言われ、約束を果たせて本当に良かった」。

 亀谷顧問は「今年は新型コロナで思うように練習もできず、しんどいことも多かったが、ステージ上で音楽を心から楽しむ部員たちの姿に感動した。2年連続の関西大会出場は、創部以来初では。和歌山県人として、いい音楽を届けたい」と涙をにじませて話していた。

(2022年8月9日付紙面より)

結果発表を受け笑顔の部員たち=6日、新宮市の県立新宮高校
2022年08月09日
49 没後30年、中上健次を語る①  熊野大学で講師陣ら  (新宮市 )
2022年08月09日
50 夏の一夜に思い出づくり  わかば保でお楽しみ会  (那智勝浦町 )
2022年08月09日
51 対策施しフラワーアレンジメント  坂下富貴子さんが指導  (太地町社会福祉協議会 )
2022年08月09日
52 10人が姿勢学び座禅組む  「くまっこ」夏休み特別企画  (新宮市熊野川町 )
2022年08月09日
53 棚田にかかしが登場  丸山千枚田に並ぶ  (熊野市 )
2022年08月09日
54 最少人数で金賞、県代表に  3年ぶり「東海吹奏楽コンクール」へ  (矢渕中吹奏楽部 )
2022年08月09日
55 お悔やみ情報
  
2022年08月07日
56 「没後30年の中上健次」 4年ぶり、熊野大学開講 (新宮市)

 熊野大学が主催する2022熊野大学夏期特別セミナー「没後30年の中上健次」が5日夜、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」を舞台に開講した。全国各地から集まった中上文学ファンら約150人が参加。6日までの2日間、中上を直接知る講師陣の講演などを通して中上の軌跡や近代文学の歩みなどに触れる機会とした。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上(1946~92年)によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りを兼ねて全国から多くの中上文学ファンが当地方を訪れるが、2019年は台風接近のため急きょ中止に。おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となっていた。

 没後30年を迎える今年の夏期特別セミナーは、「中上健次コーナー」擁する市立図書館が所在する「丹鶴ホール」で開催。同施設オープニングイヤー連携事業と位置付けて実施される運びとなった。

 今セミナーでは▽いとうせいこうさん(作家・クリエイター)▽奥泉光さん(作家)▽紀和鏡さん(作家)▽高澤秀次さん(文芸評論家)▽辻本雄一さん(市立佐藤春夫記念館長)▽中上紀さん(作家)▽松浦寿輝さん(作家・詩人)―らが講師を務めた。

 開講に当たり松本巌理事長があいさつ。「中上は死ぬまで熊野で生きる人間の魂を発表し続けてきた」と紹介し、同大学設立の経緯などを振り返るとともに関係者らの協力に感謝を伝えた。

 速水盛康教育長は「地域の誇りとして、同時に大きな存在感があったと思う。講座や講演を通してこのホールから発信していただけることに敬意を表したい」とあいさつした。

 セミナーは中上の長女・紀さんの講演「30年経(た)って問いたいこと」で幕を開けた。紀さんは中上が同大学を設立した当時のことや父、家族の思い出などを回顧し「私にとって、熊野、同大学は父に会う場所であるとともに、父が守ろうとしていたもの、抱いていた志を再確認するための場所」。

 父の死を経て、また同大学への参加を通して「父は多くの宿題を残して卒業していった」とし「私に使命があるとすれば、この空間を継続し、物語や生き方を理解して伝えていくこと」と述べた。

 紀さんは留学時代に父からの手紙に返事をすることはあまりなかったと振り返り「遠く離れていても存在しているという絶対感があったが死んだことでその絶対感がなくなった」。

 父の死が文筆を志すきっかけとなったと述べ「父ならどう思うのかを考える。今でも父ならこうするのでは、と思う方向に進む自分がいる」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

豪華講師陣が登壇した熊野大学夏期特別セミナーの様子。左はいとうせいこうさん、右は奥泉光さん=5日夜、新宮市の「丹鶴ホール」
中上紀さん
2022年08月07日
57 どんな昆虫がいるかな?
 宇久井ビジターで観察会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで7月31日、「身近な昆虫観察会」が開かれた。午前・午後の部で夏休み中の小学生ら19人が参加し、環境省自然公園指導員の浜際康太さんと昆虫採集を楽しんだ。

 同センターで8月30日(火)まで開催中の「昆虫企画展~むしのたべもの~」の特別プログラム。特定非営利活動法人 大杉谷自然学校主催。

 参加者たちは虫取り網や虫かごを手に、樹液の出る木や草むらを探索。草の表面に触れるように虫取り網を左右に振る「スウィーピング」、やぶなどをたたいて隠れていた虫を見つける「ビーティング」などの手法も学んだ。

 この日はカブトムシなどの甲虫が少なかったが、メタリックカラーがきれいなカナブンや寄生バチの一種であるミドリセイボウの他、ハラビロカマキリ、ショウリョウバッタ、エンマコオロギ、アオバハゴロモ、ジャコウアゲハなど14種類が見つかった。

 中口翔太君(神倉小5)は「虫が大好きで、虫取りのプロです。ウマノオバチの仲間は初めて見ましたが、好きなのはやっぱり甲虫」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

昆虫採集をする参加者と浜際康太さん(右端)=7月31日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
ミドリセイボウ
ショウリョウバッタ
2022年08月07日
58 利用者に和菓子届ける
 配食ボラ「サークルほほえみ」  (紀宝町 )

 紀宝町内で配食サービスを行うボランティアグループ「サークルほほえみ」(森倉滿知子代表)は5日、サービス利用者に和菓子を届けた。

 配食サービスは、サークルほほえみと鵜殿地区配食サービスボランティアが毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 配食が休みの毎年8月は「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアが利用者宅を訪問してお菓子を配っている。昨年は新型コロナウイルスのため取りやめたが、おととしは「絵手紙も届けよう」と町ボランティア市民活動センター「きぼらんせ」が企画し、「絵手紙サークルこんにち和」の協力を得て150枚を贈った。

 この日、「サークルほほえみ」は調理ボランティア11人が配達ボランティア7人の協力を得て、利用者88人に分担して届けた。

 和菓子を受け取った神内の岡﨑ふみゑさん(101)は「ありがとう」と笑顔で話し、趣味のカラオケに通えないと残念がりながらも「毎朝、屈伸運動していますよ」と元気な様子を見せていた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは27日(土)に同地区の利用者に届けるという。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月7日付紙面より)

配食サービス利用者に和菓子を届ける=5日、紀宝町神内
2022年08月07日
59 身近にあるもので工作
 地域ふれあいネットワーク  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町地域ふれあいネットワークは4日、同町の体育文化会館で「工作教室~身近なもので作って遊ぼう~」を開いた。町内から夏休み中の小学生20人が参加し、段ボールや卵パックなど、身近な素材を使って物作りを楽しんだ。

 同ネットワークは、共働き世代の増加などの環境の変化を受け、放課後や長期休暇中に子どもたちの居場所づくりをすることを目的に活動している。

 ナビゲーターの井藤朋子さんは「大人が『これを作りましょう』と指定するのではなく、自由に遊んでほしい」との思いの下、▽何を作ってもいい▽「何か」を作らなくてもいい▽どんなやり方も過ごし方も、自分で決めてやってみる。失敗もいい体験▽アイデアが浮かばないときや助けがほしいときは「誰か」に相談するのもいい―とルールを説明。

 子どもたちは早速気になる素材を集めてのりやテープで貼り合わせたり、段ボールや発泡スチロールで削ったりした。

 広沢興君(勝浦小6)は「キラキラの折り紙を使って竜を作ろうと思っていたけれど、うまくのりでくっつかなかった。家でもう少し頑張ってみる」。てこの原理でペットボトルキャップが飛び上がる「ジャンプマシーン」を作った橋本豊陽君(勝浦小1)は「最初からアイデアはあって、上手にできたと思う。友達のまねをしてマイクも作った」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

どんな物を使おうかな=4日、那智勝浦町の体育文化会館
2022年08月07日
60 基本的な感染予防対策徹底を  お盆前に県民に呼びかけ  (和歌山県 )
2022年08月07日
61 最低賃金引き上げ求め答申  和歌山地方最低賃金審議会  
2022年08月07日
62 業績や事業を報告  ㈱キナンが近況説明会  (新宮市 )
2022年08月07日
63 勇気ある行動たたえる  夏山組と桝田さんに感謝状  (新宮市消防本部 )
2022年08月07日
64 思い込めた未完のお手玉  仕上げて福祉に役立てる  (那智勝浦町 )
2022年08月07日
65 感染防止対策の再徹底を  「BA・5対策強化宣言」を発出  (三重県 )
2022年08月07日
66 ハイレベルな戦い開幕  西日本大学女子ソフトボール選手権  (熊野市 )
2022年08月07日
67 元気よく「いらっしゃい」  井田保育所で夏祭り  (紀宝町 )
2022年08月07日
68 お悔やみ情報
  
2022年08月06日
69 災害時、車両への燃料供給
 那智勝浦町と覚書を交わす  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)と那智勝浦町(堀順一郎町長)は5日、同町天満の消防・防災センターで「災害時における警察車両等への燃料の供給に関する覚書」に伴う調印式を行った。災害発生時、警察車両への給油が不可能な際に、消防・防災センターに保有する燃料を供給するもので、新宮署から呼びかけた。過去には新宮市や串本町とも調印しており、管内では3例目。

 近年、豪雨災害が激甚化・頻発化し、全国各地で甚大な被害をもたらしているほか、高い確率で発生が予測される南海トラフ巨大地震を受け、防災体制強化の一環として締結した。

 災害時、町が管理する燃料を警備活動に務める警察車両に給油することで、町民の安心安全につなげることが目的だ。

 同町では南海トラフ巨大地震発生時、津波の第1波到達が約3分、最大17㍍と想定されている。今年4月に竣工(しゅんこう)した消防・防災センターは、海抜27㍍の高台に位置し、有事の際は対策本部として町防災の要となる施設。

 完備した自家給油取扱所にはガソリンを最大6000㍑、軽油を4000㍑保有できるとしている。

 調印式を終え、堀町長は「これまでの消防署は浸水域であり、燃料の備蓄を行える設備がなかった。新設することで、給油設備もでき、防災・減災対策や町民の安心安全につながった。有事の際は警察車両に給油を行うことで、さまざまな警察活動を行っていただけることから、町の防災力が向上した」。

 田原署長は「災害はいつ、どのような形で発生するか分からない。発生時は、給油のために移動することで現場への到着が遅れることも懸念される。今回の調印によって、素早く警察力が発揮できるのでありがたい」と語った。

(2022年8月6日付紙面より)

災害時、那智勝浦町から新宮警察署の車両に対して燃料供給が行われる=5日、那智勝浦町天満の消防・防災センター
調印を行う堀順一郎町長(左)と田原正士署長
2022年08月06日
70 青い海をどう守るのか?
 南紀熊野ジオパーク探偵団  

 「南紀熊野ジオパーク探偵団」(東垣(あずま・わたる)団長=南紀熊野ジオパークセンター長)の活動が、本年度もスタートした。8日にはオンラインで事前学習会が開かれ、新宮市の県立新宮高校、新翔高校を含む県内5高校、1中学校の有志生徒らが参加した。

 地元の自然や地球環境に関心を持つ中高生が、南紀熊野ジオパークをフィールドに探求活動を行い、地元の課題解決のために自律的に思考し、世界に情報発信していくことを目指す取り組み。昨年度スタートした。

 本年度の研究テーマは「海洋環境を考える」。東団長は「think locally, act globally(地域で考え、地球規模で行動)」という探偵団のモットーを述べ「青い海をどう守るのか、皆さんには科学的に問題に取り組み、学んだことを日本地球惑星科学連合大会などの学術大会で発信してほしい。最終的には、会社や企業と連携し、プラスチック循環社会に向けたイノベーションにつなげていくことができれば」と今後の展望を語った。

 和歌山大学教育学部の岡崎裕教授は、持続可能な開発目標(SDGs)の観点からみた探偵団活動の意義を説明。

 京都大学学際融合教育研究推進センターの島村道代・特定准教授は、海ごみ問題の特徴を▽グローバルな問題(人類共通課題)▽地域の問題(ごみは現場に落ちている)▽日常生活に密接に関係した問題(普段使っている物が海を汚す)―の三つと説明。過去15年で海ごみに占めるプラスチック製品の割合が増えていることを述べ「物理・化学といった理系のアプローチだけでなく、法整備やごみ処理の仕組みづくりなどの文系の解決方法を探っていく必要もある。皆で協力して問題について考えていきたい」と呼びかけた。

 生徒たちは今後、専門家らのサポートを受けながら、新宮市の三輪崎海岸と白浜町の志原海岸で漂着ごみの調査を行い、比較・分析を通じて特徴や原因を探っていく予定だ。

(2022年8月6日付紙面より)

専門家が事前学習で講話=5日、オンライン
2022年08月06日
71 例年より早く稲刈り開始
 給食米支える生産者組合  (串本町 )

 串本町の学校給食米納入を担う地産地消生産者組合(山下敏文組合長)が4日、稲刈りの作業に取りかかった。

 同町は学校給食における地産地消の推進と休耕田の解消を目的として2009年度に学校給食米の制度を導入。その納入者として発足したのが同組合で、休耕田を借りて再興し町指定品種・コシヒカリを栽培している。16年度には学校給食センターが本格稼働し、全町規模(古座川町立古座中学校分も含む)での学校給食がスタート。呼応して同組合も会員増強と作付面積の拡大に努め、現在は21人で27㌶を作付し白米換算で年間14~15㌧規模の需要を支えているという。

 この日稲刈りに取りかかったのは坂本渡副組合長。二色地内で4月9日に田植えした苗が収穫適期に差し掛かったため、愛用のコンバインで刈り進めた。

 今年は梅雨明けが早かった分好天に恵まれ、組合内では「塩害を受けた」という話もあるがこの場所は心配した台風接近の影響もほぼ無く作柄は上々。育ちも良く例年より1週間ほど早く取りかかることができ、「好天が続けば盆前には(組合からの預かり分の)収穫を終えられそう。じかに見えなくても子どもたちが喜ぶ顔は目に浮かぶ。それを励みにして暑い中だが収穫に頑張りたい」と意気込んでいる。

 山下組合長によると今年も14㌧を目安にして納入を目指すそう。新型コロナウイルスの情勢に伴い昨年納入分が若干余っているため、子どもたちが新米を味わえるのは余った分を使い切る9月半ば以降になる予定。今年は組合員間で田植えをした時期にばらつきがあり、組合全体としての収穫作業は9月いっぱいまでかかる見込みだという。

(2022年8月6日付紙面より)

収穫適期を迎えた苗の収穫を進める坂本渡副組合長=4日、串本町二色
2022年08月06日
72 丹鶴ホール「大階段」で初開催
 「スペシャルおはなし会」満喫  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」内の市立図書館は4日、同施設1階の大階段で「スペシャルおはなし会」を開催した。午前と午後の2回に分けて実施され、幼稚園から小学6年生までの子どもらと兄弟、保護者ら約30人が参加。ボランティアグループ「ブック・ブック」(濱野小夜子代表)メンバーが読み聞かせを担当し、子どもたちは絵本の世界を満喫した。

 図書館内の「おはなしのへや」で定期的に開催される催し。今回は「スペシャル」と銘打ち、3密回避なども目的として小規模な多目的イベント空間として利用可能な「大階段」に場所を移した。「大階段」でのおはなし会の開催は初で、集客を伴う同所でのイベント開催も初めてという。

 この日、「ブック・ブック」のメンバーらは▽あんぱんまん▽地震がおきたら▽にゃーご▽花さき山―の大型絵本を読み聞かせ。子どもたちは真剣な表情で絵本に見入り、終了後には拍手を送っていた。

 パネルシアター「とんでったバナナ」では、メンバーらが同タイトルの童謡を歌いながら歌詞に合わせてパネル上で物語を展開。子どもらはメンバーと一緒に、元気に童謡を口ずさむなどした。

 午前の部に参加した園山将臣君(7)は「(『とんでったバナナ』の小道具など)どうやって作ったのか気になる。作ってみたい。歌も歌えて楽しかったです」と笑顔。母親のまどかさんは「おはなし会には初めて参加しました。喜んでくれて良かった」と話していた。

(2022年8月6日付紙面より)

「ブック・ブック」メンバーらが読み聞かせを展開=4日、新宮市の「丹鶴ホール」
真剣な表情で絵本に見入っていた
2022年08月06日
73 競技普及の一助に
 夏休みバスケットボール体験キャンペーン  (黒潮ミニバス )
2022年08月06日
74 競技の魅力を伝える
 夏のなぎなた体験教室  (新宮なぎなたクラブ )
2022年08月06日
75 水と森テーマのPR動画など配信 高野山・熊野を愛する100人の会 
2022年08月06日
76 教育現場での活用に向け  町教研ICT部会が研修  (那智勝浦町 )
2022年08月06日
77 伝統の下がりに稲かける  今年も新米の季節が到来  (那智勝浦町 )
2022年08月06日
78 さまざまな企画で機運醸成  南紀串本ロケットウイーク  (近鉄百貨店和歌山店 )
2022年08月06日
79 活用見据えて操作教わる  教員対象に情報端末研修  (串本町 )
2022年08月06日
80 管内2人に長官感謝を伝達  水難救助推進の尽力たたえ  (串本海上保安署 )
2022年08月06日
81 熟した実を摘む体験提供  三尾川の児童園児招いて  (古座川町 )
2022年08月06日
82 梅の天日干し始まる  紀和町の特産物加工所で  (熊野市 )
2022年08月06日
83 献花して恒久平和を祈念  熊野市で戦没者追悼式  
2022年08月06日
84 本番に向け議場でリハーサル  小中学生議員が質問考える  (紀宝町子ども議会 )
2022年08月06日
85 新園舎12月に完成予定  鵜殿保育所の新築工事  (紀宝町 )
2022年08月06日
86 お悔やみ情報
  
2022年08月04日
87 高校生活に期待膨らませる
 新宮高校でオープンスクール  (新宮市 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で3日、オープンスクールがあり、新宮・東牟婁郡内の21校から中学生297人が訪れた。中学生たちは2グループに分かれて体験授業やクラブ体験に参加し、高校生活に期待を膨らませた。

 体育館では、広報委員会の伊藤志歩さん(2年)、冨田萌々花さん(同)、坂口りおさん(同)が動画で学校紹介。クイズも交え、4万冊超の蔵書がある独立した図書館や、創立120周年記念に改装したばかりの多目的食堂施設「リレー・スクエア」、夏バテ対策の食堂新メニューのしそジュース、焼きたてパンなどが買える購買部、多彩なクラブ活動などの魅力や特色を伝えた。

 中学生たちはそれぞれの希望に沿い、数学や英語、生物、物理、倫理、公共などさまざまな授業を受講。英語のコミュニケーションゲーム「Line up in Order」や、ペットボトルとガラス玉を使ったタマネギの細胞観察などで、高校の学びを体験した。

 参加した中学生たちは「『自由って最高』という面白そうなタイトルだったので倫理を受けたが、思っていたよりも難しく、高校ではこんなことを勉強するんだと分かった」「新宮高校がいいなと思っていて、生物の授業も楽しかった」「高校では吹奏楽部に入りたい。見学も楽しみ」などと話していた。

(2022年8月4日付紙面より)

広報委員会が学校紹介=3日、新宮市の県立新宮高校
生物の体験授業を受ける中学生
2022年08月04日
88 串本の海にじかに親しむ
 第46回マリンスクールで  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センターが1日にイベント「第46回マリンスクール」を開き、町内の小学5、6年生14人が同館職員と一緒に串本の海にじかに親しむ経験をした。

 海への理解と興味をより一層深めるとともにそのためのグループ活動を通して自主性と協調性を培う目的で、同センターオープン翌年の1972年からおおむね年1回の頻度で実施(未実施年があるため実施回数は経年より少なくなっている)している同スクール。

 例年は1泊2日(テント泊)で夏休み期間中に実施しているが、おととしと昨年は新型コロナウイルスの情勢により中止。今年は自炊やテント泊の要素を差し引くなど感染予防の工夫をして計画し、参加を呼びかけた。

 メイン講師は同センター水族館職員の平林勲さんが担当し、他の職員も活動を支援。前半は参加者が過去に遠足などで親しんできた施設の見学や飼育体験、アカウミガメの放流に取り組んで串本の海へのイメージを高め、昼食休憩を経て後半は同センター前に広がる錆浦海岸で磯観察に臨んだ。

 14人は平林さん組と同職員の佐久間夢実さん組に分かれて小さな潮だまりや潮間帯、魚類も取り残されるほど大きな潮だまりを巡り、魚類や貝類や甲殻類、棘皮動物の仲間(ウニ類、ヒトデ類、ナマコ類)といった生き物を採集。大きな潮だまりでは網を持ってシュノーケリングによる採集にも挑戦した。

 採集後は平林さんから生き物の名前を教えてもらいながらじっくり観察。行動観察と題し、ヤドカリがどのようにして背負う貝を選ぶかも観察して確かめた。

 参加者の道井渚由さん(5年)は「磯観察が楽しくて、ソラスズメダイ10匹ぐらいの群れがいてきれいだった。アカウミガメが泳いでアメリカまで行くことは知らなかったのでびっくりしたし、勉強になった」とコメント。平林さんは「串本の海の素晴らしさにじかに触れ、何かを感じて今後親しむ機会にしてもらえれば」と参加した児童の今後を期待した。

(2022年8月4日付紙面より)

シュノーケリングで磯の生き物採集に挑戦=1日、串本町有田
平林勲さんから名前や特徴を教わりながら採集した生き物を観察
2022年08月04日
89 図書管理システム導入 夏休み中に太田小・下里中で (那智勝浦町)

 那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)と下里中学校(布引伸幸校長)の図書室で現在、夏休みを利用した図書管理システムの導入作業が行われている。バーコードの貼り付けや図書整理を経て、新学期からは順次、本の貸し出しや返却などの作業をパソコン上で行うことができるようになる予定だ。

 太田小学校の現在の蔵書は5175冊、下里中学校は5199冊で、これまでは貸し出しカードへの記入などによって本の管理をしていた。

 両校で導入するのは「お気軽図書館」という小規模図書館向けのシステム。バーコードリーダーによる本の貸し出し、返却、予約、利用者管理の機能を完備し、本の情報(書誌データ)に基づく検索や貸し出し記録の分析を行うこともできる。

 現在は夏休みを利用し、那智勝浦町の学校司書や教職員が手分けし、分類記号を記した3段ラベルやバーコードの貼り付け作業をしている。

 学校司書の米地紗織里さんは「町内小中学校の図書管理システム導入は、現在の2校が最後。本の管理が非常に簡単になり、子どもたちの読書環境づくりの面からも、大きな一歩となると思う」と語る。

 お気軽図書館のシステムでは、児童・生徒や教職員、地域住民といった利用区分ごとに貸出冊数や期間を調整することも可能。太田小は今後、地域住民向けの図書室開放や貸し出しを行うことも視野に入れているという。

(2022年8月4日付紙面より)

バーコードの貼り付けを行う=1日、那智勝浦町立太田小学校
教職員らが分担して作業=7月25日、那智勝浦町立下里中学校
2022年08月04日
90 剣道通して交流図る
 グロッサンさん一家が訪問  (新宮道場 )

 新宮市の熊野速玉大社境内の新宮道場に7月31日、フランス在住のグロッサン・ガブリエルさん(41)一家が訪問した。一家は、同道場で練習を行う新宮剣友会(宮戸伸之会長)に所属する剣士たちと共に同大社で正式参拝を行い、稽古を通して交流を図った。

 「新宮を剣道の聖地に」「楽しく伝統文化を継承したい」との思いから、国内外から訪問者を受け入れている同会。フランスで、家族で剣道に打ち込むガブリエルさん、妻で和歌山県出身のなつきさん(42)、息子のガスパー・楓雅さん(14)は夏のバカンスを利用して毎年日本を訪れており、なつきさんの母校である県立和歌山東高校などで研さんに励んでいるという。

 6段錬士の腕前を誇り、フランス女子ナショナルチームのコーチも務めるなつきさんと現在5段のガブリエルさんとの出会いは高校生の時。剣道の稽古のために同校を訪れたことがきっかけで結ばれた。

 なつきさんの両親と知り合いだったことも縁となり、これまでにも剣道を通して交流を育んできた一家と宮戸会長。新宮市への訪問は初めてで、今回の来日は11日(木・祝)に橋本市で実施される楓雅さんの昇段審査も兼ねている。楓雅さんはフランスの中学生の部で優勝を飾るほどの腕前で「昇段審査目指して頑張りたい。和歌山の海や川で泳いだりして、バカンスも満喫したい」と話していた。

 正式参拝を終え、ガブリエルさんたちは新宮剣友会の剣士たちと打ち込み稽古などに汗を流し、剣道を通して交流を深めた。

 宮戸会長は「交流を通して、剣道の素晴らしさをお互いに感じてもらいたい。この地が剣道の聖地になるために、これからも多くの人に声をかけて熊野に来たい人を増やすことができれば。今日の交流はその第一歩だと思います」と思いを語った。

(2022年8月4日付紙面より)

ガブリエルさん(前列中央)、なつきさん(左隣)、楓雅さん(同)。正式参拝を終えて=7月31日、熊野速玉大社
稽古に汗を流し、交流を深めた=同日、新宮道場
2022年08月04日
91 ウナギ石漁の仕掛けを作る  高池小4年が潤野の河原で  (古座川町 )
2022年08月04日
92 和気あいあいと作業  チームくまのがわがしそジュース作り  (新宮市熊野川町 )
2022年08月04日
93 本宮館でフォトコン写真展  南紀熊野ジオパーク  
2022年08月04日
94 「好きなもの」写真に撮ろう  市長の子どもカメラ教室  (新宮市 )
2022年08月04日
95 伝統の「熊野大花火」守りたい  11月に代替花火計画、寄付金募る  (熊野市観光協会 )
2022年08月04日
96 お悔やみ情報