フラワーツーリズム協と熊野川小 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は17日、新宮市立熊野川小学校でパンジーの苗162本をプランターに植え替え、同市熊野川町日足(ひたり)の「新宮市さつき公園」に運んだ。同小の1~6年生36人と地域住民組織「チームくまのがわ」メンバーも協力し、色とりどりの花を前に「公園が花いっぱいになってうれしい」と笑顔を見せた。
同協議会は2011年9月の紀伊半島大水害で被災した町に花の名所をつくろうと発足。風水害を乗り越えながらも、日足バイパス下の休耕田や耕作放棄地に約4万本のヒマワリやコスモスの種をまき、「ひまわりまつり」や「鯉のぼり祭り」を開催してきた。
下阪会長は「新型コロナウイルス感染症の影響でイベントが中止になっている中、地域を元気にしたいと思い、子どもたちの遊び場であるさつき公園に花を植えることにした。子どもたちは地域の宝物。その宝石が少しでも輝くように」と開催経緯を話す。
当初はさつき公園で作業を予定していたが、雪が降りだしたため場所を学校に変更。児童らは底石と培養土を入れたプランターにパンジーの根をほぐして植え、自分の名前を書いたプレートを飾った。
中前幸太君(6年)は「さつき公園では、よく鬼ごっこやケイドロをして遊ぶ。次に行ったら、自分が植えた花を探したい」と話していた。
(2021年2月18日付紙面より)
ノルディックウオーキング講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地のイササジコンストアは14日、同町二河の教育センター(旧三川小学校)で第3回「ノルディックウオーキング健康講座」を開いた。町主催のノルディックウオーキング教室に通うメンバーや新宮市から串本町までの新規受講者30人が参加。日本ノルディックウオーキング協会公認マスタートレーナーでエヌウォーカー倶楽部代表の藤川真司さんが講義と実技指導を行った。
ノルディックウオーキングとは2本のポールを使用した新しいフィットネススポーツ。「腰や膝など下半身の負担を減らす」「全身運動のため、通常のウオーキングの1・2倍以上の運動効果が期待できる」などの特徴があり、世界中でも愛好家が多いという。
この日は同センターで講義後、一同は隣接する河川公園に移動。藤川さんの指導の下、ポールを使用した準備体操やストレッチに取り組んだ。
藤川さんは「効果が薄くなるため、早く歩こうとしない」「前足に体重を掛ける」「肘を伸ばして肩を使うと姿勢が良くなる」などをアドバイスし、参加者は意識しながら周辺を歩いた。
藤川さんは「自分で車を運転したり、いつまでも健康でいるためには歩くことが大切。歩くことを忘れないでください」と話した。
同店店主で町主催のノルディックウオーキング教室で講師を務める湊谷洋子さんは「健康のために、ポールを持って歩くことの良さを地域の皆さまにも知っていただけたら。次回は藤川先生の生徒さんたちと交流ができればうれしい」と話した。
(2021年2月18日付紙面より)
「県立高校再編整備」骨子案を説明 (和歌山県教委 )
和歌山県教育委員会は16日、新翔高校と新宮高校で「『県立高等学校の今後の在り方(再編整備)』の骨子案の説明・懇談会」を開いた。教員や学校・教育関係者らが出席。県教委がまとめた骨子案について説明を受け、意見交換を行った。
県教委の諮問機関「きのくに教育審議会」は昨年夏、「現在29ある県立高校(全日制)の数を今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」といった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手している。
このたびの説明・懇談会は「再編整備の考え方の骨子」や「各エリア(地域)にどのような学校や教育を整えるか」などについて説明し、意見や要望を聞くことが目的。9日の和歌山市の県民文化会館を皮切りに県内15カ所で開いており、骨子案では「定時制・通信制を含めた今ある32校の県立高校を充実させ、可能な限り存続」していくなどとしている。
新翔高校で開かれた会では、宮﨑泉・県教育長と清水博行教育企画監が、これまで各地域で実施してきた説明会で寄せられた意見などを紹介した上で、過去の県立高校整備や教育改革の経緯やその成果・課題などを整理。
今後の県立高校教育の在り方を構築する上で▽前例踏襲から脱し、真に必要とされる学校へ変わっていくための具体的指針の策定▽学習者の視点でのスクール・ミッションの提示▽中学校と高校、学校と地域などとの連携強化による、学校力の向上と課題の克服―が必要になってくるとし、「将来に確かな展望を持つ生徒を育てる教育の展開」「全ての生徒の自立と社会参加に向けて一人一人の学習ニーズに応える柔軟な仕組みの構築」「子どもたちの可能性を高く、大きく開花させる高校教育の整備」などを特に重点的に取り組むべき事項であるとまとめた。
再編に当たっては「今ある高校を充実させ可能な限り存続」「自宅から通学可能な所に多様性と活力ある高校を確保」「特色や質の高い学びを保障」することを基本的な柱とし、6学級240人を目標に4~8学級に収まるような学校規模を想定しているとした。
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清水教育企画監は、新宮・東牟婁地域で実施した説明会では「専門教育が弱いのでは」といった意見が多くあったと紹介。それらの意見を踏襲した上で、新翔・新宮の2校を「新しい地域の拠点校」とし、難関大学などへの進学を含めた進路希望を保証する「学際系学科」と、多様な学びのニーズに対応し、地域で活躍できる人材を育成する新しい「総合学科」を整備する案を示した。
学際系学科では質の高い学際的教育を実施し、総合学科ではスポーツや情報通信技術(ICT)などの「教養系列」、建築(土木)、ICT、看護福祉などの「専門系列」、学び直し中心の授業および30分授業を実施する「リカレント系列」などを設け、系列間で相互に科目選択を可能とするなどの特色を説明した。
参加者からは「余裕を持ったスタートを」「時間をかけて多くの意見を吸い上げてほしい」「高校環境を話し合う場をもっと設けるべき」「再編するに当たって、子どもだけではなく関係者や保護者が先生の顔を見ることができる取り組みを」などの意見があった。
「新翔・新宮の2校を端的にどうしていくのか」の質問に対して清水教育企画監は「二つの学校の良さを残しながら、必要なものを付けながら今より活気のある学校に作り変えていきたい」と述べ、「何度かの説明会・懇談会を通してわれわれの認識も深まった。再編したら終わりではなくまだスタートにも立っていない。今後もさまざまな意見を交えて進めていきたい」とした。
(2021年2月18日付紙面より)
串本町役場古座分庁舎で17日まで、ロケット事業「宇宙ウイーク」の教育活用が活気を見せた。町立小中学校を対象とした見学会を実施し、13校中8校が参加を希望。密を避け時間差で来場し、先んじて参加したロケットワークショップの上積みでさらに理解を深めるなどした。
同事業は12日から14日までの3日間にわたって実施。うち13日と14日は一般公開日で、2日間計約1000人の来場を集めた。教育活用は町内の子どもにも役立ててほしいという思いで計画。感染症予防対策の観点で密を避けるため、期間前後の平日で各校が時間差で来場できるよう日時を決め順次受け入れた。
16日午後は小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」に最至近の田原小学校(野端則久校長、児童14人)と最遠の串本西中学校(平原良一校長、生徒24人)が全校規模で来場。快晴下でひときわ映える小型ロケット実物大懸垂幕前で記念撮影後、同分庁舎1階にある同発射場射点一帯の最新版ジオラマやH3ロケットが飛び出すだまし絵、3階にある国産ロケットや宇宙ステーション、小惑星探査機「はやぶさ」や宇宙服の各模型や宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士ユニホーム〈実物〉、小山宙哉公式ファンクラブ・コヤチュー部プレミアムの寄贈品や町独自作成のロケットロゴマークと大漁旗などを見学した。
解説は同町企画課ロケット推進グループの平井治司さんが担当。展示の内容と共に公開後の最新情報として、浦神半島が見通せる町内東側であればほぼどこからでも打ち上げが良好に見えることがサーチライト照射時の定点撮影などから濃厚になってきたと伝え、打ち上げ時の期待感を促すなどした。
同事業関係展示の公開はこの教育活用を最終とし、展示物はそれぞれの所有者に返還する。同グループによると、「宇宙ウイーク」に続くイベントとして「紀の国わかやま文化祭2021」=10月30日(土)から11月21日(日)まで実施=の一環で小型ロケットの打ち上げに向けたプレイベント(講演会や展示など、詳細は計画中)が検討されているという。
(2021年2月18日付紙面より)
全国勝浦ネットワーク会議 (那智勝浦町 )
全国勝浦ネットワークは9日、オンライン会議を実施した。那智勝浦町の堀順一郎町長、千葉県勝浦市の土屋元(はじめ)市長、徳島県勝浦町の野上武典町長の3人が各市町からインターネット上で会議が行える「Zoom(ズーム)」を使用して意見交換や情報共有を行った。
同ネットワークは「勝浦」と地名が付く3自治体が互いの地域の発展を目指すことを目的に集まり、2003(平成15)年に友好都市盟約を取り交わした。
従来は3人の首長が集まって会議を実施しているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり今回のオンライン会議に至ったという。
会議の進行は勝浦市が行い、3人の首長はそれぞれの地域のコロナの状況や感染防止対策、経済対策などを発表した。
勝浦市ではマスクや応援券(商品券)の全戸配布、水道料金や小中学生の給食費を半額にしたことを説明。勝浦町では小中学校休校時に給食センターの職員に依頼してマスクを作成し配布したことや老人福祉施設への衛生用品、商品券の配布、水道料金を負担したことなどを紹介した。
堀町長は県内の発生状況や観光の町である那智勝浦町がコロナによって受けた打撃や影響を説明。取り組みとして▽紀伊半島大水害の際に寄付されたマスクを消毒し再利用▽運転席と患者室の間仕切りやオゾン発生装置などを完備した高規格救急車などの導入▽災害発生時、避難所での密を防止するため町内宿泊施設との連携▽まちなか商品券の配布▽非接触型決済の導入推進―などを報告した。
土屋市長は「今後も情報共有し、この会議を有効的に活用していきたい」。野上町長は「両市町の目線の変えた取り組みを参考にして、職員一丸となって考えていきたい」とそれぞれ話した。
堀町長は「コロナ終息後はそれぞれの地域に出向いて、より密な情報共有や交流をしたい」と締めくくった。
(2021年2月11日付紙面より)
和深発で駅拠点ウオーク (「大辺路」活性協議会 )
串本町にあるJR和深駅~田並駅間で8日と9日、「世界遺産熊野古道大辺路 駅からウオーク」があり、両日計37人が熊野古道大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)とともに両駅間の大辺路沿いの見どころを巡り歩いた。
那智勝浦町と串本町の観光関係諸機関・団体で結成する世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会が、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の適用を受けて展開する取り組みの一環。
同協議会は鉄道駅を拠点にしたウオークに親しむ環境整備を進め、両町内にある各駅を拠点化するツールとして▽駅からアクセス・ルートマップ(駅拠点で歩くためのコース図)▽あがらの○○駅お散歩マップ(各駅周辺の見どころ紹介図)―などを作成。その成果を生かす実証として同ウオークを考え参加を募った。
初日は22人、2日目は15人が参加。その多くが趣旨に沿い、普通列車を利用して参加、解散する手段を取った。
ガイドは串本町域の大辺路を再興し保全する同隊が担当。2日目は上野隊長ら隊員4人で感染症予防のため四つの小グループに分かれた参加者を誘導し、新田平見道や富山平見道はもとよりメタルアートギャラリーやおおな魚(=イシナギ)伝説が宿る大師堂、旧赤瀬小学校など道中の見どころの数々をガイディングレシーバー越しで紹介するなどした。
今回は各自昼食を持参とし、無料で実施。参加者には駅からアクセス・ルートマップを事前送付し、お散歩まっぷはカラー版が完成次第送付するという。同機構の齋藤滋さんは、事業終了後も引き続き実動が伴いJRきのくに線活用の一助にもなる今後を思い描いて同ウオークを主導していた。
翌10日と11日は湯川駅~那智駅間でも同様のウオークを実施。別系統で「JR14駅で大辺路コンシェルジュがお出迎え」と題して12日(金)から14日(日)までの午前7時~午後4時、宇久井を除く対象各駅に管理人が常駐し地図を配るなどして送り出す実証も行う。
問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)か那智勝浦町観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2021年2月11日付紙面より)
図書館・子育て支援セの内覧会 (紀宝町 )
紀宝町神内の旧町保健センターを改修した「紀宝町立図書館・子育て支援センター複合施設」の内覧会が9日にあり、西田健町長、町議会議員らが施設内を見学した。
改修は昨年6月24日から始まり、1月29日に完成。1階に図書館、2階には子育て支援センター室、活性化ホールなどを配置した。今後は複合施設の愛称を今月中に決定し、同センター室などの整理や準備、鵜殿図書館から図書の引っ越しなどを行い、4月に開館する予定だという。
施設は誰もが利用できるようエレベーターと多目的トイレを設置。新たなフリースペースでは飲食が可能なほか、キッチンを活用した簡易な料理教室を開くことができる。
図書館は、旧保健センター事務室や診察室などの壁を撤去し、一つのフロアに改修。木の温かみと落ち着きが感じられるスペースとなった。蔵書は約5万冊となる見込みで、児童コーナーには絵本を中心に配置する。
支援センターでは、図書館と連携した事業を展開し、新たな子育て支援のサービスを提供する。活性化ホールは壁や床を改修し、スクリーンを新設し、出入り口にスロープ、窓に転落防止用の手すりを設置した。
視察した西田町長は「木材をふんだんに配置し、温かみのある施設になった。4月の開館後は多くの方に利用していただきたい」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
ブック・ブックが県教育委員会功労賞 (新宮市 )
新宮市のボランティアグループ「ブック・ブック」(濱野小夜子代表)が、和歌山県教育委員会の「県教育委員会功労賞」を受賞した。先月14日、和歌山市内の「ホテルアバローム紀の国」で開催された「和歌山県教育表彰式」で表彰を受けた。
県の教育の発展に功績があった個人や団体をたたえる同表彰は4分野で構成されており、「知事感謝状・県教育功労者」「知事感謝状・優秀教職員」「教育委員会功労賞」「きのくに教育賞・きのくに教育の匠」がある。同グループは地域の読書文化の振興と向上に大きく貢献した功績が認められこのたびの受賞に至った。
2000(平成12)年度に発足した「新宮市立図書館百周年記念事業実行委員会」を母体とし、02(平成14)年度に設立。
4カ月検診時に母親と幼児に絵本を読み聞かせ、絵本をプレゼントする「ブックスタート」、市立図書館や小学校での「おはなし会」、書架整理、本の修繕、グリーンカーテンの設置や庭の手入れなど、読書環境の整備や子どもの読書を推進する事業を中心に活動している。14(平成26)年に市政功労者表彰、15(平成27)年に第48回優良読書グループに選ばれている。
「本が好き」「子どもが好き」な人が集まり、現在メンバーは25人。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、本を通じたふれあいの時間や子どもたちの笑顔を活力に日々、ボランティア活動にいそしむ。
このたびの受賞を受け、濱野代表は「みんな自分の好きなことをしているだけ。大それたことはしていない。うれしいというより驚きです」と謙遜しながらも、読書の輪のさらなる広がりに期待を寄せる。
代表して表彰式に参列した江川大二郎副代表は「率直にうれしい。これからも本を通して『知る』ことを楽しんでくれる子どもたちのお手伝いができれば」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日夜、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。新型コロナウイルス感染防止のため上(あ)がり子の入山が中止となる中、神職と介釈(かいしゃく)の一行は古式床(ゆか)しく神事を斎行。御神火をともした大松明(たいまつ)と共に下山した。
新宮節の一節に「山は火の滝、下り竜」とうたわれ、1500年以上の歴史と伝統を誇る勇壮な火祭り。2016(平成28)年3月、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財に指定された。
今年は、全国的に新型コロナ感染症のクラスター発生防止の取り組みが行われている中、2000人以上の上がり子が集結することによって長時間の3密状態が避けられない状況であることを考慮した。
上がり子の安全と健康を最重要視し一般の参加を中止に。上野宮司は「当日は各家庭から神倉山に向かってコロナ終息などへの祈りをささげ、歴史上に例のない『千載一遇の御燈祭り』に」と呼び掛けていた。
神倉神社を下山した一行は阿須賀神社へ。御神火を奉安し奉幣神事を執り行った。熊野速玉大社に戻った神職らは同様に神事を行い、厳かに今年の火祭りは幕を下ろした。
祭事を終え、上野宮司は「歴史上始まって以来の御燈祭りだったが、漆黒の闇の中に御神火を頂くという本筋は変わるものではない。おそらく太古の御燈祭りは同様に漆黒の中で執り行われ、麓で待つ人に分け与えられたのでは」。
今回、図らずして千載一遇の機会を得て斎行することができたことで太古の祭りを感じることができたとし「消防関係者や警察の方々、多くの関係者の支えがあり祭りを終えることができた。来年は本来の祭りができることを心から祈っています」と話していた。
(2021年2月9日付紙面より)
第72回書初競書会 (新宮・東牟婁 )
東牟婁地方書写教育研究会(山田貴也会長)は5日、新宮市立緑丘中学校で第72回書初競書会の審査会を実施した。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から展示は行わないが、新宮・東牟婁の小中学校の教職員34人が集まり、児童・生徒の作品を審査した。
同研究会によると、今年は金賞作品展だけでなく、中央展の審査ならびに展示も中止となった。審査後は各校で賞状が手渡されるのみだという。
この日は教職員がグループに分かれ、「文字を正しく整えて書けているか」「画の接し方が正しいか」「点画のつながりに気を付けているか」「文字の大きさや配列が適当であるか」「作品を書く上での問題点」などに注意しながら各学年の作品を審査した。
なお、今回は金賞と銀賞に加え、中止となった中央展の出展に相当する作品を金賞から選び、特賞を設けた。特賞には同研究会から記念ボールペンが副賞として贈られる。
作品総数は3053点で審査の結果、硬筆2335点のうち、特賞が128、金賞が806、銀賞が1401点。毛筆718点のうち、特賞が68、金賞が220、銀賞が430点となった。
山田会長は県内のほとんどの児童生徒が同じ手本を用いて、年に1回競い合うことは他府県では珍しいとし、「和歌山県は書写教育に熱心。子どもたちや保護者の皆さん、地域の方々も関心を持っていただいている。今年は展示もなく残念だが、来年こそはコロナが終息してこれまで通りに実施できればうれしい」と語った。
(2021年2月9日付紙面より)
ツアー活用に向け準備中 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)がこのほど、古座事業所付けで足こぎ式のフィッシングカヤック(Fカヤック)2艇を取得した。4月から有償ツアーによる活用を始める予定で、5日は串本町西向出身のアングラーズアイドル・そらなさゆりさん=フライドライス所属=にモニター協力を求めてツアーを試行するなどした。
このカヤックは、県の「水の国、わかやま。」体験観光事業者スタートアップ補助金を受けて導入を目指す新規アクティビティの中核となる資材。同町が連携協定を結ぶアウトドアメーカー・株式会社モンベルの仲介でアメリカ合衆国から取り寄せた製品で、船底を擦るような浅瀬ではパドルを使用し、水深がある場所でスクリューを出しペダルで回転させて進む。パドル式と比較して両手が自由になるため、さおを手にしたまま釣るポイントの微調整ができるという強みがあるという。
取得したのは全長12フィート(約3・7㍍)の一人艇で、到着後はさっそく職員が操作の習熟に励んで特性を理解し、このカヤックでできるツアーの内容を検討中。習熟の延長で分かりよい指導の確立にも努めている。
協力したそらなさんは、同協会が主催するイベント「ラブ太平洋串本エギング大会」で中湊出身のプロエギンガー・湯川マサタカさんと対でゲスト参加し盛り上げている人材。同協会はコロナ禍を避け帰郷中の折を見て、協力を求めたという。
この日は同事業所勤務の三栖雅章さんがインストラクターとなりツアーを試行。足こぎ式のカヤックは初経験のそらなさんに操船方法を伝えて古座大橋一帯を周遊し、利用時の印象などで意見を求めた。そらなさんは「水面が近くて海と一体になる感じが心地良かった。何より両手が空くことにはいろいろな可能性があるなぁと感じました」とコメント。扱いについて「操作がシンプルで、移動時の癖さえ知ってしまえば初心者の方でもどんどん慣れていけると思う。風を読んで潮を読んで、行きたい方向へ行けるのがうれしかった」と語った。
同協会はこのカヤックを用いたインストラクター付き有償ツアーを検討していて、今は2艇しかないため上限数人程度のグループを対象にして4月1日から提供を始める予定と話している。問い合わせは南紀串本観光協会古座事業所(電話0735・72・0645)まで。
(2021年2月9日付紙面より)
神倉神社で翌日祭
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で7日朝、御燈祭(おとうまつ)り翌日祭(奉祝祭)があった。神倉神社奉賛会の猪飼三雄会長や神倉青年団の中山忠吏団長らが玉串を供え、祭りの無事に感謝するとともに、コロナの一日も早い終息を願った。
上がり子の参加が中止となり、神職と介釈(かいしゃく)のみで執り行われた今年の御燈祭り。同神社では古式床(ゆか)しく神事が斎行され、御神火をともした大松明(たいまつ)が無事に麓に下山した。
例年なら、奉賛会らによる盛大な餅まきが開催される翌日祭だが、今年は厳かに神事のみが執り行われた。
神事を終え、上野宮司は「皆さんにとっても心配も苦労も多い祭りになったと思う。千載一遇となった今年では、御神火を頂くことのありがたさを改めて感じることができた」とあいさつ。
「長きにわたり伝わる祭りを、私たちは未来につなぐために全力を尽くしている。そのために影で尽力してくれている警察や消防関係、ボランティアの方々の存在も忘れてはならない」と述べ、さらなる協力を呼び掛けた。
祭りから一夜明け、猪飼会長は「御燈祭りは一年の締めくくり。昨夜は大松明が火を携えて降りてきた時は安心した。奉賛会と青年団は家族みたいなもの。上(あ)がり子がおらずさみしく感じたが、こんな神事は今後はないと思う。来年はコロナが終息し、多くの人でにぎわう祭りになれば」。
中山団長は「今年はさまざまなことが初めての中での斎行となったが、闇の中で大松明1本に火が灯された様子は神秘的で太古の祭りをほうふつとさせられた。神様に頂いた火を氏子さんたちに見ていただけて良かったと思います」と話していた。
(2021年2月9日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で5日、ふるさと学習があった。1年生58人と6年生83人が、毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行される「御燈祭(おとうまつ)り」について学びを深めた。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに自分が住んでいる町や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得ながら授業を設けている。
6年生は、熊野速玉大社(上野顯宮司)禰宜(ねぎ)の濵中孝成さんから神倉神社や御燈祭りの歴史についての話を聞いた。濵中さんは熊野権現が祭られている熊野神社は全国にあり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、神が鎮まる場所との意味で『神倉』と名付けられたとされています。銅鐸(どうたく)などのさまざまな出土品から、弥生時代には神倉山で祭りが営まれていたことが分かっている」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事などの祭りの行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが御燈祭りの本意。今年は新型コロナウイルスの影響で上ることはできませんが、祭りを知ってもらい、いろんな人に伝えてあげてください」と呼び掛けた。
1年生は、祭り当日のタイムスケジュールや草鞋(わらじ)、たいまつ、白装束の説明に耳を傾け製作の大変さなどを学習。協議会メンバーや関係者らが作成した絵本「やくそく~はると君のお燈まつり~」の読み聞かせもあった。また、この日の給食には▽豆腐のクリーム煮▽大根サラダ▽カルピス寒天―など、全て白い食べ物からなる「精進潔斎給食」が出され、児童はおいしそうに味わっていた。
6年生の清岡三獅郎君は「御燈祭りは、長い歴史があり一日を通しての祭りということを改めて知った。機会があれば自分も参加してみたいと思いました」。下岡会長は「子どもたちが興味を持って聞いていた姿が見られてよかったです。今後もさまざまな授業を設けて町の歴史や文化を知ってもらえれば」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」 (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)はこのほど、串本町と那智勝浦町内で8日(月)~14日(日)に開催する「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」に向けて那智勝浦町のJR湯川駅で「大辺路コンシェルジュ」として参加するメンバーらを対象に研修会を実施した。集まった24人は本番に向けての最終確認やコミュニケーションを図った。
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「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」は両町の大辺路地域の滞在を促進する誘客多角化事業の一環として有効な手段となるかを実証実験するために行うもの。
同ツアーではJR和深駅~田並駅の【世界遺産:新田平見道、富山平見道】絶景!吉野熊野国立公園の海岸造形に感激「JR和深駅からJR田田並駅へガイドウオーク」と、JR湯川駅~那智駅の【世界遺産:駿田峠】汽水湖のゆかし潟、町なか散歩も楽しい「JR湯川駅からJR那智駅へガイドウオーク」が用意されている。
参加予定人数は1月末時点で串本コース分が8日21人、9日15人で大辺路刈り開き隊がガイドを担当。那智勝浦コース分は10日が25人、11日が27人で熊野那智ガイドの会が担当する。
また、12~14日の期間中には両町間の14駅に「大辺路コンシェルジュ」を配置。串本側は大辺路刈り開き隊が、那智勝浦側は熊野那智ガイドの会となちかつ古道を守る会が担当する。
コンシェルジュは駅に待機して大辺路を歩きに来た人や興味のある人々と交流し、「大辺路アクセス・ルートマップ」や「駅近お散歩マップ」を用いて両町と大辺路の魅力を伝えるという。
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研修会は串本町でも実施された。那智勝浦町では参加者が感染症対策や当日の配布物の確認、運営に必要なテーブルの設置方法、マップを使用した説明方法などを学んだ。
同協議会のプロジェクトマネジャーで、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)で観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「コンシェルジュにこれほど多くの方が参画してくれると思わなかった。参加者の方々は自らが住む町の世界遺産をより知ることができる機会になると思う。最初のステップとしては好感触です」と話した。
(2021年2月7日付紙面より)
神事で供える特別な餅 (御燈祭り )
御燈祭(おとうまつ)り当日の6日午前、新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りがあった。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員たちが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。
中山忠吏団長をはじめとする団員と上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長たち約10人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、6升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。
上野宮司は「今年は上(あ)がり子が登れないため、残念な気持ちを持っている方が多いと思いますが、かつて漆黒の闇の中で営まれていた神事を思い起こす意味では貴重な経験と感じています。改めて気を引き締めながら心を込めて斎行していきたい」。
中山団長は「新型コロナウイルスの影響から少数の人たちが神事に携わらせていただくことになった。今後、このような状況にならないよう願って一生懸命、奉仕したいと思います」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会