ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:91件の記事がありました
【検索ステータス】 
2022年08月28日
1 未曽有の災害、忘れたらあかん
 紀伊半島大水害記念公園で清掃  (那智勝浦町 )

 当地方を襲った未曽有の大水害・紀伊半島大水害(2011年)から11年となる9月4日(日)に向け27日、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表と地元建設業有志ら約30人が慰霊碑の清掃や周辺の草刈りに取り組んだ。清掃後、岩渕代表は「今年も清掃活動を行わせてもらった。どうか見守っていてほしい」と報告し、慰霊碑に手を合わせた。

 清掃は、水害発生当日の追悼供養や慰霊祭を前に毎年実施する恒例行事。なお、今年の慰霊祭(4日正午~)は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から式典は中止とし、岩渕代表と堀順一郎町長による代表献花のみの予定となっている。

 この日、参加したのは▽㈱庵野組▽井筒建設㈱▽カミジ技建㈱▽木原造林㈱▽大和建設㈱▽岡山組▽㈱海邊組▽㈱川合組▽㈲崎建設▽田中建設㈱▽㈱下山組▽㈱泉組▽㈱果無建設▽㈱松原組▽㈱オカダ―の15社。草刈り機などを手に清掃活動に汗を流した。

 岩渕代表は参加者らの協力に感謝を伝え「災害を忘れたらあかん。未曽有の災害を後世に残すことが大事。清掃活動によって災害を思い出してほしい。これから台風も増える。あのような被害が二度と起こらないように、自分の身は自分で守るという気持ちを持ってほしい」と話していた。

 なお、同所では今年も4日未明、死者・行方不明者と同じ数の29個のLEDキャンドルをともすが、新型コロナウイルス感染状況を鑑み追悼供養は中止とする。

(2022年8月28日付紙面より)

慰霊碑を清掃する岩渕三千生代表=27日、那智勝浦町井関
有志ら約30人が清掃活動に参加した
2022年08月28日
2 力作250点を審査
 新宮市観光フォトコンテスト  

 新宮市観光フォトコンテストの審査会が26日、新宮市春日の春日隣保館であった。9人の審査員が80人から寄せられた力作250点を厳正に審査した。入賞者の表彰式を9月9日(金)に予定しており、入選作品は市観光カレンダーやパンフレットなど市のPRに使用される。

 市観光カレンダー製作実行委員会が主催する事業で11回目を数える。今回はテーマを「新宮が魅せる様々(さまざま)な風景(カオ)」とし、一般の部と学生の部(高校生以下)に分けて作品を募った。一般の部には54人から191点が、学生の部には26人から59点の応募があった。

 審査員は、今年新たに熊野速玉大社の上野顯宮司を迎え、田岡実千年市長、実行委員長の山本大輔・市観光協会事務局長、児嶋毅さん(審査委員長)、杉本光朗さん、垣本正道さん、堀幸義さん、西和美さん、市秘書課の廣井芳美・広報広聴係長の9人が務めた。

 熊野速玉大社や神倉神社、熊野川など、市内の四季折々の情景や植物、祭り・イベントの様子などを収めた力作の数々を審査。新型コロナウイルス感染予防のため手袋を身に着け、気に入った作品にシールを付けていった。

 山本実行委員長は「今回は審査に当たり、上野宮司にお越しいただいた。新しい目線で審査いただければ」。

 田岡市長は「コロナ禍ではあるが今回もたくさんの応募を頂いた。市においてはウィズコロナ、アフターコロナに向けて観光をしっかりとやっていきたい。作品は市のPRのために有効的に使用させていただきたい」とそれぞれあいさつした。

(2022年8月28日付紙面より)

フォトコンテストの入賞作品を選ぶ審査員ら=26日、春日隣保館
2022年08月28日
3 心を込めて和菓子届ける
 鵜殿地区配食サービスボラが友愛訪問  (紀宝町 )

 紀宝町鵜殿地区で配食サービスを行うボランティアグループ「鵜殿地区配食サービスボランティア」(田中敦子代表)は27日、年に1回の「友愛訪問」を実施。サービス利用者36人に和菓子セットを届けた。

 町内では鵜殿地区配食サービスボランティアとサークルほほえみが配食サービスを担っており、毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 毎年8月は配食がない代わりに「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアも利用者宅を訪問してお菓子などを配っている。今年は、5日に「サークルほほえみ」の調理ボランティアと配達ボランティアが担当区域の利用者88人に届けた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは普段、会員が調理し、老人クラブ「讃寿(さんじゅ)会」も協力して利用者宅に配っている。この日は同ボランティアの6人が町福祉センターに集合後、手分けして各利用者宅を訪問した。

 田中代表は小阪利代さん(89)宅を訪れ「元気そうですね。暑い日が続いているので気を付けて」と声をかけた。小阪さんは「ありがたいね」と笑顔を見せていた。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月28日付紙面より)

利用者に和菓子を届ける=27日、紀宝町鵜殿
2022年08月28日
4 自衛隊フェスタが盛況
 くまの艦展示、売店も  (新宮市 )

 自衛隊サマーフェスタ2022in新宮が26日と27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁で開かれた。多数が訪れ、海上自衛隊の護衛艦「くまの」や航空自衛隊の地対空誘導弾ペトリオットを見学したり、売店でレトルト「海軍カレー」の購入を楽しんだりした。陸上自衛隊や新宮警察署による車両展示もあった。

 「くまの」は内部の一般公開はなく、岸壁からの見学のみだった。空自のペトリオットは27日のみ展示。陸自は26日に高機動車、27日は軽装甲機動車も加えて展示した。新宮署は白バイ、パトカー、事故処理車を並べた。売店ではレトルトカレーのほか、自衛隊のTシャツやタオル、帽子などが置かれていた。

 岸壁では来場者が「くまの」を単体で撮影したり、一緒に記念撮影したりする姿があった。陸自や警察の車両は、来場者が乗り込むなどして、感触を確かめていた。レトルトカレーは艦ごとのいろいろな「海軍カレー」のほか、陸自の複数の基地のカレーもあり、それぞれ味や辛さが違うとあって、幾つも買い求める来場者もいた。

 自衛隊の制服を着て記念撮影できるコーナーもあり、親子連れが子どもに制服を着せて撮影を楽しむ姿が見られた。「くまの」のシールや缶バッジ、コースターなどが当たる、子ども限定のガラガラ抽選もあった。

 那智勝浦町市野々から訪れた50歳代男性は「くまのの名が付いているから、特別と思い見に来た。(ステルス型なので)今までのデザインと違い、異様な感じを受ける。早くに新宮に来てくれたので良かった」と話した。

(2022年8月28日付紙面より)

護衛艦「くまの」の見学に大勢が訪れた=27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁
レトルトの「海軍カレー」を買い求める
2022年08月28日
5 お盆に多数来館  1週間で1万人超  (くじらの博物館 )
2022年08月28日
6 職員名乗る不審な電話相次ぐ  還付金詐欺に注意を  (新宮市 )
2022年08月28日
7 トマト? カボチャ? 違います  西さん宅のオレンジナス  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
8 巨大すごろくやメダカすくい  小学生たちが夏祭り  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
9 オリンピック出場を目指す  高田煕さん、レスリング優勝を報告  (御浜町 )
2022年08月28日
10 補正予算など16議案上程  第3回定例会が開会  (御浜町 )
2022年08月28日
11 参拝者が静かに手を合わす  横手延命地蔵尊で地蔵盆  (紀宝町井田 )
2022年08月28日
12 県が「林地開発」との見解示す  第4回鮒田区環境防災会議  
2022年08月27日
13 自発的意志や社会貢献学ぶ
 サマーボランティアスクール  (太地町 )

 太地町社会福祉協議会は24、25の両日、町内の中学生を対象に「サマーボランティアスクール」を開いた。参加した町立太地中学校の生徒5人はボランティアや防災について学びを深めた。

 本年度テーマは「学ぼう、防災」。ボランティア活動や福祉への理解を深めるとともに、自分たちに何ができるかを考え、災害時の行動について学ぶことなどが目的。

 岡本研会長は「2日間で自発的に行動しようという気持ちを学んでいただけたら」とあいさつ。

 町社協の小畑美由紀さんは「ボランティアとは」「どんなボランティアがある」などを問い、生徒はその対応について付箋に書き出した。

 小畑さんは「困っている人たちを助けたいと思う気持ちもボランティアになる」と話した。

 町社協事務局次長の漁野真司さんが「災害ボランティアについて~災害時でなくても助け合おう~」を講義。「何のために誰のためにボランティア活動を行うのかを知る」「人と人とのつながりの大切さを知る」「他人事ではなく自分事として考え行動する」を柱とし、社協の役割や災害ボランティアの詳細、日頃から自らができること、自身のボランティア体験を解説した。

 漁野さんは1995年の阪神淡路大震災が契機となり、災害ボランティアが始まり、ボランティア活動の発展へとつながったと説明。奉仕のイメージが強いボランティアは本来、自発的な意志に基づき、人や社会に貢献することだと話した。

 漁野さんは「大切なものをなくさないために何をすべきか、自分にできることを考え、日頃から家族や友人と話し合ってほしい」と訴えた。

 「『してもらう人』『してあげる人』の関係ではなく、復興に向け『共に協力しあう』関係」や「自分にできること、できないことを判断し、無理をしない」などのボランティア活動に入る心構えを紹介した。

 そのほか、災害ボランティアに関する〇×クイズや防災ゲーム、災害ボランティアセンターについての座学に取り組み、町役場の職員から「太地町事前復興計画」や応急処置も学んだ。

 脊古陸駆さん(2年)は「多くのボランティアがあることを知った。今後はボランティアに参加したい」と語った。

 翌25日は災害ボランティアセンターの運営体験を実施。受け付け、マッチングを経て、協力者の町民宅を訪問。氏名や最寄りの避難所などの聞き取り調査を行い、活動を報告した。最後はサマーボランティアスクールを振り返り、感想も発表した。岡本会長から生徒に修了証が手渡された。

(2022年8月27日付紙面より)

ボランティアについて学びを深めた=24日、太地町の多目的センター
聞き取り調査に向かう生徒ら=25日、太地町内(同町社会福祉協議会提供)
2022年08月27日
14 遊び通して体力向上を
 地域ふれあいネットワーク  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町地域ふれあいネットワークは20日、同町二河の教育センター(旧三川小学校)で「運動遊び」を開いた。町の健康づくりや健康課題改善に取り組む「地域活性化起業人」の島田匡平さんがナビゲーターを務め、参加した町内の小学生16人が遊びを通じて楽しみながら体を動かした。

 教育関係者などで組織される同ネットワークは、共働き世代の増加などの環境の変化を受け、放課後や長期休暇中に子どもたちの居場所づくりをすることを目的に活動している。

 この日はウオーミングアップのために鬼も逃げる児童も、歩いて5歩で止まり、タッチされると鬼になるという「5歩鬼」を実施。

 その後は、チーム分けをしてドッジボールに取り組んだ。異なる学校の児童らは協力しながらボールをキャッチし、声をかけ合って、投球するなどして汗を流した。

 参加した畑下波依司君(下里小5)は「ドッジボールが楽しかった。ボールに当たりそうなぎりぎりのところでかわすことができて良かった。ほかの学校の子たちとも仲良くなれた。また、参加したいです」と笑顔で話した。

 島田さんは「遊びを通して体力が向上し、各小学校の児童同士で交流を深めることが目的。ぜひ、今後も継続して参加していただけたら幸いです」と話していた。

 本年度は9月10日(土)、10月8日(土)、11月12日(土)、12月10日(土)に開催され、いずれも午前10時から。

(2022年8月27日付紙面より)

ドッジボールを楽しんだ=20日、那智勝浦町の教育センター
ストレッチなどにも取り組む児童ら
2022年08月27日
15 電波やIoTの発想に親しむ
 小中学生対象に実験工作教室  (わかやま産業振興財団・和歌山工業高等専門学校 )

 わかやま産業振興財団(島正博理事長)と和歌山工業高等専門学校(北風幸一校長)の主催事業「おもしろ科学の実験工作教室〈串本会場〉」が24日に串本町文化センターであり、小中学生11人が工作やプログラミングに挑戦し電波やモノのインターネット(IoT)を利用する発想に親しむなどした。

 この教室は、生活を豊かにする科学への興味や関心を深めることを目的として1993年度から和歌山会場を設けて実施。2011年度に田辺会場、21年に橋本会場と増え、本年度は串本会場を加えた4会場で順次開くとして参加を呼びかけた。

 対象は小学4年生~中学3年生で、事前申し込みは各会場定員15人として電子メールで受け付け。串本会場には田辺市~新宮市から12人の申し込みがあったという。

 当日は午前と午後の2部構成。午前の部はラジオキットの組み立てと電波の利用で同校の平野廣佑助教、午後の部はマイコンモジュール「M5Stack」を用いたプログラミング体験で同校の岡部弘佑准教授が講師となり実施した。同校5年生2人と同財団職員3人がサポートし、両部の合間では同校や高専ロボコンの紹介などもあった。

 午前の部は基板や部品を組み上げる感覚を体験し、ラジオ放送の受信成功を足掛かりにして電波とは何かを学習。午後の部は同モジュールの加速度センサーが捉えた特定の状況に対して特定の音を出す命令を与えるプログラミングが主な内容で、この作業はIoTの発想に通じると小中学生に紹介しつつ、挑戦を促した。

 両部に取り組んた後は修了証書を受け取って終了し、組み立てたラジオは持ち帰り。新宮市から参加した青木尚之君(三輪崎小6年)は「工作やプログラミングが好きなので参加してみた。難しいところは特になかったし、周波数を使って音階が奏でられるのは今まで知らなかった発想で、きれいに音を鳴らすことができて楽しかった。また参加してみたい」とコメントした。

(2022年8月27日付紙面より)

ラジオキットの組み立てに挑戦する小中学生=24日、串本町文化センター
2022年08月27日
16 郷土愛深め米の大切さ知る
 近大新宮中1年が稲刈り体験  (新宮市熊野川町 )

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の1年生48人は24日、同市熊野川町日足の田んぼで稲刈りを実施した。生徒たちは農業活動に取り組む「MYNS(マインズ)」(南本安信代表)のメンバーに教わりながら、鎌を手に金色の稲穂を刈り取った。

 ふるさと教育の一環で2016年から開始。市の教育目標である「郷土への誇りと愛着を育む教育の充実」を目的に、地元農家と協力した体験を通じて地元への愛着を深めようと行われている。作業体験や脱穀、乾燥などを見学することで農家の人たちへの感謝の気持ちと米を大切にする心を養う。田んぼは11年の紀伊半島大水害で浸水被害を受けた場所にあり、地域活性化のため積極的な取り組みで、復興に向けて頑張る地域の姿を伝える狙いもある。

 生徒たちは、4月にMYNSが所有する広さ約10㌃の田んぼで田植えを実施。この日はJAみくまのの清水重良さんから鎌の扱い方や作業の説明を受けると、協力しながら稲を刈っていった。

 大前美結(みゆう)さん(13)は「田植えから稲刈りまで初めての経験でしたが楽しかったです。自分たちが携わった稲がしっかり成長してくれ、特別な感情がある。改めて作物の大切さを実感しました」。

 南本代表は「生徒みんなの一生懸命に作業する姿が見られました。身をもって体験することで、育てることの大切さをいつまでも忘れないでもらえれば」と話していた。

(2022年8月27日付紙面より)

鎌を使い丁寧に稲を刈る生徒=24日、新宮市熊野川町
2022年08月27日
17 山口酒店が優勝 第181回職場対抗ボウリング大会 
2022年08月27日
18 南紀が準決勝進出
 ボーイズリーグ和歌山大会が開幕  
2022年08月27日
19 夏休みの自由研究を手助け  宇久井ビジターで名前調べ  (那智勝浦町 )
2022年08月27日
20 熱中症は予防が大事  田島幸治医師が対策講座  (新宮市熊野川町 )
2022年08月27日
21 改築に向け一部解体  紀南学園で工事進む  (新宮市 )
2022年08月27日
22 区民らが次々お参り  中葉地蔵で「地蔵盆」  (新宮市 )
2022年08月27日
23 MRと自動運転走行を紹介  5社合同で実証実験を実施  (南紀白浜空港 )
2022年08月27日
24 弘法湯、9月中開業目指す  新たな運営得て改装大詰め  (串本町 )
2022年08月27日
25 3年ぶり、中学校陸上競技大会  男女計27種目で熱戦  (熊野南郡 )
2022年08月27日
26 現職陣営のみ出席  御浜町長選事前説明会  
2022年08月27日
27 命の始まりと大切さ学ぶ  きほっこで助産師が授業  (紀宝町 )
2022年08月18日
28 遺族らが冥福を祈り
 初精霊船を見送る  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦初精霊送り実行委員会(大嶽勝司委員長)は16日、同町築地の勝浦漁港で勝浦地区の初精霊送りを営んだ。参列した遺族らは静かに手を合わせ冥福を祈り、初精霊船を見送った。

 勝浦地区では1955(昭和30)年に当時の青年会が、海を汚さない配慮から合同での行事を始めたという。現在は同実行委員会が中心となり、勝浦6区の区長や運営委員が協力。海翁禅寺、正念寺、法泉寺の住職が出仕し、地域を挙げての盆行事となっている。

 昨年に引き続き、アルコール消毒やマスクの着用に加え、各世帯最少人数での参列、一般焼香は行わないなど新型コロナウイルス感染症対策を呼びかけた。

 今年の初精霊は34柱だった。住職らの読経が始まり、各世帯の代表者が焼香を行った。灯籠を乗せて進む初精霊船に遺族が静かに手を合わせ見守った。

 また、実行委員会の高齢化などに伴い、昨年から追悼花火は業者に依頼。打ち上げられた花火が町の夜空を照らした。

 大嶽委員長は「天候に恵まれた。昨年より初精霊が少なかったことは良かったことだと思う。多くの皆さまにご参列いただけるように、早期のコロナ終息を願っています」と話していた。

(2022年8月18日付紙面より)

初精霊送りが営まれた=16日夜、那智勝浦町の勝浦漁港
多くの遺族が初精霊船を見送った
2022年08月18日
29 常設エコ広場、10月から開始
 各課が所管事務を報告  (新宮市議会教育民生委 )

 新宮市議会の教育民生委員会(濵田雅美委員長、6人)が16日、新宮市役所であった。市立医療センターや健康福祉部、教育委員会などが所管事務を報告した。

 医療センターからは、奨学金貸し付けや入院・外来患者の状況などについて報告があった。4月に開設した高度治療室(HCU)の利用率は7月末で63・9%(累計390人)であり、分娩(ぶんべん)予定者数は7月末現在で来年3月までで91人であるとした。委員は8月から開設した助産師外来の状況や看護師数、新型コロナウイルス感染症患者受け入れに伴う病棟の現状などについて確認した。

 健康福祉部からはコロナ関連相談者数、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給状況、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の支給状況などについて各課が報告。旧王子幼稚園舎を活用した放課後児童クラブの開設については、早期開設に向けて検討を進めていくとした。

 保健センターは、3年ぶりの実施となった骨密度測定について、4回の実施で320人が参加したと説明。新型コロナワクチン接種推進室は、8月7日現在で4回目接種の対象者(60歳以上)1万2373人のうち、31・16%に当たる3856人が接種済みであるとした。

 委員は各支援金などに関して「相談しやすい窓口の設置を」。また、重症化を防ぐため3回目接種を推進する取り組みの必要性を訴えた。

 市民生活部・市民窓口課はマイナンバーカード交付率などの推移やマイナンバーカードが保険証として利用可能な医療機関などについて報告。委員からは「交付率向上を目指すならまずは市職員からでは」「メリットの周知や市民の不安を払拭する取り組みを」などの声が上がった。

 生活環境課は、燃やせるごみの減量化と市民の利便性の向上を目指して開設する常設エコ広場について、10月3日(月)からの運用開始を目指して現在、市役所第4駐車場内にシャッター付きプレハブ倉庫を建設していると話した。分別品目は通常のエコ広場と同様の燃やせるごみを除く18品目。開設日・時間は市役所開庁日の午前9時~午後4時を予定しているという。

 また、教育政策課からは和歌山県市町村課から市財政課に対し、市立丹鶴幼稚園の定員を実利用人数に合わせて見直すよう通知があったと報告。9月議会に収容定員について規定した市立幼稚園条例の一部改正議案を提出し、令和5年度から定員を105人から70人に変更する予定であるとした。

 文化振興課は、市文化複合施設「丹鶴ホール」内、文化ホールの使用率や市立図書館の利用状況などについて説明。委員からは、文化ホール使用時の図書館や熊野学エリア利用者の動線に配慮を求める意見もあった。

 施設内の床のひび割れやつなぎ目が隆起している部分があるのではといった指摘に対し当局は「表面が乾き、ひびが割れてしまうのはコンクリートの性質状仕方がないことだと聞いているが、建築業者と協議して対処していきたい」と述べた。

(2022年8月18日付紙面より)

教育民生委員会の様子=16日、新宮市役所
2022年08月18日
30 盆前に2回計145匹が誕生
 ウミガメ類のふ化始まる  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で今年も、展示飼育するウミガメ類が産んだ卵のふ化・脱出期が始まった。今年は7月24日までにアカウミガメの産卵を12回ほど確認。飼育担当の吉田徹副館長は9月下旬まで稚ガメの誕生(=脱出)が続くとみて、今後も観察を続けるという。

 同館は屋外の大型水槽「ウミガメプール」でウミガメ類の大型個体を展示飼育。この水槽には後に人工産卵場が追加整備され、繁殖もできる環境となっている。

 近年は毎年のように産卵があり、今年はアカウミガメの完全飼育第2世代「くしもトリオ」(12歳の雌3匹)のもーちゃんが6月9日に産卵したのを皮切りに、アカウミガメの産卵が続いたという。

 今年最初の稚ガメ誕生は8月11日夜で6月9日産卵分から65匹、次いで8月12日夜に6月10日産卵分から80匹が砂中から這(は)い出た。ふ化直後の稚ガメは3~4日ほど母親が作った産卵巣にとどまり砂の中から這い出るタイミングを見計らうとされ、逆算して今回誕生した稚ガメがふ化するまでに要した日数は60日弱。吉田副館長は予想より1週間ほど早く、加えて過去の実績平均でふ化率3割前後となる飼育環境にあって高いふ化率でもあることから、これらの卵はかなり好条件に恵まれたと状況を語る。

 今年は「くしもトリオ」のしーちゃんの産卵も確認し稚ガメ誕生を注視中。くーちゃんは今年も産卵をしていないが、砂を掘って産卵巣を作る行動を確認しているそうで、「くしもトリオ」はいずれも成熟に達したと判断している。16日時点の今年誕生した稚ガメの数は145匹で、20日(土)をめどに館内の稚ガメ用水槽で展示飼育を始める予定。館内のトピックス水槽でアカウミガメの卵も展示中で、併せて観察してもらえればとしている。

 昨年、4年ぶりに誕生したアオウミガメの親は2年周期で産卵する傾向にあり、今年は傾向に沿うように産卵が確認できていないという。

(2022年8月18日付紙面より)

今年誕生したアカウミガメの稚ガメ(母親はもーちゃん)=16日、串本海中公園センター水族館
2022年08月18日
31 コロナ収束などを祈願
 天御中主神社で神事斎行  (新宮市 )

 新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で16日、新型コロナウイルス感染症の収束などを祈る神事が営まれた。佐野柱松実行委員会(瀬古尊夫会長)の役員ら6人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事を願った。

 同委員会は例年、8月16日に新宮港緑地公園で「佐野柱松」を実施しているが、感染症拡大の影響により2020年から3年連続で中止を余儀なくされた。

 柱松は害虫駆除などを願い、元は江戸時代から続く伝統的な火祭り。戦時中に一時中断し、1948年に佐野青年会が再開させたものの58年に途絶えていた。その後、佐野区の有志区民たちが「祭りをよみがえらせたい」との思いから93年に復活させて以来、27年連続で開催を続けてきた。かつては「木本の花火か佐野の柱松」と語られており、地区の夏の風物詩になっている。

 神事では髙橋宮司が祝詞を奏上した後、瀬古会長をはじめ参列者がコロナウイルスの収束や五穀豊穣(ほうじょう)、地域住民の健康などを祈願し、玉串を供えていった。

 瀬古会長は「無事に神事を終えて安心しました。3年連続の中止で残念な思いが大きいが、今も最前線でコロナに向き合ってくれている医療従事者の皆さんの苦労を考えると、密をつくりリスクを高めるわけにはいかない。『来年こそ』という気持ちを諦めず、また盛大に祭りを行えるのを信じて頑張っていければ」と話していた。

(2022年8月18日付紙面より)

神事に参列した皆さん=16日、新宮市佐野の天御中主神社
会員たちが玉串をささげた
2022年08月18日
32 思春期教育の推進など  紀南地域母子保健医療推協  (実務委員会 )
2022年08月18日
33 硬式球の感触確かめる  野球教室に中学3年生参加  
2022年08月18日
34 美しい顔立ちのフヨウ  夏を代表する花、咲き誇る  (紀宝町 )
2022年08月18日
35 おどりおどれよ薬師の庭で  平尾井薬師堂で「夏の大祭」  (紀宝町 )
2022年08月18日
36 有事のスムーズな開設目指し  職員らが避難所設営訓練  (新宮市 )
2022年08月18日
37 益栄丸が優勝飾る  三輪崎公民分館「盆野球大会」  (新宮市 )
2022年08月18日
38 目標に向かって歩み進めて  二十歳を祝う会に9人  (田辺市本宮町 )
2022年08月18日
39 夏の成人式で門出祝う  式簡素化し年度ごとに開催  (太地町 )
2022年08月18日
40 チーム「下克上」が優勝  第18回串本町盆野球大会  
2022年08月11日
41 熊野の自然や歴史に触れる
 東京大学体験活動プログラム  

 東京大学の学生・院生ら10人が7日、「東京大学体験活動プログラム」のため来熊した。10日まで4日間の日程で、新宮市や田辺市本宮町、那智勝浦町、太地町を訪問。熊野古道歩きや熊野三山巡り、座学などを通して当地方の歴史や文化、自然に触れる機会とした。

 同大学の濱田純一・前総長が提唱した「よりタフによりグローバルに」を基に2012年度から始まったプログラムの一つ。新しい考え方や生活様式を学び「知のプロフェッショナル」に必要なアイデアや発想力を身に付けることが狙い。

 同大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんが13年に台風の中、熊野古道「大雲取越」を歩いた際に「円座石(わろうだいし)」から見上げた丸い空に感動したことがきっかけで熊野に興味を持つようになり、当地方でのプログラムを企画。今年で4回目となる。

 なお、今回はプログラム実施に当たって、学生と院生の垣根を越えて参加者を募集。25人が希望し、選考を経て学生5人、院生5人が参加の機会を得た。熊野学研究委員会の山本殖生さん、中瀬古友夫さん、瀧野秀二さんが講師を務め、参加者らの学びに寄り添った。

 初日、新宮市に到着した一行は同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」の「熊野サロン」へ。山本さんからレクチャーを受け、熊野三社のルーツや熊野信仰の興り、歴史、宝物などについて学んだ。

 座学後には、参加者らが「理系なので日本文化に接する機会がなかった。これを機に熊野の歴史を勉強したい」「地方出身なので地域振興、地域活性化に興味があって参加した」「今後、クジラとイルカの生態を勉強する予定。山のことも勉強したい」などと参加の動機を紹介した。

 秋山さんは「プログラム開催に当たり、これまでで一番多い25人の学生らが参加を希望してくれた。学部もさまざまで、まちづくりや防災など、いろいろな分野への興味から参加してくれた。学生にとっても地域にとっても将来につながっていくと思う」と話していた。

 同大学大学院人文社会系研究科・文学部と新宮市は昨年3月に連携協定を締結。人文学を応用しての地域振興や交流促進、地域連携活動などを図っている。

(2022年8月11日付紙面より)

熊野三山や熊野古道などを巡り知見を深めた=7日、新宮市の熊野速玉大社
「熊野サロン」で座学に挑む参加者ら=同日、新宮市の「丹鶴ホール」
2022年08月11日
42 陽性者、情報のスマホ入力に協力を
 和歌山県  

 和歌山県内で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増加している状況を鑑み、県では緊急性の高い患者への対応をできるだけ円滑に行うため、新型コロナ検査の陽性者本人または家族などによる基本情報のスマートフォン入力を開始。県内保健所が行っていた電話連絡(基本情報などの聞き取り)を一部、行わない方針に変更した。電話連絡を行わない対象者は、原則として3歳以上59歳以下で、スマートフォンやパソコンから基本情報の必要項目を入力した人。入力した症状や基礎疾患などから緊急性が高いと判断した人に対し、療養方法について保健所から電話連絡が入る。

 基本情報の入力は▽陽性者(または陽性者の家族)の携帯電話番号に管轄保健所から送られてくるショートメッセージサービス(SMS)のリンクからスマートフォンで行う方法▽SMSをパソコンに転送して行う方法▽診療所や病院などで配布するチラシの入力フォームQRコードからスマートフォンで読み込む方法(インターネットにつながらない機器には対応していない)―がある。入力フォームには療養方法の希望や、食料などの支援物資(無料)配送の申し込み項目もあるため、できる限り早めの入力を。

 また、陽性者への療養対応を優先するため、感染経路と濃厚接触者の特定のための行動調査は自身によるフォーム入力を基本とする。聞き取りによる行動調査は、医療・介護・救急などの従事者以外は原則行わない。濃厚な接触があったと思う人や職場には、自ら連絡して注意喚起を行うこと。一般の事業所などは、自主的に感染拡大防止への対策(濃厚接触者の特定と自宅待機など)の検討を。

 陽性者の同居家族は全員が濃厚接触者に該当するため、保健所からの連絡がなくても家庭内の感染対策に努めるとともに、隔離待機(原則、患者と最後に接触した次の日から5日目まで)を行うこと。

 新宮保健所では「高齢者や緊急性の高い方への対応を早く行うことができるよう、スマホやパソコン入力へのご協力をお願いします」と呼びかけている。また、新型コロナウイルス感染症の検査を受けた際には、検査結果が判明するまでは公共交通機関の利用を避け自宅で過ごすこと。検査の結果陰性だった場合でも症状がある人は外出を控えて人との接触を避ける。体調が悪くなったときは、かかりつけの医療機関を受診すること。

 療養中に▽うとうとして呼びかけに応じない▽けいれんを起こしている▽息苦しさがある▽唇が紫色になっている―のような緊急性の高い症状が出現した場合には最寄りの保健所(新宮保健所0735・21・9630、串本支所0735・72・0525)もしくは「新型コロナウイルス感染症専用相談窓口 和歌山県コールセンター」(電話073・441・2170、24時間対応)に相談を。

  □     □

■適切な換気でエアロゾル感染予防を



 厚生労働省では、換気の悪い場所でのエアロゾル感染が増えているとして、熱中症を予防しながら適切な換気を行うなどの対策を呼びかけている。

 可能であれば対角線上にあるドアや窓を2カ所開放し、窓が一つしかない場合は扇風機などを窓の外に向けて空気の流れをつくること。

(2022年8月11日付紙面より)

基本情報入力画面(スマートフォン)
入力フォームのQRコード
和歌山県新型コロナウイルス感染症診療・検査・療養等の情報サイトのQRコード
2022年08月11日
43 「ほうき踊り」に大きな輪
 3年ぶりに井田観音で  (紀宝町井田 )

 井田観音のある紀宝町井田の井田下り場集落センターで9日夜、「納涼盆踊り」が3年ぶりに開かれた。子どもから大人までが大きな輪を作り、江戸時代から続く「ほうき踊り」を踊った。

 ほうき踊りは町指定無形文化財で、地元住民らでつくる井田観音ほうき踊り実行委員会が毎年8月9日に開催する盆踊りで奉納している。新型コロナウイルスの影響で2年中止となっていたが、地域を元気づけたいとの思いから感染症対策をとった上で開催した。

 夕暮れ時の午後7時過ぎ、浴衣姿の住民らがぞくぞくと集まり、やぐらを囲んで「甚句」などをにぎやかに踊った。ヨーヨー釣りやかき氷などが用意され、子どもたちも祭りの雰囲気を楽しんでいた。

 ほうき踊りは、稲の害虫を退治し、追い払う動きを模したもので、30人ほどがほうきを持って伝統の踊りを奉納した。子どもたちも大人の動きをまねしながら挑戦した。

 実行委員長の前地敏久さんは「今年は花火などの行事も多々あることから、地域を元気づけたい、子どもたちにも楽しい夏の思い出をつくってほしいとの思いで開催した。伝統の踊りを受け継いでいってもらえたらうれしい」と話していた。

 「厄落とし」として有名な井田観音も開帳された。盆踊りと3月の初午祭(はつうまさい)で公開されている。本尊は高さ30㌢、金箔(きんぱく)をほどこした観世音像で鎌倉時代の作と伝わる。1258年に西忠次が海岸で発見し祭ったことが始まり。同家の古文書によると、その後460年を経て子孫の西忠三郎が堂宇を建立し、安置したという。

(2022年8月11日付紙面より)

伝統の「ほうき踊り」を奉納=9日、紀宝町井田
開帳された井田観音
2022年08月11日
44 景観を保つ意識を
 県職員が道路清掃活動  (新宮市・那智勝浦町 )

 東牟婁振興局新宮建設部は9日、新宮市の国道168号と同169号、那智勝浦町の県道那智山勝浦線で清掃活動を実施した。職員約20人が参加し、各箇所でごみ拾いに取り組んだ。

 活動は観光客や地域住民たちの快適な道路利用や景観美化を目的に東牟婁地域の玄関口である3カ所で毎年4、8、12月の年3回実施している。

 晴天の下、参加者は2人一組となって道路を清掃。那智勝浦町では、体育文化会館やかつうら御苑などの歩道や道路沿いに落ちているたばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどのごみを丁寧に拾っていった。

 同部職員は「全体的にはきれいですが、たばこの吸い殻が少し目立ちました。当地方には観光地もある。日頃から地域の方々も掃除をしてくれていることとは思いますが、みんなで美しい町として景観を保つ意識を忘れないでもらえれば」と話していた。

(2022年8月11日付紙面より)

清掃活動に取り組む職員=9日、那智勝浦町の県道那智山勝浦線
2022年08月11日
45 うなぎ石漁の石組み作る  ふるさと自然あそび塾で  (古座川町 )
2022年08月11日
46 JGC委員長ら現地調査  南エリアの主要箇所巡り  (南紀熊野ジオパーク )
2022年08月11日
47 没後30年、中上健次を語る(終)  熊野大学で講師陣ら  (新宮市 )
2022年08月11日
48 創刊30周年迎える  「色川だより」38号発行  (那智勝浦町 )
2022年08月11日
49 来年こそは関西大会へ  近大新宮吹奏楽部が金賞  (新宮市 )
2022年08月11日
50 夏空にヒマワリぐんぐん  高さ4・5㍍超に  
2022年08月11日
51 市内17カ所に募金箱設置  打ち上げ花火を目指して  (熊野市 )
2022年08月11日
52 女子3選手が団体、個人で入賞  東海中学校総体柔道大会  (矢渕中 )
2022年08月11日
53 お悔やみ情報
  
2022年08月07日
54 「没後30年の中上健次」 4年ぶり、熊野大学開講 (新宮市)

 熊野大学が主催する2022熊野大学夏期特別セミナー「没後30年の中上健次」が5日夜、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」を舞台に開講した。全国各地から集まった中上文学ファンら約150人が参加。6日までの2日間、中上を直接知る講師陣の講演などを通して中上の軌跡や近代文学の歩みなどに触れる機会とした。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上(1946~92年)によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りを兼ねて全国から多くの中上文学ファンが当地方を訪れるが、2019年は台風接近のため急きょ中止に。おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となっていた。

 没後30年を迎える今年の夏期特別セミナーは、「中上健次コーナー」擁する市立図書館が所在する「丹鶴ホール」で開催。同施設オープニングイヤー連携事業と位置付けて実施される運びとなった。

 今セミナーでは▽いとうせいこうさん(作家・クリエイター)▽奥泉光さん(作家)▽紀和鏡さん(作家)▽高澤秀次さん(文芸評論家)▽辻本雄一さん(市立佐藤春夫記念館長)▽中上紀さん(作家)▽松浦寿輝さん(作家・詩人)―らが講師を務めた。

 開講に当たり松本巌理事長があいさつ。「中上は死ぬまで熊野で生きる人間の魂を発表し続けてきた」と紹介し、同大学設立の経緯などを振り返るとともに関係者らの協力に感謝を伝えた。

 速水盛康教育長は「地域の誇りとして、同時に大きな存在感があったと思う。講座や講演を通してこのホールから発信していただけることに敬意を表したい」とあいさつした。

 セミナーは中上の長女・紀さんの講演「30年経(た)って問いたいこと」で幕を開けた。紀さんは中上が同大学を設立した当時のことや父、家族の思い出などを回顧し「私にとって、熊野、同大学は父に会う場所であるとともに、父が守ろうとしていたもの、抱いていた志を再確認するための場所」。

 父の死を経て、また同大学への参加を通して「父は多くの宿題を残して卒業していった」とし「私に使命があるとすれば、この空間を継続し、物語や生き方を理解して伝えていくこと」と述べた。

 紀さんは留学時代に父からの手紙に返事をすることはあまりなかったと振り返り「遠く離れていても存在しているという絶対感があったが死んだことでその絶対感がなくなった」。

 父の死が文筆を志すきっかけとなったと述べ「父ならどう思うのかを考える。今でも父ならこうするのでは、と思う方向に進む自分がいる」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

豪華講師陣が登壇した熊野大学夏期特別セミナーの様子。左はいとうせいこうさん、右は奥泉光さん=5日夜、新宮市の「丹鶴ホール」
中上紀さん
2022年08月07日
55 どんな昆虫がいるかな?
 宇久井ビジターで観察会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで7月31日、「身近な昆虫観察会」が開かれた。午前・午後の部で夏休み中の小学生ら19人が参加し、環境省自然公園指導員の浜際康太さんと昆虫採集を楽しんだ。

 同センターで8月30日(火)まで開催中の「昆虫企画展~むしのたべもの~」の特別プログラム。特定非営利活動法人 大杉谷自然学校主催。

 参加者たちは虫取り網や虫かごを手に、樹液の出る木や草むらを探索。草の表面に触れるように虫取り網を左右に振る「スウィーピング」、やぶなどをたたいて隠れていた虫を見つける「ビーティング」などの手法も学んだ。

 この日はカブトムシなどの甲虫が少なかったが、メタリックカラーがきれいなカナブンや寄生バチの一種であるミドリセイボウの他、ハラビロカマキリ、ショウリョウバッタ、エンマコオロギ、アオバハゴロモ、ジャコウアゲハなど14種類が見つかった。

 中口翔太君(神倉小5)は「虫が大好きで、虫取りのプロです。ウマノオバチの仲間は初めて見ましたが、好きなのはやっぱり甲虫」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

昆虫採集をする参加者と浜際康太さん(右端)=7月31日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
ミドリセイボウ
ショウリョウバッタ
2022年08月07日
56 利用者に和菓子届ける
 配食ボラ「サークルほほえみ」  (紀宝町 )

 紀宝町内で配食サービスを行うボランティアグループ「サークルほほえみ」(森倉滿知子代表)は5日、サービス利用者に和菓子を届けた。

 配食サービスは、サークルほほえみと鵜殿地区配食サービスボランティアが毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 配食が休みの毎年8月は「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアが利用者宅を訪問してお菓子を配っている。昨年は新型コロナウイルスのため取りやめたが、おととしは「絵手紙も届けよう」と町ボランティア市民活動センター「きぼらんせ」が企画し、「絵手紙サークルこんにち和」の協力を得て150枚を贈った。

 この日、「サークルほほえみ」は調理ボランティア11人が配達ボランティア7人の協力を得て、利用者88人に分担して届けた。

 和菓子を受け取った神内の岡﨑ふみゑさん(101)は「ありがとう」と笑顔で話し、趣味のカラオケに通えないと残念がりながらも「毎朝、屈伸運動していますよ」と元気な様子を見せていた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは27日(土)に同地区の利用者に届けるという。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月7日付紙面より)

配食サービス利用者に和菓子を届ける=5日、紀宝町神内
2022年08月07日
57 身近にあるもので工作
 地域ふれあいネットワーク  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町地域ふれあいネットワークは4日、同町の体育文化会館で「工作教室~身近なもので作って遊ぼう~」を開いた。町内から夏休み中の小学生20人が参加し、段ボールや卵パックなど、身近な素材を使って物作りを楽しんだ。

 同ネットワークは、共働き世代の増加などの環境の変化を受け、放課後や長期休暇中に子どもたちの居場所づくりをすることを目的に活動している。

 ナビゲーターの井藤朋子さんは「大人が『これを作りましょう』と指定するのではなく、自由に遊んでほしい」との思いの下、▽何を作ってもいい▽「何か」を作らなくてもいい▽どんなやり方も過ごし方も、自分で決めてやってみる。失敗もいい体験▽アイデアが浮かばないときや助けがほしいときは「誰か」に相談するのもいい―とルールを説明。

 子どもたちは早速気になる素材を集めてのりやテープで貼り合わせたり、段ボールや発泡スチロールで削ったりした。

 広沢興君(勝浦小6)は「キラキラの折り紙を使って竜を作ろうと思っていたけれど、うまくのりでくっつかなかった。家でもう少し頑張ってみる」。てこの原理でペットボトルキャップが飛び上がる「ジャンプマシーン」を作った橋本豊陽君(勝浦小1)は「最初からアイデアはあって、上手にできたと思う。友達のまねをしてマイクも作った」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

どんな物を使おうかな=4日、那智勝浦町の体育文化会館
2022年08月07日
58 基本的な感染予防対策徹底を  お盆前に県民に呼びかけ  (和歌山県 )
2022年08月07日
59 最低賃金引き上げ求め答申  和歌山地方最低賃金審議会  
2022年08月07日
60 業績や事業を報告  ㈱キナンが近況説明会  (新宮市 )
2022年08月07日
61 勇気ある行動たたえる  夏山組と桝田さんに感謝状  (新宮市消防本部 )
2022年08月07日
62 思い込めた未完のお手玉  仕上げて福祉に役立てる  (那智勝浦町 )
2022年08月07日
63 感染防止対策の再徹底を  「BA・5対策強化宣言」を発出  (三重県 )
2022年08月07日
64 ハイレベルな戦い開幕  西日本大学女子ソフトボール選手権  (熊野市 )
2022年08月07日
65 元気よく「いらっしゃい」  井田保育所で夏祭り  (紀宝町 )
2022年08月07日
66 お悔やみ情報
  
2022年08月04日
67 高校生活に期待膨らませる
 新宮高校でオープンスクール  (新宮市 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で3日、オープンスクールがあり、新宮・東牟婁郡内の21校から中学生297人が訪れた。中学生たちは2グループに分かれて体験授業やクラブ体験に参加し、高校生活に期待を膨らませた。

 体育館では、広報委員会の伊藤志歩さん(2年)、冨田萌々花さん(同)、坂口りおさん(同)が動画で学校紹介。クイズも交え、4万冊超の蔵書がある独立した図書館や、創立120周年記念に改装したばかりの多目的食堂施設「リレー・スクエア」、夏バテ対策の食堂新メニューのしそジュース、焼きたてパンなどが買える購買部、多彩なクラブ活動などの魅力や特色を伝えた。

 中学生たちはそれぞれの希望に沿い、数学や英語、生物、物理、倫理、公共などさまざまな授業を受講。英語のコミュニケーションゲーム「Line up in Order」や、ペットボトルとガラス玉を使ったタマネギの細胞観察などで、高校の学びを体験した。

 参加した中学生たちは「『自由って最高』という面白そうなタイトルだったので倫理を受けたが、思っていたよりも難しく、高校ではこんなことを勉強するんだと分かった」「新宮高校がいいなと思っていて、生物の授業も楽しかった」「高校では吹奏楽部に入りたい。見学も楽しみ」などと話していた。

(2022年8月4日付紙面より)

広報委員会が学校紹介=3日、新宮市の県立新宮高校
生物の体験授業を受ける中学生
2022年08月04日
68 串本の海にじかに親しむ
 第46回マリンスクールで  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センターが1日にイベント「第46回マリンスクール」を開き、町内の小学5、6年生14人が同館職員と一緒に串本の海にじかに親しむ経験をした。

 海への理解と興味をより一層深めるとともにそのためのグループ活動を通して自主性と協調性を培う目的で、同センターオープン翌年の1972年からおおむね年1回の頻度で実施(未実施年があるため実施回数は経年より少なくなっている)している同スクール。

 例年は1泊2日(テント泊)で夏休み期間中に実施しているが、おととしと昨年は新型コロナウイルスの情勢により中止。今年は自炊やテント泊の要素を差し引くなど感染予防の工夫をして計画し、参加を呼びかけた。

 メイン講師は同センター水族館職員の平林勲さんが担当し、他の職員も活動を支援。前半は参加者が過去に遠足などで親しんできた施設の見学や飼育体験、アカウミガメの放流に取り組んで串本の海へのイメージを高め、昼食休憩を経て後半は同センター前に広がる錆浦海岸で磯観察に臨んだ。

 14人は平林さん組と同職員の佐久間夢実さん組に分かれて小さな潮だまりや潮間帯、魚類も取り残されるほど大きな潮だまりを巡り、魚類や貝類や甲殻類、棘皮動物の仲間(ウニ類、ヒトデ類、ナマコ類)といった生き物を採集。大きな潮だまりでは網を持ってシュノーケリングによる採集にも挑戦した。

 採集後は平林さんから生き物の名前を教えてもらいながらじっくり観察。行動観察と題し、ヤドカリがどのようにして背負う貝を選ぶかも観察して確かめた。

 参加者の道井渚由さん(5年)は「磯観察が楽しくて、ソラスズメダイ10匹ぐらいの群れがいてきれいだった。アカウミガメが泳いでアメリカまで行くことは知らなかったのでびっくりしたし、勉強になった」とコメント。平林さんは「串本の海の素晴らしさにじかに触れ、何かを感じて今後親しむ機会にしてもらえれば」と参加した児童の今後を期待した。

(2022年8月4日付紙面より)

シュノーケリングで磯の生き物採集に挑戦=1日、串本町有田
平林勲さんから名前や特徴を教わりながら採集した生き物を観察
2022年08月04日
69 図書管理システム導入 夏休み中に太田小・下里中で (那智勝浦町)

 那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)と下里中学校(布引伸幸校長)の図書室で現在、夏休みを利用した図書管理システムの導入作業が行われている。バーコードの貼り付けや図書整理を経て、新学期からは順次、本の貸し出しや返却などの作業をパソコン上で行うことができるようになる予定だ。

 太田小学校の現在の蔵書は5175冊、下里中学校は5199冊で、これまでは貸し出しカードへの記入などによって本の管理をしていた。

 両校で導入するのは「お気軽図書館」という小規模図書館向けのシステム。バーコードリーダーによる本の貸し出し、返却、予約、利用者管理の機能を完備し、本の情報(書誌データ)に基づく検索や貸し出し記録の分析を行うこともできる。

 現在は夏休みを利用し、那智勝浦町の学校司書や教職員が手分けし、分類記号を記した3段ラベルやバーコードの貼り付け作業をしている。

 学校司書の米地紗織里さんは「町内小中学校の図書管理システム導入は、現在の2校が最後。本の管理が非常に簡単になり、子どもたちの読書環境づくりの面からも、大きな一歩となると思う」と語る。

 お気軽図書館のシステムでは、児童・生徒や教職員、地域住民といった利用区分ごとに貸出冊数や期間を調整することも可能。太田小は今後、地域住民向けの図書室開放や貸し出しを行うことも視野に入れているという。

(2022年8月4日付紙面より)

バーコードの貼り付けを行う=1日、那智勝浦町立太田小学校
教職員らが分担して作業=7月25日、那智勝浦町立下里中学校
2022年08月04日
70 剣道通して交流図る
 グロッサンさん一家が訪問  (新宮道場 )

 新宮市の熊野速玉大社境内の新宮道場に7月31日、フランス在住のグロッサン・ガブリエルさん(41)一家が訪問した。一家は、同道場で練習を行う新宮剣友会(宮戸伸之会長)に所属する剣士たちと共に同大社で正式参拝を行い、稽古を通して交流を図った。

 「新宮を剣道の聖地に」「楽しく伝統文化を継承したい」との思いから、国内外から訪問者を受け入れている同会。フランスで、家族で剣道に打ち込むガブリエルさん、妻で和歌山県出身のなつきさん(42)、息子のガスパー・楓雅さん(14)は夏のバカンスを利用して毎年日本を訪れており、なつきさんの母校である県立和歌山東高校などで研さんに励んでいるという。

 6段錬士の腕前を誇り、フランス女子ナショナルチームのコーチも務めるなつきさんと現在5段のガブリエルさんとの出会いは高校生の時。剣道の稽古のために同校を訪れたことがきっかけで結ばれた。

 なつきさんの両親と知り合いだったことも縁となり、これまでにも剣道を通して交流を育んできた一家と宮戸会長。新宮市への訪問は初めてで、今回の来日は11日(木・祝)に橋本市で実施される楓雅さんの昇段審査も兼ねている。楓雅さんはフランスの中学生の部で優勝を飾るほどの腕前で「昇段審査目指して頑張りたい。和歌山の海や川で泳いだりして、バカンスも満喫したい」と話していた。

 正式参拝を終え、ガブリエルさんたちは新宮剣友会の剣士たちと打ち込み稽古などに汗を流し、剣道を通して交流を深めた。

 宮戸会長は「交流を通して、剣道の素晴らしさをお互いに感じてもらいたい。この地が剣道の聖地になるために、これからも多くの人に声をかけて熊野に来たい人を増やすことができれば。今日の交流はその第一歩だと思います」と思いを語った。

(2022年8月4日付紙面より)

ガブリエルさん(前列中央)、なつきさん(左隣)、楓雅さん(同)。正式参拝を終えて=7月31日、熊野速玉大社
稽古に汗を流し、交流を深めた=同日、新宮道場
2022年08月04日
71 ウナギ石漁の仕掛けを作る  高池小4年が潤野の河原で  (古座川町 )
2022年08月04日
72 和気あいあいと作業  チームくまのがわがしそジュース作り  (新宮市熊野川町 )
2022年08月04日
73 本宮館でフォトコン写真展  南紀熊野ジオパーク  
2022年08月04日
74 「好きなもの」写真に撮ろう  市長の子どもカメラ教室  (新宮市 )
2022年08月04日
75 伝統の「熊野大花火」守りたい  11月に代替花火計画、寄付金募る  (熊野市観光協会 )
2022年08月04日
76 お悔やみ情報
  
2022年08月03日
77 塩分控えめ、ピクルス作り
 北山村で健康づくり教室  

 北山村立北山小学校の家庭科室で7月29日、「健康づくり教室」があった。村民7人と、へき地保健師活動について研修を実施している県立医科大学の学生ら3人が参加。和歌山信愛女子短期大学健康増進プロジェクトチームの西出充德教授の指導を受けながら、酢を使用した夏野菜保存食作りに挑戦した。

 「全国唯一の飛び地『北山村』高血圧ゼロのまちプロジェクト」を展開している同村。村民全員の高血圧ゼロを目指し、血圧測定推進や健康教室などの事業を実施している。

 山間部に位置する同村では、保存のために塩を用いた調理方法が伝統となっている。そんな食文化を背景に、プロジェクトを通じて血圧に関心を持ってもらう狙いもある。

 同教室はプロジェクトの一環で、信愛女子短期大学と共催で開催。この日は「高血圧の改善を目指した保存加工食品の紹介」と銘打ち、西出教授がキュウリとパプリカ、酢を使ったピクルスの作り方を指導した。

 調理開始に先立ち、西出教授は「酢を使うと塩分を抑えることができる。酢は疲労回復に効果があり血管をきれいにします」と説明。野菜や酢が高血圧の改善に良いとされているが、持病がある場合などは必ずしも健康改善に適しないことなどを注意事項として挙げた。

 参加者らは、水洗いした野菜を板ずりし、瓶に入る大きさにカット。熱湯に浸して消毒して瓶に詰め、赤唐辛子や月桂樹の葉などとともに調味液に浸し、好みによりじゃばら果汁を入れて香り付けを施した。冷蔵庫で寝かせると1、2週間ほどで食べ頃を迎えるという。

 古根川やす子さん(78)は「毎日自分で調理しており塩分にも気を付けているので薬も飲んでいません。ピクルスを作ったのは初めて。完成が楽しみ」と笑顔。

 西出教授は「伝統ある和食の塩分が高いのはやむを得ないことだが、お酢を合わせるなどのちょっとした工夫が高血圧の改善につながる。伝統を守りつつ健康になるのが一番。北山村にはじゃばらという調味料もある。取り組みが効果を生み出せば、この村から発信できることも多いのでは」と話していた。

(2022年8月3日付紙面より)

野菜を瓶に詰めてピクルス作り=7月29日、北山村立北山小学校
冷蔵庫で寝かせたら完成
2022年08月03日
78 八咫烏、大斎原に舞う 白根光夫画伯の屏風図寄贈 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で1日、故・白根光夫画伯の六曲屏風(びょうぶ)図「熊野本宮」(131㌢×360㌢)の奉納奉告祭があった。葉月の月首祭に併せて執り行われた奉納奉告祭には、氏子総代会や敬神婦人会ら大社関係者が参列した。

 白根画伯は1926年大分県出身。幼くして家族と共に上京し、東京美術学校梅原龍三郎教室に学ぶ。64年、安井賞展に選抜。76年に吉田清志、宮田晨哉らと共に「爵の会」を結成し、86年まで同会展を中心に活躍した。

 78年からは奈良県・吉野の桜を素材に「吉野山シリーズ」の制作に取り組み、日本秀作美術展や明日への具象展などを通じて高い評価を受けた。2002年、76歳で逝去。今年は没後20年に当たる。

 屏風図を奉納したのは東京都の㈱ダバンラブ・画廊ダバンラブギャラリーオーナーの久岡正人さん。新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みこのたびの来訪はかなわなかったが、没後20年の節目に当たり「画伯の思いを同大社に納めたい」との思いや、新型コロナウイルス感染症の早期終息と世界平和への祈りを込めて奉納を決めた。

 屏風図(油彩、アクリル)は1982年に完成した作品で、同大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)、熊野川、音無川、熊野の山々などを背景に、八咫烏(やたがらす)と、同大社の牛王(ごおう)神符が舞う様子が描かれている。大斎原には1889年の「十津川大水害」により流出した社殿も描写されている。

 九鬼宮司は、寄贈に感謝を示し「八咫烏や牛王神符が飛んでいる絵は初めて見る。よみがえり・再生の願いを込めてご奉納いただいた。今年は画伯の没後20年であるとともに、当大社にとっては水害を逃れた四社を現在の場所に遷座してから130年を迎える年。くしくもこのタイミングでご奉納いただいたことに意味があると思う。改めて大斎原の意味や大切さを感じていただけるのでは」と話していた。

 屏風図は今週いっぱい、同大社黎明殿の幣殿で展示公開される。鑑賞希望者は同大社社務所まで。

(2022年8月3日付紙面より)

白根光夫画伯の屏風図が奉納された=1日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年08月03日
79 未供用区間の通行を開始
 サンゴ台中央線全線開通  (串本町 )

 串本町の町道サンゴ台中央線未供用区間の通行が1日午前11時から開始された。これにより同線は全線開通となり、国道42号からサンゴ台区へ出入りする第3の連絡道として主要公共施設の高台移転に伴う通勤時間帯の混雑緩和や地域防災力の向上、すさみ串本道路開通以降の国道42号への移動分散化などさまざまな整備効果が期待されている。

 この区間は、すさみ串本道路・串本太地道路の串本インターチェンジ〈仮称〉など工事に伴う大型車両の作業道として国土交通省紀南河川国道事務所が整備。沿線にくしもとこども園新園舎や統合小学校校舎の用地があり、工事終了後も町道として再活用する方向で国と町が協働し、開通を目指してきた。

 未供用となっていたのは西の岡―サンゴ台間(延長約1242㍍)。車道は幅3㍍強あり、通学路想定で幅3・5㍍の自転車歩行者道が伴う構造。当初は7月1日開通予定だったが、直前で発生した国道42号に影響する土砂崩れ対応のため1カ月ずれこむ形で開通へとこぎ着ける形となった。

 この日は開通に先だって式典があり、田嶋勝正町長と国土交通省紀南河川国道事務所の渡邉泰伴所長や関係諸課職員、町議会の鈴木幸夫議長ら議員一同と旧地権者らが出席。代表して田嶋町長が平時より連絡道路として住民に有効活用される状況を見据えつつ国交省をはじめとする関係各位への感謝を掲げ、渡邉所長がこの町道を生かして一日でも早いすさみ串本道路開通を目指す意思を掲げた。鈴木議長が基幹道路としての機能発揮を期待し、以上あいさつ3人によるくす玉割りや出席一同による通り初めで未供用区間の完成を祝った。当初予定していた園児バスによる通り初めは新型コロナウイルスの情勢により実施を見送った。

 この町道は、国道42号上浦海岸前(須賀漁港北詰)と橋杭園地交差点付近を連絡する。すさみ串本道路などの工事に伴う大型車両は踏切経由の出入りが難しく従来は橋杭小前経由に集中していたが、今後は2経路への分散化が進む形となる。

(2022年8月3日付紙面より)

くす玉割りで通行開始を祝う=1日、串本町くじ野川のくしもとこども園新園舎用地前
2022年08月03日
80 竹とんぼや水鉄砲作り
 太田の夏休みプログラム  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で1日、「夏休みプログラム」があり、小学生9人が地元の高齢者6人に教わって竹とんぼや水鉄砲を手作りした。

 太田地域の子どもたちに、体験活動や地域住民との交流を通じて楽しく長期休暇を過ごしてもらおうと、保護者主催で始まった取り組み。今回は、小刀やドリルといった工具の使い方、遊びの工夫など、地域の人々が培ってきた「生きた知恵」を伝えたいとの思いから、普段同所で健康体操などを行う「中里福祉プログラム」の参加者たちに協力を依頼した。

 子どもたちは近くの山で切ったばかりの青竹を使い▽竹とんぼ▽水鉄砲▽紙鉄砲▽竹灯籠―を制作。竹を割ったり削ったりして完成させた後は、早速水を飛ばすなどして遊んだ。

 細い竹筒にぬれた新聞紙を詰めて空気圧で飛ばす「紙鉄砲」の作り方を教えた生駒善一さん(84)は「昔は遊ぶ物も何でも手作りで、スギの花粉の硬いのを詰めて飛ばしたりもした。近くに子どもが住んでいないから、どこの子やろうと話してみるのが楽しい」。参加した仲地励君(太田小5)は「竹とんぼを作って、ちょっとだけ飛んだ。去年流しそうめん台を作ったけれど、今日は竹を細く削るのが難しかった」と話していた。

(2022年8月3日付紙面より)

水鉄砲を作る子どもたち=1日、那智勝浦町の交流センター「太田の郷」
2022年08月03日
81 7月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2022年08月03日
82 9人が上位入賞と活躍
 三重カップ空手親善大会  (北道院拳法和歌山支部 )
2022年08月03日
83 全力尽くし優勝目指す
 矢口樹君が関西ブロック代表に  (和歌山南紀ボーイズ )
2022年08月03日
84 感染拡大防止に協力を  市長が動画でメッセージ  (新宮市 )
2022年08月03日
85 まちづくりや観光学ぶ  新翔高校キャリアアップ計画  (新宮市 )
2022年08月03日
86 色彩豊かな作品並ぶ  前田稔夫さんが絵画展  (那智勝浦町 )
2022年08月03日
87 核兵器の史実を伝える  文化セで「平和の歴史展」  (串本町 )
2022年08月03日
88 宿題に役立つ本ずらり  アオハル!部活小説も  (熊野市立図書館 )
2022年08月03日
89 親子で夏祭り楽しむ 子育てサロン「ふれんZOO」 (紀宝町)
2022年08月03日
90 紀宝町は渓谷の宝庫 「キャニオンズ紀宝」を新設 (マイク・ハリスさん)
2022年08月03日
91 お悔やみ情報