8月8日から実証実験 (那智勝浦観光機構 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は8月8日(月)から10月31日(月)までの間、環境に配慮した二次交通の手段として「電動キックボード」の実証実験を行う。細やかにまちなか周遊ができる観光商品開発のために現在、職員がキックボードに乗車し試験走行を行っている。
企業とコラボレーションして行うという今回の実証実験。期間中、機構は、キックボードの販売元である株式会社ProductionA&K=広島市=から無償で、実機5台の貸し出しを受けている。
キックボードはcoswheelの商品で、原動機付自転車と同じ扱いとなり、車道において時速30㌔までの速度で走行できる。5台ともナンバープレートを取得済み。乗車には原動機付自転車資格が必要。
3時間で満充電となり、連続走行距離が最大30㌔㍍。3速の変速が可能で静音性に優れていることに加え、マイクロモビリティーのため、二酸化炭素(CO2)排出量削減の後押しにつながることも期待される。
機構によると、若者向けアクティビティーの一つとして今回のキックボードを考案。観光客が車で移動しづらい町内の名所などにもアクセスできることや、町が掲げるCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」に沿う環境に配慮した二次交通手段の増を目的としているという。
実証実験ではモデルコースの作成に加え、町での需要や有効性、適正な利用の把握などのデータを収集する。結果次第では本格導入も行う。
機構の東竜次さんは「まちなかのメインや主要ルートに入っていない名所や隠れたスポット、美しい海、ジオパークに指定されたロケーションを楽しむために電動キックボードを利用していただけたら幸いです」と話していた。
(2022年7月31日付紙面より)
8月から助産師外来開設 (新宮市立医療センター )
新宮市蜂伏の市立医療センターは8月から「助産師外来」を開設する。妊産褥婦(にんさんじょくふ)と家族の意向を尊重しながら医師と協働し、助産師が健康診査や保健指導を行うことで、妊娠期から産褥期まで切れ目のない継続ケアを提供していく。
少子高齢化や母体合併症の増加などでチーム医療の必要性が高まる中、厚生労働省より2008年に「医師と助産師の役割分担と協働」が提唱され、09年に「院内助産ガイドライン 医師と助産師の役割分担と協働」が策定。18年にガイドラインの改定が行われた。
提唱以降、全国的に助産師外来および院内助産が普及する中、同医療センターでも産婦人科医師(常勤医師)の体制が整ったことなどを背景に助産師外来を開設。地域の中核病院として、新宮医療圏の妊産褥婦が安心・安全に子どもを産み育てることができるよう、多職種で連携していくとしている。
対象は妊娠26週と37週ごろの妊婦(産科医師の許可のある人)。内容は▽尿検査、血圧・体重測定、子宮底・腹囲測定▽超音波エコー▽妊娠・分娩(ぶんべん)・育児についての話、悩み相談―など。
日時は毎週水曜日の午前9時~正午で1人につき60分。完全予約制。妊婦健診時に産婦人科外来に申し出を。妊婦健康診査受診票(健診費用補助券)を利用することができる。
同医療センターの植田啓子看護師長は「助産師ならではの目線で、妊娠期から産後まで、お母さんと赤ちゃんに寄り添わせていただきます。ぜひご利用を」と呼びかけている。
問い合わせは同医療センター(電話0735・31・3333、代表番号)まで。
(2022年7月31日付紙面より)
今年11月の本格運用目指す (太地町 )
太地町は町営バスが通行できない対象地区3・2㌔区間(県道1・2㌔、町道2㌔)において、8月1日(月)から和歌山県で初となる自動運転車両の実証実験を開始する。29日は、町公民館で「未来技術社会実装事業」自動運転走行記念式が開かれ、三軒一高町長や下宏副知事、二階俊博衆院議員秘書の二階伸康さんらが出席し、テープカットを行った。
7月1日現在で高齢化率は44・6%に上る同町。暖海、水ノ浦、寄子路、新屋敷、小東、大東地区では、「バス停まで歩くのがつらい」などの声もあったという。車両導入は高齢者の移動手段確保が目的。エリア拡大も検討しているとした。
国が行う未来技術社会実装事業は自動運転、ドローンなどの未来技術を活用した地方創生を目指す事業で、関係省庁が支援するもの。同町は昨年に採択された。
車両購入の予算は、国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を用いた。今年6月から対象区間に電磁誘導線と、車両制御などに必要なタグを埋め込む工事を実施。これらの事業費合計は約2600万円。
車両はヤマハ発動機株式会社のスローモビリティ「AR05」。5人乗りだが、安全確認や手動運転時に操作する運転補助者1人が乗車するため、乗客は4人。最高速度は12㌔で、荷物が積めるキャリアも搭載。
車両は誘導線の磁力を検知して走行。対象区間を約29分間で1周する。また、運転補助者には高齢者3人を会計年度任用職員として雇用した。
乗車賃は無料。車両の運行時間は午前8時~正午の間に45分間隔で5便、午後2時~同5時の間に45分間隔で4便となる。原則、フリー乗降で、主要施設前では停車する予定。狭い道でも走行でき役場や病院、スーパーまでの道のりをつなぐ。
9月30日(金)までの2カ月間、日曜・祝日も稼働し実証実験を行う。アンケートを集め、サービスの改善などにも努める。本格運用(実装)は当初予定よりも早くなり、最短で今年11月を見込んでいるとした。その際は車両を1台増やし、2台体制で運行する。
式典で二階さんは「夢を持つことができる事業。わくわくするような町づくりを共に歩んでいきたい」。
下副知事が「自動運転導入は日々の生活の利便性が向上する。高齢者の外出も増え、交流も増える」と祝辞を述べた。
三軒町長は関係者に感謝を伝え、「高齢者の交通手段の確保は地域課題の解決の一歩になろうかと思う。将来的には新宮市など、町をまたいだ病院間の自動運転の実現を考えている」と語った。
式典後は関係者らが車両に乗車し、役場周辺を走行した。事業を担当する総務課主査の和田正希さんは「今後は高齢者の方だけでなく、誰でも利用できる形にしていきたい。取り組みが他市町村にも波及すれば、町をまたいだ自動運転などの広域化にもつながるのでは」と話していた。
(2022年7月31日付紙面より)
オープンスクール開催 (近大新宮 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)で30日、オープンスクールが開かれた。近隣市町村などから中学3年生71人が参加し、体験授業やクラブパフォーマンスを通じて高校生活に期待を膨らませた。
本年度のテーマは「新風」で、「新しく爽やかな風が吹き、自分や学校、地域、時代を変えていく」という意味を込めた。新型コロナウイルス感染対策や熱中症対策を徹底して実施した。
理科の体験授業「ゲノムウオッチング~ユスリカの幼虫のだ液腺染色体の観察~」では、プレパラートを作成し、染色体上のしま模様などを顕微鏡で観察。スーパーサイエンス部員も協力した。社会科の「古墳時代を体験しよう」には、当時の服を再現した衣装を身に着けた生徒も登場した。
クラブパフォーマンスはメディア部の学校紹介動画でスタートし、空手部、なぎなた部、ダンスサークル、書道部、吹奏楽部が登場。それぞれのクラブの活動や挑戦、今後の目標について語った。最後に高校生徒会の田岡結会長が「来年、皆さんと学校生活を送れることを楽しみにしています」と呼びかけた。
この日は、入試に向けた個別相談会や寮の見学会も開かれた。翌31日には、小学5、6年生向けのオープンスクールも開催する予定だ。
(2022年7月31日付紙面より)
新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)の「本醸造太平洋」が、イタリアのミラノで6月20日に開催された酒品評会「ミラノ酒チャレンジ2022」(イタリア酒ソムリエ協会主催)の純米・本醸造部門の「利き酒部門」で、ダブル金賞を受賞したほか、「フードペアリング部門」でベストフードペアリング賞(トマトとモッツアレラのカプレーゼ)に選ばれた。
同品評会は、酒ソムリエ資格を持つ、イタリア人ワインソムリエ・バーテンダーなど酒と食の専門家がイタリア・ミラノで審査する日本酒コンテスト。日本酒の知識を広め、日本酒の素晴らしさをイタリア国内に伝える目的で2019年に第1回を開催。同社の「本醸造太平洋」は、その際にも本醸造部門で、最高賞であるプラチナ賞を受賞している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で品評会は2年連続で中止となっていた。
今品評会では、利き酒ティスティング部門62人、デザイン部門20人を合わせた総勢82人の審査員が、合計408銘柄を審査。純米大吟醸・大吟醸酒部門、純米吟醸・吟醸酒部門、純米酒・本醸造部門、スペシャル部門の四つのカテゴリーで行われた。
フードペアリング部門審査では、ワイングラスを使用し、トマトとモッツアレラのカプレーゼ、魚介のパスタ、ティラミスなど、イタリアを代表する食品や料理、デザートとともにブラインドテイスティングを実施。日本酒とイタリア食が持つ味の特性をお互いに引き出し合える、最適な組み合わせを判断した。
7月に入って受賞の知らせを受けた尾﨑社長(78)は「熊野の地酒が国際的なプロの料理人に認めてもらえた。和食にも洋風の料理にも合うことが証明された。ありがたいこと」と喜びの声。
「日本酒には日本の伝統の技術が結集されており、それが世界的に認められている。日本酒もワインと同様に食事とともに楽しむお酒。世界に通用するお酒として、今後より国際的になっていくのでは」と期待を込めた。
同社は熊野地方唯一かつ本州最南端の蔵元。熊野川の伏流水、地元産の米を使用するなど地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている。
「本醸造太平洋」は「コクやキレ、丸みがありやや辛口」な口当たりが特徴。「全国燗酒コンテスト2021」お値打ちぬる燗部門最高金賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。720㍉㍑1100円、1・8㍑2100円(いずれも税別)で販売中。
(2022年7月30日付紙面より)
アジア・オセアニアフォーラム (和歌山県 )
日本を含めた18の国・地域の高校生が集う「世界との対話と協働:アジア・オセアニア高校生フォーラム」が25~27日、オンラインで開催された。新宮・東牟婁地方からは県立新宮高校と串本古座高校から計10人が参加。3日間のプログラムを通じて環境や食糧、教育といった世界共通の問題について意見を交わした。
和歌山県、県教委など主催。各地の高校生と交流する中で、グローバルな視野で物事を捉える力を養うとともに、国際社会で活躍できるリーダーの育成を図ることが目的。
本年度は日本の他、インドやシンガポール、韓国、中国、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、モンゴル、トルコ、オーストラリアなどから計84人が参加。和歌山県内では14校から47人、県外は9校から10人が出席した。
プログラムは全て英語で行われ、高校生たちは▽津波・防災▽環境▽ダイバーシティー(多様性)▽教育▽食糧―の五つのセクションに分かれて自らの意見・提案などを発表した。
教育セクションでは、教育格差や教師の働き方、世界寺子屋運動、10代のデートDV予防、学校外も含むさまざまな学習体験を高等教育の単位として認める「単位銀行制」の導入など、多岐にわたる内容について議論。新宮高校の柿本優心さん(2年)らのグループは、世界には貧困によって初等教育を受けることができない人々がいることから、使途が明確で楽しんで参加できる募金活動の必要を伝えた。
ダイバーシティー・セクションに参加した中野祐一朗君(3年)は「ダイバーシティーという言葉の意味や具体的にどんな取り組みが必要かを発表した。海外の生徒が『受け入れる』という表現に、『抱きしめる』という意味の“embrace”を使っていて、自分もまねしてみるなど、いろんな発見がありました」と話していた。
(2022年7月30日付紙面より)
退任に伴い堀町長が贈呈 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町で活動していたミャオミャオ・イェさん(27)が31日(日)をもって退任することから28日、役場町長室で感謝状の贈呈式があった。堀順一郎町長や瀧本雄之副町長らがこれまでの活動をねぎらうとともに、感謝を述べた。
中国浙江(せっこう)省出身で国籍はオーストラリアのイェさんは「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」により来日。2020年12月から同町で任用され、観光案内所や町観光企画課で勤務していた。
飲食店のメニューやホームページなどの翻訳、町内の小学校訪問や町立図書館で実施した国際交流行事で、オーストラリアの紹介を行うなど尽力してきた。
金子恭之総務大臣から贈られた「JET絆大使任命状」を代読し、感謝状を手渡した堀町長は「新型コロナウイルスで外国人観光客が激減した中での勤務となった。その間のミャオミャオさんの業績は今後、海外からの観光が回復した際につながっていくと思う。また、子どもたちとの文化交流は、その子どもたちが大人になった際に国際的に活躍するきっかけになるかもしれない。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
任期は最長5年だが、更新は行わず退任を決意したイェさん。同町については「自然豊かで、人情に厚い町。子どもたちとも広く交流ができた。機会があれば今度は家族を連れて、一緒に来たい。本当に良い所でした」と振り返る。
今後については「しばらくは帰国して自宅で休みます。日本での経験を生かして、観光分野などで活躍したい。また、将来の夢は漫画を作って、本にできればうれしいです」と笑顔で語った。
(2022年7月30日付紙面より)
古座川ロードレース実行委 (古座川町 )
古座川町内で9月3日(土)、ジャパンサイクルリーグ(JCL)第7戦「古座川ロードレース」が開かれる。その運営を担う同レース実行委員会(須川陽介実行委員長)が今月27日に役場本庁で第1回会合を開いて概要を確認し、当日の通行規制に必要なボランティア確保と地域協力確立の必要性を申し合わせた。
同リーグは地域振興と競技振興を重ねこなして世界的評価を目指す競技会として、昨年3月に発足。プロチーム10組が参画し、全国各地で対戦を繰り広げている。その一競技地として名乗りを上げたのが同町で、信号がなく交通量も穏やかな町内環境を生かして誘致に成功。以降コース設定など段取りを進めて初実施を目指すさなかにある。
第7戦はJCLが競技主管、同実行委員会が大会運営をして主催。当日は道の駅一枚岩拠点で午前10時~午後2時に競技、その前後に拠点で開閉会など諸行事を実施する。競技コースは今津橋~下露峠~滝の拝~鶴川交差点経由の周回ルート(全長41・6㌔)を設定していて、選手は3周して順位を競う。
同実行委員会事務局によると、通行規制は選手集団の先頭通過30分前~後尾通過30分後の範囲を目安にかけるが詳細な時間が見通せないため、競技中全般で住民らに選手最優先の協力を求める状況を見据える。ボランティアには競技中のコース管理(選手の脇道への誤進入防止や通過時の安全確保など)や受付など、特別な知識がなくてもできる運営を優先して充てる方向で協力を求めるという。
第1回会合の実施に当たり西前啓市町長は、直面する諸課題を乗り越えての運営成功を期待。誘致の当事者・須川実行委員長は実施の経緯と実施にかける町域振興の思いを伝えて、実行委員の結束を固めた。
同実行委員会の事務局は、第7戦の翌日に選手誘導のツーリング体験会「ぐるっと古座川サイクリングフェス2022」を計画し、現在エントリーを受け付けている古座川町観光協会。感染予防対策(観戦制限など)は目下の情勢が不安定のため模索中という。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。
(2022年7月30日付紙面より)
三輪崎支所で落成式 (新宮市 )
新宮市三輪崎で16日、市役所三輪崎支所新庁舎落成式と施設見学会があった。田岡実千年市長や市議会議員、消防団関係者、地元自治会長、工事関係者らが出席。施設の完成を祝うとともに、19日(火)からの業務開始に向け士気高揚を図った。
大規模災害発生時においても、地域の防災拠点施設としての役割を十分に果たすことをコンセプトの一つに、優れた耐震性を確保。1階に三輪崎支所、2階に市消防署三輪崎消防派出所と消防団三輪崎分団詰所を配置するとともに、非常用自家発電設備や600㍑の燃料タンクを設置。災害時には施設内の非常用電源接続機器に3日間の電源供給が可能となる。
津波一時避難スペースも確保されており、2階屋上(海抜16㍍)に約140平方㍍、1階屋上(同12㍍)約80平方㍍の計約220平方㍍に約440人の避難者の受け入れが可能。駐車場北側には消防本部において、60立方㍍の耐震性貯水槽を埋設している。
また、期日前投票や確定申告の会場としても使用予定の多目的スペースや、窓口には車いす対応のローカウンター、オストメイト対応の多目的トイレを配備している。
敷地面積は1170・48平方㍍、建築面積249・34平方㍍、延床面積388・11平方㍍。鉄筋コンクリート造りで駐車台数は10台、株式會社中村一級建築士事務所が設計。株式会社海邊組が建築、共栄電設株式会社新宮支社が電気、株式会社仲西水道工事店が機械の施工を請け負った。
なお、旧三輪崎支所庁舎は完成から55年、三輪崎消防吏員派出所は建築後69年が経過していた。
式典では、田岡市長が市民と関係者の協力に感謝し「より一層市民の皆さまのご期待に添うべく、安全・安心のまちづくりに全力を傾注したい」とあいさつ。
地元選出の濱口太史県議は、旧庁舎や派出所の思い出を振り返りつつ「施設の完成を機に、地域が盛り上がっていくことを期待している」と祝辞を述べた。
施工業者への感謝状贈呈後には田岡市長、濱口県議、酒井清崇・東牟婁振興局長、榎本鉄也市議会議長、中谷健兒消防団長がテープカット。閉会に当たり、榎本議長が「市議会としても当局とともに、地域に愛される施設となるよう努めていきたい」と誓いを新たにした。
(2022年7月17日付紙面より)
関係機関が情報共有
田辺海上保安部(真部克彦部長)や新宮警察署(田原正士署長)などで組織する、新宮港港湾危機管理コアメンバーの会合が14日、和歌山県東牟婁振興局であった。19人が参加、新宮港におけるテロ対策強化について意見を交わした。
田辺海保や新宮署のほか▽大阪税関和歌山税関支署新宮出張所▽大阪出入国在留管理局和歌山出張所▽近畿地方整備局和歌山港湾事務所▽近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所▽県東牟婁振興局新宮建設部▽新宮市企画政策部▽新宮市消防本部―の代表者で組織する。会合は何もなければ年1回、およそこの時期に実施している。
開会に当たり、新宮港港湾危機管理担当官である、田辺海保の真部部長があいさつ。「今回は各機関から、新宮港港湾管理の取り組みを説明いただき、その内容を共有し、自由に議論いただき、今後に生かしていきたい。われわれ関係機関の連携もさらに深まるものと思う」と話した。
コロナ禍に関して、日本では外国人観光客の受け入れが徐々に再開されており、今後は新宮港での外国客船の入港が再開すると思われること。世界各国でも大規模イベントが少しずつ再開していること。国内の観光地で客足が戻りつつあることなどを説明した。
一方で、アメリカ独立記念日の銃乱射事件、安倍晋三元首相の銃撃事件、ロシアのウクライナ侵攻にも言及。「(これらが)われわれの港湾危機管理を含め、さまざまな活動にどのような影響が及ぶのかは知れないが、新宮港における危機管理は、関係機関と連携し、一丸となり、守り抜いていきたい」と語った。
(2022年7月17日付紙面より)
見守り隊と紀南高生が街頭啓発 (紀宝、御浜町 )
「特殊詐欺撲滅の日」の15日、紀宝町と御浜町で街頭啓発活動があった。両町のスーパーで啓発チラシを配布し、来店者に声かけするなどして地域ぐるみで詐欺被害撲滅を呼びかけた。
紀宝町高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は、同町鵜殿の主婦の店で啓発活動を実施。「コロナの影響で売り上げが減り困っている」と電話勧誘で金額に見合わない商品を売りつけるトラブルが急増しているとして、注意するよう買い物客に求めた。
国民生活センターによると「新型コロナウイルスの影響で商品が売れないので支援してほしい」、強引に「買ってもらわないと困る」などと勧誘され、海産物を購入したが、金額に見合わない商品が届いたという相談事例がある。代金引換で一方的に商品が届くこともあるという。
トラブルに巻き込まれないポイントとして▽おかしいと感じたらはっきり断る▽クーリングオフ制度の利用▽一方的に届いても支払わず、受け取らない―などを挙げている。
不審な電話や訪問に関する相談は紀宝警察署(電話0735・33・0110)、紀宝町地域包括支援センター(電話0735・33・0175)、消費者ホットライン(電話188)まで。
御浜町では、防犯ボランティア団体として活動する紀南高校生徒会の役員7人、同町防犯委員、紀宝警察署の署員らが参加し、パーク七里御浜ピネで実施。生徒らは「特殊詐欺に気を付けてください」などと来店者に呼びかけ、還付金詐欺に注意するよう求めるチラシなどを配布した。
同署によると、6月末現在、架空料金請求詐欺24件(被害額約9320万円)、オレオレ詐欺11件(同約1990万円)など59件(前年同期比9件増)の特殊詐欺が発生し、被害総額は約1億5080万円(同約6450万円増)に上った。
管内では5月13日に架空請求詐欺があり、10万円の被害が発生した。
(2022年7月17日付紙面より)
ブルービーチ那智が海開き (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は16日、那智勝浦町浜ノ宮のブルービーチ那智で海開きに伴う安全祈願祭を営んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓は招待せず、機構の清水貞吾理事長や堀順一郎町長、町職員らのみで神事が執り行われた。遊泳期間は8月16日(火)まで。
雨の中、神事は熊野那智大社の出仕を得て、小賀真樹禰宜(ねぎ)らがシーズン中の安全と活気を祈念した。
同町によると、感染症対策として、ウオータースライダーなどは設置しない。
シャワーや更衣室は使用できるが、密を回避するためロッカーの間引きや屋外に簡易的なシャワーを準備し、消毒液も配備する。また、水難事故を防ぐために海上と陸上に監視員を配置するとしている。
堀町長は「県内でも有数のビーチを活用していく。水難事故がないように協力いただきたい」。
藤原健一事務局長は「イベントなどは実施できないが、ご家族で海や温泉を楽しんでいただけたら」と話した。
清水理事長は「海開きとなって、町の繁忙期である夏が始まる。コロナの感染状況は不安だが、感染防止や水の事故に注意しながら、夏の思い出をつくていただけたら」と語った。
遊泳時間は午前9時から午後4時30分まで。駐車場は西側(熊野体験博跡地)約150台、東側(JR那智駅側)約100台が駐車可能で有料1台500円。8月17日(水)以降は無料。同ビーチ以外では粉白地区の玉の浦海水浴場が遊泳できる。
(2022年7月17日付紙面より)
「那智の扇祭り」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が営まれた。おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小して実施したが、今年は人数制限や斎行時間の変更があったものの、3年ぶりに諸祭儀が例年通り執り行われた。
扇祭りは、大社にまつられている12柱の神々を12体の扇神輿(みこし)にうつし、那智の滝前に里帰りさせて神霊、神力を奮い起こして、万物の生成発展を祈る神事。12本の大たいまつの炎で扇神輿を清める場面が見どころであることから「火祭」とも呼ばれている。
本社大前の儀や御田植式、渡御祭などを斎行後、一行は別宮を目指した。
大たいまつに火が付けれられると、白装束と烏帽子(えぼし)をまとった氏子が「ハリャ、ハリャ」と威勢の良い掛け声とともに参道を往復。重さ約30~50㌔にもなる大たいまつ12本が勢いよく燃え盛り、拝観者らを魅了した。
飛瀧(ひろう)神社に到着後は別宮大前の儀で男成宮司が五穀豊穣(ほうじょう)や国の繁栄などを願うとともに、コロナの終息に祈りを込めて祝詞を奏上。その後は御田刈式、那瀑(なばく)舞が行われ、本殿で還御祭が営まれた。
また、渡御祭の様子はユーチューブでライブ配信された。
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13日夕方には宵宮祭が本殿で営まれた。その後、境内に設置された田楽舞台で、3年ぶりとなる町立市野々小学校の児童による大和舞(稚児舞)と「那智田楽保存会」が現代に伝える「那智の田楽」の奉納があった。
田楽は室町時代に流行した田楽踊りを伝える貴重な文化遺産として、同保存会が古来の姿を伝えている。1976年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
感染防止の観点からどちらも宵宮のみの奉納となったが、多くの関係者や参拝客らが見物し、その様子をカメラなどに収めていた。
(2022年7月15日付紙面より)
建設工事関係者連絡会議 (新宮・東牟婁地方 )
建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(嶋本輝樹署長)は13日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の約20人が出席。取り組み紹介や意見交換を行った。
会議は、3者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。
冒頭で嶋本署長は、2021年の建設業における休業4日以上の労働災害は前年同様9件だったが、うち1件の死亡災害が発生していると説明。「今年に入ってからは6月末現在で4件で、前年同時期より1件減少しているが引き続き労働災害防止への取り組みが重要」と説明。
工事現場災害の減少を図るため、熱中症防止対策や建設業の働き方改革の取り組み推進などに対する協力を呼びかけ「発注者や施工業者、われわれ労働安全行政機関などが相互に連携して労働災害の防止を進めていくための情報交換などを活発に行い、実りある会議にしていければ」とあいさつした。
乾孝行監督・安衛課長が、管内の建設工事における災害発生状況を説明したほか、労働災害発生時には刑事上、民事上、行政上、補償上、社会的な責任が生じるとし、現場において▽通路、足場安全対策▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置―などの安全管理が必要とした。
23年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、建設現場での新型コロナウイルス感染防止対策、適切な器具の使用などについて案内した。
紀南河川国道事務所や紀伊山系砂防事務所、東牟婁振興局串本建設部・農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、古座川町、太地町などが公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。
(2022年7月15日付紙面より)
高池小が小川の瀬で川水泳 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長、児童63人)が13日、古座川支流小川の明神橋そばの瀬で川水泳に取り組んだ。
泳げる川が行動範囲にあるという自然の豊かさに恵まれた同町。夏場に川で涼を取る子どもも多く、その地域性が本格化する前に教員による安全管理下で体を慣らすため町内の小学校はそれぞれに川水泳の機会を取り入れている。
高池小は当初、月野瀬の少女峰前(古座川本流の瀬)で実施する予定だったが、ここ数日の雨天で水が濁っていたため急きょ前述した瀬に場所を変更。天気は上々で、スクールバスによるピストン輸送で赴いた児童は、先生から注意事項の説明を受けた後、自由行動で川に親しんだ。
深みにはまらないようにと先生が張った規制線より河原側、足が届く範囲で水浴びや水泳をしてプールとは違う自然の水域に体を慣らした。
平年は夏休み期間に来町する川崎市ふれあいサマーキャンプの同世代と交流する中で川遊びを主導するためのリハーサル的な意味合いもあるが、本年度も新型コロナウイルス感染予防のため同町から川崎市へ赴くふれあい訪問事業も含めて交流の予定はなし。同町教育委員会によると明神小と三尾川小は14日にそれぞれ定めている水泳場(高池小は今回、明神小の水泳場を臨時で利用した)で川水泳に取り組むという。
(2022年7月15日付紙面より)
町への移住者増を報告 (紀宝町区長会 )
町内14地区と町で組織する紀宝町区長会(会長・辰巳尚鵜殿区長)は12日、同町役場大会議室で定例会を開いた。西田健町長は、昨年度、町への移住者が50人だったと報告し「移住者の皆さまを温かく迎え入れる体制を取っていただければ」と呼びかけた。新型コロナウイルスの感染が急速に広がっていることを挙げ「若い世代が感染している。少しでも感染者を減少させていく体制づくりに取り組んでいきたい」と示した。
定例会には各区の区長、役場職員が出席。役員改選に伴い、会長に辰巳区長、副会長に鮒田区の東口高士区長を選任。各課の担当職員が町の関連事業などを説明した。
新型コロナに関連し、担当課長は「感染状況、三重県の指針、イベント基準を基に町新型コロナ対策本部会議で協議をする中で、各種事業の開催や公共施設の開設などについて検討し、感染対策を講じての実施、中止や延期の判断をしている。各地区の催しも地区で話し合いをして検討してもらいたい」と伝えた。
辰巳会長は「町内でコロナ感染者が増えている。マスク、手洗いなどを続けてほしい」と求めた。
(2022年7月15日付紙面より)
新宮警察署(田原正士署長)で1日、警察法施行記念感謝状贈呈式があった。地域、災害、交通など警察活動の各分野で積極的な協力をしたとして、田原署長が感謝状と記念品を手渡した。
「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、かつ、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めること」(1条)を目的とする現行の警察法は、1954(昭和29)年6月8日に旧警察法を全面改正し公布され同年7月1日から施行。国家地方警察と自治体警察が廃止され、警察庁、警視庁、都道府県警察が設置された。
同署では警察法が施行された記念日に合わせて、警察活動に協力した人たちに感謝状を贈っている。
田原署長は「警察法には第2条で警察の責務が規定されており、条文に『警察は個人の生命、身体および財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧、捜査、被疑者の逮捕、交通の取り締まりやその他公共の安全と秩序の維持に当たることは警察の責務』とある。その責務を遂行し、安全・安心なまちづくりを実現するためには、皆さま方をはじめ住民の方々のご協力が必要不可欠」と謝辞。
警察業務への引き続きの理解と支援、協力を呼びかけた。
(2022年7月3日付紙面より)
全国棚田サミット実行委 (那智勝浦町 )
全国棚田(千枚田)サミット那智勝浦町実行委員会(会長=堀順一郎町長)の第1回の会議が6月27日、那智勝浦町役場であった。16人の委員のうち、14人が出席、2人がリモート参加。来年11月に同町で開催予定のサミットのテーマを協議して複数案を提示し、これらをたたき台に色川住民に意見をもらうとした。2021年度の事業や決算の報告、22年度の事業や予算の提案も受け、いずれも可決承認した。
全国棚田サミットは、1次産業に対する意識を向上させ、棚田の魅力を再発見してもらうことなどを目的に開催している。同町では、色川地域の小阪などに棚田がある。実行委は、同町、同町観光機構、和歌山県東牟婁振興局、JAみくまの、同町商工会、棚田関連団体の代表者などで組織している。
開会に当たり、堀町長があいさつ。「(本町には)素晴らしい棚田がたくさん残っており、今回は小阪にたくさんお越しいただく。全国の皆さんにご覧いただくとともに、町の世界遺産やマグロ、温泉などを実感いただいて、何度でもお越しいただけるような取り組みを、サミットを通じて全国発信したい。ご協力を」と呼びかけた。
テーマに関する協議は、事務局が町職員より募集した、59のメインテーマと52のサブテーマの中から、委員が適していると思うものを選ぶところから開始。両テーマは、景観や生活などのジャンルと、それが過去・現在と未来のどちらを表すかでおおまかに分けられていた。
出席委員が各自、適していると思うメインとサブを組み合わせて紙に書き出した。メインとサブを入れ替えても可とした。「色川地域の住民の意見も聞くべき」との意見があり、委員が作った複数の組み合わせをたたき台とし、地域住民に協議してもらうことに決まった。
ただし、これまでのサミットのほとんどのテーマで、「色川」のような具体的地名は使われていないことから、これに倣うべきなのかどうかを確認するよう、事務局に求めていた。
昨年度の事業や決算、本年度の事業や予算なども話し合った。10月に滋賀県で行われる全国サミットで次回開催地であることの広報活動を行うこと、本年度中に事業実施計画を策定することなどを決めた。
那智勝浦町での全国サミットは、来年の11月17日、18日、19日の予定となっている。1日目に理事会と総会、2日目に講演会や分科会、3日目に現地見学会を計画している。
(2022年7月3日付紙面より)
「ダメ。ゼッタイ。」普及運動を展開
薬物乱用防止を呼びかける「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」の街頭啓発が1日、御浜町の県立紀南高校前であった。熊野地区薬物乱用防止指導者協議会と紀宝警察署から計6人が参加し、登校する生徒に啓発物品を配布した。
運動は、国民一人一人の薬物乱用問題に関する認識を高めるため、正しい知識の普及、広報啓発を全国的に展開するもので、1993年から毎年実施している。
厚生労働省によると、国内の薬物情勢は依然として覚醒剤が薬物事犯の半数を占めている一方、大麻の検挙者数が増加しており、5年連続で過去最多を更新した。特に若年層の大麻乱用が顕著で、30歳未満が大麻検挙者数の約7割を占めている。
この日の街頭啓発では、薬物乱用や薬物依存、相談窓口などを記したチラシと啓発用ポケットティッシュなどを配布。薬物乱用の恐ろしさと乱用防止の大切さを呼びかけた。
(2022年7月3日付紙面より)
移動水族館が太地小学校へ (太地町 )
太地町立太地小学校(海野文宏校長)へ1日、同町立くじらの博物館の移動水族館がやってきた。2年生19人と保護者が、サメやクラゲなどちょっと危険な海の生き物との触れ合いを楽しんだ。
保護者主催の2年生の学年行事。普段過ごしている教室に海の生き物たちから会いに来てくれるわくわく感、毒やとげを持つ生き物を間近で観察できるドキドキ感を味わってほしいとの思いから企画した。
この日は同館で魚類・無脊椎動物飼育を担当する荻原拓さんが▽硬い貝をかみ砕く顎を持つネコザメ▽フグと同じ毒・テトロドトキシンを持つスベスベマンジュウガニ▽ひれに毒針を持つミノカサゴ▽全身を長いとげに覆われたウニの仲間のガンガゼ▽触手の刺胞から毒針を発射するミズクラゲ―の5種類の生き物と一緒に来校。
児童たちは「危険な海の生き物といえば?」という質問に、「アンボイナガイ」「カツオノエボシ」「ウツボ」と次々に回答。「フグと同じ毒を持っているのは、ヘビ、ハチ、イモリのどれ?」「エイに刺されたとき、毒に効果があるのは、お湯、真水、海水のどれ?」などのクイズを交え、生態を学んだ。
実際にネコザメやミズクラゲと触れ合う時間もあり、児童は恐る恐るつついたり、水槽をのぞき込んだりしていた。
筋師二胡さんは「クラゲが好きで、ぷにぷにしていてかわいかった」。森本楓貴君は「海の生き物は全部好きだけれど、1番はシーラカンス!」と話していた。
(2022年7月3日付紙面より)