王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式 (新宮市 )
新宮市消防本部で24日、令和4年度「王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式」があった。クラブ員第10期となる市立王子ヶ浜小学校6年生14人が、市幼少年婦人防火委員会会長(垣内一男消防長)代理の古根川喜一・市消防本部予防課長から表彰状や記念品を受け取った。
同クラブは、地域や家庭における防火防災を図るため、同小6年の少年少女により組織。火災予防など防火について学習し、正しい防火・防災知識を身に付けるとともに、活動を通して規則正しい明るく元気な少年少女に育つことを目的に結成された。
本年度、同クラブには14人が入部した。はしご車乗車体験や消火器取り扱い、心肺蘇生法、人権学習など、10回にわたり防火防災に関する知識の習得に取り組んできた。
卒団する子どもたちを前に、古根川課長は「中学生になっても地震や火事などについて勉強すると思いますが積極的に取り組んでほしい。大人になった時、まちの防災リーダーになってくれることを願っています」とこれまでの活動をねぎらった。
「先生」として子どもたちの指導に当たった、予防課の亀井剣太さんは「皆さん、元気に頑張ってくれた。学んだことを忘れずに今後に生かしてほしい。皆さんが将来、地域防災の担い手になってくれることを期待しています」と言葉をかけた。
(2023年3月26日付紙面より)
和高教講演会で岩出雅之さん (新宮市 )
和歌山県高等学校教職員組合(和高教)第5支部は21日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で教育文化のつどい講演会を開いた。県立新宮高校出身で、帝京大学ラグビー部前監督の岩出雅之さんが「平成生まれの子育て論~教えすぎない~」を演題に講話。約200人が聴講した。
和高教は、高等学校の教職員による労働組合。労働条件向上のほか、子どもたちが幸せに生きるための教育を目指し活動している。「教育文化のつどい」は生徒や地域住民を対象に35年以上前から展開。これまで元プロ野球選手や政治家、歌手など多彩なゲストを迎え、コンサートや講演会を開催してきた。
郷土が生んだラグビー界の名将・岩出さん。1958年、新宮市に生まれ、監督として帝京大学を大学選手権10回の優勝に導いた。現在は同大学スポーツ局長やスポーツ医科学センター教授を務める。著書に「負けない作法」「逆境を楽しむ力」などがある。
岩出さんは「幸せの定義を持っているといい結果が生まれてくる」と述べ「青年期の若者との向き合い方」「自律型人材が育つ組織づくり」を柱に、自ら学び成長する心を導くマネジメント論を展開した。
「発言」や「行動」は「思考」がつくると定義し「自分とは何者か、どう生きるか。自分との向き合い方を考えることが大事」。Z世代の若者への関わり方について▽自律▽目的▽可能性―を若者が納得する基本ポイントとし、「分かる」「好奇心」「自律心」「やる気」が「考える力」を養うための基本要因であるとした。
自己効力感、前向きな肯定感を高めていく関わり方が重要と述べ「思う存分力を出し切れる人の集まりにいかにしていくかが必要」。「理解できているつもり」は実は「理解できていない」ことであるとし、内省のステップを紹介。「振り返り、行動や結果に加えて前提に気付かせる。思い込みに気付くことが新しい考え方や取り組みにつながる」と話した。
自律型人材をつくる組織づくりについて「経験学習により考える力が高まる。精神的余裕のある組織づくり、幸せを感じる組織づくりも大事」と話し、脱体育会構造・環境改革は多様な価値観からのイノベーションや思いやりの文化づくりに好影響を及ぼしたと説明。
何でも言い合える関係性のためには誠実さと対話が重要とし「応答・対話をやめないことが責任を果たすということ」。同大学の教え子らに対し「苦しさや悔しさなどを財産にして、次のステージに向かってくれると思う」とエールを送った。
(2023年3月26日付紙面より)
熊野大花火大会に向け試し打ち (熊野市 )
熊野市は24日夜、「熊野大花火大会」に向けて、木本町の鬼ヶ城などから花火の試し打ちをした。新型コロナウイルスの影響で、市の一大イベント熊野大花火が3年連続で中止となっていたが、今年は8月17日の開催に向けて準備を進めており、4月上旬に決定する予定だという。
市観光協会の中平孝之会長は「3年連続で熊野大花火が開催できていない。大花火の原点は精霊供養。これまで規模を縮小して供養花火は続けてきたが、本格的に御霊(みたま)をしっかり供養したい」と話していた。
試し打ちには、地元熊野市の和田煙火店をはじめ、伊藤煙火工業(亀山市)、紀州煙火(和歌山県有田川町)が参加。3~7号玉の160発の花火を打ち上げ、漆黒の夜空を鮮やかに染めた。
浜辺には一目見ようと、多くの見物客が詰めかけ、熊野大花火大会の4年ぶりの復活を心待ちにしていた。
(2023年3月26日付紙面より)
2羽が休耕田で羽休める (那智勝浦町 )
那智勝浦町中里の休耕田付近に22日、2羽のコウノトリが飛来した。2羽のコウノトリは場所を少しずつ移動し、餌をついばんでいた。
コウノトリは、日本の代表的な大型水鳥で、国の特別天然記念物。国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種に指定される国際的にも希少な鳥だ。
体長は約110㌢で、翼を開くと200㌢にも及ぶという。河川や湿地、水田などで、魚類やカエルなどの小動物を補食する。近年、同町では毎年のように、目撃されている。
コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づき野生復帰を実践している兵庫県のコウノトリの郷に、2羽の足環の特徴を伝えたところ、2歳の雌と3歳の雄であることが判明した。どちらも徳島県で足環を装着した個体だという。
担当者は「休耕田などは敵も少なく、安心して食事ができるのだと思う。2羽でいるからといって、必ずしもつがいではない」と話していた。
偶然、コウノトリを発見したという町内在住の男性は「見るのは2度目。羽を休める姿がかわいらしい」と笑顔で語った。
(2023年3月26日付紙面より)
6社招き、FAMツアー (新宮市 )
新宮市は14、15の両日、市内各所でインバウンドFAM(ファム)ツアーを実施した。東京や大阪の旅行会社6社から6人が参加。ガイドらと共に名所を巡りアクティビティーを体験。観光資源やその魅力を発見する機会とした。
FAMツアー(トリップ)はモニターツアーの一種。国や自治体などが観光誘致を目的に、旅行会社やメディアなどに現地視察してもらい、観光客目線で実際に体験したツアーやサービスを発信してもらう狙いがある。
入国制限の緩和や、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据え、インバウンドの誘客に力を入れる同市ではこのたび、今後の旅行商品造成のきっかけづくりや、新たな観光コンテンツを体験してもらおうと、訪日外国人を取り扱う旅行会社を招待するに至った。
ツアーに参加したのは▽㈱リベルタ▽G Adventures▽INTO Japan▽ジャパンリンクストラベル▽㈱JTBグローバルマーケティング&トラベル▽㈱HIS―の6社。
1日目14日は、ガイドの福辻京子さんらの案内を受けながら、一行はEバイク(電動アシスト自転車)で熊野速玉大社や神倉神社、阿須賀神社へ。このほどリニューアルした熊野速玉大社神宝館見学や絵解きを通して、同市の文化的魅力に触れた。
15日は大雲取越や高野坂のトレッキング、熊野川川舟下り、スイーツ巡りなどを通して、自然や歴史などを楽しんだ。
ツアーに参加した「INTO Japan」のツアーコンサルタントで英国人のダニエル・リッチーズさんは「神話や伝説、祭りなどローカルでユニークなカルチャーを通して日本の文化や自然に触れられて素晴らしいと感じた。和歌山県も新宮市も、海外の人にはあまり知られていないのでこの機会を利用して広めていきたい」と笑顔で語った。
なお、コロナ禍前の2018年には、9112人の訪日外国人が同市(熊野川町含む)を訪れた。22年は新型コロナウイルスの影響で1406人にまで落ち込んだが、入国制限の緩和に伴い、訪日外国人数は徐々に増加しているという。
(2023年3月16日付紙面より)
下小防災伝え隊が発表 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、6年生9人による発表「下小防災伝え隊~みんなが助かるために、わたしたちにできることって?~」があった。全校児童や地域住民が参加し、防災について学んだ。
6年生は本年度、役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話や修学旅行での「人と防災未来センター」(神戸市)訪問などを通じ、防災について学んできた。
発表では、児童や保護者を対象にしたアンケート結果を基に「ほとんどの人が地震発生時の避難場所を知っていたが、逃げる準備をしている人はあまりいない。南海トラフ地震が何年周期で起きているか知らない人が多かった」と問題提起。
海洋プレートの沈み込みによって起こる海溝型地震の仕組みを解説し「今後40年以内に90%の確率で南海トラフ地震が起こる。那智勝浦町では、東海・東南海・南海の3連動地震で死者5200人、家屋の全半壊6100棟、南海トラフ巨大地震で死者1万1700人、家屋の全半壊7800棟の被害がでると予想されている」と警鐘を鳴らした。
非常時に備える3ステップとして▽バッグやポケットに常に携帯しておくもの(0次)▽被災の1日を乗り切るコンパクトな非常持ち出し袋(1次)▽何日か自給自足してしのげる物品の備蓄(2次)―をそれぞれ用意しておくとの考え方を示した。
サイコロトークでは、地域住民と混合の3グループに分かれ、さまざまなテーマで話し合った。「家の中で危険だと思う場所」では「刃物や陶器があるキッチン」「大きなタンスや冷蔵庫の近く」、「下里校区内で安全な場所」では「津波のことを考えると、どこも安全とは言い難いのでは」との意見が聞かれていた。
(2023年3月16日付紙面より)
城南中学校で食育講座 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)は14日、新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんを講師に招き、食育講座「栄養のはなし」を開いた。1年生58人が受講、成長のためにカルシウムの摂取が重要であることを学んだ。
大西さんは、ある日の学校給食の栄養素のグラフと、メニューから牛乳を除いた場合のグラフを提示。あらゆる栄養素が大きく減少することを示し「牛乳は栄養バランスの良い食材です」と話した。
カルシウムは骨や歯に99%、血液や細胞に1%が含まれることを説明。「骨はカルシウムを貯蔵し、血液中のカルシウム濃度を調節、骨格を形成する」「血液や細胞では、神経伝導や筋肉収縮を調節し、血液を固める機能を活性化させる」などと述べた。
骨はカルシウムとコラーゲンで作られていることを解説。「カルシウムが少ないと折れる。10代から20代は一番骨に蓄えやすい」と語った。カルシウムが多い食材として▽牛乳・乳製品▽大豆製品▽小松菜などの野菜▽ワカサギなどの魚介類▽ひじきや昆布などの海藻―などを挙げた。カルシウムの多い給食のメニューも紹介した。
体内のカルシウムを増やすためには、規則正しい生活をして日光を浴びることも大切と強調。「カルシウムをたくさん取って、骨を豊かにしてください」とまとめた。
(2023年3月16日付紙面より)
太地中生徒会が義援金届ける (太地町 )
太地町立太地中学校生徒会(山下創太郎会長)の5人は14日、同町役場を訪問し、自身らで集めたトルコ南東部地震災害義援金を宇佐川彰男教育長に手渡した。義援金は和歌山県を通じて、訪日トルコ大使館に届けられるという。
2月にトルコ南東部で発生した大地震やその被害を受け、生徒会で義援金を集めることを決定。同校玄関で実施するあいさつ運動の際に、義援金箱を持って、生徒らに寄付を呼びかけたという。
今月6日から10日の間で合計1万300円が集まった。14日は引率の教諭と共に、山下会長、宇佐川昊副会長、脊古陸駆副会長、由谷蓮太郎さん、竹田成さんが訪れた。
山下会長は「多くの方々が呼びかけに応えてくれて良かった。トルコとシリアの復興のために使ってください」と話した。
宇佐川教育長は「太地町や町教育委員会では、太地の子どもは賢く、思いやりのある子に育ってほしいという思いで、多くの施策に取り組んできた。生徒会の皆さんで集めていただき、本当にありがたい。義援金は、町から県を通してしっかりとトルコに届けていただきます」と語った。
(2023年3月16日付紙面より)
新宮GG同好会「早春大会」
春季社会人学生卓球大会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
宮戸伸之会長が剣道八段優勝大会に (新宮剣友会 )
本紙エリアも減少顕著
厚生労働省はこのほど、2022年の国内の出生数(速報値)が80万人を割り込んだことを発表した。統計を取り始めた1899年以来で最少の数字で、コロナ禍の影響もあり推計より早く少子化が進んだことになる。状況は本紙エリアも同じとなっている。
新型コロナウイルス感染症は、20年1月に国内で初の感染者を確認。以来、拡大と小康状態を繰り返し、大きな社会不安を引き起こした。これに伴い、結婚や出産も減少。本紙エリアではさらに、新宮市立医療センターの分娩(ぶんべん)休止もあり、混乱が生じた。
具体的には、新宮市で19年は172人だった出生数が、20年には141人まで減少。21年には159人まで持ち直したが、22年は138人に落ち込んだ。那智勝浦町は68人、56人、58人、37人と推移。太地町は15人、6人、9人、12人で、微増と微減を繰り返した。なお、出生届は全国どこの市町村へでも提出できるため、厳密には市町民の出生を正確に表す数値とは言えないが、目安にはなる。
10年ごとの出生数推移を見ると、確実に減少しているのが分かる。02年、12年、22年の順で、新宮市は282人、216人、138人に減少。那智勝浦町は120人、94人、37人。太地町は18人、18人、12人となった。なお新宮市は、05年に熊野川町と合併しており、02年は旧新宮市の数字となっていたため、比較検討のためにあえて熊野川町の出生数もプラスした。
なお各市町は少子化の解消を目指し、医療費や給食の無料化、出産祝い金の創出など、さまざまな施策を打ち出している。また、結婚への支援などを打ち出す自治体もあり、今後、その効果に期待が寄せられるところだ。
(2023年3月15日付紙面より)
田原小4、5年生が町長に (串本町 )
串本町立田原小学校(山路和彦校長)の4、5年生6人が13日、共同制作した作品「輝く未来!夢と希望をのせて田原のロケット」が本年度ふるさとわかやま学習大賞に選ばれたことを田嶋勝正町長に報告した。
この賞は、県教育委員会がふるさとへの関心を深め愛郷心を育むとともにそのためのふるさと教育の推進を図る目的で年1回、第2学期終了日を締め切りとし県内の小学校~高校や義務教育学校、特別支援学校の児童生徒に作品の応募を呼びかけている。
田原小の4、5年生はそれぞれ総合的な学習の時間の中で校区内の大きな話題となっている民間ロケット射場「スペースポート紀伊」やロケット「カイロス」にちなんだ調べ学習をし、その成果を生かして2年前の児童がロケット関係作品で奨励賞を獲得した同大賞模造紙ポスター部門に自分たちも挑戦することを決め、昨年11月の学習発表会以降期日が差し迫る中で急ぎ作品を仕上げて応募した。
規定の大きさの模造紙に扉をつけるなどの工夫をしつつ▽同射場が田原に造られた理由▽ロケットの概要や打ち上げるまでの過程▽町企画課ロケット推進室やスペースワン株式会社から教わった事柄▽ロケットが切り開く宇宙産業の概要▽自分たちや地域の期待の声―などの情報をぎゅっと詰め込んだ内容。4年生の岡田葵さんと西さつきさんと西脇千真君、5年生の芝峰楓太君と寺西秀君と本出晶一君がクラスの垣根を越えて一丸になり、それぞれの成果を寄せて作り上げたという。
この日は山路校長ら教員と一緒に役場本庁舎町長室へ赴き、今月1日に届いた賞状を見てもらう形で受賞を報告。6人が役割分担してポスターセッションを実演し、作品の内容を伝えた。田嶋町長は実演や6人それぞれの調べた感想を聞いてしっかり勉強してくれていることなどが分かりうれしいと述べてこの頑張りをたたえ、共に栄えある受賞を喜んだ。
作品は校区内でお世話になった関係先へ披露後、15日(水)から当面の間、役場本庁舎玄関で披露する予定。同校はこの機会に一人でも多くの来庁者に6人の成果を見てもらえればと話している。
(2023年3月15日付紙面より)
丹鶴地区ふれあい交流会 (新宮市 )
新宮市の丹鶴地区福祉委員会と丹鶴地区民生委員児童委員協議会、丹鶴公民分館は12日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「丹鶴地区ふれあい交流会」を開いた。地区住民ら約160人が来場、さまざまな出し物を楽しみ住民同士の交流を深めた。
1人暮らしの高齢者をはじめ、支援を必要とする人の日頃の見守り活動や地域のつながりを強めようと開催しており、今回で7回目。地域住民の孤立を解消し、多くの人たちと仲間づくりの輪を広げ、福祉委員や民生委員児童委員らとの関わりを深める目的もある。
開会に当たり、実行委員長を務める西孝・同地区福祉委員長は「第2部では新宮警察による特殊詐欺講話も予定している。最後までお付き合いを」。
市社会福祉協議会の大谷康央事務局長は、開催に尽力した関係者らに感謝を伝え「地域の課題を解決するにはつながりが大事。今日はさまざまな演目を通して近所の関係づくりにもつなげていただければ」とあいさつした。
ステージは、ハリケーンによるライブ演奏で幕開け。続いてHulaHAPUNA(フラ・ハプナ)がフラダンスを披露し会場を盛り上げた。
休憩を挟んで、特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さんと脊古佳さんが特殊詐欺被害防止について講話した。
DVDを通して還付金詐欺などへの注意を促すとともに、県内の被害状況について「今年は1月末現在で9件の被害が発生し、被害総額は約1億2770万円に上る」などと説明。
「架空料金請求詐欺」や「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」などの手口や、個人情報を収集する手口などを紹介し「電話でお金の話が出たら電話を切り、誰かに相談を」と呼びかけた。
(2023年3月15日付紙面より)
本宮小学校でコンサート (田辺市本宮町 )
来年度の新校舎移転を控えた田辺市立本宮小学校(田中活介校長)で13日、指揮者の矢澤定明さん、コントラバス奏者の谷脇友里恵さんによるコンサートが開かれた。同校の児童や教職員、保護者、たんぽぽ保育園の園児ら計100人が来場し、生のクラシック音楽に触れた。
同校は大塔川のほとりに位置していることから、来年度より高台への移転が決定している。田中校長と矢澤さんの縁により、現在の校舎での思い出づくりや6年生とのお別れ会を兼ねたコンサートが実現した。
今年1月に創立70周年を迎えた田辺ロータリークラブ(新藤整市会長)も協力。4月9日(日)に田辺市の紀南文化会館で開催する記念コンサートの事前アウトリーチ活動も兼ねている。
矢澤さんの指揮と谷脇さんの伴奏による校歌合唱で開演。谷脇さんは、バロック音楽から古典派、ロマン派へと移行していくクラシック音楽の歴史を追いつつ「アリオーソ」(J・S・バッハ)、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(モーツァルト)、「交響曲第9番」(ベートーベン)などを披露。子どもたちは知っている曲に体を揺らし、コントラバスの音色に聞き入っていた。
閉会に当たり、田辺ロータリークラブの新藤会長が「現在の校舎のことを思い出し、皆さんの心に音楽の種が芽吹いてくれたら」と語った。
和田千夏さん(6年)は「コントラバスという楽器は授業で知っていたけれど、生の演奏を聴くのは初めて。落ち着いた音色だった。中学校に行っても、目標に向けて頑張りたい」と話していた。
(2023年3月15日付紙面より)
新型コロナウイルス感染対策の一つ「マスク着用」が13日(月)から個人の判断に委ねるとする政府の方針を受け、本紙が独自に調査した結果によると約6割の人が「できるだけ着ける」と回答した。すでに着用が習慣になっていることが主な理由として挙がった。
アンケートは7、8日に実施。御浜町~串本町に住む20~80代の100人から回答を得た。マスクの着用は13日から屋内、屋外を問わず個人の判断に任される。調査では「できるだけ着ける」が57人で最も多く、「状況による」が38人、「できるだけ外す」は5人にとどまった。
着用を続ける理由としては「マスクの方が落ち着く」「3年もマスク生活をしていると外すと恥ずかしい」「なるべく顔を出したくない」「マスクなしで人と接する自信がない」などの回答が目立ち、長期化するコロナ禍において、マスク着用が習慣化している人が多かった。
また「基礎疾患がある」「感染防止のため。家族にもうつしたくない」「日本がコロナ感染者ゼロになるまで外さない」といった、基本的な感染対策として着用を続ける声も多かったが、一方で「アウトドアや運動のときは外す」「現実問題、不特定多数が出入りする場所へ行く場合以外しか外せないのでは」「当分着けるけど夏場は無理かも」などの意見もあった。
「状況による」を選択した人からは「ひとまず花粉シーズンが終わるまでは着ける」「花粉シーズンが終わったら屋外では外す」「近しい友人と会うときは外す。コンビニなどは周囲の雰囲気や様子を見る」「屋外や友人宅など、ケース・バイ・ケースで外す」など、感染症以外の予防や周囲の様子をうかがうといった声が多かった。
個人に加え、各業界団体でも脱マスクに向けた指針改定を急いでおり、全国的には大手のスーパーやコンビニなどでも利用客に着用を求めない方針を示している。
なお、新宮市では政府の方針を受け、職員などのマスクの着用については個人の判断に委ねるとするが、窓口などの対応時や家庭訪問時など、高齢者や妊婦など重症化リスクの高い人と接する場面を想定し、マスク着用を推奨していく構え。また、パーティションについては、当面の間設置を継続する計画としている。
那智勝浦町では、重症化リスクの高い人の来庁を想定し、また感染拡大防止継続の観点から、職員の勤務時間中のマスク着用を継続。パーティションの設置も続けるが、勤務時間外の着用については個々の意思に任せるとしている。
(2023年3月11日付紙面より)
橋杭小でキッズシェフ体験 (県調理師会新宮支部 )
串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)で9日、県調理師会主催のキッズシェフ体験があり5、6年生24人が包丁の扱い方やだしの取り方と味の整え方をじかに教わるなどした。
この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。この日は支部の新宮調理師会から平見一雄さんと平見輝行さん〈ともにたぬき屋〉、里中陽互さんと里中佑吉さん〈ともに徐福寿司〉、中畑光史さん〈葵鮨〉の5人がアジのつみれ汁の材料を準備して橋杭小へ赴いた。
感染症予防対策の一環で、児童は全員手袋を使用。まず会員が魚のさばき方を実演紹介し、児童は6班に分かれ5人の直接指導を受けながら同じように挑戦した。
さばいて皮を取った後はたたきにし、刻んだネギとつなぎの卵黄を加えてこねてつみれに。この調理過程で切る、たたく、時にはヘラの代わりにするなど包丁の幅広い扱い方を経験した。他方で昆布とかつお節でだしを取り、しょうゆや砂糖、塩などを加えて汁作り。味見をして足りないと感じた調味料を少しずつ加え、好みの味に近づける経験もした。
つみれを団子の大きさで汁に入れ、最初は沈んでいたつみれが浮かんでからさらに一煮立ちさせて調理終了。試食をしてプロの技術で整えた味わいを確かめた。併せて平見さん親子からSDGsの観点でだしを取った後の昆布やかつお節をつくだ煮(通称・ごはんのお供)にして無駄にしない実演紹介もあった。
人見茉奈さん(5年)は「魚をさばくのが難しかったけれど(会員の)教え方がとても分かりやすくて何とかできた。まだ一人で作る自信は無いけれど、家でまたやってみたい」とコメント。
今回の体験を主導した中畑さんは「橋杭小の皆さんはじっとすることなく積極的に調理を楽しんでくれて、教える自分たちが逆に楽しませてもらえたという気分。包丁を使うなど真剣さが必要なところは真剣に教えたが、終始緊張していてもいいものは作れない。今日はこの体験の本来の目的がうまく伝わったと思う」と手応えを語った。
(2023年3月11日付紙面より)
南紀勝浦温泉が2位 (温泉総選挙2022 )
国民参加型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙2022」でこのほど、本紙エリアの「南紀勝浦温泉(以降、同温泉)」が歴史・文化部門において2位に輝いた。昨年の1位から順位を落とすこととなったが、同温泉はこれまでも常に上位入賞を続けている。
温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じて、さまざまな情報に触れ、各温泉地の利用促進を図ることで、地域活性化につなげることが目的。
投票方法は「ウェブ投票」「リアル投票」「SNS投票」の3種類で、「リアル投票」と「SNS投票」は希望温泉地のみの投票方法となる。同温泉は全ての投票方法での参加となった。
九つの部門があり、全国各地の温泉地が毎年、エントリーを行っており、今回の総投票数は19万5263票に上った。歴史・文化部門は歴史上の出来事や人物にゆかりのある温泉地や独自の文化を残している温泉地がエントリーしている。
同温泉はこれまでに、「総選挙2018」で総務大臣賞を、「総選挙2019」では歴史・文化部門で1位、「総選挙2020」では同部門で3位、「総選挙2021」で1位を受賞している。
エントリーの際の紹介文では、177カ所の源泉と水揚げ量日本一を誇る生マグロが楽しめる宿泊施設や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定されている熊野那智大社や那智山青岸渡寺、那智の滝など、「マグロと温泉と世界遺産のまち」をアピールした。
南紀勝浦温泉旅館組合の清水貞吾組合長は「本年も皆さまの応援のおかげをもちまして、2位に入賞することができました。当温泉地に投票してくださいました皆さまに心より感謝申し上げます。また、来年も1位に返り咲けるよう、今後も南紀勝浦温泉の知名度向上のため、宣伝を頑張ってまいりますので、これからも南紀勝浦温泉の応援をどうぞよろしくお願いいたします」。
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)の理事長も務める清水組合長は「機構の理事長としてになるが、18日から26日まで『温泉』を盛り上げるべく、『南紀勝浦温泉・南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023』を開催します。観光のお客さまのみならず、地元の皆さまにも当温泉地の魅力を改めて実感していただく機会となればと思っております」と話していた。
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観光機構は18日(土)~26日(日)までの間、町内の各温泉で「南紀勝浦温泉 南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023」を初開催する。和歌山県一の源泉数を誇る町内の温泉巡りが楽しめるイベントで、費用は「温泉めぐり札」の代金500円。1500個限定。
温泉めぐり札は、JR勝浦駅前の町観光案内所や大門坂観光案内所、南紀勝浦温泉旅館組合、道の駅なちで購入できる。
購入後は、日帰りおよび宿泊温泉施設の入浴が半額になる入浴券が3枚もらえるほか、温泉施設周遊バスが無料乗車できる。また、その他の特典もある。
問い合わせは観光機構(電話0735・52・6153)まで。
(2023年3月11日付紙面より)
3市町で計169人が参加 (GG作戦 )
七里御浜松林を守る協議会(会長・西田健紀宝町長)は4日、熊野市、御浜町、紀宝町の七里御浜国有林内で3年ぶりに「七里御浜防風林GG(グリーングロー)作戦」を実施。3会場で80本の抵抗性クロマツを植樹した。
七里御浜海岸の海岸林を守ることを目的に、1993(平成5)年度から植樹、林内清掃を続けてきた。新型コロナウイルスの影響で中止が続いたが、再開した今年は熊野市18人、御浜町50人、紀宝町101人の参加があった。
紀宝町では井田地区で開催し、町民をはじめ町議会、町商工会、道の駅「ウミガメ公園」、ウミガメ保護監視員、NPO法人環境ファースト連合会、三重くまの森林組合、紀宝みどりの少年隊、町、県、国の各関係団体も参加した。
西田町長は「松林は地域に住む皆さんを守っている。今日は皆さんと一緒に植樹したい」、協議会副会長で七里御浜国有林を管理する三重森林管理署の石上公彦署長は「植樹した松をしっかりと守っていきたい」とあいさつ。参加者は国有林でクロマツを植樹し、発泡スチロール、ペットボトル、缶、瓶など周辺のごみも拾い集めた。
七里御浜国有林内は3市町の海岸林に位置し、海からの強風、塩分を含んだ潮風から人々の生活、農作物を守るため、海岸防風林として重要な役目を果たしているという。
(2023年3月11日付紙面より)