しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(西田晴胤会長)は12日、市福祉センターで「第12回しんぐう元気フェスタ'17」を開催した。踊りや歌などステージのほか、各種体験教室、食べ物販売があり、大勢の人でにぎわった。
企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。会場では、南紀手話サークル「虹」の手話教室、新宮市観光ガイドの会の絵解きなど各コーナーに親子連れが詰め掛けた。「おまぜ」などの販売には行列ができていた。
ステージでは「Team雅龍」「THE透来夢」「ハラウ フラ オ カウイオナラニ」が踊りを披露したほか、「ハリケーン」のバンド演奏、みくまの農協のスコップ三味線、マジックサークル「青い鳥」の手品などがあった。
開会式で西田会長は「元気なまちというのはそこに住んでいる人たちが毎日の生活を楽しんでいるまち。楽しく日常を過ごすことが積み重なりまちの元気につながる」と語り「今日はボランティアや市民がこんな風に楽しんでいるとみんなで分かち合い、いい一日にしたい」とあいさつ。田岡実千年市長は「人と人との支え合い、助け合いが、誰もが心豊かに過ごせるまちにつながる。今後も皆さんとそのようなまちをつくっていきたい」と呼び掛けた。
(2017年2月14日付紙面より)
30周年記念の施設見学会 (新宮市 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所(水野浩次事務所長)は12日、新宮市あけぼのにある市田川排水機場の見学会を開いた。市田川に面した4町内会と県立新翔高校の生徒、市消防本部職員、市職員ら26人が参加し、排水機場の仕組みとその働きを学んだ。
国土交通省では、完成から一定期間を経過した治水施設について、地域の人に施設の生い立ちや役割、水害リスクを再認識してもらう「アニバーサリープロジェクト」を推進している。市田川では、昭和57年の洪水被害を契機に水門と排水機場の整備が始まり、61年に完成した。今年度で完成から30年を迎えるため、見学会を開催した。
あいさつで水野事務所長は「近年ゲリラ豪雨という言葉を聞く通り、雨の降り方も変わってきている。河川の災害は毎年全国各地でみられており、こうした施設はこれから重要になる。紀伊半島大水害の経験を生かして、皆さまと協力して減災に努めたい」と話した。
講演では、調査第一課の大橋幸一郎さんが市田川の治水施設の役割と効果について話した。市田川は水量の多い熊野川の洪水位よりも低い位置を流れているため逆流が起こりやすく、これを防ぐために、横13㍍縦8・2㍍の水門2門と合計で毎秒17・1立方㍍排水できる3基のポンプで水の出入りを管理していると説明。平成13年に起きた12時間雨量265㍉の豪雨で浸水被害を0にするなど効果の大きさを語った。地震津波対策も備えており、震度5弱以上または大津波警報を受信すると緊急自動閉鎖システムが作動すると話した。
操作室とポンプ室、災害対策用機械を見学した後、熊野川河道浚渫(しゅんせつ)工事について説明。浚渫船などを使って川底を掘ることで、川の流下能力を高めていると話した。
(2017年2月14日付紙面より)
水門神社例祭「水門祭」 (串本町 )
串本町大島、水門(みなと)神社の例祭「水門祭」=県指定無形民俗文化財=が11日に本祭を迎えた。寒さ厳しくも晴天に恵まれる中で数々の奉仕奉賛が活気づき、区内外から多くの拝観者も集めてにぎわった。
通夜島で一夜を明かし大島港に迎えられた主祭神「誉田別命(ほんだわけのみこと、応仁天皇)」の故事にちなんだ渡御(とぎょ)祭を軸とする祭礼。神社名の由来にもなっている恵まれた水利を生かし海路「江戸―大坂航路」の中継港として栄えていた時代の息吹も随所に宿し、東牟婁地方屈指の多彩さを誇る数々の奉仕奉賛で形作られている。
10日夜の宵宮祭を経て、11日の本祭は未明の太鼓打ちから始まった。同神社では御前の儀、お的の儀、大座の儀が順次営まれ、境内では大島区の青年団体「大同会」が獅子舞を奉納した。
正午過ぎには主祭神を島へお連れする渡御が営まれ、同神社を出御した主祭神は祭典諸役と共に当船で苗我島の御旅所へ向かった。大島港出港までの警護を務めた大同会の櫂伝馬「鳳」「鶽」は、当船帰港までの間に洋上から餅をまき、大島―串本間往復3・8㌔の海路で競漕(きょうそう)も繰り広げた。沖合の風にまかれて時折進路を外しながらもしぶきを上げてこぎ進み、「鳳」組が先着して歓喜する結果となった。
年の節目を迎えた人々による餅まきを経て、大島港では陸で待つ区長や神職、氏子総代らと祭典諸役が「お山」(神鏡を納めた木組みの仮宮)の周りを3周。みやびやかな和装の稚児が家族や拝観者の注目を集めた。一行の最後尾では商人役が口上を述べ、競りを繰り広げる演技で場をにぎやかした。
扇を振って帰港する当船を迎える「ツルの儀」を営んだ後、「お山」が倒され今年一年の豊漁を願う若衆が荒々しく中の神鏡を探り合い。最初につかんだ若衆が全速力で持ち逃げした。「お山」跡では大同会が獅子舞を奉納して場のにぎわいを治めた。数々の奉仕は還御祭や納鏡の儀、夜の大座の儀を経て終了。大同会は翌12日まで獅子舞の道中舞わしを続けた。
今年の例祭の当番区は北組が務め、奉仕奉賛の全体を水門神社祭典保存会が祭典委員長の仲立ちを得ながら取りまとめた。一連の奉仕奉賛を終え、吉田隆保存会長(57)は「今年も少ない人数ながらよく頑張ったと思う。大島に生まれ育った者はこの祭りをしなければならない、という気持ちは老いも若きも一緒。毎年ながら大変だったけれど、まあ無事に終わって何よりだしお互いにご苦労さんと言いたいところ。そのようなみなのまとまりが今後も続いてほしい」と願っていた。
(2017年2月14日付紙面より)
那智勝浦町下里の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、お弓祭りが営まれた。的の裏の鬼の字を矢で射抜くことで邪気を払い、五穀豊穣(ほうじょう)や大漁などを祈願する。剣道形奉納、お弓行事があり、多くの拝観を集めた。
境内に設けられた弓場で午前10時30分、山本宮司の祝詞奏上、玉串をささげる神事に続き、下里剣友会(尾鷲俊和会長)の剣士が剣道基本技を奉納。掛け声とともに木刀を振るった。お弓行事では、下里中学校の沖平源喜君(3年)、江﨑亮介君、小川裕斗君、清原楓雅君、藤本茂宏君、横嶋雄大君(2年)が射手、草下悠陽君、横嶋翔君(1年)の2人が矢拾い役となり奉仕。狩衣(かりぎぬ)姿の射手6人が2人1組で、2巡。1本を的中させた。時折強い風が吹く中、矢が的を射抜くと集まった人たちが拍手を送った。
行事の後の的とシイの木は、門先の魔よけとして拝観者らが持ち帰った。
尾鷲会長は、「毎年祭りに向けて、子どもたちは一生懸命練習している。今日は寒い中よく頑張ってくれた」と話していた。
(2017年2月14日付紙面より)
県高校サッカー新人大会
ファミリーフェスに100人 (和歌山県サッカー協会 )
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)と新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)主催の「消費税完納推進」ならびに「e―Taxおよびダイレクト納付普及定着」宣言式が9日、新宮市の新宮商工会議所であった。関係者約60人が出席する中、辻理事長が「負担したお客さまの信頼に応えるためにも、私たちが期限内に完納することは当然の責務」などと誓った。
e―Tax(イータックス)は インターネットで税の手続きができるサービスで、ダイレクト納付は事前に税務署に届け出をしておけば、e―Taxで預貯金口座から納付が可能になるシステム。同連合会は1999年から消費税完納推進、2007年からe―Tax普及定着の宣言式を地域の各種団体とともに実施している。
式典で島野会長は、酒販組合の運動推進への賛同に感謝し、今後も消費税完納の推進などを広く啓発していくとあいさつ。来賓の横山泰三・大阪国税局徴収部長が「この宣言を契機に広く地域社会に広がることが期待できる」、土江稔生・新宮税務署長が「消費税の完納推進がこれまで以上に重要。税務行政へのより一層のお力添えをお願いします」、堀達也・紀南県税事務所長が「消費税は貴重な財源になっている」などと祝辞を述べた。
亀井寿一郎副市長は「消費税の一部は地方自治体に交付され、重要な財源として活用させていただいている。さらなる普及定着をより一層推進してまいる所存」と田岡実千年市長のメッセージを代読した。
(2017年2月11日付紙面より)
高校生作の観光地図が新宮駅に (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)の2年生が制作した英語の観光地図が9日からJR新宮駅構内に掲示されている=写真。新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町の飲食店や観光名所などを英語で紹介している。
地図は2年1組、2組合同42人と、3組40人の計82人が実用英語の授業で担当の垣本真央さんとイオアニス・フォスティロプロスさんの指導の下、昨年11月ごろから取り組んできた。2枚完成させ、1枚は国際交流基金主催のかけはしプロジェクトをきっかけに交流しているアメリカワシントン州のリバティー高校に送る。
生徒の大川梨乃さん(17)は「文字ばかりだと見る気が起きないので、イラストや写真を使ったことが多かったです。あとはカラフルな色使いなどを工夫しました。ちょっと恥ずかしいけれど、地図を見て、書いてあるお店を訪れてくれれば」。
木田愛海さん(17)は「最初は難しいと思いましたがやってみるとすごく楽しくて、外国の人に使ってもらえればうれしい。カラフルで目立つので、改札を通ったときに目に入ると思います。いろんな人に活用してほしい」。
垣本さんは「自分たちで実際にお店に行って写真を撮ったりした子もいます。インターネットで調べて英文を作ったり、ネットの情報だけでなくお薦めの文章を書くことに苦労していましたが、しっかり調べられていました。よく頑張ったと思います」。
市観光協会の職員は「地元の学生の目線からの地域の案内はありがたいです。外国人が増えているので活用していただければ」と話していた。
(2017年2月11日付紙面より)
14日、飛烏神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町川関の川関共心会(田原清光会長)は10日宵宮、11日(土)本宮の飛烏(あすか)神社の例大祭を前に伝統の獅子舞の練習を仕上げた。熊野地方ではここでしか見られない「継獅子(つぎじし)」を演じる樫尾光俊さん(50)は「見学に来られる人を魅了できるよう頑張りたい」と意気込んでいる。
川関共心会は華やかな伊勢獅子を継承し、舞は「八車舞」「剣の舞」「矢車」「玉獅子」「矢車の2頭立」「乱獅子」「天狗(てんぐ)」「花の舞」の8種類。昨年は「花の舞」を除く7種が披露された。田原会長は「会員の関係で今年も7種の披露になると思うが、伝統の舞をしっかり伝えたい」と話す。天狗は昨年に続いて速水良太さんと息子の陸君が息の合った舞を見せる。
継獅子は土台役の肩の上に立ち、「川関の獅子舞は富士より高い」などの口上を述べながらユーモラスに舞う独特の獅子舞。土台役は阪口英和さん(33)、下平武史さん(41)が務める。2人とも初挑戦。「伝統の祭りのお手伝いができれば」と2人は口をそろえる。
練習を見守ったベテランの速水久生さん(71)は「チームワークよく頑張ってくれている。伝統文化の獅子舞を長く伝えてほしい」と話していた。
11日の本宮は午前11時から式典。獅子舞は午後2時ごろから奉納される。終了後に餅まきがある。
(2017年2月11日付紙面より)
大同会稽古納め「衣装つけ」 (「水門祭」に向け )
串本町大島にある紀伊大島開発総合センターで9日、獅子舞の「衣装つけ」が営まれた。水門(みなと)神社の例祭「水門祭」に向けた稽古を納める座で、大同会(入沢啓司会長)の会員が磨きをかけた舞の数々を披露して来る例祭に向けた一同の士気を高めた。
先月15日に稽古始めの座となる「獅子出し」を営み、以降は同センターを宿にして連夜の稽古を積み重ねた。大同会は櫂伝馬と獅子舞の2系統で例祭に奉仕奉賛していて、獅子舞を舞わす会員は笛役を含めて15人ほど。子どもらも笛役として協力するため稽古を重ね、一丸で励んできた。
「衣装つけ」は稽古の成果を一同に示すための事前の座で、大同会は稲田賢大島区長や吉田隆・水門神社祭典保存会長、滝本幸雄祭典委員長ら重役を招いて▽神楽(通称・十銭舞わし)▽神明賛▽乱獅子▽うっかり▽てんぐ舞▽扇の舞―といった舞を披露して奉仕奉賛への弾みをつけた。
今年のてんぐ役は滝本虎次郎君(9)と小山雄生君(11)で、いずれも奉仕2年目。てんぐ役見習いとして吉田陽輝君(7)が付き添う中で練習に励んできた。今年は滝本君が同神社での奉納に臨むそうで「幣で獅子舞をおちょくるところで間違えることがあったので、稽古ではそこを直すよう頑張った。練習通りに一生懸命やるので見てほしい」。道中などで滝本君と共に励む小山君は「ササラと刀の力の入れ方や、高くジャンプするところを工夫した。仕上がりはまずまず。前の間違いを直してきっちりと舞わすので(本番では)全部見てほしい」と意気込んでいる。
例祭「水門祭」は10日(金)に宵宮、11日(土・祝)に本祭を迎える。獅子舞は同神社境内で午前11時ごろ、午後3時すぎに大島港で見られるほか、本祭前後で道中に臨む。数々の舞のうち、扇の舞は夜間のみ花掛かり、漁協のみ大笠に置き換わるという。櫂伝馬、獅子舞とも稽古を修め、入沢会長は「櫂伝馬についてはとにかく精いっぱい頑張っていいレースにしたい。獅子舞もうまく終わることを期待したい」と気持ちを高めていた。
(2017年2月11日付紙面より)
那智大社、青岸渡寺で節分行事
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)と青岸渡寺(高木亮享住職)で3日、節分行事があった。裃(かみしも)姿の男女が家内安全などを願い「福は内、鬼は外」と豆をまいた。
那智大社の「鬼追い追儺(ついな)式」には責任役員の塩﨑巍朗さん、佐藤春陽さん、森川起安さんをはじめ寺本眞一町長、土井敏弘・東牟婁振興局長らが参列。神職の豆まきの後、鬼の面を着けた役人役が、先の割れた竹筒(鬼やらい用具)を手に「家内安全、延命息災、家運隆昌」と唱え各門の石段をたたいた。
神職が「鬼」と朱書きされた的を狙う「お弓の儀」に続いて、男成宮司や参列者が豆やお菓子をまき、境内は参拝者の歓声に包まれた。地元の町立市野々小学校の1・2年生11人が、ふるさと学習の一環で神事に参列。1年生の村井旭君(7)は「緊張したけど、豆とお菓子が拾えて楽しかった」と喜んでいた。
青岸渡寺では本堂内に参列した信者らが本尊に向かって「福は内」、外に向かって「鬼は外」と豆をまいた。上地實徳さん(78)=御浜町=は「毎年ここに来ないと落ち着きません」と話していた。
(2017年2月4日付紙面より)
土砂災害防止会議 (県土砂災害啓発センター )
那智勝浦町市野々の県土砂災害啓発センターで2日、全国治水砂防協会和歌山県支部による土砂災害防止会議が開かれた。支部メンバーらは県の講演や各種報告を受けた。
今年で4回目の開催。開会にあたり、協会和歌山県支部長の真砂充敏田辺市長があいさつした。「平成23年に起きた台風12号の被害から5年余り経過したが、今なお爪痕が残っている。地域住民ほか観光客にも安心していただけるよう力添えいただき、早期復興できれば」と目標を掲げた。
講演では京都大学防災研究所附属流域災害研究センターの藤田正治教授が、近年の土砂災害調査から見た警戒避難について講話した。大規模土砂災害が発生する前には、いずれも長期的で強い降雨が確認されていたと説明。土砂災害は複合的な要因で起きるため、危険性の評価や早期避難などのソフト面、砂防ダムの設置などハード面の融合が重要と述べた。
国交省近畿地方整備局紀伊山地砂防事務所の吉村元吾所長は、管内で発生した土砂災害の状況について解説。那智川地区では各支流に砂防ダムや保全工事などを施工していると説明した。
一般社団法人全国治水砂防協会の岡本正男理事長は、災害から得た教訓について講話。近年発生した土砂災害や水害の被害とその後の改善策を紹介した。
国交省水管理・国土保全局砂防部の西山幸治部長は「土砂災害を防ぎ命とくらしを守る」と題して、土砂災害の被害事例と対策事業に関して話した。
(2017年2月4日付紙面より)
古座小6年生が紙すき (串本町 )
串本町立古座小学校(道本幸浩校長)の6年生6人は2日、地元産のガンピ(雁皮)を使った紙すきに挑戦した。卒業証書の用紙を自分たちで手作りする歴代6年生伝統の取り組みで、6人は3班に分かれて人数分に予備の分を加えた枚数の和紙作りに励んだ。
家庭の副収入や子どもが小遣いを稼ぐ手段として古座小周辺でも盛んだった紙すき。複数ある原料の中でもガンピは近くの山でたくさん採集でき、その恵まれた自然環境を生かして十数年前、総合的な学習の時間が学校教育に新設された頃にこの取り組みが始まった。
本年度の6人は昨年12月に学校近くの山でガンピの枝を採集。皆で取り合いだった昔と違って今は手に入れやすいが、かなりの量が必要になるため地元の猟師も枝集めに協力してくれたという。今年1月に集めた枝から紙の原料になる内皮をはいで乾かすなどした。
この日は当時の学校長から紙すきの手順を教わった元教員谷本節代さん(72)が6人に作り方を指導した。内皮を水と一緒にミキサーにかけてほぐして得た繊維を、横約45㌢、縦約30㌢、底面に簾(すだれ)を張った木型に流し入れ。軽く水を切って型から簾を外し、繊維にさらしをかぶせてスポンジで余分な水を吸い取るなどして乾燥前の紙を仕上げた。
森風香さん(12)は「ガンピを使って卒業証書(の紙)を作る難しさを知らなかったので、今日はそれが知れて良かった。スポンジで押した時にたくさん水が出てきて『こんなに?』と思った。この紙で作った卒業証書をもらうのが楽しみ」と笑顔。
谷本さんは「身近にある自然の中のものでいろいろなことができることに目を向け、自然に恵まれたふるさとを思い続ける大人へと育ってくれたら」と6人の今後に期待を込めた。
同校の卒業式は3月23日(木)実施。この日作った紙はさらにアイロンで押し固め、谷本さんと道本校長が卒業証書に仕上げて6人に授与する。
(2017年2月4日付紙面より)
クルーズ客船観光セミナー
近畿運輸局主催の「熊野エリアクルーズ客船への観光魅力向上セミナー」が2日、那智勝浦町役場であった。新宮港周辺の観光協会、自治体の関係者ら約40人が出席して意見交換した。長谷潤・同局勝浦海事事務所長は「皆さまが連携、団結すれば、熊野地域の発展の大きな力になると信じています。熊野を全国、世界にアピールできれば」と呼び掛けた。
同局の調べでは、昨年のクルーズ客船による外国人入国者数は前年比78・5%増の199万2000人。寄港回数は38・8%増の2018回(日本船社574回、外国船社1444回)で、いずれも過去最高。寄港回数が最も多かったのは博多の312回で、次いで長崎190回、那覇183回。関西で最も多かったのは神戸で32回。
新宮港は本年度9回の寄港があり、3月に2回を予定していて過去最高の11回になる見込み。来年度は上半期だけで10回近くの予定が入っていて、過去最高を更新する可能性が高い。
長谷所長は、新宮市立神倉小学校の木造体育館に感動した宮崎駿監督から手紙が届いたことを例に挙げ、「木造体育館に個人的に興味はなかったが、すばらしい建物であることに気付いた。熊野地域にはまだまだ発見されていない観光資源が眠っているのではないか」と述べた。
福西謙・同局観光部長は「クルーズ受入のための地域の取り組み~京都舞鶴港を事例として~」をテーマに講演。クルーズ誘致協議会を設立し、地元高校生による書道パフォーマンス、肉じゃがの振る舞い、座禅体験などのおもてなしを行い、2013年にはクルーズ・オブ・ザ・イヤー2013特別賞を受賞したと紹介した。
福西部長は、客船に繰り返し寄港してもらうためには乗客だけでなく乗組員にも満足してもらうことや、他の港と重ならないオリジナルのおもてなしを考えることなどをアドバイス。新宮港は客船が横浜から出港し、寝ている間に到着する恵まれた位置にあると述べ、「世界遺産など観光資源にも恵まれていて、非常にチャンスがある」と今後の展開に期待した。
熊野交通の岡嶋信行社長は「日帰りでは行く場所が限られてしまう。2日以上停泊し、温泉で1泊してもらえると、いろんな広がりができるが」と質問。福西部長は、宿泊は厳しく、リピーターになってもらうのが現実的と回答した。
(2017年2月4日付紙面より)