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2022年01月27日
1 来年度の「銀河」再運行決定 10月から約5カ月間を予定 (JR西日本)

 JR西日本の金岡裕之和歌山支社長は25日、新宮市役所別館で会見を開き、10月から長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの運行を再開すると発表した。2023年3月までの約5カ月間にわたり京都から新宮間を運行する予定。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。当地域では昨年7月16日に紀南コースの運行を開始。12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。

 新宮市・すさみ町・那智勝浦町・太地町・古座川町・北山村・串本町・和歌山県で構成される同列車受入協議会(会長=田岡実千年新宮市長)は昨年11月、JR西日本に対し要望活動を実施。同列車の運行再開を求めていた。

 来年度の紀南コースでは、車窓から当地方の魅力的な海の景色をより楽しめるよう、沿線の景観改善に取り組むほか、窓から直接、海の景色を楽しめる席数を大幅に増やす。

 これまでは京都到着後に首都圏に向かう新幹線に間に合わない時刻帯であったため、昼行列車(新宮発京都着)の京都到着時刻を早め、首都圏方面へのアクセス利便性向上を図る予定。また、沿線の新しい魅力を楽しんでもらうために昼行列車の運行曜日ごとに異なった途中停車駅を設定するなどしておもてなしをリニューアルするなどの改善を行うという。

 金岡支社長は「人気も高く、利用者から地域の豊かな自然、文化が非常に楽しめたという声が多かった。また、おもてなしや見送りなどの人との触れ合いも価値があったとの意見も多かった」と運行再開を決定した経緯を説明。

 田岡市長は「昨年11月に7自治体と県の連名で要望書を提出してからわずか2カ月という短期間でうれしいご報告を頂けた」とJR西日本に感謝。

 「コロナ禍で経済活動が厳しい中において観光関連をはじめ地域全体にいい影響を与えていただいた。秋からの運行に備え、事業者と連携しておもてなし観光メニューの拡充に向けて準備していきたい」と述べた。

 運転日や運転時刻などの詳細については現在未定。

(2022年1月27日付紙面より)

今年秋からの「銀河」運行再開が決定=25日、新宮市役所別館
WEST EXPRESS 銀河(JR西日本提供)
2022年01月27日
2 点検のため祭船を引き出し
 水門神社祭典保存会ら奉仕  (串本町 )

 串本町大島で23日早朝、水門(みなと)神社例祭「水門祭」で用いる祭船が点検のため大島港の一角にある船蔵から引き出された。

 水門神社祭典保存会(木下正己会長)を軸にした奉仕。今年の例祭は新型コロナウイルスの情勢を受け大前の儀のみ執り行うことがすでに決まっていて、祭船は用いないが保守は必要との考えで船蔵から出すことにしたという。

 同様の決定をした昨年は引き出さなかったため、今回は2年ぶりの奉仕。この日は時折小雨が降る中、同保存会と若手で結成する大同会、合わせて27人が櫂伝馬(かいでんま)2隻と当船を順次運び出し、船蔵の隣にあるスロープに据えた。

 長らくの保管で乾いた船体を膨潤させるため、据えた後はただちに海水を掛けて乾燥による収縮で生じた隙間からの水漏れの度合いを確かめた。同保存会の年長が経年劣化を目視や触感で探り、必要な修理の方向性をその場で話し合うなどした。木下会長によると、膨潤させた後の水漏れや修理が必要な部分の対処が済み次第、船蔵へ納めて来年まで保管するという。

 当船は主祭神・誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)が御旅所(古くは通夜島、今は苗我島にある)へ渡御するときに用いられる木造の祭船で、潮岬会合の紋を舳先に頂くカツオ船の設計を宿している。

 櫂伝馬は当船の出航時にその両翼を警護する形で大同会が運用する木造の祭船で、餅まきや大島―串本間で競漕(きょうそう)も繰り広げて場を盛り上げる。河内神社例祭「河内祭」で用いられる小伝馬よりも一回り大きく、通船として盛んに用いられていた時代の設計を宿している。

 いずれも今では希少となった木造船として現存しているが相応に経年劣化が進んでいるため、同保存会は平年、本祭日の3週間前を目安にして船蔵から引き出し点検や所要の修理をした上で進水させる手順を取っている。

(2022年1月27日付紙面より)

2年ぶりに当船を船蔵から引き出し=23日、串本町大島
経年劣化の度合いを目視や触感で確かめる水門神社祭典保存会の年長ら
2022年01月27日
3 いつまでも元気で暮らそう
 高血圧ゼロのまちプロジェクト  (北山村 )

 北山村では今年から「全国唯一の飛び地『北山村』高血圧ゼロのまちプロジェクト」を展開している。村民全員の高血圧ゼロを目指し、血圧測定推進や健康教室などの事業を展開していく予定だ。

 健康状態の重要な指標である「高血圧」に注目し、村民全員が自己の健康を把握し、健康づくりへの意識向上を目指す取り組み。事業開始に先立ち昨年、同村はNPO法人ヘルスプロモーション研究センターと連携協力を締結。血圧測定器70台の貸し出しを受けている。なお、県内での取り組みは高野町に続いて2例目となる。

 事業の対象者は小学5年生以上の村民もしくは村内で働いている人。約350人の対象者を6グループに分け、ひと月単位で家庭で朝夕の1日2回、血圧測定を推奨。結果は個々で記録し、役場に提出してもらうという。

 家庭における測定の習慣付けと、村内における高血圧の現状を把握する目的がある。また、子どもらに対しては自身と家族の健康を考えてもらうため、授業を通して血圧測定を推進。春休みを利用して血圧測定への挑戦を促す構えだ。

 山間部に位置する同村では、保存のために塩を用いた調理方法が伝統として残る。そんな食文化を背景に、プロジェクトを通じて血圧に関心を持ってもらう狙いもある。今後は目標達成のために動脈硬化健診や特定健康診査の推進や健康づくり教室への積極的参加も村民に呼び掛けていく予定。

 助走期間である現在は役場職員や診療所、社協職員など関係者の血圧測定から開始し、プロジェクトの周知を図るとともに改善点などを洗い出していくとのこと。山口賢二村長は「血圧イコール食生活。家庭ぐるみで健康を考えるいい機会。幼い頃からの対策が重要」と話している。

(2022年1月27日付紙面より)

血圧測定習慣の重要性を周知していく=17日、北山村役場
2022年01月27日
4 防火意識高め文化財守る
 那智大社と青岸渡寺で訓練など  (那智勝浦町 )

 「第68回文化財防火デー」の26日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で消防訓練が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から町消防団の出動はなく、規模を縮小。職員や那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)が参加し、防火の重要性を再認識するとともに国の宝を守る意識を高めた。毎年、同日に訓練を行う那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)では、感染症対策などのため訓練は実施せず、訓示のみを行った。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年から、この日を中心に消防と地域が連携し、全国的に防火活動が展開されている。

 熊野那智大社では宝物殿裏の山林からの出火を想定。自衛消防隊が火災の報知後、宝物を運び出し、消火ホースで放水した。消防職員から消火器の取り扱いについて指導があり、職員が使用した。

 関谷善文消防署長が「自衛消防隊の迅速な活動が心強かった。社殿は木造なので、火災時は燃え広がりやすいため予防が大事。防火意識を高めていただけたら」と講評。

 男成宮司は「消防などが駆け付けるまでに時間を要するため、初期消火が重要。世界遺産や重要文化財であるご社殿の消失や人命が失われてはいけない。強い覚悟を共有してほしい」と話した。

 那智山青岸渡寺では髙木住職が職員に対し、「普段から火を出さない心掛けをしてください。火災発生時は、これまで積み重ねてきた消火訓練活動を着実に実行してほしい」とあいさつ。

 同消防本部の太田真次警備主幹兼班長が「災害や火災はいつ発生するか分からない。日頃から消火器の数や設置場所の把握、消防設備の再確認をしてください」と話した。

 訓練後は消防設備の点検なども行われた。

(2022年1月27日付紙面より)

職員らが消防訓練に取り組んだ=26日、那智勝浦町の熊野那智大社
町消防本部から訓示があった=同日、那智山青岸渡寺
2022年01月27日
5 教育旅行やWSで配布中  まるわかりブック第2版  (串本町 )
2022年01月27日
6 PCR検査等無料化延長  和歌山県  
2022年01月27日
7 自分らしいビジネスを  創業者に向け中村佳織さんが講話  (新宮市 )
2022年01月27日
8 虎の耳? しっぽ?  「虎」の名前が付いた植物・那智勝浦町編  (こども新聞 )
2022年01月27日
9 﨑山君が歴史能力検定に合格  刀や戦国好き高じて勉強  (新宮市 )
2022年01月27日
10 廃棄の本など無料提供  図書館で新春古本市  (那智勝浦町 )
2022年01月27日
11 「いかのおすし」を約束  防犯教室で児童ら学ぶ  (紀宝町 )
2022年01月27日
12 3年間の成果、力作並ぶ  ピネ内で「卒業制作展」開催中  (紀南高校 )
2022年01月27日
13 「コロナ対策が最重要課題」  5期目の西田健町長に聞く  (紀宝町 )
2022年01月27日
14 お悔やみ情報
  
2022年01月26日
15 駆け込み需要にも期待
 プレミアム付商品券、使用期限迫る  (新宮市 )

 新宮市が発行する「市プレミアム付商品券」の販売終了および使用期限が1週間後の31日(月)と迫っている。現在の購入率は約66%で、当初見込んでいた7割に届く勢い。市では販売・使用終了直前に伴う駆け込み需要にも期待を寄せている。

 新型コロナウイルス感染症の影響による市民の生活支援を行うとともに、落ち込む地域経済の活性化を図ることを目的に発行。1冊7000円分(500円券×14枚つづり)が5000円で購入できる(プレミアム率40%。1人当たり2冊まで購入可能)。1冊に「地元店舗限定券」と「全店舗共通券」が3500円分(7枚ずつ)の仕様となっており、市内566店舗で使うことができる。

 現在の販売金額は約1億7000万円で発行金額は約2億4000万円。大型スーパー含む小売業店舗における使用が全体の約7割を占め、次に飲食業と続く。担当課である市商工観光課は「日用品で使用する人が多い印象。普段から使っている店舗で使いたい人が多いのでは」と見解。

 市内でサービス業を営む70代男性は「(商品券の)販売直後は使用されるお客さんがいたがしばらく落ち着いていた。今朝(24日)になって『使うのを忘れていた』と商品券による支払いを希望する人がいた」。

 40代男性は「(商品券を使って)一度家族で焼き肉を食べに行ったが、ほとんどを日用品で使った」。30代男性は「(商品券を)購入するのを忘れていた。まだ間に合うなら買いたい。少しぜいたくして普段食べないものを購入したい」と話していた。

 商品券を購入する場合は昨年6月下旬に市から郵送された購入引換券(はがき)と本人確認書類を持参し、市内郵便局13カ所(簡易郵便局を除く)で希望の冊数を代金と引き換える。なお、購入引換券を紛失した場合、1回に限り同課で再発行が可能。再発行を希望する人は印鑑を持参し同課窓口で申請を。

 取扱加盟店一覧表は市内郵便局、市役所、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局で配布。市ホームページにも掲載している。

(2022年1月26日付紙面より)

販売終了、使用期限が迫る新宮市プレミアム付商品券
2022年01月26日
16 身体健全や無病息災祈願
 加寿地蔵尊で初地蔵まつり  (那智勝浦町 )

 加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は23日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「初地蔵まつり」および鈴姫開眼供養祭を開いた。近隣から参拝者らが訪れ、身体健全や無病息災を祈願した。

 世話人会によれば、加寿地蔵尊は千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる3人の姫を祭っており、婦人病や足腰の病に御利益がある。3人目の「鈴姫」の社が長年発見されていないことから、このたび新たに社を建て、開眼供養祭を営むこととした。

 この日は雨天のため、拝み社で中田代表と修験者の富岡秀清さんらが初地蔵の供養を営み、笛と舞が奉納された。鈴姫の社の前でも般若心経を唱えて開眼供養祭を営み、参拝者が手を合わせた。会場では「千本つき餅つき」や「加寿姫みくじ」などもあった

 修験者の富岡さんは「3人目の姫様のお地蔵さんはとてもかわいらしく、みなさんを守り、癒やしてくれる力を持っているはず」。中田代表は「崖崩れのためか長年三つ目の社が見つかっていなかったが、ようやくお祭りすることができてうれしい」と話していた。

(2022年1月26日付紙面より)

拝み社で供養を営む=23日、那智勝浦町
鈴姫の地蔵へ手を合わせる参拝者
2022年01月26日
17 八重咲きなど花弁に個体差も
 日本クマノザクラの会が学習会  

 クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長、会員165人)は22日、オンライン学習会を開催。副会長の田尾友児さんがクマノザクラとの出会いや今後の活用などを語った。

 日本クマノザクラの会は昨年2月に発足。和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組み、リーフレットを作製し、ホームページも開設した。昨年9月から毎月、オンライン学習会を開催してきた。

 クマノザクラは、バラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。勝木さんが発見し、命名した。

 学習会で田尾さんは自宅から配信し、「クマノザクラが発見されるまで地元では早咲きのヤマザクラだと思っていた。18年3月に約100年ぶりの新種として発見されたというニュースが飛び込んできた」と振り返った。

 新種発見後、紀宝町の山林で調査を開始したことやクマノザクラの苗木育成研究などを写真とともに紹介。濃いピンクやフレア状、八重咲きといった花弁の個体差なども解説し「今後、病気や寿命で枯れているソメイヨシノの代わりになると期待している」と伝えた。

(2022年1月26日付紙面より)

オンライン学習会でクマノザクラについて解説=22日、紀宝町神内
2022年01月26日
18 火災から国の宝を守れ
 文化財防火デー前に訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。同大社職員らが初期消火活動などを通じて、有事の際の連携体制を確認した。

 例年なら消防団や婦人防火クラブ会員らも参加して行われる防火訓練。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同大社神職や巫女(みこ)からなる自衛消防団10人のみで実施。新宮消防署員立ち会いの下、訓練を展開した。

 午前9時、境内の清掃をしていた巫女が、本殿の奥御前三神殿からの出火を確認。大声で「火事です」と伝え、各自が通報や消火器を用いた消火活動、文化財の運び出しなどを実施。「建物から離れて避難してください」と呼び掛け、参拝者を安全な場所に誘導した。

 訓練の様子を見守っていた、新宮消防署の榎本正昭消防係長は「大きな声で火事発生を知らせてくれていた。各担当も迅速、的確に行動していただいていた。設定時間内に終了し、日頃から訓練をしてくれていると感じた」と講評し「早期の発見と通報が重要。被害を最小限に抑えていただけるよう、今後も訓練に励んで」と呼び掛けた。

 上野潤権宮司は「突発的な災害に対しては常日頃からの備えが必要。年に1度振り返り、こうして訓練できる機会は重要」と述べ、「訓練では適時スムーズに動けていたと思う。訓練を通じて、防火の大切さが広く伝われば」と話していた。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

(2022年1月26日付紙面より)

文化財の運び出しを行う神職ら=25日、新宮市の熊野速玉大社
2022年01月26日
19 たばこは毒の缶詰  神倉小で防煙教室  (新宮市 )
2022年01月26日
20 最高の和歌山暮らし発信  「わかやま魅力Fes.」  
2022年01月26日
21 時代超え、闇を光へ紡ぐ㊦  「大逆事件」から111年  (新宮市 )
2022年01月26日
22 さまざまなゲームに挑戦  橋本児童館「みにみにチャレラン」  (新宮市 )
2022年01月26日
23 フキノトウが顔出す  ひと足早い春の訪れ  (紀宝町 )
2022年01月26日
24 自慢のたこ、大空に  井田小の1、2年生が作る  (紀宝町 )
2022年01月26日
25 串本町モデルにし課題探る  子育て支援検討成果報告会  
2022年01月26日
26 区の関係者らで信心つなぐ  添野川いくさ地蔵尊で例祭  (古座川町 )
2022年01月26日
27 お悔やみ情報
  
2022年01月14日
28 広げよう、赤い羽根
 市内小学生の絵はがきを審査  (新宮市 )

 新宮市野田の市福祉センターで12日、令和3年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会が主催。同委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、大谷和也副主査、市社会福祉協議会の大谷康央事務局長が審査員を務め、市内5小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに6作品を選んだ。

 赤い羽根共同募金は戦後復興の一助として1947年に始まった住民主体の活動。当初は戦後復興の一助として、被災した福祉施設を中心に支援が行われ、その後、法律(現在の「社会福祉法」)に基づき、地域福祉の推進のために活用されてきた。

 現在は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」として取り組みを展開している。

 10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼び掛け運動を展開。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でおととしの募金活動は中止となり、昨年は田岡市長や市社会福祉協議会職員らが市内で募金への協力を呼び掛けた。

 そんな昨今のコロナ情勢を鑑み「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」と同コンクールを初企画。昨年秋に市社協職員らが市内小学校でオンラインを交えながら「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、「私たちの町でみつけた! 人のつながり」をテーマに定めたコンクールへの参加を呼び掛けていた。

 第1回のコンクールには、短い募集期間(昨年10月1~31日)にもかかわらず196枚の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った109枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(3点)―を選定。「こういうふうに使われているというメッセージ性が高い」「絵から作品テーマである、人のつながりが感じられる」「共同募金の意味を理解してくれている」などと講評した。

 審査を終え、田岡市長は「レベルの高さに驚いた。この取り組みが共同募金の理解につながっていくことを願います。たくさんの応募に感謝」と話していた。

 応募作品は2月以降に市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」3月号にて掲載されるほか、3月には表彰式も予定している。

(2022年1月14日付紙面より)

作品を審査する和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事(左写真手前)、田岡実千年市長(右写真)=12日、新宮市福祉センター
2022年01月14日
29 「来年こそ」の思い諦めず
 塩竈神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で9日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを祈願した。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承し、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取り西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(畑下圭喜社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などを披露しているが、新型コロナウイルス感染症の影響から昨年に続いて規模を縮小し、神事のみの斎行となった。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い祝詞を奏上。参列者が玉串をささげていき、コロナ収束を願った。

 並川区長は「無事に神事を終え安心した反面、2年連続の規模縮小はつらい。私たちはじめ、世話人の方々の高齢化も進んでくるため、伝統を引き継ぎながらも祭事の改善を考えなければならないのではと思っています。来年こそは通常の祭りができるよう、諦めずに信じていければ」と話していた。

(2022年1月14日付紙面より)

多くの思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司=9日、那智勝浦町浦神の塩竈神社
祭り関係者が玉串をささげた
2022年01月14日
30 警察との連携意識し救助
 関係機関等と合同で訓練  (串本警察署 )

 串本町上野山にある上野山防災広場で12日、串本警察署(泉政勝署長)とその関係機関等合同の災害警備訓練があった。大規模災害発生時の警察との連携を意識して関係機関等も救助訓練に臨む内容で、南海トラフを震源域とする大地震発生から6時間後という想定で態勢構築から救助まで一連の流れを実践した。

 この訓練は、同署が阪神・淡路大震災の期日を踏まえて計画。同署現地本部を軸にして連携し人命救助の態勢を構築して実動する内容で関係機関等に合流を呼び掛けた。

 当日は▽県警本部(警備部警備課・警備部機動隊・生活安全部地域指導課警察航空隊・串本警察署)▽航空自衛隊串本分屯基地▽串本町消防本部古座消防署▽串本海上保安署▽串本町役場▽株式会社POS▽県災害救助犬協会―の7機関42人が参加し、救助関係諸機関未踏の被災地に態勢を構築するところから訓練を始めた。

 県警ヘリ「きのくに」と串本警察署配備のオフロードバイクで被害状況を確認し、得た情報を防災相互通信用無線機や衛星電話を用いて関係機関などと共有し応援を要請。株式会社POSと県災害救助犬協会が調査に協力して倒壊家屋と損壊車両に閉じ込められた要救助者を発見し、同家屋は消防が救出して海保が搬送、同車両は警察が救出し自衛隊が搬送する形で救助を実践した。

 警察と消防が有するそれぞれの救出に秀でた資機材とその操作技術を被災地で最大限行使するために他の機関が調査や捜索、要救助者の搬送やがれき撤去などの支援をし、被災地における災害対処能力を効率的に引き出すのが今回の連携の全体像。

 同基地の中津洋紀司令と共に訓練の始終を見届けた泉署長は同訓練の主眼を参加人員に改めて伝え「どの機関も真摯に取り組み、成果があったと思う」と講評。「訓練に終わりなし。要救助者を救える仕事に就いている自覚を持ち、自身や同僚、第三者を危険にさらさないため今後も向上を目指して(訓練を)継続してほしい」と呼び掛けて締めくくった。

(2022年1月14日付紙面より)

損壊車両から要救助者(ダミー人形)を救出する串本警察署の署員=12日、串本町上野山
串本警察署現地本部の指示に基づき消防と海保が連携して倒壊家屋の要救助者を救出
2022年01月14日
31 コロナ収束と豊作願い
 熊野那智大社にまりひめ奉納  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近(くわの・としちか)組合長)とJAみくまの農業協同組合が13日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約9㌔を奉納した。

 那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、この時季に毎年奉納している。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に引き続き生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクターの「なっちー」らの参列をやめ、平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止とした。

 神事には桒野組合長と坂地安明副組合長、JAみくまの農業協同組合職員ら合わせて4人が参列。巫女(みこ)が「那智の瀧舞」を奉納し、代表して桒野組合長が玉串をささげた。

 最盛期には、栽培面積4・5㌶で45人のイチゴ農家が生産に従事していた同組合。しかし生産者の高齢化などが原因で栽培が減少傾向となっていた。

 現在は若者を中心に再建され、9軒の農家が約65㌃の農地でイチゴを栽培している。まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘味が強く酸味もほどよいのが特徴だ。

 神事後、男成宮司は「新型コロナの影響で厳しい状況にあるが、町を代表する果物を心待ちにしている人も多い。豊作と組合の発展、農家の皆さまのご健勝をお祈りしております」と感謝。

 桒野組合長は「前年に比べて採れ出しも早く味も良かった。年末には観光客も多く売れ行きが良かった」としつつも「今年に入ってまた感染が拡大しつつある。観光客の減少はイチゴや農業にも関係してくる。早期のコロナ収束を願っています」と話した。

 「まりひめ」は現在、出荷のピークを迎えている。

(2022年1月14日付紙面より)

まりひめ約9㌔を奉納した=13日、那智勝浦町の熊野那智大社(一時的にマスクを外して撮影)
2022年01月14日
32 競技普及のきっかけに
 バレーボール体験会  (新宮バレーボールスポーツ少年団 )
2022年01月14日
33 心身鍛え技術向上目指す
 OBらも参加し伝統の寒稽古  (新宮剣友会 )
2022年01月14日
34 女子サッカーの普及願い
 新宮高とトルベリーノが合同合宿  
2022年01月14日
35 「里親を知って」  巡回パネル展始まる  (那智勝浦町 )
2022年01月14日
36 ごみ減量や適正処理に向け  基本計画素案に対する意見募集中  (新宮市 )
2022年01月14日
37 毎日来るセキレイが心癒やす  井関の笠木千枝子さん  (那智勝浦町 )
2022年01月14日
38 お正月遊びを楽しもう!  くろしお児童館で伝統的な遊び  (新宮市 )
2022年01月14日
39 片山さん、小栗須さん六段に  紀南剣道連盟が初稽古会  
2022年01月14日
40 なぎ看護学校に7年連続合格  9年連続就職率100%達成  (紀南高校 )
2022年01月14日
41 3市町の各チームに寄贈  美し国三重市町対抗駅伝  (JA伊勢 )
2022年01月14日
42 一般高齢者、2月から開始  新型コロナワクチン追加接種  (紀宝町 )
2022年01月14日
43 二刀流でまちづくりを推進  宇宙コース新設受けて町長  (串本町 )
2022年01月14日
44 展示や体験で意識を促す  24日まで防災企画を実施  (南紀熊野GPC )
2022年01月14日
45 峯の薬師如来堂で厨子開扉  守護職・水本一男さん奉仕  (古座川町 )