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2023年02月25日
1 体験通して魅力伝える
 ロールプレイング説明会で事件解決  (新宮警察署 )

 新宮警察署は23日、同署で「目指せ犯人逮捕‼ 体験型ロールプレイング説明会」を開催した。警察官を志望する、管内外の14~22歳の5人が参加。模擬事件の解決などを通して、警察官の仕事を身近に感じる機会とした。

 同署が想定した模擬事件を解決すべく、聞き込みや鑑識、取り調べなどの警察活動を参加者に体験してもらうことによって、警察官という職業の魅力を知ってもらうことを目的に実施。今回は12歳から満32歳までを対象に参加を募った。

 同署敷地内に模擬交番が設けられ、警察官になりきった参加者らは、白昼に行われた強盗事件の犯人を特定すべく、同署職員扮する被害者や目撃者らに聞き取りを行い、犯人が触れたとされる乗用車から指紋を採取。被害者から犯人の特徴や雰囲気を聞き出し、似顔絵を作成した。

 取り調べでは、3班に分かれ3人の容疑者に事件発生時刻帯の行動などを質問。供述内容から「現金10万円などが入った財布が盗まれた、といった事件の詳細を知っていた」などとする矛盾点などを探り、犯人を特定。事件解決に導いた。

 近畿大学附属新宮中学校の村田海人さん(14)は警察官志望。「特に取り調べが楽しかった。今日の体験から、警察官に対する憧れがより強くなりました」と笑顔で話した。

 警務課の本田斗生多・警務係長は「体験会の様子を見ていて、皆さんとても素質があると感じた。経験してもらうことによって警察官への興味が湧いてくると思います」と話していた。

(2023年2月25日付紙面より)

鑑識体験では車に付いた指紋を採取した=23日、新宮警察署
警察官さながらの取り調べの様子
2023年02月25日
2 人材育成や学校建設を目標に
 3年ぶりの通常総会  (和歌山ラオス友好協会 )

 和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長)は20日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで3年ぶりとなる第9回通常総会を開き、支援への報告と提出議案を全て承認した。その後は懇親会が開かれ、出席者が交流を深めた。

 同協会は、ラオス人民民主共和国の観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと2015(平成27)年、日本で19番目に発足。現地訪問や会員らからの寄付による学校への備品の寄贈などの活動に取り組んできた。

 小学校の建設支援では、20年11月にルアンパバーン市パノーム村の唯一の学校であるパノーム小学校で建設を進めていた新校舎が完成。同月に生徒らが新校舎で勉学に励んでいる。現地からは感謝と喜びの声が寄せられており、同協会発足以来の念願がかなった。

 その翌月には、現地での竣工式および譲渡式を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となっている。

 感染防止の観点から、3年ぶりとなった総会では、22年度の事業報告が行われ、23年度の事業計画や予算を承認した。

 事業計画では▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業(教育施設設立、教材寄贈)▽パノーム村小学校校舎新設の竣工式▽YMCAホテル学校ラオス校設立を協力支援▽駐日ラオス人民民主共和国大使館、在京ラス人民民主共和国名誉領事館への協力事業▽和歌山県・ルアンパバーン州のフレンドリーシップ協定の締結―などを予定している。

 田邉会長によると、YMCAホテル学校ラオス校の設立は、人材を育成し日本で受け入れることで、国内の働き手不足とラオスの就職難を解決する施策になるという。

 これまでは新宮市とルアンパバーン市のフレンドリーシップ協定を進めてきたが、今後はエリアを拡大し、和歌山県とルアンパバーン州のフレンドリーシップ協定締結を進めることで、さらなる活動の発展に寄与したいと思いを述べた。

 田邉会長は「延期となっている竣工ツアーを実施したい。また、日本各地のラオス友好協会と合同の総会を新宮市でもやりたいと思う。これまでは学校のあった村に校舎の建設支援を行ってきたが、次は学校のない村に、学校建設を目標とした校舎造りを応援していきたい」と語った。

 この日、新理事に田中國雄さん、上田修司さん、宮本昌幸さん、前田良二郎さんが選出された。懇親会では、寺前正和副会長と名誉顧問の堀順一郎那智勝浦町長らがあいさつ。前田良造副会長が乾杯の音頭を取り、出席者らは会話や食事を楽しんだ。

(2023年2月25日付紙面より)

3年ぶりの総会が開かれた=20日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテル
田邉毅一会長
2023年02月25日
3 皇室の弥栄など祈る
 熊野三山で「天長祭」  

 「天皇誕生日」の23日、熊野三山で天皇陛下63歳の誕生日を祝うとともに皇室の弥栄(いやさか)などを祈願する「天長祭」が営まれた。

 今上天皇の誕生日を祝うことを目的とする「天皇誕生日」。光仁天皇在位の775年に天皇の誕生日を天長節としたのが始まりで、1948年の「国民の祝日に関する法律」により他の祝日とともに制定された。

 新宮市の熊野速玉大社では、上野顯宮司が祝詞を読み上げた後、巫女(みこ)が神楽「浦安の舞」を奉納。神職や参列者たちが玉串を供えた。

 神事を終え、上野宮司は92年5月、皇太子時代の天皇陛下が同大社や、神武天皇が東征の際に登った天磐盾と伝わる神倉山を訪れた際のエピソードを紹介し「史実が残る山に御自ら登られたことに感動した」。

 天長祭斎行に当たって「皇室の弥栄はもちろんのこと、喜びも悲しみも分かち合う皇室でありたいと、先の大戦で犠牲となられた方々に対する慰霊の気持ちをずっとお持ちになっている。この日が皇室の存在にいま一度、関心を寄せる日になれば」と話していた。

(2023年2月25日付紙面より)

巫女が「浦安の舞」を奉納=23日、新宮市の熊野速玉大社
2023年02月25日
4 生活支援関係の事業増強
 新年度の当初予算案発表  (古座川町 )

 古座川町が22日、2023年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は30億7810万円で、西前啓市町長は「これといった目玉はないが、私なりにまちづくりに対応していきたい」と話している。

 予算規模は対前年度で1億3630万円増(4・6%増)。歳入の自主財源は約5億3715万2千円(構成比17・5%)で、対前年度で1億4252万3千円増となっている。地方税収入は対前年度で315万円減の1億9703万7千円を見込んでいるが、他方でふるさとづくり寄付1億3600万円が加わり自主財源増の主たる要因になっているという。

 歳出の投資的経費は2億2756万5千円で、対前年度で3446万9千円増。歳出の主な事業として▽住民生活支援事業(539万5千円)▽高速道路関連まちづくり事業(6480万円)▽デジタル防災行政無線整備事業(1821万6千円)▽観光交流施設整備事業(1270万円)▽在宅血液透析導入機器設置補助事業(60万円)▽高校生等就学支援事業(270万円)▽教育指導員配置事業(282万9千円)▽町道維持管理巡視員配置事業(288万円)を挙げる。

 住民生活支援関係では交通不便地区高齢者生活支援やし尿処理費補助、移動販売支援の継続に加え、新規で高齢者等粗大ごみ収集運搬補助を導入。65歳以上を対象にし粗大ごみ運搬1回につき1000円を補助して加齢に伴う処理負担増の緩和を図る。

 高速道路関連まちづくり関係では新規に残土処理場整備事業を導入。池野山地内の町有林で60万立方㍍規模の受け入れをするとし、その造成を見据えてまちづくり基本構想策定事業〈更新〉も進める。

 デジタル防災行政無線整備は23~25年度の3カ年で段階的に防災行政無線を更新する内容。観光交流施設整備はぼたん荘裏用地を購入しキャンプ場や公園、災害時避難所等としての利活用の検討を進めるという。

 在宅血液透析導入機器設置補助は新規導入。高校生等就学支援も新規導入で、町内の対象者に月額5000円の支援金を給付する。教育指導員配置と町道維持管理巡視員配置はいずれも新規に人材を起用するという。

 併せて特別会計の当初予算案の概要も発表。予算規模は7会計合計12億9662万円で、対前年度で4334万円減(3・2%減)。これら案は3月1日(水)から始まる町議会第1回定例会で上程し、承認を求める流れとなる。

(2023年2月25日付紙面より)


2023年02月25日
5 100人が熱戦を展開
 那智勝浦町総体卓球大会  
2023年02月25日
6 森浦馨介君が栄冠
 ダブルスも3位と活躍  (黒潮親善卓球大会 )
2023年02月25日
7 野球の楽しさ感じて
 みさきストロングスが体験会  (新宮市 )
2023年02月25日
8 新たな取り組みに挑戦
 新宮スポ少が「やたがらすアカデミー」  
2023年02月25日
9 切る、曲げる、絞る?  変な模様の石展2nd  (宇久井VC )
2023年02月25日
10 新宮で定員超の1・12倍  県立高校入試出願状況  (和歌山県教委 )
2023年02月25日
11 恥ずかしがりのサクラ満開  沖縄からやって来て数十年  (那智勝浦町 )
2023年02月25日
12 中学生が保育を体験  園児とゲームで触れ合う  (熊野川中学校 )
2023年02月25日
13 生徒らが自由に踊る  ダンス発表会を開催  (城南中学校 )
2023年02月25日
14 6チーム競い和深Aが優勝 串本町で郡市親善ゲートボール大会 (東牟婁郡老連・新宮市老連)
2023年02月25日
15 科学生かすきっかけ託す  モデルロケット体験会で  (古座川町青少年育成町民会議 )
2023年02月25日
16 明日からもっと元気に  子育てワークショップ  (紀宝町 )
2023年02月25日
17 火災想定し、駐車場へ逃げる  消防指導の下、避難訓練  (鵜殿保 )
2023年02月25日
18 人口減少対策に重点  一般会計は131億円  (熊野市新年度予算案 )
2023年02月25日
19 子どもたちのための思い共有  第2回評議委員会で報告  (紀南P連 )
2023年02月25日
20 災害時の物資輸送体制を構築  熊野市、御浜町、紀宝町と締結  (県トラック協会南紀支部 )
2023年02月25日
21 希望生徒が進路を検討  医療・看護系の職業指導  (新宮高校 )
2023年02月25日
22 熊野本宮と花の窟  三石学さんがつながりを説く  (田辺市本宮町 )
2023年02月25日
23 定数15に16陣営出席  新宮市議選立候補予定者説明会  
2023年02月25日
24 お悔やみ情報
  
2023年02月14日
25 異文化理解をきっかけに
 文化講演会でバイマーヤンジンさん  (新宮ユネスコ協会 )

 新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は12日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」でユネスコ文化講演会を開いた。チベット出身の歌手・バイマーヤンジンさんが「チベットと日本 異文化をこえて」をテーマに講話。約350人が耳を傾けた。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、約3年ぶりとなった同講演会。開催に先立ち、中谷会長は「イギリスのホーキング博士は、人類に迫る幾つかの危機を戦争、感染症、地球温暖化としている。1918年、スペイン風邪と第1次世界大戦で多くの犠牲を払ったが、約100年の歳月を経て、人類は同じような間違いを犯していると言わざるを得ない。今日は異文化に対しても理解を深めることができると思っている」とあいさつ。

 来賓の田岡実千年市長は、同協会の取り組みに感謝を伝え「バイマーヤンジンさんの美しい歌声を交えたお話を聞けることは、私にとっても大変意義深いこと」と祝辞を述べた。

 ヤンジンさんは中国国立四川音楽大学を卒業後、同大学専任講師に就任。1994年、日本人男性と結婚し来日。日本でただ一人のチベット人歌手としてチベットの音楽や文化を紹介する講演会やコンサート活動を展開。チベットでの学校建設活動(9小学校、1中学校)や、20年以上にわたって経済的に苦しい大学生への奨学金支援を続けている。

 大きな拍手を受けながら、チベットの民族衣装で登場したヤンジンさん。日本での生活や、標高4000㍍を超える山々が連なるチベットの文化や人々の生活などをユーモアたっぷりに話し、会場を沸かせた。

 ヤンジンさんは、牛と羊の放牧の生活を営む貧しい家庭の11人兄弟の9番目として生まれた。両親は文字が読めず「人権や法律を知らない世界で悔しい思いをたくさんしてきた」。

 唯一の燃料となる牛のふんを拾う生活の中、縁あって高校に進学する機会に恵まれた。命懸けで勉強し大学に合格。しかし「野蛮人が来た」などと民族差別からくるいじめを受けた。いじめに耐えながら大学を卒業。卒業式に日本人の夫と運命の出会いを果たした。「チベットはいい所ですね」と言ってくれた。

 快適で便利、衛生的。そして教育や医療システム。そんな日本の成長を夫に聞いた。「教育のおかげ。資源に恵まれない日本は一生懸命人を育て、技術を極めてきた」。終戦時に中国・ハルビンから苦労して帰国した義母は「日本もずっと豊かなわけではなくいろいろな時期があった。日本人だって汗を流して涙を流して頑張ってきた」とヤンジンさんを一喝した。

 その時「チベットのために何かしたい」と決意したヤンジンさん。中国の教育施策やチベットにおける教育の現状についいて話し「1人でも2人でもチベットの子どもたちを幸せにしたい。努力して民族の発展に協力したい」。

 また、少子化が進む日本について「日本の立ち位置、世界に対してどう立ち向かっていけばいいか。次の世代をしっかり育てていかなければならない。これからも日本人の優しさ、知識、能力で世界の困っている人たちを助けてほしい」とまとめ、チベットの民謡「太陽と月」を披露した。

(2023年2月14日付紙面より)

バイマーヤンジンさんがチベットと日本の文化などについて話した=12日、新宮市の「丹鶴ホール」
約350人が聴講した
中谷剛会長
2023年02月14日
26 串本が地元勢トップの8位 久保凛さん(串本)が8区で区間新 (市町村対抗ジュニア駅伝競走大会)

 2年ぶりとなる和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会が12日、和歌山市で開催された。北山村などを除く県内28市町からオープン参加を含む42チームが出場した。本紙関連では、串本町が地元勢トップの1時間14分09秒で8位に入った。

 コースは紀三井寺公園補助競技場をスタートし、県庁前をゴールとする全10区間21・1㌔。晴天の下、各市町代表の小学5、6年生と中学生の男女10人が1本のたすきをつないでいった。大会は和歌山市が1時間10分27秒でゴールし、優勝を果たした。

 本紙エリア内の那智勝浦町は16位、新宮市は20位、古座川町は27位となった。中学生女子の8区(2・5㌔)では、串本町の久保凛さん(潮岬中3年)が前回大会の記録を3秒上回る7分44秒で区間新記録を達成。18、19回大会の3区、20回大会の8区に続き、4大会連続で区間賞を手にした。

 □    □

 本紙関連の各チーム記録は次の通り。敬称略。

■大会結果

⑧串本町   1時間14分09秒

⑯那智勝浦町 1時間16分15秒

⑳新宮市   1時間18分02秒

㉗古座川町  1時間25分38秒

〈オープンチーム〉

那智勝浦町OP 1時間21分16秒

串本町OP   1時間21分33秒

■区間賞

▽第8区(中学生女子)2.5㌔

①久保 凛(串本町)7分44秒=区間新記録

(2023年2月14日付紙面より)

懸命にたすきをつなぎゴールした(串本町提供)
スタートの時間を待つ第1区の走者たち(同提供)
2023年02月14日
27 中学生射手が災厄払う 下里神社で「御弓祭」 (那智勝浦町)

 那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、「御弓祭」が営まれた。御弓行事で地元の中学生が、災厄や疫病を閉じ込めた的を弓矢で射抜き払った。

 御弓祭は、かつては旧暦の正月11日だったが、現在は毎年、2月11日に行っている。いずれも下里中学校で、2年生の西正眞さん、西地琉夏さん、吉村颯汰さん、3年生の楠本琉惺さん、德村奏磨さん、道尻幸宜さんが射手を、1年生の川口慶次さん、桃井勇起斗さん、2年生の城本匡規さんが矢拾いを務めた。

 御弓行事は、17㍍先にある直径102㌢の的を射抜くもの。射手は、昔の狩猟衣装である直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)を着用し、日置流の流儀で行う。的の裏には、災厄や疫病を意味する「鬼」の字が書かれている。射手は6日から練習を重ね、御弓祭に備えていた。

 御弓行事ではまず、山本宮司が弓矢で天地を射て、災厄や疫病を的に閉じ込めた。続いて、射手が2人ずつ順に射的。狙いをすまして矢を引き絞り、見事に的を射抜くと、見守っていた保護者や下里中の教職員、地域住民などから拍手と歓声が上がった。矢拾いも挑戦し、的に命中させる一幕もあった。

 西地さんは「今年初めて挑戦した。緊張したけど2本が的に当たり、拍手をもらえたのでうれしかった。来年も挑戦できたらいいな」とほほ笑んだ。

 御弓行事に先立ち、神事があった。同神社の総代役員や剣道の団体である下里剣友会、射手など約30人が参列。玉串をささげ、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災、新型コロナウイルスの早期収束などを願った。

 下里剣友会による、日本剣道形や基本技の奉納もあった。剣士らが力強く、木刀や竹刀を振るった。

 山本宮司は、下里中や下里剣友会の協力、多数の観覧への感謝を強調。「御弓祭は伝統ある行事。今後も継続していけたら」と述べた。

(2023年2月14日付紙面より)

的に狙いをすまして矢を放つ=11日、那智勝浦町の下里神社
参列者が順に玉串をささげて祈った
2023年02月14日
28 お的や獅子舞でにぎわう
 大島の水門神社で例大祭  (串本町 )

 串本町大島にある水門(みなと)神社で11日、例大祭が執り行われた。今年も規模を縮小したが、技術継承のため御前の儀後にお的の儀と獅子舞奉納も実施。獅子屋台のはやしが大島区内に響き渡り、区民も3年ぶりの活気の一端を喜びその宮上りや辻舞わしに注目した。

 この例大祭は本来、渡御を含む神事の流れに東牟婁地方屈指の数の行事が伴い、総じて「水門祭」=県指定無形民俗文化財=の通称で区内外に親しまれているが、おととし、昨年に続いて今年も在り方を判断する時期に新型コロナウイルス感染拡大の状況があり規模縮小を決断。御前の儀で信仰をつなぎ、併せて青年団体「大同会」による獅子舞の奉納と同団体協力によりお的の儀も営むこととした。

 この日は午前9時30分から、来賓を交えず区の役員や祭典諸役の代表者のみ参列し御前の儀を執行。本殿を開扉して寺町忠区長が祭詞を奏上し、一同で玉串をささげ二拝二拍手一拝の所作を交えて信仰を注いだ。

 その後に境内でお的の儀があり、「大同会」代表・吉田龍さんの仕切りで会員の福永晃太さん(26)と山本歩夢さん(23)が弓頭の所作をこなして奉射。それぞれ3巡6本を放った直後に子どもらが直径1・8㍍の的を引きちぎり、門先の魔よけとして持ち帰った。

 獅子舞は鈴門越しに本殿と正対する位置に座を設け、吉田鴻大君(大島小6年)によるてんぐの舞も含めて奉納。山腹にある境内まで上がれる健脚の区民やてんぐの縁で大島小の児童や教職員、南紀串本観光協会の問い合わせ対応により見物客が集まりにぎわった。

 「大同会」は奉納後、大島港や田代漁港でも辻舞わしに臨んだ。大島港のてんぐ役は吉田伊吹君(同)、田代漁港のてんぐ役は稲田羽琉君(同)が担当。区民らに祭りの活気を届けて喜ばれた。

 本来には及ばないものの、活気の一端を取り戻した今年の例大祭。寺町区長(71)は「このように境内でにぎやかな声を聞きながら御前の儀ができ、本当にうれしい。大同会や祭典保存会が協力して一生懸命盛り上げてくれたからこそで、これは来年への弾みにもなると思う。来年は必ず良い祭りができるようみんなで頑張りたい」と高まる思いを語った。

(2023年2月14日付紙面より)

「大同会」による獅子舞奉納=11日、串本町大島の水門神社
祭詞を奏上する大島区の寺町忠区長
「大同会」の協力を得て実施したお的の儀
2023年02月14日
29 新宮が優勝果たす
 那智勝浦町総体スポ少バレーボール大会  
2023年02月14日
30 市役所1階に募金箱設置  トルコ南東部地震受け  (新宮市 )
2023年02月14日
31 地域で創り上げる学校へ  フォーラムで再編構想案説明  (新宮・新翔高校 )
2023年02月14日
32 国の繁栄など祈る  神倉神社で紀元祭  (新宮市 )
2023年02月14日
33 公共施設や新聞の作り方学ぶ  三里小児童らが新宮市で社会見学  
2023年02月14日
34 シャワー室・駐輪場整備  道の駅「ウミガメ公園」  (紀宝町 )
2023年02月14日
35 3年生と思い出つくる  送別行事を兼ねた球技大会  (矢渕中 )
2023年02月14日
36 餅ほりに町民らの笑顔広がる  毎月恒例、紀の宝みなと市  (紀宝町 )
2023年02月14日
37 巨大地震・津波への備え考える  専門家招き初の勉強会  (紀宝町 )
2023年02月14日
38 子どもの宇宙志向を応援  太陽工業が企業版納税で  (串本町 )
2023年02月14日
39 金賞作品1047点鑑賞  3年ぶりの書初作品展  (新宮・東牟婁 )
2023年02月14日
40 お悔やみ情報
  
2023年02月11日
41 那智駅のカンザクラ開花
 シンボルは今年も咲かず  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮のJR那智駅のカンザクラ(寒桜)の開花が始まった。早咲きで知られるこのサクラは毎年1月初旬から咲き始め熊野地方の春を一足早く知らせてくれる。道の駅なち側にある地域のシンボルとされていたカンザクラは、今年も開花しなかった。

 カンザクラは栽培品種で、カンヒザクラとヤマザクラの雑種。早咲きで有名なカワヅザクラよりも開花は早い。これまで、本紙などでもカンヒザクラとして紹介されてきた木だ。

 日本クマノザクラの会会長も務める国立研究開発法人森林研究・整備機構「森林総合研究所」の勝木俊雄さんによると、那智駅の木々と枯渇している道の駅側の木はいずれもカンヒザクラではないと解説した。

 開花している駅ホームの2本は、8日現在で七、八分咲きほど。美しいピンク色の花の蜜を求めて小鳥やミツバチでにぎやかとなり、その様子をスマートフォンなどで撮影する駅利用者や地域住民らの姿が見られた。

  □     □

■シンボルは花付けず



 隣接する道の駅なち側のカンザクラは、地域のシンボルとして、来駅する人々の目を楽しませていたが、3年前から樹勢が弱り始めた。

 管理する町農林水産課では、これまでに東牟婁振興局林務課や県の林業試験所に相談し、肥料を与えて除草するなどの対策を進めてきた。

 その努力もあってか、おととしは勝浦側(西側)の幹の花は咲いたという。今年は西側・東側ともに花を付けず、枯渇状態となっている。

 町では、全て枯れてしまった場合に対応するため、生きている幹から出た枝を採取してヤマザクラを台木に接ぎ木をして育てる取り組みも行っている。

 大阪府からバイクで訪れた50代男性は「以前に来た際はきれいに咲いていた覚えがあるので、元気がないのは寂しい。駅側にもあったのは知らなかった。こちらはきれいに咲いていたのでうれしく思う。この2本は枯れないでほしい」と話していた。

(2023年2月11日付紙面より)

一足早く春を知らせるカンザクラ=8日、那智勝浦町のJR那智駅

今年も花を付けなかった道の駅なち側のシンボルの木
2023年02月11日
42 手を出さない強い心を培う
 古座中で薬物乱用防止大会  (古座川町 )

 古座川町立古座中学校(井口英夫校長、生徒73人)で9日に薬物乱用防止大会「わかやまNO!DRUG!フェスティバル」があり、生徒らが不正薬物の経路や誘いの断り方などを教わって手を出さない強い心を培うなどした。

 この大会は、県が各保健所を架け橋にして学校や不正薬物等関係諸機関・団体と連携して共催している全校規模の啓発行事。この日は新宮保健所串本支所の和田安彦支所長が実施の趣旨、井口校長が学びの動機付けをして開会した。

 序盤は大阪税関和歌山税関支署新宮出張所の市口知さんが「税関の仕事と不正薬物等の密輸について」と題して講演。不正薬物などの摘発で活躍する麻薬探知犬「エスメ」号のデモンストレーションも織り交ぜ、さまざまな不正薬物等がさまざまな手口で国内へ持ち込まれようとしている現実を印象づけた。

 中盤は同支所保健環境課の藪内弘昭さんが○×クイズで正しい認識を深め、県福祉保健部健康局の榎本章さんが薬物事犯の検挙状況を説明。県内の検挙者数は人口比率で考えると決して少ないとは言えず、10~20代の占める割合が高く好奇心や雰囲気に飲まれて手を出すケースが多いなどの状況を伝えて自衛の必要性を諭した。

 終盤は生徒を代表して西脇大貴さん、巽乙葉さん、橘心優さん(以上2年)、山田果菜さん(1年)、大屋孝太さん(3年)と教員がペアになり、どのように誘われるかや断り方(話題をそらす、何度も同じことを聞く、延々とためらう、誘ってくる相手が引かないようなら何か理由をつけて立ち去る)を実演。生徒会の谷口菜乃会長(2年)が「薬物の誘惑に乗ると心と体を壊し、他人にも迷惑を掛けてしまう。身を守るためには一人一人が手を出さない強い心を持たなければならない。『ダメ。ゼッタイ。』の合言葉をみんなに呼びかけて薬物をこの社会から無くすることを決意する」と宣言して気持ちを引き締めた。

 最後に大会の始終を見届けた県薬物乱用防止指導員串本地区協議会の堀正会長は「薬物を断る実演をして、『ダメ。ゼッタイ。』の強い意志を生徒さん全員が持ってくれたと思う」と確信を掲げ、税関や同支所の説明で必要な知識も身に付いたと振り返って締めくくった。

(2023年2月11日付紙面より)

麻薬探知犬デモンストレーションや断り方実演の様子=9日、古座川町立古座中学校
大会宣言を掲げる谷口菜乃会長
2023年02月11日
43 歯科受診の習慣つけよう
 無料券でフッ化物塗布  (紀宝町 )

 予防のため定期的に歯科を受診する習慣をつけてもらおうと紀宝町は2015年度から、小中学生に年2回分のフッ化物歯面塗布の無料クーポン券を送っている。本年度分クーポンの使用は3月末までで、早めの受診を呼びかけている。

 町では歯の健康への意識を高めてもらうため01年から歯科衛生士が常勤し、さまざまな歯科保健事業に取り組んでいる。

 乳幼児期には歯科健診でのフッ化物歯面塗布、保育所・幼稚園でのフッ化物洗口(うがい)を希望者に行っており、小中学生になると、歯科でフッ化物塗布を受けられるクーポンを送付している。

 本年度は昨年4月に対象者へ2回分を送っており、なくした場合でもみらい健康課で再発行できるという。

 受診すると、年齢に適した歯ブラシや好みの風味の歯磨き粉がもらえる。クーポンを利用する場合は、町内の協力歯科医院に予約し、当日、クーポンを持参する。

 フッ化物塗布は高濃度のフッ素を歯科医師や歯科衛生士が歯に塗り、歯の質を強くするもので、歯の生え始めや、永久歯へ生え替わる時期の子どもの虫歯予防として行われている。半年に1回の頻度で塗布すれば効果的だという。

 同課の歯科衛生士、竹田仁香さんは「虫歯ができてしまってからの治療ではなく、予防として歯科を受診する習慣をつけましょう」と呼びかけている。

(2023年2月11日付紙面より)

乳幼児健診でフッ化物歯面塗布を受ける子ども=紀宝町鵜殿の町福祉センター
2023年02月11日
44 災害への危機意識養う
 王子ヶ浜小で地震・津波避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長、児童325人)で9日、地震・津波避難訓練があった。児童らは落ち着いて避難経路をたどるなどして防災への意識を高めた。

 避難経路の確認や方法を身に付け、災害への危機意識を養ってもらおうと毎年実施している。この日は当地方に震度5強の地震が起きた後、津波が発生したと想定。緊急放送が流れると児童らは防災頭巾をかぶって身を守り、教職員の指示に従って海抜20・6㍍の学校屋上へと逃げた。

 避難完了後、谷口校長は話をせず、素早く避難できていたと講評。あらゆる状況を想定しておくことが大事と語り「いつ、どこで、どの程度の災害があるか分かりません。いざという場合のために『心の準備』『物の準備』『連絡の準備』など、家族の人たちと話し合って確認して」と話した。

 避難時に重要な「押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、近寄らない」を略した「おはしもち」を伝え「訓練を通じて常に意識し、もしものときには実行できるように覚えておいてください」と呼びかけていた。

(2023年2月11日付紙面より)

落ち着いて避難経路をたどる児童ら=9日、新宮市立王子ヶ浜小学校
谷口幸生校長(右)の話に耳を傾けた
2023年02月11日
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46 目標達成に向け現状確認  オンラインで大規模氾濫減災協議会  (和歌山県 )
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