より良い運営に向けアンケート (新宮市「丹鶴ホール」 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」が昨年10月にオープンし、来月で開館1年を迎える。開館1周年を節目とし市では現在、これまで施設内文化ホールを使用した個人や団体などに対してアンケートを実施しており、募った意見を基に今後の管理運営の見直しなどに反映していく構えだ。
同施設は東に新宮城跡、北に熊野川を望む現在地に建設され、昨年10月3日に華々しくオープンの日を迎えた。
貸館としても使用される文化ホールは立ち見席などの利用により最大人員1142人を収容できる大型ホール。客席を全て収納することで平土間パターンに転換できるなど、イベントに合わせて客席パターンを変えられる汎用(はんよう)性の高さを誇る。
文化ホールの令和3年度貸館使用率は平均59・4%で、土・日・祝日のみでは72・2%。コロナ禍における開館・運営となったが、さまざまなイベントを通して多くの人に利用されている。
市ではこれまで、来場者らに対するアンケートは実施していたが、貸館利用者に対して意見を募るのは今回が初めて。アンケートを通して満足度調査やニーズ把握などを行うことを目的としている。
質問は、良い・悪いところや施設の使い勝手、料金、清掃状況、職員や技術スタッフの対応などに関してで、回答期限は今月末。
開館1年を迎えるに当たり、文化振興課の栗林圭一課長は「できる部分、できない部分含めてこれまでも改善は重ねてきた。頂いた意見を基に、できる限り利用者に寄り添える施設を目指していければ」と思いを語る。
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タイミングを同じくして、施設および文化ホールの有効的な利活用に向けて声を上げようとする動きもある。
市文化複合施設管理運営検討委員会元委員長の関康之さんは、開館1年を経過するに当たり、市内を中心とした文化関係の団体などに対し意見を聴取。意見交換などを通して、利用環境や改善案などをまとめる方針だ。
関さんは「ボランティアとしてイベントに協力した際、改善すべき課題があると感じた。今後、地元だけでは活用しきれなくなると思う。当地方への観光を兼ねて文化ホールのイベントに参加してもらうことも視野に入れ、利活用の可能性を増やしていく必要があるのでは」。
また、文化ホールを使用したことのある団体関係者は「スタッフのスキルなどは素晴らしいと感じた。しかし、使用料金や備品、終了時間の制約など課題もあると思う。運営面での改善を期待したい」と話していた。
(2022年9月14日付紙面より)
古座神社など例祭を執行 (串本町 )
串本町古座にある古座神社(石田保宮司)の例祭が10日に宵宮、11日に本祭を迎えた。昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、今年も神事のみで奉仕。併せて9日に境内社・住吉神社例祭、11日に九龍島(くろしま)神社例祭(遙拝〈ようはい〉神事)も執り行い、礼を今後につないだ。
古座神社は旧古座浦域を代表する聖域で、現在は応神天皇、素盞嗚尊(すさのおのみこと)と海神3神(底筒男命〈そこつつのおのみこと〉・中筒男命〈なかつつのおのみこと〉・表筒男命〈うわつつのおのみこと〉)などをまつり古座区が護持している。近世には八幡社だった経緯があり、例祭は旧暦8月15日に近い日曜日(奉仕の都合により古座小運動会と重なる場合は2番目に近い日曜日)を本祭日にして営んでいる。普段は閉ざされている参道鈴門を開いて山腹にある本殿を直接参拝できる年間で唯一の機会ともなっている。
神事と併せて古座青年会が獅子舞、河内会が御舟謡(みふねうた)、同神社が子どもみこによる浦安の舞を奉納するのが例年の慣例となっているが、おととし、昨年に続いて今年も感染予防のため見送り、参道鈴門の開扉や鈴門以外の境内ちょうちんの飾り付けも参拝の密を避けるため休止。代表参列による神事のみで営むこととした。
大前の儀は11日午前10時から社務所で執り行い、古座区、古座青年会、古座獅子会、河内会、勇進会、和歌山東漁業協同組合古座支所、氏子総代、責任役員の代表8人らが石田宮司と共に参列。石田宮司と代表8人で玉串をささげ二礼二拍手一礼の所作で信仰を注いだ。引き続き境内で九龍島神社に向かって遙拝神事も営んだ。住吉神社例祭は9日夜半、社務所で関係者のみ参列する形で執り行った。
今年から稽古を再開した古座青年会と河内会に対し、子どもみこの奉仕は3年続いて稽古も含めて見送り。石田宮司は対象とする小学4年生前後の世代の意識の希薄化を心配しつつ「来年は一から立て直すつもりで臨む」と継続の思いを掲げつつ、今年の奉仕に努めていた。
(2022年9月14日付紙面より)
シンポジウムに600人 (那智勝浦町 )
国土交通省近畿地方整備局、大規模土砂災害対策技術センター(以後、大規模センター)、和歌山県、那智勝浦町は10日、同町の体育文化会館で紀伊半島大水害から11年「大規模土砂災害対策技術センターシンポジウム~紀伊半島から新たな砂防技術を全国へ~」を開催した。仁坂吉伸和歌山県知事をはじめ、和歌山、三重、奈良3県の市町村長や議員などが出席し、事前申込者も含め約600人が来場。オンラインでも実施されたシンポジウムでは斜面崩壊研究の成果や最新技術の活用などについて発表され、パネルディスカッションも行われた。
はじめに、国土交通省水管理・国土保全局砂防部の三上幸三部長が大規模土砂災害対策技術の発展などの地域防災力の向上のために、大規模センターを設置したとし「今後も数多くの機関と連携し、地域に密着した活動を行っていく」とあいさつ。
仁坂知事は同水害の犠牲者に触れ「尊い命は帰ってこない。最も被害の大きかった那智勝浦町でシンポジウムが実施できるのは感慨深い。災害発生時は研究成果を生かし、命が失われることを食い止められるよう祈っております」。
堀順一郎町長が「悲しみと教訓を忘れることなく、後世に伝えていかなくてはならない。シンポジウムを防災減災の向上につなげていただけたら」と話した。
大規模土砂災害対策研究機構の委員長で京都大学農学部の小杉賢一朗教授が「大規模土砂災害対策技術センターの提供するフィールドにおける斜面崩壊研究の成果とその活用の可能性~地下水観測からわかりつつある土砂災害の予測方法~」を講演した。
一般的に土砂災害の発生には雨水の浸透・流動に伴う地下水位の上昇が大きな誘因の一つになるとし、観測結果を効果的な避難につなげ、人的被害を防止・軽減していくことが重要と主張。
小杉教授は「紀伊半島大水害時の最大時間雨量や積算雨量を超過したら非常に危険」「紀伊半島大水害後に初めて経験する規模の豪雨になったら危険が相対的に大きい」「明確な根拠に基づく適切な避難につながる可能性が考えられる」と訴えた。
続いて、大規模センターのセンター員で国土技術政策総合研究所の竹下航さんが映像で、深層崩壊の仕組みを解説。同センターの副センター長で、近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所の山本悟司所長が「ドローン最新技術活用」「自動化施行」について説明した。
最後は筑波大学の内田太郎教授がコーディネーターを務め、5人のパネリストと共に「紀伊半島大水害からの技術開発、今後の方向性~災害予測、危機管理、流域監視と防災教育~」と題して、パネルディスカッションに取り組んだ。
近畿地方整備局の渡辺学局長のあいさつをもってシンポジウムが締めくくられた。
会場では大規模センターの紹介、調査研究成果を紹介したパネルや、那智川の事業実施状況の映像紹介などが展示された。
(2022年9月14日付紙面より)
太地小で練習スタート (太地町 )
太地町立太地小学校(海野文宏校長)で伝統芸能の「あや踊り」の練習がスタートした。12日には民芸保存会くじら踊り部会の鈴木崇試副会長と高野和昌さんが来校し、4~6年生39人に振り付けを教えた。
古式捕鯨発祥の地である同町の県指定無形文化財「くじら踊り」は、クジラが捕れたときなどの祝い事の際に船上で踊る座踊り。綾棒(あやぼう)をもりに見立てて打ち振る「あや踊り」と、もろ肌脱ぎになって太鼓のリズムに合わせて踊る「魚踊り」の二つがある。
児童が踊るあや踊りには、1~3年生用の簡易バージョンと、より大人が踊るものに近い高学年バージョンがある。高学年バージョンには綾棒を回転させながら投げる動作などがあり、今年初めて挑戦する4年生は苦戦しながらも5、6年生の動きを追いかけて練習。体育館に太鼓と唄が響いた。
練習の成果は、10月29日(土)に開催される太地小学校の運動会で披露する予定だ。
(2022年9月14日付紙面より)
北山小と太地小が交流
北山村立北山小学校(松本広明校長)と太地町立太地小学校(海野文宏校長)は9日、同村で交流学習を開いた。両校の5、6年生(北山7人、太地19人)と教職員たちは観光筏(いかだ)下りを体験。北山川の渓谷美や筏師の伝統技術を堪能するなどして親睦を深めた。
交流学習はコロナ禍で行事などの大幅な規模縮小を余儀なくされる中、山口賢二・北山村長と三軒一高・太地町長が、少しでも子どもたちに交流の場を設けようと話し合い実現。昨年9月に北山小の児童と教職員が地域を学ぶ目的で同町を訪れ、12月には太地小の6年生が同村で北山小の子どもたちとじゃばらの収穫を体験した。
マスク姿で救命胴衣を身に着けた児童らは筏師からの説明を受けた後、2グループに分かれて筏に乗り込み笑顔で出発。渓流に近づくと「怖い!」「こんなの初めて」などと声を上げながら、スリルと感動を味わった。
体験後は道の駅おくとろに移動して昼食を味わい、次回の再会を約束して太地の児童らを見送った。
太地小6年の雜賀大陽君(11)は「初めての筏下りは少し怖かったけど、迫力があって楽しかった。あまり北山小のみんなと話せていないので、これから仲良くなっていきたい」。
北山小6年の浦畑真菜さん(11)は「太地小のみんなと再会し、同じ時間を過ごせてうれしかったです。コロナで会える機会も限られるかもしれないけど、また交流できることを楽しみにしています」と笑顔を見せていた。
(2022年9月11日付紙面より)
食生活や運動習慣考える (紀宝町 )
紀宝町神内の町子育て支援センターで9日、みらい健康課による「ママのための骨健康度チェック」があった。センターを訪れていた母親らが骨の状態を調べ、食生活や運動習慣などについてアドバイスを受けた。
骨粗しょう症は骨の量が減り、骨折しやすくなる病気。閉経後の女性に多いことから、女性ホルモンの減少に関わりが深いと考えられている。
20歳代をピークに40歳代から徐々に骨は少なくなるため、若い頃から食生活に気を配り、適度な運動を心がけてもらおうと、9月の健康増進普及月間に合わせ、子育て支援センターを会場に2年前から行っている。
手首の骨で測定する「骨健康度測定器」を使い、5段階の結果で健康度を判定した。結果を基に管理栄養士の畠博子さんが、カルシウムを多く含む牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐などの大豆製品を食べ、適度な運動で骨を鍛えるよう呼びかけた。
この日は保健師や歯科衛生士が定期的に訪問する「育児相談」も同じ時間帯に設けられ、子どもたちも身長や体重を測ったり、歯磨き指導を受けたりした。
(2022年9月11日付紙面より)
ツルの手形アート作り (新宮市 )
新宮市佐野のくろしお児童館で8日、「おててとあんよ~手形・足形アート~」があった。19日(月・祝)の「敬老の日」にちなみ、0~3歳の子どもと保護者が、長生きの象徴であるツルの手形アートを作った。
誰一人として同じ形、サイズのものは存在しない子どもたちの「今」を記録する手形足形アートを制作する教室。同館のpetapeta―art(R)アドバイザーの柗田(まつだ)由衣加さんが講師を務め、毎月季節の題材を用いて作品作りを行う。
近隣市町での新型コロナウイルス感染拡大を受け、今回は手形のスタンプのみで、装飾やお絵かきは家庭で行う形で実施。児童館を訪れた親子たちが入れ替わりでツルの羽根の部分に手形を押していった。
髙塚彩葉ちゃん(3)、瑞葵ちゃん(1)と参加した母親の美希さんは「おじいちゃん、おばあちゃんたちに送ろうと思います。遠方に暮らしてはいますが、ほとんど毎日ビデオ通話で話しており、娘たちも祖父母が大好きです」と話していた。
(2022年9月11日付紙面より)