観光に影響、早急な対応求める (那智の瀧源流域環境保全の会 )
那智勝浦町の那智の滝源流域を調査する「那智の瀧源流域環境保全の会」(岡﨑吉男会長)は25日、第9回例会を開いた。緊急の問題として台風21号の豪雨で崩落した那智山を通る県道46号線の対応を協議した。
崩落箇所は那智山奥之院駐車場の手前。25㍍以上にわたって片側車線がえぐり取られたように崩れ、約20㍍下の駐車場にがれきや土砂が積もっている。応急処置として奥之院駐車場内を普通車は通れるようにしているが、大型の観光バスが通行できないため、早期復旧が望まれている。
県は土砂の撤去作業にあたっている。今後はさらなる水の浸入と崩落を防ぐため応急的にモルタルを吹き付け、本格的な復旧を計画中としている。
那智山区の高木喜三区長から対応の報告を受けた岡﨑会長は「コンクリートでふさがず、アスファルト下の水を流す構造でないといけない」と主張。熊野那智大社の男成洋三宮司は「土中の水をせき止めないよう工事をしてもらわないといけない。県にも説明会を開いてもらわねば」と話した。
寺本眞一町長は「崩落箇所は町道ではなく県道。こちらから早急に県へ対応を尋ねる」と述べた。
会員からは仮設道路を敷設するべきという声も上がった。路線バスと観光バスの仮設駐車場や運行予定についても話し合われた。
本題の那智の滝源流域の環境保全も議題にあげ、ドローンの空撮映像から環境の変化を把握し、保全方法を模索した。那智川の流れにも過去の工事の影響で一部に無理が生じていると報告があった。
(2017年10月27日付紙面より)
太地浦くじら祭実行委
太地町で11月5日(日)に開催される「太地浦くじら祭」に向けて25日、実行委員会が同町公民館で開かれた。岡本光正実行委員長ら15人が集まり、予定している内容や運営の注意点を確認。来場者に気持ちよく祭りを楽しんでもらうための意見を出し合った。
例年、振る舞いの食べ物には人気が殺到してしまうことから、混雑を避け、なるべく多くのブースを回ってもらえるよう「整理券を配ってはどうか」、「開始の時間をずらしては」といった意見が挙がった。トラブルなく運営するため、今後も事務局を主体に検討を重ねる。
同祭は午前10時ごろから、太地漁港ふれあい広場で開かれる。荒天時は旧グリーンピア南紀の多目的ホールが会場となる。
同町の姉妹都市・長野県白馬村や、近年交流を深めている大阪市浪速区によるステージパフォーマンス、「鯨踊り」などの町の伝統芸能披露、町内外の加工業者や有志による販売ブースの出店などがあり、プログラムの最後には景品付きの「もちほり」も予定されている。
例年ステージでパフォーマンスを行っている町青年会(谷口武史会長)は、今年はクイズを企画。町に関する問題などを出す予定で、上位3位まで景品がある。谷口会長は「大人から子どもまで楽しめる内容を工夫しています。皆さんでお越しください」と来場を呼び掛けている。
(2017年10月27日付紙面より)
笑福亭鶴笑さん招き人権全体鑑賞会 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で25日、人権全体鑑賞会があった。NPO法人「国境なき芸能団」の代表で、国内外で活躍し、社会貢献に取り組む落語家の笑福亭鶴笑(かくしょう)さんが、「笑いは世界の共通語。笑顔は笑顔の連鎖を生む。一緒に笑うと仲良くなれる」と、笑いと平和の大切さを生徒たちに伝えた。
鑑賞会はさまざまな視点から人権問題を考える機会にと毎年開かれている。鶴笑さんは世界各国で毎年人形を使った「パペット落語」公演を続ける国際派落語家。「国境なき芸能団」として国際交流や国際貢献に取り組み、公演実績は世界35カ国、100都市以上に上る。アフガニスタンの病院や難民キャンプへも笑いと救援物資を届けた。
鶴笑さんは「地上に平和を 人に笑顔を~笑いは世界の共通語~」をテーマに軽妙な語り口で、笑いを交えながら自身の経験を紹介した。勉強する習慣を身に付ける必要性や、「笑いは人間だけの特権。笑ったり、笑わせたりすることで世界中の人が仲良く慣れると思う」と笑いの大切さを話した。
紛争地域などでの体験も交え、「笑いは平和な空間でしか生まれない」と語り、難民キャンプでの出来事を挙げた。戦争の悲惨さなどを訴え「情報を得て、何が正しいかを見極めなければならない。戦争は戦争を、戦いは戦いを生むだけ。何の解決にもならない」と訴えた。イラクでの活動の映像を上映し、寄席を披露。会場に笑顔があふれた。
(2017年10月27日付紙面より)
集めたキャップ窓口に託す (高池小児童会 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の児童会(後口幸宏会長)が25日、ポリオワクチンを必要とする世界の子どもたちに向けた支援として集めたペットボトルキャップ3万6960個を最寄りの窓口・毎日新聞古座販売所に託した。
この取り組みは今から9年前、当時5年生の担任だった大畑校長が道徳の授業で「燃やせばダイオキシンが出て環境を悪くする。リサイクルすれば人の命を救うこともできる」とし、リサイクル素材として集めた同キャップの売却益を開発途上国の子どもたちに対するポリオワクチン接種費用に充てる運動があることを紹介したのがきっかけ。
命を救う方がいいと考えた5年生はさっそく全校集会で他の学年や教職員に協力を呼び掛け、全校規模で収集を始めた。以降、歴代の児童会が活動を引き継ぎ今日まで続いているという。
今回託したのは、昨年4月以降に集めた分。児童が家庭から持ち寄ったほか、取り組みを知った保護者が勤務先で集めたり地域の個人団体が町教委経由で託したりした分も含まれるなど地域ぐるみの成果だという。
この日は本年度前後期の児童会役員9人が寄付の段取りを整え、支援活動の筋道を仲介する毎日新聞古座販売所が放課後に来校して同キャップを預かった。大畑校長によると児童会は今後も収集を続けるそうで「小学生でも取り組めば遠くにいる子どもの命を救える。そのように世界へと視野を広げていける子どもをこれからも育てていきたい。児童が入れ替わるたびに目的が薄れやすい面があるので、今回の寄付が今通う児童の意識の高まりに結び付けば」と今後を期待した。
支援の先になるユニセフのポリオワクチン単価は1人分20円で、同キャップ約2㌔が1人分に相当するとされている。
(2017年10月27日付紙面より)
衆院選は二階さん、三ツ矢さんが当選
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 9,285 | 田岡実千年 | 56 | 無 | 現 |
7,562 | 並河 哲次 | 32 | 無 | 新 |
当日有権者数 24,960人
投票者数 17,128人
無効投票数 280票
投票率 68.62%
□ □
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 6,124 | 河上 敢二 | 61 | 無 | 現 |
2,270 | 中田 征治 | 74 | 無 | 新 | |
1,367 | 山本 良正 | 57 | 無 | 新 | |
690 | 峪 照行 | 63 | 無 | 新 |
当日有権者数 15,160人
投票者数 10,658人
無効投票数 203票
投票率 70.30%
□ □
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 109,488 | 二階 俊博 | 78 | 自 | 前 |
40,608 | 楠本 文郎 | 63 | 共 | 新 |
当日有権者数 263,656人
投票者数 157,615人
無効投票数 7,515票
投票率 59.78%
□ □
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 99,596 | 三ツ矢憲生 | 66 | 自 | 前 |
68,978 | 藤田 大助 | 41 | 希 | 元 | |
15,724 | 谷中 三好 | 57 | 共 | 新 |
当日有権者数 312,991人
投票者数 188,899人
無効投票数 4,591票
投票率 60.35%
戦没者追悼式で誓い新たに (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会(向井一雄会長)主催の新宮市戦没者追悼式が21日、市福祉センターであった。市内の戦没者遺族ら110人が参列し、先の大戦で国家のために犠牲となった諸英霊に対し追悼の誠をささげ、平和への誓いを新たにした。
式典では向井会長が「戦争を知る世代が少なくなり、悲惨な戦争の記憶は時代とともに遠のいている。世界では依然としてテロや地域紛争が後を絶たず、多くの人が傷つき苦しんでおり、真の世界平和への道のりはいまだ遠い」と述べ「戦没された方の尊い犠牲と、ご遺族の皆さま方のたゆみない努力の上に築かれた今日の平和と繁栄を二度と手放してはならない」などと式辞。
市遺族連合会の池上順一会長が、遺族を代表して「愛国の至情が今日に続く豊かな日本の礎となった。功績は亡き皆さまのご遺志の表れとしてわれわれ遺族の名誉とするところで、自由と平和を謳歌(おうか)できる今日があることに感謝するばかり。悲惨な体験を忘れがちであり、私も含め、知らない世代が多くなったが、辛苦と悲哀を後の世代が負うことはあってはならない。戦争のない世の中を後世に引き継いでいくよう尽力していく」と弔辞を述べた。来賓らの追悼の辞の後、参列者全員が菊の花を供えた。
(2017年10月22日付紙面より)
西田町長が鈴木知事と意見交換 (紀宝町 )
「知事と市町長の1対1対談」が16日、紀宝町防災拠点施設であり、鈴木英敬知事と西田健町長が地域の課題解決に向けて意見交換をした。
町長が要望したのは災害時の孤立地区解消、福祉医療現物給付、地域振興や財政支援など。「浅里や北桧杖地区等県道が遮断されると孤立する地区解消のために代替道路や橋の建設を、水道整備がなされていない地区には格段の支援を」と求めた。
知事は土砂崩れで通行止めの小船紀宝線について「6月には解除したい」と約束。県道の排水改善のため側溝整備にも取り組む姿勢を示した。地方創生交付金は早期の決定や事業要件の緩和など国に提案しているという。未就学児など福祉医療費助成の窓口無料化には、県から案を示す予定。老朽化した校舎の改築には単価の引き上げなど制度の改善を「国に要望したい」と回答した。
知事は紀伊半島大水害後のタイムライン作成など町の姿勢を高く評価し、町長も新宮紀宝道路早期完成や熊野市から紀宝町間の高速道路事業化に意欲を述べた。
(2017年10月22日付紙面より)
勝浦小学校で家庭科作品展
那智勝浦町立勝浦小学校で21日から、東牟婁小学校家庭科作品展が開かれている。22日(日)まで。
東牟婁小学校家庭科教育研究会(羽山悦雄会長)が主催して年1回開催している。
今回は196人の児童による200点以上の秀作を展示。手芸が中心で、手提げやクッション、ぬいぐるみなどの他、トマトの栽培の歴史や品種の特徴を調べた資料や、身近な植物を用いた草木染め作品と、その制作方法を合わせて展示したものもある。
同会の担当者は「よく考えられた力作ぞろいで、『こんなアイデアがあるんだ』と感心させられます」と話している。
22日は午前10時から午後4時まで開く予定だが、警報が出た場合は中止となる。
(2017年10月22日付紙面より)
京都橘大と記念植樹 (那智勝浦町 )
京都橘大学(京都市山科区)との交流を目に見える形で残そうと那智勝浦町は15日、記念植樹式を開き、細川涼一学長と寺本眞一町長がタチバナの苗木を植えた。強い雨の降る中、細川学長をはじめ同大学関係者らが訪れ、町との末永いつながりを誓った。
苗は学校法人京都橘学園創立115周年、同大学開学50周年に那智勝浦町が贈った樫(かし)の木の返礼として届けられた。寺本町長は開会のあいさつで、平成13年から続くという同大学との交流を振り返り、「大切に育てて将来は町のシンボルツリーに」と期待を込めた。
植樹には、同大学、町関係者のほか、那智勝浦町観光協会、南紀くろしお商工会、南紀勝浦温泉旅館組合、那智勝浦町民宿組合、紀州勝浦漁業協同組合の職員らが出席した。
細川学長は「京都市、滋賀県とも本学は交流があるが、ここまで長く緊密な関係は、那智勝浦町が随一。パートナーに選んでいただきありがたい。今後も堅固な関係を」と感謝した。
(2017年10月22日付紙面より)
福祉委員が研修会 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は12日、市福祉センターで福祉委員研修会を開いた。約40人が「サロンを通して行う見守りについて」をテーマに講話を聞き、「ワールドカフェ」形式で、グループで話し合った。
福祉委員は高齢者や障害者など福祉問題を抱えている人たちに福祉情報を提供し、問題の解決を図っていくボランティア。福祉問題の発見や情報の伝達、ネットワークづくりなどを行い、気軽に楽しく福祉のまちづくりを推進するなどの活動を行う。
この日は同協議会の生活支援コーディネーター・西典久さんが、現在は介護予防や高齢者の社会参加の促進で支え合える地域づくりが求められていると説明。組織的な見守り体制の重要性と福祉委員の役割、サロン活動も見守りの一つであると見守りの在り方について紹介した。
ワールドカフェは参加者が各テーブルに分かれて数人で話し合い、時間交代で代表者以外がテーブルを移動する。移動した人たちはその場の代表者から前の議論の要点を聞いて議論を深めることを繰り返し、最後に各代表者が全員にまとめの報告をするという討論の方法。参加者らは「サロンを通してより良い見守りをするには?」のテーマに沿って自分たちの地域での活動を交えながら話し合った。
「人とのつながりを広げ、隣近所を誘い合わせて楽しい瞬間を作る」「他地区サロンと交流」「サロンを開く場所がほしい」「イベント後に茶話会を開く」などアイデアや課題、声掛けの大切さや新しい参加者を呼び込む方法も挙がり、飲み物やお菓子を口にしながら和やかな雰囲気で意見を出し合っていた。
(2017年10月14日付紙面より)
90匹を王子幼稚園児らが放流 (王子ヶ浜を守る会 )
新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は13日、同市の王子ヶ浜でウミガメ放流会を開いた。市立王子幼稚園の園児ら30人が子ガメ90匹を放流し「カメさん元気でね」と見送った。
守る会は今年6月14日の初上陸、初産卵から8月10日までに10頭の上陸、7頭の産卵を確認し、860個の卵を保護した。この日は7月20日に採取した卵からかえったウミガメを放流。現時点で623個の卵から308匹がふ化しており、237個の卵が残っている。
速水会長、来賓の田岡実千年市長、紀南河川国道事務所新宮川出張所の横山孝吉所長、熊野自然保護官事務所自然保護官の金子郎さんのあいさつの後、園児らは子ガメを手に乗せてもらい「かわいい」とにっこり。優しく地面に下ろすと、子ガメはゆっくりと海に向かって歩き出した。
浅山來羽心(くうみ)さん(6)は「子ガメは泳いで入るみたいにばたばたしていて面白かった。何年後かにまた戻ってきてほしい」と笑顔を見せた。
速水会長は「毎年の事ですが、協力を頂き放流会ができた。天気が心配でしたが、滞りなく、無事に放流できうれしく思っています。これから子どもたちが成長したときに、王子ヶ浜にアカウミガメの産卵地があるというふるさとを思い出してもらえれば」と話していた。守る会は昨年、王子ヶ浜で20頭の上陸と11頭の産卵を確認。1159個の卵を保護し、約785匹がふ化した。
(2017年10月14日付紙面より)
那智勝浦町の勝浦港にある櫂(かい)伝馬保存会集会所前で7日、ギタリストの濱口祐自さんによる船上ステージライブがあった。熊野、関東、九州地方などの国内だけでなく、オランダ、アメリカ、オーストラリアから約100人のファンが集まり、情緒あふれる港町の景色とギター演奏を楽しんだ。
昨年に続く2回目のコンサートで、勝浦八幡神社例大祭の後、10月に開催。地元では恒例となった友人の林宣行さんのあいさつでスタートした。中盤には弟の濱口起年さん(櫂伝馬保存会会長)も登場し、歌を披露した。
この日は、「妙法の夕暮れ」など、30代の頃に作曲した数曲を演奏する場面もあった。近年の濱口さんのライブでは珍しい選曲で、長年のファンから歓声が上がっていた。
新宮市の松村貴代さんは「CDで何度も聞いていますが、ライブでのアレンジが毎回新鮮。音楽に対する真摯(しんし)な姿勢が感じられます」と話していた。
イギリス出身で選曲家として国内で活躍中のピーター・バラカン氏が監修する音楽祭「LIVE MAGIC!」(=21、22日・東京恵比寿ガーデンプレイス)に出演が決まっている濱口さん。新作を待つファンも多いという。当日の会場では、未発表曲のアナログEP盤を発売する。
次回地元での活動は29日(日)、同町下和田の大泰寺内で開催する野外コンサート「紀伊半島FUNKY SUMMIT」への出演を予定している。問い合わせは(電話090・3055・8734)まで。
(2017年10月14日付紙面より)
町内小学校連合運動会 (古座川町 )
古座川町一雨にある明神小学校運動場で11日、町内小学校連合運動会があり5、6年生34人が陸上各種目で自己記録に挑戦した。
この運動会は、同町教育会(濵地久夫会長)と同町教育委員会(和田充旦教育長)が主催。児童の体位、体力の向上と児童相互の親交を目的として年1回開いている陸上競技記録会で、本年度は5、6年生を対象にし3校から34人が参加した。
開会にあたり和田教育長はそれぞれの学校で練習した成果を発揮し『より早く、より高く、より遠くへ』を目指して全力を尽くすよう呼び掛けた。児童を代表して高池小6年の後口幸弘君が宣誓し、明神小6年の松林水濡君のリードでラジオ体操をこなして各種目の記録計測に移った。
児童は全員参加の100㍍走を経て、走り幅跳びや走り高跳び、ソフトボール投げや800㍍走に挑戦。終盤では34人が3校混合の4組に分かれてリレーに挑んだ。この日は家族や地域住民も観戦に詰めかけ、注目や声援で児童の挑戦を後押しした。
閉会式では各種目上位成績者の記録をみんなでたたえ合い、濵地会長は「あきらめず競技に臨む姿勢がよかった。その頑張りを明日からの学校生活にも生かしてほしい」と期待のあいさつを寄せて締めくくった。
(2017年10月14日付紙面より)
19組が参加し熱戦繰り広げる
中体連新人大会バドミントン競技
新宮・東牟婁勢の選手も大いに貢献
東牟婁地方中学校新人卓球大会
ティム・デットマーさん講演 (新宮市 )
新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)主催の講演会が8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、市内で英会話教室を営むティム・デットマーさん(57)が「新宮生活30年を振り返って~これからの熊野~」をテーマに熊野で暮らすようになった経緯や魅力について語った。
アメリカ・ワシントン州シアトルで生まれたティムは、1984年に合気道を学ぶため来日し、新宮の熊野塾道場に入門した。初来日した時は地平線まで建物しか見えない東京の風景にとまどったが、熊野に入り、ふるさとへ帰ってきた感覚があった。初めて食べたサンマの丸干しがおいしく、一気に3本を完食。今では新宮を訪れる外国人たちの橋渡し役として活躍している。
2017年に和歌山県の「高野・熊野特区通訳案内士」資格を取得。外国人のためのガイドブック作りに協力するようになってから熊野古道に興味を持つようになり、日本人には当たり前の単語や熊野信仰を分かりやすく紹介している。古道を歩く外国人ライターが自信を持って世界に発信できるよう、外国語看板の充実を訴えた。
熊野信仰を学ぶ中で、合気道の引土道雄先生の言葉「熊野では技ばかりではなく、合気道の心を持って帰ってほしい」の意味が分かり、「合気道は熊野信仰の結晶」と考えるようになった。
来日当初は「日本でもアメリカでも外国人」と居心地が悪かったが、新宮生活7年で、二つの文化に対応できるようになった。文化の違う国での暮らしは人間の成長を促すと、現在は若者たちのホームステイも支援している。
(2017年10月11日付紙面より)
太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭が7日に宵宮、8日に本宮の日程で営まれた。宵宮では、顔に化粧した若者らが大小の樽を担ぐ「樽神輿(たるみこし)」が町内を威勢良く練り歩いた。
樽神輿は、江戸時代初期に新宮市の阿須賀神社から分霊を受け、樽に入れて運んだ故事に由来する。年ごとに寄水方面、東新方面に渡御する習わしがあり、今年は東新方面へ向かった。
宵宮は午後7時30分から始まり、太地水産協同組合で神事を営んだ後、参列者の行列が出発した。これに小樽神輿、大樽神輿の順で続き、寄水青年同志会と東新青年同志会の会員らが道中の店舗で商売繁盛を願って神輿を担ぎ上げた。海中みそぎでは樽神輿とともに若者が次々と太地湾に飛び込んだ。
本宮では、午前9時から氏子代表の供進使を先頭に、祭員らの列が町内を巡った。行列が神社に到着した後、神事を営み、両青年同志会が獅子舞を奉納した。
正午には道の駅たいじで屋固めが行われ、寄水青年同志会が来町者らに獅子舞の全芸を披露した。
(2017年10月11日付紙面より)
樫野雷公神社例祭宵宮 (串本町 )
串本町樫野にある雷公神社(深美芳治宮司)の例祭が8日に宵宮、9日に本祭を迎えた。宵宮は樫野祭典部(池本寿祭典委員長)による獅子舞奉納や伝統の参拝「走り参り」といった幻想的な奉仕が重ねられた。
この神社は、古く須江に鎮座していた神体が荒天で樫野の集落下にある雷公の浜に流れ着き、やや高台になる現在の場所に祭られたことに由来する。「走り参り」は、神体の漂着に気づいた寺の住職がたいまつを掲げて迎えた故事にちなむ慣習で、現在は樫野祭典部や応援参加している航空自衛隊串本分屯基地の若手らが参拝者となり伝統を守っている。
宵宮は午後7時に宵宮祭があり、同部は獅子舞を奉納。幣の舞、乱獅子、剣の舞、幣の舞の四つを納め、「走り参り」に備えて宿へ戻った。近年は午後9時に迎え火役が宮を出る流れが定着していて、今年は岩谷翔馬君(17)が長さ約4㍍の裂いたタケ十数本を束ねたたいまつの先に神火をいただいて出御した。
その先で同様のたいまつに分け火をいただいた参加者約30人は、小走りで火を振りかざし「参るぞ」と声を上げて宮登りし、深美宮司の祈とうや神酒の授与を受け本殿、八幡神社、蛭子神社を参拝。再びたいまつを持ち「参ったぞ」と声を上げて集落へ戻った。参拝後のたいまつは火災守護の利益があるとされ、後に束をほどいて希望者に小分けするという。
翌9日午前は大前の儀や獅子舞奉納などがあり、同部は正午ごろに集会所で餅まきもして祝うなどした。「とても緊張しているけど、ケガなく務めたい」と意気込んで出御した岩谷君はたいまつを使い切って大役を全う。池本祭典委員長は「秋祭りなのでまずは果物などの豊作を願う」など地場産業の隆盛を願って奉仕を積み重ねた。
(2017年10月11日付紙面より)
那智勝浦町総体バド大会
東牟婁地方中体連サッカー新人大会