熊野川流域対策連合会が臨時総会
熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年・新宮市長)は29日、同市井の沢の新宮商工会議所で臨時総会を開いた。池原発電所(奈良県下北山村)の水利権更新(期限は2020年3月末まで)を前に、濁水対策などを求める要望書を本年度中に国、県、電源開発へ提出することを確認した。
田岡市長は「熊野川流域は、紀伊半島大水害以降も毎年のように河川の氾濫、濁水被害が発生している。濁水の長期化、ダム湖内の堆砂、海岸浸食など、ダムに起因した環境被害は住民の生活を脅かすだけでなく、観光、上水道、製紙業、沿岸・内水面漁業など多方面に大きな影響を与え続けている。地域全体の課題として諸問題に取り組んでいきたい」と協力を呼び掛けた。
「川の参詣道」として世界遺産に登録され、今年7月で15周年を迎える熊野川。世界遺産にふさわしい文化的景観として後世に引き継ぐことが求められているが、2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害に伴う河川の氾濫や大規模な山腹崩壊などで濁水が長期化し、漁業や観光に影響が出ている。
今回、国と県に提出する要望書では、人命を最優先としたダム運営、防災対策、環境対策、海岸侵食対策など8項目を訴える。事務局は、電源開発に対しては毎年要望書を提出しているが、定例的な回答に終始し動きが見えないとして、要望事項への対応可否や時期、理由を明確にするなどを求めるとともに、関係市町村との協議による解決に向けた適切な対応を強く要望するとした。
副会長の山口賢二・北山村長は「今日は熊野川も十津川も大変澄んでいた。これが本来の熊野川の姿だと感じた。県、国、電源開発に広く要望活動をしていきたい」と話した。
同会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長ら60人で組織。熊野川水系の汚濁防止などを目的に活動している。
(2019年1月31日付紙面より)
日本カツオ学会がフォーラム開催
日本カツオ学会が主催する「平成30年度カツオフォーラムin南紀」が26日、那智勝浦町体育文化会館で開かれた。同学会の川島秀一会長ら5人が登壇し、カツオひき縄漁を中心に、さまざまな発表があった。同町の堀順一郎町長、新宮市の田岡実千年市長や町内外から漁業関係者ら約100人が来場した。
同会はカツオに縁のある地方で、資源問題を中心に毎年フォーラムを開いている。川島会長は冒頭で、「あらゆる漁法の発祥の地である紀伊半島での開催にあたり、今回は歴史的な広がりの中での地域間交流などテーマを広げようと考えた。昨年末の漁業法改正、日本のIWC(国際捕鯨委員会)脱退など、水産行政の動きは目まぐるしい。今回のフォーラムを、今後の学会の立ち位置や情報発信などの足掛かりとしたい」と話した。
基調講演では、新宮市議会議長・屋敷満雄さんが「新宮市と気仙沼市の地域間交流事業」をテーマに話した。研究発表では、川島会長が「ケンケン漁の始まりと伝播」と題し、ひき縄漁(=ケンケン漁)の発祥から漁法の伝承、同漁法の特徴でもある「疑似餌」の文化的側面について言及。ハワイや千葉などでのフィールドワークの結果を発表した。
続いて、50年以上にわたるカツオ漁の経験を持ち、カツオ資源問題に取り組む和歌山東漁業協同組合古座支所の杉本武雄支所長が、回復傾向の見えない日本沿岸のカツオの不漁について現状を訴えた。漁業法改正による沿岸漁業者の不利益も懸念した。
和歌山県水産試験場の資源海洋部でカツオを専門に研究する小林慧一さんが、カツオの移動回遊などの生態調査結果を報告し、資源の減少について裏付けとなる根拠を示した。茨城大学客員研究員で全国沿岸漁民連絡協議会(JCFU)の二平章事務局長は、太平洋クロマグロの資源や漁獲規制問題について国際的な背景をひもといた。
発表内容の詳細については後日掲載する。
(2019年1月31日付紙面より)
睡眠についての公開講座 (串本町 )
串本町地域保健福祉センターで28日、睡眠についての公開講座があり、約50人が適度な睡眠の大切さなどを考える機会を得た。
この講座は、同町保健センターが主催。町民の健康増進を目的とし有識者を招く形で定期的に開いていて、今回は睡眠をテーマにし和歌山県立医科大学名誉教授でもある浅香山病院臨床研究研修センター長の篠崎和弘さんを講師に迎えた。
開講に当たり役場福祉課の吉村眞也課長は「健康な日常生活を送るためには食事や運動と並んで、睡眠による休養が大切。毎日の睡眠をより良いものにするため、睡眠の役割や睡眠不足、睡眠の異常を放置しない正しい知識を習得してほしい。篠崎先生の講演が皆さんや家族の睡眠の問題を見直す機会になることを祈念する」とあいさつ。篠崎さんは「睡眠の重要性と睡眠障害について」と題して登壇し、適度な睡眠を実践するための知識や日常生活における実践のポイントを紹介した。
睡眠をつかさどる仕組みには睡眠ホルモンと生物時計の二つがあり、前者の睡眠要求と後者の睡眠覚醒が重なったときに人は眠りにつく。円滑に眠りにつくための数あるポイントの中でも特に大切にしたいのが、起床時の日光浴と就寝前の十分な入浴。これらが睡眠ホルモンの分泌と就寝時の放熱を良好にする、として意識するよう促した。
睡眠不足がもたらすさまざまなリスクも生活習慣病や脳の衰えとの対比で紹介。アルツハイマー病原因物質(アミロイドβ)は睡眠時でないと減らせないことや、不足でも過剰でもない適度な睡眠時間を保てばうつ気分はそうそう出てこないことを伝えた。
睡眠薬に頼る前にまず生物時計を正すことを試み、加齢により中途覚醒や早期覚醒の傾向があるときは運動を取り入れるなど生活改善でアプローチする。生活改善で解決できない睡眠関係の病気(睡眠時無呼吸症候群など)もあり、治療を試みてなお睡眠障害が出る場合に睡眠薬の処方がある。篠崎さんはそのように睡眠障害の診療の流れを説明した。まとめとして①睡眠時間が短くても起床時間を守る②眠くなってから床に就き、寝付けなければ床を離れる③昼間は日光を十分に浴びる④30分程度の昼寝を15時までに取り、夕食後の居眠りは避ける⑤適度の運動(夕方)と入浴(就寝1~2時間前)⑥アルコール、カフェイン、ニコチンを避ける―を不眠対応時の生活習慣改善事項として掲げ、良い睡眠は健康の上にあり、健康は身体的・社会的・認知的活動の上にあるとして適度な睡眠がとれる日常生活の実践を求めた。
受講者は事前アンケートで現在の睡眠状況や悩みを報告し、その集計結果を篠崎さんが分析してアドバイスを寄せた他、質疑にも答えて睡眠障害の不安解消に努めた。
(2019年1月31日付紙面より)
ゆかし潟へ冬鳥の飛来少なく (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の汽水湖「ゆかし潟」で昨年末から、ヒドリガモの群れが水草や藻をついばむ姿が観察されている。
ヒドリガモは全国に分布するカモ科の冬鳥。ゆかし潟には毎年11月中下旬に飛来し、越冬後の3月下旬には飛び立つそうで、おなじみの風景となっている。30~40羽の群れが毎日、平たく短いくちばしで、湖の浅瀬やここに流れ込む湯川川で緑の藻や水草を食べる様子が随時見られ、隣接の「喫茶&軽食きよもん」を訪れる客などの目を和ませている。
ゆかし潟にはマガモやカルガモが生息するほか、例年なら同じくカモ科のホシハジロなど、毎年数種類の冬鳥が越冬してにぎわうが、「きよもん」で尋ねると「今年は種類、数ともに非常に少ない」という。湖面では、褐色のヒドリガモが冬の風情を醸し出していた。
(2019年1月31日付紙面より)
JA杯少年サッカー大会
第7回卓球大会「ツナ・カップ」
風間杯全国高校選抜への出場決める (レスリング近畿B予選 )
台湾から姉妹校生徒ら来校 (新宮高校 )
県立新宮高校(前田成穂校長)に23日、同校姉妹校の台湾國立彰化女子高級中學(陳香妘校長)の生徒66人と教職員5人の計71人が来校した。両校は、県が国際交流を目的に台湾の修学旅行誘致を始めたことをきっかけに2004(平成16)年から交流。14(平成26)年3月に正式に姉妹校提携を交わしている。
彰化女子の到着後、新宮高ESS部員による学校紹介と校内ツアーがあり、その後には同校体育館で全校生徒による歓迎式典が開かれた。前田校長が「大家好(ダージャーハオ)」と歓迎。「交流を通して関係や協力体制を深めていければ」などと英語であいさつした。生徒会長の古根川健君(2年)が「新宮高校と日本に興味を持ってくれたら幸いです。私たちもあなたたちの国のことを教えてほしいです。日本での滞在を楽しんでください」と英語で歓迎の言葉を述べた。
彰化女子からは学部主任の丁志昱団長が「交流活動を通して異文化を体験し、姉妹校として末長くお付き合いさせていただきたい」。代表生徒は「これを機会に日本文化や風習などを勉強できれば」とスピーチ。両校は記念品を交換し、親交を深め合った。
空手部と吹奏楽部による歓迎発表があり、彰化女子の生徒らは興味深げに空手の形に見入り、演奏に手拍子を送って盛り上げた。彰化女子は日本のアニメ曲に合わせてダンスを披露するなどして友好関係を育んだ。
新宮高は、3月14日(木)から代表生徒ら20人と教員2人が台湾への海外研修旅行を行う。彰化女子を訪れ交流を深めるほか、生徒宅へのホームステイや台北での歴史文化学習を予定している。
(2019年1月25日付紙面より)
認知症サポ増を目指して (串本町 )
串本町地域包括支援センターはこのほど、認知症サポーターであることを知らせる缶バッジ300個を作り、同町として行う同サポーター養成講座修了者への配布を始めた。
同サポーターは厚生労働省「認知症を知り地域をつくる10カ年」(2005―15)の一環で導入された制度。同講座修了者にノベルティ「オレンジリング」(シリコン製ブレスレット)を託す形で同サポーターの裾野を全国規模で広げている。
同町は、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指して2010(平成22)年から同講座を実施している。これまでに約350人が修了しているが、人口に対して2%という実績は県内でも低い域に当たり、その割合を高め地域による見守りを充実するきっかけとしてこの缶バッジを町独自のノベルティとして導入することにした。
直径約4㌢で、ピンとクリップの両用タイプ。オレンジリングをイメージした輪の中に日本トルコ友好キャラクター「まぐトル」を描いたデザインを採用している。リング以上に目立つところにつける事が多いバッジの特性を生かして同サポーターであることをいっそう分かりやすくするとともに、なじみ深いキャラクターの姿で見た人の関心を引き同サポーターへの関心を高めるのが狙い。関心の延長で同講座の実施頻度を上げ、町域における修了者の裾野拡大を図るという筋書きだ。
同講座は90分の内容で、10人以上の受講と会場が確保できる状況であれば同センターに依頼して出前実施してもらえる。受講は無料で、修了者には同サポーターのノベルティとしてオレンジリングと缶バッジの両方が託される。
喫緊では町職員を対象にして同講座を開く予定。同センターの中まどかさんは「この講座は認知症や患者の気持ち、接し方を正しく理解するところがポイント。串本町も高齢化率が40%を超え、厚生労働省の指標によると高齢者の4人に1人が認知症またはその予備群とされている。そのような状況だからこそ、認知症サポーターを増やし地域で見守る目を宿したい。一人でも多くの町民の皆さまにこの講座を受講してほしい」と缶バッジに込めた思いを語った。
同講座の実施依頼や認知症関係の相談、問い合わせは同センター(電話0735・62・6005)まで。
(2019年1月25日付紙面より)
推進フォーラムin紀宝
「地域とともにある学校づくりに向けて」と題したコミュニティ・スクール推進フォーラムin紀宝が23日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷研修室で開かれた。松阪市立第四小学校学校運営協議会理事長の鈴木逸郎さんが「コミュニティ・スクールを起点とした地域づくり」をテーマに講演した。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と家庭、地域が知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させる仕組み。今年度、町内全小中学校に協議会を導入し、町学校運営協議会連絡協議会(山田十司会長)が発足した。
フォーラムは町教育委員会(西章教育長)と同連絡協議会が主催。町内各学校の運営協議会委員、PTA、教員など約70人が出席した。
西教育長が地域の見守り活動に感謝し、「今年度、町内七つの小中学校がコミュニティ・スクールとして再スタートを切った。子どもたちが豊かに育つようご協力を」、山田会長は「コミュニティ・スクールを皆さんの力で地域に広げてください」とあいさつした。
鈴木さんは、「子どもたちの『生きる力』は、多様な人々と関わり、さまざまな経験を重ねていく中で育まれるものであり、学校のみで育まれるものではない。地域社会とのつながりの中で、子どもたちは豊かでたくましく成長していく」と示した。
第四小学校の取り組みを紹介した上で、「学校は地域コミュニティの核。地域に愛着と誇りを持ち、地域の未来を切り開く人材の育成を」と求め、「子どもたちが大人になった時、帰ってきたくなる紀宝町になろう」と呼び掛けた。
講演後、町内各小学校の校長らが学校運営協議会の活動を紹介した。
(2019年1月25日付紙面より)
加寿地蔵尊で初地蔵祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の加寿地蔵尊で24日、初地蔵祭が営まれた。加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)が奉仕した。
毎月24日は地蔵菩薩の縁日で、この日は信仰厚い多くの人々が参拝した。午前10時からの法要では中田代表、修験道者の冨岡秀清さんが般若心経、地蔵菩薩の真言を唱え、参列者の健康や家内安全を祈願した。
参列者らは、赤いよだれかけに子どもの健康や合格祈願などの願を掛けて奉納した。夫婦で参拝した田中秀薬(一平)さん(79)、芙空(芙代子)さんは、四国遍路を30年かけて75回巡り、100回を目指している。那智山青岸渡寺、補陀洛山寺、熊野那智大社へのお参りも810回、毎月24日の加寿地蔵尊への参拝も欠かさないと話し、「お参りを通していろいろな方との一期一会、健康であることに感謝しています」と笑顔を見せた。
(2019年1月25日付紙面より)
中学生男女の部
211カ所で孤立集落通信訓練 (和歌山県 )
大規模な災害発生時に円滑な情報共有を行うための通信訓練が19日、和歌山県内で孤立の可能性のある211集落であった。住民らが無線などを使用して各市町村と連絡を取り合い、状況の報告と確認をした。併せて県と市町村の伝達訓練を行い、防災相互通信用無線機や防災電話を使用して情報を共有した。
訓練は、午前9時ごろ、県南方沖でマグニチュード8・7の地震が発生したと想定。県内では震度5強~7の揺れを観測し、地滑りなどの土砂災害が多発。各地では道路がふさがり、各地で孤立集落が発生しているという状況を想定した。
孤立可能性集落のない和歌山市と御坊市を除く28の市町村が参加。当日参加できない集落は別日程で訓練を実施する市町村もあった。総参加人員は1174人ほど。新宮・東牟婁地方では、新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町、北山村が参加した。
集落と市町村間では無線などを使用して情報を共有し、孤立状況を県の防災情報システムに登録。振興局が報告を受けて内容確認を行い、県危機管理局に報告するなどした。
東牟婁振興局で訓練に当たった職員らは「今回の訓練を機に、県や市町村関係者が通信方法を確認し、実際に災害が発生した際にはスムーズに操作ができるようになり、円滑な情報伝達ができれば」と話していた。
(2019年1月20日付紙面より)
那智山で節分の準備進む (那智勝浦町 )
2月3日(日)の節分を前に、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)では「鬼面札」や「祝升(いわいます)」などの準備が急ピッチで進んでいる。
熊野那智大社では災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福升」を作っている。鬼面札は縦35㌢、横45㌢。しめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で、昭和44年に篠原四郎元宮司が描き、翌45年から授与している。神職が那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け、一枚一枚丁寧に刷っている。2000枚仕上げる。
福升はモミの木製の5合升で1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれる。鬼面札は1枚500円。福升は1500円。2月3日の節分祭で祈とう者らに授与する。20日(日)から社頭で一般参拝者にも授与する。
郵便やFAX、インターネットでも受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
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西国三十三所第一番札所の那智山青岸渡寺では「節分会豆まき会式」で使われる祝升の準備に追われている。祝升は熊野地方産のスギが底板に、側面にはヒノキが使われている。「那智山」の焼き印があり、升の内側には「七難即滅七福即生」の印が押され、髙木亮英副住職らが「平成三十一年」の文字を書き入れ仕上げている。1300個用意する。
祝升は節分当日、本堂で豆まきをする厄年の人や祈とう希望者に授与する。祈とう料は4000円で、祝升に札、縁起物、弁当などが付く。
問い合わせは同寺(電話0735・55・0404)まで。
(2019年1月20日付紙面より)
橋杭岩前で関係者ら歓喜 (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパークが18日、日本ジオパークとして再認定された。串本町くじ野川にある橋杭岩前では、関係者が結果を喜び記念撮影に臨むなどして、次の4年間に弾みをつけた。
日本ジオパークはその趣旨(秀でた地質資源の活用による地域活性化)を高い水準で保つため、4年ごとに現地審査を行い再認定を受ける仕組みになっている。南紀熊野ジオパークは平成26年8月に初認定され、4年が経過したことから昨年11月に審査員3人による現地調査を受け、その結果を待つさなかにあった。
この日は日本ジオパーク委員会の第36回会合があり、南紀熊野ジオパークの再認定を決定。橋杭岩前には同パーク推進協議会副会長でもある田嶋勝正町長や同パークガイドの会の上野一夫会長ら関係者が集まって同協議会事務局からの結果報告を待ち、連絡を受けた田嶋町長から再認定された旨が伝えられると喜びの歓声が上がった。
田嶋町長は「多くの方々の尽力があっての再認定。今年7月には南紀熊野ジオパークセンターが完成し、今まで以上にこの地方の素晴らしいところを皆さんにお披露目できると思う。われわれが今一番望んでいる世界ジオパークにまた一歩近づいたとも思うので、またみんなで力を合わせて頑張っていこう」と述べて一同の士気を鼓舞。バンド「GEONG(じおんぐ)」による楽曲「橋杭岩ジオサイト」の演奏に合わせて踊り、立ち会った東川智昭東牟婁振興局長の発声で同町の長期保存水「なんたん水」による乾杯をした後、橋杭岩をバックにして記念撮影に臨むなどした。
実働の最前線で活躍するジオガイドを束ねる上野会長(70)は「ジオガイド単体での活動はまだまだこれからだが、すでに浸透している世界遺産熊野古道などさまざまなガイドをする中で地質資源も話題にできるようになるなど、認定後の4年間でこの地方の楽しみの幅が随分と広がった」とこれまでの4年余りを振り返り、「同センターができれば、ジオガイドも毎日2人が常駐して館内説明をする。プラスアルファで日曜日などにお客を集め、潮岬を巡るミニツアーなどもできればいいなと思う。これからの4年間でガイドの会はさらに発展すると思うし、再認定を励みにしてそうなれるよう頑張っていきたい」と意気込みを新たにした。
(2019年1月20日付紙面より)
青岸渡寺で御朱印授与など (那智勝浦町 )
西国三十三所草創1300年記念事業で、毎月1回1札所で特別な御朱印を頂く「月参り巡礼」が18日、那智勝浦町の第一番札所・那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で始まった。特別な御朱印の授与があり、大勢の参拝者らが集まった。
日本最古の巡礼33寺院でつくる西国三十三所札所会(会長・鷲尾遍隆石山寺座主)が主催し、2016年から20年まで斎行する。16年4月に始まった1巡目は18年12月に第三十三番札所の華厳寺で終了し、今年から2巡目に入る。
西国三十三所巡礼は718(養老2)年に大和国長谷寺の開山徳道上人が閻魔(えんま)大王のお告げを受けて観音信仰を勧めたのが始まりとされている。
この日は、ご本尊の「如意輪観世音菩薩」を開帳し、特別法要が営まれた。参列者は順に、秘仏の尊顔を拝し手を合わせた。大阪府堺市から参拝に訪れた佐藤純子さんは「毎月1回、観音様のご縁を頂いています」と話し、他の参拝客らの「また来月会いましょう」などと声を掛け合う姿が見られた。
(2019年1月20日付紙面より)
17日から約2カ月のホームステイ (新宮市 )
17日(木)から新宮市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)を訪問する岩本桃永子(もえこ)さん(25)は9日、同市役所で田岡実千年市長を表敬訪問した。田岡市長は「サ市でいろいろと学んでもらい、新宮の発展に貢献してもらえれば」と呼び掛けた。
新宮市とサ市とは1974年に姉妹都市縁組を締結した。今回の訪問は「サ市へのインターン派遣プログラム事業」で初めての実施となった。
体験を通じてグローバルな視点を身に付け、サ市の「活力があり、先進的なまちづくり」の成功例から仕掛けを学び、両地域のさらなる交流の促進と新宮の発展に貢献できる人材を育成することを目的としている。
市教育委員会の職員も同行し、サ市役所パークスアンドレクリエーション課での研修や地域との交流活動を行う。
岩本さんは3月20日(水)までの約2カ月間、ホームステイなどをし、現地での生活を通じてさまざまなアクティビティを体験する予定になっている。
新宮市姉妹都市親善協会の岩澤卓会長は岩本さんが派遣対象者に決定したことについて、今後、新宮でどんなことをしていきたいかなどの具体的な夢が強くあったとし、「今年は姉妹都市提携を結び45周年。取り組みを通じて実際に肌で感じてもらい、いろんな人に伝えてもらえれば」。
田岡市長は「サ市は先進的な取り組みを実施している町。もちろん勉強も大事ですが、楽しみながら頑張ってください」と激励した。
岩本さんは「中学3年生の時に訪れて以来のサ市。テーマパークや交友など、いろんな視点で理解を深めたい。お年寄りから子どもまで幅広くコミュニティーを形成させ、集まれる場所があるが、新宮にはまだ少ないと思うので交流の場づくりを中心に学んでいければ」と話していた。
(2019年1月11日付紙面より)
天御中主神社で例大祭など (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事などを祈った。
午前の式典では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の湊口弟三さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。午後には同神社氏子らが作った餅や厄年の出席者らが持参した餅がまかれ、たくさんの地域住民らでにぎわった。
同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は永田地区が当家を務めた。石垣総代長は「参拝客の皆さまのご健勝や郷土繁栄などを祈願しました。準備期間も含め、天候に恵まれて良かった。永田地区の方々も協力的で大変助かりました」と話していた。
(2019年1月11日付紙面より)
西前町長赴き長寿を祝う (古座川町 )
古座川町の西前啓市町長が9日、間もなく100歳になる池畑保代さんを訪ねて長寿を祝った。
この訪問は町民の100歳の誕生日に合わせて行っていて、本年度は昨年11月に奥地ノブヱさんを祝って以来2回目となる。
池畑さんは1919(大正8)年1月13日生まれ。高池出身で、一時期ふるさとを離れ大手企業に務めていたが、後に戻り平成24年から高瀬会の高齢者グループホームもみの樹に入所してスタッフに支えられながら過ごしているという。
西前町長は同ホームで池畑さんと面会し、他の入所者も立ち会う中で花束を受け取った池畑さんは「先生(=医師)や皆さんに本当によくしてもらい、大変うれしくもったいない」と歓喜。西前町長によると池畑さんは気品豊かな人柄で知られ、今も100歳とは思えないほどしっかりとされているそう。はつらつとした長寿健勝ぶりを見て喜び「これからも元気で」と励ました。
役場健康福祉課によると、今月9日現在で100歳以上の町民は4人で、いずれも女性、最高齢は102歳。間もなく池畑さんが加わり、5人になるという。
(2019年1月11日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)境内に設置している八咫烏(やたがらす)ポスト上部の八咫烏が緑色に塗り替えられた。熊野の深い自然を表現しており、同大社の世界遺産登録15周年を記念して今年一年間変更される。
ポストは八咫烏や全ての色が混ざった原点の色という意味の黒色で、はがきの語源にもなった同大社のご神木多羅葉(たらよう)の下に2009年に設置された。
通信手段の発達した現代に、あえて自分の思いを手書きすることで、自分自身を見つめ直し、人と人とのつながりの原点に立ち返ってほしいとの願いが込められている。
(2019年1月11日付紙面より)