観光振興セミナー (新宮市 )
新宮市観光振興委員会は28日、新宮市観光振興セミナーを市福祉センターで開催した。地域プロデューサーやアドバイザーなどで活躍し、現在は兵庫県豊岡市の政策アドバイザーを務める臼井冬彦さんが「地域主体の観光」と題し、海外や日本における観光の現状や地域づくりについて講演した。
臼井さんはこれまで外資系半導体やソフトウエア企業の日本法人の代表を歴任。長年の海外勤務生活で日本の豊かな環境を再認識し、観光が日本の新たな産業になると直感。北海道大学大学院に入学し、観光を学んだ。
距離について臼井さんは、①物理的距離②経済的距離③時間的距離④心理的距離―があると紹介。④については行き先を知り得ているかどうかで距離は変化すると説明。日本では観光は矮小(わいしょう)化されている可能性があり、広い分野であると強調した。
また、2003年の小泉内閣時に「観光立国」を打ち出したことが日本の観光の転機であったと主張。世界の観光産業は14年時点で、世界の国内総生産(GDP)の10%弱を占める世界最大産業の一つであると報告した。
観光については▽災害や金融危機など自らコントロールできない外部要因に弱い▽日本のインバウンド(外国からの観光客)は昨年約3110万人▽国策で観光に投資するタイは約3500万人で日本より多い▽インバウンド増加は格安航空会社(LCC)の普及も要因▽訪日外国人の85%はアジアから来ている―などを解説した。
臼井さんは観光には「歴史・文化」「自然景観」「料理」が必要と述べ、今後の観光資源の一つとして居酒屋を提案。日本人の生活が味わえる居酒屋を称賛した。観光は「日本を支える柱」だと観光庁も認めているとし、経済発展を続けるアジアにも近いことから「日本が1位になってもおかしくない」と話した。
国内の延べ宿泊客数について触れ、インバウンドは上昇しているが、その比率は全体の15・6%であり、その他は日本人が支えているのが現状と説いた。
臼井さんは「地域の方々が観光に対してどう取り組むのかが大事。地域によって差が出ている。私は刺激やヒントを提供できればいいと思う。皆さんが考え、決めていただけたら」と語った。
(2019年1月30日付紙面より)
関西マスターズスポーツフェスティバル紀の国いきいき健康長寿祭ふれあいボウリング交流大会が27日、新宮市の新宮東宝ボウルであった。11月に県内で開催される「ねんりんピック紀の国わかやま2019」の出場選手選考会を兼ねており、県内69人が参加した。
県社会福祉協議会主催。手軽な運動量で健康増進に効果の高いボウリングを通じて、高齢者の仲間づくり・健康づくり・社会参加活動の促進を図り、いきいきと暮らせるまちづくりを進めようと開催した。
開会で田中義文・地域福祉部長は「成果を思う存分発揮し、優勝・大会出場を目指して頑張ってください。親交、交流を深められるよう開催している。ねんりんピックに向けて機運を盛り上げていきたい」とあいさつし、運営への協力を呼び掛けた。
(2019年1月30日付紙面より)
県水産試験場招き講演会 (古座川町 )
古座川漁業協同組合(橋本尚視組合長)が26日、古座川町中央公民館で県水産試験場職員を招いて講演会を開き、アユ資源と冷水病について認識を共有するなどした。
この講演会は、古座川流域のアユ漁に関係する全員が同じ見解を持って釣り客らに漁場を紹介する状況づくりを目的として計画した。県水産試験場で内水面環境を研究する職員を講師に迎え、西前啓市町長ら当局の関係職員を含む32人が出席して開会した。
内容は講演2本で、先立って県水産試験場の小川満也副場長があいさつ。前半は研究員の賀集健太さんが基本事項としてアユの特色と生活環(=一生涯)を解説し、そのイメージの上で後半は副主査研究員の河合俊輔さんが冷水病の概要と過去の発生傾向、県の対策とアユ漁関係者に求められる対策を紹介した。
賀集さんは生活環を紹介する中で、縄張りを持ったアユの1日当たりの捕食量と捕食対象のコケの1日当たりの生産量にも触れ、約1平方㍍の広さで賄えるアユは5~6匹が上限でそれ以上になるとアユが小型化し始めるとし、効率的な放流のポイントも説明しながら放流過剰への留意を呼び掛けた。
本題の冷水病について小川さんは、水温15~19度で起こりやすい細菌性の感染症で、県内の主要河川でほぼ毎年のように発生し、時期的に放流~6月ごろの報告が多いと説明。海産養殖アユが比較的耐性に優れている点から、感染経路は放流、おとり、越年アユ、餌となるコケへの残留などのルートが考えられ、できる対策として放流やおとりにより細菌を持ち込まない配慮を地元、釣り客ともに意識するよう呼び掛けた。
放流時の来歴カードや保菌検査の内容確認など留意事項を伝え、県水産試験場も冷水病ワクチンなどの研究に取り組んでいることを報告。その後は質疑応答も受け付け、関係者の対策となる実践を期した。
(2019年1月30日付紙面より)
水揚げのお礼、各船に届ける (那智勝浦町水産振興会 )
近海マグロ漁の本格的なシーズンを迎えた那智勝浦町の勝浦地方卸売市場では、同市場での水揚げに感謝の気持ちを込め、入港船にTシャツを届けている。町内の漁業関係者らでつくる町水産振興会(片谷匡会長)が用意し、1月中頃から進呈を開始した。
26日に入港した鹿児島県種子島の「第28八千代丸」(乗組員9人)には、Tシャツ3枚が届けられた。赤、黒、紺の3色展開で、左胸の辺りに「南紀勝浦」、バックプリントには大きく「那智勝浦漁港」の文字と那智の滝やマグロのイラストがデザインされている。500枚用意し、和歌山県漁業協同組合連合会勝浦市場の職員が乗組員らに順次手渡している。Tシャツは4月以降に追加生産する予定。
入港船の誘致については、その促進のため全国の港でさまざまな取り組みがなされている。マグロはえ縄船は、インドネシア国籍の乗組員が半数以上を占めることから、母国への通信に配慮した無料Wi―Fi(ワイファイ)の整備、操業の疲れを取り、快適に過ごしてもらおうと浴場や休憩場の充実を図っているという。
入港2日目に水揚げを終えた八千代丸は、再び勝浦近海へ漁に出た。シーズンが終わる頃まで、勝浦港を拠点にこうした操業を繰り返す。機関長の山本海雅(かいが)さん(20)は「(町内の)飲食店が早く閉まってしまうので食事に困っていたが、市場近くにコンビニができたので助かった。今度は大きいクロマグロを取って来ます」と笑顔を見せた。
(2019年1月30日付紙面より)
紀宝町議選
任期満了に伴う紀宝町議会議員選挙が22日告示され、定数13に対して現職8人、元職1人、新人4人の計13人以外に立候補の届け出がなく、無投票当選が決まった。
当選者【定数13、届け出順】
当落 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|
当 | 市川 潔 | 71 | 無 | 現 |
当 | 莊司 健 | 71 | 無 | 現 |
当 | 榎本 健治 | 42 | 無 | 現 |
当 | 平野美津子 | 71 | 無 | 元 |
当 | 向井 健雅 | 64 | 無 | 現 |
当 | 山本 精一 | 62 | 無 | 現 |
当 | 野田 純志 | 70 | 無 | 新 |
当 | 浅田 和江 | 47 | 無 | 現 |
当 | 原 章三 | 71 | 共 | 現 |
当 | 大倉 孝司 | 60 | 無 | 新 |
当 | 奥峪 康之 | 61 | 無 | 新 |
当 | 萩野 進也 | 64 | 無 | 現 |
当 | 獺越 幸雄 | 63 | 無 | 新 |
※年齢は当初の投票日(1月27日)時点の満年齢
消防団丹鶴分団が神倉神社を清掃 (御燈祭りに向け )
2月6日(水)の御燈祭(おとうまつ)りに向け、新宮市消防団丹鶴分団(杉下和夫分団長)は20日、神倉神社の清掃活動に取り組み、団員約20人が参加した。
火災や事故を防止しようと毎年この時期に実施している。枯れ葉を掃き、枝打ちをするなどして、たいまつの火が燃え移らないようにするとともに、石段の隙間を埋めるなどして上がり子がつまずいたり足を挟むことのないようにと整備をした。午前8時ごろ集合し、午後2時ごろまで作業した。
以前は杉下分団長も毎年上がり子として祭りに参加し、自身の息子や孫も3歳の頃から一緒に上っていた。数年前からは上がり子としてでなく、消防団としての仕事を果たしている。
知人の紹介で入団し初めて参加した三鬼成晃さん(29)は当日、上がり子として上る予定をしており、「裏方としての仕事の大切さを改めて実感しています。団員、上がり子として皆さんがけがなく下りていただきたい」。
杉下分団長は「上がり子はもちろん、祭り関係者、見学者の方々がけがのないよう注意してほしい」と語り、「分団員として一生懸命、火災予防に努めます」と話していた。
(2019年1月23日付紙面より)
宇久井地区老人クラブ研修会 (那智勝浦町 )
宇久井地区老人クラブ連合会(峰武久会長)は21日、那智勝浦町の休暇村南紀勝浦で役員研修会を開催した。町老人クラブ連合会の玉置之一会長が健康寿命などをテーマに講演した。その後は懇親会が行われ、出席者19人は親睦を深めた。
研修会は宇久井区の各老人クラブ代表者が集まり、年に1回ほど実施されている。区の課題などを話し合うとともに交流を深めることを目的としている。
峰会長が今年11月に開催される「ねんりんピック紀の国わかやま2019(第32回全国健康福祉祭和歌山大会)」について詳細を説明。同町ではダンススポーツが行われることに触れ、「ねんりんピックは誰でも出ることができる。勝ち負けではなく、交流がメイン。希望者はぜひ、申し込んでほしい」と呼び掛けた。
玉置会長は平成27年の介護保険制度改正に伴い、市町村ごとに取り組む「新地域支援事業」などを紹介。昨年7月の世界保健機関による統計で日本人の平均寿命は女性が87・1歳(1位)、男性が81・1歳(2位)で男女ともに過去最高を更新し、男女平均は1位であると述べ、「長寿は大切で喜ばしいが、病気にならず元気に生活することはもっと大切」と話した。
自分の体調や体力に応じた健康寿命を延ばすための運動について、▽健康診断を通して自身の健康状態を知る▽毎日、じゅうぶんな睡眠を取る▽健やかな食事をバランス良く食べる▽ストレッチや運動をする―などを提案した。
玉置会長は「いつどこでも少しの時間があれば運動はできる。歩くことや簡単なストレッチや筋力トレーニングを行うことで健康寿命を延ばすことができます」と語った。研修会後、出席者らは食事をして会話を楽しんだ。
(2019年1月23日付紙面より)
文化セで文化自主事業 (串本町 )
串本町文化センターで20日、同町文化自主事業「これぞ超名曲コンサート~クラシックからオールディーズまで~」があり約600人が京都フィルハーモニー室内合奏団による演奏を鑑賞した。
同事業実行委員会(西野政和会長)と同町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)が主催。この事業は同センターの有効活用を目的として1994(平成6)年から回を重ねていて、本年度は同センター開館30年記念事業にも位置付けて同団の招致を計画し、南紀串本観光協会の串本事業所と古座事業所、同センターの3カ所で前売り券を販売する形で来場を呼び掛けた。
当日は同センターホールがほぼ満席となる盛況の中で開演を迎え、主催者を代表して西野会長は同センターと文化自主事業の歩みを振り返り「このコンサートを機に今後もますます生の芸術を聴けるよう、文化自主事業を実行委員会として充実させていきたい」と述べ、引き続きの支援を求めた。
同団は72(昭和47)年に京都市を本拠地にして設立した室内オーケストラで、この日は指揮者の井村誠貴さんら23人組で出演。第1部でクラシック9曲、第2部でオールディーズ8曲をホールに響かせた。公演と併せて同センター1階ロビーでは文化自主事業の歩みを振り返る展示もあり、コンサートの前後や合間に来場者の鑑賞を集めた。
(2019年1月23日付紙面より)
新宮市千穂の松田商店 (御燈祭りに向け )
新宮市千穂の松田商店(松田啓資店主)で、神倉神社の御燈祭(おとうまつ)りで上がり子が着る白装束作りが行われている。毎年正月明けから作業に入っていて、今月いっぱいはこの仕事から手が離せない。
啓資さん(66)は故祖父・次郎松さん、故父・傳治さんに続いて3代目の店主。父から作り方を学び、体型の変化に合わせて規格を変えながら約50年作り続けている。
燃えにくい純綿を使用している同店の白装束は、上下と帽子の3点セットが特大から小まで6種類あり、ばら売りもしている。サラシ、白足袋(たび)も販売している。生地の値段が上がり、商売は年々厳しくなっているが、「よっぽどのことがない限り値段を上げるつもりはないよ」と奉仕の心で続けている。
白装束は修繕しながら何年も使う人がほとんどだが、毎年買う人もいるという。「松田さんところの白装束は丈夫やと褒めてもらえるのは、作り手冥利(みょうり)に尽きる」と笑顔を見せる。
長時間座っている仕事で、50歳を超えた頃から体力的にきつくなってきいている。一着作る時間は若い頃の倍になった。65歳でこの仕事を辞めるつもりだったが、66歳となった今は「体力が続く限り」に変わった。
「神事に参加するという自覚を持って上り、けが、トラブルなく無事に下山してほしい」と願っている。
(2019年1月23日付紙面より)
3回戦以降の組み合わせも決まる (県高校サッカー新人大会 )
なちかつGGCがクラブ大会を開催
市文化協会が市長へ陳情書提出 (新宮市 )
新宮市文化協会(鈴木啓司会長)の会員11人は17日、市役所を訪れ、田岡実千年市長に早期の市文化複合施設建設を求める陳情書を提出した。鈴木会長は「文化の活動拠点として、文化複合施設は未来へつなぐまちづくりに大いに力を発揮する存在であることと、多くの方々が待望されているものと確信しております」と述べた。
同協会は市文化複合施設建設のための国、県の交付金期限が迫っていることなどを危惧し、昨年12月28日の緊急臨時役員会で、同施設の早期建設を求める陳情書の提出を決定していた。
鈴木会長は「文化の発展とは一朝一夕にはかなえられず、また途絶えさせることも望まれません。地道に継続継承することが大切になります。そのような中、市民会館も閉館されてはや3年がたとうとし、図書館の老朽化も心配されるところです。多くの方々が夢を語らい、知恵を出し合い、熟考を重ねた文化複合施設建設計画、改めて早期建設を実現されますよう切に願います」と陳情書を読み上げた。
同協会の小野俊二名誉会長は「遺跡も立派な文化。遺跡も文化ホールも活用し、市の活性化につなげてほしい」と要望。田岡市長は「遺跡の活用についても将来的な課題として検討していきたい」と回答した。
田岡市長は「おととしの市長選の際に第一の公約として文化複合施設の完成を掲げ、市民の皆さんとお約束させていただいた。必ず実現させなければならない。財政面からしても都市再構築戦略事業交付金、合併特例債、過疎債などが活用できる今が絶好のタイミング。この期間を逃せば見通しが立たなくなる。32年度末の完成に向けて、粛々と進めていきたい」と述べた。
同協会は濵田雅美副議長にも陳情書を提出。早期建設の必要性を強く訴えた。
(2019年1月19日付紙面より)
警察と海保が合同訓練 (串本町 )
串本警察署(中弥泰典署長)と串本海上保安署(亀田進署長)の合同災害警備訓練が17日、串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家の屋外プールであり、両署間で水域における救助技術の共有を図るなどした。
この訓練は、今年で24年となる阪神淡路大震災の発災日に合わせて計画。串本警察署警備課の本下泰孝課長と串本海上保安署の伊藤卓洋・地域防災対策官が立案し、当日は串本警察署配属の第2機動隊員ら9人と串本海上保安署の署員6人が実践に臨んだ。
今回は南海トラフ巨大地震に伴う津波や集中豪雨などにより居住地が浸水した想定で、その状況に効果的な各種救命具の取り扱いや防災用ゴムボートの操船、同ボートへの漂流者の引き揚げ方法などを練習した。
これらの技術は串本海上保安署側に得手があり、串本警察署側が教わる流れで実践した。救命具関係では救命浮環や非常投浮の投げ方や、身近にあるズボンや毛布を用いた要救助者の水域からの引き揚げ方法、同ボートの操船では前後進や転回など機動力発揮に欠かせない基本技術を練習。それら成果を束ねて同ボートへの引き揚げに挑戦した。
同ボートには3人一組で乗船。要救助者に意識がある場合は毛布、ない場合は串本海上保安署がマグロ網を改良して自作した漂流者揚収ネットを用い、1人が同ボートのバランスを取り2人で要救助者を引き揚げた。
訓練の始終を見届けた亀田署長は「実際の現場は時間や気候、海象や漂流物などといった障害がある。今日は基本が確認できた点で有意義だったが、今後はいろいろな条件の下でどう対応するかを今日参加した皆さんが核となって備えを新たにしてほしい。この地方に暮らす人々を守るのは私たちという考え方に基づいて両機関が連携を深め、地域の皆さんの安全安心を守るという究極の目的に近づくことを祈念する」と講評して締めくくった。
串本警察署はこの日、早朝に非常参集訓練を行い、引き続き同町サンゴ台にある同署代替指揮所の立ち上げ訓練も実施。その後に串本海上保安署との合同訓練に臨んだ。中弥署長は「非常参集や代替指揮所の立ち上げにおいて、署員は次の行動を意識してきびきびと対応し普段から言われていることの大切さを確認できたと思う。串本海上保安署との合同訓練は、阪神淡路大震災から24年の節目に両機関の連携強化を図る良い機会になった。これら経験がいざ発災した時に生きたものとなるよう、有事対応に当たってほしい」と振り返り、両署員の今後を期待した。
(2019年1月19日付紙面より)
約1200立方㍍が次々と落札
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は18日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に古座川町や龍神村などから買い方約100人が集まり、市場はにぎわった。
初市には龍神村産の樹齢約150年のスギをはじめ、熊野川町や古座川町、紀宝町などから樹齢60年以上から80年以上のヒノキ17%、スギ83%の計1215立方㍍が出荷された。売り上げは約1450万円を見込んでいる。
谷口社長は「昨年末に比べて勢いは落ちている気がするが、よく売れている方だと思う。これから(熊野川)河口大橋の工事の関係で市場の面積が狭くなってしまうが、5年後の売上高3割アップを目標に頑張り、木材の街新宮を絶やさないようにしたい」と話していた。
(2019年1月19日付紙面より)
市野々王子神社で例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の市野々王子神社で13日、例大祭が行われた。午前9時30分から厄払い神事が始まり、15人が厄払いを受けたあと、神前で記念撮影。午後1時から境内の南にある的場でお弓神事が営まれた。
神主役を務めた瀬藤隆介君(市野々小6年)が見事に的の中央を射抜き、続いて厄払いを受けた本人や家族の6人が次々に矢を放ち、命中するごとに観衆から歓声と拍手が湧き起こった。
お弓神事を終えて、一行は神社境内に移動。神前境内で祭友会(貝岐直哉会長)が獅子神楽を奉納。大人や子どもたちが「幣の舞」「乱獅子」「子供獅子舞」を次々と奉納した。
祭りの終わりに境内駐車場で恒例の餅ほりが行われ、地区内外から集まった大勢の人が厄年の人の名前を書いたたくさんの餅を拾ってにぎわった。
(2019年1月19日付紙面より)
ヘリによるホイスト訓練実施 (新宮警察署 )
新宮警察署(大髙圭司署長)と県警航空隊は16日、新宮市新宮の同署南側空き地で災害警備訓練を実施した。同署の第二機動隊員ら15人が大規模災害発生時を見据え、県警ヘリコプターBK117B―2型「きのくに」による被災者救助訓練を行った。
署員の防災意識高揚と迅速な体制の確立、対処能力、救助能力の向上などが目的。阪神・淡路大震災(1995年)が発生した1月17日に合わせて毎年実施している。
この日の訓練では、南海トラフ地震や水害などの大規模災害の際に道路が途絶したり、中州に人が取り残された状況を想定した。急病人やけが人に救助用具を装着させ、ヘリに搭載されているホイストクレーンでつり上げて搬送する一連の動きを確認し合った。
県警航空隊は「きのくに」に関して「時速は200㌔。3000㍍まで上昇する。天候などにもよるが、和歌山市から新宮市まで早ければ30分で到着できる」などと説明。災害時には搭載さ
れた「ヘリコプターテレビシステム」で地上の状況を中継し、被害状況を把握する。遭難者などに呼び掛けを行うためのスピーカーも搭載している。
訓練後、同署の木村光太郎警備課長は「災害時にはヘリが一番力を発揮するのでは。今日のようなホイスト訓練を重ねることで、署員の救助能力の向上に努めたい」と話していた。
(2019年1月18日付紙面より)
「御燈祭り」を前に仲之町で (新宮市 )
新宮市の神倉神社で2月6日(水)に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」を前に、同市の仲之町アーケードに長さ1・8㍍のジャンボたいまつが登場した=写真。
仲之町商店街振興組合(福田一郎理事長)の組合員たちが祭りを盛り上げようと20年以上前から毎年この時期にリフトを使って長さ約370㍍のアーケードに取り付けている。組合員たちが傷みを補修しながらつるしており、たいまつの側面には「世界平和」「商売繁盛」「天下泰平」などの文字を入れている。今後はのぼりも設置する予定。
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭り」は1400年前から続くといわれる全国でも珍しい女人禁制の火祭り。白装束に荒縄を胴に巻き、わらじを履いた「上がり子」と呼ばれる祈願者たちが、御神火がついたたいまつを手に538段の石段を下る。
(2019年1月18日付紙面より)
年末年始の観光動態まとまる (串本町 )
串本町の年末年始(昨年12月30日~今年1月3日)の観光動態が15日にまとまった。宿泊、日帰り合わせて推計延べ4万483人が来町。前回の年末年始と比較して11・5%の伸びになったという。
同町の昨年の大きな環境変化として宿泊施設「大江戸温泉物語南紀串本」の開業があり、他方では同施設や市販車のロケなどCM効果、国指定天然記念物・橋杭岩で相次いだ観光面での高評価、日本ロマンチスト協会による恋する灯台のまち認定など町外における話題性も例年に増して充実していた。
そのような状況の中で迎えた年末年始の繁忙。推計の内訳は宿泊が8162人(前回より71・1%増)、日帰りが3万2321人(同2・4%増)で、濵地弘貴産業課長は、宿泊の大幅増は大江戸温泉物語南紀串本だけでなくホテル&リゾーツ和歌山串本の伸びも含まれるとし、対して日帰りが微増にとどまった要因の一つに宿泊環境の充実に伴う日帰りから宿泊への移行も見据えている。
□ □
繁忙の中でも特に際立ったのが、元日の初日の出観望。昨今の繁忙傾向を踏まえて昨年末、臨時駐車場として▽橋杭漁港内約40台分▽橋杭園地内約112台分▽潮岬望楼の芝内約400台分―を指定し看板設置や警備員配置などによる誘導を行うとともに、国や県にも協力を得ながら初日の出の位置が紀伊大島に隠れる橋杭岩から観望できる望楼の芝への誘導にも力を入れた。
橋杭岩周辺は元日未明にキャンピングカーなどで道の駅くしもと橋杭岩と同漁港内の各駐車場が満車になり、日の出時刻直前には橋杭海水浴場駐車場や準備した臨時駐車場など全て満車になった。望楼の芝は午前5時ごろに満車に達したとみられ、役場産業課職員が元日返上で駐車場をでき得る限り拡張して誘導するなど現場対応に当たったが結果的に誘導しきれない勢いで見物客が集まり、直前の駆け込みに伴う事故防止のため満車の看板を掲げて駐車を断る対応を取った。警備に当たった事業者から550台以上の駐車があったと報告を受けているという。
今回の状況を踏まえて同課は、有効だった手立てと今後取り組むべき手立てを取りまとめて次回に引き継ぐとしている。
(2019年1月18日付紙面より)
井関青彦神社で例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町にある井関青彦神社で13日、春の例大祭が営まれた。午前の神事では五穀豊穣(ほうじょう)と厄払いを祈願し、宮総代や獅子舞を奉納する神楽会、子どもみこし会などが参列した。
お弓行事では最初に神主役の中村悠寿君(13)が弓を引き的を射抜いた。続いて兄弓、中弓、弟弓の6人の弓子が矢を放った。的に当たるとどよめきが起こり、拍手喝采。中村君は「真ん中の的近くに当たってよかった。安心した」と話していた。
的を射た弓子の親族が胴上げされ、集まった区民や関係者に大きな笑い声と笑顔があふれた。同時間帯には子どもたちのみこしがにぎやかに区内を練り歩いた。
午後は井関宝寿寺近くの弁財天に神楽を奉納し、同寺境内では「幣の舞」「乱の舞」「神明の舞」「剣の舞」の獅子神楽が奉納された。その後の餅まきは多くの住民で大変なにぎわいだった。
(2019年1月18日付紙面より)
県ソフトテニスインドア選手権大会
県高校剣道新人大会
優勝は敦賀FC、3位は斑鳩FC (新宮SSS招待兼ヤタガラスカップ )
17日から約2カ月のホームステイ (新宮市 )
17日(木)から新宮市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)を訪問する岩本桃永子(もえこ)さん(25)は9日、同市役所で田岡実千年市長を表敬訪問した。田岡市長は「サ市でいろいろと学んでもらい、新宮の発展に貢献してもらえれば」と呼び掛けた。
新宮市とサ市とは1974年に姉妹都市縁組を締結した。今回の訪問は「サ市へのインターン派遣プログラム事業」で初めての実施となった。
体験を通じてグローバルな視点を身に付け、サ市の「活力があり、先進的なまちづくり」の成功例から仕掛けを学び、両地域のさらなる交流の促進と新宮の発展に貢献できる人材を育成することを目的としている。
市教育委員会の職員も同行し、サ市役所パークスアンドレクリエーション課での研修や地域との交流活動を行う。
岩本さんは3月20日(水)までの約2カ月間、ホームステイなどをし、現地での生活を通じてさまざまなアクティビティを体験する予定になっている。
新宮市姉妹都市親善協会の岩澤卓会長は岩本さんが派遣対象者に決定したことについて、今後、新宮でどんなことをしていきたいかなどの具体的な夢が強くあったとし、「今年は姉妹都市提携を結び45周年。取り組みを通じて実際に肌で感じてもらい、いろんな人に伝えてもらえれば」。
田岡市長は「サ市は先進的な取り組みを実施している町。もちろん勉強も大事ですが、楽しみながら頑張ってください」と激励した。
岩本さんは「中学3年生の時に訪れて以来のサ市。テーマパークや交友など、いろんな視点で理解を深めたい。お年寄りから子どもまで幅広くコミュニティーを形成させ、集まれる場所があるが、新宮にはまだ少ないと思うので交流の場づくりを中心に学んでいければ」と話していた。
(2019年1月11日付紙面より)
天御中主神社で例大祭など (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事などを祈った。
午前の式典では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の湊口弟三さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。午後には同神社氏子らが作った餅や厄年の出席者らが持参した餅がまかれ、たくさんの地域住民らでにぎわった。
同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は永田地区が当家を務めた。石垣総代長は「参拝客の皆さまのご健勝や郷土繁栄などを祈願しました。準備期間も含め、天候に恵まれて良かった。永田地区の方々も協力的で大変助かりました」と話していた。
(2019年1月11日付紙面より)
西前町長赴き長寿を祝う (古座川町 )
古座川町の西前啓市町長が9日、間もなく100歳になる池畑保代さんを訪ねて長寿を祝った。
この訪問は町民の100歳の誕生日に合わせて行っていて、本年度は昨年11月に奥地ノブヱさんを祝って以来2回目となる。
池畑さんは1919(大正8)年1月13日生まれ。高池出身で、一時期ふるさとを離れ大手企業に務めていたが、後に戻り平成24年から高瀬会の高齢者グループホームもみの樹に入所してスタッフに支えられながら過ごしているという。
西前町長は同ホームで池畑さんと面会し、他の入所者も立ち会う中で花束を受け取った池畑さんは「先生(=医師)や皆さんに本当によくしてもらい、大変うれしくもったいない」と歓喜。西前町長によると池畑さんは気品豊かな人柄で知られ、今も100歳とは思えないほどしっかりとされているそう。はつらつとした長寿健勝ぶりを見て喜び「これからも元気で」と励ました。
役場健康福祉課によると、今月9日現在で100歳以上の町民は4人で、いずれも女性、最高齢は102歳。間もなく池畑さんが加わり、5人になるという。
(2019年1月11日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)境内に設置している八咫烏(やたがらす)ポスト上部の八咫烏が緑色に塗り替えられた。熊野の深い自然を表現しており、同大社の世界遺産登録15周年を記念して今年一年間変更される。
ポストは八咫烏や全ての色が混ざった原点の色という意味の黒色で、はがきの語源にもなった同大社のご神木多羅葉(たらよう)の下に2009年に設置された。
通信手段の発達した現代に、あえて自分の思いを手書きすることで、自分自身を見つめ直し、人と人とのつながりの原点に立ち返ってほしいとの願いが込められている。
(2019年1月11日付紙面より)
新春年賀会で決意新た (新宮商工会議所 )
新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで7日、新宮商工会議所(関康之会頭)の新春年賀会が開催された。地域の経済人ら約90人が出席し、鏡開きなどで新年の門出を祝った。関会頭は、西村伊作の三男・八知(はっち)氏が1997年に私財を投じて設立した軽井沢のルヴァン美術館を昨年訪れたことに触れ、「夏から秋にかけて旧チャップマン邸と西村記念館がリニューアルオープンする。熊野の魅力の再構築に文化の面も盛り込んでいきたい」と決意を述べた。
関会頭は冒頭のあいさつで「10月の消費税率引き上げに際しては、円滑な価格転嫁が中小企業にとって最大の課題。特に新たに導入される軽減税率制度については、説明会や相談会を重ねて実施することでより一層の周知を図り、混乱のないようその対応を支援していく」。
地域活性化には交流人口を増やすことが重要であるとし「熊野の魅力の再構築とその情報発信、インバウンドへのさらなる質の高い対応、また受け入れ側の商店街の充実は言うまでもなく、既存の実施方法に頼ることなく常に再検証しつつ積極的な提案と実行をしてまいりたい」と協力を求めた。
来賓として出席した田岡実千年市長は、水野家入部400年や世界遺産登録15周年、文化複合施設建設、バイオマス発電所建設などの事業を挙げ「今年は多くのビッグプロジェクトが始まる。新しい元号が町にとって輝かしい時代になると予感している。この機会を逃さずに行政、民間ともに得意分野を生かし、一緒になって盛り上げていきたい」とあいさつした。
(2019年1月9日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日、和歌山県指定民俗文化財の「八咫烏(やたがらす)神事」が営まれた。一年でこの日だけ押される厄よけの「白玉宝印」を入手しようと全国各地から約200人が詰め掛けた。
正月三が日の間、神門前に飾られた門松で熊野牛王宝印(くまのごおうほういん)を調製し、たいまつの火と水ではらい清め、祭神の魂を吹き込む宝印押し初めの神事。拝殿の照明を落とした暗闇の中、神職が「えーい」という掛け声とともに拝殿の柱に宝印を押し、奉納した。神事後は、参拝者らが配られた白紙を手に神職から宝印を授かった。
九鬼宮司は「昨年は御創建2050年を迎え、多くの方々に奉納や協力していただき無事に滞りなく納めることができました」と感謝を述べ、「新元号の元年となる本年は日本の大きな船出。皆さんそれぞれの立場で歩み方をしっかり刻んで命を大切にしてほしい。紆余(うよ)曲折があるかもしれないが、災害もなく平和であることを心から願っています」とあいさつした。
大阪府柏原市から初めて訪れた井内文彦さん(53)は「神事が営まれることを地元の方に教えてもらい来ました。家族の健康を願って、自宅で大事にとっておきたいと思います」と話していた。
(2019年1月9日付紙面より)
子ども囲碁教室始まる (串本町 )
串本町子ども囲碁教室が5日、潮岬公民館で始まった。囲碁愛好者グループ「南紀串本七夕会」(岩本芳明会長)による町内の子どもを対象にした取り組みで、同日現在で小学生11人が受講登録。今後も随時受講希望を受け付け、参加の裾野拡大を目指すという。
この教室は、潮岬地区老人クラブ連合会(田仲康慧会長)が同グループに地区内で開かれていた囲碁大会の再興を要請したことがきっかけで始まった。大会が途絶えた要因の一つに愛好者人口の減少があり、盛り上げていくためには次の世代への囲碁文化の継承も不可避と考えた同グループは大会再興と対の取り組みとしてこの教室を計画したという。
昨年末に小中学校経由で同教室の開講を告知し小学生や中学生に受講を呼び掛けたところ、11人が希望した。初回のこの日は冬休み期間中とあって全員が出席し、同グループの岩本会長、松島拓さん、松原敏幸さんから囲碁の打ち方を教わり、終盤では通常より小さい碁盤(七路盤)上で対局にも挑戦して楽しさを体験した。
囲碁を打つのは初めてという坂元愛花さん(5年)は「相手に囲まれそうなときに陣地を取られないよう逃げるところが楽しい」。弟の愛菫君(3年)は「相手の石を囲んで取るところが楽しい」と興味津々。岩本会長は「家族も一緒に挑戦してくれれば、子どもは家でも囲碁に挑戦できる。必要な道具は貸し出すこともできるので、ぜひ子どもと一緒に挑戦してみてほしい」と呼び掛けてこの日の教室を締めくくった。
同教室は当面、毎週土曜日午前9時~11時30分に開く。受講希望は今後も随時受け付けるそうで、小中学校経由で告知をしたが小中学生以外の子どもの受講も歓迎する。潮岬小校区と並んで子どもの数が多い串本小校区でも、ある程度の数の受講希望が見込めるようであれば老人憩いの家「わかしお」を拠点にして同教室を開くことを考えるとしている。
この教室について岩本会長は「囲碁は強くなるほど面白くなるが、そのためにはじっくりと学ぶことも必要。当面は町内の子どもさんを対象にし、私たちの体力が続く限りこの教室を続けていきたい」。田仲会長は「老人クラブというと高齢者スポーツが注目されがちだが、活動はそれだけではない。文化振興も会員が取り組める活動であり、その一つとしてこの教室を応援している」と込めた思いを語った。
同教室の受講希望や問い合わせは潮岬公民館(電話0735・62・3731)まで。
(2019年1月9日付紙面より)
恒例の七草がゆ味わう (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々の熊野古道大門坂にある農村民泊和笑庵(わしょうあん)で7日、「七草の会」が行われた。町内外から集まった参加者約30人は伝統ある唄を口ずさみ、無病息災を祈って七草がゆを味わった。
催しは地域に古くから伝わる作法を次世代に伝えるために実施され、今回で3回目を迎える。
川関地区に住む田嶋加津子さん(84)がうたう「七草の唄」に合わせて、参加者らは交代でセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草が並べられたまな板をすりこ木と包丁で刻むようにトントンと音を出して邪気や疫病をはらった。この日は子どもも参加しにぎわった。
田嶋さんは「戦前まで川関では皆さんが同じようにやっていたと思う。最近ではさまざまな行事がなくなってしまのが残念。こういった文化を次の世代に伝えていきたい」と述べ、参加者に対しては「健康で幸せに1年間過ごしてもらえたら」と話した。
2回目の参加となる市野々地区に住む稲垣葉子さんは「かゆは七草の香りがしておいしかった。この会は多くの方と知り合うことができていい。今年は健康第一で過ごしたい」と笑顔で語った。
(2019年1月9日付紙面より)