花火打ち上げに歓声と拍手 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は13日夜、同町の勝浦湾・渡の島で「山の章」と題し、紅葉と那智の滝しぶきの競演を表現した花火を打ち上げ、秋の夜空に大輪を咲かせた。町民待望の花火が合計2000発打ち上げられ、多くの見物人から拍手や歓声が上がった。
3年連続で中止となった那智勝浦町花火大会に代わるイベントとして町独自で計画。花火大会の実施を望む町民の声を受け、コロナ禍で疲弊する町を元気づけるとともに、町の活性化につなげることが目的だという。
町ではマスク着用や来場者間の適切な距離の確保など、新型コロナウイルスの感染対策を行うよう注意喚起し、役場や勝浦漁港立体駐車場などの駐車場も準備した。
この日は、午後まで雨が降り続いたことから開催を心配する町民の声も聞かれたが、夕方には雨もやみ、無事開催に至った。
午後8時、ごう音が鳴り響き、美しい光の大輪が町の夜空を彩った。その光景に見入る多くの来場者の姿があった。15分間の光のショーが終わると、会場からは大きな拍手が送られた。
堀順一郎町長は花火打ち上げ事業を発表した定例記者会見の際に「花火を打ち上げて、沈んだ町の雰囲気を明るくしたい」とコメントしている。
この日、家族と共に見物に来ていた同町立市野々小学校6年の小賀実樹君は「久しぶりの花火。すごくきれいだった。20日の花火もまた来たいです」と笑顔で話していた。
20日(日)午後8時にも実施する予定で、その際は関西初となる新色のエメラルドグリーンを含めた合計2000発を披露するとしている。
(2022年11月15日付紙面より)
下部区の神戸神社で例祭 (古座川町 )
古座川町高池の下部区内にある神戸神社(石田保宮司)の例祭「火焚(ひたき)祭」が12日に宵宮、13日に本祭を迎えた。13日は雨天のため芳流館内で営む形となったものの、大枠は3年ぶりに例年通り奉仕。火たきの奉仕や互盟社(瀧本功社長)の獅子舞奉納などが多くの地縁者らの拝観を集めた。
この神社は芳流館そばにあり、神木(シイノキ)の股の間を本殿とするなど古代の信仰を宿している。発祥不明だが例祭は数百年続くと口伝され、大前の儀に古代の清めはらい「湯立神事」が伝わっている点も長大な歴史を物語っている。
現在は下部区(堤正博区長)が氏神社として護持し、例祭は11月15日に近い日曜日を本祭日として執行。新型コロナウイルスの情勢でおととしと昨年は火たきや獅子舞の奉仕を断念し、神事のみで信仰をつないできた。
宵宮の午後5時に宵宮祭があり、火たきの当番組が神火を頂いて境内に積み上げたたき木に火入れした。たき木は大人の背丈ほどに丸太を積み上げ火付きをよくするため板材などで周囲を覆った構造。その芯まで火が通ると煙もほぼ収まり、炎が時折数㍍の高さまで際立って立ち上がった。
当番組や手伝う子どもが丸太などを投げ加えて火勢を保つ中、当家宅や区長宅の地下舞わしを経て宮上りした互盟社がたき木に幣の舞と乱獅子を奉納。以降も当番組が夜通し火たきを続けた。
本祭の大前の儀は午前9時から実施。明け方まで心配した雨がほぼ降らず火たきの余熱で釜湯を沸かすことができ、これを館内へ持ち込み湯立神事も含めて執り行った。儀式後は互盟社が宵宮に続いて獅子舞を奉納して締めくくった。
3年ぶりに獅子舞奉納の機会を得て瀧本社長(42)は「この祭りも絶やしてはいけないもの。みんな久しぶりで最初こそできるかなという感じだったけれど、集まってくれてここまでできたので感無量です」とコメント。堤区長(70)は「区内の人口が少なくなり年寄りも多くて大変だが、これからもこの行事が続けられるよう頑張りたい。そのために区民皆さまのもろもろの安全を願いたい」と思うところを語った。
(2022年11月15日付紙面より)
こども園の新園舎竣工式 (串本町 )
串本町が13日、くしもとこども園新園舎の竣工(しゅんこう)式を挙行した。2014年の保護者による署名提出から数えて約8年越しで実現した、老朽化と津波浸水の課題をクリアする新施設。計画通りに完成し、来年1月4日(水)の保育開始を前に関係者一同で完成を喜んだ。
この施設は串本町串本338番地の1、町道サンゴ台中央線の新設区間(西の岡~サンゴ台)沿いに位置。定員150人の幼保連携型認定こども園(子育て支援センター1室を内包)を主用途として設計され、建物は県産木材「紀州材」も活用した木造1階建てで延べ床面積約1843平方㍍。こども園用地と職員駐車場を合わせた敷地面積は約1万190平方㍍で、建設事業費は約10億5801万円という。
式典には田嶋勝正町長ら町の関係幹部職員、県議会や町議会の議員、同園保育教諭と園児を代表してひばり組(5歳児)や保護者、歴代園長や工事関係者ら約80人が出席。田嶋町長は新園舎完成までの経緯を振り返り、何より同園の職員や園児が現園舎で毎月のように避難訓練をして備え続け、保護者も長い時間を待ち続けてくれたことに感謝しつつ「これからも子育て支援をまちづくりの柱の一つとすることで、この園舎はその拠点となる。今後とも議会やご父兄をはじめ皆さまの力を借りて、住みよく子どもたちを育てやすいまちづくりを進めていきたい」と式辞を述べた。
株式会社阿波設計事務所、株式会社岡本設計、株式会社小森組への感謝状贈呈を経て、来賓の県議会・佐藤武治議員と町議会・鈴木幸夫議長が祝辞。ひばり組が園歌を元気に響かせテープカットで完成を祝った。
式後は町民向けに内覧会も実施。同園を預かる湯口いづみ園長はまずもって東日本大震災以降特に意識し続けていた津波に伴う高台への避難の不安がなくなる点、また年長と年少が別棟で職員、園児とも互いが見えにくい現園舎が一棟となることで流れが分かりやすくなる点で新園舎の完成を喜んでいる。
今後は現園舎で保育を続けつつ機能移転作業を進め、新園舎での保育開始を目指す。
(2022年11月15日付紙面より)
相野谷中、矢渕中が文化祭 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(谷川進悟校長、生徒34人)は12日、矢渕中学校(立嶋信雄校長、生徒211人)は13日にそれぞれ文化祭を開催。両校の生徒たちが学習の成果や演劇を発表した。
相野谷中学校は昨年に続き、半日開催としたものの、保護者らを招き体育館で開いた。
谷川校長が「全ての力を結集して素晴らしい文化祭にしてください」とあいさつ。木本高校吹奏楽部による招待演奏で開幕し、フィンガー5の「学園天国」を演奏し、ダンスを繰り広げた。西城秀樹の「ヤングマン」、指揮者、タンバリン体験でも盛り上がった。
文化祭のテーマは「全力 挑戦 笑顔~We can make smile~」。1年生が「福祉体験学習で学んだこと」、2年生が「ショクタイSOUL」、3年生が「前と後」と題して学年発表した。
最後は全員で「君の隣にいたいから」「花は咲く」の2曲を合唱。教員や保護者らが生徒たちの成長を見守り、温かい拍手を送った。
矢渕中学校は、町生涯学習センターまなびの郷で開催。「新時代の幕開けだ~! ~主役は全校~みんなで創る最高の矢渕の文化祭」をテーマに、吹奏楽部による演奏で開幕した。
各学年を代表して松下明日香さん(1年)が「多様性に対する理解」、東美緒さん(2年)が「いじめのない社会へ」、得能朱里さん(3年)が「壁のない世界へ」を演題に作文発表した。
1年生は、地域住民らを講師に迎えて踊りや生け花、茶道などを教わる「地域に学ぶ」の成果を発表、2年生は職場体験を演劇で発表した。
3年生は舞台劇「それぞれの想い『ぬちどぅたから』~未来につなぐ為に~」を披露。戦争の悲惨さ、命の尊さを改めて訴えた。
午後からは合唱コンクールを繰り広げた。作品展示は、矢渕中の各教室、廊下で16日(水)、17日(木)、18日(金)に行う。午前9時から午後5時までで、最終日のみ午後1時まで。
(2022年11月15日付紙面より)
那智勝浦町総体ソフトバレー
2位三輪崎、3位串本と県大会へ (バレーボール県下小学生男女選手権地方予選 )
新宮港で10機関がテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(委員長=久保浩也・東牟婁振興局新宮建設部長)は9日、同港三輪崎第4号岸壁で令和4年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、那智勝浦町、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロの水際対策における連携体制を強化した。
訓練は、テロ事案に対する関係機関の対応を相互確認するとともに、各機関の連携をより一層強化し、テロ関係事案に的確に対応することが目的。国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内から拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生、負傷者の救助と消火―の5項目を想定した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートから発砲があり、海保巡視船が威嚇射撃して不審者を逮捕。入国審査や手荷物検査では、追い詰められた不審旅客がナイフを振り回す場面があるなど、実践さながらを想定し行われた。
久保委員長は「新宮港は国際港湾施設として地域の産業・経済活動を支える重要な港。コロナ感染拡大の影響で国際のクルーズ船入港の実績はないが、入国制限の緩和などで訪日観光客が増加することが考えられる。訓練を通して、テロ対策の重要性・必要性を再確認するとともに、それぞれの組織のつながりの強化を」とあいさつ。
新宮港公安危機管理担当官の真部克彦・田辺海上保安部長は、関係各位の日頃の取り組みに感謝を伝え「ロシアのウクライナ侵攻など世界が混沌(こんとん)としているが、以前と変わらずテロは発生している。関係機関が一丸となって連携を強めお互いに高め合うことが必要」と訓練の重要性を訴えた。
訓練後には、副担当官の田原正士・新宮警察署長が「実践さながらの訓練で、各機関の連携が確認できる内容。非常に心強く感じた」と講評。
来年5月に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)や、大阪府で行われる関係閣僚会合、また25年に開催される大阪万博などに言及し「国際的に注目を集める行事は、テロの格好の攻撃対象となる可能性が考えられる」。
「絶対に新宮港からテロを敢行しようと画策する者やテロに利用される物を入れさせないという強い姿勢で国際テロ対策に臨む必要がある」と述べ、引き続いての各関係機関のより一層の連携強化とテロへの対処能力の向上を呼びかけた。
(2022年11月11日付紙面より)
宇久井小でアイスカービング (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童178人)で2日、氷彫刻家の小阪芳史さんによるアイスカービングがあった。チェーンソーやドリルで大きな氷から立体が作り出されていく迫力のショーに、子どもたちから拍手喝采が沸き起こった。
アイスカービングとは、氷から動物や花などの彫刻を削り出すアートで、制作・展示時間が短いはかなさも魅力の一つ。小阪さんはこれまでにも佐野柱松などで毎年パフォーマンスを披露してきた。
小阪さんは、四角い氷と色水を使って繊細な花を作って見せたり、ドライアイスの煙を吹きかけたりするパフォーマンスで子どもたちを楽しませた。重さ70㌔の氷を使った彫刻では、児童は「何ができるのか」とワクワクしながら完成を待ち、2匹のウミガメが現れると「すごい」「ファンタスティック!」と声が上がった。
「最初は真っ白で何を作っているのか分からなかったけれど、氷を切った瞬間にウミガメが現れてびっくりした」「甲羅の模様が繊細ですごいなと思いました」「解けてしまうなんてもったいない」との感想が聞かれた。彫刻は児童玄関に飾られ、下校時に触って楽しんでいた。
(2022年11月11日付紙面より)
少年少女発明クラブ11月講座 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、市福祉センターで11月講座「ホバークラフトに挑戦しよう」を開いた。市内の小学生の会員18人が参加。奥山均さんが講師を務め、子どもらはホバークラフト(水陸両用車)の仕組みについて学びを深めた。
発明クラブは全国各地で活動をしており、活動は県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
ホバークラフトとは、船体上部から吸い込んだ空気を下部に吹き込み続けることで浮上する乗り物。スカートと呼ばれる側壁の下部と水面または地面の隙間から常に空気が漏れ出ることで船体が空中に浮かび、平坦な面であれば地上・水上・雪上区別なく進むことができる。
飛行機やヘリコプターと同じ航空機に分類されるが、日本の法律では水上走行を主とすることから船舶に分類されている。
奥山さんが仕組みについて説明した後、子どもらは制作を開始。悪戦苦闘しながらも船体を作り、モーターとプロペラを搭載して仕上げた。完成後は試走させ、電池パックの位置を変えるなどバランスを整え、各自改良を加えていった。
市立神倉小学校4年の尾鼻凜さんは「楽しかった。難しくなかったけど走らせた時にぶつかって、それを直すのが大変でした」と話していた。
次回の講座は12月17日(土)、市役所別館での開催を予定している。
(2022年11月11日付紙面より)
紀南地域高等学校活性化推進協
県立木本、紀南両高校の在り方を検討する本年度4回目の「紀南地域高等学校活性化推進協議会」が8日、県熊野庁舎であった。委員を務める両校や地域の関係者が、アンケート結果を基に中学生、保護者が高校に何を求めているかを分析し、情報共有した。
2025年度に5学級規模の学びをスタートさせる必要があるため▽2校が統合して一つの校地で学ぶ(1校5学級規模)▽2校が連携して二つの校地で学ぶ(4学級+1学級)▽2校が独立して学ぶ(1校3学級+1校2学級)―を想定して協議してきた。本年度中に方向性を決める方針だという。
アンケートは熊野市、御浜町、紀宝町の中学2年生262人と中学1、2年生の保護者486人を対象に実施。
中学生は240人が回答(回収率91・6%)。「高校選択で重視することは」との問いに「通学しやすい」が31・3%だった。1学年当たりの学級数は、1学級(40人)、2学級(80人)、3学級(120人)がほぼ同数となった。学級数を選んだ理由として「多くの出会いに期待する」が半数を超えた。
保護者は415人が回答(回収率85・4%)。5学級規模での学校の在り方は「2校統合(1校5学級)」が44・6%、「統合せずそれぞれの学校で学ぶ(1校3学級+1校2学級)」が35・9%だった。
「2校統合」は▽生徒が少なくなっているので二つの校舎に分ける必要はない。部活動なども強くなる▽今のうちに統合したほうがよい―など、「統合せず」を選んだ理由には▽学力や進路希望に合わせた学習環境を整えてほしい▽2校とも特色があるのでそのままがいい―などの記述があった。
アンケート結果を基に、委員からは「少人数できめ細かに教育してほしいとの思いが表れている」「学級数は出会いへの期待、人数が増えることへの不安が反映されているのでは」「両校存続を望んでいる声が多くあると感じた」「選択肢が少なくなることは求めていないのでは」などの意見があった。
(2022年11月11日付紙面より)
「文化の日」の3日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」敷地内の佐藤春夫筆塚前で、令和4年度「佐藤春夫『筆供養』」が営まれた。関係者ら約60人が参列し、使い古した筆を供養するとともに佐藤春夫(1892~1964年)の遺徳をしのんだ。
「筆塚」は春夫没2年後の1966年、新宮ライオンズクラブ(新宮LC)が認証5周年を記念して旧市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった詩人の堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。
市民会館解体により一時的に撤去されたが昨年10月、「丹鶴ホール」完成に伴い筆塚は同施設敷地内に移設された。今年6月には、新宮LCが認証60周年記念事業の一環として筆塚に「佐藤春夫筆塚石碑」を寄贈。石碑には51年、春夫が59歳の時に作詞し、文化の日に制定された「新宮市歌」が刻まれている。
式典では、新宮市歌斉唱に続き、田岡実千年市長が「市歌からは、ふるさとをこよなく愛された先生の思いが伝わってくる。われわれも熊野地方の豊かな自然と悠久の歴史、文化に抱かれ生きることを誇りに、後世にそれを守り伝えていかなければ」とあいさつ。
市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長は「筆供養は記念館ができる前から続いており、今年も多くの方々の協力の下、開催できることをありがたく思う」。
春夫遺族の高橋百百子さんは「素晴らしい天気に恵まれた。春夫は常々、自分は晴れ男だと言っていたが、『どうだ』と言っている顔が目に浮かぶよう」。東京大学准教授で実践女子大学客員研究員の河野龍也さんは「2000年に調査で初めて新宮市を訪れた時、大変親切にしていただき、ここが自分のふるさとの一つになるかもしれないと感激した記憶がある。記念館があることは私にとっても新宮市にとっても大切なこと」と話した。
お供茶式では、茶道裏千家淡交会南紀青年部の上宗景さん(お点前)と谷口宗尚さん(半東)が筆塚前にお茶を供えた。式典後には同青年部による呈茶もあった。
(2022年11月5日付紙面より)
新宮市内2カ所で街頭啓発
新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は4日、同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前と、同市橋本のイオン新宮店前で街頭啓発を実施した。同委員や東牟婁振興局職員ら約35人がチラシやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客たちに配布した。
和歌山県は11月の「同和運動推進月間」に当たり、同和問題をはじめとするさまざまな差別に対する理解を深めてもらおうと県内各地で啓発活動を展開している。市は同月を「差別をなくする強調月間」とし、人権問題の早期解決を図るため実施している。
スーパーセンターオークワ南紀店では、田岡市長が「市では1953年に人権尊重委員会が結成され、あらゆる差別の解消を目指し取り組みを進めています」とあいさつ。「市民一人一人の尊厳と人権が尊重され、皆さんが明るく笑顔で心豊かに暮らせる人権尊重のまちを目指すことを目的に、市民の皆さまと共に『差別のない明るいまちづくり』には何が必要なのかということを考えて啓発させていただきたい」と協力を求めた。
新宮市では強調月間に伴い、人権尊重文集「春を呼ぼう」の制作(令和5年1月発行予定)や、市庁舎に「広げよう やさしい心と思いやり」の懸垂幕を掲揚するなどしている。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年開催している「市民のつどい2022」は中止となった。
(2022年11月5日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社と本宮町商工会、熊野本宮観光協会で組織する「熊野本宮よみがえり委員会」(会長・名渕敬熊野本宮観光協会長)は2日、同大社の瑞宝殿で、令和4年第3回の会議を開いた。約20人が出席、8月の大雨で破損した潜水橋について、年末年始までに盛り土を仮設し、旧社地・大斎原(おおゆのはら)まで渡れるようになる予定との報告を受けた。
潜水橋は現在通行止めとなっており、年末年始は多数の来客が予想されることもあって、早めの復旧が望まれていた。また、潜水橋の周辺にはかつて「高橋」という太鼓橋が架かっていたが、1889(明治22)年の十津川大水害で流出した経緯があり、これを機会に高橋そのもの、もしくは似たような橋の復元ができないかとの意見があった。ただ、世界遺産の場所であるため実現には障壁も多く、まずは潜水橋を復旧させる方向で進んでいる。
久畑弘幸本宮行政局長が、潜水橋の今後について報告。「潜水橋の復旧のための補正予算、7600万円を議決いただいた。(破損した橋の)撤去の入札が完了し、落札者が近々確定、撤去に入る。終わったら(水抜き穴を設けて)盛り土をして、大斎原に渡れるような対応をしたい」と述べた。
ただ、4月の同大社の例大祭「本宮祭」の頃には、盛り土は撤去されているが、潜水橋はできておらず、完成は8月ごろと想定されている。本宮祭は行列が潜水橋を通るため、何らかの対策が必要となる。このため九鬼家隆宮司は、開会あいさつの中で、高橋が架かる以前には参詣者が川を渡る「ぬれわらじの入堂」を行っていたことを紹介。「これを再現したいと思っている。海外の人にも体感してもらえれば。意見や案を。知恵を拝借できれば」と呼びかけた。
正月の態勢も協議した。九鬼宮司は、新型コロナ対策として、12月1日(木)から31日(土)までを「幸先詣(さいさきもうで)」期間とし、朱印や祈とうなどの受け付けを正月と同じ態勢とすることを報告。明けて1月1日(日・祝)から15日(日)までを「新年祭」期間とすることも語った。
また、同大社の警備担当者が、正月は動線を左右に分けて一方通行とし、密集や事故を予防する予定であることも解説した。出席者は注意点などを助言した。
(2022年11月5日付紙面より)
橋杭岩ライトアップ始まる (串本町 )
串本町くじ野川地内で3日、イベント「橋杭岩ライトアップ」が始まった。実施期間は5日(土)までで、期間中の午後5時30分~8時30分に投光が行われる。見物自由。
串本町が主催する、おおむね元岩~弁天岩間とその一帯に投光して夕闇が深まる中に浮かび上がらせる趣向。その幻想的な光景は2017年に日本夜景遺産〈ライトアップ夜景遺産〉として認定され、一段と注目されるところとなっている。
おととし、昨年と新型コロナウイルスの情勢により中止したため、今回は3年ぶりの実施。10色のパーライト計60基を2カ所に分けて配置して岩の数々、無限発色可能のLEDライト14基で道の駅くしもと橋杭岩そば一帯を照らす内容は変わらずで、期間前日の2日に委託を受ける事業者が試験点灯をして投光先の調整や色彩を変える流れのリハーサルをするなどして目前の本番に備えた。
期間中は同駅に加え橋杭漁港、橋杭ビーチに臨時駐車場を設けている。同駅内は投光中、北側を入り口、南側を出口とする一方通行としていて、同町は来場時に順路を守る協力を求めている。併せて不特定多数が集まりやすい状況となるため、各自で感染症予防対策を心がけて見物してほしいと呼びかけている。
(2022年11月5日付紙面より)