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2023年03月25日
1 価値ある景観を残したい
 下里懸泉堂の模型作り  (那智勝浦町 )

 「下里の古い建物を形に残すためにも、この建物を作りたかった。本物は本当に立派な建物」。そう話す那智勝浦町下里在住の大工・清水啓自さん(79)だ。清水さんは、大工歴64年の腕前を駆使し、地域の歴史的な建造物・下里懸泉堂(けんせんどう)の30分の1サイズ(縦32㌢、横60㌢、ヒノキ・スギ製)の模型を作製した。

 同町八尺鏡野にある懸泉堂は、文豪・佐藤春夫の父・豊太郎の生家だ。佐藤家は代々、医者の家系であり、春夫の曽祖父の百樹が私塾を開いていた。

 谷川瓦が用いられた和風の母屋と、大正期に建築されたといわれる洋館で成立。国や町の文化財指定は受けていないが、和歌山県教育委員会が実施した近代化遺産の調査も受けており、建築的価値は高いとされる。

 そんな懸泉堂だが、建物の老朽化が著しく、雨漏りや倒壊を懸念する声や保存などを訴える町民の声も多い。

 さらには現在、県の空き家バンクに登録されており、わかやま住まいポータルサイトでも建物を確認できる。サイトの特記事項には「春夫の父の居宅であったこと」「町から登録有形文化財を進める声があり、購入者はそれらを引き継いでほしい」などの文言が掲載されている。

 今回の模型は、下里地域の景観を残したいと考える下里在住の城本和男さんが発起人。懸泉堂を模型にしてはどうかと考え、同じく下里在住の中村起士央さんに相談した。以前に旧・下里小学校の模型も手がけている清水さんに作製を依頼し、今回に至った。

 清水さんは、実際に懸泉堂の寸法を測り、資料などを基に1月末ごろ、作製に取りかかった。

 材料には、流木や自宅に保管する木材などを使用し、模型作りに対応する道具も自身で加工。格子や屋根などの細部にまでこだわった。今月15日時点で建物が完成し、塀を作るのみとなった。

 清水さんは「町展にも出展する。皆さまに見ていただき、懸泉堂を身近に感じてもらえたら」。

 中村さんは「懸泉堂の面影を残して、多くの人に見てもらいたいとの思いで、作っていただいた。懸泉堂の活用も考えていただけたら」と語った。

 父の時代から佐藤家と親交があり、長年にわたり、懸泉堂の管理を行っている下里在住の太田耕二さんは「地域に残る歴史的価値のある大切な建物。このまま絶やしてはいけない。模型完成を機会として、地域や町、各関係機関が協力して、文化財として活用してほしい」と話していた。

  □     □

■今後の懸泉堂は



 町教育委員会は、2019、21年の2度にわたり所有者の下を訪問している。町としては、懸泉堂の購入はできないが、保全や登録有形文化財制度への申請などの説明・提案をしたとしている。しかし、その後に、前述の空き家バンク登録に至っている。

 田中逸雄教育次長は「所有者さまからは、買い手が見つからない場合は寄贈も検討しているとの話もあった。懸泉堂は下里地区を代表する文化的な建物。もしも、寄贈いただけるのならば、現時点では今後の詳細は未定だが、登録有形文化財に申請するとともに、保存したいと考えている」と話していた。

(2023年3月25日付紙面より)

下里懸泉堂の模型を作製した清水啓自さん=15日、那智勝浦町下里
現在の下里懸泉堂=23日、同町八尺鏡野
2023年03月25日
2 今後は自らの責任で学問を 近大新宮で中学校修了式 

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)で24日、第30回修了式が開かれた。義務教育課程を修了した中高一貫コースの3年生39人が証書を受け取り、保護者や在校生、教職員から祝福を受けた。

 式では、池上校長が修了生一人一人に証書を授与。式辞では、高等教育の段階に入る生徒たちに「自分で学び、自分が向かうという主体的な学問スタイルに変化する」ことを求めた。哲学者カントの言葉から「自分らしく生きるための心眼を身に付けるという決意を胸に、今後の学校生活を送って。リーダーシップを発揮し、学校をけん引する柱となるよう期待している」と結んだ。

 修了生を代表して中学校生徒会の速水救会長が、さまざまな制約の中で前向きに進み続けた中学校生活を振り返り「一つ一つの行事に対して全力を出し尽くし、みんなで楽しめるこの学年を、本当にすごいと思うし、尊敬している。本当にありがとう」。保護者や教職員らにも感謝の言葉を伝えた。

(2023年3月25日付紙面より)

感謝を込め「未来へ」を合唱する卒業生=24日、新宮市の近畿大学附属新宮中学校
2023年03月25日
3 「公認のおせっかい屋」
 先輩委員迎えて研修会  (紀宝町民児協 )

 紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は、定例会を同町鵜殿の町福祉センターで開いた。委員約30人が出席し、5期15年務めた山田十司さん(井田)から長年の活動への姿勢を学んだ。

 定例会と研修会は毎月開催し、委員、町、町社会福祉協議会と情報共有をしている。研修会の講師として迎えた山田さんは定年退職後の60歳から75歳まで委員として活動し、このうち3期9年は会長を務めた。

 委員を委嘱された1年目の心境について「自分にできるかと不安だったが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を見た時にこれが民生委員だと思った」と振り返り、「地域を良くしようとする公認のおせっかい屋さん」と例えた。

 新任の委員に向けて、「これまでの仕事と全く違うと思っているかもしれないが、そうではない。これまでの仕事の一歩先、延長線上にある。無理することはない」と励ました。

 2011年の紀伊半島大水害では、町役場、町社会福祉協議会、民生委員の三者が一体となって取り組んだことを振り返り、民生委員としてどのように動いたのかを説明。被災前に災害ボランティアセンターを運営する災害ボランティアコーディネーターを養成していた経緯を紹介し、迅速なボランティア派遣につながったことを伝えた。

(2023年3月25日付紙面より)

長年の活動を振り返る山田十司さん(右)=紀宝町鵜殿の町福祉センター
2023年03月25日
4 2日間で約80人が鑑賞
 タイプ木ライトアップ  (古座川町 )

 古座川町池野山にあるクマノザクラタイプ標本木(以下タイプ木)のライトアップが18、19日の2日間にわたってあった。

 このライトアップは、観光協会の振興事業「桜フェア」の一環。三尾川(みとがわ)にある古傳山光泉寺のイチョウを照らすために導入した光源装置(LED照明4基とポータブル電源2基)を活用した初の取り組みで、鶴川公園のカワヅザクラに続く実施となる。

 初日のタイプ木は開花が早かった枝の花が17日から18日にかけての雨に打たれてほぼ散ってしまったが、大半の枝は散り進むことなく花盛りを保った状態。投光中は途絶えることなく見物客の姿があり、初のライトアップを捉えようと写真撮影愛好家らも思い思いの場所から様子を見守った。

 協会職員の上田柊大郎さんによると、2日間計の見物客数は約80人。うち3分の1ほどは地元以外で、タイプ木は日中も多くの見物客が訪れていて、今回のライトアップは大きな混雑もなく初の夜桜を鑑賞してもらえたという。

  □     □

次は一枚岩前と佐田で点灯



 次は相瀬にある一枚岩前のソメイヨシノを対象にして25日(土)、26日(日)、4月1日(土)、2日(日)に実施予定で、開花の進み具合を見て実施日を決めるという。実施日は道の駅一枚岩monolithが夜間営業で連動するため、実施時間帯に変更はなし。小雨決行、荒天中止。中止する場合は事前に公式ホームページなどで伝えるので、直前に確かめた上で見物の可否を判断してもらえればとしている。

 他方、町内随一のソメイヨシノの名所として知られる佐田地内で24日午後に佐田区と桜まつり実行委員会が協力して恒例となっているちょうちんを設置し、散り終わりまで午後6時~9時に点灯する(タイマー制御となっていて期間中は毎日点灯)。桜まつりは今年も感染症予防のため中止となっているが、どんどろの森駐車場の芝生広場で開花時期の出店はあるという。

 ライトアップの問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)、佐田のちょうちんなどの問い合わせは町地域振興課(電話0735・67・7901)まで。

(2023年3月25日付紙面より)

桜フェアの一環でライトアップされたタイプ木=18日、古座川町池野山
2023年03月25日
5 声優朗読劇に600人  「丹鶴ホール」で  (新宮市 )
2023年03月25日
6 一丸となって施策推進  129人の内示、新宮市の人事異動①  
2023年03月25日
7 トルコ・シリアのために  日赤奉仕団が救援金届ける  (那智勝浦町 )
2023年03月25日
8 当初予算案など可決し閉会  新宮市議会3月定例会  
2023年03月25日
9 尾仲陽夏さんが最優秀賞  読書感想画コンクール県審査  (新宮高校 )
2023年03月25日
10 春休みに胸躍らせて  公立小中高校で終業式  (新宮市・東牟婁郡 )
2023年03月25日
11 大好きな園巣立つ  こども園・保育所で卒園式  (那智勝浦町 )
2023年03月25日
12 卒業生の経験講話も  進路分野別で説明会  (新翔高校 )
2023年03月25日
13 子育て支援や文化財活用に向け 那智勝浦町の人事異動 
2023年03月25日
14 五郷診療所に医師着任  4月5日から診療  (熊野市 )
2023年03月25日
15 草刈り機の安全使用を確認  シルバー人材センターが講習会  (紀宝町 )
2023年03月25日
16 12日間の春休みに入る  小中学校で一斉に修了式  (熊野市・南郡 )
2023年03月25日
17 1年生になっても頑張ります  うどの幼稚園で卒園式  (紀宝町 )
2023年03月25日
18 孫のためのサクラ花盛りに  添野川・宮野さん宅一帯で  (古座川町 )
2023年03月25日
19 生徒18人が練習成果披露  文化セでモダンダンス発表  (串本町 )
2023年03月25日
20 行政17人、医療1人規模  4月1日付人事異動内示  (古座川町 )
2023年03月25日
21 スノーフレーク咲く  那智勝浦町の空き地  
2023年03月17日
22 「35年間、ありがとう」
 新宮支局、歴史に幕  (和歌山放送 )

 和歌山放送新宮支局は、17日の放送をもって新宮単独放送を終了する。新宮スタジオの開設から35年。新宮市の一角から地域に密着した情報を届けてきたその歴史に幕が下ろされる。

 和歌山放送は1959年4月1日午前5時30分、「県下の皆さま、おはようございます。~略~県下の皆さまの放送局として皆さまと共に歩んでゆきたいと考えております」と第一声を放送。県民からの期待を受け、開局した。

 時代が昭和から平成へと移り変わろうとしていた88年。「県都中心の情報より、地域密着の情報を」との要望に応える形で「新宮スタジオ」が開設。新宮・串本単独放送を開始した。新宮スタジオの開設により、現在の本社、田辺支局、新宮支局の3局体制が完成。地域に寄り添った放送を住民に届けてきた。

 しかし、今年3月、放送機器の中核であるマスター設備の更新に伴う設備投資を実施するに当たり、現在の3元放送の維持が困難に。新宮単独放送をやむなく終了するという決断に至った。

 現在、17日にかけて「ありがとう! お世話になりました! 感謝感謝の35年!!『ラジオDE元気!』」が放送されており、歴代パーソナリティーが日替わりで番組に登場。秘蔵音源の紹介などをもって番組の歴史を振り返りながら、リスナーらへの感謝を伝えている。

 小田川和彦さん(75)は、初代パーソナリティーとして1993年9月まで放送の中核を担った。中上健次が後に設立した「熊野大学」の前段階であった「熊野大学準備講座」や御燈祭(おとうまつ)り、那智の原生林、四十八滝、当時のリスナーからのはがきなど「思い出は山ほど」と振り返る。

 「住んで、いろいろな人と出会って、生活を共にして熊野の魅力を感じた。親切を受けたことも数多い。熊野は古来から多くの人を受け入れてきた優しい土地で優しさは熊野の本質だと思う」。

 一方、「妻との結婚を決めるきっかけともなった新宮市への赴任は、人生の中で一番大きな転機だった」と語るのは93年10月から98年3月まで、2代目パーソナリティーを務めた小川孝夫さん(56)。

 「阪神・淡路大震災の時は繰り返しの情報を伝えるだけで、力のなさを感じた」と回顧しつつも「新宮で生まれた娘は、私が出演する明日16日に入籍する(取材は15日)。当時、ここは楽しくて子育てに最適な所だと思った」。

 現在も同放送局で和歌山県地域密着アイドルグループの冠番組のディレクターを担当する小川さん。「何らかの形で携われることができてうれしいです」と話していた。

 最後のラジオカーリポーターによるインタビューに応じた田岡実千年市長は「長きにわたり、いろいろな思いを届けていただいてありがたい限り。さみしくなるが、これからも県民の放送局として活躍を期待しています」と語った。

 最後の放送は17日午後1時から。3代目パーソナリティーの平井理弘さんが出演する。

(2023年3月17日付紙面より)

(前列左から)小川孝夫さん、小田川和彦さん、引本孝之さん、(後列左から)柿白享子さん、尾崎さとみさん=15日、オークワ仲之町店内の新宮スタジオ
最後のインタビューに応じる田岡実千年市長=同日、新宮市役所
2023年03月17日
23 外国人観光客の防災
 町内事業者集め研修  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は15日、那智勝浦観光機構の協力の下、町内事業者を対象にした「外国人観光客に向けた防災研修」を行った。約10人が参加、災害発生時の外国人観光客への対応をどうすべきかを学んだ。

 初の取り組みとなる。同町役場防災対策室の柴田通仁さんが、和歌山県による災害発生時の外国人への避難所対応の講習を受け、これを避難所以外の外国人観光客にも応用できるのではと発想。那智勝浦観光機構の協力を得て実施に至った。柴田さんが「もしもの時の外国人観光客への対応や情報提供について」を演題に講話した。

 柴田さんは、外国人観光客の特性として▽日本語が話せない▽土地勘がない▽災害の基本知識を持たない▽文化・宗教の違いにより災害時行動や避難所でトラブルの可能性あり―と説明。「外国人観光客に災害関連情報の入手方法を確認しておいてもらう必要がある」と話した。

 そのために普及啓発を行うべき災害関連アプリとして「セーフティティップス」を紹介。「緊急地震速報や津波警報などを通知する無料アプリで、14カ国語15言語で提供する。この案内板を店内などに掲示し、QRコードも表示すれば、外国人観光客にも役に立つ」と語った。

 翻訳アプリ「ボイストラ」も紹介。「31言語に翻訳してくれる。日本語で話して翻訳してもらい、相手に何語が話せるかをタップしてもらえば、会話が始まる。ポイントは、やさしい日本語で話しかけること。難しいと誤訳が多くなる」と述べた。

 一般財団法人自治体国際化協会のサイトにある▽災害時多言語表示シート▽災害時用ピクトグラム(案内用図記号)▽多言語指さしボード―に言及、有効性を伝えた。

 和歌山県が行う「外国人サポートメール」についても「空メール送信で登録できる。印刷して外国人観光客に配布していただければ」と勧めた。

 また町や観光機構としても「観光客への災害情報の伝達や、宿泊を伴わない観光客への避難案内を実施する」とした。「事業者さまも災害時のご協力を」と呼びかけた。

 熊野別邸中の島の長谷川文平取締役は「研修を受け、ピクトグラムの準備が足りていないと分かったので、そこをどう拡充させていくかが旅館としての課題かと思った。ただ、一番怖いのは津波。5分ぐらいで来るともいわれているので、今後の検討課題として、適切なやり方を考えていきたい」と話した。

(2023年3月17日付紙面より)

柴田通仁さんの説明を聞く参加者=15日、那智勝浦町役場
2023年03月17日
24 クマノザクラ楽しんで
 みなと橋やゆかし潟で満開  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町二河の国道42号沿いのみなと橋すぐ横に植わっているクマノザクラが満開を迎えている。また、ゆかし潟周辺のクマノザクラも同じく満開を迎え、地域に彩りを添えている。

 クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。森林総合研究所の勝木俊雄博士らが新種として命名、発表した。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。

 みなと橋横の木は秋にも花を付け、二度咲きすることでも知られている。クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」では、「みなと橋小春」と命名している。

 そこから少し離れたゆかし潟沿いの歩道にも小さなクマノザクラが確認できる。この木は「ハート型の汽水湖」としても有名なゆかし潟のハート上のくぼみ部分から対岸に位置しており、花びらは背を見せているのが特徴だ。

 同町湯川の喫茶きよもんの駐車場からは、ゆかし潟を見渡すことができ、周辺に植わる多くのクマノザクラが楽しめる。

 同会会員の大江伸二さんによると、現在、各地で確認できるサクラのほとんどがクマノザクラであるという。その確認方法として「一つの花芽に2個の花が付く」「花柄は比較的短くて毛が生えていない」「葉身が卵形で幅が18~36㍉と細長く、鋸歯が粗い」などの特徴を挙げた。

 大江さんは「背を見せているクマノザクラは、佐藤春夫が命名したゆかし潟のゆえんでもある『奥ゆかしさ』を感じさせる。『ゆかし桜』と名前を付けてみた。いろんな見方で楽しめるのでは」と笑顔。

 観賞については「ゆかし潟は1周2・1㌔あって、30~40分のほど良い散歩コース。ジオパークの説明書きがある場所にも車を止めることができる。歩きながら多くのクマノザクラを楽しんでほしい」と話していた。

(2023年3月17日付紙面より)

みなと橋横のクマノザクラが満開=13日、那智勝浦町二河の国道42号
奥ゆかしさを感じさせる『ゆかし桜』
喫茶きよもんからは多くのクマノザクラが楽しめる
2023年03月17日
25 劔持家に伝わる「慶喜奏聞書」
 「丹鶴ホール」で展示中  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」2階の「熊野サロン」で、「江戸幕府一五代 徳川慶喜奏聞書 写(うつし)」の特別展示が始まった=写真。4月末まで展示している。

 江戸幕府かつ日本史上最後の征夷大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867(慶応3)年10月に政権を朝廷に返上した。

 奏聞書は、慶喜から明治天皇に宛てたもので、慶喜に対する辞官納地の決定に激昂した主戦論派の幕閣によって作成され、京都に持ち込まれたもの。

 岩倉具視らの抑止で天皇への提出には至らなかったが、旧幕府側では江戸城に召集された諸大名・重臣らに老中から本書の写しが渡され、また早々に兵を率いて集まるようにと呼びかけられた。

 紀州藩においては「南紀徳川史」に、老中から江戸の紀州藩家老に渡されたと記載があり、これが水野家中でも写され、水野家が新宮城領主として入部した際に側用人として浜松から入国したという劔持家に伝わることとなったとされる。

 今回の展示は、市が同市下本町の劔持幸代さんより預かった奏聞書を一般公開するもので、市が所蔵する「御広間三番方勤役日記」(1867年)も併せて展示。同書は城主の命により赤井武左衛門らが記した水野家中の日記で、城中の出来事や、城主・家臣の動きなどが記されている。

(2023年3月17日付紙面より)


2023年03月17日
26 1位に野中誠一さん  写連紀南支部3月例会  
2023年03月17日
27 親子でプログラミング学ぶ  県教委が方法や思考教える  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
28 焼き肉モリモリおいしいね  わかば保育園で卒園前に  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
29 小学校でも頑張ってね  丹鶴幼でお別れ会  (新宮市 )
2023年03月17日
30 一回の使用も駄目  薬物乱用防止教室  (三輪崎小学校 )
2023年03月17日
31 「適切な生活設計を」  那智中学校で消費者教育  
2023年03月17日
32 あ、今年もこの臭い…  ヒサカキの花が咲く  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
33 串本町へトルコ義援金寄託  組合長自ら目録読み上げて  (和歌山東漁業協同組合 )
2023年03月17日
34 4組が演奏を響かせる  町民音楽祭バンドの部  (串本町 )
2023年03月17日
35 校区に義援金など呼びかけ  大島小児童が受け付け寄託  (串本町 )
2023年03月17日
36 サイクルツーリズムの推進を  東紀州サイクリング活用推進協  
2023年03月17日
37 鵜殿長照、町のPRに  紀宝町議会一般質問③  
2023年03月17日
38 自宅への不審電話に注意  すぐに相談窓口へ連絡を  (紀宝町 )
2023年03月17日
39 第2期入選作品を発表  新宮市インスタグラムフォトコンテスト  
2023年03月17日
40 トルコ地震に救援金  団員有志が善意の寄付  (新宮赤十字奉仕団 )
2023年03月17日
41 お悔やみ情報
  
2023年03月15日
42 少子化進行が急速
 本紙エリアも減少顕著  

 厚生労働省はこのほど、2022年の国内の出生数(速報値)が80万人を割り込んだことを発表した。統計を取り始めた1899年以来で最少の数字で、コロナ禍の影響もあり推計より早く少子化が進んだことになる。状況は本紙エリアも同じとなっている。

 新型コロナウイルス感染症は、20年1月に国内で初の感染者を確認。以来、拡大と小康状態を繰り返し、大きな社会不安を引き起こした。これに伴い、結婚や出産も減少。本紙エリアではさらに、新宮市立医療センターの分娩(ぶんべん)休止もあり、混乱が生じた。

 具体的には、新宮市で19年は172人だった出生数が、20年には141人まで減少。21年には159人まで持ち直したが、22年は138人に落ち込んだ。那智勝浦町は68人、56人、58人、37人と推移。太地町は15人、6人、9人、12人で、微増と微減を繰り返した。なお、出生届は全国どこの市町村へでも提出できるため、厳密には市町民の出生を正確に表す数値とは言えないが、目安にはなる。

 10年ごとの出生数推移を見ると、確実に減少しているのが分かる。02年、12年、22年の順で、新宮市は282人、216人、138人に減少。那智勝浦町は120人、94人、37人。太地町は18人、18人、12人となった。なお新宮市は、05年に熊野川町と合併しており、02年は旧新宮市の数字となっていたため、比較検討のためにあえて熊野川町の出生数もプラスした。

 なお各市町は少子化の解消を目指し、医療費や給食の無料化、出産祝い金の創出など、さまざまな施策を打ち出している。また、結婚への支援などを打ち出す自治体もあり、今後、その効果に期待が寄せられるところだ。

(2023年3月15日付紙面より)


2023年03月15日
43 実演交え学習大賞受賞報告
 田原小4、5年生が町長に  (串本町 )

 串本町立田原小学校(山路和彦校長)の4、5年生6人が13日、共同制作した作品「輝く未来!夢と希望をのせて田原のロケット」が本年度ふるさとわかやま学習大賞に選ばれたことを田嶋勝正町長に報告した。

 この賞は、県教育委員会がふるさとへの関心を深め愛郷心を育むとともにそのためのふるさと教育の推進を図る目的で年1回、第2学期終了日を締め切りとし県内の小学校~高校や義務教育学校、特別支援学校の児童生徒に作品の応募を呼びかけている。

 田原小の4、5年生はそれぞれ総合的な学習の時間の中で校区内の大きな話題となっている民間ロケット射場「スペースポート紀伊」やロケット「カイロス」にちなんだ調べ学習をし、その成果を生かして2年前の児童がロケット関係作品で奨励賞を獲得した同大賞模造紙ポスター部門に自分たちも挑戦することを決め、昨年11月の学習発表会以降期日が差し迫る中で急ぎ作品を仕上げて応募した。

 規定の大きさの模造紙に扉をつけるなどの工夫をしつつ▽同射場が田原に造られた理由▽ロケットの概要や打ち上げるまでの過程▽町企画課ロケット推進室やスペースワン株式会社から教わった事柄▽ロケットが切り開く宇宙産業の概要▽自分たちや地域の期待の声―などの情報をぎゅっと詰め込んだ内容。4年生の岡田葵さんと西さつきさんと西脇千真君、5年生の芝峰楓太君と寺西秀君と本出晶一君がクラスの垣根を越えて一丸になり、それぞれの成果を寄せて作り上げたという。

 この日は山路校長ら教員と一緒に役場本庁舎町長室へ赴き、今月1日に届いた賞状を見てもらう形で受賞を報告。6人が役割分担してポスターセッションを実演し、作品の内容を伝えた。田嶋町長は実演や6人それぞれの調べた感想を聞いてしっかり勉強してくれていることなどが分かりうれしいと述べてこの頑張りをたたえ、共に栄えある受賞を喜んだ。

 作品は校区内でお世話になった関係先へ披露後、15日(水)から当面の間、役場本庁舎玄関で披露する予定。同校はこの機会に一人でも多くの来庁者に6人の成果を見てもらえればと話している。

(2023年3月15日付紙面より)

作品持参でふるさとわかやま学習大賞の受賞を報告した田原小4、5年生ら=13日、串本町役場本庁舎
6人が分担して作品のポスターセッションを実演し内容を紹介
2023年03月15日
44 課題解決に向けつながりを
 丹鶴地区ふれあい交流会  (新宮市 )

 新宮市の丹鶴地区福祉委員会と丹鶴地区民生委員児童委員協議会、丹鶴公民分館は12日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「丹鶴地区ふれあい交流会」を開いた。地区住民ら約160人が来場、さまざまな出し物を楽しみ住民同士の交流を深めた。

 1人暮らしの高齢者をはじめ、支援を必要とする人の日頃の見守り活動や地域のつながりを強めようと開催しており、今回で7回目。地域住民の孤立を解消し、多くの人たちと仲間づくりの輪を広げ、福祉委員や民生委員児童委員らとの関わりを深める目的もある。

 開会に当たり、実行委員長を務める西孝・同地区福祉委員長は「第2部では新宮警察による特殊詐欺講話も予定している。最後までお付き合いを」。

 市社会福祉協議会の大谷康央事務局長は、開催に尽力した関係者らに感謝を伝え「地域の課題を解決するにはつながりが大事。今日はさまざまな演目を通して近所の関係づくりにもつなげていただければ」とあいさつした。

 ステージは、ハリケーンによるライブ演奏で幕開け。続いてHulaHAPUNA(フラ・ハプナ)がフラダンスを披露し会場を盛り上げた。

 休憩を挟んで、特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さんと脊古佳さんが特殊詐欺被害防止について講話した。

 DVDを通して還付金詐欺などへの注意を促すとともに、県内の被害状況について「今年は1月末現在で9件の被害が発生し、被害総額は約1億2770万円に上る」などと説明。

 「架空料金請求詐欺」や「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」などの手口や、個人情報を収集する手口などを紹介し「電話でお金の話が出たら電話を切り、誰かに相談を」と呼びかけた。

(2023年3月15日付紙面より)

出演者らが会場を盛り上げた=12日、新宮市下本町の「丹鶴ホール」
約160人の地域住民が来場した
2023年03月15日
45 校舎移転や卒業記念し
 本宮小学校でコンサート  (田辺市本宮町 )

 来年度の新校舎移転を控えた田辺市立本宮小学校(田中活介校長)で13日、指揮者の矢澤定明さん、コントラバス奏者の谷脇友里恵さんによるコンサートが開かれた。同校の児童や教職員、保護者、たんぽぽ保育園の園児ら計100人が来場し、生のクラシック音楽に触れた。

 同校は大塔川のほとりに位置していることから、来年度より高台への移転が決定している。田中校長と矢澤さんの縁により、現在の校舎での思い出づくりや6年生とのお別れ会を兼ねたコンサートが実現した。

 今年1月に創立70周年を迎えた田辺ロータリークラブ(新藤整市会長)も協力。4月9日(日)に田辺市の紀南文化会館で開催する記念コンサートの事前アウトリーチ活動も兼ねている。

 矢澤さんの指揮と谷脇さんの伴奏による校歌合唱で開演。谷脇さんは、バロック音楽から古典派、ロマン派へと移行していくクラシック音楽の歴史を追いつつ「アリオーソ」(J・S・バッハ)、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(モーツァルト)、「交響曲第9番」(ベートーベン)などを披露。子どもたちは知っている曲に体を揺らし、コントラバスの音色に聞き入っていた。

 閉会に当たり、田辺ロータリークラブの新藤会長が「現在の校舎のことを思い出し、皆さんの心に音楽の種が芽吹いてくれたら」と語った。

 和田千夏さん(6年)は「コントラバスという楽器は授業で知っていたけれど、生の演奏を聴くのは初めて。落ち着いた音色だった。中学校に行っても、目標に向けて頑張りたい」と話していた。

(2023年3月15日付紙面より)

谷脇友里恵さんがコントラバス演奏=13日、田辺市立本宮小学校
児童や園児らが鑑賞
2023年03月15日
46 本番直前、総仕上げに励む 19日、体育館で第11回定演 (串本古座高校吹奏楽部)
2023年03月15日
47 全町議会が功績たたえ  那智勝浦町議会3議員に表彰状を伝達  
2023年03月15日
48 体操で心身をほぐす  脇入区いきいきサロン  (那智勝浦町 )
2023年03月15日
49 目標達成に向けて練習  龍谷大学卓球部が合宿  (那智勝浦町 )
2023年03月15日
50 長年の功績たたえ 和歌山県消防功労者を発表 
2023年03月15日
51 映画「であること」上映  交流センター太田の郷で  (那智勝浦町 )
2023年03月15日
52 軽妙な語り口で笑い誘う  宝珠寺で「新春寄席」  (新宮市 )
2023年03月15日
53 なぎ看護学校に8年連続合格  10年連続就職率100%  (紀南高校 )
2023年03月15日
54 鮮魚やなれずしなど買い求め  恒例の紀の宝みなと市  (紀宝町 )
2023年03月15日
55 子どもの命を守る当事者に  紀南地域児童家庭支援協  (代表者会議 )
2023年03月15日
56 河口大橋連結イベントを協議  紀宝町議会一般質問①  
2023年03月15日
57 3年ぶり、友情の太鼓響く  ドイツからレギーナさん来日  (熊野水軍太鼓 )
2023年03月15日
58 鮮やかなヨウコウザクラ  ピーアップシングウで見頃  (新宮市 )
2023年03月15日
59 防災意識促しウオーク  赤十字奉仕団と地域連絡協議会  (太地町 )
2023年03月15日
60 山沿いで咲く卒業花  新宮市佐野にアオモジ  
2023年03月15日
61 お悔やみ情報
  
2023年03月14日
62 俳句愛好家、研さんたたえ合う
 新宮市会場に「紀伊山脈」地区大会  (和歌山俳句作家協会 )

 和歌山俳句作家協会が主催する、第2回「紀伊山脈」地区大会「新宮地区俳句大会」が12日、新宮市野田の市福祉センターであった。地域の俳句愛好家ら約50人が参加。お互いの研さんをたたえながら親睦を図る機会とした。

 同協会が刊行する「紀伊山脈」は、結社・会派を超えて県内の俳句愛好家が参加する、自選合同俳句集。1954年に和歌山県にゆかりのある俳句作家の呼びかけにより第1集が刊行されて以来、毎年刊行を続けており約70年近い歴史を数える。

 同俳句大会は、地域内の俳句愛好家がそれぞれの結社を超えてお互いのレベルアップと親睦を図ることを目的に開催。「運河」紀南支部と「かつらぎ」新宮支部が協賛した。地区大会は橋本市での開催に続き2回目となる。

 開催に当たり、「運河」主宰の谷口智行さんが「新宮市で同大会が開催されるのは大変喜ばしいこと。楽しい大会になることを祈念しています」とあいさつした。

 同大会では事前に投句を募っており、地域の俳句愛好家ら112人から423句が寄せられた。参加者らが互選した句が読み上げられ、作者が名乗りの声を上げた。続いて、谷口さんや「かつらぎ」主宰の森田純一郎さんら含む選者が選者特選や入選句を披講し講評。秀逸賞や新宮市長賞、和歌山俳句作家協会賞を表彰した。

 閉会に当たり、森田さんは「俳句は年を取ってもできる。今日は若い人も賞を取って力強く感じた。地元の言葉を大事にしていきたい。これからも元気に俳句を続けていただければ」とあいさつした。

  □     □

 受賞者は次の通り。敬称略。

■「新宮地区俳句大会」

【新宮市長賞】

磐座は人抱くかたち春の雨(石田幸子)

【熊野新聞社賞】

虎杖の束どさと着く行者宿(黒岩恵津子)

【紀南新聞社賞】

煮こごりや女の愚痴を閉ぢこめて(尾崎と代子)

【和歌山俳句作家協会賞】

新宮にいとどこいとど春の月(たなかしらほ)

【秀逸賞】

備長を誇りて紀伊に炭を焼く(小林恕水)

この山に父の生涯梛を植う(吉浦 増)

水底に光るものあり大逆忌(中森常夫)

熊野灘春満月を押し上げぬ(松山睦子)

道の辺の野菊手向けむ一揆の碑(松下 弘)

補陀落の海生業に鮑海士(中村敏之)

台風の目の中にゐる健次の忌(上野山明子)

(2023年3月14日付紙面より)

受賞者と選者の皆さん=12日、新宮市福祉センター
2023年03月14日
63 7区の区長ら礼を尽くす
 国皇神社例祭〈遥拝神事〉  (古座川町 )

 古座川町池野山地内にある国皇(こくおう)神社の例祭〈遥拝神事〉が12日に麓の町津波避難総合センターであり、関係7区の区長らが参列して信仰を今後につないだ。

 南朝最後の天皇となった後亀山天皇の5代目子孫・朝里重太夫が系統の祖霊をまつるため1616年、月野瀬の牛蒡(ごぼう)谷に建立したのが始まりとされる同神社。1828年に13代目子孫・朝里利平が国王山の山腹へうつして麓の村々(現在の直見〈ぬくみ〉、月野瀬、宇津木、池野山、高池上部、高池下部、串本町の古田の7区)と共に護持し、1991年に国王山が望める林道武者屋敷線沿いの池野山区有地へうつして現在に至る。

 現在の例祭は7区が輪番制で奉仕していて、今年は高池下部区(森武志区長)が当番を務めた。本来なら区民もじかに参拝して式典、餅まき、直会を営み活気をささげるが、現在は林道が土砂崩れで通行できない状況。出仕する古座神社の石田保宮司と相談して同センターで遥拝神事を執り行う段取りを進め、他6区の区役員に代表参列を求めた。

 当日は7区の区役員ら18人が参列。石田宮司に続いて当番の下部区を筆頭とし区それぞれに礼を尽くした。餅まきや直会はなく、区それぞれに献上した神酒を持ち帰って例祭を締めくくった。

 新型コロナウイルスの影響もあり、4年続きで本来の形が営めていない状況。森区長(47)は「こういう形でいろんな区がつながるのは珍しいことで、今後もそうして生まれたご縁やつながりでやれることもあると思う。これから盛り上がり、来年はぜひ餅まきもして区民もたくさん参加していただけるようにしたい」と思うところを語った。

(2023年3月14日付紙面より)

国皇神社を遥拝して礼を尽くす7区の区役員ら=12日、古座川町津波避難総合センター
2023年03月14日
64 「花が咲いたら見に来たい」
 卒業記念にクマノザクラ植樹  (鵜殿小 )

 紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)の6年生40人が8日、卒業記念として校門前の駐車場近くにクマノザクラの苗1本を植樹した。早咲きのクマノザクラは3月中旬からが見頃で、3~4年後の卒業式シーズンには咲き始めるという。

 この場所には、小学校が建設された1981年以前から1本のソメイヨシノがあった。これまで40年以上、児童たちの成長を見守ってきたが、直径1㍍の幹がシロアリの被害を受けた上、枝落ちが増えるなど倒木の危険があったことから、2年前に伐採した。

 「校門前に新しいサクラを」との思いから、昨年度の6年生が紀伊半島南部に自生するクマノザクラを初めて植樹した。

 この日は、苗を提供した日本クマノザクラの会に所属する田尾友児さんが訪れ「クマノザクラは5年前、新種のサクラとして103年ぶりに登録された。花がすごくきれい。数年後に咲き始めたら見に来てください」と話した。

 児童代表の山野滉君、大黒莉奈さん、東丈太郎君、上野龍希君が穴を掘り、苗木を丁寧に植えた。大黒さんは「初めて植樹した。花が咲くのを楽しみに待ちます。咲いたら見に来たい」と語っていた。6年生は17日(金)に卒業式を迎える。

(2023年3月14日付紙面より)

卒業を記念して植樹した6年生ら=8日、紀宝町立鵜殿小学校
4人がクマノザクラの苗を植える
2023年03月14日
65 ブーメラン飛行機を作る
 少年少女発明クラブ閉講式  (新宮市 )

 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は11日、市福祉センターで3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」と閉講式を開いた。市内の小学生会員28人のうち、22人が参加し、発泡スチロール板を使用した「飛行機」を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。

 発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。

 「ブーメラン飛行機」は投げるとブーメランのように自分の所へと戻ってくるというもの。この日は、瀧野会長が講師を務めた。児童は用意された主翼と機体、尾翼などのパーツを貼り合わせて飛行機を完成させた。その後はうまく戻るかを確認。成功すると「やったー! 成功した」「おかしいな」などと声を上げ、笑顔を見せた。

 講座後には、閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「11回の講座を通して、皆さんはさまざまな経験ができたと思います。機会を見つけて勉強していくことが大事。みんなの中から将来、名誉ある賞をもらえるような人が出てくることを期待しています」とあいさつした。

 岸本青空君(王子ヶ浜小6年)は「約1年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。他の学校に通う子とも交流を持てたのでよかった。次からは参加はできないけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。

(2023年3月14日付紙面より)

3月講座と閉講式に出席した皆さん=11日、新宮市福祉センター
完成したブーメラン飛行機を飛ばし動きを確認
2023年03月14日
66 峯の古木一足早く満開  クマノザクラ咲き進む  (古座川町 )
2023年03月14日
67 学びを深めて活発化を目指す  グループ「串本マーブルの会」  (串本町 )
2023年03月14日
68 4議員が当局質す  太地町議会一般質問  
2023年03月14日
69 観光資源、誘客につなげて  「願う会」が市長に要望  (新宮市 )
2023年03月14日
70 撮影や見物楽しんで  掛橋さん宅のクマノザクラ満開  (那智勝浦町 )
2023年03月14日
71 町長賞第1~3席を選出  石垣記念館絵画展、19日まで  (太地町 )
2023年03月14日
72 演芸楽しみ交流育む  三佐木・蜂伏地区でふれあい交流会  (新宮市 )
2023年03月14日
73 「はるぽん」の収穫、最盛期  不知火を完熟させた高級ミカン  (紀宝町 )
2023年03月14日
74 21段飾り、豪華ひな人形並ぶ  「熊野街道ひなめぐり」始まる  (熊野市 )
2023年03月14日
75 お悔やみ情報
  
2023年03月11日
76 「できるだけ着ける」約6割 マスク着用、独自にアンケート 

 新型コロナウイルス感染対策の一つ「マスク着用」が13日(月)から個人の判断に委ねるとする政府の方針を受け、本紙が独自に調査した結果によると約6割の人が「できるだけ着ける」と回答した。すでに着用が習慣になっていることが主な理由として挙がった。

 アンケートは7、8日に実施。御浜町~串本町に住む20~80代の100人から回答を得た。マスクの着用は13日から屋内、屋外を問わず個人の判断に任される。調査では「できるだけ着ける」が57人で最も多く、「状況による」が38人、「できるだけ外す」は5人にとどまった。

 着用を続ける理由としては「マスクの方が落ち着く」「3年もマスク生活をしていると外すと恥ずかしい」「なるべく顔を出したくない」「マスクなしで人と接する自信がない」などの回答が目立ち、長期化するコロナ禍において、マスク着用が習慣化している人が多かった。

 また「基礎疾患がある」「感染防止のため。家族にもうつしたくない」「日本がコロナ感染者ゼロになるまで外さない」といった、基本的な感染対策として着用を続ける声も多かったが、一方で「アウトドアや運動のときは外す」「現実問題、不特定多数が出入りする場所へ行く場合以外しか外せないのでは」「当分着けるけど夏場は無理かも」などの意見もあった。

 「状況による」を選択した人からは「ひとまず花粉シーズンが終わるまでは着ける」「花粉シーズンが終わったら屋外では外す」「近しい友人と会うときは外す。コンビニなどは周囲の雰囲気や様子を見る」「屋外や友人宅など、ケース・バイ・ケースで外す」など、感染症以外の予防や周囲の様子をうかがうといった声が多かった。

 個人に加え、各業界団体でも脱マスクに向けた指針改定を急いでおり、全国的には大手のスーパーやコンビニなどでも利用客に着用を求めない方針を示している。

 なお、新宮市では政府の方針を受け、職員などのマスクの着用については個人の判断に委ねるとするが、窓口などの対応時や家庭訪問時など、高齢者や妊婦など重症化リスクの高い人と接する場面を想定し、マスク着用を推奨していく構え。また、パーティションについては、当面の間設置を継続する計画としている。

 那智勝浦町では、重症化リスクの高い人の来庁を想定し、また感染拡大防止継続の観点から、職員の勤務時間中のマスク着用を継続。パーティションの設置も続けるが、勤務時間外の着用については個々の意思に任せるとしている。

(2023年3月11日付紙面より)

2023年03月11日
77 5、6年生調理技術教わる
 橋杭小でキッズシェフ体験  (県調理師会新宮支部 )

 串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)で9日、県調理師会主催のキッズシェフ体験があり5、6年生24人が包丁の扱い方やだしの取り方と味の整え方をじかに教わるなどした。

 この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。この日は支部の新宮調理師会から平見一雄さんと平見輝行さん〈ともにたぬき屋〉、里中陽互さんと里中佑吉さん〈ともに徐福寿司〉、中畑光史さん〈葵鮨〉の5人がアジのつみれ汁の材料を準備して橋杭小へ赴いた。

 感染症予防対策の一環で、児童は全員手袋を使用。まず会員が魚のさばき方を実演紹介し、児童は6班に分かれ5人の直接指導を受けながら同じように挑戦した。

 さばいて皮を取った後はたたきにし、刻んだネギとつなぎの卵黄を加えてこねてつみれに。この調理過程で切る、たたく、時にはヘラの代わりにするなど包丁の幅広い扱い方を経験した。他方で昆布とかつお節でだしを取り、しょうゆや砂糖、塩などを加えて汁作り。味見をして足りないと感じた調味料を少しずつ加え、好みの味に近づける経験もした。

 つみれを団子の大きさで汁に入れ、最初は沈んでいたつみれが浮かんでからさらに一煮立ちさせて調理終了。試食をしてプロの技術で整えた味わいを確かめた。併せて平見さん親子からSDGsの観点でだしを取った後の昆布やかつお節をつくだ煮(通称・ごはんのお供)にして無駄にしない実演紹介もあった。

 人見茉奈さん(5年)は「魚をさばくのが難しかったけれど(会員の)教え方がとても分かりやすくて何とかできた。まだ一人で作る自信は無いけれど、家でまたやってみたい」とコメント。

 今回の体験を主導した中畑さんは「橋杭小の皆さんはじっとすることなく積極的に調理を楽しんでくれて、教える自分たちが逆に楽しませてもらえたという気分。包丁を使うなど真剣さが必要なところは真剣に教えたが、終始緊張していてもいいものは作れない。今日はこの体験の本来の目的がうまく伝わったと思う」と手応えを語った。

(2023年3月11日付紙面より)

調理師の包丁さばきを間近に見学する5、6年生=9日、串本町立橋杭小学校
直接指導を受けながらアジの三枚おろしに挑戦
2023年03月11日
78 来年は返り咲けるように
 南紀勝浦温泉が2位  (温泉総選挙2022 )

 国民参加型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙2022」でこのほど、本紙エリアの「南紀勝浦温泉(以降、同温泉)」が歴史・文化部門において2位に輝いた。昨年の1位から順位を落とすこととなったが、同温泉はこれまでも常に上位入賞を続けている。

 温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じて、さまざまな情報に触れ、各温泉地の利用促進を図ることで、地域活性化につなげることが目的。

 投票方法は「ウェブ投票」「リアル投票」「SNS投票」の3種類で、「リアル投票」と「SNS投票」は希望温泉地のみの投票方法となる。同温泉は全ての投票方法での参加となった。

 九つの部門があり、全国各地の温泉地が毎年、エントリーを行っており、今回の総投票数は19万5263票に上った。歴史・文化部門は歴史上の出来事や人物にゆかりのある温泉地や独自の文化を残している温泉地がエントリーしている。

 同温泉はこれまでに、「総選挙2018」で総務大臣賞を、「総選挙2019」では歴史・文化部門で1位、「総選挙2020」では同部門で3位、「総選挙2021」で1位を受賞している。

 エントリーの際の紹介文では、177カ所の源泉と水揚げ量日本一を誇る生マグロが楽しめる宿泊施設や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定されている熊野那智大社や那智山青岸渡寺、那智の滝など、「マグロと温泉と世界遺産のまち」をアピールした。

 南紀勝浦温泉旅館組合の清水貞吾組合長は「本年も皆さまの応援のおかげをもちまして、2位に入賞することができました。当温泉地に投票してくださいました皆さまに心より感謝申し上げます。また、来年も1位に返り咲けるよう、今後も南紀勝浦温泉の知名度向上のため、宣伝を頑張ってまいりますので、これからも南紀勝浦温泉の応援をどうぞよろしくお願いいたします」。

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)の理事長も務める清水組合長は「機構の理事長としてになるが、18日から26日まで『温泉』を盛り上げるべく、『南紀勝浦温泉・南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023』を開催します。観光のお客さまのみならず、地元の皆さまにも当温泉地の魅力を改めて実感していただく機会となればと思っております」と話していた。

  □     □

■温泉ウィーク2023



 観光機構は18日(土)~26日(日)までの間、町内の各温泉で「南紀勝浦温泉 南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023」を初開催する。和歌山県一の源泉数を誇る町内の温泉巡りが楽しめるイベントで、費用は「温泉めぐり札」の代金500円。1500個限定。

 温泉めぐり札は、JR勝浦駅前の町観光案内所や大門坂観光案内所、南紀勝浦温泉旅館組合、道の駅なちで購入できる。

 購入後は、日帰りおよび宿泊温泉施設の入浴が半額になる入浴券が3枚もらえるほか、温泉施設周遊バスが無料乗車できる。また、その他の特典もある。

 問い合わせは観光機構(電話0735・52・6153)まで。

(2023年3月11日付紙面より)

ホテル浦島大洞窟風呂 忘帰洞温泉(南紀勝浦温泉旅館組合提供)
2023年03月11日
79 クロマツ240本を植樹
 3市町で計169人が参加  (GG作戦 )

 七里御浜松林を守る協議会(会長・西田健紀宝町長)は4日、熊野市、御浜町、紀宝町の七里御浜国有林内で3年ぶりに「七里御浜防風林GG(グリーングロー)作戦」を実施。3会場で80本の抵抗性クロマツを植樹した。

 七里御浜海岸の海岸林を守ることを目的に、1993(平成5)年度から植樹、林内清掃を続けてきた。新型コロナウイルスの影響で中止が続いたが、再開した今年は熊野市18人、御浜町50人、紀宝町101人の参加があった。

 紀宝町では井田地区で開催し、町民をはじめ町議会、町商工会、道の駅「ウミガメ公園」、ウミガメ保護監視員、NPO法人環境ファースト連合会、三重くまの森林組合、紀宝みどりの少年隊、町、県、国の各関係団体も参加した。

 西田町長は「松林は地域に住む皆さんを守っている。今日は皆さんと一緒に植樹したい」、協議会副会長で七里御浜国有林を管理する三重森林管理署の石上公彦署長は「植樹した松をしっかりと守っていきたい」とあいさつ。参加者は国有林でクロマツを植樹し、発泡スチロール、ペットボトル、缶、瓶など周辺のごみも拾い集めた。

 七里御浜国有林内は3市町の海岸林に位置し、海からの強風、塩分を含んだ潮風から人々の生活、農作物を守るため、海岸防風林として重要な役目を果たしているという。

(2023年3月11日付紙面より)

クロマツの植樹に取り組む=4日、紀宝町井田
紀宝町会場のGG作戦に参加した皆さん
2023年03月11日
80 無事完走と8位入賞祝う  串本町チームが結果報告  (ジュニア駅伝 )
2023年03月11日
81 人はどう生まれるか  児童が命の大切さ学ぶ  (高田小学校 )
2023年03月11日
82 一般会計予算を可決  3月定例会3日目  (那智勝浦町 )
2023年03月11日
83 1人登壇、補正予算など承認  新宮市議会一般質問(終)  
2023年03月11日
84 身近なものにもニセモノが!  知的財産侵害物品取締強化期間  (大阪税関 )
2023年03月11日
85 さらなる周知に努める  本宮行政局にガス器具寄贈  (県エルピーガス協会 )
2023年03月11日
86 春を感じ生け花楽しむ  本年度最後の生花教室に13人  (新宮市 )
2023年03月11日
87 堀順一郎町長諸報告㊦  令和5年3月那智勝浦町定例会  
2023年03月11日
88 ようこそ熊野新聞へ  6人が新聞作りを学ぶ  (紀宝町立成川小学校 )
2023年03月11日
89 鮮やかピンク、春の訪れ  御浜町でハナモモ見頃  
2023年03月11日
90 「一緒に遊んでくれて、ありがとう」  わかば保育園でお別れ会  (那智勝浦町 )
2023年03月09日
91 「通いの場」を見える化
 社会参加促進へ、マップ発行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町役場福祉課高齢者支援係が3月、「通いの場マップ」を発行した。日常的に高齢者をはじめとする地域住民が集まって活動・交流している場を“見える化”することで社会参加を促し、生きがいづくりや仲間づくり、健康長寿の実現につなげることが狙いだ。

 「通いの場」は地域住民が主体となって月1回以上開き、介護予防に資する取り組みなどを行う場とされる。定期的に活動・交流の場を持つことで支え合いの輪を広げるとともに、認知機能低下や低栄養による衰弱を予防し、運動機能や口腔機能の向上につなげることができる活動として、近年、厚生労働省なども推進している。

 マップには、いきいきサロンをはじめ、ゆうゆう体操やいきいき百歳体操、茶話会、グラウンドゴルフ、カラオケ、ガーデニング、畑仕事、ヨガ、彫刻など多種多様な活動の場所や日時をまとめて掲載している。

 福祉課の桝本佳貴主査は「通いの場は地域の宝です。特別養護老人ホームやグループホームなど、高齢者を支える制度やサービスは整ってきているが、介護保険などの個別支援は高齢者の孤立につながることも。『介護の専門職に任せておけば大丈夫』ではなく、人と人がつながり、気にかけ合うような地域づくりが重要」と話す。

 マップは町役場福祉課や町福祉健康センターで配布している他、町のホームページでも公開している。福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)では通いの場への参加や立ち上げ、町社会福祉協議会(電話0735・52・5252)ではいきいきサロンに関する問い合わせをそれぞれ受け付けている。

(2023年3月9日付紙面より)

マップを紹介する桝本佳貴主査(左)と生活支援コーディネーターの岩本ひろ子さん
那智勝浦町発行の「通いの場マップ」
2023年03月09日
92 浅里バイパス、新規事業化決定
 三重県知事が西田町長と対話  (紀宝町 )

 一見勝之知事が県内各市町の首長らと対談する「知事と市町長の円卓対話」が7日、紀宝町で開かれた。工事が進む熊野川河口大橋、町が事業化を要望した一般県道小船紀宝線浅里バイパスの現場を視察した一見知事は「浅里バイパスは来年度から新規事業着手する。事業説明会、用地買収があり、皆さまにご協力いただきたい」と述べた。

 対話は浅里地区の飛雪の滝キャンプ場で実施し、地元住民、藤根正典県議、町議らが傍聴。西田健町長が求めたバイパス整備に応える形で新規事業化が実現した。

 地域の諸課題に対する共通認識の醸成を目指し、知事が地域に出向いて市町長らから意見を聞き、県政に役立てるもの。知事就任以降開催しており、紀宝町では初めてとなった。

 西田町長は、災害対策のためにも高規格道路が必要とし「一日も早く紀勢線が全線開通するよう整備促進を」と求めた。一見知事は高速道路早期完成の重要性を示した。

 医療費助成、給食無償化、移住新生活応援事業、固定資産税の減免、空き家バンク制度の充実など町の人口減少対策を把握した上で、さらなる支援要望を受けた一見知事は、子どもの医療費無償化、移住・Uターン促進の重要性を伝え、県の子ども支援予算の増額、移住対策コーディネーターの設置などを紹介した。

  □     □

「子育てするなら紀宝町」 ママサークルに意見聞く



 視察後、一見知事と西田町長は紀宝はぐくみの森に移動し、ママサークル「さくらんぼ」(舛屋秀美代表)のメンバー6人と対談した。

 県民から地域課題を聞く「知事と県民の円卓対話」で、15回目となった。一見知事は「今まで以上に子育て支援に力を入れ、市町を応援する。これからも子どもに優しい三重県を続けたい」と語った。

 さくらんぼは、子育ての孤立をなくし、前向きに元気にできるよう、2012年から始まり、毎月1回、イベントを開いている。舛屋さんは「親も子も楽しめる会なので、みんなが笑顔で元気になり、家庭での楽しい会話タイムができています」と活動の様子を伝えた。

 メンバーは、ファミリーサポートセンターや子育て支援センター、歯磨き指導、乳幼児健診、医療費、子育て相談など子育ての面から町の魅力を紹介。「子育てするなら紀宝町。年々、町が好きになっている」「医療費助成、ファミサポがあり、子育てしやすい」「ファミサポの存在が安心につながっている」などと語った上で、延長保育、遊具の設置、公園整備などを要望した。

 西田町長は「16年前、子育て支援センターとファミサポを公約に掲げた。『子育てするなら紀宝町』と言っていただき、うれしく思う。皆さんのご意見を子育て支援の参考にしたい」と話した。

(2023年3月9日付紙面より)

工事が進む熊野川河口大橋を視察する一見勝之知事(右)=7日、紀宝町鵜殿
円卓対話に参加したママサークル「さくらんぼ」と一見知事、西田健町長=紀宝町のはぐくみの森
2023年03月09日
93 戦禍の子どもの思い聞く
 中央公民館で人権講演会  (古座川町 )

 令和4年度古座川町人権講演会が4日に中央公民館であり、約100人が聴講して人権意識を高める一助とした。

 この講演会は町と町教育委員会と町人権尊重推進委員会が主催、町教育会と町連合PTAが共催。新型コロナウイルスの情勢により4年ぶりの実施となった今回は、戦場カメラマンとして30年来活動するフォトジャーナリスト・渡部陽一さんを講師に迎える内容を手話通訳付きで準備し、定員120人で事前申し込みを受け付けた。

 当日は主催者を代表して中道悟教育長が「戦争は人権侵害の最たるもの。今まさにウクライナでも戦争が行われていて、教育委員会として何かできることはないかと考え昨年12月のおとなのためのピアノ教室発表会をウクライナ支援チャリティーコンサートとして開かせていただいた。世界中にはまだまだ戦争があり、今日はその現実のお話を頂き平和や人権を振り返って考えるきっかけにしていただければ」と述べて参加を歓迎した。渡部さんは「戦場からのメッセージをあなたに~ファインダー越しにみた命の現場~」と題して登壇し、戦場カメラマンとなった経緯や30年来撮影を続けて伝えようとしている事柄を紹介。戦渦に巻き込まれて将来のために学ぶ機会を失い、その境遇に悲しみ泣く子どもたちが世界のどこかに常にいることを写真で知らせ続けるのが自身の活動だと伝えて、その現実や当事者である子どもたちの思いを訴えかけた。

 ウクライナ戦争の経緯も戦場カメラマンとしての目線で解説し、数々の戦場を見てきた自分は現状でこの戦争は終結しない(長期化する)と直感していると主張。戦争の終結に結び付く世界の大きな動きが生まれることを願いつつ、自身は今後も戦禍に直面する子どもたちがいることを伝え続ける意思を掲げた。時間が許す限り質問にも答えて理解を後押しした。

(2023年3月9日付紙面より)

戦禍で将来を奪われる子どもたちの存在を伝え託す渡部陽一さん=4日、古座川町中央公民館
渡部さんが伝える子どもたちの思いを真摯(しんし)に受け止める聴講者
2023年03月09日
94 一遍ゆかりの地で神仏に奉告 他阿一浄上人就任奉告法要 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)と同大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)で6日、「時宗総本山・藤澤山無量光院清浄光寺(神奈川県藤沢市、通称「遊行寺」)、他阿一浄上人就任奉告法要」が営まれた。大社や同寺の関係者ら約50人が参列。法主に就任した遊行七十五代他阿一浄上人が、本殿や一遍上人名号碑前で登位および法灯相続を奉告した。

 鎌倉時代中期から室町時代にかけて日本全土に広まった浄土系仏教・時宗の開祖・一遍上人(1239~89年)。同大社には、布教の在り方について苦悩した智真(後の一遍上人)が同大社証誠殿の御前で祈り続け、悟りを開いた逸話が残っている。

 大斎原には、1971年に熊野権現の霊告を受け、独一念仏を開顕した開眼供養の碑「一遍上人神勅名号碑」が建立され、1289年8月23日に入寂した一遍をしのび毎月23日に一遍上人月例祭が斎行されている。

 他阿は1278年、一遍に師事して以来、一遍の諸国遊行に従い、一遍が亡くなった後にいったん解散した時衆を再結成して集団組織化し、遊行を続けた。1304年に遊行を3世の量阿に譲り、相模国に草庵(後の当麻道場金光院無量光寺)を建立して独住し、83歳で示寂。一遍と並び「二祖上人」と通称されている。

 遊行四代呑海上人の開山以来、遊行上人が住まう寺として「遊行寺」の名で親しまれている清浄光寺。他阿一浄上人は、遊行七十四代他阿真円上人の遷化に伴い、昨年1月6日に登位。同大社本殿前において仏国祭、大斎原において法楽が執り行われた。祭事後には賦算が行われ、一浄上人が参列者らに念仏札を配った。

 九鬼宮司は、一遍上人を通した時宗と同大社との縁について話し「熊野は神仏が一体となって世界の平和を祈る場所。今日は他阿一浄上人の姿を目に焼き付けていただき、熊野が神仏一体に、心を一つにして平和・平穏を祈る場所であることを改めて感じていただければ」。

 一浄上人は「このような儀を執り行っていただけたことは感激の極み」と参列者らに感謝を伝え「同大社でお参りをしながら、熊野のこの地であったからこそ、そのご神勅にありつけたのだろうと改めて感銘した。皆さまのご加護がなければ到底務まる職ではないが、この世の中が平穏であることを一心に願いながら自分の誠をささげてまいりたい」と思いを語った。

(2023年3月9日付紙面より)

本殿前の仏国祭に参列した皆さん。前列中央が他阿一浄上人と九鬼家隆宮司=6日、熊野本宮大社
一遍上人名号碑前で行われた法楽の様子=同日、大斎原
2023年03月09日
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