新宮市は21日から24日まで、東京都の東京ビッグサイトで開催された世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」の和歌山県ブースに参加した。観光関係者や一般客に熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の世界遺産三社参りや熊野川川舟下り、レンタサイクルでの周遊などをPRした。
日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局の共催イベント。今年4回目で、4日間の来場者は過去最高の19万1500人だった。
21日は旅行会社やメディアとの商談会、22日は業界やプレス向けの展示会と訪日商談会、23、24の両日は一般来場者向けの展示会だった。
新宮市は商談会で旅行関係者やメディアなどにツアーの造成や観光素材を提案。国内外の人に市に興味を持ってもらうため、テレビ、雑誌、ネット関係者とも商談した。
展示会では旅行相談や観光パンフレットを紹介。23日にはステージ上で、クイズ形式で新宮市をPRしたほか、熊野三山観光協会としての出展もあった。会場では仲氷店がユズ、ウメ、スイカのかき氷を振る舞い、新宮出身者など大勢の人が集まった。
(2017年9月29日付紙面より)
高齢ドライバー対象に教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智勝浦自動車教習所で27日、参加体験型の交通安全教室「第3回シニアドライバーズコンテスト」が開かれた。交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会、県交通安全協会串本支部、串本警察署が昨年9月から、春と秋の全国交通安全運動に合わせて開催している。
近年、高齢者が関係する交通事故の割合が増加していることから、加齢と共に低下する身体機能や運転能力について、高齢運転者に自身の状況を正しく認識してもらうことや交通ルールを再確認する機会にしてもらうのが目的。
串本町と古座川町から3人1組で2チームずつ、合計12人が出場し、交通ルールに関する30問の問題を解く学科部門と、指定されたコースを交通ルールに従って走行し、同乗の警察官が採点する実技部門の合計点数を競った。
同署交通課の東谷潤課長は今年管轄内で発生した交通事故の約4割に高齢者が関わっており、その内約7割が乗車中の事故であると参加者に説明。同連合会の東照久会長は「身体機能や運転能力など、今持っているものを自覚して、今後の交通安全に役立ててほしい」とあいさつした。
採点の合間には目と足を使って動作の俊敏性を測定する機器の体験や、高齢者が主人公のストーリー仕立ての交通安全DVDの視聴も行われた。
(2017年9月29日付紙面より)
光洋中2年生が日本舞踊学ぶ (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長)の2年生60人は26、28の両日、総合的な学習の授業で日本舞踊を学んだ。若柳社中の8人を講師に迎え、生徒らは扇子を手に『もみじ』を踊った。
生徒らは浴衣に着替え、指導を受けながら一つ一つの動きをまねていった。2日目の28日には音楽に合わせて上手に踊れるようになり、講師の若柳吉左衛門師匠のアドバイスを受けながら熱心に練習に励んでいた。
水本七夕(なゆ)さん(14)は「足の動かし方が難しかったです。扇子の回し方も。でも、踊り方が分かるようになり良かったです。初めてでしたが、このような経験ができて良かったです」。
中島尚俊君(13)は「難しかったですが楽しかったです。扇子の動かし方や足の運び方などが難しかった。礼儀なども学べて良かったです」と感想。
若柳師匠は「今年は日本調の落ち着いた曲を選びました。生徒たちを見ていると日本の落ち着いた心が表れているようで感心しました。2日間で日本の良さに少しでも触れ、このときしか味わえないしきたりや作法、所作を少しでも忘れずにいてくれれば」と話していた。
授業は日本の伝統文化に親しんでもらおうと毎年実施しており、1年生は着装とマナー、3年生は茶道に取り組んでいる。
(2017年9月29日付紙面より)
潮岬中教諭が潮岬小で授業 (串本町 )
串本町立潮岬小学校(濵正和校長)で26日、同町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の教諭による出前授業が行われた。5、6年生41人が英語科教諭の授業を受け、将来取り組むことになる英語学習の雰囲気に一足早く親しんだ。
両校間で小中連携の在り方を話し合う中から始まった新たな試み。児童に中学校の雰囲気を伝えて進学への期待感や意欲を高めることを狙いとし、今回は児童の外国語活動の成果を生かして英語科の授業を体験する形で実現を目指してきた。
潮岬中からは英語科の貴志円香教諭(24)が潮岬小へ赴き、潮岬小からは5年生と6年生の2クラスが出前授業に参加した。5年生のクラスでは、アルファベット26文字とその発音を歌やカードを使って紹介し、児童はカード2組を使った神経衰弱に挑戦しながら発音を反復練習。26文字のアルファベットを頭文字にする単語カードを使ったかるた様のミニゲームに挑戦し、関心の幅を広げる感覚も経験した。
6年生のクラスでは町内の主な建造物などの位置関係を確かめ、道案内する時に使える英語を紹介。対象が児童ということで、いずれも小学校の外国語活動と中学校の英語学習の中間的な内容で進められた。
貴志教諭は「英語に苦手意識を持たず、楽しんで言葉として使ってもらえるようにしたいなあと思ってこの授業を計画した」とコメント。初の出前授業を濵校長と共に見守った藤本校長は「児童もやがては生徒になり、英語の授業を受けることになる。この出前授業はその先取り体験。参加した5、6年生が中学校の授業に期待を膨らませて進学する一助になれば」と成果を期待した。
両校は小中連携の一環で、すでに潮岬幼や潮岬地区自主防災会と共に合同津波避難訓練に取り組んでいる。出前授業の今後の実施は未定だが、小中間で難度差がある主要教科ではなく児童がストレスなく楽しく親しめる音楽や美術といった教科での実施を模索している。違った角度からの同様のアプローチとして、10月4日(水)に同校吹奏楽部が潮岬小へ出前公演に赴きクラブ活動の雰囲気を伝えるといった連携も計画している。
(2017年9月29日付紙面より)
見学会に地域住民ら300人 (新宮市 )
新宮市が津波一次避難所として整備した宮井戸津波避難場所(同市蓬莱)が24日から供用開始された。完成を祝うテープカットなどの式典と見学会には地域住民ら約300人が出席。田岡実千年市長は「私ども行政は一人の犠牲者も出さないという覚悟のもと、災害から市民の生命財産を守る最大限の努力をより一層していかなければなりません」と来場者たちに協力を呼び掛けた。
旧王子製紙跡地に造成した避難場所は、高さ6㍍、縦80㍍、横60㍍の楕円(だえん)形。上部の面積は630平方㍍あり、1260人が避難できる。同地は南海トラフ巨大地震の浸水深が0・5~1㍍と予想されている。地盤は海抜7㍍で、築山上は海抜13㍍。
紀伊半島大水害後に国が熊野川河口部で実施した掘削工事で採取した砂利1万2000立方㍍を使用。表面に土をかぶせ芝を張っている。幅3㍍の階段とスロープを各2カ所、ソーラー式避難誘導灯を14基設置。事業費は市7500万円、国4500万円の計1億2000万円。
式典では名称の公募で86人の中から選ばれた津越宏之さん、彦前広男さん、矢野和子さんの3人に田岡市長が記念品を贈呈。来賓の濱口太史県議は「避難場所の完成は大変心強く、安心につながる。地域の皆さんは普段からここへ来る習慣を身に付け、助け合いながら一人一人の命を大切にしてもらいたい」と祝辞。彦前さん(68)=同市熊野地=は「思った以上に立派な避難場所ができて良かった。安心です」と話していた。
(2017年9月26日付紙面より)
那智山地区火災防ぎょ訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(阪本幸男消防長)と同町消防団(貝岐昌志団長)は24日、「消防本部および消防団合同那智山地区火災防ぎょ訓練」を実施した。那智山青岸渡寺にある竹林での火災を想定し、防火水槽の有効利用と無線による連携強化を図った。
昨年に続き、2回目の訓練で、無線を使った指揮命令系統と情報共有による連携強化を目的に行っている。
青岸渡寺の近くに備えられた自然水貯水型の防火水槽は200㌧の貯水が可能で、那智山各所の消火栓などとつながっている。水は無くなり次第、那智の滝の滝つぼ付近にある水源から可搬式ポンプやポンプ車などを用いてくみ上げる仕組みになっており、これらの活用方法を身に付ける狙いもある。
今回は青岸渡寺に向かう防災道路沿いの竹林からの出火、延焼を午後3時ごろに覚知し、風によって激しく燃えている状況を想定した。
訓練には消防本部(署)と消防団第1~第4分団計38人が参加した。団員は所定の位置に散開して那智山にホースを張り巡らせ、無線で火災や部隊配置の状況などを確認しながら消火活動に従事した。
訓練後、阪本消防長は「無線の統制による部隊の強化も達成できた」と講評した。
貝岐団長は「無線による統制がとても難しく、指揮本部にいると三つの音声が流れてきて、統制が取りづらい。訓練を重ねて、しっかり指揮できるようにしたい」と改善点を述べた。
(2017年9月26日付紙面より)
JR新宮駅に魚のアートが登場 (紀の国トレイナート )
JRきのくに線の駅舎を舞台に展開するアートプロジェクト「紀の国トレイナート」(同実行委員会主催・10月1~29日)の作家制作、作品展示が進んでいる。9月22~24日にはJR新宮駅で大阪府岸和田市在住のデザイナー、河合進さん(34)の作品「水平線から尾をふって」の設置があった。河合さんは「見る人に楽しんでもらえれば」と話している。
紀の国トレイナートはきのくに線の駅舎にさまざまなジャンルのアーティストが作品を展開し楽しむイベント。地域の人々とアーティストが共に生み出した作品を鉄道がつなぎ、交流を深め、全国世界から人々を引きつけ多種多様なネットワークがつながる場となることを目指している。
JR新宮駅はきのくに線の終着駅。河合さんは旅をする人にとっての玄関となる場所で、温かな歓送迎ができる作品を目指した。和歌山県にちなむクジラやマグロ、タチウオなどのさまざまな魚をモチーフに、魚が尾ひれを振る姿と手を振るイメージを重ねている。
魚は木製、尾ひれはプラスチック製でアルミのポールに取り付けられている。コンクリートでできた土台を地面に埋めて設置した。作品の高さは約60㌢から160㌢で、計18種類。魚の部分は取り外しでき、尾ひれの部分を使ってしゃぼん玉を作ることで、水中を進む姿を感じさせる。しゃぼん玉ワークショップの実施は期間中、アート列車に合わせて2回程度を予定している。
トレイナートへの参加は初めての河合さんは、大阪府の建材メーカーに勤めプロダクトデザインを行いながら作品を制作している。新宮市を訪れるのはこの機会が初めてで「古い雰囲気のある建物も残っており、文化的な町の印象」と語り、作品について「しゃぼん玉を作れる形状にしつつ魚らしく見られるようにするのが苦労しました」と話していた。
(2017年9月26日付紙面より)
三輪崎で潮風まつり
三輪崎漁業協同組合主催の「第28回潮風まつり」が24日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港周辺であった。毎年恒例の人気コーナー、ヒオウギガイ(檜扇貝)拾いは、磯にまかれた1万4000個が約10分でなくなった=写真。
親しみやすく住みよい漁港、漁村づくりを目指す活動の一環として毎年開催されているイベント。今年は昨年と同じ約1500人(主催者発表)が来場した。
貝拾いの参加者たちは、バケツやビニール袋を手に会場となった孔島周辺の磯に集合。スタートの合図とともに貝のある場所に殺到した。小学生3年生以下の貝拾い場所は別に設けられた。
漁協市場では海産物の朝市もあり盛況だった。海野義尊組合長は「心配していたケガもなく大勢の人に楽しんでもらえて良かった」。初めて参加した東心音君(7)=那智勝浦町立宇久井小学校1年=は「面白かった。また来たい」と話していた。
(2017年9月26日付紙面より)
秋季近畿地区高校野球県一次予選
全国高校サッカー選手権和歌山大会
城南中で千羽鶴受け渡し式 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(速水盛康校長、生徒181人)で11日、千羽鶴受け渡し式があった。各クラスが平和のメッセージを発表し、修学旅行で東京都の第五福竜丸展示館などを訪れる2年生に鶴を託した。
生徒らは授業や空き時間を使い、夏休み2週間前から一人5、6羽ずつ鶴を折った。平和学習の一環で、同校の思いを伝えようと取り組んだ。同校2年生60人は6月、修学旅行の事前学習としてビキニ環礁近くでアメリカの水爆実験により被ばくした第五福竜丸についての授業を受けている。
式は生熊友輝君(3年)のピアノに合わせた校歌斉唱で始まった。各クラスの代表が「世界中から核兵器と戦争がなくなってほしい。今ある平和を大切にしていきたい」「世界中のみんなが笑顔で平和に暮らせますように」「平和が人を作る。人が平和を作る」「他国と仲良くして幸せが続きますように」などと平和のメッセージを読み上げながら、折った鶴を2年生の代表者に手渡した。
クラス委員長の傳田未咲さん(2年)は「国や言葉や文化が違っても世界中のみんなが真の平和を目指し、心を一つにして仲のいい世界になってほしい。世界から戦争という言葉をなくし、これからの世界を優しさや笑顔であふれる世の中にしていきたい。未来をもっと平和にするため、この気持ちを語り継いでいく」と誓った。
クラス委員長会を担当する講師の桃原彪吾さんは「これまでは生徒会が主催しており、クラス委員長会としては初めて。学校全体に2年生の平和学習の思いが伝わったと思います。昨年修学旅行に行った今の3年生はもう一度考える機会に、1年生は自分たちが修学旅行に行くときの手本にしていってほしい」と話していた。
(2017年9月13日付紙面より)
八青会、6年の貢献に感謝状 (那智勝浦町 )
住民のさまざまな悩み相談を受けている大阪府の司法団体「八青会」に対し那智勝浦町は10日、地域への貢献をたたえ、感謝状を贈った。同会と全国B型肝炎訴訟大阪弁護団28人は前日から同町役場で「法律なんでも相談会」を開いていた。寺本眞一町長は松尾由香会長(行政書士)に感謝状を手渡し、引き続きの協力を求めた。
弁護士、税理士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などの若手国家資格者からなる同会は、専門家の少ない地域を巡回しており、那智勝浦町では6年前から相談会を実施。毎年30人以上が相談に訪れている。内容は、金銭、税金、相続、土地、職場での悩み、家庭の悩みなど。
寺本町長は「紀州南端には法律の専門家が少ない。身近で顔を合わせて信頼関係を結び、専門家とのつながりができることは財産になる」と感謝し、同会の西田敦さん(弁護士)は「相談者が満足するまで、こちらから対話を終わらせることはない。ニーズが継続しているということは意義がある事業の証し。われわれも勉強になる。こちらこそ感謝します」と述べた。
松尾会長は「毎年の決まった開催は那智勝浦町だけ。大変な水害があったので、災害にまつわる相談も多い。来場者も年々増えており、求められているという実感がある」と話していた。
(2017年9月13日付紙面より)
救急車見学やミニ講習も (串本町消防本部 )
串本町消防本部(北地稔消防長)は9日、同町串本にあるAコープ紀南VASEO店で往来する住民に救急車の適正利用を呼び掛けるなどした。
救急医療週間(3~9日)関係行事の一環。この日は同週間の基軸「救急の日(9月9日)」にも当たり、本年度も職員発起でイベント(通称・救急フェア)を計画して啓発に取り組んだ。
本年度は北地消防長をはじめとする職員10人が2時間にわたって活動。ティッシュや風船、手作りのチラシといった啓発物資を配り、関心を引くために県道沿いに横断幕を掲げ高規格救急自動車の展示やミニ救命講習会も開いた。一日救急隊長として日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」も登場し、小さな子どもがいる家族連れを誘って救急医療への関心を促した。
同本部における今年1~8月の救急出動件数は964件、8月は89件。啓発は救急車以外の手段でも医療機関に行けるのに安易に救急車を利用してしまうケースを抑えるのが狙いで、同チラシは適切でない利用(タクシー代わり、待ち時間なく診てもらえる、どの病院に行けばいいか分からないといった理由)と、どういう時に119番通報すればよいかを伝える内容となっている。
制作した小山知佳消防士は「本当に救急車を必要とする人が使えない状況にならないよう、皆さんに限りある救急車の適正な利用をお願いしたい」と話した。
(2017年9月13日付紙面より)
那智勝浦町立勝浦小学校(上浦一剛校長)の3年生43人が8日、太田地区の畑でナスの収穫と出荷作業の体験をした。同地区では、農家が「太田のナス組合」を作っており、この日は同町南大居の杉浦圃場(ほじょう=農地)で行った。
小学生の体験学習として、収穫から出荷まで生徒らが作業し、収穫したナスは新宮中央青果市場や同町小売店などで販売する。協力関係機関は、新宮周辺地場産青果物対策協議会、東牟婁振興局農業振興課、JAみくまの、太田のナス組合、新宮中央青果株式会社。
子どもたちは1クラスずつ畑の中に入り「できるだけ傷のない大きさのそろったのを採ってください」の声に、はさみを手にナスを探した。一人5個を収穫し、3個を袋詰め。袋の中には各自のメッセージを書いた紙を入れ、残りの2個を持ち帰った。
振興局農業水産振興課主査の村畑恵一さんは「今年は台風も少なかったので、傷まず順調に育ちました」と話していた。12日は、宇久井小学校の3年生21人が、松本圃場で学習した。
太田のナスは平成9年に太田地内を中心としたグループが栽培を開始。同19年7月に生産者全員がエコファーマーに認定された。
(2017年9月13日付紙面より)
那智勝浦町総体スポ少バレーボール
道の駅オープン記念に (太地町 )
太地町の一刀彫り名人として知られた故・戸間力也さんの「くじら工房力也」を引き継ぐ同町の会社員、掛橋寿徳さん(52)はこのほど、道の駅たいじにクスノキ製のザトウクジラの置物を寄贈した。
置物は施設付近にあるザトウクジラのモニュメントに合わせて2体。大きなクジラは約75センチ、小さなクジラは約60センチで、いずれも掛橋さんの師で伯父の戸間さんが生前に制作した作品。町の玄関口でもある道の駅のオープンを記念し、戸間さんの長男・圭哉さんの意思もあって寄贈した。掛橋さんは「県外から来た人に見てもらって喜んでいただけたら」と話した。
道の駅を管理する太地漁業協同組合の貝良文参事は「道の駅たいじのコンセプトはクジラなので、見事なクジラの木彫りをいただけるのはうれしい。駅舎の雰囲気にもピッタリ」と喜んでいた。置物は、駅舎内にあるレストランのカウンター内に置かれている。
(2017年9月9日付紙面より)
美容業生活衛生同業組合新宮支部 (熊野速玉大社 )
和歌山県美容業生活衛生同業組合新宮支部(丹内たき子支部長、55店舗)は4日、新宮市の熊野速玉大社で毎年恒例の「櫛(くし)供養」を営んだ。20年以上続いており、組合員有志の9人が、傷んだくしに感謝を込めて供養した。
同支部は新宮市から那智勝浦町、太地町までの会員で組織している。例年「くしの日」の9月4日(同日が営業日の場合は直近の定休日)に実施。欠けたり折れたりして使えなくなったくし5本を神前に供え、玉串をささげた。
同市下田で「ビューティーサロン木曜日」を営む丹内支部長は「くしへの感謝はもちろん、皆さんの健康と商売繁盛を祈って供養しました。私たちはくし1本で生活できるので、仕事に誇りを持って取り組んでいければ」と話した。
(2017年9月9日付紙面より)
紀の国トレイナート2017のワークショップが6、7の両日、県立串本古座高校古座校舎(愛須貴志校長、東啓史教頭)であり2、3年生69人がJR古座駅の駅舎アート担当作家・日笠保さんとの共同制作に励んだ。
日笠さんは愛知県愛西市在住の現代美術家。暮らしに身近な素材を材料にし、子どもなど地域住民と一体になって作品を仕上げるスタイルを持ち味にして十数年来活動している。
同トレイナートには前年度に初参加。太地駅の駅舎アートを担当し、太地小児童を対象にしたワークショップを開いて弁当でおなじみのたれびんに色水を入れて並べた作品「水面―みなも―」を仕上げた。
2年目となる今回は古座駅を担当することになり、JRきのくに線の前に広がる海の美しさや古座川のきらめきをストローで表現する作品「波間」の制作を構想。最寄りの同校舎にワークショップ参加を求めて2日間の制作協力を得るに至った。
ワークショップは両日とも3、4時間目にあり、2、3年生は小グループに分かれて流木や額装を太さや長さ、色合いや形状ともにさまざまなストローで飾った小作品を次々に制作して、駅舎を飾る材料として日笠さんに託した。
日笠さんはあらかじめ作品のイメージを伝え、どのような材料を仕上げるかは生徒に一任。グループ名「アビリッジハイト(=平均身長)」を掲げ、長さ約1㍍の細い流木を使ってJRきのくに線沿線の街並み再現に挑戦した宮下歌奏(うてな)さん(2年)は「みんなで住んでいるところの好きなものをストローで表現して大作にした。駅がとても華やかになると思うので、『あぁ、きれいだなー』と思ってもらえたらうれしい」と話した。
日笠さんは7日午後から駅舎アート制作を開始。同トレイナートのイベント期間は10月1日(日)からだが、滞在の都合上8日までに仕上げて9日(土)には鑑賞できる状態にするという。
今回の協働について日笠さんは「表現につながる体験を通して生徒皆さんの表現の幅が身近なところで広がればと思うし、自分もいろいろな表現に出合えて刺激になった」とコメント。「作品は地元の駅に飾られ、皆さんに見てもらえる。そのような地域活性化があるというところにも興味を持ってくれたら」と生徒の今後を期待した。
(2017年9月9日付紙面より)