新宮市で初の合同企業説明会 (和歌山県 )
和歌山県は26日、新宮市野田の市福祉センターで「和歌山県就活サイクルプロジェクト合同企業説明会」を開催した。同市では初めてで、熊野地方をはじめとする22社が参加。県内で就職を希望する人らがブースを回り、各企業の説明を受けるなどした。
県では結婚や出産などで離職した女性や定年退職した人、都会で働くUターン希望者などに県内で再び働いてもらおうと2月を就活強化月間として4月の就職を目指すサイクルを推進している。2017(平成29)年には県再就職支援センターを開設し、転職や再就職、ワーク・ライフ・バランスなどの相談、適職診断、情報の提供と発信などをしている。
同説明会は昨年度から県内で開催しており、31人の就職につながっている。今回は和歌山、橋本、田辺、新宮の4市で実施した。個別面談方式の企業面談ブース、適職診断、キャリアコンサルタントによる再就職相談コーナー、就活・保活相談コーナーが設けられ、受け付けを済ませた来場者らは興味のある事業所のブースで話を聞くなどしていた。
県商工観光労働部商工労働政策局労働政策課の担当者は「県内の事業所も人手不足と聞いています。再就職する人が活躍していただければうれしい」と話していた。説明会は来年度以降も実施していく予定となっている。
(2019年2月28日付紙面より)
世界遺産登録15周年御朱印も (熊野那智大社 )
「創建1700年記念境内施設整備事業」による工事が続く那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で、このほど拝殿足場のメッシュシートが外された。3月末ごろには、足場も撤去され、4月19日(金)に竣工(しゅんこう)式が営まれる。
同事業は平成29年11月に始まった。前回の拝殿屋根のふき替えは昭和30年ごろ。緑青色の屋根の銅板が、新鮮な輝きを見せている。拝殿の工事完了後は、鳥居や宝物殿などの境内にある建物の塗装工事に入る。
同大社と別宮「飛瀧(ひろう)神社」では、世界遺産登録15周年を記念して特別御朱印を授与している。授与期間は12月31日(火)まで。初穂料はいずれも500円。問い合わせは同大社まで。
(2019年2月28日付紙面より)
三尾川小クマノザクラ学習 (古座川町 )
古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(濵地久夫校長、児童9人)が26日、町内在住の樹木医・矢倉寛之さんを外部講師として迎え、クマノザクラの学習会に取り組んだ。
このサクラは昨年3月、森林研究・整備機構森林総合研究所=茨城県つくば市=による論文提出により国内では約100年ぶりの新種と判断され、その標本木が同町池野山にあることで町の花にもなった野生種。この学習会は、同町にも複数自生するクマノザクラを観察しその価値を考える機会として取り入れる学校が増えていて、同校は高池小に続いて2例目の実施となる。
矢倉さんは神奈川県横浜市から同町へ移住した樹木医で、クマノザクラなど町内の植物の研究にも熱心。三尾川八幡神社前で合流した児童教職員は▽ソメイヨシノ▽オオシマザクラ系(総称・サトザクラ)▽ヤマザクラ―の冬芽をじっくりと観察し、同じサクラでも見分けるポイントとなる特色(他のサクラとの違い)があることを確かめ、さらに中村橋先の谷あいにあるクマノザクラを訪ねて冬芽を見比べて、町内のいろいろなサクラへの興味を高めた。
矢倉さんはカワヅザクラなど観賞用に植えられているサクラを除き、町内では冬芽を観察した4種類のサクラが多いと紹介。まもなく咲くクマノザクラの花の写真(花びらの枚数が5、6、7枚の写真)を見せ、野生種のクマノザクラにはいろいろな個性があることなども伝えた。
矢倉さんは移住者として感じている古座川町の植生の特色を『都会になくて古座川にあるもの』という観点で複数例に挙げ、「(この日教わった)見分け方は忘れてもいいけれど古座川町はすごいということを忘れず、今のうちに町のいいものや好きなものをたくさん見つけて、会う人や町に来る人に自慢してほしい。それがクマノザクラを守ることにつながる」といったメッセージも託した。
児童は学習会に参加した感想を織り交ぜながら▽枝垂桜はどんなサクラか▽サクラは病気にかかりやすいのか―などを質問し、矢倉さんもその一つ一つに回答。児童を代表して片桐悠哉君(5年)は「古座川町にはいろんなサクラがあることや見分け方が分かった。今度は自分でサクラを観察してみたいと思った」と感想を述べて矢倉さんに感謝した。
(2019年2月28日付紙面より)
訪日外国人対応セミナー (新宮市 )
日本政策金融公庫和歌山支店と田辺支店は26日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で「インバウンド対応セミナーin新宮」を開催した。講演と支援策説明の2部制で行われ、新宮市内をはじめ県内の来場者らが訪日外国人への対応について理解を深めた。
第1部では日本政策金融公庫総合研修所研究主幹の竹内英二さんが「これからが本番~インバウンド4000万人時代へ~」の演題で基調講演をした。竹内さんはインバウンドの増加は世界的な現象であるとし、アジア・太平洋の伸び率が高いと話した。目的の約半分は観光、次いで海外にいる友人や親戚を訪問、医療、宗教の理由も多いと述べ、訪れる人数と経済効果は必ずしも比例しないことなどを解説。
日本へのインバウンドの9割はアジアで、市場は中国がリードしていると話した。訪日旅行は日本体験型へ変化しており、「日本だから行く」という人が増えることで地方にもチャンスがあるとした。普段の生活、風景、仕事など現在あるものが商品になることを国内の事例を挙げて紹介した。
課題として、観光ルート開発など広域で連携した取り組みと行政の力が必要になること、地域ならではの商品や遊びの開発、富裕層へのアピールなどを挙げ「インバウンド振興は地域の経済をよくするために行うので、お金をもうけることも大切。また、日本の地域の文化や歴史を理解してもらうには語学力も必要になる」と呼び掛けた。
過度の観光地化を防ぐこと、日本らしさの維持、日本人の集客も重要になるとし「1年や2年で解決できる話ではなく、長い目で考えていくことが大切」と締めくくった。
続いて東京観光経営コンサルティング事務所の井上朋子代表が「訪日外国人集客力アップに必要なこと」をテーマに話した他、第2部では県商工観光労働部観光局観光交流課の武田啓義さんが県の支援策を説明した。
日本政策金融公庫の須藤健文・田辺支店長は「インバウンドは地方活性化につながる大きなテーマ。国際的なイベントが(日本で)続くが、インバウンドの効果を最大化するためには開催地だけでなく、和歌山県内にもどんどん呼んでいただき、それぞれの地域で活性化につなげていただければ」とあいさつした。
(2019年2月28日付紙面より)
新宮弓友会主催の2月月例射会
2位三輪崎、3位串本と県大会出場へ (県下小学生バレー新人大会東牟婁予選 )
天皇陛下御即位三十年
政府が24日に開いた記念式典(東京・国立劇場)に合わせ同日、熊野三山では「天皇陛下御即位三十年奉祝奉告祭」が営まれた。
那智勝浦町の熊野那智大社では、男成洋三宮司が祝詞を読み上げ、みこが神楽「浦安の舞」を奉納。東川智昭東牟婁振興局長、堀順一郎町長、同大社の責任役員ら21人が参列し、平成最後となる節目を祝った。
神事後、参列者が集まり茶会が開かれた。会場には昨年12月にあった誕生日会見の陛下の言葉がつづられた冊子が用意された。男成宮司は、30年間の国民を結ぶ象徴としての陛下の公務を振り返り、「戦争のない世界、平和を願い、常に国民の幸せを祈りながら心を寄せられていた。およそ200年ぶりの生前譲位にあたり、国民として心に染みるお言葉だった」と思いを話した。同大社には国造りの大己貴命(おおなむちのみこと)が祭られていることなどから、「建国と皇室の歴史に連なるもの。これからも、世界に誇る麗しい国柄を守り伝えていくことが大事だと思っています」と結んだ。
同大社では26日まで、30年を祝う記帳所を拝殿の参拝所横に設けている。記帳は、同大社から神社庁を通して宮内庁へ届けられる。
(2019年2月26日付紙面より)
三佐木蜂伏で一斉防災訓練 (新宮市 )
新宮市の三輪崎、佐野、木ノ川、蜂伏の4地区は24日、一斉防災訓練を実施した。午前9時に訓練の放送が流れると、各地区の住民らは一斉に高台に避難した。避難後は各区でそれぞれ訓練などがあり、防災意識を高めた。
隣接し合う四つの地域が合同で訓練をすることで地域一帯に防災行政無線の放送ができることから始まり6回目。
災害に強いまちづくりを推進するため、三佐木・蜂伏自主防災連絡会と市が連携して地域の防災体制の充実強化と住民の防災意識の高揚を目的にしている。
佐野区では放送が流れると地域住民らが新宮市民運動競技場や佐野会館へ避難した。その後区の代議員らが防災倉庫の中身を確認し、発電機やチェーンソーなどの点検と使用訓練などに取り組んだ。
佐野区の前田道春区長は「区では『自分の命は自分で守る』ということを念頭に置き、意識付けを図っている。自身の意識改革をしてほしい。行政や区に頼るのではなくまずは自分で判断し、高齢や寝たきりの人もいると思うが、家族や身内が参加し、覚えて、地震が起こったらどうするかを日頃から考えてほしい」。
同区の松﨑美知男委員長は「役員もなれている人もいれば初めての人もいる。日頃からの訓練が大切ですね」。
市防災対策課の山本茂博課長は「日本中いつどこで発生するか分からない地震への備えが大切。市でも出前講座や家具の固定、非常持ち出し袋の見直しの呼び掛け、耐震診断補助制度などをしています。4地区合同の訓練は住民の意識も高く今後も続けてほしい。実践的な訓練で意義がある」と話していた。
(2019年2月26日付紙面より)
天満天神社で春の例大祭 (那智勝浦町 )
学問の神様・菅原道真を主神として古くからあつい信仰を集める那智勝浦町天満の天神社(髙橋正樹宮司)で春の例大祭が23日宵宮、24日本宮の日程で営まれた。
23日の宵宮では天満交友会(津守克哉会長)が本殿前で獅子舞を奉納。射子(いご)連中が天神社祭礼に伝わる「そもそも」と「大文字」を舞った後、ふんどし姿で天満海岸へ疾走した。
翌日は、例大祭式典に引き続いて、祭典委員会の楠本實委員長が先導する行列が区内を巡った。的場式場でのお弓神事では、統侍郎(とうじろう)の津本芳光さんが大的の中心を矢で射抜いて鬼の邪気を払い、射太郎頭(いざらがしら)の森谷正直(まさなお)さんら6人が、小笠原流と伝えられる古式弓法で次々に矢を放った。的の中心に命中すると交友会が射手の家族を胴上げで祝った。餅投げでは的場に多くの住民らが詰め掛けにぎわった。
お弓神事を曽祖母の越水良子さん(81)と見物した森倉美優ちゃん(3)は「お餅を拾うのが楽しみ」とにっこり。越水さんは「毎年見に来ています。的に当たるとうれしいですね。皆さんりりしい」と話していた。
(2019年2月26日付紙面より)
第15回潮岬おもしろ春祭り (串本町 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で24日、イベント「第15回おもしろらんど春祭り」があり、多くの家族連れらの来場でにぎわった。
このイベントは、潮岬おもしろらんど体験学習推進協議会(地主春美会長)が主催。同協議会を軸に地域ができることを持ち寄って形作る体験・交流企画で、近年は同町に春の活気を誘う2月最終日曜日恒例行事として定着し、世代問わずの来場を集めている。
今回も▽ステージ▽おもしろ体験▽お店屋さん▽フリーマーケット▽展示や啓発―と盛りだくさんの内容を持して開場。主催者を代表して地主会長が「週間天気予報が芳しくなく一喜一憂する日々だったが、こうして野外ステージを中心に開催できることをうれしく思う。来賓、出演、来場、スタッフの皆さまに心からお礼を申し上げる」とあいさつし、来賓の田嶋勝正町長、鈴木幸夫町議会副議長、潮﨑伸彦教育長、県青少年・男女共同参画課の山本佳之課長が祝辞を述べて盛会を祝った。
時折日差しが注ぐ曇天下での本番を迎え、お笑い兄弟芸人すみたにが快活に司会を務めたステージでは、オープニングを飾ったみなべ町地域おこし協力隊員・青木友宏さんによるアコーディオン演奏に続いて、上野山こども園、くしもとこども園、潮岬幼稚園、出雲小学校の園児や児童が歌や踊りを披露し、串本古座高校書道部が大作パフォーマンスに臨んだ。
午後もフラ・ハプナやPHAT DANCE STUDIO串本教室と子どもを含む発表があり、その後は航空自衛隊串本分屯基地のファンシードリル隊や奈良県天理市から参加したジャズバンド「TOK on the road」、出雲獅子舞保存会と成人グループが出演。午前の部最終は子ども対象の餅・菓子まき、午後の部最終は全員対象の餅まきで締めくくった。
おもしろ体験は、主に子どもを対象にした工作や遊びのコーナーが盛りだくさんで、小学生以下はスタンプラリー形式で六つ以上を体験して、お菓子つかみに挑戦した。同家玄関前では警察車両や自衛隊車両の展示があったほか、新宮警察署と串本警察署のコーナーもあり、反射材装飾体験を通して子どもの交通安全意識、警察の被災地活動写真展で防災意識をそれぞれ高めるなどした。
(2019年2月26日付紙面より)
和歌山県エンジョイなぎなた大会 (東牟婁なぎなた連盟 )
県下小学生バレー新人大会東牟婁予選
市内外から4件の情報 (新宮城復元対策委 )
新宮城復元対策委員会(須川倍行委員長、12人)が14日、新宮市役所3階会議室であった。委員11人が出席し、事務局から「新宮城復元資料収集懸賞事業」の状況報告を受けた。
市では新たに「ヤフー」のインターネット広告を活用して、広く情報を集めている。「新宮」「城」「古写真」「懸賞金」をキーワードとして検索すると、ユーザーの検索結果ページに「懸賞金総額1700万円! 新宮城の古写真等を探しています」とのタイトルが掲載される。
今月5日から開始し、12日までのクリック数は108回だった。委員からは継続を求める声が上がった。
懸賞事業は、最高総額1700万円の懸賞金をかけて新宮城の天守や大手門、やぐらの復元につながる古写真や設計図などの資料を来年3月31日まで募っている。
昨年9月号から市広報紙に「シリーズぶらり新宮城」の連載を開始し、市のホームページに事業概要を掲載、ユーチューブでPR映像を配信している。新宮城入り口2カ所にポスター看板を設置した。
国内では三菱史料館や水野総家20代当主・水野勝之さん、和歌山県立図書館など市町村や施設などにポスターやパンフレットなどを送付した。
資料が外国に秘蔵されている可能性から、姉妹都市サンタクルーズ市(アメリカ)、独日フォーラム・エルベ(ドイツ)、海外美術館などにも協力を依頼した。
昨年11月から今年1月までに「父が依頼を受けて新宮城の油絵を描いた時、依頼者から設計図のような図面を渡されたように記憶している」「壊れかけの状態の新宮城の古写真を見たことがあるように思う」など4件の情報が寄せられた。
委員から「一部の樹木を切ってきれいになったが、配水池周辺も伐採すると全景が見えるのでは」との意見があり、市では所管課で協議するとした。
新宮城跡は石垣の修復や遺構整備などの課題があり、市では今後、修理と整備に関し、国庫補助事業の活用を検討していく。
委員会は来年度に視察を計画しており、高松城(香川県高松市)、丸亀城(香川県丸亀市)、福山城(広島県福山市)から視察先を絞る。
(2019年2月16日付紙面より)
チームくまのがわと太田地区が交流会 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターで14日、「チームくまのがわ」と那智勝浦町の太田地区福祉委員会の交流会が開催された。両地区の地域活動や地域のつながり、地域活性化についてお互いに情報交換し、より良い地域をつくるために開催。両地区民は昼食会などを通して交流を深め合った。
チームくまのがわは「いつまでも、自分たちの生まれ育った町で元気に楽しく過ごす」という思いから発足した。地域の課題や情報などを住民同士が気軽に集い、話し合える場を設けようと月1回のペースで会合を開いている。
開会に当たり、チームくまのがわの玉置利春さんが「高齢になるほど助け合っていかなければ。それぞれの地域の意見を交換し合って、いい方向を見つけていきたい」。太田地区福祉委員会の仲三喜夫さんは「今日はいろいろとお世話になります。よろしくお願いします」とあいさつした。
太田地区福祉委員会は、太田地区は人口が1023人で高齢者率が51%、女性の1人暮らしが多いことなどを報告。民生委員や福祉委員の活動内容などを紹介した。同地区では平成元年から、独居高齢者などを対象に、見守り活動を兼ねた食事サービスを月1回行っているが、「調理をする側も高齢化しており負担が大きくなってきている」と課題を述べた。
チームくまのがわは、熊野川町には34地区1322人が暮らしており、高齢者率は46・7%であると報告した。福祉委員会は民生委員や区長など計74人で構成されており、それぞれの活動が福祉委員の仕事を兼ねていると説明。チームくまのがわの発足については、将来の不安に備えて、地域のつながりを全体で考える場づくりが必要であるとの考えを示した。
グラウンドゴルフなどのふれあい交流事業や、「ひまわりまつり」をはじめとした地域活性化事業内容なども紹介し、「内外にPRして、今後もっと仲間を増やしていければ」。みつの地域活性化協議会の下阪殖保会長は「今後は農業と福祉を連携させていきたい」と展望を示した。
各地区の発表後には、みつの地域活性化協議会が作った弁当を食べながら交流を図った。「地域のつながりについて」をテーマに情報交換をした後、グループごとに発表。「一人で地域の見守りには限界を感じる。集まりが必要」「災害時の避難に関しては、普段のつながりで解決」といった意見が上がっていた。
(2019年2月16日付紙面より)
井田小と矢渕中が取り組みを発表 (紀宝学力向上推進協 )
第5回紀宝町学力向上推進協議会が同町役場で14日に開かれ、教員の授業力向上と指導方法の改善を目指した取り組みの成果が町立井田小学校と矢渕中学校から発表された。
協議会は児童生徒の学力向上を目的として平成26年10月にスタート。今回は町立小中学校の教員19人が参加した。
はじめに井田小の前田幸利校長が、低学年が高学年の授業見学で学ぶ姿勢を学んだことや、全学年児童の机を「コ」の字に配置することで分からないことを互いに聞き合う関係が生まれ、落ち着いて授業を受ける環境が整ったことなどを発表。児童がペアになって、分からないことを教え合う時の優しい表情から「子どもほど上手な支援者はいない。クラスで誰も一人にしない関係ができてくる」と述べた。
矢渕中は数学担当の永田将大教諭が少人数での授業効果を説いた。習熟度によってベーシックとスタンダードに分けて授業した結果、ベーシックでは活躍できる子が増えて喜ばれた半面、スタンダードでは逆の現象も生じたという。「これからの工夫次第では、やりがいがあるかも」と結び、県教育支援事務所の前田綾指導主事は「子どもたちができないことを、できるようにする取り組みを学校全体でやってほしい」と注文を付けた。
西章教育長も出席。「会議が授業改善をどう進めるかが大切。会議結果を単に学校へ持ち帰るだけでなく、授業の改善が必要」と述べて、教師の工夫と実践を求めた。
(2019年2月16日付紙面より)
全国各地のヤタガラス伝承を情報交換し、地域振興の魅力ある素材として役立たせることを目的に、地元有志らが中心となり「日本ヤタガラス協会」を設立することを発表。14日に新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で行われた会見では「ヤタガラスと朝鮮半島の三足烏(サムジョゴ)の起源が同じであることを伝え、文化交流の必要性を説いていきたい。精神文化のシンボルとして、東アジア世界にも広げていければ」と語った。有志らは今後会員を募り、4月以降に設立総会を開催する。
カラス神話は世界各地に伝わっており、日本には中国大陸から朝鮮半島を経て飛来してきたといわれている。日本においては神武天皇東遷の折に天照大神の使いとして大和の国へ道案内したという伝承が残っている。朝鮮半島には高句麗の古墳壁画や百済の武寧王陵遺品に三足烏が表されており、かつては太陽信仰の象徴だった。
同協会は昨年3月に那智勝浦町で開催された「熊野の魅力・再発見シンポジウムin那智勝浦~熊野の神秘と八咫烏を通じた日韓文化交流と観光~」をきっかけに構想が練られ、昨年韓国で立ち上がった「韓半島三足烏交流協会」に誘起され設立の運びとなった。
有志らは「ヤタガラスを通して、将来は東アジア共同体を考え、人・文化・観光での交流が深まることを願っている。まずは熊野地方から魅力ある鳥を検証し発信していきたい」とし、ヤタガラスが「東アジアの友好の鳥」となることを期待する。設立後はヤタガラスにまつわる伝承の調査や研究、情報発信、講演会や研修会、韓国などとの相互交流事業などを計画していく。
(2019年2月16日付紙面より)
神倉神社で紀元祭 (新宮市 )
「建国記念の日」の11日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で「紀元祭」が営まれた。同大社役員や神倉神社奉賛会役員ら約20人が参列し、国の繁栄などを祈った。
2月11日は1872(明治5)年に、初代天皇とされる神武天皇が即位した日として「紀元節」となっていたが、第2次世界大戦後に廃止され、1966(昭和41)年の祝日法改正で「建国記念の日」として復活した。
この日の神事では、佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)の祝詞奏上に続いて、みこが鈴払いの儀。杉本義和・同大社崇敬会長、濱口太史県議、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長ら参列者たちが神前に玉串を供え、「雲にそびゆる高千穂の」で始まる唱歌『紀元節』と国家を斉唱した。
同神社には皇室の祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)と建国の功臣・高倉下命(たかくらじのみこと)が祭られている。『神武天皇紀』(日本書紀)には、紀元前3年6月に狭野(さの)を越えて「熊野神邑(くまのみわのむら)に到り、旦(すなわち)天磐盾(あまのいわたて)に登りて」と記されており、この天磐盾が神倉山といわれている。
(2019年2月13日付紙面より)
「ブルーム訪問記」を無料配布 (太地町 )
太地町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)は、同町の姉妹都市であるオーストラリア・ブルームとの国際交流を記した同町立太地中学校の生徒らの訪問記をまとめた。8日から同協会(太地町公民館事務所)で無料配布している。同協会の青少年交流事業10周年記念に発行した。
この事業は2008(平成20)年から始まり、毎年のように相互交流を重ねてきた。本のタイトルは「オーストラリア・ブルーム訪問~交流記2008→2018~」で、ラクダに乗った子どもたちがケーブルビーチを行く姿が表紙になっている。ホームステイの日常や体験から得た国際理解、祖先への思いが写真とともにつづられ、成人した第1回の参加者、和田貴子さんらの寄稿もある。
100年以上前にブルームには同町から多くの移民が渡り、シロチョウガイ(=南洋真珠の母貝)採取の潜水作業員として従事した。現地には大規模な日本人墓地がある。ブルームの真珠養殖産業の発展に大きく貢献したことから、1981(昭和56)年に太地とブルームは姉妹都市提携を結んだ。
イルカ追い込み漁を批判的に描いた「ザ・コーヴ」(2009年第82回アカデミー賞受賞)公開当時、姉妹都市提携の破棄が議決されたが、撤回された。ブルーム住民らが破棄に反対した背景がある。
「オーストラリア・ブルーム訪問~交流記2008→2018~」の問い合わせは、同協会事務所(電話0735・59・2335)まで。
(2019年2月13日付紙面より)
水門神社例大祭「水門祭」 (串本町 )
串本町大島にある水門(みなと)神社の例大祭「水門祭」が9日に本祭を迎えた。今年は半ばから雨に見舞われたが、祭員一同ひるまず諸奉仕を重ねて区内外から集まった人々の注目を集めた。
東牟婁地方でも屈指の数の奉仕奉賛を誇る同神社の例大祭「水門祭」は近年、2月第2土曜日を本祭日として営まれている。大島区内4組で当番組を持ち回るのが慣例だが、人口減に伴い当番組を軸にしつつ祭典保存会(吉田隆会長)を軸にし、区全体で営む形が定着している。
今年は南中組(宮下漁次組長)が当番を務め、午前9時30分に同神社で御前の儀を執行。大島区民会の稲田賢区長(69)を筆頭に猪野久次宮主(69)や責任役員らと漁方、さらに田嶋勝正町長や航空自衛隊串本分屯基地の吉村雅美司令ら来賓も多数参列して主祭神に礼を尽くした。
引き続き弓頭の滝本虎之介君(18)と稲田駿也君(17)がお的の儀に臨み、作法を交えて計12本の矢を的中。その後の的は引きちぎられ、門先の魔よけとして観客らに配られた。お的の儀以降は境内で大座の儀があり、当番組の亭主役衆が御前の儀参列者を酒と魚で接待。並行して青年団体「大同会」(吉田龍会長)が獅子舞を奉納した。
雨はこの頃から降り始め、以降の奉仕は時間を繰り上げながら進行した。正午前に主祭神・誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)の渡御が始まり、主祭神の神霊が白丁役に担がれて大島港へ向かい、その先は当船で御旅所がある苗我島を目指した。
御旅所で神事とお的の儀を営んだ後、当船は矢倉甚兵衛さん邸を海上から遥拝して帰港。大島港では南中組選出の役者を伴った渡御の一行が扇子や軍配を振りかざして当船を招く行事「つるの儀」を営んで出迎えた。みやびやかな衣装を着た稚児役が注目を集める中、商人役の伊勢谷英克さん(44)が口上と競りを繰り広げて活気あふれる大島を描き出した。
当船の出港を警護した櫂伝馬(かいでんま)「鶽(はやぶさ)」「鳳(おおとり)」は船上から餅をまき、大同会の吉田会長から「魂込めて死力を尽くして伝馬をこげぇ!」と激励を受け、艫櫂(ともかい)持が宣誓で応えて大島港~串本間を1往復する競漕(きょうそう)に臨んだ。先着したのは「鶽」で、艫櫂持の山下翔也さん(20)は「最初は鳳が先行したが、折り返しは僕らが先でそのままゴールした。チームワークの良さが本番で発揮できたのが勝因。みんなの一丸のおかげだと思う」と喜びを語った。
競漕後は歳の節目を迎えた区民による餅まきがあったほか、同港内では複数の屋台や区内に施設を有する縁でアクアマリンふくしまの移動水族館車「アクアラバン」も利用を集めた。
当船の帰港後、同港内に据えられたおヤマ(枝葉と神鏡を飾った構造物)が倒され、区内の若者が神鏡を雄々しく取り合い。港外に持ち出した者は豊漁の利益があると信じられ、今年は真っ先につかんだ若者が他をかわして一気に港外へ駆け抜ける展開となった。その後は大島郵便局前で獅子屋台の大練りがあり、おヤマ跡での獅子舞披露は天候不良のため中止となり、この大練りが今年最後の見せ場となった。大同会は夕方から獅子舞の道行きを始め、翌10日まで区内各所で地下舞わしや屋固めを重ねた。
天候には恵まれなかったが、無事今年の例大祭を終える形となり、同神社祭典保存会の吉田会長(59)は「最近は大島の中だけでなくよそに出た者にも祭りに参加してもらっている。休みとはいえ早く帰してやることを考えると、多少天気が悪くてもやったろかと考えるし、やる方は大変だが早回しで進めたりもする。今年は雨に見舞われたが、心配した大きなけがもなく終えられて何よりだ」と語った。
(2019年2月13日付紙面より)
第14回しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長)は11日、市福祉センターで「第14回しんぐう元気フェスタ'19」を開催した。ステージや各種体験、販売があり、大勢の人でにぎわった。
企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。会場では工作や絵手紙教室、スポーツ吹き矢、餅つきなど各コーナーに多くの親子連れが詰め掛けた。ラーメンやフランクフルト、焼きそばなどの飲食ブースには行列ができていた。
ステージでは「Team雅龍」「ハリケーン」「THE透来夢」「マジックサークル青い鳥」「みくまの農業協同組合」「ANIANI PRODUCTION」「ハラウ フラ オ カウイオナラニ」「緑丘中学校吹奏楽部」らが踊りやバンド演奏、手品などを披露した。
開会式で岡鼻会長は関係者や参加者に感謝を述べ、「イベントを通じて、多くの団体同士が交流し、団体の紹介やPRをすることによって収益事業にもつながってくる。この活動が今後も長く続くように、参加している皆さまと一緒に、知って、見て、楽しんで一日を過ごしてください」。来賓の田岡実千年市長は「地域のつながりが希薄になっているといわれているが、いろんな企業、団体、子どもから高齢者までさまざまな方が集えるイベントが開催されることをうれしく思う。新宮市政のモットーは、市民の誰もが元気で心豊かな町づくり。イベントがそのきっかけになっていけば」とあいさつした。
(2019年2月13日付紙面より)
第10回イオン・バンビカップバレー
ファミリーフットサルフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
臨時議会の会期延長 (新宮市議会 )
新宮市議会(屋敷満雄議長、15人)は4日、市役所議場で臨時議会を開いた。文化複合施設整備に関する予算2億5000万円を盛り込んだ平成30年度新宮市一般会計補正予算が審議された。紛糾する議論は12時間に及び、午後11時13分、会期延長が決まった。再開された2日目も議論が続いた。
事業費約63億円となる施設建設は市にとって命運が懸かる50年に1度といわれる事業。初日は1号議案が可決された午後から補正予算案の審議が始まり、多くの市民が傍聴に訪れその様子を見守った。
施設整備事業の交付金引き下げや国との協議過程など市当局の説明が不十分だとして、北村奈七海議員が国会の国政調査権に相当する地方自治法第100条に基づいた「百条委員会」の設置を求める決議を提出。賛成少数で否決された。
各議員は先月29日に当局が開いた議員説明会での説明内容について触れ、国からの都市再構築戦略事業の交付金減額や県の補助金について指摘し、説明を求めた。また、傍聴席からは市に対する疑義の声や議員の質疑に拍手が送られる場面もあった。
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会期延長された5日午前の議会では、前日に引き続き北村、大西強、榎本鉄也の各議員が質疑。議論は紛糾し、屋敷議長が声を荒らげる場面もあった。
一連の議会運営に対して、大西議員が屋敷議長の不信任決議案を提出。
屋敷議長の不信任決議に伴う議事日程の追加変更が賛成少数で否決された。
不信任決議についての議事は5日中もしくは会期を延長して行われる予定。
傍聴者からは議員の品位などについて苦言を呈する声もあった。
(2019年2月6日付紙面より)
弓頭2人的場などで励む (水門祭 )
串本町大島にある水門(みなと)神社の例大祭「水門祭」で奉仕する弓頭の稽古が同神社的場などで連日行われている。
2日に同神社社務所で営まれたおみくじ祭で選ばれた今年の弓頭は滝本虎之介君(18)と稲田駿也君(17)の2人。旧来の本祭日(2月11日)に比べて今年の本祭日が早いなどの事情で稽古は先月30日から始まり、2人は弓頭候補として指南役の稲田博さん(67)から先んじて所作を教わりつつ人選を受ける形となった。
初日は紀伊大島開発総合センター内で一通りの動作を教わり、2日目以降は同神社の的場で通し練習を積み重ねている。2人とも弓頭の奉仕は初めてだが、幼い頃から境内でのお的の儀を見て流れはある程度分かっているという。
人選を受けて滝本君は「動作の一つ一つをピシッ、ピシッとこなしながら矢を的に当てたいと思う。家族が健康でいられるよう、そして自分は来年の公務員試験で合格できるよう願いながら頑張りたい」。稲田君は「自分は弓道部ですが、弓が重く動作にも違いがあって射た後の弓さばきなどに少し難しさを感じています。本番ではしっかりと当てられるよう頑張り、自他の健康を願って矢を放ちたい」とそれぞれ意気込みを語った。
稽古は7日まで連日行い、雨天時は同センター内で動作にいっそうの磨きをかけるという。2人に伝えられている動作は、序盤で左右対称の動きをする結びの型。稲田さんは「今日(2日)の時点で2人はすでに型を一通り覚えていて、今年の弓頭は飲み込みが早いと感心している。後は2人の動きをどこまでそろえられるかといったところで、今後の稽古でしっかりと仕上げていきたい」と話した。
2人が奉仕するお的の儀は9日(土)午前10時30分ごろに同神社的場、午後に御旅所(苗我島)の2回行われる。御旅所は船渡御先であり陸づたいで赴くのも困難。同神社的場で行われるお的の儀が一般拝観の見どころとして例年注目を集めている。
(2019年2月6日付紙面より)
三重県警音楽隊コンサート (紀宝町 )
三重県警察音楽隊演奏会「ふれ愛コンサート」&地域安全講話が3日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷で開かれた。会場を埋めた400人以上の観客が演奏に聞き入った。
同音楽隊は1955年の創設以来、交通安全運動や地域安全運動などの行事で県民と警察とを結ぶ「音のかけ橋」として演奏活動に取り組んでいる。
主催者を代表して町青少年育成町民会議の門賢会長が「素晴らしい演奏を期待しています」とあいさつした。
続いて、紀宝警察署生活安全刑事課の鈴木亮介課長が地域安全講話。県内で振り込め詐欺などの特殊詐欺が増加しているとし、「おととしは県内で200件ほど発生し、被害総額は5億円に上った」。
元号が変わることを悪用した詐欺が全国で発生しているとし、「振り込め詐欺、オレオレ詐欺は認識しているが、被害に遭ってしまう。電話があると頭が真っ白になってしまう。普段からコミュニケーションを取り、不審な電話があったら家族に相談してほしい」と呼び掛けた。
ふれ愛コンサートはアニメ『名探偵コナン』のテーマ曲で開幕し、『北国の春』『糸』などを披露した。
演奏に合わせた特殊詐欺被害防止寸劇もあり、音楽と劇を通して振り込め詐欺被害に遭わないよう啓発した。
アンコールの『U・S・A』を含む8曲を奏でると、会場から大きな拍手が湧き起こった。
同音楽隊の中川達也楽長は「防犯意識高揚の助けになればと、各地の会場で寸劇を披露しています」と話していた。
(2019年2月6日付紙面より)
小型ポンプ付積載車更新 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防団(貝岐昌志団長)の第6分団(色川地区、吉田創分団長)の消防ポンプ自動車が更新され、4日に同町役場前で配備式があった。平成30年度消防団第6分団小型動力ポンプ付軽積載車整備事業。総事業費は約297万円。
約20年前に導入された旧車両が老朽化したための更新整備。ダイハツ工業株式会社の658㏄に小型動力ポンプを積載した軽四輪駆動車で、山間部の狭い道路の進入や、急勾配な道路事情に対応できる仕様となっている。旧車両よりも車両周辺を照らすLED作業灯を充実させており、夜間活動の視界改善に配慮されている。
配備式には貝岐団長をはじめ分団員、堀順一郎町長ら関係者が出席。堀町長は日頃の任務にねぎらいの言葉を述べ、「これからも訓練に励んでいただければ」とあいさつ。配備式の後、吉田分団長は「旧車両は年数のわりには走行距離が短かった。出番のないことが一番良いので、普段から防災、安全対策に務めたい」と話し、団員らと車両装備などの説明を受けた。
(2019年2月6日付紙面より)
第32回和田禎佑杯サッカー大会
地元・和歌山開催の全国選抜出場へ