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2021年10月27日
1 展示に向け制作進む
 最後の「紀の国トレイナート」  (31日から )

 本州最南端・紀伊半島を舞台に2014年から7年間続いてきた「紀の国トレイナート」が今年、ラストランを迎える―。「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」の地域文化発信事業に位置付けられている今年のトレイナートは31日(日)から11月21日(日)にかけて開催。現在、御坊市から新宮市までのJRきのくに線と紀州鉄道の列車内と駅舎、沿線地域では、31日の開幕式に向け参加アーティストによる制作が進んでおり、突如現れたアートが道行く人たちに驚きと興味を与えている。

 新宮市のJR三輪崎駅付近の海沿いの土地では、現代美術家・中村岳さんが21日から木材を使用した作品制作に取り掛かった。22日の取材時にはピンク、青、黄色、紫色に着色した木材が約5㍍もの高さに組み上がり、通り過ぎる歩行者や運転手らの目を引いていた。

 「“場所”がキャンバス。景観に合わせて自由に発想し創っている」と中村さん。「現代美術家にとって、人を驚かすことはある種の使命」と話す。

 作品について「絵画では2次元に3次元的要素を持たせる。いわば虚構の世界。立体物だが絵を描くように、空間に線を描いているイメージ」と説明。

 木材は築100年を超える古民家を解体した際の廃材を使用しているそう。「ノーコンセプトでノープラン。場所に5分立つとイメージが湧く」と語るように、当初ピンク一色で予定していた作品は、アザミやススキ、セイタカアワダチソウなどの野草と海の青色に触発され色を増やした。

 トレイナート初年度の2014年にも三輪崎駅舎前で作品を展開した中村さん。熊野について「素朴で景色もきれい。人なつっこくてアーティスティックでしゃれた人が多い。魅せられてます」と話していた。

  □     □

 那智勝浦町の湯川海水浴場では23日、建築家で東京理科大学教授・和歌山大学客員教授の広谷純弘さんが、作品「時の舟」を設置。協賛する㈲白樫木材、実行委員会メンバーら5人が協力した。

 広谷さんが約20年前に設計した建築のデッキが老朽化したため、板を張り替えた際に取り外した古い板を使用して完成した「時の舟」。古材は取り外されるまでの15年間を経て、アート作品として新しい航海に出て行く舟に生まれ変わった。

 2019年、同作品で参加した際には、台風で作品が波にさらわれた。地元の人たちにより引き上げられた作品はこのたび、内部の板にアルミ箔を貼るなどの改良を加えたことにより、海の青と空の青を映し、万華鏡のようにキラキラと輝くオブジェに。

 1本のワイヤで引っ張ることによって成り立つ作品は、板同士がお互いを支え合い、柔らかい空間を演出。古材を利用したリサイクルアートとして、環境問題にも訴え掛ける。

  □     □

 同町のブルービーチ那智に突如現れた、巨大なショッピングカート。そこに住む人々の暮らしや文化との関係を、カラフルでポップな姿で表現したという。カートの着色は町立勝浦小学校の児童らが協力。作家の深尾尚子さんは「ビーチに合う元気な作品になりました。ワークショップに参加した子どもたちをはじめ、計画や設置の段階でも多くの皆さんの協力を頂き完成するこができました」とコメントを寄せている。

  □     □

 臨時アート列車「紀の国トレイナート号」走行日は11月6日(土)。御坊―新宮間を巡る。期間中は各地で関連イベントや沿線のまちへのローカルダイブも行われる。問い合わせは同実行委員会事務局(電話080・5786・2652、0739・22・5064)まで。

(2021年10月27日付紙面より)

巨大アートの制作を進める中村岳さん=22日、新宮市三輪崎
作品を設置する広谷純弘さんと協力者ら=23日、那智勝浦町の湯川海水浴場周辺
巨大なショッピングカートが出現=23日、那智勝浦町のブルービーチ那智
2021年10月27日
2 太地城の歴史や役割説く
 令和3年度生涯学習講座  (太地町 )

 太地町公民館は22日、町公民館で令和3年度生涯学習講座「太地城と戦国時代の熊野」を開いた。町内外から35人が参加。和歌山城郭調査研究会代表の白石博則さんが講師を務め、太地城跡の歴史や他の城との違い、当時の人々の暮らしについて講話した。

 白石さんは同町には、森浦地区の頼子(よろこじ)城、太地地区の太地城、東上野地区の和田城の三つ城跡があると説明。今回は太地城をテーマに講演した。

 白石さんによると、太地城は、勢力争い(戦)と海を行き来する船から料金(津料)を徴収する二つの役目があったと説明。戦については、状況証拠を基に天正9年から13年まで太地氏らは新宮の堀内氏に属していたという。

 堀内氏が日高郡の湯河氏、三前郷・古座の高河原氏と抗争が進む中、太地の武士である和田蔵人と太地隠岐守らが太地城を築いて、それらと戦ったと説明した。

 河口に港があって城が築かれることは多いが、太地城は湾に港があって城があることから珍しいと主張。航行する船からスムーズに津料を徴収することと、徴収者の安全を保障するために必要なシンボル的存在だったのではと解説した。

 太地城について▽主郭とやや離れた駐屯部がある▽海上や湊が見えることに加え、太田川流域への山道も押さえることができる▽北西からの侵入は多重の堀切で遮断する―などの特徴を挙げた。

 安宅氏や周参見氏、西向小山氏などの他の熊野の水軍領主の城館と比較し、太地城は周参見の藤原城にも共通する主郭以外に少し離れて別の曲輪を持っているとし、「湾の奥に位置し、湾内を見下ろす太地城の在り方はこの太地の地に生きた人々の存在形態やなりわいと関係する可能性があるのでは」などと説いた。

 白石さんは太地城は町にとっても価値のある城跡と評価して活用を呼び掛けたほか、「太地町は古式捕鯨で有名な町。それ以前の歴史もしっかりとあるが資料は少ない。その部分の歴史にも興味を持っていただけたら幸いです」と締めくくった。

 12月開催分の講座では太地城の現地見学を行う。

(2021年10月27日付紙面より)

多くの参加者が太地城について学びを深めた=22日、太地町公民館
白石博則さん
2021年10月27日
3 子ども集まり催し盛況 太田の郷でハロウィーンフェス (那智勝浦町)

 那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷で24日、「HALLOWEEN FESTIVAL(ハロウィーンフェスティバル)」があった。当初の予定人数を超え、子どもと保護者合わせて約50人が参加。ゲームなどさまざまな催しで盛り上がった。

 ハロウィーンにちなみ、仮装する子どもの姿もあった。はじめにフェースペインティングが行われ、子どもたちは「月」「コウモリ」「虹」など、自身の好きな模様を選んで関係者にペイントを施してもらった。

 続いて、景品がもらえるボウリングや輪投げ、菓子作りやビンゴゲームなどを楽しんだ。ボウリングに熱中していた子どもたちは「やった、当たった」「もう1回したい」「景品がもらえてうれしい」など、笑顔ではしゃいでた。

 太田の郷によると、最近ではバイキングの再開や、ヨガや太極拳などの各教室の利用者が増加するなど、施設の利用の幅が広がってきたという。

 石田一事務局長は「予想以上に人が集まってくれてありがたい。コロナの影響で各地のイベントも少ない状況もあり、子どもたちの喜ぶ姿を見ることができてうれしいです。現在は状況も落ち着いてきているので、コロナ対策は徹底し、今後のクリスマスなどのイベントも開催していきたい」と語った。

(2021年10月27日付紙面より)

ボウリングに夢中=24日、那智勝浦町の太田の郷
フェースペインティングも楽しんだ
輪投げにも挑戦した
2021年10月27日
4 子育て支援の取り組みを確認
 第1回紀宝町総合教育会議  

 本年度の第1回紀宝町総合教育会議が25日、同町神内の紀宝はぐくみの森であった。委員らが各種取り組みを確認し、施設内の町立図書館、子育て支援センターを見学した。

 会議は2015年4月1日施行の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、町長と教育委員会が協議・調整を行う場として設置。教育施策の一層の充実につなげることが狙い。同町では、西田健町長、西章教育長と大岡春雄、山中富行、大前妙子、柳澤進の各教育委員で構成。

 冒頭、西田町長が「図書館は4月にリニューアルオープンした。地域子育て支援センターと連携した総合的な施設として事業を展開し、子どもの読書活動の推進や生涯学習の充実を図っていく」とあいさつした。

 町立図書館は岸葉子館長が、子どもの発達と図書館の読書活動推進事業との関わりを紹介。現在、ブックスタート事業、子育て支援講座、絵本よみきかせボランティア養成講座、赤ちゃんのおはなし会などを展開しており、今後は赤ちゃんの読書会、幼年文学の読み聞かせ、わらべうた講座、百人一首大会などを予定しているという。

 子育て支援センターの事業は淡海順子センター長が説明。主に未就園児を対象に遊び場の提供、育児についての相談、母親同士のコミュニティーの場の提供などを目的に09年度に設立した。

 子育てを助けてほしい人の要望に応じて、子育ての手伝いができる人を紹介し、地域で子育てをサポートする「ファミリーサポートセンター」は、年々利用者が増加しているという。

 淡海センター長は「子育ての孤立化を防いでいくため、センターを利用されていない方への支援も行っていきたい。子育て支援とは、子育て世帯を丸ごと受け入れ、一緒に子育てする仲間をつくること」と伝えた。

(2021年10月27日付紙面より)

図書館を視察する西田健町長ら=25日、紀宝町神内のはぐくみの森
2021年10月27日
5 10月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年10月27日
6 山田俊弘さんが優勝
 令和3年度シニア選手権競技  (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
2021年10月27日
7 神倉少年野球クラブが制す
 新熊野少年野球大会など  
2021年10月27日
8 宇久井が接戦制し優勝
 イオンSSカップサッカー大会  
2021年10月27日
9 家族一丸となって奉仕  献血への協力呼び掛け  (新宮LC )
2021年10月27日
10 さらなる市の発展のために  市選管が当選証書付与  (新宮市 )
2021年10月27日
11 日本一美しい?サツマニシキ  奥村育美さんが発見  (新宮市 )
2021年10月27日
12 大きなお芋がゴロゴロ!  宇久井ビジターで芋掘り  (那智勝浦町 )
2021年10月27日
13 「超ミニコンサート」盛り上がる  「丹鶴ホールの唄」も披露  (那智勝浦吹奏楽団 )
2021年10月27日
14 御浜ファームで子牛を観察  井田小1、2年生が見学  (紀宝町 )
2021年10月27日
15 コロナからの立て直しを  5選の河上敢二氏に当選証書付与  (熊野市 )
2021年10月27日
16 ハロウィーン制作楽しむ  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2021年10月27日
17 ワクチン3回目の準備など  第4回臨時会で3案件承認  (古座川町議会 )
2021年10月27日
18 アマゴ親魚150匹放流  手分けして管内8カ所へ  (七川漁協 )
2021年10月27日
19 実習で学び交流図る  7人参加し離乳食教室  (串本町 )
2021年10月27日
20 ふるさと串本に著書託す  出身者の堀勝義さん執筆  (串本町 )
2021年10月27日
21 大会目指し合同練習開始  ジュニア駅伝の選手候補  (串本町 )
2021年10月27日
22 お悔やみ情報
  
2021年10月26日
23 田岡実千年さんが4選
 「まちづくりに全力で取り組む」  (新宮市長選 )

 任期満了に伴う新宮市長選挙の投開票が24日にあり、無所属で現職の田岡実千年さん(60)が三つどもえを制し、新宮市で戦後初となる4選を果たした。田岡さんは選挙事務所に集まった多くの支持者たちを前に「皆さんへの感謝を胸に『市政は市民のためにあり』の理念の下、初心を忘れず、新宮市のまちづくりに全力で取り組んでいく」と固く誓った。

 同市下田の選挙事務所には開票前から多くの支持者が集まった。当選の知らせが入るやいなや、田岡さんは支持者たちと抱き合いがっちりと握手。万歳をもって勝利を祝った。

 「勝利は皆さんが私のために頑張っていただいた結果」と声を振り絞った。「丹鶴ホールも無事にオープンし、小学校の統合や庁舎の建て替えも完了した。全て皆さんのおかげ。しかしこれからが本当のまちづくり。新型コロナウイルスにより経済や市民生活に大きな影響が出ている。まずはこれに対してしっかりと取り組んでいかなければ」。

 「いろいろな課題があるが、市民が安心して笑顔で元気に暮らせるまちを目指し、まちづくりの主役である市民と共に、そして市長としての責任を胸に刻み『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくり』を必ず実現していく」と力を込め、深く頭を下げた。

 後援会の前田徳男会長は「苦しい選挙戦だったが4期目の当選を果たすことができた。田岡が公約を一つ一つ、実現していけるようお力添えを」と呼び掛けた。

  □     □

 若い力と勢いで、初めての市長選に挑んだ松畑玄さん(49)は「多くの人に支援していただいた。(結果は)自身の不徳の致すところで、自分に足りない部分があったと思う」。

 支援者に対し「今までにないくらいの最高な状況をつくってくれた」と感謝を述べ「結果は仕方のないこと。これからは一市民として新宮市の発展に寄与していきたい」と述べた。

 2度目の市長選への挑戦となった上田勝之さん(56)。市民との対話の重要性を訴え続けてきた。結果を受け「田岡さんが再選された。そのことに尽きる。結果はしっかりと受け止めなければならない」と肩を落とし「今後についてはこれから考えていこうと思っている」と話した。

  □     □

■投票率は70%台に回復



 投票率が70%を切った2013、17年の市長選。特に前回(17年)は、終戦間もない1947年に行われた市長選の投票率66・95%に次ぐ低さの68・62%だったが、今回の投票率は71・19%(男69・54%、女72・57%)で下げ止まりとなった。

 期日前投票者数は7706人。投開票日当日に台風に襲われた前回の1万490人より2784人減少した。

(2021年10月26日付紙面より)

家族や支持者たちと喜びを分かち合う田岡実千年さん(中央)=24日、新宮市下田

2021年10月26日
24 50人余りが献血に協力
 勝浦LCが奉仕活動  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC、戸間宏治会長、岡本英博奉仕委員長)は22日、日本赤十字社和歌山県血液センターに協力し、町役場前で献血奉仕活動を実施した。

 献血奉仕は勝浦LCの活動の柱の一つで、1984年にスタート。年7回ほど、定期的に続けられている。9月は台風の影響で移動採血車(献血バス)の配車が中止となったため、2カ月ぶりの実施となった。

 この日は役場職員や地域住民らが協力を申し込み、最終的な協力者は50人余り。献血後、黄色いベストを着た勝浦LCのメンバーが、「ありがとうございました」と洗剤やタオルをプレゼントした。

 岡本奉仕委員長は「今日は出だしから好調で、大勢に協力していただいた。当初予定していた人数を超えそうです」。戸間会長は「献血に協力していただき、大変ありがたい。新型コロナウイルス感染拡大後は協力人数が落ち込み、輸血用血液も不足していたが、人数が回復してきたのでは」と話した。

 移動採血には、新型コロナウイルスワクチンを接種した人は接種後48時間を経過してから、新型コロナ既感染者は症状消失後4週間が経過し、問診などにより全身状態が良好であることが確認できれば参加できるという。

(2021年10月26日付紙面より)

献血に協力する役場職員ら=22日、那智勝浦町役場前
2021年10月26日
25 集団接種、最終日迎える
 新型コロナワクチン接種  (新宮市 )

 12歳以上の市民を対象としていた新宮市の新型コロナウイルスワクチン集団接種が24日、市役所別館で最終日を迎えた。この日は12歳を迎える小学6年生を含めた約560人が接種を済ませ、全34回にわたって進められた集団接種がひとまず終了した。

 65歳以上の高齢者を対象に4月25日から集団接種が開始され、基礎疾患のある人や高齢者施設等従事者、学校・児童福祉施設等関係職員、64歳以下の市民を対象として高年齢順に接種が進められてきた。

 当初は11月の完了をめどにしていたが、全国的、または新宮保健所管内における感染拡大状況などを鑑み、新宮市医師会の協力を得るなどして一部年齢層を個別接種に切り替えるなどして早期完了を目指していた。

 最終日のこの日は、気象警報の発表に伴い中止となった9月26日の振り替えで、今月3日に1回目を接種した対象者の2回目の接種。12歳以上の全対象者(2万5572人、1月1日現在)の接種数は1回目2万1332人(83・42%)、2回目2万603人(80・57%)となった。

 現在、国から2回目接種を終了した者のうち、おおむね8カ月以上経過した者を対象に、1回の追加接種を実施する方針が示されており、市新型コロナワクチン接種推進室では今後、3回目接種に向けて準備を進めていくとしている。

(2021年10月26日付紙面より)

新型コロナワクチンの集団接種が最終日を迎えた=24日、新宮市役所別館
2021年10月26日
26 式典や発表で気持ち高める 子供・若者育成支援県民大会 (県青少年育成協会など)

 県の本年度子供・若者育成支援県民大会が23日、串本町内であった。内閣府主唱「同支援強調月間」(11月)に伴う市町村宛ての知事メッセージが県内8地方の巡回活動隊に伝達され、青少年の発表2種類を受けるなどして来る同月間への気持ちを高めた。

 この大会は、県・県教育委員会・県青少年育成協会が主催。子どもや若者が心身ともに健やかにたくましく成長し、将来自立し活躍していくために県民みんなで同月間の趣旨を考える機会として年1回、8地方で会場を持ち回り開いている。

 本年度は東牟婁地方の巡りに当たり、同町文化センターを会場に設定。「育てよう!支えよう!見守ろう!和歌山の青少年」をテーマに掲げ、ボランティア活動やフィールドワークを通して地域と密接に関わる地元高校生の実践発表から地域の活性化を考える機会と位置付けて計画し、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じながら参加を呼び掛けた。

 当日は式典と青少年の発表の二部構成で、進行は県立串本古座高校の仁木愛里さん(3年)と川端望恵さん(2年)が担当。同協会の会長でもある仁坂吉伸知事は学校と地域がそれぞれに努力しその連携で若者を守り育てる状況を思い描いて一同の士気を高め、来賓を代表して県議会の森礼子議長と同町の田嶋勝正町長がそれぞれに健全育成への思いを寄せてその取り組みを期待した。

 県知事感謝や同協会会長表彰を贈呈して模範活動を奨励し、併せて「家庭の日」絵画コンクール優秀作品表彰の贈呈も実施。同月間中に各市町村へ届ける知事メッセージを8地方の巡回活動隊(通称・キャラバン隊)に託し、代表して東牟婁地方青少年育成県民運動推進委員連絡協議会の寺西敏次会長が決意を掲げた。

 青少年の発表は▽県少年メッセージ2021金賞作品「共に生きる」(有田市立箕島中学校3年・楠瀨心美さん)▽県立串本古座高校CGS部実践(19年度同協会会長表彰〈善行青少年関係〉対象となった活動)―の2種類。将来を担う若者の考え方を受け止めて、来る同月間への気持ちを高めて締めくくった。

  □     □

ふれあい賞に宇久井小の南和奏さん



 「家庭の日」絵画コンクールは、「ふれあいとやすらぎのある家庭づくり」の推進を目的として同協会が主催。本年度は3点を優秀作品として選んだ。その1点、ふれあい賞は那智勝浦町立宇久井小学校4年・南和奏さんの作品「お父さんが海にポーイ」が受賞。南さんは母親に見守られながら壇上へ上がり、仁坂知事からじかに表彰を受けた。

 幼い頃から絵を描くのが好きで、この作品は夏休みに絵画教室に参加して描いた。人と山と海の色、それぞれの雰囲気を上手に描くことに頑張ったそうで、南さんは「うれしい。これからもいろんな絵を描いていきたい」と喜んでいた。

(2021年10月26日付紙面より)

知事メッセージを預かる寺西敏次会長=23日、串本町文化センター
「家庭の日」絵画コンクール・ふれあい賞の表彰を受ける南和奏さん
2021年10月26日
27 新宮が接戦制し優勝
 4チームが県大会へ  (サッカーU―12全日予選順位決定トーナメント )
2021年10月26日
28 新翔、初戦で敗れる
 高校ラグビー和歌山県大会  
2021年10月26日
29 新翔が大勝で3回戦進出
 高校サッカー和歌山大会  
2021年10月26日
30 感謝の気持ち大切に
 那智勝浦少年野球クラブが2連覇  (新宮警察署防犯学童軟式野球大会 )
2021年10月26日
31 激戦から一夜明け  田岡実千年さん、選挙を振り返る  (新宮市長選 )
2021年10月26日
32 1位に野中誠一さん  写連紀南支部9月例会  
2021年10月26日
33 ようこそ新翔高校へ!  オープンスクール開催  (新宮市 )
2021年10月26日
34 本番に向け通し練習  紀の国わかやま文化祭「天の剣を託された男」  (熊野新宮ミュージアム )
2021年10月26日
35 人権基本方針の改定に向け  紀宝町人権施策審議会  
2021年10月26日
36 特殊詐欺の被害防止を  三十三銀行御浜支店で窓口訓練  (紀宝警察署 )
2021年10月26日
37 小地域福祉活動を学ぶ  北海道でのサミットにリモートで  (紀宝町 )
2021年10月26日
38 6競技で熱戦繰り広げる  熊野市南郡中学校新人大会  
2021年10月26日
39 元気いっぱい競技に挑戦  くしもとこども園運動会  (串本町 )
2021年10月26日
40 JOCのU―16で5位に  潮岬中2年・久保凛さん  (串本町 )
2021年10月26日
41 大石元則さん再選果たす  支持者と喜び分かち合う  (新宮市議補選 )
2021年10月26日
42 お悔やみ情報
  
2021年10月22日
43 「川原家」組み立てる
 神倉小6年生がふるさと学習  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で20日、ふるさと学習があった。6年生72人が、県立新翔高校の野間清教諭、中岸速人教諭、建築技術部の三宅悠夢(ゆうむ)君(3年)、田中雄太郎君(1年)に教わりながら四畳半の川原家(かわらや)を組み立てた。

 ふるさと学習は神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が取り組む「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに地元の歴史や文化を学んでもらい、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力の下に取り組んでいる。

 6年生は「熊野川と暮らし」をテーマに学習を進めており、15日には事前授業で中瀬古友夫さんから川原家の歴史を学んだ。川原家はくぎを使用せずに組み立てる簡易商店で、洪水時には短時間で解体などができるのが特徴。生活物資や木材、炭などの交易の舞台として市の発展を支えた権現河原に、最盛期には200軒以上の宿屋や鍛冶屋、風呂屋、土産物屋が建ち並んでいたという。

 児童らは野間教諭から事前授業の復習と組み立ての説明を受けると、12グループに分かれて順番に作業を開始。土台に柱を立てて貫(ぬき)を通して柱にくさびを差し込み、壁板を装着していった。高所や重量物を扱う作業は、教職員や同部が担当し、川原家を完成させた。

 児童会長の奥麻緒さん(12)は「川原家にいろんな知恵が詰まっていて感動した。これから地元の他の歴史も勉強してみたいと思いました」。

 野間教諭は「子どもたちの興味を持って作業に取り組む姿が見られました。ふるさと学習を通じて新宮・東牟婁地方の良いものや伝統を知り、印象に残ってもらえれば」と話していた。

(2021年10月22日付紙面より)

壁板押さえの作業に取り組む児童=20日、新宮市立神倉小学校
川原家の完成を見守った
2021年10月22日
44 自動車ができるまで
 潮岬小5年がオンライン見学  (串本町 )

 串本町立潮岬小学校(堀靖典校長)の5年生25人は20日、日産自動車㈱のオンライン工場見学を体験した。児童らは画面を通して自動車ができるまでを学んだ。

 日産自動車は工場へ直接訪れることのできない人に向けたオンライン工場見学を実施している。担任教諭が申し込み、初の開催となった。

 この日は理科室に集合し、モニターを通じて日産車体㈱湘南工場を見学した。日産の魅力や車づくりの工夫を伝えるプラントアテンダントが案内し、児童は「調査員」となって日産の歴史や車づくりを楽しく学んだ。

 同工場では仕事で使う小型商用車と海外向けSUVを生産している。児童らは車が完成するまでのプレス、溶接、塗装、組み立ての工程や出荷の様子などをそれぞれ映像で視聴。

 車体となる鉄板はロール状で運ばれており、象350頭分の重さでプレスされることや、溶接はロボットと手作業で行われること、部品の取り付けや点検の仕方、エンジンの重さ、車1台の完成にかかる時間、全体の部品数などをクイズを交えて学習した。環境を考えた車づくりに取り組んでいることや自動運転技術などの紹介もあり、熱心にメモを取りながら聞き入った。

 児童らは「おすすめの車と一番高い車は」「車の材料はどこから来るのか」「CMの芸能人はどう決めていますか」「他社へのライバル意識はありますか」などさまざまに質問し、回答を冊子に書き込んだ。

 電気自動車の普及とガソリン車についての質問では2030年ごろには新しくガソリン車は製造されなくなる可能性があるとし「これからの未来は電気や水素など環境に優しい車が出る。日産でも電気自動車に力を入れています」と述べた。

 前虎之朗(こじろう)君(11)は「車が好きで、新機能の話などが聞けて良かった。勉強になりました。」と話していた。

(2021年10月22日付紙面より)

モニターを通して車の製造工程を学ぶ児童ら=20日、串本町立潮岬小学校
2021年10月22日
45 自生する希少植物を観察
 5、6年生が熊野川の昼嶋で  (成川小 )

 紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)の5、6年生17人が19日、同町浅里を訪れ、熊野川の昼嶋で観察会に取り組んだ。

 熊野川を含む参詣道は、2005年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されている。昼嶋は島の上部が碁盤の目のようになっており、天照大神(あまてらすおおみかみ)と熊野権現が碁を遊んだ所ともいわれている。

 同小の観察会は毎年、春と秋に実施。今春は天候不良で中止となったが、今回も浅里地区の莊司健さん(74)が協力し、所有する川舟に児童を乗せて熊野川を案内した。

 昼嶋に上陸後は、三重自然誌の会などに所属する元中学校長の山口和洋さん(73)が自生する植物などを紹介。「昼嶋は1400万年前の火山活動でできた独特の島で、貴重な植物が生息している」などと解説した。

 児童は島に絶滅危惧種が多く自生することを学び、キイイトラッキョウ(紀伊糸辣韮)や紀伊半島に分布するシチョウゲ (紫丁花)など希少種を観察。イネ科の外来種のメルケンカルカヤに勢力を奪われていることも知った。

 川岸に戻り、代表でお礼の言葉を述べた6年の大植心葉さんは「希少植物を見ることができて勉強になりました」と話していた。

(2021年10月22日付紙面より)

観察会に取り組んだ5、6年生=19日、紀宝町浅里(一時的にマスクを外して撮影)
昼嶋で希少植物を調べる児童たち
2021年10月22日
46 自然感じて取り組む  順心の会が太極拳鍛錬会  (那智勝浦町 )
2021年10月22日
47 「ぼよよんカボチャ」を作ろう  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2021年10月22日
48 本紙エリアで4人が受章  第37回危険業務従事者叙勲  
2021年10月22日
49 江田と田並で計10匹駆除  串本町分会合同有害駆除  (県猟友会 )
2021年10月22日
50 地域リハ活動支援を利用  大水崎のふれあいサロン  (串本町 )
2021年10月22日
51 心身の発達の過程学ぶ  保育実習で園児と交流  (相野谷中 )
2021年10月22日
52 健やかで楽しい毎日を  敬老会に65歳以上の230人  (御浜町 )
2021年10月22日
53 災害時にドローンで情報収集  協定締結「防災力向上へ」  (紀宝町 )
2021年10月22日
54 投票する人「決めている」61人  有権者110人にアンケート  (新宮市長選 )
2021年10月22日
55 お悔やみ情報
  
2021年10月20日
56 田楽復興100年記念し特別展 12月まで、熊野那智大社宝物殿 

 国の重要無形民俗文化財の「那智の田楽」が復興し今年で100年を迎えることを記念し、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)宝物殿で15日から、「那智の田楽復興百年記念特別展」を開催している。普段、目にすることのできない田楽に関する貴重な文書類などを公開している。展示は12月14日(火)まで。

  □     □

■那智の田楽



 那智の田楽は豊作を祈り、笛や太鼓に合わせて踊る民俗芸能。同大社の例大祭と宵宮(よいみや)の両日に奉納されており、約600年以上の歴史がある。

 同大社によると、明治維新を迎え、神仏判然令が出されたのを機に、田楽の担い手であった社僧(衆徒)が還俗(げんぞく)して那智山を去ったことから、田楽は一度途絶えてしまったという。

 それから50年後の1921(大正10)年に再興。76(昭和51)年に和歌山県初の国の重要無形民俗文化財の指定を受け、2012(平成24)年にユネスコ無形文化遺産に登録された。田楽は現在、那智山の住民を中心に組織される那智田楽保存会によって伝承されている。

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■特別展では



 今回の特別展では板の両面に田楽の演目と舞方の社家名を記した「恒例六月会田楽(こうれいろくがつえでんがく)」や田楽が再興されたことを記した「田楽再興日記」、指南書である「田楽要録」、復興後の田楽含む例大祭の記録「田楽復興史」、田楽衆の衣装を納める「田楽衆装束箱」、1809(文化6)年から13年にかけて田楽に関係する記録が板に記された「田楽記録板」などが拝観できる。

 また、恒例六月会田楽と田楽再興日記、田楽記録板は、国指定の重要文化財である「熊野那智大社文書」61点の中に含まれている貴重なものだという。

 さらに今回の特別展に合わせ、通常時は非公開の県指定文化財「熊野十二所権現古神像」も展示されている。この15体の古神像は、実際に同大社のご神体として祭られていたもの。戦国時代の戦火で那智山が焼けた際に、豊臣秀吉から建物などの再建の命を受けた秀長が復興の際に納めたものだという。

 担当者は「復興から100年の特別展のため、普段は見ることのできない貴重な展示が多くあります。加えて、普段は複製だが、熊野比丘尼(びくに)が布教活動に使った『那智山宮曼荼羅』の実物を見ることができるので、ぜひご来場いただけましたら」と話している。

 入場料は300円、中学生以下は200円(未就学児は無料)。時間は午前8時30分から午後4時まで。

(2021年10月20日付紙面より)

「那智の田楽復興百年記念特別展」が開催されている=15日、那智勝浦町の熊野那智大社宝物殿
普段目にできない「熊野十二所権現古神像」も展示されている
2021年10月20日
57 人生の最期は自宅?病院?
 松山隣保館で出前講座  (新宮市 )

 新宮市の松山隣保館で18日、在宅療養についての出前講座があった。新宮市医師会の在宅医療相談員で看護師の来馬正美さんが紙芝居「最期まで自分らしく暮らすために!~『もしも』の時に備えて~」を読み、参加者4人と人生の最期の過ごし方や延命治療の在り方を考えた。

 新宮市主催。在宅療養とは、住み慣れた自宅や施設で在宅医や訪問看護師、ホームヘルパーによる医療と介護を受けながら療養生活を送ること。

 来馬さんは、療養する場所には自宅、施設、病院の三つの選択肢があると述べ、それぞれのメリットとデメリットを解説。回復の見込みがない最終時点にある患者に人工呼吸器の取り付け、点滴や胃ろうによる栄養投与を行う延命治療についても話した。

 「どのような医療を望むのかは、その人の価値観次第。その選択が必要になるのは、ずっと先かもしれないし、明日かもしれない。『もしも』のときは自分の意思を伝えられないことがほとんどなので、今の自分の意思を書き記しておくことが大事です」と呼び掛けた。

 参加者からは「延命治療は望んでいないけれど、家族は反対のよう。ちゃんと話し合っておかないと」などの声があった。

 在宅医療については市在宅医療相談窓口(電話0735・29・7211、携帯080・2477・1818)、高齢者の困り事については市地域包括支援センター(電話0735・23・3306)で相談を受け付けている。

(2021年10月20日付紙面より)

在宅療養について考える参加者=18日、新宮市の松山隣保館
来馬正美さんが講話
2021年10月20日
58 稲の実りに感謝する
 神内神社で初穂祭  (紀宝町 )

 紀宝町神内の神内神社(宮地秀直宮司)で17日、初穂祭が行われ、稲の豊かな実りに感謝した。

 60年ほど前までは初穂2束を供え、祭が終わった後から稲刈りが行われていた。収穫時期が早まった現在は新米を供えており、今年も地元の人らが収穫した米を並べ、五穀豊穣(ほうじょう)に手を合わせた。

 この日の神事には総代会長の下澤深さん、区長の川原田規泰さん、農業委員の中西和益さん、総代らが参列。例年は御神体の巨岩の前で行うが、午前中に雨が降ったため、社務所で執り行った。

 あいさつした宮地宮司は「神様の恵みを頂いたことに、お礼をする祭り。コロナ禍で昨年、一昨年と祭りも様変わりしてしまい、今年は(稲の豊作を願う)弓神事もできなかったが、来年こそはできたらいい」と語った。

 神内神社は「子安の宮」と呼ばれ、地域内外から安産祈願に人々が訪れることで知られる。例祭は毎年11月23日に行われている。

(2021年10月20日付紙面より)

神社関係者らが参列した神事=17日、紀宝町の神内神社
2021年10月20日
59 進学への意識高める
 串本古座高オープンスクール  (串本町 )

 和歌山県立串本古座高校(左近晴久校長)は16日、同校でオープンスクールを実施した。県内外の13校から中学生67人が参加し、学校紹介やクラブ体験を通じて進学への意識を高めた。当初は9月に予定していたが新型コロナウイルス感染症の影響で延期していた。

 学習内容や学校生活を体験し、理解を深めてもらおうと中学3年生を対象に毎年実施している。同高校は全国募集を行っており、今回は串本・古座川の両町と那智勝浦町、すさみ町に加え、橋本市や大阪府、愛知県の中学校からも参加があった。

 学校紹介では同高校生徒らが▽アドバンスト▽クリエイティブ▽グローカル―の各コースと特徴、学校行事、「水産生物探求」「マリンスポーツ」「南紀食文化研究」「介護福祉基礎」の特色ある科目の説明をした。また、串本古座高校地域協議会が運営する県内唯一の校内塾「くろしお塾」の紹介もあった。

 クラブ体験もあり、参加車らはソフトテニスやサッカー、剣道、演劇、CGSなど11の部活動から興味のある内容を選択して参加していた。

(2021年10月20日付紙面より)

学校紹介の様子=16日、串本町の県立串本古座高校
2021年10月20日
60 優勝は砂平さん、深瀬さん
 新宮市民スポ祭グラウンドゴルフ大会  
2021年10月20日
61 東牟婁地方中学校新人大会①
 バスケット・卓球・剣道  
2021年10月20日
62 がんばる姿を見ててね!  わかば保で第50回運動会  (那智勝浦町 )
2021年10月20日
63 太田のみんなでがんばろう  小・保・地域の合同運動会  (那智勝浦町 )
2021年10月20日
64 3人の横顔紹介  立候補者にインタビュー  (新宮市長選 )
2021年10月20日
65 3人の考えを聞く  新宮市長選候補者アンケート㊤  
2021年10月20日
66 紀宝警察署に取締本部  御浜町議選を前に  
2021年10月20日
67 社会奉仕の一環で除草作業  髙砂会が成川小運動場で  (紀宝町 )
2021年10月20日
68 ハロウィーンの写真並ぶ  フォトコンの表彰式  (まなびの郷 )
2021年10月20日
69 若者の協力得て方向性探る 町への提案に向けワークショップ (古座MORI)
2021年10月20日
70 熱い舌戦が幕開け  候補者が各地で第一声  (衆院選 )
2021年10月20日
71 お悔やみ情報
  
2021年10月19日
72 古式ゆかしく、神輿渡御
 熊野速玉大社「新宮の速玉祭」  

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が執り行われ、16日には神輿(みこし)渡御式と御船祭(みふねまつり)が営まれた。

 例年なら「わっしょい」の掛け声とともに市内を巡行する神輿渡御。今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、昨年に引き続き小神輿を使用。神馬(しんめ)に乗った「一ツ物」に先導され、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神遷(うつ)し場に向かった。

 熊野大橋上流の「神遷し場」で朱塗神幸用船に遷され、諸手船(もろとぶね)、供奉船とともに御船島に向け出発。漕手の密集密接を避けるため早船競漕(きょうそう)が中止となる中、古式ゆかしく御船島を廻(まわ)った。

 その後、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)では、「神輿所」に設けられた杉ノ仮宮で、前日同様に御旅所神事が営まれた。

 祭りを終え、上野宮司は「コロナ禍だが天候に恵まれ、心穏やかに執り行うことができた。皆さま方のお力添えの誠」と感謝。

 「これを縁に、熊野への信仰と、かけがえのない祭りを日本の祈りとして未来につないでいきたい」と話していた。

 熊野地方はこれから、本格的な秋を迎える。

(2021年10月19日付紙面より)

御船島を廻る朱塗神幸用船や諸手船=16日、熊野川
2021年10月19日
73 河上さん無投票で5選
 皆さんの声を大事に市政に  (熊野市長選 )

 任期満了(11月12日)伴う熊野市長選挙が17日告示され、現職の河上敢二さん(65)が無投票で5選を決めた。4候補で競った2017年の市長選と一転し、今回は対立候補がなかった。1998年12月に合併前の旧熊野市長に初当選し、通算では7選目となる。

 河上さんの公約は、コロナ禍で痛めつけられた市民の日常生活を取り戻し、経済の回復と再活性を図ることや安心して暮らせる福祉社会、万全な防災対策の実現など。市内を街宣車で巡り、午後5時に井戸町の選挙事務所へ帰着。直ちに始まった祝勝会で集まった支援者に当選のお礼を述べ、「小さくても元気なまちにしたい。3回目の無投票当選だが、やっと勝たせていただいたとの思いで取り組む。皆さんの声を大事にして市政に当たる」と約束。コロナ感染症予防に配慮して万歳三唱を省略し、お茶で乾杯した。

 会場には松阪市長や近隣の首長、議会議長らも祝福に駆け付けた。

(2021年10月19日付紙面より)

河上敢二さん(右から2人目)に当選祝福の花束=17日、熊野市井戸町の選挙事務所駐車場
2021年10月19日
74 これがヒップホップダンス!
 下里小で文化庁巡回公演  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、NPO法人国際文化交流促進協会カルティベイトによる巡回公演「これがヒップホップダンス!」が開かれた。同小と町立太田小学校(上地巳奈子校長)の児童がプロダンサーによるパフォーマンスに見入り、一緒にヒップホップに挑戦した。

 文化庁の「令和3年度文化芸術による子供育成総合事業」の一環。ヒップホップは1970年代前半にアメリカ・ニューヨークの路上で若者たちによって生みだされた音楽・ダンス・アートを中心とする文化である。

 公演には世界中で活躍する9人のダンサーが登場。▽メリハリのある動きや指をさすポーズが特徴的な「ロックダンス」▽体の筋肉をはじくような面白い動きの「ポップダンス」▽片手で逆立ちや回転をするアクロバティックな「ブレイクダンス」―の三つのスタイルを披露した。

 児童はステージ上で繰り広げられる激しいダンスバトルに大喜びで「カルティベイト最高!」と歓声を上げた。楽曲「Uptown Funk」では振り付けを教わり、一緒に踊る一幕もあった。

 カルティベイト・リーダーのEGAさんは「みんなの中から世界的なダンサーが生まれたら、ぜひ一緒にステージで踊りましょう」と呼び掛けた。

 児童を代表して下里小学校の中地礼香(らいか)さん(6年)が「忙しい中、公演に来ていただいてありがとうございました」とあいさつ。向山遙乃さん(太田小6年)は「ダンスの動きがすごかった」。峰山英心君(下里小1年)は「ブレイクダンスのポーズがかっこよかったし、踊るのも楽しかった」と話していた。

 新型コロナウイルスの影響で参加できなかった韓国のダンサーからは「みんなでコロナに打ち勝っていこう。来年は必ず日本へ」とメッセージが寄せられた。

(2021年10月19日付紙面より)

激しいダンスバトルで魅了=14日、那智勝浦町立下里小学校
ヒップホップで決めポーズ
2021年10月19日
75 選挙戦がスタート 三つどもえの戦い始まる (新宮市長選・市議補選)

 任期満了(10月29日)に伴う新宮市長選挙と、議員辞職に伴う市議会議員補欠選挙(欠員1)が17日、告示された。市長選では届け出順に現職の田岡実千年候補(60)=無所属、新人で元市議の松畑玄候補(49)=同、同じく新人で元市議の上田勝之候補(56)=同=の3人が、市議補選では届け出順に新人の中山忠吏候補(51)=無所属、元市議の大石元則候補(67)=同、新人の月輪匡克候補(54)=同=の3人が立候補。雨模様の空の下、舌戦がスタートした。投開票日は24日(日)。

 人口減少対策や市民生活向上策、新型コロナウイルス感染症対策などが争点となる見通し。午前8時30分に市福祉センターで立候補の届け出を済ませ、選挙の七つ道具を受け取った6陣営は、各後援会事務所前で出陣式を開いた。各候補はマイクを握り、大勢の有権者たちに支持を呼び掛けそれぞれ演説場所へ向かった。

 市選挙管理委員会によると、16日現在の選挙人名簿登録者数は2万3773人(男1万833、女1万2940)。

(2021年10月19日付紙面より)

2021年10月19日
76 コロナ終息願い、秋の夜空に大輪  サプライズ花火250発  (紀宝町 )
2021年10月19日
77 リレーや大縄跳びなどで白熱  矢渕中学校で体育祭  (紀宝町 )
2021年10月19日
78 県内3金融機関と覚書締結  わかやま産業振興財団  
2021年10月19日
79 期日前投票始まる  23日まで、市役所と熊野川行政局で  (新宮市長選・市議補選 )
2021年10月19日
80 世界遺産について学ぼう  太地中1、2年が本宮へ  
2021年10月19日
81 外来種のヨシススキ  那智山方面へ分布拡大  (那智勝浦町 )
2021年10月19日
82 乳がんの早期発見を  ピンクリボン運動で啓発  (串本町 )
2021年10月19日
83 地質調査の目的など教わる  田原小が最寄りの現場見学  (串本町 )
2021年10月19日
84 活動時の基本習熟に励む  望楼の芝で幹部教育訓練  (串本町消防団 )
2021年10月19日
85 お悔やみ情報
  
2021年10月16日
86 本殿大前ノ儀で幕開け 厳かに「新宮の速玉祭」 (熊野速玉大社)

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を廻(まわ)る「神輿渡御式」からなる。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き一般参列を呼び掛けず神職と神社関係者のみで斎行。参列者らは検温や手指消毒、マスク着用などの対策を講じ、祭事に挑んだ。

 上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。

 大前ノ儀を終えた上野宮司は、令和10年に創建1900年を迎えることに言及し「長い歴史の中には疫病のまん延など艱難(かんなん)辛苦あった。そのたびにご先祖は神や国に祈りをささげた。激動の中で祭りをつないできた人々の心を受け継ぎ、ご奉仕させていただくことは何事にも代え難い喜び」とあいさつ。

 「今日という日を千載一遇とし、大事にしなければ。誠心誠意心を込めてご奉仕させていただきたい」と思いを語った。

 16日の神輿渡御式は午後1時30分から。同2時30分ごろから、朱塗りの神幸用船、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻る御船祭が行われる。新型コロナ感染拡大防止のため、早船競漕(きょうそう)は中止となっている。

 祭りの様子は同大社ホームページにてライブ配信が行われている。

(2021年10月16日付紙面より)

玉串を奉奠する上野顯宮司(左)=15日、新宮市の熊野速玉大社
「神なぎの舞」を奉奏する巫女たち
2021年10月16日
87 木の恵みに感謝
 第62回木霊塔建立供養式  (新宮木協 )

 新宮木材協同組合(植松浩理事長)は15日、新宮市あけぼのの木材会館で第62回木霊塔建立供養式を営んだ。同組合員一同が献木した熊野川流域産100年以上のスギ(長さ4㍍、30㌢角)の木霊塔が除幕され、参列した同組合員18人が木の恵みに感謝した。

 供養式は、同組合の初代理事長で名誉市民の杉本喜代松(1873~1955年)の発想にあると伝えられ1951年に創設。切られて倒れる樹木が発する断末魔の悲鳴を耳にする作業員の心情や、業者が受ける恩恵を思い始まった。当初は市内の本廣寺で挙行されていたが、72年から同会館前庭で営まれている。この日は新型コロナウイルス感染防止対策として昨年に続き紀南木材新緑会による木遣(や)り音頭や餅まき、児童生徒木工工作コンクールの表彰式を中止するなど、規模を縮小して行われた。

 式典では組合員たちが除幕した後、植松理事長が木の恵みに対する感謝を述べ、木材業界の発展を祈る祭文を読み上げた。清水文雅・本廣寺住職の読経の中、参列者が焼香し手を合わせていった。

 植松理事長は「無事に滞りなく式典を終えることができました。コロナ禍は業界にも影響を及ぼしており、収束後も木材の需要がどのようになるか分からない。その中でも組合員一同および業界全体で一致団結し、厳しい状況を乗り越えられるよう頑張っていきます」と話していた。

(2021年10月16日付紙面より)

木霊塔が除幕された=15日、新宮市あけぼのの木材会館
式典に参列した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2021年10月16日
88 県産品への理解深める
 古座小学校で梅干しのお話  (串本町 )

 串本町立古座小学校(山路教代校長、児童68人)で14日、県、県教委、県漬物組合連合会主催の「梅干しで元気!!キャンペーン」があった。梅干しの贈呈式とお話説明会が行われ、児童らは生産方法などを学び県産品への理解を深めた。

 同キャンペーンは県食育推進月間(10月)に実施しており今年で17回目。梅干しをより一層身近なものとして食べる習慣を養い、一人一人が自分の食への関心を持つ契機にしてもらおうと、県内の全小学校と特別支援学校へ県産の梅干しと学習資料を配布している。

 贈呈式とお話説明会は県内7校が対象で、新宮・東牟婁地方は同小で開かれた。

 山路校長は、6年生が約一週間前に修学旅行でみなべ町の梅干し工場を見学したことに触れた。6年生はおさらいとして、5年生以下は梅干しがどのように体にいいのか学習させてもらえればとあいさつ。贈呈式では講師の株式会社梅屋=田辺市=の坂井勇人営業部長が児童会長の杉本沙羅さんに同連合会提供の梅干しを手渡した。

 坂井部長はウメにはさまざまな種類があるが、県を代表する南高梅は実が大きくおいしいとして歴史や名前の由来を紹介。市販の梅干しは塩抜きをして味付けすることで塩辛さを抑え、よりいろいろな人に食べてもらえるよう工夫していることなどを話した。

 クイズ形式の紙芝居もあり、児童らは全国のウメの収穫量の約60%を県が占めていることや、梅干しをつくる際の塩の量、昔は薬として使われていたことなどを学んだ。「ウメは何日くらいで育ちますか」「種類はどのくらいありますか」など、知りたいと思ったことを積極的に質問する姿も見られた。

(2021年10月16日付紙面より)

贈呈式では児童会長の杉本沙羅さん(左)が梅干しを受け取った=14日、串本町立古座小学校
2021年10月16日
89 きれいな町を保つ意識を
 たばこ組合紀南支部が清掃活動  (那智勝浦町 )

 和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は14日、那智勝浦町役場周辺で清掃活動を実施した。会員17人が参加し、新型コロナウイルス感染予防に努めながらごみ拾いに励んだ。

 同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に活動。1997年度から清掃が行われており、今年で24年目を迎え、年間25回ほどのペースで取り組んでいる。7日には道の駅くしもと橋杭岩周辺で清掃を実施した。

 会員たちはそろいのチョッキを身に着けて、のぼりを掲げながら紙くずや空き缶などのごみを拾い、汗を流した。

 大谷部長は「会員の皆さんが、いつも率先して参加してくれることを頼もしく思い感謝しています。地域の皆さんのマナーも良く、昔に比べ未成年者の喫煙も大幅に減少した。今後も『ごみ、吸い殻ゼロ』を目指して活動していきたい」。

 塩崎支部長は「全体的にごみの量が少なくなり、うれしい限り。しかし、ゼロになったわけではない。私たちが町をきれいに保つために先頭に立って活動し、意識を高めていければ」と話していた。

 次回は21日(木)に新宮市立医療センター周辺で活動を予定している。

(2021年10月16日付紙面より)

清掃活動に励む会員たち=14日、那智勝浦町役場周辺
和歌山県たばこ商業組合紀南支部の皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2021年10月16日
90 アルマボーラが総合1位
 後期ホップL東牟婁ブロック大会  
2021年10月16日
91 和やかに練習スタート  鴻田公園でグラウンドゴルフ  (新宮市 )
2021年10月16日
92 野菜づくりを体験しよう  生涯現役スキルアップセミナー  (新宮市 )
2021年10月16日
93 コスモス畑が満開に  那智勝浦町市野々で  
2021年10月16日
94 タペストリー作りに挑戦  橋本児童館で秋の工作  (新宮市 )
2021年10月16日
95 健全育成活動をたたえ  西村茂之さんに中部少年補導功労者表彰  (熊野警察署 )
2021年10月16日
96 県、町からの回答書を基に協議  第2回鮒田区環境防災会議  
2021年10月16日
97 目指すべき将来像考える  ボラ・市民活動セが研修会  (紀宝町 )
2021年10月16日
98 子どもたちの力作そろう  地域安全ポスター審査会  
2021年10月16日
99   
2021年10月16日
100 園の雰囲気など知る  上野山こども園で見学会  (串本町 )
2021年10月16日
101 週末開場、利用増の傾向  潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )
2021年10月16日
102 お悔やみ情報
  
2021年10月13日
103 初期消火の重要性再確認
 新宮市庁舎別館で消防訓練  

 新宮市庁舎別館で11日、同館勤務の職員を対象にした消防訓練があった。新宮消防署職員3人が協力。高齢者相談センター職員ら10人が訓練を通して初期消火の重要性を再確認した。

 地域職業訓練センターとして1982年に建設され2011年3月に市に移管。19年1月に「別館」として開所し「高齢者相談センター」としての業務を開始した同館においては、消防計画により年1回以上の訓練が必要とされている。

 この日の訓練は、1階の給湯室から出火したと想定。消防への通報や初期消火、来館者の避難誘導など一連の流れを確認した。

 訓練開始に当たり、赤木博伯総務課長が「別館では、平時勤務する職員数も限られているため、火災発生時は一人一人の消火活動がより重要なものになってくる。いざというときに備えて有意義な訓練にできれば」とあいさつした。

 訓練終了後には同署職員が同所駐車場で消火器の種類や能力、注意点、取り扱い方法を指導。同館職員らは「屋外の場合は風上から、屋内の場合は周囲が見えなくなるため、背面に退路の確保を」などと説明を受け、訓練用消火器を用い、実践をもって使い方を再確認した。

 全行程終了後、同署職員らは「人の命を救うため、そして初期消火を早めるためにも火災発生時にはまず周囲に知らせることが大事」「これからも訓練を重ね、非常放送の適切な活用を」「日頃からイメージし、連携して落ち着いた行動を」などと講評。同館職員らは消火器の位置を再確認するなどして防火に対する意識を新たにした。

(2021年10月13日付紙面より)

消防署職員の指導を受け、消火器の取り扱い方法を再確認した=11日、新宮市庁舎別館
2021年10月13日
104 厳かに祭神への礼つなぐ
 各神社の秋祭り最盛期に  (串本町 )

 串本町内にある各神社の秋祭りシーズンが最盛期を迎えた。昨年に続き今年も新型コロナウイルス感染症の情勢により神事のみとする神社が大半。厳かに式典を営んで祭神への礼をつなぎ、来年以降の再興を期す状況となっている。

 同町内は秋に例大祭を営む神社が多く、その大半が獅子舞の奉仕を受け継ぐ特色もある。その最盛を迎えるのがスポーツの日(10月第2月曜日、今年に限りオリンピック実施に伴い7月に変更)を伴う連休で、各地区で獅子のお囃子(はやし)が響き渡るなど神事前後も秋祭りの余韻を引くところとなっている。しかしながら今年は実施の在り方を決める時季に感染拡大第5波と直面し、稽古や準備が積み難く神事のみとする判断が相次いだ。

 大字串本・サンゴ台を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は10日を本祭日とし、総代会と獅子舞を受け継ぐ東西南北の4氏子会代表者のみ参列して神事を営む形を取った。兼務する下里神社の山本貞夫宮司を斎主に迎え、吉村健三総代長ら19人が参集。午前10時に本殿前で式典を営み、玉串と二礼二拍手一礼の所作をささげて祈願した。

 神酒や直会(なおらい)は感染予防のため中止。獅子舞は例年4氏子会で年当番を持ち回っているが、昨年以降例大祭の当番奉納が成るまで巡りに当たる南氏子会で保留しているという。吉村総代長は「今後は大人同様に子どもの対策も進み、獅子舞も練習できると思う。2年続きの中止で大変だろうが、来年こそはいつも通りにしたい」と思うところを語った。

 同神社に先だって出雲地区の朝貴神社は午前9時に神事のみ執行。地区や総代会や出雲獅子舞保存会の代表13人が兼務する田並八幡神社の坂成正人神主を迎えて式典に臨み、普段は閉ざしている本殿を開扉して神饌や祝詞、一同で玉串をささげて礼をつないだ。

 境内前を飾る地区内6区(東・西・南・北・中・権現)の大のぼりは掲げず、獅子舞の奉納や道行きも中止。平澤正代表区長は「今は区民安全が一番の願い。出雲の祭りはよそに出ている出身者が戻るだけに、神事のみとする判断をせざるを得なかった」と語り、コロナ禍の一日も早い終息を今後に見据えた。

(2021年10月13日付紙面より)

総代会や氏子会の代表者が参列して祭神への礼を尽くす=10日、潮﨑本之宮神社
本殿を開扉して式典に臨む地区や総代会などの代表者=同日、朝貴神社
2021年10月13日
105 「ありがとう、また来てね」
 太鼓演奏で「飛鳥Ⅱ」見送る  (新宮市 )

 クルーズ船「飛鳥Ⅱ」(総トン数5万444㌧、全長241㍍、郵船クルーズ株式会社)が11日、約10カ月ぶりに新宮市の新宮港に入港。201人の乗客たちが一日かけて熊野地方の観光を楽しんだ。

 クルーズ名は「横浜 結航路 秋の新宮・四日市クルーズ」で、行程は横浜~新宮~四日市~横浜。新型コロナウイルスワクチン接種を乗船客全員の乗船条件とし(未接種の場合は乗船の3、4日前にもPCR検査を実施)、乗船の1週間前と前港(横浜港)の出港当日にもPCR検査で陰性を確認している。

 入港時には平安衣装や雅楽演奏によるお出迎え、新宮市と近隣の観光協会による地元特産品販売があった。

 午後5時の出港時には本年度初のお見送りイベントもあり、熊野水軍太鼓の勇ましい演奏が響く中、梛(なぎ)の木見送り隊のメンバーらが「さようなら、ありがとう、また来てね」と手を振った。乗船客からも「ありがとう」の垂れ幕や「またくるで」との返事があった。

(2021年10月13日付紙面より)

熊野水軍太鼓の演奏で出港見送る=11日、新宮市の新宮港
2021年10月13日
106 聴覚障害や手話学ぶ
 児童が福祉学習  (太地町社会福祉協議会 )

 太地町社会福祉協議会(岡本研会長)が福祉教育推進校に指定している太地町立太地小学校(海野文宏校長)で8日、本年度2回目の福祉学習があった。聴覚に障害のある尾田京子さんを講師に迎え、社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんが手話通訳を務めた。4年生児童13人は耳が不自由なろう者の生活の工夫や困り事などを知るとともに、コミュニケーションの方法などを学んだ。

 福祉学習は児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、課題を自身で考えて福祉への学びを深めることを目的に実施されている。

 1回目は全盲の体験や点字学習を学んだ。岡本会長は「手話を学ぶ人が増えれば、耳が不自由な方が快適に生活できるようになる。勉強頑張ってください」とあいさつ。

 尾田さんは耳が不自由になったのは2~3歳の時だったことや、母親が懸命に自身を育ててくれたことを紹介。親元を離れ、和歌山市のろう学校での学びや寮生活、洋裁を習得して仕事に従事してきたことを説明した。

 大代さんはろう者とのコミュニケーション方法として、手話や筆談、口話、身ぶり、空書があること、「海」や「指」など、口の形が似ている言葉については身ぶりを付け足すことで伝えやすくなること、筆談の際は長く丁寧に書くと伝わりにくいため、簡潔に書くことなどを教えた。

 続いて、紙に書かれた物を身ぶりや口話で尾田さんに伝えるゲームなどに取り組み、あいさつなどの手話も覚えた。

 大代さんは「耳が聞こえない方は工夫しながら生活しています。伝えたいと思う気持ちが大事。困っている方がいれば、いろいろな方法で助けてあげてください」。

 尾田さんは「皆さん、身ぶりや手話がすごく上手だった。今日の気持ちを忘れずにお会いしたときはよろしくお願いします」と伝えた。

 学習後、山門咲紀さんは「私は耳が聞こえない人にお会いしたことがなかった。今日習ったことをしっかりと覚えて、困っている人がいれば助けたいです」と話した。

 海野校長は「体験や実際に接する機会がないと大きな壁ができてしまう。耳が不自由な方々が身近で生活されていることを学び、今後は実践につなげてもらいたい」と語った。

(2021年10月13日付紙面より)

ろう者の生活や工夫を学んだ=8日、太地町立太地小学校
尾田京子さん(右)が講師を務め、大代聖子さんが手話通訳した
2021年10月13日
107 コスモス咲き始める  神内神社周辺の休耕地に  (紀宝町 )
2021年10月13日
108 子育て施策などで意見交換  メダリスト武田美保さん迎え  (紀宝町 )
2021年10月13日
109 京城跡で文化遺産を学ぶ  1年生が文化祭での発表に向け  (相野谷中 )
2021年10月13日
110 要望書について意見交換  区役員と実行委員会が合同会議  (新宮市高田区 )
2021年10月13日
111 樽神輿や行列が町を歩く  飛鳥神社例大祭  (太地町 )
2021年10月13日
112 260本ほぼ売り尽くす  CGS部開発の万能だれ  (串本古座高校 )
2021年10月13日
113 お悔やみ情報
  
2021年10月03日
114 特選3作品が決定
 ふるさと自慢写真コンクール  (南紀くろしお商工会 )

 南紀くろしお商工会(森川起安会長)の商業振興部会(須川晴夫部会長)が那智勝浦町と太地町の小・中学生から募集していた「ふるさと自慢写真コンクール」の表彰式が2日、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅であった。

 コンクールは地域の子どもたちにふるさとの良さを写真によって再認識してもらおうと始まった。今年で17回目。118作品が集まった。特選には下原咲和(さわ)さん(勝浦小5)の「海を行くゴジラ」、角拓利(たくと)君(勝浦小6)の「貴久の滝」、小賀実樹君(市野々小5)の「六地蔵と那智の滝」が選ばれた。

 表彰式には下原さんと小賀君が出席。森川会長とJR新宮駅の小林豊係長が、2人に賞状と記念品を手渡した。

 森川会長は保護者やJR西日本に対し感謝を述べ、「コロナ禍の中でも多数の応募があった。子どもたちのエネルギーが頼もしい。皆さまの写真を通して、地域の良いところをたくさん知ってもらうことで地域が良くなります」。

 商業振興部会の木下勝之副部会長が「素晴らしい写真、喜んでいます。これからもコンクールに期待されるものが大きくなっていくと思う」など祝いの言葉を贈った。

 自分用のカメラで普段から景色の撮影などを行う下原さんは「去年も参加しましたが、入選に入ることもできなかった。特選を取ることができてうれしい」と笑顔で話した。

 これまでも同コンクールに参加したことがあるという小賀君は「三重の塔を撮影する人も多いが、今回はお地蔵さまと滝を撮るほうが良いと思った。写真を撮影するのは好き。次回もやってみたい」と話していた。

 特選には同商工会の商品券のほか、JR新宮駅、和歌山県漁連勝浦市場、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、南紀勝浦温泉旅館組合、那智黒総本舗から副賞が贈られた。

 入賞作品23点はJR紀伊勝浦駅舎2階に展示中。那智勝浦ロータリークラブのカレンダーにも掲載される予定。

(2021年10月3日付紙面より)

式典に出席した小賀実樹君(前列左)と下原咲和さん=2日、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅
2021年10月03日
115 地域社会の形成などを支援
 串本町と包括連携協定締結  (第一生命保険株式会社 )

 第一生命保険株式会社和歌山支社新宮営業オフィス(林田祥道オフィス長)が1日、串本町と地域社会形成などに係る包括連携協定を締結した。林田オフィス長はまず健康増進分野で支援するとし、この連携を足掛かりにし同町の全国発信など協働の幅を広げていきたいと意気込んでいる。

 同社は事業の舞台となる地域の諸課題解決の力になりたいという思いで自治体や公共機関との協定締結を重ねている。同オフィスの協定締結は昨年10月に新宮市と締結した高齢者見守りに関する協定に続いて2例目。包括連携協定としては県南部初で、同支社エリア内では橋本市、紀美野町、かつらぎ町、高野町、九度山町に続いて6例目になるという。

 この日は同町役場で締結式があり、林田オフィス長と田嶋勝正町長が同協定書に署名。同支社の古矢直人副支社長ら社員4人も立ち会い見届けた。田嶋町長は町として取り組まなければならない事柄を網羅する形での協定締結に感謝し、ウィズ・コロナ下の行政には大変な面もあろうが協定の力も借りて向上に傾注したいとして協力を求めた。

 連携事項は▽健康増進▽ワーク・ライフ・バランスの推進▽子育て支援・保育対策▽青少年育成・教育▽ライフプランサポート▽高齢者支援▽スポーツ振興▽産業振興・中小企業支援▽環境保全▽町政情報の発信▽その他地域社会の活性化および町民サービスの向上―の11項目で、いずれも保険業法上許容される範囲での協力としている。締結を見届けた古矢副支社長は「町民の皆さまの期待に応える決意を新たにした」と述べ、健康増進の支援をスタートとして同協定に掲げるさまざまな分野へと連携を広げるための協議を今後も続けることを両者に期待した。

 同オフィスは現在、新宮市との協定内容の拡充や那智勝浦町との協定新規締結も調整中。串本町との連携の足掛かりとする健康増進分野の支援は健診事業の概要や実施日程などを案内し受診を後押しする内容で、独自制作したチラシを配る形で近々始めるという。同支社はこの日、締結の縁で感染症予防資材(マスク、ペーパータオル、消毒液)の寄贈を別途申し出た。

(2021年10月3日付紙面より)

包括連携協定を締結した田嶋勝正町長(右から2人目)や林田祥道オフィス長(同3人目)など=1日、串本町役場
2021年10月03日
116 支え合う気持ち養う
 高田小で「赤い羽根共同募金」の授業  (新宮市 )

 新宮市立高田小学校(大家淳志校長、児童6人)で1日、赤い羽根共同募金についての授業があった。市社会福祉協議会生活支援コーディネーターの福島圭さん、地域福祉部の植地美貴さんと戸村早希さんが来校し、募金を行う意味や取り組みなどについて講話した。

 子どもたちに募金の大切さや、人として支え合いや優しい気持ちを養ってもらおうと初めて実施。今後は市内の小学校で授業を計画している。

 植地さんと戸村さんは、共同募金には緑や青、黄、白、黒など全7種類があることを紹介。「募金は色によってそれぞれに意味があり、全て人に関わるもの。その中で、赤い羽根は福祉や災害支援のために活用されています」と説明した。

 その後、2人は同募金の成り立ちを表現した手作りの紙芝居「赤い羽根共同募金ってなぁに?」を読み聞かせ。募金は町づくりや人とのつながりに重要な役割を担っていると語り「私たちが暮らす町には赤い羽根共同募金でできている支え合いがいっぱいあります。そのことを忘れないでくださいね」と呼び掛けた。後半には子ども食堂や食事を作るのが困難な高齢者への弁当の配布、サロン活動など、さまざまな状況で役立てられていることを伝えた。

 授業を終え、児童は「いろんな種類の募金があることが勉強になった」「改めて助け合いが大切だと分かった」「私も少しでも役に立ちたいと思った」などの感想を伝えた。

 戸村さんは「子どもたちが熱心に聞いてくれている姿を見て、うれしかったです。共同募金の仕組みに興味を持ってもらい、いろんな人に伝えていってもらえれば」と話していた。

(2021年10月3日付紙面より)

紙芝居で赤い羽根共同募金について説明する植地美貴さん(左)と戸村早希さん=1日、新宮市立高田小学校
講話に耳を傾ける児童ら
2021年10月03日
117 県内全団体が早期健全化基準未満  令和2年度決算に係る健全化判断比率など公表  (和歌山県 )
2021年10月03日
118 避難するために筋力を  いきいきサロン三四朗  (那智勝浦町 )
2021年10月03日
119 全員で喜び、笑顔で楽しむ  北山小・中ときたやま保が運動会  
2021年10月03日
120 元気いっぱい汗流そう  勝浦認定こども園で運動会  
2021年10月03日
121 交流の場に笑顔広がる  町内の各施設が再開  (紀宝町 )
2021年10月03日
122 「距離は遠く、心は密に」  新高祭2021盛り上がる  
2021年10月03日
123 お悔やみ情報