第40回定期演奏会 (新宮高校吹奏楽部 )
新宮市の和歌山県立新宮高校(前田成穂校長)吹奏楽部(亀谷覚史顧問、山本紗梛部長、部員17人)は21日、同校体育館で第40回定期演奏会を開催した。OBや3年生を含めた総勢44人が行進曲や吹奏楽曲、歌謡曲など幅広い曲を演奏し、観客を魅了した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった昨年の「第39回定期演奏会」から1年。同部ではコロナ禍における演奏会の実施に向け、他府県のプロ・アマチュア各団体の活動を参考にしながら日々検討を重ね、「コロナに負けるな! 音楽で感謝の想いを地域に届けよう!!」をテーマの一つに開催を決断。
規模を縮小し関係者や一部招待客のみ来場を呼び掛ける形での実施に至った。来場者にはソーシャルディスタンス確保やマスク着用、検温への協力などを呼び掛けた。
演奏会は3部で構成。「吹奏楽のための『エール・マーチ』」で華々しく幕開けし「ルパン三世のテーマ」や「ピンク・レディー・メドレー」などで会場を盛り上げた。
2部は「あつまれ なんだこの森」と題し、寸劇と手作りの映像作品に合わせてアニメソングなどを演奏。観客は笑顔と拍手をもって応えた。
卒業生の引退セレモニーとしても位置付けられている同演奏会。3部では「OLYMPIC FANFARE AND THEME」「TOYSTORY4」などのほか、中島みゆきの「時代」に合わせて引退する3年生を紹介。約2年半の部員活動をたたえた。また、「僕のこと」を部員全員で合唱。演奏会が開催できたこと、そして地域や関係者に対する感謝を伝えた。
亀谷教諭は来場者に対し「活動をストップし部員たちも苦しい思いを続けてきた。演奏会開催に関してはさまざまな意見があると思うが、皆さんに少しでも温かい心になってもらおうと頑張ってきた」と開催に至った経緯を説明。「これからも地域と共に、前を向いて頑張っていきたい」と誓いを新たにした。
(2021年3月23日付紙面より)
添野川地内で自然観察会 (古座川らんど )
古座川町の古座川らんどが20日夜半、添野川(そいのがわ)地内で自然観察会を開いた。観察対象は国の特別天然記念物・オオサンショウウオ。主催者含め20人が専門家の調査に同行し、体長93㌢の野生個体や調査の様子を間近に見る機会を得た。
古座川流域で見られるオオサンショウウオは元々生息しているのではなく、数十年前に人為管理下から自然界へ広まったのが起点とされる。最初の個体は他の地域由来だったが古座川の環境にも適応し、以来数十年にわたってその子孫が見つかるところとなっている。
半世紀以上の生息実績や世界的な絶滅危惧などから、保全と活用を図るべきと捉えるのが古座川らんどの考えで、おととし12月のイベント実施を足掛かりとし地元の理解を促すためパンフレットを作成するなど啓発の努力を重ねている。今回の自然観察会はそのような古座川の自然の一端に親しむ機会として計画し、社会情勢を鑑み事前の情報発信を会員制交流サイト(SNS)主体で制限しつつ参加を呼び掛け、募集4日目で定員に達する申し込みを得たという。
当日は日本オオサンショウウオの会事務局長を務める研究者・清水善吉さんが許可に基づいて行う生態調査に同行。夜行性のオオサンショウウオが活動を始める時間帯に合わせての実施で、参加者はウェーダーとヘッドランプを着用し清水さんからオオサンショウウオの説明や観察時の留意事項の説明を受け、清水さんと共に夜半の添野川に入ってオオサンショウウオを探した。
真っ先に見つけたのは清水さんで、過去に見つかっていない野生個体だったため個体を識別するためのマイクロチップを打ちDNA調査用のサンプルを採取。体重や体長、発見時の気温や水温、体の状態などを記録して川へ戻した。
参加者は清水さんの一連の調査手順を間近に見学し、その段取りをする間に野生個体を観察。体長93㌢、体重4・95㌔。大きさに驚きつつ、複数人でヘッドライトの明かりを集め持参したカメラで撮影するなどした。
参加者には子どもも多く、オオサンショウウオ探しの合間に捕まえたカニを清水さんに見せて「食べるのか」と興味津々の質問も。今回は目的の観察に加え、調査の全容も見届ける好機を得て終了した。
(2021年3月23日付紙面より)
街頭啓発で呼び掛け (和歌山県 )
和歌山県は20、21の両日、県内各所で新型コロナウイルス感染症に係る誹謗(ひぼう)中傷などを行わないよう呼び掛ける街頭啓発を実施した。東牟婁振興局管内では20日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で職員6人がチラシやマスクなどの啓発物資を配布。買い物客らに周知を図った。
新型コロナの感染拡大に伴い、感染者やその家族、医療関係者などに対するデマや誹謗中傷の被害が増加している。
県ではこのほど、啓発チラシ約36万枚を作成。誹謗中傷は許されないものであること、また、懲役などの刑事罰が科せられる場合があるだけでなく、被害者からの損害賠償を請求される場合もあり、被害者のみならず誹謗中傷などを行った人自身の人生を変えてしまうものであることなどが盛り込まれている。チラシは街頭啓発のほか、企業や関係団体、自治会を通して各家庭へ配布していく構えだ。
同振興局地域振興部総務県民課の岡田実さんはは「誹謗中傷は犯罪につながる恐れがあり、受けた人から損害賠償を求められる場合もある。被害者だけでなく、誹謗中傷を行った本人の人生にも影響を及ぼし、人生を変えてしまうこともある。デマや誹謗中傷はやめてください」と話している。
県では、コロナに係る誹謗中傷や差別、いじめなどを受けた人に対して「コロナ差別専用相談窓口」(電話073・441・2563、FAX073・433・4540、平日午前9時~午後5時45分)を設置。「一人で悩まず相談を」と呼び掛けている。
(2021年3月23日付紙面より)
新宮市の株式会社アスカフューネラルサプライは20日、那智勝浦町朝日の家族葬あすか東花園とGreen&Flower東花園で「東花園2周年記念大感謝祭」を開催した。大道芸人によるショーやゲームコーナ、飲食コーナー、式場見学会&相談会もあり、多くの家族連れでにぎわった。
同社によると、家族葬あすか東花園では現代のニーズに合わせ家族葬専門の葬儀場を提供し、Green&Flower東花園との共同経営で式場のプロデュースも一貫して行っているという。
今回のイベントは家族葬あすか東花園がオープン2周年を迎えたことを記念し実施に至った。子どもたちは参加賞がもらえるストラックアウトやボウリング、輪投げに加え、金魚すくいやヨーヨー釣りなど多くの催しを笑顔で楽しんでいた。
両市町の飲食店などが出店したポップコーンや綿菓子、フランクフルト、豚汁、アイスクリーム、チョコバナナなどの飲食コーナーも盛況だった。
午前と午後の部に分け、スマイルクリエイター鈴木さんとバルーンパフォーマーAKIさんによる大道芸ショーも会場を沸かせた。
同市から家族で訪れた30代女性は「新聞を見てイベントを知りました。最近、どこの町でも大きなイベントがなかったので、今日はにぎわっていてうれしかった。子どもたちも喜んでいます」と語った。
同社代表取締役の田中亮さんは「コロナの影響で、昨年から家族連れで集まれるようなイベントがなかったため地域の方々に楽しんでいただきたかった。喜んでいただけてうれしい」。
今後については「今日はお彼岸。お墓などに供える仏花も無料でお配りしているのでぜひ、お供えいただけましたら。今後も機会があれば皆さまに喜んでいただけるような催しをどんどんやっていきたいと思います」と話していた。
(2021年3月23日付紙面より)
紀南十高校春季野球リーグ戦が開幕
来週から、医療従事者に接種開始 (新宮市 )
都道府県が実施する、新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が全国で始まっている。新宮・東牟婁地方では12日午前、195バイアル(1箱、975人分)が新宮市立医療センターに到着。ワクチンは今後、那智勝浦町立温泉病院、くしもと町立病院に配分される。
ファイザー製ワクチンは、先月12日に輸入第1便として、最大38万6100回(19万3050人)分が到着。21日の第2便では最大45万2790回(22万6395人)分、今月1日の第3便で最大52万6500回(26万3250人)分が国内に届いた。
和歌山県では今月6日、3900回分が県内11病院に到着し、8日に接種が始まった。市立医療センターでは17日(水)から19日(金)にかけて、医師・看護師・技術スタッフなど同センター職員に接種を行っていく予定だ。
12日、河野太郎行政改革担当相は会見で、6月までに計約1億回分(約5千万人分)のワクチンを調達できるとの見通しを表明した。欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週9188箱、最大約1千万回分が日本に到着し、全ての高齢者約3600万人分を6月末までに市区町村に届けるなどの方針を示した。
今後のスケジュールによると、15日(月)に360箱が日本に到着。医療従事者分のワクチンについて、5月10日の週に対象者全てが2回接種できる量の配送が完了するという。
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4月中旬から高齢者への接種が始まる新型コロナワクチン。和歌山県では、16日(火)に相談窓口を開設し、ワクチンの効果や副反応に係る相談などに対応していく。相談は電話(073・441・2593)もしくはFAX(073・431・1800)で応じる。受付時間は土・日・祝日含む午前9時~午後6時。接種券、接種場所、接種時期などについては各市町村に問い合わせる。
(2021年3月14日付紙面より)
ICOCAもエリア拡大 (JR西日本 )
春のダイヤ改正に伴い13日、JRきのくに線・紀伊田辺―新宮駅間に新型車両227系が導入された=写真。同車両には車載型IC改札機が搭載。これにより、県内全域でICOCA(イコカ)が使用できるようになった。
同車両は、アーバンネットワーク共通のインテリアデザインを採用。客室には間接光を組み合わせたLED照明を用いるなど落ち着いた車内空間となっている。2019年春のダイヤ改正により近畿圏に初投入。和歌山線・桜井線、きのくに線の一部に導入された。和歌山県と奈良県では、文化・歴史・自然の奥深さを表現した緑色が配されている。
同日午前6時53分、第1便が新宮駅を出発。駅のホームには新型車両を写真に収めようとスマートフォンや一眼レフを手にした鉄道ファンの姿が見られた。
ICOCAが新たに使えるようになるのは同区間で21駅。ICOCA、ICOCA定期券が利用できる。また、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使うことができる。
(2021年3月14日付紙面より)
フラット7紀宝バイパス店で2人展 (紀宝町 )
アフリカを代表する現代アートでタンザニア発祥の「ティンガティンガ」。現地でその芸術を学んだ2人のアーティストによる作品展が14日まで、紀宝町神内の紀宝バイパス沿いにある「フラット7紀宝バイパス店」で開かれている。入場無料で、時間は午前10時30分から午後5時まで。14日午後1時30分からはピアノに作品を描くという。
出品したアーティストは、SHOGEN(上田祥玄)さん(34)と御浜町立阿田和小学校6年のHARUKA(細川悠花)さん(12)。赤、青、黄、緑、白、黒の6色の外壁用油性ペンキを用いて描いた35点を展示した。
ティンガティンガは、1960年代末に生まれた絵画スタイル。サバンナの動物や豊かな自然、人々の暮らしを6色のペンキを使って、色鮮やかに描き出す。
SHOGENさんは京都の雑貨店で出会ったティンガティンガに魅了され、その日のうちにタンザニア行きのチケットを購入。2014年7月から約1年間、現地で生活しながら修行を積んだ。現地で、タンザニア政府にパトカーを寄贈したHARUKAさんの父と知り合い、帰国した翌年、小学1年のHARUKAさんと出会った。
「ティンガティンガは人の背中を押してくれるアート。コロナ禍だからこそ見てほしい。タンザニアの人たちと同じ生活をしたHARUKAさんにも会いに来てほしい」。
HARUKAさんもティンガティンガに心を引かれ、小学4年の夏休みに2週間ほどタンザニアで学んだ。帰国後、初めて描いた「草原の中の夢」や、未来を意味するスワヒリ語の「baadaye」と題してヒマワリを描いた作品など27点を出品。「ヒマワリは太陽に向いて咲くので、前を向くイメージで描いた。ティンガティンガは自分が思ったときに好きな動物などを描けるので好き」と話していた。
(2021年3月14日付紙面より)
鵜殿港に1600本水揚げ (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿港に12日、ブリ約1600本が水揚げされた。今季初の1000本超えで、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど、下旬には2000~3000本揚がるというが、今季は遅めのスタートとなった。それでも、平均10㌔のブリを中心に水揚げされ、前日揚がった800本の中には約17㌔の丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜(みはま)丸、第八三濱(みはま)丸が水揚げした。第一三浜丸の鈴木準一船長は「1000本以上揚がってよかった。2月下旬に1000本以上揚がる年もある。今年は少し遅かったが、今の時季にしてはサイズが大きい」と話していた。今季の漁は4月中旬まで続くという。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京などに届ける」と語った。
(2021年3月13日付紙面より)
たばこ組合紀南支部が清掃活動 (太地町 )
和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は11日、太地町の町立くじらの博物館周辺で清掃活動を実施した。会員13人が参加し、新型コロナウイルス感染症予防に努めながらごみ拾いに汗を流した。
同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼びかけを目的に活動。1997(平成9)年度から清掃が行われており、今年で24年目を迎え、年間約20回のペースで取り組んでいる。今年は先月25日に古座川町相瀬の国指定天然記念物・一枚岩周辺で1回目の清掃を行った。
会員たちはそろいのチョッキを身に着け、のぼりを掲げながら紙くずや空き缶などのごみを拾っていった。
大谷部長は「年々、ごみの量も減少傾向にあり、うれしく思います。吸い殻も、たばこを吸う人が少なくなったせいか、過去に比べるとほとんど目に付かない。この活動を知ってもらい、今後も改めて皆さんの町をきれいに保つという意識を高めてもらえれば」と話していた。
次回は18日(木)に那智の滝周辺で活動を予定している。
(2021年3月13日付紙面より)
「まんぷくMAP」を発行 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が10日、飲食関係の会員店舗を紹介する冊子「まんぷくMAP」を発行した。
A5判カラー12㌻。前身の串本町観光協会が同様の趣旨で作成した「食べ歩きマップ」を強化刷新した冊子で、掲載している店舗数は35軒から55軒に増え、併せて同協会が提供する▽フィッシング釣り具レンタル▽釣って×触れて×学ぶ珍魚釣り体験▽街中チョイのりレンタルサイクル▽初心者でも安心!古座川カヌー体験―の各アクティビティー情報も盛り込んでいる。
携行性を高めるために従来のA4判からA5判にサイズ変更し、通信端末による情報入手が主流化する時代変化にも対応し表紙に冊子のPDFデータが閲覧できるQRコードを印刷。手元に冊子がなくても使い慣れた通信端末に保存して活用するなど利便性向上の工夫も刷新を機に図った。
同町の日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」によるアピール要素も取り入れ親近感を誘う仕上がり。作成数は5000部で、当面は同協会の串本事業所(JR串本駅併設)と古座事業所(JR古座駅舎内)、ホテル&リゾーツ和歌山串本や4月14日(水)に開業するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山串本」で取り扱い、必要とする観光客や工事関係で町内滞在する人に配って活用してもらうという。
同協会の宇井晋介事務局長は「昨年から企画を進めていたが、新型コロナの影響でマップの需要が低迷し刷新も延び延びになっていた。関西の緊急事態宣言も解け、観光客の増加が見込めるようになったので発行に踏み切った。会員皆さまのプラスになるようしっかり活用していきたい」と意気込んでいる。
(2021年3月13日付紙面より)
議会中に黙とうささげる (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)3月定例会期中の11日、議員や市職員ら出席者は議場において約1分間の黙とうをささげ、東日本大震災の犠牲者を追悼した。
一般質問を中断した上、午後2時46分に久保議長の呼び掛けで黙とうを行った。新宮市は震災で甚大な被害を受け多大な犠牲者が出た宮城県名取市と姉妹都市提携を、気仙沼市と交流都市協定を締結している。両市とも震災に伴う津波や火災などで壊滅的な被害を受けた。
先の大震災では、宮城県北部の栗原市で最大震度7が観測されたほか、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などで震度6強を観測。災害関連死を含めた死者は1万9000人を超え、現在も2500人以上が行方不明となっている。
(2021年3月13日付紙面より)
【第31回】フィンランドの食育は?
野菜が嫌いという悩みは、子育てをしていると尽きません。なんとか、野菜を食べさせたい! これは多くの方が感じていることではないでしょうか?子どもが野菜を嫌がる理由は、一番はやっぱり味です。特に、ピーマンやセロリなど苦みや香りがきついものは、嫌われる可能性が高いですね。あとは、歯触りや舌触り。トマトやナスなど独特の食感のものは、その食感が嫌いということが多いです。
野菜嫌いの克服法として、よく言われるのは調理の工夫ですよね。細かくカットしたり、カレーやハンバーグに混ぜる。味付けを工夫するなど、お母さんたちは、あの手この手を使って野菜を食べられるように日々試行錯誤していると思います。これは、とっても有効な手段です。
小学生の野菜摂取について調べた論文によるとこんな記述があります。「緑黄色野菜の摂取頻度の低い児童ほど野菜嫌いが多く、その原因は主に味であるが、嫌いな野菜でも各々に応じた調理法を工夫すれば食べられるようになると答えた」(栄養学雑誌「小学生の野菜摂取に関係する食習慣と親の食意識について」、1996年)。確かに調理を工夫することで、食べられるようになるということですね。
でも今、これまでとは全く違うアプローチが、注目されています。フィンランドで実施されている食育法なんですが、その名も「サペーレ」。このサペーレは収穫体験や調理体験ではない、これまでに全くなかった野菜克服のアプローチです。
ポイントは、五感で野菜と触れ合うということ! フィンランドの幼稚園などでは、目隠しをして野菜を触ったり、匂いを嗅いだり。虫眼鏡を使って、野菜の断面を観察したり、手触りを楽しんだり。野菜そのものを、体感するという授業が行われているんです。
食べ物で遊んじゃダメ!と昔はよく言いましたが、サペーレではそれも食育! 野菜をお人形に見立てて遊んだり、おもちゃにしたり。創造力を使って、野菜と触れ合うことが大切とされているわけです。そして実際に、野菜と存分に戯れた子どもたちはその遊んだ後の野菜を嫌がらずに食べるそうです!!
収穫体験や家庭菜園はすぐ実行することはできませんが、これはすぐにでも家でできそうですよね。大切なのは、野菜に対するネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)することではないかと思います。「野菜=まずい・苦い」といった、先入観を一度フラットにするために野菜と触れ合うんです。子どもたちは好奇心にあふれ、きっと野菜との触れ合いを楽しんでくれるはずです。せっかく野菜と触れ合うなら、縦にカットしたときと、横にカットしたときの断面の違いやタネがどんなふうになっているかなども見てみてください。
子どもの体験は学習の宝庫! ぜひ親子で楽しみながらフィンランドの食育にトライしてみてください。
(2021年3月13日付紙面より)
調査や商業捕鯨に向かう (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が9日正午、クジラの生態調査と商業捕鯨を行うために昨年より約1カ月早く太地漁港を出港した。船員の家族や関係者ら20人が駆け付け、無事を祈りながら見送った。
今回の調査は日本鯨類研究所が日本小型捕鯨協会(貝良文会長)に依頼し、所属する同町や宮城、千葉県の船4隻が東北沖などで調査するもの。第7勝丸は青森県沖で行う。
各船が役割分担する調査内容は15日(月)から29日(月)までの間、▽目視▽DNA検査のため肉片を採取▽衛星標識を装着し個体の位置情報を確認する―などで、クジラの生態や回遊場所(生息域)を科学的に調査する。
昨年は国が定める漁獲枠132頭(母船分を含む)より少ない95頭だった。同漁協によると、海水温の上昇などが昨年の捕獲頭数に影響したと推測しているという。調査終了後は4月3日(土)から商業捕鯨を開始する見込み。
勝丸は6日未明に出港したが、海の状態が悪かったことや船内設備の不具合などから安全を考慮しすぐに帰港した。その後も前述の理由などから数日出港を見送りこの日となった。
6日時点で同漁協専務理事で同協会の貝会長は「昨年は新型コロナウイルスの影響で鯨肉の単価がかなり落ちたが、秋ごろには持ち直した。今年は挽回できれば」。
調査や商業捕鯨については「海水温が上がると数年間は続くため、心配もある。しかし、今回の調査は商業捕鯨前に科学的に調査してくれるのでクジラの位置が分かりありがたい。目標は今年最大漁獲枠の134頭」と話していた。
出港を見送った同漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「安全に調査が済み、無事に操業を終えることが第一。その上で大漁を願っています」と語った。
竹内船長は「今年もいつもと変わらず、安全第一で実施したい。今回はもっと早く出港したかったが天候も悪かった。ターゲットはミンククジラ。今年は定められた頭数を全て捕獲したい」と語った。
(2021年3月11日付紙面より)
地域支え合いにかかる勉強会 (新宮市 )
新宮市と市社会福祉協議会は9日、同市野田の市福祉センターで「地域支え合いにかかる勉強会」を開いた。市内の民生委員や福祉委員ら約50人が参加。東牟婁振興局健康福祉部保健課保健グループ主査の中住公泰さんが「新型コロナウイルスについて」と題して講話した。
勉強会は昨年に開催された地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」を基に、新型コロナウイルスの影響で各地区が抱いている問題や、この先どのような支えや助け合いの活動ができるかなどの意見を出し合う機会の場を設けようと実施。当初は1月の開催を予定していたが、新宮保健所管内での感染が確認されたことから延期となっていた。
同フォーラムは地域に必要な支え合いについて理解を深めることを目的に行われ、市では「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という市民の思いを実現するため、地域包括システムの構築を目指している。
講話で中住さんは「新型コロナウイルスにかかっても多くの人が軽症で回復していくが、20%は肺炎や人工呼吸器を使用するなどの重症化につながっている。初期症状は風邪やインフルエンザと区別がつかず、最大2週間ほど潜伏している」と説明。30代と比較した場合の各年代の重症化率を紹介し、年齢が増すごとに症状が悪化しやすい傾向を解説した。
感染リスクについては「3密」「大声で話す」といった条件で高くなっており、接待を伴う飲食店においてクラスターが発生していると述べ、「飲食を伴う懇談会」「大人数や長時間に及ぶ飲食」「居場所の切り替わり」など、五つの場面を挙げた。
対策として中住さんは、みんなが分かっていることとし▽身体的距離の確保(ソーシャルディスタンス)▽マスクの着用▽手洗い▽換気▽消毒▽体調不良時には早期に受診―を呼び掛けていた。
(2021年3月11日付紙面より)
ふるさとわかやま学習大賞 (串本町 )
本年度ふるさとわかやま学習大賞に作品を応募した串本町立田原小学校(野端則久校長)と同町立西向中学校(山下哲治校長)がともに奨励賞を受賞した。両校とも8日の集会で関係する児童生徒への表彰状伝達をし、学校を挙げて喜びを分かち合った。
この表彰は、県教育委員会がふるさとへの興味や関心を深め、郷土愛を育む目的で県内の小学校~高校やこの幅に相当する学校の児童生徒グループを対象に年次実施。地域の自然や文化、歴史や先人などを学んだ成果を▽模造紙ポスター▽模造紙新聞▽リーフレット▽パンフレット▽動画―といった各部門で受け付け、大賞は各部門から1点、奨励賞は全部門から計10点を選出して表彰している。
田原小は5、6年生5人が校区内で大きな話題になっている民間小型ロケット発射場に関心を持ち宇宙関係技術について調べた成果を、規定サイズ(788㍉×1091㍉)の模造紙ポスター作品「宇宙に飛び出せ!田原ロケット!!」を制作。国産のロケットや人工衛星、国際宇宙ステーションや同発射場「スペースポート紀伊」の情報をぎゅっと詰め込み、ポスターだが扉をつけ開くと解説が出てくるなどの工夫も加え、5人それぞれの感想も添えた内容となっている。
西向中は3年生10人が前年度に国語科の授業の一環で取り組んだがコロナ禍に伴う臨時休校で発表の機会を失ってしまった調べ学習の成果を基にし、仕切り直して本年度に制作したA4サイズ14㌻構成のパンフレット作品「ミニタウン情報誌『あんね~よ』」を応募。九龍島(くろしま)や鯛島、神野川・地主神社や少女峰、校区内の産品であるヒジキやポンカンについて調べた事柄をまとめた内容となっている。
同町関係では過去、2009(平成21)年度に養春小の児童作品(ヒジキ学習)が奨励賞、12(平成24)年度に西向小の児童作品(ふるさと再発見学習)が大賞に選ばれた経緯があり、今回は8年ぶりの受賞となる。
(2021年3月11日付紙面より)
リーフレット1万部を作製
日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)は、クマノザクラを紹介するリーフレットを1万部作製し、会員と新宮市、那智勝浦町、紀宝町、御浜町、熊野市、上北山村など和歌山、三重、奈良の3県各市町村に配布した。
クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018(平成30)年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから、観賞用の利用が期待されている。
花は一つの花芽に2個つき、花柄が比較的短く無毛。花弁は白~淡紅色で、先端が濃くなることもある。葉は葉身が卵形で幅が18~36㍉と細長く、葉緑の鋸歯(きょし)が粗く、葉面裏が淡緑色。これらを含む多くの特徴を観察することによって、クマノザクラの正確な同定ができるという。
リーフレットはカラー刷りで、薄ピンク色で花びらを表現し、「熊野から始まる春」と題した。見開きで3県の観察ポイントを地図や写真で紹介し、分布地、花と葉の特徴、保全なども掲載した。
同会ではクマノザクラの利活用や保全活動を目指し、2月に発足。本年度はリーフレット作製、ホームページ(https://www.kumanozakura.jp/)開設のほか、観察会や講習会、講座の開催などを計画している。
(2021年3月11日付紙面より)
全国一斉放水に「はくりゅう」参加 (那智勝浦町 )
新型コロナウイルス感染症と闘う全ての人にエールを送ろうと、消防艇による全国一斉放水が7日午後2時から、全国23消防本部の各地域で行われた。那智勝浦町の勝浦漁港内では、県内で唯一消防艇を有する町消防本部(湯川辰也消防長)と町消防団(下地将仁団長)が消防艇「はくりゅう」で放水を実施。約10分間の放水に、コロナ収束と応援の思いを込めた。
初となった全国一斉放水は神戸市の提案によるもので、「コロナ禍において、ともにコロナを乗り越える勇気と希望を全国に発信する」ことが目的で消防艇のある各消防本部に呼び掛けたという。
賛同した同町消防本部らはコロナ感染拡大防止の観点から参加者を必要最少人数6人にとどめるとともに、多くの人々が集まらないように放水の実施も広報しなかった。
湯川消防長は「無事終了して感慨深いものがある。本来なら多くの方々に見ていただきたかったが今回は感染防止のため仕方なかった」。
町民に対しては「火災予防はもちろん、感染予防にも注意を払っていただけましたら幸いです」と語った。
(2021年3月9日付紙面より)
「さくら山」で80人が作業 (熊野さくらの会 )
NPO法人熊野さくらの会(田尾友児代表)は7日、紀宝町鮒田の林道浅里北桧杖線沿い標高500㍍の山林で19回目となる植樹祭を開催。三重、和歌山両県から参加した約80人がクマノザクラの苗木300本を植えた。
サクラの植樹を通じて、誰もが癒やされる「さくら山」作りに取り組んでおり、これまでヤマザクラやカンヒザクラなど約50種5080本を植樹。2月下旬にはカワヅザクラ、3月以降にダイカンザクラ、コヒガンザクラ、エドヒガン、ヤマザクラなどが咲く。
クマノザクラは紀伊半島南部に自生し、2018(平成30)年には約100年ぶりに新種と確認された。会では3年前からクマノザクラのみを植樹しており、今回で計630本となった。
参加者は20㌶の広大な山林で1・5㍍前後に育った苗木を約8㍍間隔で植え、鹿による食害を防ぐために保護用ネットも取り付けた。友達と参加した森隆喜君(相野谷小5年)は「初めて参加して、午前中で7本植えた。咲いたら見に来たい」と話し、元気いっぱい作業した。
今回はクマノザクラの看板も設置し、田尾代表は「クマノザクラを植樹するようになって参加者が増えた。活動を通してさくら山とクマノザクラを知ってもらえれば」と語っていた。
(2021年3月9日付紙面より)
潮岬で第8回フェスタ (南紀熊野ジオパーク )
第8回南紀熊野ジオパークフェスタが6日、串本町潮岬にある同パークセンターであった。今回はコロナ禍の情勢を鑑み、オンライン配信を交えた形での実施。記念講演や各種展示などで同パークを軸とした地質振興などに取り組んだ。
同パーク推進協議会と環境省近畿地方環境事務所主催。吉野熊野国立公園とその中にある同パークの関係諸活動への理解を促し、持続可能な地域づくりに資する目的で年1回開いている。通常は関係諸団体も参加し幅広い交流の機会を設けるが、今回は両主催の行事のみとし代替として様子をオンライン配信する内容で実施の準備を進めてきた。
同協議会関係行事は午後1時から開始。主催者を代表して県環境生活部の田中一寿部長があいさつをし、本年度同パークフォトコンテスト最優秀賞表彰式の上映を経てオンラインによる記念講演やジオパークガイドの交流を実施した。
記念講演の講師は早稲田大学教授の高木秀雄さん、演題は「南紀熊野ジオパークで体験する日本列島のジオの特徴―付加体、火山、そして地震―」。高木さんは同パークや日本の国土の地質学的な特徴を振り返り、プレート運動に伴う付加体の成因や火山活動(熊野カルデラ)の経緯の解説を受け、同パークエリアの大地の成り立ちの実感を伝えた。
高木さんは同運動には地震が伴うことにも注目し、南海~東海を震源とする地震の発生史が物語るように同運動の長大な時間の流れの中で繰り返し起こる状況を示唆。被災した先人が残した記録を後世へ受け継ぐ大切さを掲げるなどして、来る地震への意識を喚起した。
ガイドの交流は黒潮でつながる各地のジオパークガイドとオンラインで語らう内容で、南紀熊野ジオパークガイドの会会長の上野一夫さんがコロナ禍における活動状況を報告し、以降類する内容などで情報交換を重ねた。
同事務所関係行事は午前10時から午後4時まで実施。内容は同公園と北山村筏(いかだ)流しの資料展示による啓発で、後者は実物の観光筏を同センター駐車場へ展示し筏師らスタッフ自ら利用推進を願ってアピールに努めた。
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■配信した内容は約1週間視聴可
同センターでの実施は当日限りだが、オンライン配信した内容などは同センター公式ホームページで13日(土)ごろまで視聴できる状態にするという。
(2021年3月9日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、新宮市役所別館で3月講座「プログラミング的思考について学ぼう」と閉講式を開いた。市内の小学生会員14人が近畿大学附属新宮高校・中学校で非常勤講師を務める廣里恵梨香さんからプログラミングの仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
この日は同中スーパーサイエンス部の生徒3人がサポート役で参加した。講座で廣里さんは「脳で命令を出して体を動かす人間とは違い、決められたことを指令通り動作を行うのがプログラミングです」と説明。使用する教材の解説を受けた後、子どもたちは部品を組み合わせ▽部屋が明るいときだけ、LEDモジュールが光る▽拍手をするとモーターが動く―などの課題に取り組んだ。
後半には応用で思い思いの装置を作り、テーブルごとに発表した。最後に廣里さんは「周囲には電化製品やパソコンなど、プログラミングされた機械がたくさんある。講座を通じて指示を受けると動く設定があることを改めて理解し、楽しさを知ってください」と呼び掛けた。
講座後には閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「今年は、予定していた講座がコロナ禍でできなくなってしまい非常に残念でしたが、何とか閉講を迎えることができた。来年度も、ぜひ参加してください」とあいさつした。
村上空君(神倉小6年)は「2年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。次からは参加できなくて寂しいけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2021年3月9日付紙面より)
新宮ラグビーフットボールクラブ (進め!!青春 )
沖縄琉球空手オンライン国際大会 (松林流和歌山教室 )