新宮市は26日、総額348億3860万8000円(前年度比7・5%減)の令和3年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度に比べて13・3%減の165億8633万3000円となった。3月2日(火)開会の市議会3月定例会に提出する。
新型コロナウイルスワクチン接種推進事業をはじめ、プレミアム付商品券発行事業、住宅リフォーム助成事業など、経済対策も含めた感染症対策を実施。誰一人取り残されない「安心・安全なまちづくり」を目指す予算編成となった。
また、文化複合施設「丹鶴ホール」オープニングイヤーの前期となる当年度においては、商店街と一体となったイベントの実施や、佐藤春夫記念館移転のための用地を取得し、歴史的建造物の集約化を図る。なお、事業推進に当たっては、国費などの財源確保を第一に、財源措置に有利な起債を活用するとともに、一部起債の繰上償還により将来負担の軽減を図る。
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市税は、市民税では法人市民税の税割で税率変更などの影響により1・8%の減、固定資産税では家屋が3年に1度の評価替の影響で6・4%の減。総額で1・8%の減を見込んでいる。
地方特例交付金は、住宅ローン減税分は前年度同額。軽・普通自動車に係る環境性能割の消費増税に伴う臨時的軽減による減収補塡(ほてん)分の増、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金の皆増を見込む。
地方交付税は地財計画の一般財源総額が増となることや、前年度実績からの算定見込みなどにより0・8%の増を見込む。
国庫支出金では、新型コロナウイルスワクチン接種に係る負担金などが増となる一方、文化複合施設整備事業および観光看板等整備事業の都市再構築戦略事業に係る交付金が皆減となったことなどから、総額で27・1%の減。
繰入金は、熊野川関連施設整備基金繰入金、合併市町村振興基金が減となる一方で、退職手当基金繰入金、第三セクター改革推進債の繰上償還に伴う減債基金繰入金が増となったことなどから、総額で102・5%の増。
市債は文化複合施設整備事業に充当していた過疎対策事業債、合併特例事業債の減などにより、総額で51・1%の大幅減となった。
歳入の構成比率は、自主財源27・5%、依存財源72・5%。
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投資的経費では、三輪崎庁舎整備事業や敷屋大橋補修工事が増となる一方で、文化複合施設整備事業の減や高田テニス場・若もの広場整備事業や丹鶴体育館改修事業の皆減などにより、総額で68・8%の減。
義務的経費では、人件費で退職者数の増により退職手当が増となったことなどから総額で6・5%の増、公債費では、平成24年度に借り入れた第三セクター改革推進債の繰上償還などにより、総額で24・8%増。扶助費では生活保護扶助費や児童手当の減などにより総額で1・4%の減となった。
(2021年2月27日付紙面より)
令和3年度会計予算など承認 (紀南環境衛生施設事務組合定例会議 )
紀南環境衛生施設事務組合(管理者・田岡実千年新宮市長)は25日、新宮市役所別館で定例会議(議長・松本光生新宮市議会議員)を開催した。条例の一部改正や令和2年度の会計補正予算、令和3年度の会計予算などが審議され、全て承認された。
2市4町1村の加盟自治体(和歌山県新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、北山村、三重県紀宝町、御浜町)で構成され、南清園と火葬場(清浄苑)を運営する同組合。
昨年3月に那智勝浦町からの組合加入の申し出があったことを受け、これを承認。12月7日に規約の一部を改正する規約が総務大臣より許可・施行されたことを受け、同日付で加入となった。
会議開催に先立ち、管理者の田岡市長があいさつを述べたほか、新規加入を果たした那智勝浦町の堀順一郎町長が「加盟組合として職責を全うしていく」と加入承認に対する感謝を伝えた。
同町の火葬場は、竣工(しゅんこう)から36年が経過したことを受け、延命工事を計画したが延命化後の新築建設費が約5億円かかる見込みだった。そういった状況を鑑み、同町は住民サービスの向上や負担軽減を図ることを目的に加入の申し出を決定した。
同町加入により稼働率が上がることなどから、清浄苑では火葬炉を1炉増設するなどの整備を行う。同町の火葬を受け入れる(管内扱いとする)のは増改築終了後で、最短で令和5年秋ごろになる予定。火葬炉建築事業費はコンサル委託業務一式、火葬炉工事費、施設整備費など合わせて約2億7600万円を見込んでいる。
令和3年度会計予算は、歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ1億6936万3000円とするもの。
「紀南環境衛生施設事務組合の維持運営に要する経費の算定基準に関する条例の一部を改正する条例」では、那智勝浦町加入に伴う維持運営に要する経費の算定基準などが審議された。
(2021年2月27日付紙面より)
下里小で中瀬古友夫さん講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長、児童86人)で25日、中瀬古友夫さんをゲストティーチャーに迎えた特別授業が開かれた。3年生19人が古写真を見ながら地域の歴史をたどり、昔の下里・浦神の暮らしを学んだ。
中瀬古さんは、城南中学校の社会科非常勤講師や熊野学研究委員会委員、新宮市文化財保護審議会委員を務める傍ら、新宮市を中心とした各地の小学校で授業を開催。各校の教諭に写真データを渡し、独自教材づくりも支援している。
授業では最初に、子どもの頃に汽車で浦神の磯を訪れ、貝を取った思い出を紹介。1935(昭和10)年に下里まで延長された紀勢中線の終点として旅行客や貨物でにぎわう町や、人力車が止まる古座屋旅館、和装の児童生徒が通う下里尋常高等小学校の様子をモノクロ写真で振り返った。
玉の浦でふんどし姿の子どもたちが潮浴びをしている写真では、児童から思わず笑い声が上がり、中瀬古さんは「この後に皆さんがよく知る日本一短い河川『ぶつぶつ川』で体を洗っていた」と語った。
大石悠生君は「社会の勉強も合わせて、昔の人たちの生き方が分かった。家も川も同じようで少し違う」。城本紗里さんは「浦神の写真では、今よりも家が少なくて、海が大きく見えた」と話していた。
(2021年2月27日付紙面より)
令和3年度当初予算案発表 (古座川町 )
古座川町が25日、令和3年度各種会計当初予算案の概要を報道発表した。一般会計の歳入歳出総額は30億6070万円(対前年度比5%増)、特別会計は7会計計13億492万円(同0・6%減)。全体の予算案規模は43億6552万円(同3・3%増)となっている。
一般会計当初予算案の歳入に占める財源の構成比は自主が12・4%、依存が87・6%で、町税収入は1億9397万円を見込む。歳出に占める経費の構成比は消費的経費が68・2%、投資的経費が9・7%、その他の経費が22・1%。投資的経費は額で2億9674万円(対前年度比1億2253万円増)を見込み、増額の主な要因は集会所新築整備や森林環境譲与税に伴う事業費だという。歳入歳出の区分ごとの割合は別図に示した通り。
同案に盛り込む主な新規事業は▽可燃物収集車整備事業(1360万円)▽観光施設関係事業(1439万5000円)▽集落支援事業(430万円)▽新型コロナウイルスワクチン接種事業(914万3000円)▽介護人材育成支援事業(100万円)▽電動カート購入補助事業(100万円)▽百歳祝金事業(15万円)▽エアコン購入補助事業(60万円)▽いきいき健康ポイント事業(30万円)▽集会所新築整備事業(9879万円)▽町立小学校トイレ改修事業(1497万円)―で、拡充事業は▽町道改良事業(2000万円)▽森林環境譲与税事業(6105万円)。
観光施設関係事業は、ぼたん荘いろり館改修事業〈屋根の葺(ふ)き替え〉とキャンプ場等整備検討事業〈検討委員会の設置〉の2事業を包括。町民に直結する部分で電動カート購入補助事業は対象額の上限を30万円として3分の2を補助、百歳祝金事業は現行の1万円を5万円に変更、エアコン購入補助事業は未設置・故障世帯の熱中症対策を進める目的で対象条件を定め対象額の上限を12万円として2分の1を補助、いきいき健康ポイント事業は特定健診の受診率向上や健康づくり事業への新規参加を促すためにポイント制を導入し町内施設などで使える食事券を贈呈する。町立小学校トイレ改修事業の対象は高池小で、洋式化と多目的トイレ整備を進める内容。他2校および中学校2校も順次同様に手掛けていきたいという。
集会所新築整備事業は池野山集会所の更新整備で、避難所としての環境を備えた形で完成を目指す。森林環境譲与税事業は森林機能等回復整備事業、意向調査業務委託事業、森林環境保全事業の3事業を包括する形で計上している。
これら予算案は3月2日(火)から始まる第1回定例会に上程。3日(水)の本会議で施政方針演説を交えて説明し、10日(水)と11日(木)の本会議で同方針の質疑後に審議予定となっている。
(2021年2月27日付紙面より)
新翔高校3年・角勇海君
4月17日(土)に那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で開催する「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」に向けての記者会見が24日、同町役場で開かれた。公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団代表理事の澤上篤人さんと統括責任者の山田純さんがオンラインで出席し、国内外でも珍しいとされる市場で行うオペラに至った経緯や本番に向けての抱負を語った。なお、共催する民間で組織された南紀勝浦生まぐろ市場コンサート実行委員会の会長には後誠介さんが選任された。
同財団はさわかみ投信㈱で取締役会長を務める澤上さんが、生活者に身近で芸術性の高いオペラ文化を日本で広め、多くの人々が心のぜいたくを味わい豊かな人生を送ってもらいたいという思いから設立した。
世界トップレベルであるイタリアの有力歌劇場と協力し、日本の世界遺産と文化遺産を舞台にジャパン・オペラ・フェスティヴァルなどを開催。これまでに姫路城や京都国立博物館、平城京、熊本城などで実施してきた。一方で100~500人規模のオペラやクラシック音楽を身近に楽しめる催しを各地で開くなど幅広い活動を展開している。
また、別財団では2009(平成21)年度から企業や労働組合などがCSR(企業の社会的責任)などの一環として、和歌山県内の森林環境保全に取り組む「企業の森」や道普請などにも参加し社会貢献に尽くしている。
堀順一郎町長によると、和歌山県職員時代の堀町長が職務で澤上さんと知り合い、両者間の交流は続いていたという。その後、澤上さんらが来町した際に堀町長が町を案内し、今回のオペラ開催が決定した。オペラは今秋実施の「紀の国わかやま文化祭2021」の応援事業の一つとして開催される。
同オペラには梨谷桃子さん(ソプラノ)、前川健生さん(テノール)、斉木健詞さん(バス)、ピアニストの篠宮久徳さんの4人が出演する。
演目は▽カルメンより「闘牛士の歌」▽ナポリ民謡「オ・ソレ・ミオ」▽早春賦▽花―など。歌詞の意味が分かるように来場客には日本語訳の歌詞が配布され、司会者が詳細を説明する予定だという。
山田さんは「代名詞のマグロに関係する市場はこの町を代表する場所。ここでコンサートができればお客さまも感動してくれるはず」と話した。
澤上さんは「日本でトップレベルの本物のオペラを地域の方々に楽しんでいただきたい。いずれは世界レベルの方々もお呼びしたい」。
活性化については「地元の人々が自分たちで活性化していかなくてはならない。町と日本中のつながりの手助けをしたい」と話した。
堀町長は「本物の芸術を地元の方々に喜んでいただきたい。しっかりと盛り上げ、来年も継続できるようにしたい」と意気込みを語った。
会見後、実行委員会が開かれ、意見交換などが行われた。後会長は「コロナで人々の気持ちが縮こまってしまっている。対策を万全にし、地域に潤いを与えるこういった機会は良いチャレンジだと思う。今後の継続のためにも第1回をしっかりと成功させられるように尽力したい」と思いを述べた。
なお、座席数は300席で先行予約順になる。価格は一般2000円、学生(小学生~高校生)1000円。地元の小中学生など30人の招待も予定しているという。
チケット予約は3月5日(金)から受け付け開始。同財団でも申し込める。引き換えは4月1日(木)から那智勝浦町二河75の町教育委員会で行う。
予約や問い合わせは那智勝浦町教育委員会(電話0735・52・4686)、(公財)さわかみオペラ芸術振興財団(電話0570・023・223)。
(2021年2月26日付紙面より)
えぼし寮で研修会 (美熊野福祉会 )
社会福祉法人美熊野福祉会(森常夫理事長)の指定障害者支援施設杉の郷えぼし寮(上路拓司施設長、新宮市高田)で24日、ハラスメント研修会があった。社労士の南靖司さん(みなみ社会保険労務士事務所)が講師を務め、同福祉会管理職員ら約30人がハラスメントについて意識を新たにした。
開催に当たり、森理事長が「自分たちがハラスメントをよく知らなければならない立場だと理解し、今後の姿勢に生かしてほしい」とあいさつした。
南さんは、セクシュアル・マタニティ・パワーの各ハラスメントについて説明。どういった行為が「セクハラ」に当たるのかなどを解説し▽上司は部下に性的な誘い掛けをしない▽性的話題・ジョークはメンバーと状況を的確に熟慮した上で行う▽セクハラをしたと考えたときは迅速かつ誠実に謝罪する―などをハラスメント加害者にならないためのポイントとして挙げた。
妊娠・出産・子育てに伴う不当な取り扱いや嫌がらせを指す「マタハラ」について、法律や制度の観点から説明。「制度などの利用への嫌がらせ」「状態への嫌がらせ」も多いとし「制度や法律があるということを前提に知っておかなければならない」。
ハラスメントには昔の価値観が横たわっており、時代が変わったことに気付かずに価値観を押し付けることによってハラスメントが生まれると話した。
「パワハラ」と「セクハラ」の違いについて説明し「パワハラは『受けたものの不快感』だけを判断基準にしていない。適切な叱咤(しった)や指導は成長のために必要不可欠」。
職場における「パワハラ」とは「優越的な関係を背景とした言動」であり「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」により「労働者の就業環境が害される」もので、これらを全て満たすものとし、「パワハラ」が及ぼす影響についても言及。企業・加害者が負うリスクも過去の裁判を例に紹介した。
「パワハラ」という言葉が強い意味を持ちすぎたために「パワハラとはいえないことでもパワハラと訴える」弊害も発生していると述べ「パワハラは人を陥れたり個人の利益のために利用する言葉ではない。『それはパワハラでない』と理由を説明し指導することが上司の大切な仕事」と呼び掛けた。
(2021年2月26日付紙面より)
渚の会が玉の浦を清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の住民らで組織する「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長、会員40人)は21日、同町粉白の玉の浦海水浴場で今年初となる清掃活動を行った。子どもを含めた約50人の参加者が海岸の景観美化に努めた。
同会は住民有志が集まり、町内の海などで定期的に清掃活動することで景観や環境を保持し、啓発していくことを目的としている。子どもを含め、家族で環境について意識し、学びを深めるきっかけをつくる狙いもある。和歌山県の清掃活動の促進を目的とした「わかやまごみゼロ活動応援制度」の認定を受けている。
この日の清掃には、同会のほか、植地篤延・粉白区長をはじめとした区民や町職員も参加。海岸のプラスチックごみや流木などを拾い集め、美化活動に汗を流した。
清掃開始に当たり、同会の濵口佳男副会長が「今日は天気も上々で暑いくらいですが、皆さんの協力をお願いします」。会計の藤社和美さんは「海岸の下見に来た時、若い女性が写真を撮っている姿を見た。この美しい景観を保つためにも活動を続けていければ」とそれぞれあいさつした。
参加した堀順一郎町長は同会や町民の美化活動に感謝を示し「町では昨年12月にゼロカーボンシティ宣言もしたが、一人一人が身の回りから自然環境について考え、継続していくという意味でも、同会は献身的に活動してくれている。玉の浦はきれいな浜なので後世に残していきたい」。
猪飼会長は「びっくりするくらい多くの人に集まっていただき感謝。最近、息子が釣りを覚えたが、うれしそうに釣った魚を見せてくれる姿を見て、活動をしていて良かったと感じています」と話していた。
(2021年2月26日付紙面より)
職員対象に手話講座実施 (古座川町 )
古座川町職員を対象にした手話講座が24日に役場本庁であり、西前啓市町長ら14人が受講して聴覚障害者支援の意識を培う機会とした。
同町は県内でも先駆けて2018(平成30)年4月、町独自の手話言語条例を施行。基づく実践を着実に広げる足掛かりとしてまずは町職員から理解を深めていこうと考え、職員研修の位置付けで同講座を計画した。
当日は社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんと新宮市聴覚障害者協会の須川陽一さんを講師として迎え、前半は大代さんが世界規模で手話が言語と見なされるようになった根拠や手話言語条例の広まりと主だった合理的配慮事項、新宮・東牟婁6市町村から意思疎通支援事業を受諾する同福祉会ができる支援事項などを説明。後半は須川さんと共に本題の聴覚障害とコミュニケーション方法を紹介するなどした。
大代さんは、聴覚障害には▽音声言語習得前の失聴(ろう者)▽同習得後の失聴(中途失聴者)▽難聴▽盲ろうなど重複聴覚障害―などさまざまな状況があることを伝え、耳の恩恵を振り返って失聴がもたらす状況を職員と一緒に考えた。須川さんはろう者の一人として生い立ちとその時々の感情、具体的にどのような状況で困っているかやその時の心境を伝え、支援の在り方への理解を促した。
聴覚障害者とのコミュニケーション方法には▽口話(相手の唇の動きから会話を読み取る方法)▽筆談▽手話や手話通訳―があり、前述した状況ごとに得意・不得意があることや実践時に留意してほしい事柄も説明。須川さんは感染症予防のための距離を取って構わないのでマスクを外ししっかりと口元を動かして見せてほしいこと、筆談時は簡潔に分かりよく説明し分かったかどうかの確認を必ずしてほしいこと、聴覚障害者と視線を合わせて接してほしいことなどを願い出た。
その他、聴覚障害者向けの公的支援機器や聴覚障害関係の各種マークも情報として紹介。手話の言葉が生活動作から形作られる点に着目し、イメージしやすい範囲で手話による会話を職員に実践してもらい取り組む上での緊張感を解きほぐすなどした。
研修を経て西前町長は、町民に聴覚障害者がいなくても来町することはあり得るとし引き続き対応できる努力を重ねることを期待し、講師2人には今後の登壇を希望。計画した健康福祉課の増山理恵主事は今後も、さらに対象や内容を工夫してこの講座の町独自実施を目指すと意気込んでいる。
(2021年2月26日付紙面より)
県産農産物利用拡大に向け (太地町 )
学校給食へ地場産食材を供給する取り組みが太地町(太地町学校給食推進協議会)でスタートした。17日には町立太地小・中学校で、新宮市産の小松菜などが給食の献立に登場。児童・生徒らは地元産の野菜や魚に舌鼓を打った。
和歌山県では、学校給食献立の早期作成や入札方式導入の働き掛けにより「必ず作ります・売ります・買いますシステム」を確立することで県産野菜などの利用拡大を推進。市町村協議会で学校給食関係者が「購入希望リスト」、生産者が「供給可能リスト」を作成し需要と供給のマッチングを図る。
取り組みは2019(令和元)年に広川町でスタートし、すさみ町、新宮市に続いて県内4地域目。新宮広域圏公設地方卸売市場を核として実施する新宮・東牟婁地域では2地域目となる。
取り組みを進めるに当たり、太地町では1月に町教育委員会、太地小・中学校、新宮周辺地場産青果物対策協議会、県東牟婁振興局農業水産振興課で構成する「太地町学校給食推進協議会」を立ち上げた。太地小・中学校では今後、年に3回ほど地元農水産物を使用した給食が提供される見通しだ。
この日、給食に登場したのは新宮市産小松菜を使った三色ごまあえをはじめ、那智勝浦町太田産の米で炊いたご飯、県産サバのカレー焼き、けんちん煮、牛乳。
太地小学校(宮本礼子校長)では、教諭から「今日の給食には和歌山県の食材がたくさん使われています」と説明を受けた児童たちが、大きな口を開けて地元の味を堪能。長尾彩羽さん(2年)は「野菜も魚もおいしい」と笑顔で話した。
公設市場の出前授業で学びを深めるほか、実際に小松菜や大根を植えて収穫するなどして、普段から野菜に触れる機会を設けている同小学校。取り組みを通して野菜に抵抗がなくなった児童も多いという。
宮本校長は「今日の給食は、いつも以上に食が進んでいるように思います」と話し、児童の給食を見守っていた。
(2021年2月19日付紙面より)
三輪崎小3年生が学習
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童371人)で16日、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会の委員を務める中瀬古友夫さんによる講話があり、3年生60人が昔の市内の風景や人々の暮らしを学んだ。
3年生の社会科では通年で地域学習に取り組んでいるが、教科書の例として紹介されている都市が他府県のため、児童が自身の住む市についてより具体的にイメージできるようにと講話を依頼した。
中瀬古さんは、市の昔と現在の写真を並べ、そこに写った人々の生活を解説。佐野駅近くの踏切を蒸気機関車が走る様子や、三輪崎にある久嶋(孔島)近くに停泊した客船から小舟で運ばれた乗客たちが背負われながら浜に上がる様子を語った。
三輪崎小学校について、「オーストラリアに出稼ぎに行った潜水夫らの寄付によって、和歌山県で初の鉄筋コンクリート校舎として1927(昭和2)年に建設された」と話し、校舎の完成記念として開かれた運動会の写真も見せた。
児童は「全然違う」「山の形は一緒だから同じ場所なのかな」と話しながら写真を見比べ、普段何気なく見ている場所に秘められた歴史に興味を引かれた様子だった。
(2021年2月19日付紙面より)
熊野那智大社で「祈年祭」 ( )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で17日、「祈年祭」が営まれた。同大社責任役員の塩﨑巍朗(たかお)さんや献穀講員らが参列し、実りへの感謝と五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
「としごいのまつり」ともいい、古くから定められた国家祭祀(さいし)が起源。旧暦2月4日に行われていたが1873(明治6)年の改暦後は17日となった。
11月の新嘗祭(にいなめさい)と対になる祭りで、日本列島各地で神々に食べ物やささげ物を奉り、豊かな実りに感謝し人々の幸せを祈る祭祀・儀礼が行われている。
同大社では、男成宮司が神饌(しんせん)が供えられた拝殿で祝詞を奏上。新型コロナウイルスの早期終息も祈願した。巫女(みこ)が神楽「浦安の舞」を奉納し、参列者らが玉串をささげ、春の訪れや農作物の豊かな実りに感謝した。
神事を終え、男成宮司は「那智勝浦町では幸いにも新型コロナは拡大していないが、地域経済は厳しい状況にある」と現状に触れ、同日から医療従事者を対象に始まったワクチン接種に対して「大きな期待をしている」と述べあいさつとした。
その後、別宮「飛瀧(ひろう)神社」でも同様に神事が斎行された。
(2021年2月19日付紙面より)
海ノ民話のまちプロジェクト実行委員会が18日、稲村(とうそん)亭の民話を原作としたアニメーション作品「お屋敷になったクジラ」の完成を串本町へ報告した。
同実行委員会は、次代を担う子どもへ海を語り継ぐ日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で2018(平成30)年度に発足。以降毎年「海ノ民話のまち」を認定していて、本年度は同町など7自治体を選定し、同町には昨年7月実施の認定証贈呈時に民話アニメの制作と関係フィールドワークへの協力を求めていた。
「お屋敷になったクジラ」は町内にある古民家・稲村亭に伝わる民話の一つ「恩返しの家」を原作とした上映時間5分強の短編作品。同実行委の沼田心之介認定委員長が取締役を務める制作会社「株式会社トマソン」が同町・海ノ民話のまち実行委員会事務局の吉川公一さん(テレビ和歌山東京支社長)の仲介を得ながら制作を進めた。
収束しない新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮し、東京を拠点とする同プロジェクト実行委員会と同町をウェブ会議システム「ZOOM(ズーム)」でつないで完成報告の場を整えた。東京からは同実行委員会の沼田委員長と柴田英知さんや吉川支社長、同町からは田嶋勝正町長や稲村亭を預かる株式会社一樹の蔭の博多敏希代表取締役、制作を支援した南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長が出席。作品を鑑賞して、串本儀平が作品に登場するクジラと巨木をモチーフにした和菓子の取り扱いを目指し、同協会が作品視聴QRコード付きPRシールを作成配布するなど、今後の利活用を話し合った。
フィールドワーク(上映会込み)は26日(金)に串本西小学校4~6年生を対象に実施する予定。報告を受けた田嶋町長は「本を読む機会が少ない中、5分間にまとめたアニメを見るのはいいことだと思う。串本は捕鯨で栄えたまちで、地震や飢饉(ききん)もうたわれたこの民話から歴史を知り、次の世代へ受け継いでくれれば」と展望を期待した。
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■「お屋敷になったクジラ」視聴方法
作品「お屋敷になったクジラ」は先行して同協会の公式動画チャンネル「くしもと珍魚ちゃんねる」で同日午後1時から公開を開始。同チャンネルは同協会公式ホームページにあるリンクや前述したコードを使って開くこともできる。
同プロジェクト実行委員会と同町の架け橋となっている株式会社テレビ和歌山は、一連の様子も含めて番組を制作し作品と合わせて3月中の放送を目指すほか、最寄りの道の駅へも上映の相談をする予定という。
(2021年2月19日付紙面より)
全国勝浦ネットワーク会議 (那智勝浦町 )
全国勝浦ネットワークは9日、オンライン会議を実施した。那智勝浦町の堀順一郎町長、千葉県勝浦市の土屋元(はじめ)市長、徳島県勝浦町の野上武典町長の3人が各市町からインターネット上で会議が行える「Zoom(ズーム)」を使用して意見交換や情報共有を行った。
同ネットワークは「勝浦」と地名が付く3自治体が互いの地域の発展を目指すことを目的に集まり、2003(平成15)年に友好都市盟約を取り交わした。
従来は3人の首長が集まって会議を実施しているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり今回のオンライン会議に至ったという。
会議の進行は勝浦市が行い、3人の首長はそれぞれの地域のコロナの状況や感染防止対策、経済対策などを発表した。
勝浦市ではマスクや応援券(商品券)の全戸配布、水道料金や小中学生の給食費を半額にしたことを説明。勝浦町では小中学校休校時に給食センターの職員に依頼してマスクを作成し配布したことや老人福祉施設への衛生用品、商品券の配布、水道料金を負担したことなどを紹介した。
堀町長は県内の発生状況や観光の町である那智勝浦町がコロナによって受けた打撃や影響を説明。取り組みとして▽紀伊半島大水害の際に寄付されたマスクを消毒し再利用▽運転席と患者室の間仕切りやオゾン発生装置などを完備した高規格救急車などの導入▽災害発生時、避難所での密を防止するため町内宿泊施設との連携▽まちなか商品券の配布▽非接触型決済の導入推進―などを報告した。
土屋市長は「今後も情報共有し、この会議を有効的に活用していきたい」。野上町長は「両市町の目線の変えた取り組みを参考にして、職員一丸となって考えていきたい」とそれぞれ話した。
堀町長は「コロナ終息後はそれぞれの地域に出向いて、より密な情報共有や交流をしたい」と締めくくった。
(2021年2月11日付紙面より)
和深発で駅拠点ウオーク (「大辺路」活性協議会 )
串本町にあるJR和深駅~田並駅間で8日と9日、「世界遺産熊野古道大辺路 駅からウオーク」があり、両日計37人が熊野古道大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)とともに両駅間の大辺路沿いの見どころを巡り歩いた。
那智勝浦町と串本町の観光関係諸機関・団体で結成する世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会が、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の適用を受けて展開する取り組みの一環。
同協議会は鉄道駅を拠点にしたウオークに親しむ環境整備を進め、両町内にある各駅を拠点化するツールとして▽駅からアクセス・ルートマップ(駅拠点で歩くためのコース図)▽あがらの○○駅お散歩マップ(各駅周辺の見どころ紹介図)―などを作成。その成果を生かす実証として同ウオークを考え参加を募った。
初日は22人、2日目は15人が参加。その多くが趣旨に沿い、普通列車を利用して参加、解散する手段を取った。
ガイドは串本町域の大辺路を再興し保全する同隊が担当。2日目は上野隊長ら隊員4人で感染症予防のため四つの小グループに分かれた参加者を誘導し、新田平見道や富山平見道はもとよりメタルアートギャラリーやおおな魚(=イシナギ)伝説が宿る大師堂、旧赤瀬小学校など道中の見どころの数々をガイディングレシーバー越しで紹介するなどした。
今回は各自昼食を持参とし、無料で実施。参加者には駅からアクセス・ルートマップを事前送付し、お散歩まっぷはカラー版が完成次第送付するという。同機構の齋藤滋さんは、事業終了後も引き続き実動が伴いJRきのくに線活用の一助にもなる今後を思い描いて同ウオークを主導していた。
翌10日と11日は湯川駅~那智駅間でも同様のウオークを実施。別系統で「JR14駅で大辺路コンシェルジュがお出迎え」と題して12日(金)から14日(日)までの午前7時~午後4時、宇久井を除く対象各駅に管理人が常駐し地図を配るなどして送り出す実証も行う。
問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)か那智勝浦町観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2021年2月11日付紙面より)
図書館・子育て支援セの内覧会 (紀宝町 )
紀宝町神内の旧町保健センターを改修した「紀宝町立図書館・子育て支援センター複合施設」の内覧会が9日にあり、西田健町長、町議会議員らが施設内を見学した。
改修は昨年6月24日から始まり、1月29日に完成。1階に図書館、2階には子育て支援センター室、活性化ホールなどを配置した。今後は複合施設の愛称を今月中に決定し、同センター室などの整理や準備、鵜殿図書館から図書の引っ越しなどを行い、4月に開館する予定だという。
施設は誰もが利用できるようエレベーターと多目的トイレを設置。新たなフリースペースでは飲食が可能なほか、キッチンを活用した簡易な料理教室を開くことができる。
図書館は、旧保健センター事務室や診察室などの壁を撤去し、一つのフロアに改修。木の温かみと落ち着きが感じられるスペースとなった。蔵書は約5万冊となる見込みで、児童コーナーには絵本を中心に配置する。
支援センターでは、図書館と連携した事業を展開し、新たな子育て支援のサービスを提供する。活性化ホールは壁や床を改修し、スクリーンを新設し、出入り口にスロープ、窓に転落防止用の手すりを設置した。
視察した西田町長は「木材をふんだんに配置し、温かみのある施設になった。4月の開館後は多くの方に利用していただきたい」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
ブック・ブックが県教育委員会功労賞 (新宮市 )
新宮市のボランティアグループ「ブック・ブック」(濱野小夜子代表)が、和歌山県教育委員会の「県教育委員会功労賞」を受賞した。先月14日、和歌山市内の「ホテルアバローム紀の国」で開催された「和歌山県教育表彰式」で表彰を受けた。
県の教育の発展に功績があった個人や団体をたたえる同表彰は4分野で構成されており、「知事感謝状・県教育功労者」「知事感謝状・優秀教職員」「教育委員会功労賞」「きのくに教育賞・きのくに教育の匠」がある。同グループは地域の読書文化の振興と向上に大きく貢献した功績が認められこのたびの受賞に至った。
2000(平成12)年度に発足した「新宮市立図書館百周年記念事業実行委員会」を母体とし、02(平成14)年度に設立。
4カ月検診時に母親と幼児に絵本を読み聞かせ、絵本をプレゼントする「ブックスタート」、市立図書館や小学校での「おはなし会」、書架整理、本の修繕、グリーンカーテンの設置や庭の手入れなど、読書環境の整備や子どもの読書を推進する事業を中心に活動している。14(平成26)年に市政功労者表彰、15(平成27)年に第48回優良読書グループに選ばれている。
「本が好き」「子どもが好き」な人が集まり、現在メンバーは25人。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、本を通じたふれあいの時間や子どもたちの笑顔を活力に日々、ボランティア活動にいそしむ。
このたびの受賞を受け、濱野代表は「みんな自分の好きなことをしているだけ。大それたことはしていない。うれしいというより驚きです」と謙遜しながらも、読書の輪のさらなる広がりに期待を寄せる。
代表して表彰式に参列した江川大二郎副代表は「率直にうれしい。これからも本を通して『知る』ことを楽しんでくれる子どもたちのお手伝いができれば」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で5日、ふるさと学習があった。1年生58人と6年生83人が、毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行される「御燈祭(おとうまつ)り」について学びを深めた。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに自分が住んでいる町や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得ながら授業を設けている。
6年生は、熊野速玉大社(上野顯宮司)禰宜(ねぎ)の濵中孝成さんから神倉神社や御燈祭りの歴史についての話を聞いた。濵中さんは熊野権現が祭られている熊野神社は全国にあり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、神が鎮まる場所との意味で『神倉』と名付けられたとされています。銅鐸(どうたく)などのさまざまな出土品から、弥生時代には神倉山で祭りが営まれていたことが分かっている」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事などの祭りの行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが御燈祭りの本意。今年は新型コロナウイルスの影響で上ることはできませんが、祭りを知ってもらい、いろんな人に伝えてあげてください」と呼び掛けた。
1年生は、祭り当日のタイムスケジュールや草鞋(わらじ)、たいまつ、白装束の説明に耳を傾け製作の大変さなどを学習。協議会メンバーや関係者らが作成した絵本「やくそく~はると君のお燈まつり~」の読み聞かせもあった。また、この日の給食には▽豆腐のクリーム煮▽大根サラダ▽カルピス寒天―など、全て白い食べ物からなる「精進潔斎給食」が出され、児童はおいしそうに味わっていた。
6年生の清岡三獅郎君は「御燈祭りは、長い歴史があり一日を通しての祭りということを改めて知った。機会があれば自分も参加してみたいと思いました」。下岡会長は「子どもたちが興味を持って聞いていた姿が見られてよかったです。今後もさまざまな授業を設けて町の歴史や文化を知ってもらえれば」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」 (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)はこのほど、串本町と那智勝浦町内で8日(月)~14日(日)に開催する「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」に向けて那智勝浦町のJR湯川駅で「大辺路コンシェルジュ」として参加するメンバーらを対象に研修会を実施した。集まった24人は本番に向けての最終確認やコミュニケーションを図った。
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「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」は両町の大辺路地域の滞在を促進する誘客多角化事業の一環として有効な手段となるかを実証実験するために行うもの。
同ツアーではJR和深駅~田並駅の【世界遺産:新田平見道、富山平見道】絶景!吉野熊野国立公園の海岸造形に感激「JR和深駅からJR田田並駅へガイドウオーク」と、JR湯川駅~那智駅の【世界遺産:駿田峠】汽水湖のゆかし潟、町なか散歩も楽しい「JR湯川駅からJR那智駅へガイドウオーク」が用意されている。
参加予定人数は1月末時点で串本コース分が8日21人、9日15人で大辺路刈り開き隊がガイドを担当。那智勝浦コース分は10日が25人、11日が27人で熊野那智ガイドの会が担当する。
また、12~14日の期間中には両町間の14駅に「大辺路コンシェルジュ」を配置。串本側は大辺路刈り開き隊が、那智勝浦側は熊野那智ガイドの会となちかつ古道を守る会が担当する。
コンシェルジュは駅に待機して大辺路を歩きに来た人や興味のある人々と交流し、「大辺路アクセス・ルートマップ」や「駅近お散歩マップ」を用いて両町と大辺路の魅力を伝えるという。
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研修会は串本町でも実施された。那智勝浦町では参加者が感染症対策や当日の配布物の確認、運営に必要なテーブルの設置方法、マップを使用した説明方法などを学んだ。
同協議会のプロジェクトマネジャーで、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)で観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「コンシェルジュにこれほど多くの方が参画してくれると思わなかった。参加者の方々は自らが住む町の世界遺産をより知ることができる機会になると思う。最初のステップとしては好感触です」と話した。
(2021年2月7日付紙面より)
神事で供える特別な餅 (御燈祭り )
御燈祭(おとうまつ)り当日の6日午前、新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りがあった。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員たちが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。
中山忠吏団長をはじめとする団員と上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長たち約10人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、6升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。
上野宮司は「今年は上(あ)がり子が登れないため、残念な気持ちを持っている方が多いと思いますが、かつて漆黒の闇の中で営まれていた神事を思い起こす意味では貴重な経験と感じています。改めて気を引き締めながら心を込めて斎行していきたい」。
中山団長は「新型コロナウイルスの影響から少数の人たちが神事に携わらせていただくことになった。今後、このような状況にならないよう願って一生懸命、奉仕したいと思います」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会