赤十字奉仕団と地域連絡協議会 (太地町 )
太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)と太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は23日、町内の避難路を歩く「小学生と歩く太地町避難道防災ウオーク」を開催した。園児、児童15人含む団員や会員、保護者など計21人が参加し、ウオーキングを楽しみながら防災への意識を高めた。
防災ウオークは両団体が協力し、モデル赤十字奉仕団活動の一環として実施。今年8月の飛鳥神社大絵馬作成に引き続き2回目の事業となり、日本赤十字社和歌山県支部の助成で行われた。
発生が懸念される巨大地震や津波を想定し、児童に町内の避難階段などを知ってもらい、防災意識の高揚を促すとともに、世代間の交流を図ることも目的だという。
法花会長は「天気にも恵まれたので良かった。皆さんで仲良く歩きましょう」とあいさつ。
この日は町多目的センターを出発し、同町太地にある「いさなの宿 白鯨」前の避難階段を確認し上った。道中、同団員らは児童らに対し、同町の歴史や名所の説明を行い、浅間山(せんげんやま)を登った。
続いて、一行は太地町立くじらの博物館(林克紀館長)のシロナガスクジラの標本前に集合。赤十字奉仕団が教材としてインターネットで公開している「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう」を元に手作りで紙芝居化したものを和田委員長が読み聞かせた。
児童らは紙芝居からコロナの実態や危険性、自身が取るべき行動などを学んだ。その後はクジラのショーなどを楽しんだ。
参加した町立太地小学校6年の由谷蓮太郎君は「今日は良い運動になった。知らない避難階段もあったので勉強になった。地震が起きたときはしっかりと避難します」と話した。
和田委員長は「防災訓練への子どもたちの参加が少ないため、このような場で防災について楽しく学んでほしい。次世代を担う子どもたちには太地を愛し、将来も太地をよりどころに感じていただける人になっていただきたい」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
神倉小6年生がふるさと学習事前授業 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で24日、ふるさと学習に向けた事前授業があった。6年生83人が、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会で委員などを務める中瀬古友夫さんから市が発展した経緯や川原家(かわらや)などについて学んだ。
ふるさと学習は神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が取り組む「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに地元の歴史や文化を学んでもらい、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力の下に取り組んでいる。12月10日(木)には県立新翔高校の野間清教諭と同校生徒による川原家作りの見学を行う予定になっている。
事前授業で中瀬古さんは、明治時代末期と現在の熊野速玉大社下の河川敷の写真をスライドで紹介。当時の住宅である川原家を説明し「昔はここで生活している人が多くてお店などもあり、200軒ほどの川原家がありました。かつてこの地域は材木が盛んな町で、本宮町や奈良県十津川村、北山村などから筏(いかだ)で運ばれ、新宮から東京や大阪に向かい木炭や和紙などと取引されていた」と述べた。
「一見、不便に見えるかもしれませんが、当時の人たちにとって舟での移動が中心だったので陸路よりも距離が短く、むしろ便利に感じていたと思います。新宮市は熊野川と一緒に成長してきた町。昔の発展があったからこそ今があるという歴史を理解して、見学に臨んでください」と呼び掛けた。
上野碧(あお)さん(12)は「昔と今の写真を比較して地形は変わっていないけど、建物が川原家なだけで大きく雰囲気が違って驚きました。勉強していく中で、自分たちが住んでいる町をもっと知っていきたい」と話していた。
(2020年11月26日付紙面より)
串本環境学習FPを初実施 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が22日、実証モニターツアー「串本環境学習フィッシングプログラム(FP)」を実施し、親子38人が串本海中公園見学や珍魚釣り体験を通して串本の海の環境に親しんだ。
このツアーは、環境省「国立・国定公園への誘客の推進事業」の適用を受けて同協会が展開する「本州最南端 自然を学べる環境学習型フィッシングプログラム整備事業」の一環。
適用により同協会は将来的に同プログラムの定着を目指す状況にあり、コロナ禍の情勢を考慮しつつ具体的な形として同ツアーを22日と29日(日)の2回実施することを計画して告知し、まずは主ターゲットの地域外、次いで地域内から事前申し込みを募った。両日とも定員40人をほぼ満たす申し込みを得ているという。
初回の22日は、同事業の一環で研修育成中のアドバイザリースタッフ候補11人とオブザーバーのオダギリサトシさんらが親子の一連の活動をサポート。前半は串本海中公園センター水族館で館内展示やバックヤードなどを見学して串本の海の実像のイメージを培い、昼食休憩を経て後半は串本漁港へ移動し珍魚釣りを体験した。
触れてはいけない魚を教わった親子は貸し出しや持ち込みの道具で魚を釣り上げ、その感覚を重ねて経験しながら参加者一丸で水槽「串本珍魚釣り水族館」を仕立てて串本の海に宿る豊かな生態系の一端を実感した。
2回目の29日も39人の申し込みを得ているそう。同事業を担当する宇井晋介事務局長は「珍魚釣り自体はこれまでにも大会や体験を実施してノウハウがある。今回は初めて串本海中公園とコラボして実施。串本の海のイメージを持ち、釣り好きの皆さんにじかに教えてもらって釣り上げた時の親子の喜びを見て人の関わりは本当に大事だなと感じた。アドバイザリースタッフの価値を感じる良い機会にもなった」と初回の手応えを語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新嘗祭・献穀講祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら11人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「今年の豊作をお礼に来た。来年の豊作や関係者の健康もお祈りさせていただきました」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
那智勝浦町総合体育大会
U―8キッズサッカーフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
那智勝浦吹奏楽団 (那智勝浦町 )
那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)は22日、那智勝浦町体育文化会館で「ありがとう~勝吹ファミリー感謝コンサート~」を開催した。団員家族や支援者など約120人を招待。地元団員ら35人が演奏やパフォーマンスを通してさまざまな「ありがとう(感謝)」を伝えた。
毎年、県内外から多くの来場者でにぎわう同楽団の定期演奏会。今年は11月1日に25回目の演奏会を開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で無期延期が決定していた。
同楽団では長期間に及んだ練習自粛中に今後の演奏会の形を模索。これまで、多くの人々の支援により活動できていたことを再確認し、今回楽団にとって身近な関係者を集めて感謝の気持ちを表現しようとコンサート開催に至った。
コロナ対策に重点を置いてのコンサートとなった。会場ではマスク着用を呼び掛け配布するほか、検温、アルコール消毒を徹底。客席の間隔を取るほか、団員間は2㍍を確保し団員と客席を5㍍離すなどのソーシャルディスタンスを実践した。演奏者以外のマスク着用も心掛け、常時換気を行った。
オープニングファンファーレでコンサートは幕を開け「ナイルの守り」や「大河ドラマ『麒麟(きりん)が来る』のテーマ」、医療従事者と新型コロナ終息への思いを込めた「日曜劇場『JIN―仁』メインテーマ」などに加え、大人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」や「パプリカ」などを披露した。
また、楽器紹介や人気ドラマ「半沢直樹」メインテーマの演奏に合わせた寸劇も会場を湧かせた。いきものがかりの「ありがとう」では、「あ」「り」「が」「と」「う」と一文字ずつ書いたパネルを持った団員が登場。演奏とともに感謝を伝えた。
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コンサートを終え、大江団長は「自分たちだけではコンサートはできない。家族やボランティアなど多くの方々にいつも支えていただいている。その感謝を伝えたかった」。
来年の定期演奏会や今後の活動について「コロナの状況を鑑みながら、プロを呼んでのレベルの高い演奏会を開催したい。そして今回のコンサートが今後の楽団の活動を模索する形になれば」と語った。
(2020年11月25日付紙面より)
YouTubeで配信 (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は22日、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の「熊野姫まつり」をオンラインで開催した。催し自体は熊野古道大辺路「駿田峠」の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で実施し、YouTube(ユーチューブ)でもリアルタイムで配信した。
熊野姫まつりは例年、多くの来場者でにぎわう催し。同会によると、動画はパソコンやスマートフォンなどから同世話人会のYouTubeチャンネルで視聴できる。この日の催しに加え、同町などの観光PR動画も紹介されているという。
この日は奈良・金峯山寺の富岡秀清さんのほら貝に合わせ、平安行列が出発し、参列者や関係者らが加寿地蔵尊に祈りをささげた。
その後は藤紀流藤紀和会やTeam雅龍、江戸芸かっぽれ勝浦芳紀会、平野恵子さんらによる踊りや笛の演奏が披露された。また、会場内の来場者から最高齢者を選び、長寿を祝うとともに加寿姫まんじゅうを贈った。
祝いを受けた三重県紀宝町在住の田野上之保さん(95)は「90年前に母と加寿地蔵尊にお参りに来た。20年前から再びお参りに来ています。長寿を祝っていただきうれしい。長生きしてこれからも参りに来たい」と話した。
中田代表は「熊野地方の安寧を祈りました。自分たちの機材を使い、手作りで動画配信をしました。全国の方々に見ていただけたら」。
来年については「コロナの様子を見ながら、春の祭りや姫まつりに向けて協議を進めていきたい」と意気込みを語った。
なお、動画や動画を収めたDVDの販売に関する問い合わせは同世話人会(電話0735・52・3071)まで。
(2020年11月25日付紙面より)
ラグビー日野RDがキャンプ (串本町 )
ジャパンラグビートップリーグの一角、日野レッドドルフィンズ(RD)が22日、串本町総合運動公園でキャンプを始めた。滞在期間は28日(土)までの7日間。ラグビークリニックの実施など地域交流もしながら本州最南端で来季に向けた調整を進めている。
日野RDは日野自動車株式会社を母体とするラグビーチーム。1950(昭和25)年の創部から数えて70周年の節目となる本年度は、日本のラグビー界でレジェンドとたたえられている箕内拓郎さんをヘッドコーチ(=監督)に迎えて来年1月から始まる次期リーグに向けた調整を積んでいる。
今回のキャンプはその一環で、温暖な場所を探す中で宿所から徒歩圏内に練習場があり雨天やトレーニングにも対応する環境を持つ同公園を最適と判断し、キャンプ地として選んだという。
利用は初で、初日は同町の潮﨑伸彦教育長や教育委員会教育課員とホテル&リゾーツ和歌山串本の久保幸彦総支配人や串本町B&G海洋センターの林亨所長(スポーツクラブNAS株式会社の同センター統括責任者)らスタッフ、県ラグビー協会の土井雅史理事長が差し入れを贈りつつ歓迎。
選手を代表して堀江恭佑キャプテンは「この素晴らしい環境(での練習)を楽しみにしている。串本町の良いところもたくさん知り、シーズン後に自分たちは串本で成長したと言える合宿にしていきたい」と抱負を掲げてキャンプを始めた。
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日野RDの理念は「ラグビーを通じて社内外の人々の心身の健全な発達と地域社会の発展・活性化に貢献し、社会的課題を解決する」。翌23日は県ラグビー協会の仲介によるラグビークリニックを開き、新宮、新翔、星林の各高校ラグビー部選手計25人が箕内ヘッドコーチ監修のメニューに沿って指導陣や選手有志と一緒に練習に励んだ。
時間にして75分の貴重な交流の機会を得て、新宮の佐野正往君(2年)は「細かく教えていただいたテクニックを今後の練習に生かしていきたい。緊張する僕たちに積極的な声掛けをしてくれたプロの皆さんのコミュニケーションも印象的で、自分もそのようにやっていきたいと思いました」、新翔の斉藤雅功(がく)君(同)は「今までも練習には真剣に取り組んできたけれど、プロの人と一緒に練習してその一つ一つに意味を持つことが大切だと感じました」、同じく太田翔大(しょうた)君(同)は「プロの方の何事にも真剣な姿がとてもかっこ良くて、自分も同じように真剣に学び元気にやっていきたいと思いました」と高まった気持ちを語った。
日野RDの選手数は53人。指導陣らスタッフを含め73人で以降の練習などに励んでいる。
(2020年11月25日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で24日、迎春準備が始まり、神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替え、奉告祭があった。新しいしめ縄を前に九鬼宮司は「毎年、いろいろな思いでしめ縄を見せていただいているが、今年は疫病をなぎ払うかのような勢いのあるシャープなしめ縄」と感想を述べた。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(87)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。今年、九鬼宮司は新型コロナウイルス感染症対策を実施する上で早めの迎春準備を予定していたことから、6、7月ごろに榎本さんに制作を依頼。8月ごろから作業を始め、稲わら約1200束を使用し、長さ4・5㍍、重さ約250㌔に及ぶ大しめ縄が今月23日に完成した。
榎本さんが同大社の大しめ縄を作り出して今年で37年目。「自然の神様の力を借りて、疫病が退散するような力のあるしめ縄を作りたかった」。
「悪いことは続かない」とつぶやき「みんなで力を込めて作ったのできちっとしたものができた。多くの人に幸せになってもらいたいと願いを込めました」と笑顔で語った。
来年のえと「辛丑(かのとうし)」の大絵馬(縦113㌢、横232㌢)は九鬼宮司が作成したもの。新型コロナの一刻も早い終息と国内外の医療関係者への感謝をささげ青い丑を描いた。
「困難な中にあっても新たな目標を掲げ、自分の歩幅で進んでほしい」と願いを込め、金と銀の鈴の付いたくらに「歩」、そして大きく「前進」の文字を書き添えている。
(2020年11月25日付紙面より)
消防本部が夜間潜水訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は16日夜、同町の那智漁港で夜間潜水訓練を実施した。参加した職員5人は暗闇の中で、捜索などのさまざまな訓練に取り組んだ。
この訓練は年に2回行われ、今年度は1回目となる。同本部によると、釣り人などが夜間、海に転落したと想定し、訓練は本部で準備や出動するところから開始されているという。
現場到着後は関谷好生(よしお)潜水隊長の指示の下、職員たちは迅速に装備を身に着け、それぞれの持ち場に就いた。訓練用の屋外用照明を点灯させ、一斉に海へ入水し、本番さながらの捜索活動に取り組んだ。
また、この日は新人2人が参加しており、その教養訓練も兼ねて行われた。暗闇の中で潜水し、ライトの有無による視界の違いなどを学んでいた。
関谷潜水隊長は「夜間の潜水作業はさまざまな事故の危険性もあるため、それらに注意しながら身をもって現場での体験をしてもらうことが目的」。
訓練を通して「実際に事案が発生した際は現場到着を早め、迅速な行動が行えるように取り組んでいる」と話した。
(2020年11月18日付紙面より)
串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒13人)で16日、中学生の税についての作文表彰があり、新宮税務署管内で最高位となる大阪国税局長賞に入賞した岡野明音さん(3年)ら生徒3人が賞状の伝達や贈呈を受けた。併せて新宮納税貯蓄組合連合会から同校へ感謝状が贈られた。
税を考える週間(11月11~17日)の記念行事として回を重ねる同表彰。例年は式典を開いてたたえているが、本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため式典を中止し、高校生の税の作文表彰と同様に入賞者を訪ねる形を取っている。
中学生の税についての作文表彰は本年度、全国で約31万4000編、同局管内で6万938編の応募があり、同局長賞は同局管内から16編が選ばれている。同署管内では那智勝浦町立下里中学校の生徒作品以来3年ぶりの入賞。岡野さんと共に雑賀和さん(3年)の作品が東牟婁郡町村会会長賞、潮﨑芽依さん(3年)の作品が新宮納税貯蓄組合連合会特選にそれぞれ選ばれている。
この日は新宮・東牟婁租税教育推進協議会会長でもある新宮税務署の石橋裕署長と新宮納税貯蓄組合連合会の森川起安会長ら一行が来校。生徒教職員一同で見守る中、石橋署長から同局長表彰、森川会長から他2賞と感謝状を生徒3人や山下校長に伝達、贈呈した。
岡野さんは今回、自身の経験から得た気付きと関心の高まりをつづった作品「繋(つな)がり」を応募。表彰を受け「書いている時はこんな大きな賞をもらえるとは思っていなかったので、すごくうれしいし、家族に助けてもらい自分も頑張って書いたことが伝わったのかなと思う。これからもっと税について考え、大人になると税を納める機会も多くなるのでしっかりとした大人になれるよう頑張ろうという気持ちになった」と喜びや気持ち改まるところを語った。
同校は21日(土)に開く文化祭の中で作品発表の場を設け、3人それぞれの思いを生徒教職員とその家族で分かち合うとしている。
(2020年11月18日付紙面より)
地域支え合いにかかる勉強会 (新宮市 )
新宮市と市社会福祉協議会は16日、市役所別館で「令和2年度地域支え合いにかかる勉強会」を開いた。市内の民生委員や福祉委員ら約50人が参加し、コロナ禍における地区の現状や今後の活動などを話し合った。
勉強会は10月18日に同館で開催された地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」を基に、新型コロナウイルスの影響により各地区が抱えている問題や、この先どのような支えや助け合いの活動ができるかなどの意見を出し合う機会の場を設けようと実施した。
同フォーラムは、地域に必要な支え合いについて理解を深めることを目的に行われ、市では「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という市民の思いを実現するため、地域包括システムの構築を目指している。
冒頭、同協議会生活支援コーディネーターの福島圭さんがフォーラムのプログラムを振り返り、参加者らから収集したアンケート結果を紹介。コロナウイルス感染拡大に配慮した地域福祉活動の展開として九つのポイント▽担い手同士で話し合う▽感染防止などについて担い手自身が正しい知識を身に付ける▽福祉活動の再開方法などを検討する▽活動に使える補助金・助成金などを活用する▽利用者が安心して参加できるように適宜情報を提供する▽福祉活動などの再開に向けて地域の理解を得る▽市区町村社協によるバックアップ・支援体制などを確立する▽ボランティア活動保険の加入▽全国取り組み事例を参考に新たな地域住民などによる福祉活動を創設する―を挙げた。
意見交換では、参加者が8グループに分かれてコロナ禍でも可能な活動やできないこと、対策などを協議。「児童の下校時の見守りの実施」「ふれあいサロンは再開のめどが立っていない」「3密が避けられない状況が多い」など、さまざまな現状を発表していた。
(2020年11月18日付紙面より)
田辺市本宮町、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が17日、新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、来年のえと「丑(うし)」の絵馬を渡した。熊野三山の絵馬がそろい次第、改札付近の駅ホームに飾られる。
スギで作った絵馬の大きさは縦98㌢、横157㌢。新型コロナ終息と「困難な中にあっても新たな目標を掲げ、自分の歩幅で進んでほしい」との願い、そして国内外の医療関係者への感謝を表し、青い丑を描いた。
背中の新宮市をイメージした緑色のくらには、市のキャッチフレーズ「海・山・川が輝く 世界遺産のまち」から抜粋した「山海川」の文字を揮毫(きごう)した。
九鬼宮司は「新型コロナが一日でも早く終息し、各駅に再びにぎわいが戻ってくれば。多くの人にとって明るい一年であってほしい」と述べ、運行の安全を願った。
同駅では、11月単月で約50%、年度ベースでは60%以上、収入が落ち込んでいるという。小谷典史駅長は「6月に新宮駅に赴任してきたので、初めてのことで感激している。一日でも早く終息し、熊野の地に多くのお客さまが来ていただける日が来ることを心から願っています」と話していた。
この日は、同市徐福の熊野御坊南海バス株式会社と新宮警察署を交通安全慰問した。毎年実施しており、九鬼宮司が肌守り、ステッカーを授けた。
(2020年11月18日付紙面より)
古式ゆかしく紅葉祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれた。
花山法皇が986(寛和2)年に那智山の二の滝付近で千日行をした時、秋の陽光に映える紅葉をめでて歌を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。
大社拝殿と那智の滝前では神事を執り行った。男成宮司が祝詞を奏上し、冠に紅葉の飾りを付け正装に身を包んだ神職や巫女(みこ)が秋の自然の恵みに感謝をささげた。
続いて、巫女2人が紅葉の小枝を手に「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。那智の滝前には多くの参拝者が訪れ、古式ゆかしい神事を見守った。
大阪府から友人と共に訪れた50代男性は「お滝前で厳かなお祭りを見ることができた。今日こちらへ来られて本当に良かった」と話していた。
男成宮司は「今年は新型コロナウイルスの影響でいつもとは違う厳しい一年だったと思う。そんな中、自然は移ろい、紅葉の美しい季節となった。自然に感謝するとともに滝の神様に変わらずのご加護をお祈りいたしました」。
観光客の入り込み数や先日、大社周辺で発見された幻のヘビ「シロマダラ」については「団体客も増え、昨年並みに近づいてきたように思う。シロマダラは初めて見たが、来年は良い年になるのでは」と語った。
なお、同大社によると、新年の参拝方法についてはコロナ対策を踏まえながら現在、検討中だという。
(2020年11月15日付紙面より)
田邉さんと久司さんに新宮税務署長納税表彰
新宮税務署長納税表彰がこのほど発表され、田邉毅一(きいち)さん(78)と久司博嗣さん(80)が受賞した。13日には石橋裕・新宮税務署長が2人の元を訪れ、申告納税制度の普及発展への感謝と功績をたたえて表彰状を手渡した。
国税庁は「税を考える週間」(毎年11月11~17日)に納税意識の向上を図る取り組みを展開。納税表彰(および租税教育推進校等表彰)は税への理解を深めてもらおうと、同週間に合わせて毎年実施している。今年は新型コロナウイルスの影響で「納税表彰並びに感謝状贈呈式」は行わず、各地方の国税局長や各管轄の税務署長が個別に表彰状を手渡した。
田邉さんは「税を納めることは当然の義務。それを果たしてきたまでのことです。まさか、このような賞を頂けるとはと驚き、うれしくもある。今後とも、さらにしっかりとした納税に励んでいきます」。久司さんは「自分が賞を頂いて良いものかと感じていますが、受賞については光栄に思っています。税金を納めた後には喜びを感じ『頑張った証し』と思える。今後も感謝の気持ちを忘れず納税の大切さを伝えていきたい」と語った。
石橋署長は「納税道義の高揚に長年努めていただき本当に感謝しています。引き続き模範となって継続してもらいたい。コロナ禍で対面での領収よりもダイレクト納付が可能なため、積極的に協力してくれる方が多くなっているので今後ともよろしくお願いします」と話していた。
(2020年11月15日付紙面より)
副読本「わたしたちの紀宝町」
紀宝町教育委員会は、小学校社会科3、4年生用の副読本「わたしたちの紀宝町」(全32㌻)を作成。本年度から町内全5小学校で授業に取り入れている。
小学3、4年生の社会科は「地域学習」が多く、主な学習対象を身近な地域に求めていることから、町教委では現在使われている教科書の流れに沿って副読本を作成。教科書で習う全国的な事柄を町に置き換えた形で掲載した。
「わたしたちの住んでいるところ」「わたしたちの安全なくらしを守るために」「自然災害から人びとを守る活動」など9章で構成。教科書と似たレイアウトにしたことで、児童が教科書と副読本の内容を比較しやすいよう工夫した。
町章や町花、木、公式キャラクター、地域に伝わる祭り、世界遺産の熊野川、御船島、七里御浜も紹介し、学校周辺や町の様子は航空写真を用いた。また、町の移り変わりが分かるよう、各小学校の昔と現在の校舎の写真を載せた。
13日には西田健町長、西章教育長、教育委員が成川小学校を訪れ、副読本を使用した授業を見学した。同校では、新型コロナウイルス感染防止による臨時休校期間に家庭学習資料として活用した経緯もあり、児童たちは副読本のデータを見ながら、安全な暮らしを守る工夫について考えた。
(2020年11月15日付紙面より)
市野々小学校で授業参観 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長、児童31人)で13日、授業参観があった。5、6年生9人が保護者に向けて防災学習で学んだ内容を発表し、災害から身を守る方法を提案した。
2011年9月の紀伊半島大水害で甚大な被害を受け、児童1人が亡くなった同校では、毎年授業参観を兼ねた特別授業「市小(いちしょう)防災の日」を開催している。本年度は台風の影響で中止となったが、今回の授業参観で発表のみ実施した。
児童は一人一人、那智勝浦町総務課防災対策室の寺本斉弘室長や和歌山県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長から学んだ内容をスライドにまとめて発表。6年生は過去に起きた地震災害の教訓を生かし「屋内で地震が起きたときは、玄関にいる方が安全。玄関周りは物を少なくしておくといい」「家族による防災会議を開き、避難場所や安全な経路、非常持ち出し袋の確認をしておく」など減災につなげる方法を提案した。
参観に訪れた保護者は「本当によく調べていて驚いた」と感心。教職員は地震・津波時の避難場所や緊急連絡先を記入する「避難カード」付きの「和歌山県防災ガイド」の冊子を渡し、家庭での防災活動に役立てるよう呼び掛けていた。
(2020年11月15日付紙面より)
広角警察官連絡所が運用終了 (新宮警察署 )
新宮市新宮の新宮警察署広角警察官連絡所(旧広角交番)が、11月30日(月)をもって運用終了となる。12月上旬に撤去工事を開始。竣工以来、地域の治安維持を担い続けた38年の歴史に幕を下ろす。
同連絡所は1982(昭和57)年3月、広角警察官派出所として運用を開始し、94(平成6)年11月に広角交番に。2008(平成20)年に広角交番、三輪崎、佐野両駐在所が統合し、現在の三輪崎交番が運用を開始。以降、警察官連絡所としての機能を果たしてきた。
昨年10月には、大橋交番の建て替え工事に伴い、一時的に大橋交番の機能を移転。今年4月に大橋交番が開所してからは、再び連絡所となっていた。
運用終了の理由は、17(平成29)年に新宮警察署が現在地に移転したため、連絡所と約300㍍しか離れていないことや、施設の老朽化に伴うもの。地域住民や連絡所に用がある人は、12月以降は新宮警察署もしく
は三輪崎交番を利用する。
同署では「38年にわたって多大なご協力をいただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。広角地区の皆さま。長年のご愛顧、誠にありがとうございました」と感謝のコメントを寄せている。
(2020年11月12日付紙面より)
樹木医甚兵衛が初イベント (古座川町 )
古座川町小森川で8日、一般社団法人樹木医甚兵衛主催のイベント「クマノザクラの現状を知ろう!」があった。第1部は講演で、一般7人が聴講。同法人の矢倉寛之さんが小森川地内における振興の考えを伝えて賛同と支援を求めるなどした。
矢倉さんはクマノザクラの新種としての判断に関わった長追在住の樹木医。今後の振興を図る母体として昨年に同法人を設立し、具体策を練る中で小森川を適地と見据え考えを深めている。その内容を公開し支援の輪を広げるため、神玉神社を護持する野口貢盟さんと共に同法人初となるこのイベントを計画して一般参加を呼び掛けた。
イベントは▽講演▽現地見学▽作業体験―の3部構成。講演は同神社社務所であり、矢倉さんは「このプロジェクトは皆さんの協力なくして動かない」と思いを掲げて話を始めた。同法人は人知れず減る樹種を人に伝えて守り、保護活動で集落を保ち文化を守るために設立。その象徴としてクマノザクラを位置付け、基本野生種としての特色や減少の要因となる地域課題を紹介した。
陽樹に含まれるクマノザクラは里山管理の下で陰樹との生存競争や食害を免れ、人と共存してきた存在。両性花を咲かせるが自花不和合性で、地域の自生種であるヤマザクラとクマノザクラは開花時期をずらして互いに交雑を避けるが、地域外から持ち込まれたサクラはそうでもなく交雑すれば種子から芽生えるのは雑種。矢倉さんはソメイヨシノが10本しかなく交雑管理がしやすい点で小森川を適地と見据え、この場所で共存を形にしたいとした。
今必要なのは苗木の増殖で、今後必要になる事柄と課題を語る中で区内に保存林やベースキャンプと教育事務の2機能を備えた拠点を整備する考えを説明。そのような筋道を進むため、同法人として募金や土地・用具貸与の協力、スポンサー企業がほしいと求めて以降質問を受け付けた。併せて野口さんも受粉に寄与する養蜂業とここ2~3年の不振傾向を伝え、打破の情報提供を求めた。
第2部は保存林予定地の見学、昼食休憩を挟んで第3部は集材運搬作業の体験で、任意で参加を求めた。
(2020年11月12日付紙面より)
新宮ユネスコ協会が鐘打会 (新宮市 )
「世界平和記念日」の11日、新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で「平和の鐘」を鳴らし、世界平和を祈願した。
1918(大正7)年11月11日は、第1次世界大戦が終結した日。ヨーロッパ各国では祝日に制定されたり、戦没者追悼式典などが営まれたりするなど、重要な日とされている。同協会の「平和の鐘」は6年目の取り組みとなる。
山門の2階にある宗応寺の鐘は、第2次世界大戦時、金属類回収令により供出。1979(昭和54)年に、老朽化に伴う本堂再建の際に、建立記念として檀家(だんか)より寄進を受けた。山門は安政3(1856)年のもので、164年の歴史があるという。
石原住職は、山門と鐘の歴史に触れ「鐘自体は新しいものだが、建物全体の歴史を感じていただければ」とあいさつ。11人の会員らは平和への願いを込め、午前11時から順番に鐘を突いた。
中谷会長は「鐘を突くことには時を知らせる、危険を知らせるなどの意味がある。そして願いを込めて突く鐘もある。新型コロナの影響で当協会も定例の活動ができないが、ささやかな行為でも平和を構築する動きを持続化させることが大事」と取り組みに対する思いを語り「平和というものを、理念として研究する活動が必要」と話していた。
毎年、同協会が世界遺産を有する地域の魅力を内外に発信することを目的に実施している「ユネスコ写真展」は、新型コロナ感染予防の観点から、今年は中止が決定している。
(2020年11月12日付紙面より)
開運暦の発送作業大詰め (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。今週中に全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、11日は髙木亮英副住職ら4人が発送作業の追い込みに入った。
那智山開運暦はB6判34㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)のお前立ち像が表紙を飾る。▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などが掲載されている。
1週間前から準備を始め、この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。
髙木副住職は「コロナの終息を願うとともに、来年は丑(うし)年なので牛歩のごとく堅実な歩みが進められる年になってほしい。皆さまの開運をお祈りしています」と語った。
希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。
(2020年11月12日付紙面より)
和歌山県高校弓道新人大会
バレー・バスケット・剣道・サッカー
来年の大絵馬が完成 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で10日、来年のえと「辛丑(かのとうし)」の大絵馬が完成した。12月から大社拝殿に掲げられる。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛(なぎ)の御幣を立てた、夢や希望が詰まった金俵を三つ背負い、真っすぐに前を見る雄牛を描いた。迷いのないその視線には、新型コロナを見据えながらも、疫病退散と希望に満ちた年を呼び込む力強さを込めた。
「神威照道(しんいしょうとう)」の文字を書き入れ絵馬を完成させた上野宮司は「新型コロナの影響で世界中の多くの人が不自由を余儀なくされた。道に迷い、希望を失いかけた人も多かったと思う。しかし、信じた道を歩み、希望を忘れずにいると神様がきっと道を照らしてくれる」と文字に込めた思いを語った。
来年のえとである牛については「牛の腹中の牛黄(ごおう)を印色に混ぜて宝印を押した熊野牛王宝印(ごおうほういん)が伝わっていることから、熊野では牛を大切にしてきた。雄牛には父としての厳格さや強さ、そして慈愛を込めた」と説明。
「ワクチンができることによって人々の心の穏やかさにつながっていく。とにかく一日も早く終息してほしい」と新しい年に向けた思いを語った。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬は、完成後の12月半ばごろに駅側に届けられる予定。
(2020年11月11日付紙面より)
来月から「光の祭典in紀宝」 (紀宝町 )
紀宝町の冬の風物詩「光の祭典in紀宝」の開催に向け、同町大里の田代公園ふるさと資料館前広場で7日からイルミネーションの飾り付け作業が始まった。
点灯期間は12月1日(火)から来年1月5日(火)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(木)と1月1日(金)はオールナイト点灯する。
例年20万個の発光ダイオード(LED)電飾で会場を飾り、期間中、2万5000人ほどが訪れるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小することとした。12月のイベント「キラフェス」も中止とし、小学生対象のイルミネーションデザインコンテストも実施しないという。
来場者の密を避けるため、イルミネーションの間隔を空けるなど工夫し、マスク着用を呼び掛ける看板や消毒液も設置する。この日は小雨の中、実行委員会(西村喜久男会長)のメンバーを中心に約30人が作業を進めた。メインの20㍍ツリーを設置したほか、電飾が点灯するか確認した。点灯開始までに7㍍ツリーや光の橋、ゲートなども飾る。
西村会長は「今年は例年と違い、コロナ対策を取った上で作業を進めている。町のイベントが中止になる中、実行委員会でも悩みましたが、『少しでも元気を届けられたら』との思いから開催することを決めた。3密にならないよう、点灯までに工夫を重ねていきたい」と話していた。
(2020年11月11日付紙面より)
会長ら双方の思い交わす (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会(会長=田嶋勝正・串本町長)が9日、県教育委員会に「ロケット及び宇宙学習の推進に関する要望書」を提出し、双方の思いを交わすなどした。
この要望は、第6期きのくに教育審議会の答申(令和2年8月)に示された内容を受け、独立した高校としての存続を図る一方向性を求めるのが狙い。答申は同校の在り方について全国公募やロケット発射場の期待もあるが、将来の生徒数から考えて存続は難しく▽2学級規模の小規模校▽分校舎▽分校―としての整備が必要と示し、同協議会はこの内容について話し合うため先月中旬に本年度第2回会合を開き意見を交わした。
松本英明コーディネーターによると、学校関係者からは小規模校が最良、同窓会長と育友会長は現状維持、行政関係は規模縮小やむなしだがどんな形でも残してほしい、議会関係は高校のないところに子育て世帯は来ず厳しい状況になる、といった意見があった。今回の要望はこの会合における会長提案に基づくもので、全会一致で提出を決めたという。
この日は県教育委員会の宮﨑泉教育長が他の公務の延長で串本町役場本庁を訪問。田嶋町長が要望書を読み上げ、同協議会副会長の西前啓市・古座川町長と共に宮﨑教育長へ手渡した。
要望書は、同校が地域資源を教材とした教育を推進し両町を核とする同協議会もその魅力づくりを強力に支援する中、ロケット射場は他では学べない貴重な教材となり全国募集における特別な存在にもなり得ると確信し、同校へのロケットおよび宇宙学習の導入と宇宙分野に関心が高い教職員の配置の配慮を求める内容。
宮﨑教育長は「私も何とかこの地域を盛り上げたいし、串本古座高校しかないからこそ一生懸命応えたいと思っている。町長方には地域の子どもをぜひ串本古座高校へ行かせていただき、うち(=県教委)は責任を持って行きたいところへ行ける指導ができるよう頑張りたい」と応え、ロケットに限らず漁業や海洋など他の秀でた要素も捉えていろいろなことをする上で同協議会の協力を得たいと歩み寄った。
(2020年11月11日付紙面より)
JC新宮が25小学校に寄贈 (新宮・東牟婁 )
一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC、清水治樹理事長)は9日、本年度特別事業「絆~想いを込めて~」で新宮・東牟婁地方の25小学校を訪問し、各校に消毒液のオートディスペンサー1台、児童2500人にマスクケースと鉛筆を寄贈した。
新宮JCは1969(昭和44)年4月に、明るい豊かな社会の創造を目指す若者たちによって創立。本年度は新型コロナウイルスによる自粛ムードの中、未来を担う子どもたちに役立つ物をプレゼントするとともに、感染者への誹謗(ひぼう)中傷防止啓発につなげることを目的に事業を企画した。
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長、児童86人)では、泉校長が「運動や給食の時にマスクを衛生的に管理することが課題となっており、その役に立つはず。本当にありがたい」と感謝を伝えた。
同小出身という清水理事長は「小学1年生の時に木造校舎が建て替えられ、現在の校舎になった。とても懐かしい」と語り、「子どもたちのために、町づくりでどのようなことをしていけば良いのか。先生方の要望や声を今後の地域活動に生かしていきたい」と新宮JCの活動へ理解と協力を呼び掛けた。
オートディスペンサーは手を触れずに使えるセンサー感知型で、衛生的に手指消毒をすることができる。マスクケースは国連の持続可能な開発目標(SDGs)を基にしたデザインで、▽栄養をしっかり取ろう▽手洗いはこまめに丁寧に▽うその情報に振り回されない▽心の距離は離さない―など新型コロナから町を守るための18の目標を記載。「友達を大切にしていますか?」といったメッセージや、「ありがとう」「おはよう」「大好き」など気持ちが温かくなる「ふわふわ言葉」も取り入れている。
(2020年11月11日付紙面より)
市野々地区公衆トイレ完成 (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々地区の王子神社前にこのほど、公衆トイレが完成した。観光客や古道を歩く人々のために同区が要望していたもので、10月末に完成した。12月中の供用開始を予定しているという。
古道を歩く人などにとって、「道の駅なち」から大門坂駐車場まではトイレがなかった。県道沿いにトイレはあるが、橋を渡るなど距離もあったため、同神社のトイレを年中開放し、区民らが清掃や管理などを行っていたという。
しかし、利用者が多いことなどから同区は検討を重ね、町にトイレの建設を要望。土地は同区が無償貸与し建設に至った。
町によると、建設費を含む当初予算が今年3月の町議会で可決され、6月に着工。先月末で施行が完了したという。当初予算額は1738万円。床面積が18・46平方㍍、建築面積が19・65平方㍍の木造製。男女別に加え、多目的トイレも完備されている。
供用開始については和歌山県からの補助もあるため、業者の引き渡し後に県や町が検査を行い次第となる。なお、完成を記念したセレモニーなどの開催は予定していない。
担当職員は「王子神社付近でトイレを求められる人が多いと聞いている。観光客の皆さまに広く利用していただけたら」と話している。
同区の長雄正紘区長は「前区長の時からなので数年越しとなったが、完成して本当に良かった。駅からも4㌔足らずの距離。立派なものを造っていただき地元としてもありがたい」。
清掃などについては「今後の打ち合わせになるが、町と契約して市野々婦人会の方々に当番制で清掃していただく形で進めている。きれいに大切に保っていきたい」と語った。
(2020年11月8日付紙面より)
城南中で木工教室 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)で5日、紀南木材新緑会(野中亮伸会長)による出張木工教室があった。1年生45人が地域の特産品である紀州材で「ファイル棚」を作った。
同会は製材業や林業、運送業など、木材に携わる若手経営者たちで構成する団体。紀州材に触れることで、子どもたちに木の大切さを知ってもらうことなどを目的に、2003(平成15)年から市内の小学校を中心に木工教室を開いている。今回の教室は技術家庭科の一環として行われ、生徒の保護者が同会の会員であるつながりや、同校からの強い要望もあり実現した。
生徒は、会員から使用する木の特性と材質の紹介や注意事項の説明を受け作業を開始。のこぎりや金づちの使い方を教わりながら、丁寧に棚を完成させていった。
吉田琴乃さん(13)は「高さが少し合わず、くぎが入りづらいなどもあって難しかったけど、楽しかった。小学校の時に授業を受けて工作は好きなので、また挑戦してみたいです」。
野中会長は「子どもたちが6年生で取り組んでから1年しかたっていないですが、大きな成長を感じてうれしかったです。当地域では木が身近過ぎて当たり前になっていると思いますが、物作りを通して『山には宝物がいっぱい』ということを忘れずにいてもらえれば」と話していた。
(2020年11月8日付紙面より)
成川地区タイムラインを策定 (紀宝町 )
紀宝町成川地区を対象とした事前防災行動計画(タイムライン)が策定され、6日、成川中村多目的集会施設で説明会が開かれた。
タイムラインは防災対応について「いつ」「誰が」「何を」するのかを取りまとめた行動計画。紀宝町が全国に先駆け導入し、町内では鮒田、高岡、大里、浅里の4地区で地区版のコミュニティ・タイムラインを運用している。
町内5地区目となる成川地区は、昨年11月から始動し、今年1月の第2回会議では台風時の行動計画や役割分担を考えた。6月に説明会を開き、出水期に備える予定だったが、新型コロナの影響でこの日まで延期となっていた。
成川地区タイムラインは、台風接近または上陸3日前から洪水発生までを5段階のステージに分け、取るべき行動と行動のきっかけを整理したもの。新型コロナ対策として▽分散避難▽避難所での感染症防止対策▽感染の疑いのある人の安全な避難―も加えた。
今回の説明会には成川4地区の各自主防災会役員、民生委員ら23人が出席。NPO法人環境防災総合政策研究機構の作間敦さんが「ステージ4の台風最接近または上陸6時間前までに行動を完了させることが大事」と説明した。
「これまでのような雑魚寝する避難は新型コロナウイルス感染症のまん延を招きかねないため、水害時の避難を見直す必要がある」とし、避難所の感染防止対策の徹底、分散避難の推進を求めた。
また「タイムラインは実際に使って修正を繰り返して完成する。地区で話し合い、訓練や防災対応を実施し、修正を加えてください」と呼び掛けた。
出席者からは「短時間大雨への対策を考えないといけない」との意見があり、新元明生・町特別参与は「町タイムラインで集中豪雨でも運用できるよう見直しを図っている」と伝えた。
(2020年11月8日付紙面より)
各地区で訓練に取り組む (那智勝浦町 )
那智勝浦町は7日、「令和2年度町内統一津波避難訓練」を町内各地で実施した。今回は自主防災組織9組織や9地区が対象。発生が懸念される巨大地震を想定し、住民らは津波から身を守るため高台などに避難した。
2014年に和歌山県が発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。さらに津波避難困難地域に指定される地区が多いことから町では避難路整備や津波避難タワーの建設などを進めている。
訓練は発災時に「必ず避難行動を取る」「情報の伝達」「避難所運営」などの行動を住民が実行できるように取り組んでいる。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から参加を見送った地区や組織もあった。参加地区などにおいても、従来実施していた消火訓練などを行わず、規模を縮小する形となった。
八反田地区では訓練参加者の集計を行わず、各家庭において避難路、非常持ち出し袋の点検などを実施したという。
この日は南海トラフ地震が発生し、同町では震度5強~6強でマグニチュード8・7を想定。午前9時3分に訓練を告げるサイレンと放送が行われた。
参加した勝浦四区の住民ら60人は雨の中、町立勝浦小学校プール付近に避難した。避難後はアルコール消毒などコロナ対策を行いながら、自主防災が所有する簡易無線機などで町災害対策本部(防災対策室)に避難状況などを伝達した。
同区防災部長を務める梶信隆さんは「悪天候の中、多くの方が参加してくれた。いきいきサロンのおかげも大きいと思う。防災意識の高まりを感じます」。
四区の西山泰一区長は「避難バッグの中身を訓練前に確認していただけたらありがたい。訓練は住民にとって良い機会となるので、今後も継続してほしい」と語った。
なお、町では職員に対し、「【訓練】町職員安否確認メール」を送信し、安否確認や参集可否などを確かめた。
(2020年11月8日付紙面より)
令和2年度クラブ、シニア選手権 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
県小学生バレー選手権大会東牟婁地方予選