新宮市観光協会(里中陽互会長)は12日、新宮商工会議所で総会を開き、本年度の事業計画案などを承認した。
里中会長は「寄せてくる観光の大波を、共に手を携えて乗り切り、『世界の熊野』、『世界の新宮』と胸を張って言える街にしていきたい」と協力を願い、「皆さまから貴重なご意見を賜り、より一層観光を新宮市の重要な産業として確立させたい」とあいさつした。
本年度事業は▽観光客誘致のための宣伝活動▽まちなか観光推進事業▽水野家入部400年記念事業への協力▽世界遺産登録15周年事業▽クルーズ客船受入事業の共催▽南紀熊野ジオパーク事業・日本遺産「鯨とともに生きる」への協力―など。事業費は1943万1000円(前年比256万3000円減)。
協会会員の隅地洋さんは「市にとって観光振興の具体的な目標、その方法は何なのか。曖昧にしたまま進めてしまうと、何をすべきか分からず、結果として活動が停滞し、目標と外れた方向へと向かってしまう」と指摘。
「行政や観光協会、さらには市民挙げての共通目標と、それを実現するために必要な方策を生かす重要な取り組みが必要」と訴え、市と連携して真剣に取り組み、議論し、具現化し、観光振興を支える体制の形成を提案。
それに対して森本祐司専務理事は「提案いただいているワーキンググループや特別委員会のような形で、協会内に組織をつくるなど前向きに検討して、皆さまに発表させていただきたい」と応えた。
議事前には、観光功労者として熊野交通株式会社志古船舶営業所の山合忍さん(45)を表彰。業務の都合により山合さんが欠席したため、塩崎陽統括部次長が代理で表彰を受けた。「今回の受賞を励みとして、新宮市また南紀地方の観光発展のため、微力ではございますが業務に一層精励したい」との謝辞を代読した。
(2019年6月14日付紙面より)
城南中と王子ヶ浜小が研修会 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)と王子ヶ浜小学校(山本眞也校長)は12日、合同の研修会(二校研)を開いた。同小の教職員30人が城南中を訪れ、公開授業の見学、全体会、分科会を通じて教育活動の情報を交換した。
王子ヶ浜小に通う児童のほとんどが城南中に進学することから、両校の連携を深め、継続的な教育活動を展開することが目的。今回を含め年3回実施する。
公開授業では、本年度から中学校で「特別の教科」になった道徳の授業を見学。全体会では、中田校長のあいさつに続き、教職員紹介があった。参加者らで各学年の様子を共有した。分科会では「人権・防災安全部」「学力向上部」「生徒指導部」に分かれ、それぞれのテーマで話し合った。
中田校長は「生徒たちは懐かしい小学校の先生に会えるのを楽しみにしていた。小学校では1年早く道徳が教科化したので学べることが多いのでは」。山本校長は「落ち着いてしっかり授業を受けていた印象。小学校と中学校は同じ校区にあっても、対象年齢や学級担任制と教科担任制などさまざまな違いがある。しっかり情報交換していきたい」と話していた。
第2回二校研は、8月1日(木)に王子ヶ浜小学校で実施する予定。
(2019年6月14日付紙面より)
熊野川中2年生が職業講話 (新宮市熊野川町 )
新宮市立熊野川中学校(吉田元紀校長)で12日、職業講話があった。同校の2年生6人が、同町日足の池上石油・プロパンの池上順一さんから働くための心構えや知識などを学んだ。
働く人の話を聞き、仕事の楽しさや厳しさを学び職業に対する理解を深めようと、職場体験を前に毎年行われている。
池上さんは、江戸時代には職業が制限されていたため、代々父親の仕事を継いでいたと説明。自身の家系も先祖代々、日足で約400年暮らしており、曽祖父の代までは紺屋(染め物)をしていた。父親の代になると、終戦後にパン屋、菓子やジュースの卸し屋などを経て現在の会社を営んでいると紹介した。これまでの商売でうまくいかなかった要因として「商品には寿命がある。物自体でなく地域で商品としての寿命が尽きた」と語った。
池上さんは生徒に夢を尋ね「好きな職業に就くために、仕事内容や自分はどうすればいいのかなど、いろんな情報を集めることが大事。皆さんは自分の力で好きな仕事を探し選んでいくと思いますが、それに向けての努力や覚悟も必要であることを忘れないでください」と呼び掛けた。
(2019年6月14日付紙面より)
姫ひじき生産組合加工場で (串本町 )
串本町の姫ひじき生産組合(堀喜代子会長)が11日、同組合加工場で3~4月に収穫した姫産ヒジキの釜炊きを始めた。今年の収量は乾燥重量で2・6㌧と例年になく少なめ。当面は梅雨時期の晴れ間に合わせて作業を進め、特産品「姫ひじき」として出荷するという。
古くから良質のヒジキが育つことで漁が活発な同町東岸域。中でも姫の磯場は長く柔らかく味も良いヒジキが採れることで知られ、同組合が特産品「姫ひじき」を生産していることで地域内外に親しまれている。
長らくの食用により地元に根付いた伝統製法でおいしく炊き上げ、天日干しして乾燥保存できるようにしたのが特産品「姫ひじき」。その要の調理となるのが直径、深さとも約1㍍ある鉄釜で60㌔を4時間余りかけて炊き続ける釜炊で、11日は雨天だったが翌12日の好天を見越して今年のヒジキを初炊きした。12日は昨年のヒジキを早朝から1回炊き、釜の熱が抜け切る前に今年のヒジキを入れて4時間30分ほど炊いた。
今年産の釜炊きは1年余り寝かせた去年産とは炊き方が若干違うそうで、色味が淡くふっくらと仕上がるのが特色。釜から出した後はそのまま天日干しで乾燥させ、雑藻などの混ざりものを取り除く手間も掛けて袋詰めし「姫ひじき」として出荷する。
堀会長は「ここ最近は4㌧ほど採れていたが、今年はヒジキの育ちが鈍く厳しい不作。周りもそのような状況で、県水産試験場からは黒潮の接岸の遅れが影響したと聞いている。姫は場所にもよるが育ちが良く、釜炊きした後の柔らかさと味の良さはいつも通り」とコメント。一日でも早く待ってくれているファンに届けようと鋭意生産に励んでいる。
「天日干しする前の『姫ひじき』もおいしい。ごまのドレッシングがお薦め」―。地元では釜炊き後の「姫ひじき」をサラダパスタ風に味わう食べ方も親しまれているそうで、炊き上がる頃に同組合を訪ねれば天日干し前の「姫ひじき」も販売するという。同組合の加工場は旧養春小学校そばにある。
(2019年6月14日付紙面より)
6月定例会が開会 (新宮市議会 )
新宮市議会(前田賢一議長、15人)の6月定例会が11日、開会した。会期は27日(木)までの17日間。改選後初となる定例会で、一般会計補正予算など6議案を審議する。一般質問は18日(火)から21日(金)までの4日間を予定している。
一般会計補正予算は、「個別予防接種事業」に520万円を追加。地方譲与税の一つである森林環境譲与税を財源とし、長期森林管理方針の作成および森林所有者への意向調査のために1004万2000円を補正。併せて「森林環境譲与税基金」を設置し、1608万4000円の積み立てを行う。補正後の予算総額は178億6589万8000円となる。
市森林環境譲与税基金条例の制定や、市重度心身障害児者医療費の支給に関する条例、高田保育所の新高田会館への移転に伴う保育所条例、市火災予防条例の一部改正なども審議する。
冒頭で田岡実千年市長が「今年は当市にとって節目となる年。先日の新宮港開港40周年記念式典も盛大に執り行うことができた。多くの議員にも参加いただき、素晴らしい催しとなった」と感謝を示した。11月に予定している水野家入部400年を祝う式典では、ドイツから水野家直系の子孫であるモニカ・水野・ベロイターさんを招く予定であることなどを伝えた。
当局から、新宮港埠頭株式会社や公益財団法人佐藤春夫記念会などの業務報告があり、徐福公園の運営状況について「昨年度の来園者数は2万7667人で前年比1313人の減少。売店売り上げにおいても前年度と比べると減少し、収益的にも厳しい状況が続いている」と報告。竹内弥生議員は「観光客は増えているのに徐福公園の来園者だけが減っている」と指摘した。当局は台湾観光客の減少が来園者数に反映されていると説明し「売店に関しては新規の商品の開発も検討している。今後具体的なアイデアを出していきたい」と回答した。
一般財団法人熊野川町ふれあい公社の業務報告では、上田勝之議員が「川舟の船頭の確保、育成は急務」と述べ、屋敷満雄議員は「渇水によるキャンセル客を減らすため電源開発と協議をするべき」などと提言した。
(2019年6月12日付紙面より)
紀南フィルムがまち歩き撮影会 (那智勝浦町 )
南紀地方とカメラが好きな人たちで構成される「紀南フィルム」のメンバーら11人は9日、那智勝浦町で「Have a nice PHOTO! まち歩き撮影会」を実施した。同町朝日の「ハナイ」に集合したメンバーらは写真家の鈴木さや香さんの講習を受けた後、勝浦漁港などを巡り、思い思いの写真を撮った。
「紀南フィルム」は、昨年度に熊野灘捕鯨文化継承協議会が、日本遺産「鯨とともに生きる」の対象エリア情報発信のため実施したフォトライター養成事業を契機に結成。撮影会は無料写真雑誌「Have a nice PHOTO!」を発行する株式会社シー・エム・エスと、大手機器メーカー「キヤノン」とのコラボ企画として開催した。
鈴木さんは「自分の気持ちを知るためにも、好きという感覚を探ることが大切。同じ被写体でも寄ったり引いたりすると違って見える」などと撮影のポイントを説明。「良い天気でも雨でも曇りでも、その時の条件を受け入れて心動く部分を探して。もっとこうであったら、ではなく今の景色を丁寧に見てみましょう」などと呼び掛けた。作品のタイトルにも言及し、「自分の気持ちを具体的に正直に表すことが大事」などとアドバイスをした。
講習後、メンバーらは「町の表情」をテーマに町内を撮影してまわった。港町の風景や漁業に関わる仕事、人にスポットを当て、写真を通して地域の魅力を発見した。
(2019年6月12日付紙面より)
古民家「稲村亭」「園部邸」 (串本町 )
串本町串本にある古民家「稲村亭」「園部邸」が7月1日(月)、古民家コンセプトホテル「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」として開業する。建物を管理する株式会社一樹の蔭(博多敏希代表取締役)にとっては初の再生活用事例。建物を運用する株式会社subLime(花光雅丸代表取締役)と両輪でともす明かりが今後いっそうの増棟の弾みになれば、と期待しながら創業に備えている。
所有者から古民家の譲渡を受けた同町は活用を模索する中で紀陽銀行が推奨する篠山市の手法に注目し、その仕掛け人の一般社団法人ノオトを含めた3者で街並みの保存継承と観光振興を目的とした地域活性化包括連携協定を締結。株式会社NOTE(藤原岳史代表取締役)と同町地域おこし協力隊の博多敏希さんが共同出資して一樹の蔭を設立し、同町から両古民家の土地の有償貸与と建物の無償譲渡を受けた。
以降は民力で運用する事業者を探してsubLimeと出会い、同ホテルの具体化を目指すことになった。2018年春に「稲村亭」、秋に「園部邸」と順次古民家再生が始まり、当初予定の2月末ごろから4カ月ずれこむ形となったが両古民家そろってオープンするめどが付いた。
先だって今月10日、subLimeのセッティングで経緯に関係する諸氏が稲村亭に集まり両古民家の再生後を内覧。田嶋勝正町長、紀陽銀行の日野和彦常務執行役員、南紀串本観光協会の島野利之会長、稲村亭の元所有者・神田家を代表して神田直樹さん、藤原代表取締役、subLimeの松岡庸一郎執行役員らがそれぞれ思いを掲げた。
それらを受け今後の事業展開に臨む博多代表取締役(35)は、具体化に至るまでの歩みと多くの支えを振り返り「6月に地域おこし協力隊(の任期)が終わるが、最後にこうして事業が出来上がったのをうれしく思う。一樹の蔭は一本の木陰に雨宿りする人の出会いも運命という意味で、神田さんも言われたが1本の流木から150年の時を経てたくさんの人が集まる場所に生まれ変わるのは素晴らしいことだ。これはまだ第1期。これからもまだまだ人の出会いを生んでいく事業にしていこうと思う」と応えた。
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再生後の「稲村亭」は客室1室と地産地消レストラン「紀州原始焼みなも―minamo―」があり、飢饉(ききん)救済の返礼で仕立てたという由緒がある奥座敷二間はほぼそのままの形でレストスペースになっている。「園部邸」は客室2室と古民家カフェ「こより―coyori―」を内包。オープン時点でレストランはディナーで、カフェは午後1時~4時に宿泊客以外も利用でき、古民家を受け皿にした人々の交流の場として振興を目指すとしている。
このオープンを足掛かりにして一樹の蔭とsubLimeは増棟の挑戦をさらに進め、喫緊では2020年までに客室10棟15室の実現を目指すとしている。
同ホテルのコンセプトなど詳細は公式ホームページ(https://nipponia-kushimoto.jp)を参照。
(2019年6月12日付紙面より)
「警戒レベル」運用始まる (和歌山県 )
水害や土砂災害の防災情報を5段階に分け、避難情報を分かりやすく伝える「警戒レベル」の運用が10日から和歌山県内で始まった。
「警戒レベル」は今年3月の国の「避難勧告等に関するガイドライン」改定に伴い導入された。レベル3を「高齢者等避難」、4で「全員避難」とするなど避難のタイミングを明確化。5は「災害発生情報」として命を守る最善の行動を促す。
昨年7月の西日本豪雨ではさまざまな災害情報が発信されていたものの、多様かつ難解で住民が活用できないでいた。このことを踏まえ、情報の意味を直感的に理解できるようにし、住民などの避難行動を支援する目的がある。
洪水、土砂災害、高潮、内水氾濫などに用いる。津波はレベル区分になじまないため対象外とする。
避難勧告の発令権は各市町村にある。基準は従来と変わらず、伝達を行う際にレベルを示し、防災無線やメールなどで住民らに知らせる。自治体によってはシステムの改修が必要なこともあり、改修を終えてから導入する所もあるという。
(2019年6月12日付紙面より)
バドミントン講習会
C級学童軟式野球東牟婁支部大会
女子団体戦でインハイ出場決める (県高校総体弓道競技の部 )
第16回歯と口の健康フェスタ
紀南歯科医師会(日高治会長)主催の第16回「歯と口の健康フェスタ」が9日、那智勝浦町福祉健康センターであった。フェスタ終了後には5月13日に審査会が行われた「歯と口の健康に関するポスター」の表彰式もあり、特選と準特選に選ばれた9人に日高会長から表彰状が贈られた。
「歯と口の健康週間」(4~10日)にちなむ行事で、歯と口腔(こうくう)への衛生意識を高めるのが狙い。平成16年から続いている。歯科医師会の医師による歯の検診や口腔内スコープには親子連れの利用が多く、血管年齢や骨密度を測定するコーナーも大勢の人でにぎわった。
今年のポスター展へは、管内の小学校15校、中学校2校、幼稚園2園から計397点の応募があった。日高会長は「歯みがきをする時の表情などが上手に表現された大変素晴らしい作品でした。ポスターを描くことが歯と口の健康について考えることにつながるよう願っています」とあいさつ。
来賓の堀順一郎町長は「歯と口が元気いっぱいに上手に描けていて感心しました」と入賞者をねぎらった。町教育委員会の草下博昭・学校教育課長は「ポスターを通して、歯が大切というメッセージが多くの皆さんに届くことを願っています」と祝辞を述べた。
特選に選ばれた吉川美紅さん(田原小1)は、学校の友達と歯磨きをしている絵を画用紙いっぱいに描き、「みんなで歯磨きしたら楽しい」。学校での歯磨き指導の様子を描いた山口遼太君(色川小6)は「はみ出さないように字に色を塗るのが難しかった」と述べ、奥歯までもっときれいに磨けたらと笑顔を見せた。
ハムスターやヒマワリの種などで健康な歯を表現した桐本紗さん(城南中1)は「特選はうれしい。背景を描くのを頑張りました」と喜びを語った。
(2019年6月11日付紙面より)
那智谷3区で避難訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智川流域の市野々、井関、八反田3区の588世帯1060人を対象にした土砂災害防災訓練が9日、町立市野々小学校体育館を避難場所に行われた。地域住民をはじめ、各区の自主防災組織、和歌山県、町と消防、新宮警察署から約200人が参加した。体育館には61世帯75人が避難した。
2011年の紀伊半島大水害の被害を教訓に、市野々地区単独で14年に訓練を開始。その後井関、八反田が加わった。雨期を前にした時期に土砂災害の危険を再確認し、迅速な避難行動とその支援、防災情報の伝達が確実に実行できるように実施している。
堀順一郎町長は「全国でゲリラ豪雨が頻繁に発生する中、想定外という言葉はもう通用しない。那智川流域は砂防ダム整備も進み、安全性は高まっていると思うが、『起こり得る』ということを再度認識し、あらゆる災害に備えねばならない」とあいさつ。情報伝達機能改善のため、防災無線のデジタル化を進めていると報告した。
避難訓練は24時間で200㍉以上の降雨が予想された状況を想定した。午前9時に「警戒レベル3」の避難準備、高齢者等避難開始の放送が流れ、町消防署、消防団が車両で地区内をパトロール。体育館内に対策本部を設置し、堀町長らが情報を集約した。
大雨が降った際の土壌雨量指数と60分間積算雨量の二つをグラフ化する「スネークライン図」の基準超過により、同9時30分に「警戒レベル4」の避難勧告を発令。自主防災組織のメンバー、消防団員が避難困難者を支援した。
内閣府が策定する「避難勧告等に関するガイドライン」の改訂に伴い、放送内容に「警戒レベル1~5」の文言追加運用が始まっている。新宮署の署員は「避難を大げさと思わずちゅうちょしないように。警戒レベル4で、必ず全員が避難すること。レベル5では遅い」と強調した。
第4分団の消防車で避難所に到着した竹原智紀さん(26)は「子どもが生まれたこともあり、避難所までの距離感を把握しようと初めて参加しました。自宅から小学校までは20分くらいですが実際歩いてみると坂道が急なところもあり、きつかった。魚(うお)の首(紀伊半島大水害の慰霊碑付近)で消防車が止まってくれて助かりました。参加して良かったです」と話していた。
(2019年6月11日付紙面より)
夏の訪れ告げる紀和町の風物詩 (丸山千枚田 )
熊野市紀和町の丸山千枚田で8日夜、農耕文化の継承と豊作を願う伝統行事「虫おくり」があった。地元住民や訪れた人たちが、キャンドルに照らされ幻想的な雰囲気に包まれた丸山千枚田を練り歩いた。
虫おくりは1953(昭和28)年を最後に途絶えていたが、2004(平成16)年の「熊野古道」世界遺産登録に合わせて復活。害虫を追い払う行事で、夕暮れに子どもたちがお札を持って太鼓や鐘を鳴らし、掛け声を出しながらあぜ道を歩き、千枚田を害虫から守るというもの。
丸山千枚田に夏の訪れを告げる風物詩として定着しており、今年もオーナーや一般参加者らが足を運んだ。千枚田には田んぼの数と同じ1340個のキャンドルが立ち並び、幻想的な風景が広がった。
参加者は丸山神社を出発し、鐘と太鼓の拍子に合わせて「虫おくり殿のお通りだい」の掛け声で千枚田を歩いた。田んぼに向けて2発の北山砲を発射した後、世界遺産登録15周年を記念した花火の打ち上げもあった。
1601(慶長6)年には2240枚あったといわれる丸山千枚田。1993(平成5)年当時530枚まで減り、貴重な資源を保護し後世に伝えようと、95(平成7)年から復元を開始。今では1340枚まで復活した。
1年に1度しかお目にかかれないとあって、多くのカメラマンも詰め掛け、伝統行事を写真に収めていた。
(2019年6月11日付紙面より)
道の駅「たいじ」の朝市 (太地町 )
太地町森浦にある道の駅「たいじ」(貝良文駅長)は9日、第10回朝市を開催した。「冷凍伊勢エビ100㌘350円」を目玉商品として、海士組合の初サザエや干物、菓子、ウニご飯、焼き鳥、イワシの詰め放題など多くの店が並び、町内外の来場者でにぎわいをみせた。
同駅によると、今回は初めてすさみ町からの出店があるなど、出店者の幅が広がりをみせているとし、それに伴い来場者のエリアも拡大してきたという。
子どもたちに人気のくじ引きやゲームも盛況で、来場者らは好みの品を買い求めるため列を作っていた。
熊野市有馬町から訪れた前田久美子さんは「手に入りにくい地場のものが多いので、来ると衝動買いをしてしまう。毎回、楽しみにしています」と笑顔で話した。
貝駅長は「出店者やお客の幅が広がってうれしい」と述べ、今後の展開については「夏休み前の7月にワークショップを計画している。そこで学んだことを夏休みの自由工作などに生かしてもらえたら幸いだと思う」と語った。
(2019年6月11日付紙面より)
宇久井が首位で後期リーグへ (全日本U―12少年サッカー )
緑丘中出身の有木さん・藤井さん (耐久高校 )