王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式 (新宮市 )
新宮市消防本部で24日、令和4年度「王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式」があった。クラブ員第10期となる市立王子ヶ浜小学校6年生14人が、市幼少年婦人防火委員会会長(垣内一男消防長)代理の古根川喜一・市消防本部予防課長から表彰状や記念品を受け取った。
同クラブは、地域や家庭における防火防災を図るため、同小6年の少年少女により組織。火災予防など防火について学習し、正しい防火・防災知識を身に付けるとともに、活動を通して規則正しい明るく元気な少年少女に育つことを目的に結成された。
本年度、同クラブには14人が入部した。はしご車乗車体験や消火器取り扱い、心肺蘇生法、人権学習など、10回にわたり防火防災に関する知識の習得に取り組んできた。
卒団する子どもたちを前に、古根川課長は「中学生になっても地震や火事などについて勉強すると思いますが積極的に取り組んでほしい。大人になった時、まちの防災リーダーになってくれることを願っています」とこれまでの活動をねぎらった。
「先生」として子どもたちの指導に当たった、予防課の亀井剣太さんは「皆さん、元気に頑張ってくれた。学んだことを忘れずに今後に生かしてほしい。皆さんが将来、地域防災の担い手になってくれることを期待しています」と言葉をかけた。
(2023年3月26日付紙面より)
和高教講演会で岩出雅之さん (新宮市 )
和歌山県高等学校教職員組合(和高教)第5支部は21日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で教育文化のつどい講演会を開いた。県立新宮高校出身で、帝京大学ラグビー部前監督の岩出雅之さんが「平成生まれの子育て論~教えすぎない~」を演題に講話。約200人が聴講した。
和高教は、高等学校の教職員による労働組合。労働条件向上のほか、子どもたちが幸せに生きるための教育を目指し活動している。「教育文化のつどい」は生徒や地域住民を対象に35年以上前から展開。これまで元プロ野球選手や政治家、歌手など多彩なゲストを迎え、コンサートや講演会を開催してきた。
郷土が生んだラグビー界の名将・岩出さん。1958年、新宮市に生まれ、監督として帝京大学を大学選手権10回の優勝に導いた。現在は同大学スポーツ局長やスポーツ医科学センター教授を務める。著書に「負けない作法」「逆境を楽しむ力」などがある。
岩出さんは「幸せの定義を持っているといい結果が生まれてくる」と述べ「青年期の若者との向き合い方」「自律型人材が育つ組織づくり」を柱に、自ら学び成長する心を導くマネジメント論を展開した。
「発言」や「行動」は「思考」がつくると定義し「自分とは何者か、どう生きるか。自分との向き合い方を考えることが大事」。Z世代の若者への関わり方について▽自律▽目的▽可能性―を若者が納得する基本ポイントとし、「分かる」「好奇心」「自律心」「やる気」が「考える力」を養うための基本要因であるとした。
自己効力感、前向きな肯定感を高めていく関わり方が重要と述べ「思う存分力を出し切れる人の集まりにいかにしていくかが必要」。「理解できているつもり」は実は「理解できていない」ことであるとし、内省のステップを紹介。「振り返り、行動や結果に加えて前提に気付かせる。思い込みに気付くことが新しい考え方や取り組みにつながる」と話した。
自律型人材をつくる組織づくりについて「経験学習により考える力が高まる。精神的余裕のある組織づくり、幸せを感じる組織づくりも大事」と話し、脱体育会構造・環境改革は多様な価値観からのイノベーションや思いやりの文化づくりに好影響を及ぼしたと説明。
何でも言い合える関係性のためには誠実さと対話が重要とし「応答・対話をやめないことが責任を果たすということ」。同大学の教え子らに対し「苦しさや悔しさなどを財産にして、次のステージに向かってくれると思う」とエールを送った。
(2023年3月26日付紙面より)
熊野大花火大会に向け試し打ち (熊野市 )
熊野市は24日夜、「熊野大花火大会」に向けて、木本町の鬼ヶ城などから花火の試し打ちをした。新型コロナウイルスの影響で、市の一大イベント熊野大花火が3年連続で中止となっていたが、今年は8月17日の開催に向けて準備を進めており、4月上旬に決定する予定だという。
市観光協会の中平孝之会長は「3年連続で熊野大花火が開催できていない。大花火の原点は精霊供養。これまで規模を縮小して供養花火は続けてきたが、本格的に御霊(みたま)をしっかり供養したい」と話していた。
試し打ちには、地元熊野市の和田煙火店をはじめ、伊藤煙火工業(亀山市)、紀州煙火(和歌山県有田川町)が参加。3~7号玉の160発の花火を打ち上げ、漆黒の夜空を鮮やかに染めた。
浜辺には一目見ようと、多くの見物客が詰めかけ、熊野大花火大会の4年ぶりの復活を心待ちにしていた。
(2023年3月26日付紙面より)
2羽が休耕田で羽休める (那智勝浦町 )
那智勝浦町中里の休耕田付近に22日、2羽のコウノトリが飛来した。2羽のコウノトリは場所を少しずつ移動し、餌をついばんでいた。
コウノトリは、日本の代表的な大型水鳥で、国の特別天然記念物。国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種に指定される国際的にも希少な鳥だ。
体長は約110㌢で、翼を開くと200㌢にも及ぶという。河川や湿地、水田などで、魚類やカエルなどの小動物を補食する。近年、同町では毎年のように、目撃されている。
コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づき野生復帰を実践している兵庫県のコウノトリの郷に、2羽の足環の特徴を伝えたところ、2歳の雌と3歳の雄であることが判明した。どちらも徳島県で足環を装着した個体だという。
担当者は「休耕田などは敵も少なく、安心して食事ができるのだと思う。2羽でいるからといって、必ずしもつがいではない」と話していた。
偶然、コウノトリを発見したという町内在住の男性は「見るのは2度目。羽を休める姿がかわいらしい」と笑顔で語った。
(2023年3月26日付紙面より)
卒業旅行で自然など満喫 (東大阪の子ども会 )
大阪府東大阪市の柏田校区子ども会の小学6年生6人は19日、卒業記念旅行で熊野地方を訪れた。新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターでは歓迎式が行われ、田岡実千年市長が子どもらに記念証書「熊野を心のふるさとに」を贈呈。小中蒼太君は「熊野には私たちの町にはない、驚くほど豊かな自然があります。ここで感じたことを心の宝物として大切にし、これからの中学校生活を頑張ります」と感謝を伝えた。
熊野地方を巡る卒業記念旅行は、都会の子どもたちに自然豊かな熊野地方を第二のふるさとにしてもらおうと、子ども会の康熙満(かん・ひまん)さんが企画し今年で7回目。
康さんは2010年に初めて川舟下りを体験し、その時の感動を子どもたちにも伝えたいとの思いから旅行先を熊野地方に。「那智の滝を巡る熊野一日旅行」と題して今回、4年ぶりの再開がかなった。なお、康さんは11年の紀伊半島大水害当時、熊野地方の被害を案じ、川舟の運航が再開した際には第1便に乗船したという。
歓迎会で、那智勝浦町長連名の記念証書を手渡した田岡市長は「4年ぶりに皆さんをお迎えできてうれしい。今日は、かけがえのない熊野の自然を見て、そして感じていただければ」と歓迎した。
康さんは「私たちの住む東大阪市にはほとんど自然がない。熊野の自然は日本にとって宝のような存在。子どもたちが大きくなった時に、改めて熊野がどういう所なのか学ぶ、その時こそが日本が再生する時ではないかと夢を描いています」とあいさつ。
「この子たちが30、40、50代になった時、恋人や家族と一緒にこの地を必ず訪れます。そしてその子どもたち、またその子どもたちがまた熊野を訪れるのではないかと思います。その時が私の夢がかなう時だと考えています」と述べた。
歓迎式の後、一行は道の駅「瀞峡街道熊野川」に移動。紀伊半島大水害犠牲者の慰霊碑に献花し黙とうをささげた。川舟下り体験や熊野三山巡りなどを通して、熊野の自然や歴史を学んだ。
家族旅行で田辺市本宮町の川湯温泉を訪れたことがあると話す鈴木心君。「自然がたくさんあって東大阪市とは全然違うと思った。大人になったら熊野にまた来ます」と話していた。
(2023年3月24日付紙面より)
新町発足後初めて冊子を発行 (紀宝町 )
紀宝町教育委員会は、町内の文化財を解説した冊子「紀宝町の文化財」を新町発足後初めて発行した。1000部作成し、町内全小中学校に各10部を配った。希望者には、町教育委員会、町生涯学習センター「まなびの郷」、町立図書館、ふるさと資料館で無料配布している。
町内には、有形民俗文化財や無形民俗文化財など、地域で受け継がれてきたさまざまな文化財が存在する。現在、国指定文化財が3件、県指定文化財が2件、町指定文化財が13件の計18件あり、冊子には指定文化財と6件の文化財を加え、24件を掲載した。
県教育委員会の協力を得て、町文化財調査委員5人が中心となり1年かけて作った。写真をふんだんに使ったほか、それぞれの個別解説に加え、文化財を示した地図も加えた。
「鵜殿村の文化財」(1974年発行)、「紀宝町の文化財」(78年発行)、「鵜殿村九十年史」(84年発行)、「紀宝町誌」(2004年発行)などを参考にし、ほとんどの写真は新たに撮影した。
編集、レイアウトを担当した事務局の竹鼻康さんは「身近にある町内の貴重な文化財に対する理解や関心を高める機会として活用してほしい」と話している。
(2023年3月24日付紙面より)
6施設に寄付金を贈呈 (新宮東牟婁労福協 )
新宮東牟婁地域労働者福祉協議会(井上祐人会長)は20日、新宮市と那智勝浦町の6福祉施設を巡り、団体活動費の一部から捻出した寄付金を「福祉に役立てて」と手渡した。
同協議会はもともと、子どもらの健全育成を目的に毎年、入場無料の映画まつりを開催。その際に集まったチャリティー募金と加盟団体からの寄付金を、福祉に役立ててもらおうと贈呈していた。
しかしコロナ禍の影響を受け、2020年からは、映画まつりが中断。しかし寄付は続けたいと、団体活動費の一部を充てている。寄付金は毎年▽美熊野福祉会▽なぎの木園作業所▽わかば園作業所▽どんぐりの家▽南紀ひまわり作業所▽いなほ作業所―に均等に分配、各2万円を送っている。
新宮市佐野の美熊野福祉会(溝口順理事長)には、井上会長と岩崎浩明事務局次長(=近畿労働金庫新宮支店長)が訪れた。井上会長が溝口理事長に寄付金を手渡した。井上会長は「映画はやむなく断念が続いたが、寄付の取り組みは変わらず続けたいとやってきた。少しでもお役に立てれば」と語った。溝口理事長は「ありがたい。利用者さんが楽しめる、触れるようなものに使いたいと思っています」と話した。
また岩崎事務局次長は映画まつりに関して「以前よりさらに盛り上げる形で実施できれば」と希望を述べた。
(2023年3月24日付紙面より)
改修を経て開館を再開 (串本町図書館 )
串本町図書館(池田三明館長)が22日、改修を経て開館を再開した。建物1階全面を利用できるようにする用途変更により、現状で可能な限り書架を拡充。町教育委員会教育課は「従来以上に親しんでもらえる図書館になれば」と期待している。
同館は2020年10月、串本小横から町立体育館の南隣にあるこの建物の1階へ仮移転。当時この建物は地域保健福祉センターとして機能していて、1階には保健センターがあったため同館は空いている場所を使って開館を再開した。
以降、保健センターが現在の役場本庁舎へ移転しさらに空いた場所が増えたため、前述した用途変更をした。伴って防火扉の新設などが必要となり、今年1月23日から3月21日まで休館として建物の改修と書架の拡充を実施。いずれも予定通りに完了し、再開へとこぎ着けた。
貸し出しカウンターなどの事務機能をフロアの一角から保健センターがあった窓口付きの1室へ移動。空いたスペースに児童図書の書架を広げた。併せて相談や会議用途で用いていた2室は実用・教養図書に充て、その一角に漫画「宇宙兄弟」の単行本などロケット・宇宙関係の蔵書を集めて紹介する工夫もしている。
最奥の1室を郷土資料室に充て、許容力が大幅に拡大。フロアに余裕があるため、館長席もこの場所に仮設している。同課によると現状はまだ全面利用の過渡段階で、1階に間借りしている更生保護サポートセンター牟婁が目下希望している旧役場古座分庁舎へ移転して空く1室を館長室に充てることで完成形になるという。
児童図書、一般図書ともに書架が増え、従来並べられずにいた蔵書も手にできるようになったのが今回の改修の成果。併せて感染症予防対策の一環で導入した図書除菌機も利用者の判断で使えるようになった。
同館の開館時間は午前9時~午後5時15分で、基本月曜日と月末(整理日)、国民の祝日は休館となる。問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2023年3月24日付紙面より)
地域見守る伊勢平柿の分身 (補陀洛山寺 )
「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)は8日、那智勝浦町の補陀洛山寺(髙木智英住職)の境内にある伊勢平柿の分身である柿の木の前に手作りの看板を設置・奉納した。由緒ある柿の木は、3月を迎えた現在もその実を枝に蓄えている。
この伊勢平柿は接ぎ木で植えられたもので、元の木は同町川関の熊野古道沿いにある「ふだらく霊園」内の推定樹齢800年以上と伝わる古木だ。鎌倉時代に源頼朝(1147~99年)の死後植えられたと伝わっており、町の天然記念物にも指定されている。
かつての巨木が長年の風雨などの影響で、樹勢が衰えた姿を目の当たりにした故・苅屋茂登恵さんや故・池本泰三さん、西わさ子さんら町民有志が2002年、「貴重な柿の木を未来へ残そう」と立ち上がる。
樹木医などの協力を得て枝を取り、紀の川市の和歌山県果樹試験場かき・もも研究所で育成してもらい04年に植樹。那智山青岸渡寺など町内各所に5本植えたが、無事に育ったのは同寺の木のみだったという。
木が境内の奥にあって目立ちにくいことや参拝者・町民にも広く知ってもらえるようにと、守る会が同寺や町教育委員会に相談。手続きを経て今回の設置に至った。看板はヒノキ製で「伊勢平柿 樹齢八百年の古木から接ぎ木 命を受けついだ」と彫られている。
看板の制作者で、守る会の小松隆幸さんは「材料から考え、2日ほどで仕上がった。小さな接ぎ木から命がつながっていることが大切。地域の皆さまに知ってほしい」。
地庵会長は「ふだらく霊園の北条政子にまつわる柿の木から接ぎ木した由緒ある柿。この機会に広く知っていただけたら」と話した。
過去に同会の会員でもあった西さんは「苅屋さんも、池本さんもきっと喜んでいるはず。私もとてもうれしいです」と笑顔を浮かべた。
参拝者に木の存在を知ってもらおうと、木を紹介した新聞記事や案内を促す矢印を壁に張り出した同寺の管理人・南善文さんは「本当にありがたいこと。柿を多くの方々に知っていただけたら幸いです」と述べた。
髙木住職は「由緒があり、多くの風雨にも実を落とさないこの木は寺にとってもシンボル。看板をご用意いただき、感謝しています。お寺は住職一人ではやっていけない。地域の皆さまに守っていただいているからこそ。この先もこの寺に何百年と根付いて、地域を見守ってほしい」と語った。
(2023年3月10日付紙面より)
東牟婁老人クラブ指導者研修会 (那智勝浦町 )
東牟婁郡老人クラブ連合会(奥根公平会長)は8日、「東牟婁地方単位老人クラブ指導者研修会」を那智勝浦町体育文化会館で開いた。那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村の老人クラブから54人が参加。相続などや人権に関する各研修を受け、学びを深めた。
同研修会は単位老人クラブ指導者(会長・副会長クラス)の研修会を行うことで、指導者の資質向上とクラブ活動の充実、発展を目的に実施している。
奥根会長は講師や那智勝浦町、和歌山県の尽力に感謝を述べ「コロナ禍で多くの行事が、延期や開催ができなかった。本日の研修会、盛大に開催できることをうれしく思う」とあいさつ。
東牟婁振興局健康福祉部の杉本善和部長が「皆さまの力でより元気な地域にしていただければ」と祝辞を述べた。
新宮公証役場の三橋豊さんが講師を務め「相続・遺言・後見等について」を講演。相続や財産について▽相続は死亡により、所有していた財産などが引き継がれること。遺言と遺産分割がある▽遺言は、生前の意思で死亡後の財産などの引き継ぎ先をを指定する。相続は相続人以外も可能▽遺産分割は死亡後に、法律で決められた相続人が話し合い、財産などの引き継ぎ先を決める。相続は相続人に限定▽財産はその者が有していた物や権利。不動産や預貯金などの積極財産や借金、連帯債務といった消極財産も含まれる―と紹介した。
相続財産の把握や相続人間での協議など、遺産分割協議の詳細も説明。遺言の種類では、自ら手書きで作る自筆証書遺言や公証役場で公証人と相談しながら作成する公正証書遺言があるとした。
「財産争いを未然に防止する」などの遺言のメリットを解説。公正証書遺言のメリットとして「適法な内容で安心、確実」などを挙げ「手間や手数料がかかる」などのデメリットも伝えた。
遺言でないと相続できないケースや自ら行使できない事務をサポートする後見などの制度や権利擁護の手段にも触れた。三橋さんは「財産の多い少ないは関係ない。自分が築いたものを次の世代に残すことで、本人の思いはつながっていく。遠慮なく、ご相談ください」と呼びかけた。
人権研修では東牟婁振興局の人権主幹・濱口美都子さんが「高齢者の人権―認知症を学ぶ―」を講演。認知症の症状について、記憶障害や理解・判断力の障害、実行機能障害などを挙げた。
元気がなく、引っ込み思案になることがあるなどの行動・心理症状にも触れ、環境や介護者などの周囲の援助方法により改善される可能性もあるとした。認知症者への支援や接する際の心構え、認知症者を介護している家族の気持ちを理解すること、認知症の予防なども解説した。
最後は同連合会の更家正也副会長があいさつし、研修会を締めくくった。
(2023年3月10日付紙面より)
読書活動優秀実践校表彰 (古座川町 )
古座川町立明神小学校(濵地久夫校長、児童11人)がこのほど、県教育委員会が実施するきのくに読書活動優秀実践校表彰の対象校に選ばれた。8日に臨時集会を開いて表彰状などの伝達を受け、日頃の読書活動に対する評価をみんなで喜んだ。
この表彰は、県内の公立小学校や義務教育学校〈前期課程〉、特別支援学校〈小学部〉における読書活動の活性化と児童の読書の質的・料的充実を目的として前年度から年1回の頻度で実施。例年2月実施の学校図書館教育に係る調査から1人当たりの読書冊数を抽出し、その数値が多い未表彰校20校を選考し3月1日付けで表彰している。
同町教育委員会は、子ども教育15年プラン〈改定版〉において重点項目の一つに位置付けている読書活動推進を達成するために同推進員を起用。学校図書室の環境を児童に分かりやすい形へと整え、ブックトークや読み聞かせなどの演示を通して読書の啓発に努めている。濵地校長によると、明神小はこの状況を生かして週2回の始業前活動「学びタイム〈読書〉」を実施。週1回の頻度で読書集会を開いて木本陽子・同推進員の演示を受け、それを手本にして児童もブックトークや学期ごとに1回の頻度で高学年が低学年に読み聞かせをするなどしている。
さらに図書委員を立てて児童主体の読書活動推進にも力を入れ、本年度の同委員は週1回の学校図書室からの貸し出しの仕事をこなしつつ、校内放送による読書の呼びかけや読書週間期間中にはみんなで花の形をした紙に読んだ本のタイトルと名前を書いて幹を描いたポスターに貼る行事「読書の木キャンペーン」をするなどみんなで読書を楽しむ雰囲気つくりに頑張ってきたという。
その成果の一端として、同調査では1人当たりの読書冊数は94・64冊(4~1月の平均値)と報告。この実績により県内20校中の1校に選ばれ、表彰されるに至った。この日は県教委の指導主事2人が来校し、明神小を代表して図書委員の山本玲志君(5年)が表彰状、谷口紬さん(同)が副賞(図書カード5万円分)の伝達を受けた。濵地校長は同推進員が来てくれるからこその成果だと感謝しつつ、その先にある児童の頑張りに対する高評価を喜んだ。
来校した指導主事2人によると本年度、東牟婁地方では明神小と那智勝浦町立太田小学校の2校が選ばれているという。
(2023年3月10日付紙面より)
生徒有志が新宮城跡で (近大新宮 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の生徒会(梅崎光会長・速水救会長)は8日、全校生徒にボランティアを呼びかけ、新宮(丹鶴)城跡とJR新宮駅で清掃活動を行った。有志の約130人が参加、散乱するごみを拾い集めた。
生徒のボランティア活動意識の向上と、社会に積極的に参加する姿勢の育成のため実施。コロナ禍前は年3回、王子ヶ浜や徐福公園、市田川などさまざまな場所で行っていたが、感染拡大を受けて一時期、中断していた。新宮城跡とJR新宮駅での実施は、昨年の5月以来となる。
高校1年生と中学生が新宮城跡を、高校2年生がJR新宮駅を清掃した。新宮城跡では、中学3年の速水会長があいさつ。「ここは新宮市の歴史ある素晴らしい城跡。花見シーズンも近づいている。花見に訪れる人にきれいと思ってもらえるよう、頑張りましょう」と呼びかけた。
この後、清掃を実施。火ばさみやごみ袋を持ち、落ちたごみを探した。近年の美化意識の高まりからか、ごみはほとんど落ちておらず、生徒らは協力して落ち葉を集め、ごみ袋に入れていた。高校1年生の小沼佑斗さんは「ボランティアには積極的に参加しようと思って来た。来たときよりも美しくなるよう、磨きに磨きをかけて頑張りたい」と意気込んだ。
なお今年は4年ぶりに、新宮市による新宮城跡での夜桜ライトアップが予定されており、すでに多くのちょうちんが下がっていた。期間は18日(土)から4月28日(金)までを予定、点灯時間は午後6時から午後11時までとなっている。
(2023年3月10日付紙面より)
新宮・新翔高校で卒業式
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と新翔高校(藤田勝範校長)で1日、卒業式が開かれた。両校とも保護者や教職員、在校生、来賓出席の下、ほぼコロナ禍前の形で式を挙行。新宮高校では170人、新翔高校では91人が卒業証書を受け取り、それぞれの道へと歩み始めた。
□ □
新宮高校では、各クラスを代表して岸諒祐さん、山下愛民さん、永野太一さん、板谷観来さん、谷口琉綺さんが、東校長より卒業証書を受け取った。
東校長は、「大望を成し遂げるためならどこにでも行き活躍すべき」を意味する幕末の僧・月性の言葉を紹介。「正解のない課題に取り組み最適解を導き出そうとする」ことの重要性を説き「皆さんには国内・国外、どこへでも出向いて活躍する気概を持ってほしい。課題が立ちはだかったときは、最適解を見いだし進んで」と呼びかけた。
卒業生代表の細見苑子さんは答辞で、周囲の人々の支えに感謝を伝えた他、ロシアのウクライナ侵攻を非難。英文学者の吉田健一氏のエッセーの一節にある「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着すること」を引き「私たちは『美しい新高生』として、いま巣立ちます」と力を込めた。
□ □
新翔高校では卒業証書授与に続き、藤田校長が式辞。3年に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大に翻弄(ほんろう)された本学年の卒業生たちに「而今(じこん)」「一期一会」の言葉を贈り「皆さんは限りない可能性を持っている。『今、この一瞬』の言葉を胸に、今できることを精いっぱい頑張って」とエールを送った。
卒業生を代表して朝日楓花さんが答辞。「3年間当たり前のように学校に来て一緒に勉強したり、しゃべったり、お昼ご飯を一緒に食べたりしたことが、当たり前ではなかったのだと、今実感している。今日という日を迎えられたことを誇りに思う」と述べ、保護者や教職員らへ感謝を伝えた。
閉式後には、3年間の思い出の写真や学校生活に関わった人々からのメッセージを収めた記念映像の上映もあった。校内で在校生と写真撮影をするなど、別れを惜しむ様子も見られていた。
(2023年3月2日付紙面より)
新宮署が表彰状を伝達 (株式会社夏山組 )
新宮市三輪崎の株式会社夏山組(夏山晃一代表取締役社長)が、第3期優秀安全運転事業所表彰の銀賞に選ばれ、その表彰状の伝達式が2月28日、新宮警察署であった。田原正士署長が夏山社長に、表彰状を手渡した。
警察と自動車安全運転センターが、職場ぐるみで安全運転や交通事故防止に努め、一定の成果を上げた事業所を表彰するもの。度合いに応じてプラチナ賞、金賞、銀賞、銅賞がある。今回は第3期で、昨年の9月から12月に申請した事業者の、過去一年間の成果を基準に各賞が選ばれた。
和歌山県では「県警察交通部長」と「自動車安全運転センター和歌山県事務所長」の連名表彰となる。和歌山県での今回の表彰は、全部で7事業所だった。
夏山組は事業所として、13年前から別のコンテストにも参加して無事故無違反を目指すなど、従業員の交通安全意識の高揚に力を入れている。同社が交通安全の関係で表彰を受けるのは、今回が初とのこと。
夏山社長は「一年を通して安全運転を心がけることが大事。従業員に意識が根付いてきたのかもしれない。引き続き、意識の高揚に努めたい」と話した。田原署長は「従業員の一人一人が交通違反をしなくなれば、地域の交通安全につながる。模範的な事業所が増えれば、地域の安全が保たれることになるため、ありがたい」と語った。
(2023年3月2日付紙面より)
学校規模検討委が教委に答申 (古座川町 )
古座川町学校規模検討委員会(上浦一剛委員長、委員12人)が2月28日、同町教育委員会(中道悟教育長)の小学校および中学校の適正規模・適正配置についての諮問に対する答申を行った。同町教委は翌日より、同町公式ホームページ上でその内容を公開。同検討委員会は「現状で学校の再編成を早急に実施する状況ではない」との方針を示している。
県や国が公立小・中学校適正配置などを促す中、同町教委は昨年1月に明神中校区の園児~中学生の保護者を対象にして行ったアンケート調査の結果を受け良好な教育環境を考える上で適正配置などの検討は喫緊の課題と判断。8月に教育委員と学校関係者、保護者代表、地域代表を人選して同検討委員会を立ち上げ、この諮問を行った。
以降、同委員会はこの日を含め計5回の会合を開き、同調査の結果分析も踏まえて検討し前述した方針を掲げるに至った。
同委員会はこの日、中央公民館で5回目の会合を開いて答申する内容を固め、代表して上浦委員長から中道教育長へ答申書を提出した。その中で方針を示すに当たり、町立の5小中学校は小規模校、過小規模校とされる中でそのデメリットを克服し質の高い教育の実践に努めているが、一般的な課題もあり将来の展望を持つことは必要だと意見。子どもたちの教育環境を最も大切にする中で学校が児童生徒だけでなく保護者や教職員、卒業生や地域住民が深いつながりと愛情を持って育んできた経緯にも考慮し、それら全体の理解や協力、意見を得て適正規模や適正配置の検討に努めること、同委員会の成果を生かして町立学校の教育を一層充実することを強く期待している。
中道教育長は「この答申を踏まえ、今以上に現状の3小学校、2中学校での取り組みを一層充実させ、保護者皆さまの期待に応えていかなければならないと思いを新たにした」と述べ、現行の保小、小小、小中、中中の各連携に加え情報通信技術(ICT)活用や地域協力の下で令和の日本型教育として掲げられる個別最適な学びや協働的な学びの実現に向けた力添えを今後に求めつつ検討に感謝した。
(2023年3月2日付紙面より)
春の火災予防運動初日に (新宮市 )
春の全国火災予防運動(1~7日)に伴い、各地の消防は1日、防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では、市消防本部、三輪崎消防派出所、高田コミュニティ消防センター、熊野川消防出張所に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
市消防本部で行われた出発式には、丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から15人が参加した。中谷健兒団長は、団員らの日頃の活動に感謝を伝え「市民の皆さんに、防火意識をしっかりもっていただけるように、消防車両による広報活動をよろしくお願いします。交通事故には十分気を付けて」と呼びかけ。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地域で広報活動を行った。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店などが密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底▽林野火災予防対策の推進―の八つ。
市消防本部管内では昨年(1~12月)、12件の火災が発生し、うち5件が建物火災だった。今年に入ってからは1件の火災が発生している。
市消防本部では、住宅火災から命を守るために▽寝たばこは絶対にしない、させない▽ストーブの周りに燃えやすい物を置かない▽こんろを使うときは火のそばを離れない▽コンセントはほこりを清掃し不必要なプラグは抜く―の四つを習慣付けるよう呼びかけている。
(2023年3月2日付紙面より)