台風21号、農業にも被害 (新宮市 )
台風21号の豪雨は住宅や店舗だけでなく各地の農地にも被害を及ぼしている。新宮市熊野川町能城山本では、熊野川の支流赤木川が増水したため、水田や畑に泥や流木が入り、農業者らは除去作業に追われている。
能城山本では、約35㌃の畑に設置していたイチゴのビニールハウス24棟が水没。作業員たちは24日から流木や草の撤去やイチゴの葉についた泥の洗い流し作業などに追われている。
イチゴを栽培している児玉巌さん(80)=同町能城山本=は「ビニールをまだ張っていなかったから良かったが、2~3割はだめになった。今後はイチゴの病気による被害が怖いです」。流木の撤去作業などはあと3~4日はかかりそうで、毎年12月に実施している収穫は遅れる見込みだ。
周辺の畑にも泥が入り、栽培されていたタカナ、ハクサイ、キャベツ、サツマイモなどがほぼ全滅となっている。
町内各地の川沿いでは獣害防止の電気柵が川の水でなぎ倒されている。同町神丸では赤木川沿いの柵が100㍍以上にわたって倒れ、流木や草が絡まっている。畑を所有する下阪殖保さん(71)=同町能城山本=は「ここら辺の農業者はみんな途方に暮れています。今回の台風で農業を辞めてしまった人もいます」と話していた。
(2017年10月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171029010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171029010102.jpg)
世耕弘成経産相が熊野地方へ (台風21号 )
世耕弘成経済産業相は28日、台風21号で被災した和歌山県内を視察した。被災地の現状や課題を、スピード感を持って把握し、早期の復旧・復興を実現させるのが目的。熊野地方では那智勝浦町と新宮市を訪れた。
那智勝浦町では浸水被害を受けたいざかた通り商店街を訪れ、各商店の被害現状などを見て回った。新宮市では同市下田の精肉店や飲食店、同市磐盾の建設機械などを扱う店などを訪れ、浸水で壊れた機械類などの惨状を見て回り、店主らの声に耳を傾けた。同市下田の下岡精肉店を訪れた世耕経産相は当時の様子を聞き、代表の下岡豊さんに「お見舞い申し上げます。全力で取り組みます」と声を掛けた。下岡さんは「周辺の店舗も大きな被害を受けた。被災の状況をじかに見てもらって良かった」と話した。
(2017年10月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171029110201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171029110202.jpg)
なぎ看護学校で宣誓式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(脇田堅二校長)で27日、看護宣誓式があった。今年4月に入学した1年生39人(女子26人、男子13人)が点火の儀などで看護師への決意を新たにした。
1年生たちに有能な看護師を志す自覚を深めてもらうことを目的に毎年この時期に行っている儀式。厳粛な雰囲気の中、点火の儀などが行われ、キャンドルを手にした宣誓生たちが10グループに分かれ「私たちは積極的にコミュニケーションをとり、患者さんの心に寄り添う看護師になることを誓います」などと宣誓し、ナイチンゲール賛歌を斉唱した。
脇田校長は「今日誓った言葉とこの舞台に立った自分自身を思い出して、できることから始めてみてください。一緒に一歩ずつ前に進んでいくことができればと思います」と式辞。
在校生代表の松井智加さん(3年)が「今日のこの気持ちを忘れず、できることから懸命に取り組み、今日誓った看護師像に近づくことができるよう共に歩んでいきましょう」と祝いの言葉を述べた。
(2017年10月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171029010201.jpg)
観光に影響、早急な対応求める (那智の瀧源流域環境保全の会 )
那智勝浦町の那智の滝源流域を調査する「那智の瀧源流域環境保全の会」(岡﨑吉男会長)は25日、第9回例会を開いた。緊急の問題として台風21号の豪雨で崩落した那智山を通る県道46号線の対応を協議した。
崩落箇所は那智山奥之院駐車場の手前。25㍍以上にわたって片側車線がえぐり取られたように崩れ、約20㍍下の駐車場にがれきや土砂が積もっている。応急処置として奥之院駐車場内を普通車は通れるようにしているが、大型の観光バスが通行できないため、早期復旧が望まれている。
県は土砂の撤去作業にあたっている。今後はさらなる水の浸入と崩落を防ぐため応急的にモルタルを吹き付け、本格的な復旧を計画中としている。
那智山区の高木喜三区長から対応の報告を受けた岡﨑会長は「コンクリートでふさがず、アスファルト下の水を流す構造でないといけない」と主張。熊野那智大社の男成洋三宮司は「土中の水をせき止めないよう工事をしてもらわないといけない。県にも説明会を開いてもらわねば」と話した。
寺本眞一町長は「崩落箇所は町道ではなく県道。こちらから早急に県へ対応を尋ねる」と述べた。
会員からは仮設道路を敷設するべきという声も上がった。路線バスと観光バスの仮設駐車場や運行予定についても話し合われた。
本題の那智の滝源流域の環境保全も議題にあげ、ドローンの空撮映像から環境の変化を把握し、保全方法を模索した。那智川の流れにも過去の工事の影響で一部に無理が生じていると報告があった。
(2017年10月27日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171027010101.jpg)
太地浦くじら祭実行委
太地町で11月5日(日)に開催される「太地浦くじら祭」に向けて25日、実行委員会が同町公民館で開かれた。岡本光正実行委員長ら15人が集まり、予定している内容や運営の注意点を確認。来場者に気持ちよく祭りを楽しんでもらうための意見を出し合った。
例年、振る舞いの食べ物には人気が殺到してしまうことから、混雑を避け、なるべく多くのブースを回ってもらえるよう「整理券を配ってはどうか」、「開始の時間をずらしては」といった意見が挙がった。トラブルなく運営するため、今後も事務局を主体に検討を重ねる。
同祭は午前10時ごろから、太地漁港ふれあい広場で開かれる。荒天時は旧グリーンピア南紀の多目的ホールが会場となる。
同町の姉妹都市・長野県白馬村や、近年交流を深めている大阪市浪速区によるステージパフォーマンス、「鯨踊り」などの町の伝統芸能披露、町内外の加工業者や有志による販売ブースの出店などがあり、プログラムの最後には景品付きの「もちほり」も予定されている。
例年ステージでパフォーマンスを行っている町青年会(谷口武史会長)は、今年はクイズを企画。町に関する問題などを出す予定で、上位3位まで景品がある。谷口会長は「大人から子どもまで楽しめる内容を工夫しています。皆さんでお越しください」と来場を呼び掛けている。
(2017年10月27日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171027110101.jpg)
笑福亭鶴笑さん招き人権全体鑑賞会 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で25日、人権全体鑑賞会があった。NPO法人「国境なき芸能団」の代表で、国内外で活躍し、社会貢献に取り組む落語家の笑福亭鶴笑(かくしょう)さんが、「笑いは世界の共通語。笑顔は笑顔の連鎖を生む。一緒に笑うと仲良くなれる」と、笑いと平和の大切さを生徒たちに伝えた。
鑑賞会はさまざまな視点から人権問題を考える機会にと毎年開かれている。鶴笑さんは世界各国で毎年人形を使った「パペット落語」公演を続ける国際派落語家。「国境なき芸能団」として国際交流や国際貢献に取り組み、公演実績は世界35カ国、100都市以上に上る。アフガニスタンの病院や難民キャンプへも笑いと救援物資を届けた。
鶴笑さんは「地上に平和を 人に笑顔を~笑いは世界の共通語~」をテーマに軽妙な語り口で、笑いを交えながら自身の経験を紹介した。勉強する習慣を身に付ける必要性や、「笑いは人間だけの特権。笑ったり、笑わせたりすることで世界中の人が仲良く慣れると思う」と笑いの大切さを話した。
紛争地域などでの体験も交え、「笑いは平和な空間でしか生まれない」と語り、難民キャンプでの出来事を挙げた。戦争の悲惨さなどを訴え「情報を得て、何が正しいかを見極めなければならない。戦争は戦争を、戦いは戦いを生むだけ。何の解決にもならない」と訴えた。イラクでの活動の映像を上映し、寄席を披露。会場に笑顔があふれた。
(2017年10月27日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171027100101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171027100102.jpg)
集めたキャップ窓口に託す (高池小児童会 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の児童会(後口幸宏会長)が25日、ポリオワクチンを必要とする世界の子どもたちに向けた支援として集めたペットボトルキャップ3万6960個を最寄りの窓口・毎日新聞古座販売所に託した。
この取り組みは今から9年前、当時5年生の担任だった大畑校長が道徳の授業で「燃やせばダイオキシンが出て環境を悪くする。リサイクルすれば人の命を救うこともできる」とし、リサイクル素材として集めた同キャップの売却益を開発途上国の子どもたちに対するポリオワクチン接種費用に充てる運動があることを紹介したのがきっかけ。
命を救う方がいいと考えた5年生はさっそく全校集会で他の学年や教職員に協力を呼び掛け、全校規模で収集を始めた。以降、歴代の児童会が活動を引き継ぎ今日まで続いているという。
今回託したのは、昨年4月以降に集めた分。児童が家庭から持ち寄ったほか、取り組みを知った保護者が勤務先で集めたり地域の個人団体が町教委経由で託したりした分も含まれるなど地域ぐるみの成果だという。
この日は本年度前後期の児童会役員9人が寄付の段取りを整え、支援活動の筋道を仲介する毎日新聞古座販売所が放課後に来校して同キャップを預かった。大畑校長によると児童会は今後も収集を続けるそうで「小学生でも取り組めば遠くにいる子どもの命を救える。そのように世界へと視野を広げていける子どもをこれからも育てていきたい。児童が入れ替わるたびに目的が薄れやすい面があるので、今回の寄付が今通う児童の意識の高まりに結び付けば」と今後を期待した。
支援の先になるユニセフのポリオワクチン単価は1人分20円で、同キャップ約2㌔が1人分に相当するとされている。
(2017年10月27日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171027070101.jpg)
災害ボランティアセンターを設置 (新宮市社会福祉協議会 )
新宮市社会福祉協議会(向井一雄会長)は24日、新宮市福祉センター内に「災害ボランティアセンター」を開設した。台風21号で被害を受けた一般家庭の片付けや泥出しなど市内で手伝いが必要な人の要望を受け付けている。時間は午前9時~午後5時。専用電話は090・7356・6446、080・8332・4935で、内容によっては受け付けられない場合もある。
ボランティアも募集している。市内在住の人で1日2日の短期でも可能。午前9時から市福祉センターで受け付けており、直接センターに来るよう呼び掛けている。
市内では市田川沿いの王子地区や下田地区などで家屋の浸水被害が多く見られた。24日午後7時時点、市内全域で約1000世帯の被害が確認されている。センターは一人暮らしの高齢者や障害のある人たちからのニーズを受け、設置を決定。初日は25人の市民ボランティアが駆け付けた。23件の要請があり、畳の上げ下ろしや掃除などの作業にあたった。
ボランティアに登録した緑ヶ丘在住の60代の女性は「うちは床下浸水でした。午前中は友人の所を手伝ってきました。今日は予定があるので午後は活動できませんが、登録だけでもと思いました」。清水元在住の70代女性は「王子地区があれほどつかるのは初めてのこと。氾濫と聞いて避難しましたが、家は大丈夫だったのですぐに駆け付けました」。
阿須賀地区の60代女性は「雨もですが風が怖かったです。前(紀伊半島大水害)の時は来ていただいた側なので、今回はお返しをしたいと思いました」。作業した橋本の70代男性は「ボランティアセンター立ち上げの際にいた人間なので参加しました。熊野地のあたりで畳を出したりするのに並んでいる状態。王子も相当つかっているようでした」と話していた。
紀宝町社会福祉協議会は同日、町福祉センターに災害ボランティアセンターを開設した。29日(日)まで、台風21号で被害を受け、ボランティアが必要な人の要望を受け付けている。
問い合わせは紀宝町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。時間は午前8時30分~午後5時15分。
(2017年10月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026010101.jpg)
台風21号の被害状況 (新宮市 )
新宮市役所防災対策課は24日、同日までに把握した台風21号による市内の被害状況を発表した。住宅の被害調査では同日午後7時時点で、一部破損46棟、床上浸水462棟、床下浸水428棟の計936棟と店舗など192棟が被害に遭った。
市では25日も市内全域を対象に約80人体制で被害状況の調査を実施している。
□ □
市の国指定天然記念物「浮島の森」はすのこの破損や遊歩道脇の倒木などの被害があり、休園中となっている。再開の見込みは未定。
熊野古道「大雲取越」は那智勝浦町の石倉峠~地蔵茶屋跡間が倒木により通り抜けが不可となっている。熊野川町玉置口の瀞の郷は浸水によりトイレが使用不可となった。
新宮城跡では北と西の城跡斜面が崩落。西斜面は土砂が隣接する駐車場に流入したが、撤去済み。崩落が拡大する恐れがあるため、水ノ手郭への立ち入りを禁止している。
高田第1自然プールではトイレが天井まで浸水した。男・女トイレに泥が堆積し、扉が破損。屋根部分が中央で折れた。出入り口をテープで封鎖し、中に入らないよう措置を取っている。
□ □
同市三輪崎では、23日午前1時、佐野川改修工事に伴い仮設橋に取り付けられていた仮給水管が佐野川の増水により落橋。給水管が破損し、付近の15戸が断水した。午前6時ごろから応急給水用ポリタンクを各戸に配布した。7時ごろから仮復旧作業に着手、11時30分ごろに作業が完了し断水が解除された。
□ □
市消防本部では、台風21号関連で消防職員51人、消防団員111人が出動した。救助要請事案が38件、安否確認事案が3件あった。職員は市内の巡視、冠水地域からの救助要請対応にあたった。分団員は河川巡視活動と、樋門操作など、熊野川団員は河川などの巡視活動を実施した。
□ □
南谷墓地では崩土により、墓石が倒壊。離れた位置の墓石にも土が飛散するなどの被害が出ている。場所は作家、中上健次の墓の周辺。
(2017年10月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026110201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026110202.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026110203.jpg)
太地中3年生が町議会を模擬体験
太地町役場議場で24日、町立太地中学校(城谷真司校長)の3年生による模擬議会が開かれた。
地方自治について学ぶ社会科の学習の一環として、平成23年から毎年行われている。実際の一般質問さながらの質疑と答弁が繰り広げられた。
訪れた18人の中から、2人の生徒が議長・副議長を務め、交替で議会を進行。9人の生徒が議員役となって登壇し、事前に学年全員で話し合った内容を1人二つずつ質問した。傍聴席では、他の生徒や町会議員らが答弁に聞き入った。
初めに三軒一高町長から「30年かけて町をクジラの学術研究都市とする」という施政方針が語られ、清潔で自然豊かな町にしようと取り組んできた経過や、議会の意義などについても説明がなされた。
議員役の生徒からは、避難路の整備やカーブミラーの設置など、防災や安全面に対する要望や、「トイレにクジラの飾りをつけてはどうか」といった提案、「道の駅の駐車場はなぜあの不便な形になったのか」、「『森浦湾くじらの海計画』について知りたい」といった質問などが挙がり、答弁を受けて追加で質問を投げ掛ける場面もあった。
進行を務めた感想を、議長役の矢田真那斗君は「席に座ると、偉くなったようで緊張した」、副議長役の田中結華さんは「なかなか見られない景色で、思い出に残る経験」とそれぞれ語った。
休憩中にも町長が生徒らの疑問に答える姿などが見られ、議員役の山本源也くんは「考えた質問に真剣に答えてくれて、町長や職員の方の町に対する思いが伝わってきた」と話した。
三軒町長は「将来を背負っていく子どもたちに、町の方向性を知ってほしい。実際の議会よりも気を遣うほどです。いい質問ばかりで、理解しやすいよう考えながら答えました」と話し、中学生が町政や議会に触れたことを喜んだ。散会後、生徒らは町長室など役場内部を見学し、帰途についた。
(2017年10月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026110101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026110102.jpg)
文化セで県警音楽隊公演 (串本警察署 )
串本町文化センターで24日、県警音楽隊公演「おまわりさんのハートフル・コンサートinくしもと」があり、約400人(主催者発表)が演奏鑑賞を楽しみながら交通安全や防災・防犯への意識を高めた。
串本警察署(津田健治署長)主催、串本町共催。「みんなでつくろう安全・安心のまち みんなで守ろう交通ルール」をアピールする巡回公演で、同町域での実施は昨年10月に続きほぼ1年ぶりとなる。今回は夕方のみの一回公演、当日受け付けで来場を呼び掛けた。
同隊は昭和39年に結成。同59年にカラーガード隊を導入してアピール力を増し、現在は森敏三楽長を筆頭に25人ユニットでイベント時の啓発演奏や公演などの活動を重ねている。
この日のプログラムは同署交通課による寸劇を取り入れた3部構成。同隊は第1部でメドレー2曲と往年のテーマソング、第3部で著名なシリーズ映画やドラマの楽曲や洋楽、カラーガード隊のパネル演技を交えた歌謡曲を吹奏楽基調の音色で披露し、最終は和歌山県輩出の演歌歌手・坂本冬美さんの楽曲メドレーで締めくくった。
第2部では同署の東谷潤交通課長が登壇し、この日配った靴用反射材など薄暮時の安全対策に努めるよう呼び掛けた。続く寸劇は高齢ドライバーが反応速度の低下で事故に遭い、神様と○×クイズ数題の駆け引きをして助かる内容。観客2人も駆け引きに参加し、▽シートベルト無しの致死率は有りの13倍▽シニアカーは歩道通行可▽反射材は100㍍手前から見える―といった出題に挑戦した。
公演時間は約90分。県警音楽隊はアンコールに応えてさらに歌謡曲1曲を披露し、歌「ふるさと」の合唱を観客に求めて共に音楽を楽しんだ。同署は公演日時に合わせて同センターロビーで防災パネル展を開いて平成23年の紀伊半島大水害や東日本大震災、平成28年の熊本地震の各被災地における県警の災害支援活動を紹介したほか、プログラムと一緒に特殊詐欺被害の防止や免許証自主返納の推奨、異常気象への備えなどの各種啓発物資を配って防災防犯意識を促した。
(2017年10月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026070101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171026070102.jpg)
川端さん、弓場さんが優勝
新宮剣友会が奉納試合
日高中津の杉浦君(宇久井中出身)
平安時代の熊野詣でを再現する「あげいん熊野詣」(同実行委員会主催)が22日、那智勝浦町立市野々小学校の体育館で催された。台風21号の影響で予定を大幅に変更し、約100人が館内で行列をつくって歩いた。
「あげいん熊野詣」は1985年から始まったイベント。34回と最も多く熊野を訪れたという平安時代末期の後白河法皇の「熊野御幸」をモデルにしている。華やかな衣装を着た女性を中心に、平重盛、平維盛など熊野詣でゆかりの武士に扮(ふん)した男性も加わって大門坂を歩くのが本来のイベント。
今年は台風の影響で熊野那智大社と那智山青岸渡寺の参拝を中止するなど大きく短縮した。参加者は記念撮影した後、行列の雰囲気を体験してもらおうと体育館内を2周歩いた。神武天皇陵がある奈良県橿原市の職員4人もゲスト参加。後白河法皇役は県商工労働部の山西毅治部長が務めた。
長雄正紘実行委員長は「台風さえなければ。いろんなことが重なったが、キャンセルは少なかった。また来年来てくれるきっかけになれば」と次回への期待を込めた。
(2017年10月25日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025010201.jpg)
きのくに線のアート巡る (紀の国トレイナート )
JRきのくに線の駅舎を舞台に展開するアートプロジェクト「紀の国トレイナート」(同実行委員会主催)が開かれている。29日(日)は「アート鑑賞列車DAY」で、ラッピングデザイン列車が御坊駅を出発。新宮駅までを巡り、戻りは紀伊田辺駅まで運行する予定となっている。
トレイナートは「トレイン(列車)」と「アート(芸術)」を組み合わせた造語で、きのくに線の駅舎にさまざまなジャンルのアーティストが作品を展開して楽しむイベント。地域の人々とアーティストが共に生み出した作品を鉄道がつなぎ、交流を深め、全世界から人々を引きつけて多種多様なネットワークがつながる場となることを目指している。
15日は「JAZZ列車DAY」のテーマで紀の国トレイナート号が紀伊田辺駅を出発。御坊駅~新宮駅、新宮駅~紀伊田辺駅を運行した。JR新宮駅では昨年、ジャズトランペッターの唐口一之さんとコラボレーションした新宮高校吹奏楽部メンバーが乗客らを演奏で出迎えた。
大阪府のデザイナー、河合進さんによる作品「水平線から手を振って」を使ったしゃぼん玉ワークショップもあった。子どもたちが魚型の作品を手に取り、尾ひれの部分に液を付けて手を振るとしゃぼん玉が作られた。
和深駅~新宮駅間ではさまざまなアーティストによる作品が展開されている。紀の国トレイナート開催期間は29日(日)まで。
(2017年10月25日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025110201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025110202.jpg)
11月1日から町営バス (那智勝浦町 )
交通不便地域を解消しようと那智勝浦町は、町営バス下里線の運行を11月1日(水)から開始する。新路線の停留所となる同町役場下里出張所で20日、運行開始記念式典があった。太田地区の大江清一代表区長をはじめ路線内の各地区区長、運行委託事業者の株式会社クリスタルタクシー代表取締役・田中英司さんらが出席した。
バスは浦神東から下里天満で折り返し、下里出張所で太田線と接合する。小匠方面、勝浦方面へは乗り換えが必要。浦神東~瀬田、粉白~下里西は「フリー乗降区間」となっており、国道や駐停車禁止区域などでなければ停留所以外でも合図を送ることで乗り降りができる。
式典では寺本眞一町長のあいさつに続き、浦神西の並川廣区長が「地区の高齢者が喜んでいる。利用の多い高齢者目線での運行を」と求め、大江区長は中里地区の利用例などを示し「乗客が少ない日もあるかと思うが、無くてはならないもの」と述べた。
(2017年10月25日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025110101.jpg)
橋杭岩が日本夜景遺産に (串本町 )
串本町は20日に栃木県足利市で開かれたイベント「夜景サミット2017in足利」に出席し、橋杭岩ライトアップの日本夜景遺産認定証を受けた。これにより正式認定となり、同町は「町を代表する観光資源にさらなる箔(はく)が付いた」と喜び、称号活用に意気込んでいる。
この遺産は、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが年次的に自治体などから推薦を受け付けて選考認定している。本年度で13回目を数え、「橋杭岩ライトアップ」は同町の推薦により7月31日付で本年度の新規認定地候補として発表された。
同町は認定証の受領が正式認定の条件とし、役場産業課の担当職員1人を同イベントに派遣。イベント会場でじかに授与を受けて称号を持ち帰った。区分は「ライトアップ夜景遺産」で、認定期日は上記発表日。同ビューローによる当面のアピール効果が期待できるが、中長期的には地元が称号活用を図るべきとし、同課はこの機に観光関係者との協議を深めてアイデアを練り上げたという。認定書は原本を役場本庁で保管し、写しを同駅に掲げて啓もうに資するとしている。
□ □
本年度の橋杭岩ライトアップは11月3日(金・祝)から5日(日)まで3日間実施。点灯時間は午後5時15分~8時となっている。小雨決行、荒天中止。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界文化遺産登録(平成16年)を祝って初実施され、平成17年以降は同町が単独事業として継承。当初は単色だった光源が近年は多色化されるなど演出は年々充実していて、虹色に映ろう幻想的な光景で鑑賞を集めている。
同遺産認定は本年度の同ライトアップの冠になっているが、具体的な祝賀企画は今月23日現在未定。問い合わせは役場産業課(電話0735・62・0557)まで。
(2017年10月25日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025070301.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171025070302.jpg)
那智勝浦町総体ソフトバレー
田岡実千年さん3選果たす (新宮市長選 )
任期満了に伴う新宮市長選の投開票が22日にあり、無所属で現職の田岡実千年さん(56)=自民・公明推薦=が前市議会議員との一騎打ちを制し、新宮市では約46年ぶりの3選を果たした。田岡さんは、勝利を祝うため選挙事務所に集まった大勢の支持者たちを前に「市民の声を裏切ることなく、渾身の力で新宮市政を頑張っていきます」と固く誓った。
超大型の台風21号の影響で、熊野川町内の国道168号で冠水や土砂崩れが発生。同町からの投票箱が開票作業場の市立総合体育館に届かず、午後8時20分から予定していた開票作業は約3時間遅れの午後11時30分から始まった。
投票日当日は台風の影響を受けることが予想されたことから田岡さんの陣営は、JR新宮駅前に設置していた選挙事務所をアーケード内にある仲之町サンタウンホールに移し、勝利の一報を待った。当確の情報が翌23日午前1時30分に事務所に入ると集まっていた支持者たちから「よかった」との喜ぶ声と拍手がわき起こった。
市役所に設置された災害対策本部から選挙事務所に車で駆け付けた田岡さんは、集まった支持者たちと抱き合い、がっちりと握手。勝利の万歳は市内で被害があったため自粛し、しらばく仲間たちと当選の喜びを分かち合った後、すぐに災害対策本部へ戻った。
田岡さんは集まった大勢の支持者を前に「深夜にもかかわらず、このように多くの支援者の方々にお集まりいただき、ありがとうございます。今回の7日間の選挙戦は雨ばかりで運動員の皆さんに苦労をおかけしました。そんな中、皆さん一人一人が自分のこと以上に『田岡を頼む』『田岡をよろしく』と真剣に訴えていただいたおかげで、この勝利があると思います。本当にありがとうございます」
「皆さんからいただいた『田岡頑張れ』という本当の真心をどうやって返していくかと考えましたが、新宮市をしっかりと魅力的なまち、誰もが『新宮市に住んで良かった』と新宮市を自慢できるようなまちづくりをしていくことが皆さんに対する恩返しだと思います。4年間一生懸命頑張りたいと思います。『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』が私のまちづくりの青写真ですが、これを本物にしていくため、しっかりと渾身の力で仕事をしてまいります。引き続き、皆さまには田岡にご支援をいただくこと、あらためてお願いしたいと思います。田岡実千年、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします」と深く頭を下げた。
後援会の前田徳男会長(73)は「皆さんの支えがあってはじめて田岡が、3期目というものに風穴をあけました。この期待に応えるよう田岡もしっかり頑張るつもりでございますので、今後ともよろしくお願いします」
後援会の泉巌幹事長(58)は「この勝利は市長を応援してくれた人たちの新宮人としての誇りとプライドの結果だと思います。投票日までの残り2日間は一段と雨が厳しい中、一段と多くの人に集まっていただき、約50年ぶりの3選を果たすことができました。本当にありがとうございました。自分たちの後援会の『当選させれば市役所に預けるだけ』という基本に基づいて、後は田岡市長に、市職員の皆さんと一緒に、みんなが喜ぶ新宮市をつくってもらいたい」
娘の里野さん(27)と美季さん(24)は「お父さん、おめでとう」と花束を贈呈。妻・さゆりさん(55)は「3選の壁は怖かったです。ハラハラドキドキでした。本当に心から応援してくれた方々のおかげです」と涙を流した。
今月16日から21日までの6日間実施された期日前投票の投票者数は1万490人(男4393人、女6097人)だった。前回の市長選(2013年10月)より3727人多かった。
投票日当日は台風が接近するとの情報があり、期日前投票は大幅に増えたものの投票日の投票者は6404人と伸びず、投票率は過去最低の68・62%だった。
(2017年10月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024010102.jpg)
台風21号、熊野川で土砂崩れ (開票作業3時間遅れる )
台風21号は22日午後11時ごろ、紀伊半島に最接近し、熊野地方では暴風が吹き荒れ、激しい雨が降った。21日の降り始めからの雨量が新宮市で900㍉を超えるなど記録的な大雨となった。
選挙にも影響が出た。新宮市では熊野川地域の道路冠水のため、市長選、衆院選などの投票箱が届かず、開票が約3時間10分と大幅に遅れた。熊野川地域で山間部からの増水により道路が冠水。8カ所の投票所の投票箱が開票予定の午後8時20分までに市内の市立総合体育館まで届かなかった。午後9時ごろ同市熊野川町田長地区の国道168号で土砂崩れが発生したため、三重県内の国道311号を経由して、投票箱を運んだ。同11時30分に開票作業が始まり、終了は23日午前2時50分になった。
□ □
■新宮市
新宮市の高田地区では23日午前6時時点の累積雨量が960㍉、三輪崎地区で919㍉を観測した。22日午後7時49分に市田川の氾濫が憂慮されたため、旧市内に避難指示が出された。市防災対策課で現在被害状況を調査中。市田川沿線の王子、熊野地地区で多数の浸水が確認され、他の地区など市内の広い範囲で被害が出ている。三佐木蜂伏地区では断水があった。23日午前11時現在、人的被害は体調不良による救急搬送が1件。
熊野川町日足、熊城、志古、宮井、相須地区では22日午後11時2分に熊野川の水位が上昇し、氾濫の恐れが出たため、避難指示が出された。熊野川町田長、行政局周辺で崩土、相賀で路面決壊が確認されている。
市が設けた29カ所の避難所には午後11時時点で440人が避難し、不安な夜を過ごした。
市総務課の防災担当職員は「被害数が多く、時間がかかると思う。今回は降り始めから短時間でかなりの雨量が続いた。あけぼのの市田川の排水ポンプをフル稼働し、氾濫には至らなかったが、ギリギリまで水が上がってきた。50年に1度の大雨と言われたように、これまでに無かったような雨。今後も訓練を充実しながら対応できるよう研さんを積みたい」と話していた。
□ □
■那智勝浦町
那智勝浦町では22日午後6時に那智山、市野々、井関、川関、天満中村の那智川流域5地区と天満地区薬師谷、太田地区全域に避難勧告を発令。対象は2027世帯4037人に上った。
午後8時35分には下里、八尺鏡野、高芝の673世帯、1424人、太田地区の564世帯、1059人に避難指示が出された。
午後8時ごろに朝日の町道が陥没した。原因は不明で現在復旧作業に取りかかっている。23日午前1時ごろに川関で土砂崩れが確認された。いざかた通り一帯やゆかし潟前、甫子(ほこ)浦など町内の多くで冠水の被害が出た。
□ □
■太地町
太地町では落石により片側通行の箇所がある。水ノ浦地区、新屋敷地区で冠水。町内で床上浸水1軒、床下浸水1軒の被害が出ている。町役場では調査を続けている。
□ □
■串本町、古座川町
古座川町では高瀬地区で住宅浸水が4軒、月の瀬地区で1軒となっており、その他の地域は現在調査中。串本町では有田上で床上浸水が確認された。22日午後11時10分に潮岬で最大瞬間風速33・7㍍を記録した。
□ □
■通行規制
国道168号線、新宮市磐盾~同市熊野川町宮井大橋間は22日午後8時30分から冠水、崩土のため全面通行止めとなっている。迂回(うかい)路はない。
北山村大沼地内の国道169号では23日午前1時10分から路側決壊により通行止め。迂回路はなし。
那智勝浦町川関地内の県道那智山勝浦線では23日午前1時30分から、崩土、落石により通行止めとなっていた。同日午前7時40分から片側通行を開始している。
□ □
■きのくに線で運転取りやめ
JRきのくに線では23日、始発列車から夕方まで運転を取りやめている。新宮駅~串本駅間は線路設備不具合のため、終日運転を見合わせる。被害状況により運転取りやめが継続する場合がある。
(2017年10月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110102.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110103.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110104.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110105.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110106.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110107.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110108.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110109.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024110110.jpg)
出雲地区と合同で防災訓練 (出雲小 )
串本町立出雲小学校(山路和彦校長、児童20人)と出雲地区(濵口智道代表区長)の合同防災訓練「防災ウオークラリー」が20日、出雲集会所を拠点にしてあり、全校児童と区民約20人が、地区内の低地から高台につながる道を確かめた。
津波避難を前提とした訓練に同校はかねて取り組み、大地震後に高台へ避難する意識を高めてきたが、その内容は区民にとっても同じく大切。共育コミュニティー活動の活発化に伴い、半田瑠美子共育コーディネーターを仲介として学校と地区が結びつき、前年度から合同実施するようになった。
前回は起震車による大きな揺れの体験、津波緊急避難路の確認、避難所設営の3項目を体験し、発災から避難所生活までのイメージを考えた。今回は津波から逃げ切る点に重点を置いて「防災ウオークラリー」を計画。児童と区民がチームを組んで、低地と高台を結ぶルートを舞台に競い合う内容で区民に参加を呼び掛けたという。
当日は区民約20人が参加。濵口代表区長に続いてあいさつした山路校長は児童が▽避難場所を知る▽非常食を知る▽区民とのふれあいを広げる―といった目当てを持って臨むことを伝えて協力を求め、森博司地域共育統括コーディネーターのルール説明を経て同ラリーを開始した。
区民のラリー参加は任意。希望者は5チームのいずれかに加わり、「コマ図」を頼りにして設定されたコース(集会所~県営前~旧小学校前~墓所前~渡船前~集会所)を予測して歩いた。途中には五つのチェックポイントがあり、海抜43㍍の旧小学校前のポイントでは「現在の場所に移ったのは何年前?」という課題に挑戦。他にコース沿いの植物5種類の葉の採集など、児童と区民が話題にできる出題をこなしながらゴールを目指した。
5チームが到着後は表彰もあり、上位チームには景品、全員に参加賞が贈られた。ラリー非参加の区民は地区と防災懇談会を実施。表彰後は役場総務課防災防犯グループ提供の災害時用備蓄食(アルファ米)や懇談会参加者らが炊き出したみそ汁を試食。同グループは併せてパーティーションや簡易トイレ、簡易ベッドの設営や映像教材上映といった諸体験も行った。
6年生の浦地葵さんは「今日のコースは今まで歩いたことがなく、先にはいろいろな場所があって自然もいっぱいあるのが分かった。いざという時に逃げ切る自信が増した」とコメント。
濵口区長は「いつもの低地は見て分かるように目の前が海。大きな地震があったらとにかく高い所へ逃げるしかない。そのことだけをとにかく考えてほしい」と期待した。同地区は29日(日)実施の町内一斉津波避難訓練に参加予定。今回の成果発揮を参加した区民に呼び掛けていた。
(2017年10月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171024090101.jpg)
LC杯東牟婁地方少女バレーボール大会
サ市訪問団フェアウェルパーティー (新宮市 )
新宮市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)のシンシア・チェイス市長らをはじめとする12人の訪問団を見送るフェアウェル(お別れ)パーティーが18日夜、新宮市井の沢の新宮商工会議所で開かれた。来賓や市民が出席する中、料理と歓談を楽しむなど最後まで思い出を作った。
訪問団は13日に日本の文化体験、市民や関係者との触れ合いなどを通し、さらなる友好関係を築く目的で来新。熊野速玉大社例大祭の見学や茶道、座禅の体験などをした。
両市の交流は新宮市内の合気道熊野塾で修行していたサ市出身のメリー・ハイニーさんら4人の提唱で始まった。1974年に姉妹都市関係を結んでいる。
パーティーではチェイス市長がサ市についてプレゼンテーションをした。歓談では各家庭から持ち寄った料理や若手飲食店経営者らで結成する「心食会」会員らによる料理が並び、それぞれ好きなものを取って味わった。この日誕生日を迎えた出席者らを祝うサプライズもあり、会場には笑顔があふれた。
亀井寿一郎副市長は「皆さまが訪れたことで、両市の絆がさらに深まることになった。固い絆がこれからも末永く続くことを願っています」とあいさつ。
チェイス市長は「たくさんの新しいつながりができ、喜びもたくさん見た。一緒に過ごすことで互いに学び合えた」と語り、心のつながりができたと話した。
サ市姉妹都市委員会のエイドリアン・ハレル会長は「皆さんが作ってくれた時間は貴重な意味があり、ありがたく感じた」と述べた。滞在中にメンバーと43年間の姉妹都市について話し合った際に「姉妹都市という名前で交流をしていたが、奥にあるのは家族と家族、個人と個人のつながりが重なり、今に至ったと結論が出た」。
「『未来』に対し姉妹都市の関係は明るい」とし、インターンの派遣や留学生の受け入れなど、今後の交流に言及。「今回示してきた厚い友情と姉妹都市の関係で好意を寄せてしていただいたこと、心からお礼を言いたい」と感謝を込めた。
姉妹都市親善協会の岩澤卓会長は滞在中を振り返るなどし、今後ますますの交流に期待を寄せた。
(2017年10月20日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020130101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020130102.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020130103.jpg)
江戸千家宗家の川上閑雪家元
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で15日、新宮生まれの茶人・川上不白(1719―1807)を流祖とする江戸千家宗家蓮華菴の川上閑雪(かんせつ)家元(87)の献茶式があった。
地元や全国から門人が集まり、約100人が参列。厳粛な雰囲気の中、濃茶と薄茶の2椀(わん)をたてて神前に献じた。
不白は紀伊新宮藩水野家に仕える藩士の次男として生まれる。若くして茶人としての力量が認められ、32歳で江戸に出て千家流茶道を広めた。皇族、大名、旗本から町人まで階層に関わらず指導したことで知られる。2007(平成19)年12月、新宮市内で開催された「没後二百年記念 茶人川上不白を偲ぶ茶会」の際、宗家所蔵の不白寿像から「宝珠双龍紋」が見つかった。不白は龍神信仰に傾倒していたといわれていて、背景には故郷熊野の「那智の滝」への崇拝があったと考えられている。これが縁で翌年の08(平成20)年から同大社で献茶を続けている。10回目となる今年は同大社の創建1700年記念の年と重なった。
男成宮司は「大きな節目の年に献茶も10回目。昨日の式年大祭にも参列くださり、当社の神様もご感応いただいていることと思います。これからも毎年お越しください」とあいさつした。
閑雪家元は「早いものでもう10年になりました。新宮生まれの流祖も那智の滝を訪れたと考えています。今年も無事に献茶ができ、ありがたい思いです」と話した。
(2017年10月20日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020120301.jpg)
金融機関で窓口対応訓練 (串本警察署 )
串本警察署(津田健治署長)と紀陽銀行串本支店(和田好宏支店長)は18日、特殊詐欺対応訓練に取り組み、窓口における特殊詐欺被害防止のための手順を実践した。
同署は特殊詐欺被害を未然に防止するため、管内各金融機関などと連携してさまざまな対策をしている。この訓練は被害者にとって水際となる窓口の被害防止対応をいっそう確実にするため、県警特殊詐欺被害防止アドバイザー(警察官OB)がだまされている高齢者役を演じて来店するという内容で計画した。
行員には同日に対応訓練を行うことだけ伝え、いつ誰が高額出金を申し入れてくるかは伏せた状態で実施した。高齢者役は営業時間中に来店し一般客に混ざって高額出金を窓口に申し入れ、行員は理由を尋ねつつ別の窓口へと案内。同時に他の行員が警察へ通報し最寄りの警察官が駆けつけて立ち会う中で上役がチェックシートを交えて特殊詐欺に遭っていないかを確かめた。
高齢者役は「自分はだまされていない」「閉店まで時間がない。急いでいる」と行員の確認を拒むそぶりも見せ、行員は「大切なご預金を守りたい」と思いを伝えて食い下がり確認。高齢者役に思い当たる節があるチェック項目を示して、出金を踏みとどまらせた。
訓練想定は、高齢者役が老人ホーム入所の準備金をレターパックで送るために出金を求めたという内容で、始終を見届けた同署生活安全刑事課は「今回は未然に防げたという点でよく対応できていた。実際は特殊詐欺犯人にだまされ信じ切っているので、行員の話をまともに聞かない人も多数いると思う。そういう時は遠慮なく警察に通報し、警察官が来るまで引き留めてほしい」と講評。
高齢者役を演じた更谷正人アドバイザーは「だまされている高齢者は犯人に言いくるめられてから(出金に)来る。だから事情を聞いても本当のことを言わず、行員に強く当たることも多々ある。今日はそのあたりの状況を演じた。金融機関の皆さんにはいろんな面で苦労もあろうが、自分の顧客を守るという観点で事情を聞き警察に通報してほしい」と役に込めた思いを語った。
(2017年10月20日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020110101.jpg)
避難路ウォークとワークショップ (太地町 )
太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)は18日、「避難道ウォーク&ワークショップ」を催した。団員14人と町民4人が参加し、同団員で「たいジオ」ガイドの久世滋子さん案内のもと妙見山の避難路を散策した。
同ウォークは年1回開いており、今回で2回目になる。ワークショップは県支部の助成金を受けて行われており、今回は安全ピンとビーズを使ってブローチを作った。これらを通して、津波の避難場所と奉仕団の活動を知ってもらう狙い。
今回訪れた避難路は海抜41・3㍍の広場につながっており、平成16年度に県道240号線沿い(飛鳥神社付近)の階段を、同24年度に水ノ浦地区の階段を整備した。
参加者一行は飛鳥神社を出発し、道中の細かな避難路や町の史跡などの説明を受けながら、水ノ浦の避難階段へ向かった。妙見山の避難路では足場を確かめながら登り、安全性を確認した。
飛鳥神社に戻るとワークショップに取り組み、安全ピンの針に赤、白、緑などのビーズを通してオリジナルブローチを作った。
(2017年10月20日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171020010201.jpg)
塩竃神社で秋の例大祭 (那智勝浦町浦神 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で7日、秋の例大祭が営まれた。境内では勇義社(畑下昭一社長)が伝統の獅子舞を奉納し、豊漁や家内安全などを祈願した。
祭りは160年以上の歴史を持ち、東地区から西地区へ獅子屋台を船で運ぶ習わしがある。獅子舞は12の舞があり、中でも「とび天狗(てんぐ)」は浦神の大きな特徴とされている。昭和43年から途絶えていたが、畑下圭喜祭典部長らが中心となって平成8年に復活した。
この日は波の影響から、陸路で獅子屋台を運んだ。神社周辺では地元の女性で結成された「祭り盛り上げ隊」によるバザーが設けられ、参拝者にうどんや焼き鳥などを振る舞った。
父が笛、弟が天狗役だという獅子舞役の小川裕斗君(中3)は「獅子舞は3年目。獅子を回すのに憧れて始めました。最初は鈴が重くて大変でしたが、うまくなったと思います。今も難しいと感じるのは獅子の頭をかんで支えることです。舞は緊張もしますが、楽しさのほうが大きいです」と話した。
(2017年10月8日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171008010201.jpg)
城南中学校で学年懇談会 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(速水盛康校長)は4日~6日、学年ごとに育友会懇談会を開いた。保護者らは担当の教職員から子どもたちの学校生活の説明を受け、情報を交換、共有した。
保護者と教職員が互いに理解を図る目的で、2014年から各学期で実施している。最終日の6日には3学年の懇談会があった。保護者、教職員ら約20人が参加し、職場体験や校内キャンプでの生徒らの様子を収めた映像を視聴した。担当の職員から学年の様子や進路について説明を受け、みんなで生徒らに関して話し合った。
学年部長の巽式子さんは「スライドを見ていると子どもの成長を感じます。今日の映像は子どもたちが作ったということで、だんだん大人になってきたなと思いました。意見交換ができることはありがたいです」と話していた。
(2017年10月8日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171008130101.jpg)
N高校生6人が熊野川体感塾で体験 (紀宝町 )
角川ドワンゴ学園=沖縄県つるま市=運営のN高等学校職場体験開校式が2日、紀宝町役場であった。昨年に続き2度目。男女各3人計6人の生徒が6日まで、主に同町北桧杖の熊野川体感塾で谷上嘉一塾長から熊野川と川舟の歴史を学び、川舟の櫂(かい)制作にも取り組んだ。
同町では地域創生事業の一環として、県内外の学生をインターンシップ生として受け入れている。
N高校は昨年4月に開講した通信制高校。東京代々木や大阪心斎橋など6カ所に通学コースを設けている。
役場での開校式で、生徒たちは「歴史のロマンを伝えたい」「船が好き」「体験の英語での情報発信に興味」など志望動機を語り、男子生徒の屋根にタッチするジャンプ力や女子生徒の歌、逆立ちなど特技を披露して和やかな雰囲気に。西田健町長は「本町もみんなで考え、まちづくりを進めている。体験が新しい考え方のきっかけになり、この町で頑張る気持ちになってもらえれば」と期待した。
谷上塾長は「ハードな作業だが、青春の思い出になれば」と歓迎。生徒たちは町内で民泊し、5日に学習成果をインターネットに英語で投稿。6日には同町役場で修了式を行った。
(2017年10月8日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171008120201.jpg)
まぐろ祭り実行委員会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の冬の一大イベント「第24回まぐろ祭り」(実行委員長・花井啓州観光協会会長)の実行委員会が5日、同町役場で開かれ、来年の開催は1月27日(土)に決まった。同委員会でイベントのプログラムなどを話し合った後、原画選考会でPR用チラシの原案を選んだ。
応募者の年齢層は9歳から82歳と幅広く、全国から集まった172点を花井実行委員長らが審査。優秀賞には福井県の神門絹代(こうど・きぬよ)さんの作品が選ばれた。福島県会津若松市の市立一箕(いっき)中学校からは130点の応募があった。同市の小中学校からは、毎年作品が送られてくるという。
優秀賞のほかに実行委員長賞1点、佳作3点が選ばれた。優秀作を表紙に、裏面にプログラムを入れて1万2000枚を印刷し全国へPRしていく。
(2017年10月8日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171008120101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20171008120102.jpg)