熊野徐福万燈祭運営委員会 (新宮市 )
熊野徐福万燈祭運営委員会(委員長・田岡実千年新宮市長)は27日、市役所別館大会議室で今年1回目の委員会を開いた。第57回熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)の事業報告と収支決算などを承認したほか、令和2年度の開催について審議。新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大を鑑み、全会一致で中止が決定した。
熊野徐福万燈祭は、秦の時代に渡来したと伝わる徐福の遺徳をしのぶために始まった花火大会。毎年8月12日に同市徐福の徐福公園で徐福供養式典が営まれ、翌日に熊野速玉大社下の熊野川河川敷を舞台に花火大会が催され、大輪の花火が夜空を彩る。昨年は約4万人(主催者発表)の観客が会場に訪れた。
田岡市長は中止の意向について、新型コロナ感染症拡大と、それに伴う緊急事態宣言の全国拡大を受け「当市での感染例は報告されていないが、このような状況の変化と収束時期が予測できないこと、また、観客や関係者の方々の健康と安全確保を第一と考え決定した」と報告。徐福供養式典については、予定通り12日に規模を縮小し、関係者のみで実施する旨が伝えられた。
委員からの「仕方がない」「やむを得ない」などの声を受け、田岡市長は「市民の皆さま、ご協賛いただいている皆さま、関係者の皆さまにこのような決定の報告をしなければならないのは苦渋の決断。一日も早く事態が収束し、来年は多くの方々にご来場いただき楽しんでいただけるような花火大会になるように努力していきたい」と思いを語った。
(2020年4月28日付紙面より)
太地町は26日、新型コロナウイルス対策として町内4カ所の屋外で町民1人当たり10枚のマスクを配布した。3密を避けるため、引き換えを待つ町民が座る椅子は間隔を空けて設置、消毒液を各所に準備するなど万全に予防対策を取った。
同町は7日に町コロナウイルス対策本部を立ち上げ、マスクの配布や緊急経済対策として、町民1人当たり5㌔の米を支給することを決定。24日に開かれた記者会見で三軒一高町長は「コロナ対策の基準は町民全員に行き届くこと」と話しており、今後も状況を見ながらさらなる施策を打ち出していくという。
太地漁港ふれあい広場(通称・東の浜)には対象の大東区、小東区、新屋敷区の住民が集まった。住民は引換券を渡し、町職員からマスクを受け取った。
小東区の網野美紀さん(28)は「最近はどこへ行ってもマスクが手に入らない状況だった。家族の分も頂けたので、すごくありがたい」と笑顔。今後、追加で配布されるマスク50枚や米5㌔の支給については「コロナの影響で仕事ができず、収入が減った世帯もあると思う。米やマスクの追加支給は本当に助かる。太地町民で良かったです」と語った。
森尾伸総務課長は「コロナ対策として第1弾がマスク、続いて米の支給となるが今後も町民の意見を取り入れながら施策をどんどん進めていきたい」。懸念する点としては「高齢者の引きこもりを防ぎ、元気で過ごしていただくための福祉事業などがコロナでストップしている。高齢者の方々の健康被害を危惧しているため、一日も早い終息を願っている」と話した。
(2020年4月28日付紙面より)
文科省がインターネットで支援
文部科学省は、学習支援コンテンツポータルサイト「子供の学び応援サイト」(https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/index_00001.htm)を開設し、臨時休業期間における学習に役立つコンテンツを紹介している。
同サイトでは、さまざまな学習支援情報を小・中・高校生別、学習分野ごとに集約しており、学習レベルなどに合った内容を選択できる。
内容は▽子供の読書キャンペーン~きみの一冊をさがそう~▽マスクの作り方▽子供の運動あそび応援サイト▽わくわくサイエンスリンク集―など盛りだくさん。また、奨学金・授業料などの減免に関する情報や、幼児教育、特別支援教育などの参考サイトも紹介されている。学校教師や保護者に対するリンクも充実している。
LINE(ライン)で公式アカウントを友だち登録すると、自分に合った情報が送信されてくる。
同サイトでは子どもたちに対し「学校の休業中は、夏休みや冬休みなどと同じようにいつも通りの生活リズムで過ごしましょう。必要のない外出はやめて、健康に気を付けましょう。家庭学習を行う場合には、このウェブサイトを参考にして、自分に合った学習内容を選びましょう。分からない場合は学校の先生や保護者の方などに相談しましょう」などと呼び掛けている。
(2020年4月28日付紙面より)
分団軽車両使い3日間実施 (串本町消防団 )
串本町消防団(稲田賢団長)が26日、新型コロナウイルス感染予防広報に取り組み始めた。同日と5月2日(土)、4日(月・祝)の3日間、午前9時~正午に巡回広報をする内容。初日は出発式を営み、11ある分団にじかに思いを託して送り出した。
全国的に感染が拡大する状況を受け、管内住民の予防を促すのが狙い。同ウイルスに対して町民の安全、安心を守るためにできることはないかと意識する中で田嶋勝正町長や寺島正彦消防長から提案があり、各分団が機動力に優れた可搬型小型ポンプ積載車(軽車両)を出動させる体制を整えて実働にこぎつけた。
差し迫るゴールデンウイーク(GW)期間を見据え、わずか3日間で今回の体制を構築。出発式は同町サンゴ台にある消防防災センターであり、提案者の田嶋町長は施設閉鎖や事業自粛の状況とGW繁忙の懸念を振り返り「この地域から感染者を出さないこと、そして感染が全国的に収まることを願い、皆さんと共にこの連休の間を頑張っていきたい」、稲田団長は「町民の生命と財産を守るのが与えられた責務。串本町から感染者を一人も出さない意気込みで広報活動をする」と今回の広報にかける思いを寄せ、井道一馬副団長の指揮で出動する同積載車を送り出した。
串本と潮岬の両分団は単独で3日間、有田・田並・和深と大島・須江・樫野と西向・古座・田原はチームを組んで3分団管内を各1日ずつ回る形で成果を目指すという。広報のアナウンス内容は4月が帰省の自粛や他都道府県からの帰省や転勤時の2週間の自宅待機、5月が不要不急の外出自粛や3密回避による感染予防の呼び掛けとなっている。
□ □
串本町消防本部(寺島正彦消防長)も現在、救急車両を用いた同ウイルス感染予防広報を定期的に重ねている。
この取り組みは、職員から複数挙がっている感染予防を目的としたアイデアの一つで、手のつけやすさからさっそく実働している。同町域は17日、24日と5月1日(金)の3日間、古座川町域は今月21日と28日(火)の2日間、同本部に予備車として備えている救急車両を午前9時~午後4時に出動させ、アナウンス巡回をしているという。
寺島消防長は「防災行政無線でも呼び掛けをしているが、消防車両や救急車両による巡回広報は注目度が高く同無線以上に関心を持ってもらいやすいと思う。予備車を保守目的で走らせるときに併せてアナウンスを流すのが今回のアイデアで、予備車を使うので本来の救急業務が圧迫されることもない。新型コロナウイルスの感染予防は今とても大切なこと。この取り組みが一人でも多くの住民の皆さまの意識の高まりにつながることを願っている」と語った。
(2020年4月28日付紙面より)
新宮バドミントンスポーツ少年団代表・奥田清二さん
新宮市、那智勝浦町、太地町、北山村の公立小中学校で9日、一斉に入学式が行われた。新型コロナウイルス感染症予防のため、各校でマスクの着用や時間短縮などの措置が取られる中、新入生らは期待と不安を胸に新生活をスタートさせた。
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)では、59人の新1年生が歓迎を受けた。
国歌斉唱の後、藪中校長が「笑顔いっぱいの皆さんの入学を、先生たちは楽しみに待っていました」とあいさつ。「分からないことがあれば、先生や先輩のお兄さん、お姉さんたちに聞いてください。きっと優しく教えてくれると思います。自分も友達も大切にできる子になって」と呼び掛けた。
臨時休業措置に伴い入学式に参加できなかった在校生らが、前もって撮影した動画を通じて新入生を歓迎。児童会長の居軒希空(のあ)さん(6年)が「新しい友達、新しい教室。たくさんの初めてが皆さんを待っています。皆さんに会えるのを楽しみにしています」と述べ、同校合唱隊が「世界中のこどもたちが」を披露。「入学おめでとう。友達もすぐにできるよ」などと伝えた。
那智勝浦町立下里中学校(久保敏晴校長)では、真新しい制服に身を包んだ新1年生16人が校門をくぐった。
式には保護者、教職員、在校生代表、育友会長が出席し、拍手で新入生を迎えた。入学を許可した久保校長は「中学校生活を送る中で『確かな学力』を身に付けてください。学び方や学ぶ姿勢を大切にし、学ぼうとする心を育てましょう」と式辞を述べた。
前年度生徒会役員で3年生の寺地鷗(かもめ)さんと太田真由さんが在校生を代表して「皆で支え合って明るく楽しい中学校生活をつくっていきましょう」と歓迎した。
新入生代表の大下にこさんが「新しい仲間との出会いや学校行事など楽しみが多くあると期待しています。新入生一同は友達を信頼する心、感謝の心を大切にし、中学生としての責任、誇りを持って何事にも諦めず最後まで一生懸命頑張ることを誓います」と誓い、新たに始まる中学校生活に心を弾ませた。
(2020年4月10日付紙面より)
霊巌寺で法会「花まつり」 (古座川町 )
古座川町高池にある龍谷山霊巌寺(小原征雄住職)が8日、法会「花まつり」を営んだ。新型コロナウイルスを鑑み、今年は規模を縮小。日中の甘茶供養受け入れと法要を勤めるにとどめ、混雑を避けてお参りするよう呼び掛けながら参拝者を迎えた。
この法会は、仏教の開祖・釈迦(しゃか)の生誕日に徳をしのぶ機会として、宗派によらず多くの仏教寺院が営んでいる。小原住職は昨今の情勢を受けて悩んだが、この法会は別格と考え法要と甘茶供養だけは例年通りに勤めることを決断した。
開祖が生まれた時に天が甘露を降らせて喜んだという言い伝えをなぞらえるのが甘茶供養で、同寺は本堂内に花御堂(はなみどう)を据えて中に甘茶を満たした器を置き、その中央に釈迦の誕生仏を安置。時間差で訪れた参拝者は器と一緒に用意された小さなひしゃくで誕生仏に甘茶をかけ、心静かに手を合わせて信心を注いだ。
法要は午前10時に営み、般若心経や花まつり関係の御和讃を供して参列した10人が順次焼香。お砂踏みは縮小の一環で実施を見合わせ、本尊の祭陣を一周して法要を締めくくった。
お寺に足を運ぶ機会を持ってほしいという願いを持って例年、この法会を初日にして期間実施している寺宝開帳とパッチワーク展も縮小の一環で今年は中止。小原住職は「この地区で感染者が出たときにどう対応するかが大切。手洗い、マスク着用は当たり前で、隣近所で出たときの対応も考えておかないといけない。よそでは村八分や子どもの差別もあるようだがこの地区ではそういうことは絶対に許されず、互いに優しく支え合うことが必要になる。自他の命を大切にするのが花まつりの趣旨だと念頭に置き、今後の生活に生かしてほしい」と決断に込めた思いを語りつつ、参拝者を迎えていた。
(2020年4月10日付紙面より)
なぎ看護学校で入学式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)で8日、入学式が開かれ、新入生36人が看護師の夢への一歩を踏み出した。
塩路校長は「看護の道の一歩を踏み出した皆さんを全力で応援します」と激励し▽看護師になるために学ぶという明確な目標を持つ▽相手を理解し共感するコミュニケーション能力を持つ▽自己管理をしっかり行う―の三つを求めた。
在校生代表の前山和賀子さんは「看護という字は手と目で護(まも)ると書く。病気だけを観察するのではなく、患者さんの思いに耳を傾け、寄り添うことが大切であり、その人の人間性が看護へと現れる。人とのつながり、周囲の方々への感謝の気持ちを忘れず、共に支え合い夢を実現させましょう」と呼び掛けた。
新入生を代表し松平祐佳さんが「看護師としてふさわしい優しさと思いやり、常に学び続ける姿勢を大切に何事にも全力で取り組んでいく所存です。三年後、どんな場面でも率先して行動ができ、誠実で信頼される看護師となれるよう日々努力することをここに誓います」と宣誓した。
新型コロナウイルス感染症対策で来賓の祝辞はなかったが、田岡実千年市長、濱口太史県議会議員などから多くの祝電が寄せられた。
(2020年4月10日付紙面より)