王子ヶ浜少年消防クラブ (新宮市 )
新宮市王子ヶ浜少年消防クラブ(大山陽翔委員長、24人)の「夏期研修(デイキャンプ)」が25日、新宮市熊野川町上長井であり、消防職員10人のもと、児童19人が水難救助法などを学んだ。
正しい防火知識を身に付けることなどを目的に市立王子ヶ浜小学校6年生で結成しているクラブで本年度5期生。児童たちは川でペットボトルやお菓子の袋を使った水難救助と棒を使った浅瀬横断などを体験した。消防職員は、溺れている人を発見した際は自分で助けに行かず、誰かに助けを求め、浮く物を投げるよう呼び掛けた。
昼食は消防職員特製カレーライスとフランクフルト。スイカ割りや水遊びもあり、児童たちは夏の一日を満喫した。
夏期研修には3回目の参加という大山委員長は「棒を使って川を歩く訓練は初めてでした。岩からの飛び込みが楽しかったです」。二河紗耶さんは「カレーを食べたりして楽しい一日でした」と話していた。
(2017年7月27日付紙面より)
太田の郷で記念の夏祭り (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷で22日、利用者へ感謝の気持ちを届けようと1周年記念夏祭りが開かれた。旧太田中学校の運動場に同地区のグループ、商店がバザーや露店を出店し、訪れた500人以上の家族連れらでにぎわった。
寺本眞一町長は、同センターの役員の努力をねぎらい、「この祭りが太田の夏の風物詩になるように」とあいさつ。同地区区長で那智勝浦町区長連合会会長の大江清一さんは、同センターの1年を振り返り「当初の予想よりも多くの方に利用してもらっている。たいへんありがたく、感謝の思いから今日の祭りを企画した。思い切り楽しんでください」と呼び掛けた。
太田産の新米「太田の力」260㌔の抽選会では行列もあり、用意された抽選券300枚がすぐになくなった。ステージイベントの「お米争奪戦・子どもじゃんけん大会」で活気づき、「もんぺ&じぇいじぇい」のアコースティックギターライブに続いてフラダンスの「フラハプナ」が踊りを披露。南大居鶴永講の獅子舞、盆踊りもあった。
古座川町や太地町など、同地区以外から訪れたという参加者も多く、三重県四日市在住の畑下晋一郎さん(33)は、「友人から聞いて参加した。思っていたよりも人が多くて驚いた」と話していた。
(2017年7月27日付紙面より)
少女峰前で小学生が挑戦 (古座川町 )
古座川町月野瀬、少女峰前の古座川で21日、町内の小学生35人がウナギ石漁への挑戦を始めた。8月5日(土)に漁をする予定で、児童は漁の成功を願いながら5組に分かれて仕掛け作りに励んだ。
この取り組みは同町教育委員会が主催する社会教育領域での体験活動「Kozagawa Adventure Kids(KAK)」の一環。テーマ「うなぎ石漁」は本年度第2弾となる挑戦項目で、準備と漁の全2回で小学生を対象に計画し、学校経由で参加を呼び掛けた。
21日は活動に先だって、グループリーダーを務める5、6年生を対象にした安全学習会があり、6人が古座川ダッキー川坊主の谷哲也さんから川を安全に楽しむための知識を教わり、何が危険なのかを判断する力を培った。
その後に1~4年生と合流して活動を開始。和田充旦教育長から激励のあいさつを受けた児童は、ライフジャケットを着て五つの班に分かれ、自己紹介をして結束を固めた。役場職員でウナギ石漁をよく知る細井孝哲さんからウナギの生態やウナギ石漁の仕掛けについて教わった後は、「膝丈ぐらいの深さで流れがあるところ」という目安を意識しながら設置場所を決め、じょれんで河床に直径約1㍍、深さ約30㌢の穴を掘って小さな石を隙間なく敷き詰め、その上に大きな石を山積み。山積みの奥に入るほど隙間が狭くなるように積み上げる(山の外側を大きめ、内側を小さめにする)工夫をし、最後に目印を立てて仕掛けを完成させた。
この体験活動は前年度に夏休み企画として始まり、参加者全体で3匹のウナギを捕獲。細井さんがその場で調理しみんなで味わった。本年度はKAKのテーマに位置付けての実施で、和田教育長は「去年以上の数のウナギを捕ろう!」と呼び掛けて小学生の意欲を高め、仕掛け作りを手伝うなどして挑戦を後押しした。
(2017年7月27日付紙面より)
浸水表示板を設置中 (熊野川道の駅 )
紀伊半島大水害の被害を後世に伝えていこうと新宮市防災対策課は同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」敷地内で「紀伊半島大水害浸水到達標高表示板」の設置工事を進めている=写真。来月上旬に完成する予定だ。
紀伊半島大水害の慰霊碑横で設置工事が進められている表示板は、鋼管柱製で高さ8・47㍍、幅2・27㍍。6年前の豪雨で熊野川が増水し到達した高さ8・27㍍の位置に赤い線を入れる。
「平成23年9月4日、台風12号」の文字や9月に完成する予定の「さつき公園」(同町日足)への案内を表示したパネルも設置する。
(2017年7月27日付紙面より)
東牟婁地方中学校総体バスケットボール
新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)には全国各地の研究者などから全集未収録のエッセー、詩、紀行文などの資料が続々と集まっている。辻本館長は「全集が出た当時、もう作品は出尽くしたと思われていましたが、もう1巻作れるくらいの作品が集まってきています」と話している。
『定本佐藤春夫全集』(臨川書店)は、1999年3月から2001年9月までに別巻2巻を含め全38巻発刊された。全集未収録の作品は、全国各地の研究者のほか、新宮市立図書館が春夫ファンなどからの情報をもとに国会図書館から取り寄せている。辻本館長は「これらの資料を将来的に本にして出版できれば」と話している。
1945年発行の『公論12月号』で春夫は「ジャーナリストと文学者との相違」「永井荷風を思う」などの文芸時評を書いている。詩人で童話作家の宮澤賢治(1896~1933年)の作品『グスコーブドリの伝記』については「荒唐無稽な物語でありながら人生の真実が哀切に織り込まれて音楽か何かのように読者に迫るのは驚くべきものがある」などと書いている。辻本館長は「長野県佐久市に疎開中に書いた文章だと思うが、まだあまり知られていなかった宮澤賢治の先駆的な評価と言える」
『山陽新聞』(1932年1月1日)には、アメリカの小説家オー・ヘンリー(1862~1910年)の作品『最後の一葉』の翻訳を掲載。辻本館長は「芥川龍之介の薦めでオー・ヘンリーを読み出したということはエッセーに書いているが、これで具体的に証明された」と話した。
写真家・木村伊兵衛(1901~74年)が撮影したタバコを吸う自身の写真については『写真雑誌アサヒカメラ正月増大号』(1934年1月)で、「目の前にふわりと煙が浮かんでいるあたりが実に面白いと気に入りました」などと書いている。
1946年発行の『公論1・2月合併号』では「自分は敗戦の第一の原因として現代日本文化の低劣を数えるものである。自分は日本の文化を必ずしも低劣とは考えない。けれども現代の日本に関する限り残念ながら甚だ低劣なるを感じた」と嘆いている。
1960年発行の『月刊週末旅行6月号』では「木の国頌」と題して、「僕は少年時代に故郷を出てしまって故郷の山川を探る暇もなく都門の悪い空気と塵(ちり)にまみれている生涯なのである。早くあの清浄秀麗な天地の中に帰って老を養いたいものだ」と書いている。
(2017年7月8日付紙面より)
日本郵便が御創建1700年記念 (那智勝浦町 )
日本郵便株式会社近畿支社(大阪市中央区・矢﨑敏幸支社長)のオリジナルフレーム切手「熊野那智大社・御創建一千七百年」の販売開始に先立ち6日、熊野那智大社(男成洋三宮司)で記念贈呈式があった。日本郵便から8人と、受贈者3人が参列した。
正式参拝の後、矢﨑支社長が切手1シートを男成宮司、寺本眞一那智勝浦町長、花井啓州那智勝浦町観光協会会長にそれぞれ手渡した。「伝統ある1700年目の年に、作成できたことは私どもの誇り。那智勝浦町の観光振興のお役に立てれば」とあいさつ。男成宮司は「多くの方にお求めいただき、信仰とご神徳が広まることを願います」と述べた。
切手は創建1700年を機に作られ、熊野那智大社や那智の滝、扇祭りなど名勝や催しを題材にしたもの。82円切手10枚が1シート(1300円・税込)になっており、那智勝浦町を中心に、簡易郵便局を除く近隣81局の郵便局で限定販売している。販売数は1050シートでうち50シートは「郵便局のネットショップ」でも購入が可能となっている。
(2017年7月8日付紙面より)
JICA研修で樫野視察など (串本町 )
国際協力機構(JICA)の国別研修に参加するトルコ共和国の行政官一行が6日、串本町を訪ね町長表敬や樫野崎の視察に臨んだ。
訪れたのはイスタンブル県のアクギュン・ジョラウ副知事ら12人。同研修「地域開発に係る地方行政官の能力開発プロジェクト」に参加していて、プログラムの一環でトルコ軍艦エルトゥールル号が遭難した地・樫野崎をじかに見届けるため来町した。
先だって表敬を受けた田嶋勝正町長は「127年前の出来事で始まった友好を誇りに思い、毎月慰霊碑に献花して亡くなられたトルコの軍人の皆さまに哀悼の意を表している。これからも守り続けるので安心してほしい」と述べ、来町を歓迎。
一行を代表してジョラウ副知事は「祖先を葬り今も守ってくれている経緯に対し、感謝を示したい。長年の見守りが友好の要になっていると、私たちも思いを共有している。今後もより強い形で継続することを願ってやまない。今日は研修の中でも特に心に残る大事な日、という思いを持って串本へ来た」と述べ、その後は各行政官が来町記念の品を贈るなどして友好を深め合った。
樫野崎では役場総務課の案内で殉難将士慰霊碑を礼拝し、樫野崎灯台やトルコ記念館などを視察。カフラマンマラシュ県エルビスタン郡のトゥンジャイ・アクコユン郡長は「私たちはこの地に眠る祖先を決して忘れない。曾祖父にあたる人々の思いをお互いに受け継ごうとする心が今、そしてこれからの日本とトルコの友好につながっていくと思う。役場で旗を振っての歓迎、また駐車場からここに来るまでごみ一つなく、串本の皆さんのその心遣いに感謝申し上げたい」と語った。
同プロジェクトの研修期間は2日から22日(土)までの21日間。6日は神戸市で日本の防災体制や復興について解説を受けたそうで、来町後は白浜町で宿泊し7日に東京都渋谷区にある在日トルコ共和国大使館を表敬、10日以降は同研修の主舞台・北海道で関係諸事の視察や表敬をこなす。トルコ共和国内務省とJICAは計4回のプロジェクト実施を計画していて、今回は3回目。次回は来年1月に行うという。
(2017年7月8日付紙面より)
熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)の総会が6日、新宮市のステーションホテル新宮であり、一昨年6月から実施している全国熊野神社分布調査(第2次)の途中経過が報告された。残り9県を残してすでに前回を985社上回る4120社となっていて、最終的には5000社近くになりそうだ。
鈴木俊朗幹事が経過を報告した。前回の調査は1993~98年に実施。今回は平成の大合併に伴い、住所が変更している神社があるため、所在地確認を主な目的としている。現在までの結果によると、福島県が最も多く442社、次いで千葉県347社、埼玉県222社、岩手県219社となっている。寺本眞一・那智勝浦町長は「結果を本にまとめてはどうか」と提案。事務局は「成果はまとめていきたいと思っている」と回答した。
この日承認された本年度事業計画には▽八咫烏(やたがらす)と神木・梛(なぎ)のルーツ調査▽中村覚之助の日本サッカー殿堂入りに向けたPR▽熊野那智大社御創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年記念事業への協力▽熊野本宮大社御創建2050年記念事業への協力―などが盛り込まれた。
本宮大社の九鬼家隆宮司が、各社寺が記念の年を迎えるとし、「熊野三山一寺の宮司と住職が集まってパネルディスカッションをしてはどうか」と提案し、幹事会で検討することになった。
協議会は1984年発足。熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺と関係自治体、民間団体などで組織している。
(2017年7月8日付紙面より)