広報誌で利用呼び掛け (那智勝浦町 )
「今回、町営バスの新たな利用者を掘り起こすことを目的に、町営バスの『無料お試し券』(往復分)を配布します」。7日に那智勝浦町が発行した「広報なちかつうら」2月号の表紙に記された文言だ。昨年10月より路線の延伸が行われた町営バスの利用促進を図るべく、今回の広報誌にお試し券が添付された。お試し券は切り取って使用。町営バスの路線全てで利用できる。有効期限は今年6月30日(木)まで。
町営バスは色川、太田、下里、勝浦、宇久井線の計5路線。これまでは勝浦・宇久井線とも民間業者と競合することから、重複する国道42号の走行はできなかった。その後、町民の要望を受け、町は同社らと協議を重ね、協力を得て昨年、延伸に至った。
延伸に伴って買い物や病院への通院などの利便性が向上。勝浦線では通行できなかった那智の郷までの乗り入れが可能となった。宇久井線は地区のみの路線だったが、現在は町立温泉病院を経由して勝浦地区に至る路線となっている。
同町は、過去にも下里線運行時にお試し券配布を実施。今回は、自家用車を使用する住民が多い一方で、公共交通が必要不可欠な移動手段である子どもや高齢者なども少なくない町の情勢を鑑み、町営バスの周知や新規利用者の開拓のために配布を決定した。
また、下里、勝浦、宇久井線は町営バス運営に必要な補助金の交付対象路線であるため、利用者増につなげる狙いもある。
担当職員は「お気軽にお試し券を使って、町営バスのことや利便性を知っていただけたら幸いです。ご利用が増えて実績が伸びることで、新たなサービスの向上にもつながります」と話していた。
(2022年2月10日付紙面より)
古座川河口域で砕波帯調査 (古座川漁協 )
古座川漁業協同組合(大屋敏治組合長)が8日、古座川河口一帯で砕波帯(さいはたい)調査に取り組んだ。今年はそこそこの量のアユの稚魚を確かめることができ、天然遡上(そじょう)が期待できる結果が得られたという。
成魚が河川にいることで淡水魚と捉えられることの多いアユだが、その生活環を見ると秋に河川域でふ化した稚魚は海まで流され波打ち際で成長して春先に河川域へ戻るという回遊をしている(途中にダムがあるとダム湖を越冬・成長先とする)。古座川漁協は七川ダムより下流の古座川流域を管内とし、資源として定着するアユがその状況にあるとして例年この調査をし資源増強を目的とした春先の稚アユ放流の量の目安を探っている。
この日は大屋組合長ら役員8人と事務職員1人が、串本町のくじ野川と西向の波打ち際へ赴いてこの調査を実施。元串本海中公園センター水族館館長の宇井晋介事務局長ら南紀串本観光協会の応援を得て長さ4㍍、幅1㍍の捕獲網を波打ち際に対し垂直となる方向に張り、50㍍ほど引いてかかる稚魚の量と状態を確かめた。
量はそこそこだが、体長約3・5㌢の稚魚が複数確認できたそう。今年の調査結果について大屋組合長は「去年と違い手応えを感じる結果を得た。6月に迎える口開け(=アユ漁の解禁)が楽しみだ」とコメントし、今後始まる天然遡上の規模を期待した。
同漁協管内は一部流域を除いて6月1日(水)から友釣り漁が解禁となり、7月1日(金)からたも網漁(網口50㌢)も解禁となる。いずれも漁期は12月31日(土)までで、漁をするときは同漁協の鑑札が必要(詳細は同漁協公式ホームページの遊漁規則を参照)。稚アユ放流は4月中に実施予定で、平年並の1・5㌧で様子を見る流れになりそうだという。
(2022年2月10日付紙面より)
参画事業者向け説明会 (那智勝浦観光機構 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は8日、那智勝浦町役場で「那智勝浦オンラインまぐろ祭り2022」の参画希望者向け説明会を開いた。参加した町内事業者は新型コロナウイルスの影響で3月13日(日)にオンライン開催が決定した経緯や詳細について、担当職員の説明に耳を傾けた。
例年多くの来場者でにぎわうまぐろ祭りだが、新型コロナの感染拡大防止の観点から昨年は中止となっている。
担当者の南條絢子さんは昨年10月の運営委員会において、全会一致で従来通りの実施は反対になったと説明。その後、3密を回避して現地を周遊する形での開催が決まったとした。しかし、オミクロン株による第6波の影響から今年1月中旬に3密回避型を中止とし、1月末にオンラインでの開催が決定したと経緯を話した。
マグロを有効的に活用し町全体を宣伝して来町につなげることがテーマ。参加費は従来通り無料としている。
南條さんはオンラインよるメリットとして▽コロナ禍でも実施可能な唯一の開催方法▽新規若年層の獲得▽他のイベントや宣伝用のメールアドレス・住所などが入手できる▽地域が連携した協働やオンライン通販の需要に関しての実証も行える―などを挙げた。
オンラインの形式は100人以上が参加できるウェビナー型を採用。「当日のキャンセル率が60%以上」「パソコンの画面から離れてしまう」「リアル開催より、町内での消費額が激減する」などのデメリットに対しては抽選番号付きのはがき送付や時間予告なしでの抽選会実施、特設の事業者紹介サイトの作成で対応するとした。
催しの内容は紀州勝浦産のマグロ紹介、町全体の紹介、特産品が当たる抽選会、マグロ解体ショーと即売会の生中継となっており、約90分間を予定。
収益増や来町を促す企画内容として、抽選に外れた参加者が賞品を購入できる物販の特設ページの作成を挙げたほか、湯めぐりチケットや宿泊券などの現地でのみ使用できる賞品、来町時に受けられる割引やプレゼントがもらえる特典が付いたなちかつパスポートなどを参加者限定で配布するなども紹介した。
事業者からは「見逃し配信はあるのか」「なちかつパスポートの使用方法は」「どういったプロモーションが行われるのか」などの質問が挙がった。
機構の担当職員らは「見逃し配信をすると、当日パソコンを開かない方もいらっしゃる。効果が薄いと思うので実施しない」「パスポートは提示して使用してもらう予定」「会員制交流サイト(SNS)などを使用したデジタルプロモーションを検討している。また、抽選会の当選率が倍になるハッシュタグキャンペーンも検討している」と答えた。
(2022年2月10日付紙面より)
新宮市あけぼのの市シルバー人材センターで7日、テレビ和歌山の「マエオカテツヤのエンジョイ シルバーライフ」の撮影が行われた。会員の東日出男さん(69)、北詰千恵子さん(78)らが、和歌山県出身の漫画家・マエオカテツヤさんからインタビューを受け、仕事内容などについて説明した。インタビュー内容は3月2日(水)と9日(水)の午後6時20分から、テレビ和歌山で放送される。
同番組は、県内各地のシルバー人材センターの雰囲気や特色、仕事内容の紹介を通じて、頑張っている会員らの姿を視聴者に広く伝えることを目的に昨年10月に放送を開始した。マエオカさんが番組ナビゲーターを務めており、県内25のシルバー人材センターの中から、これまで和歌山市や印南町、田辺市、橋本市、御坊市の各シルバー人材センターの様子が紹介された。
シルバー人材センターの就業内容は、草刈りや剪定(せんてい)、遠方に住んでいる遺族のための墓掃除、給食の配送などさまざま。同シルバー人材センターでは、市からの委託で、主に布団を干すことが困難な高齢者のために「寝具乾燥除菌サービス」を展開している。回収する寝具は毎月約60件。年間では700件を超える人気のサービスだ。負担金は200円で、寝具乾燥のほか、高齢者の見回りや安否確認の目的もある。
撮影では同サービスに従事する東さんと北詰さんにスポットを当てて展開。2人はマエオカさんから質問を受け、仕事の内容や思いなどを話した。
放送は2日と9日の2回だが、再放送の翌日以降にテレビ和歌山ホームページ内の同番組ページで動画を視聴することができる。
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■シルバー会員募集中
同センターでは会員を募集している。会員資格は▽市内在住▽原則60歳以上で健康で働く意欲がある▽センターの趣旨に賛同する―を満たす人。
毎月第1・3・4水曜日(祝日の場合はなし)の午前10時から入会説明会を実施している。問い合わせは同センター(電話0735・21・0520)まで。
(2022年2月10日付紙面より)
東大文学部熊野プロジェクト (新宮市「丹鶴ホール」 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」2階熊野エリア「熊野学研究室」にこのほど、「東京大学文学部熊野プロジェクト新宮分室」の看板が設置された。分室には東大助教の太田泉フロランスさんが着任。新型コロナウイルス感染症の状況にもよるが、今年夏以降、年に数回分室に在中し市および熊野地方と同大学との橋渡しを担う。
市と東京大学大学院人文社会系研究科・文学部は昨年3月、相互に連携協力することにより次世代人文学の構築、市・熊野地方における学術の振興と地域活性化に資することを目的に、連携協定を締結。
11月には東京大学本郷キャンパスで連携協定締結記念行事・木製看板(幅20㌢×縦60㌢)の引き渡しがあり、田岡実千年市長が藤井輝夫東京大学総長より看板を受け取った。看板は1月下旬に同所に設置された。
新宮分室の設置は協定に基づくもので、分室には毎年2、3回数カ月程度、太田さんが来室し市と▽東大学生の熊野地方における体験活動▽東大院生・留学生の熊野研修および若手フォーラム▽「東大人文・熊野フォーラム」ならびにセミナー、ワークショップ▽東大教員、外国人訪問研究者による講演、セミナー―などの活動を展開していく。
分室設置に当たり、秋山聰・人文社会系研究科長は記念行事において「熊野地方は人文学にとって豊かな地であり学生諸君がいろんな体験をするのにもふさわしい場所。分室設置により市民の皆さんとより密接な対話ができる機会をつくっていきたい」と話していた。
(2022年2月6日付紙面より)
冬型の気圧配置の影響で
冬型の気圧配置の影響で5日、日本列島は日本海側を中心に大雪が警戒されている。熊野地方でも4日から5日朝にかけて雪が降り、山間部などで雪が積もる所もあった。和歌山地方気象台によると、5日朝の最低気温は新宮市で2・1度、古座川町西川で0・6度、串本町潮岬で3・7度。
大阪管区気象台によると、向こう1週間の近畿地方南部では高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃に雨または雪の日がある見込み。
(2022年2月6日付紙面より)
約2100人が予約済み (紀宝町 )
新型コロナウイルスワクチンの追加(3回目)接種が紀宝町でも本格化している。集団接種会場の町生涯学習センター「まなびの郷」では5日、一般高齢者の接種が始まり、360人が済ませた。6日も360人の予約が入っている。
4日に初めて1日の感染者が1000人を超えるなど、県内でも感染が急拡大する中、町では国の方針に沿って前倒しで接種を計画した。
18歳以上で2回目接種を完了した8440人のうち、昨年7月末までに2回目接種が完了した4674人に接種券を発送。これまでに約2100人の予約があった。今月15日(火)以降、残りの3766人に順次、接種券を送る予定だという。
ファイザー製を使用する13日(日)、3月5日(土)はすでに予約で埋まった。
モデルナ製を予定している2月19日(土)、20日(日)、26日(土)は空きがあることから、町内の保育所、幼稚園、児童養護施設、通所・居宅サービス事業所の従事者や教職員などエッセンシャルワーカーへの接種も進める。
寺本クリニック、とみむろクリニック、相野谷診療所で実施している個別接種は各医療機関で予約を受け付けている。
町では「国から配分されるワクチンの種類を選べないため、接種するワクチンを希望する場合、接種時期が大幅に遅れてしまう可能性があります。追加接種は、ワクチンの種類ではなく、接種時期が来たら速やかに接種を受けることが大切です」としている。
(2022年2月6日付紙面より)
下里小学校の児童らが (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)の全校児童75人は2日、地区ごとの集団下校で通学路や自宅周辺にある津波避難場所を訪れ、避難経路を確認した。
同校育友会の地区安全部(中山喜雄部長)による取り組みで、保護者らも協力。例年は地区ごとの避難場所を巡る防災ウオークラリーを実施しているが、通学中や自宅にいるときに地震が起きても児童がとっさに対応できるよう、今年は集団下校での避難経路確認を企画した。
校庭に集合した児童は10グループに分かれ、教職員と共に下校。下里地区の22カ所の避難場所のうち、通学路沿いにある場所への入り口を確認したり、実際に高台まで登ったりし、担当の保護者らから説明を受けた。スクールバスで通学している浦神地区では中学生も参加し、児童を高台まで案内する様子も見られた。
教職員からは「『坂道の途中にロープが張ってあって、普段は入れないようになっている』など、児童たちは避難場所について詳しく知っており、教えられることも多かった」などの声も聞かれていた。
(2022年2月6日付紙面より)
3高校で読書のススメ講座 (新宮・東牟婁 )
帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。
和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。
「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。
共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。
大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。
新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
サクセムがパンとマスク寄贈 (太地町 )
和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。
2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。
さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。
ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。
昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。
中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。
町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
東仙寺で節分星祭 (新宮市 )
新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。
同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。
参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。
鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
町内7カ所に救援金箱設置 (古座川町 )
古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。
この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。
同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。
当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。
投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月4日付紙面より)