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2021年12月31日
1 しめ縄やのぼり設置
 下里神社で迎春準備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)は29日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備を実施した。神社役員や総代ら8人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。

 26日に奉納旗67本を設置し、28日に境内や駐車場を清掃。この日は新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながら、総代らはのぼりを4カ所に設置。続いて、サラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社や本殿用の一回り小さいしめ縄、門松などを協力して作成した。

 鳥居や境内の樹齢400年と推定されるクスノキなど、11カ所に真新しいしめ縄を張り替え、門松も設置した。

 同神社によると、昨年と同様にコロナ対策として、恒例となったぜんざいやお神酒の振る舞いも取りやめるという。さらに手水(ちょうず)舎には消毒液を置き、参拝の際はマスク着用を呼び掛けている。

 山本宮司は「今年もコロナ終息はかなわなかった。しかし、状況は少し落ち着いてきたため、1月1日は2年ぶりに来賓を招待する。来年こそは従来通りの生活に戻っていただければ」と話した。

 なお、初詣は1月1日(土・祝)午前0時に山本宮司の太鼓とともに開門。歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で執り行う。

(2021年12月31日付紙面より)

迎春準備を進める総代ら=29日、那智勝浦町の下里神社
新年に向けてしめ縄を作る
2021年12月31日
2 「瀞峡」観光船、運航へ
 早ければ3月から開始  (新宮市熊野川町 )

 新宮市の(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)は、今年1月に休止したウオータージェット船に代わり、来春から新たに「瀞峡」をめぐる観光船を運航する。現在、海事事務所の航路許可を申請しており、早ければ来年3月中旬ごろから運航を開始する予定だ。

 和歌山、三重、奈良の3県にまたがる景勝地「瀞峡」は国の天然記念物。大正時代にプロペラ船が瀞峡~新宮町(現新宮市)間を往来し、昭和40年代にはウオータージェット船が登場。多くの観光客を絶勝の地へと運んだ。

 しかし、川に流入する土砂の増加により航路整備が困難になったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による観光客の減少、作業員の高齢化などを理由に休止となっていた。

 「多くの人にあの景勝を見てもらいたい」と下阪代表理事。川舟下り事業のノウハウを生かして運航開始を決めた。

 和歌山県の「『水の国、わかやま。』体験観光事業者スタートアップ補助金」を利用し船頭含む8人が乗れる舟を新たに導入。川舟下りで使用していた11人乗り(船頭含む)の舟も利用する。新宮市熊野川町玉置口を出発し瀞峡までの往復約6㌔のルートを約40分かけて巡るという。

 熊野川行政局によると乗船料金は1人3000円程度となる見込み。同町田長の川舟センターから玉置口までの観光客の運送については検討中だという。また、ホームページも現在制作中。予約受け付け準備などを進めているとのことで、下阪代表理事は「瀞峡は大事な景勝地で新宮市にとっても大きな財産。運航開始に向け頑張って準備をしていきたい」と話している。

(2021年12月31日付紙面より)

新たに導入した8人乗りの舟=新宮市熊野川町
2021年12月31日
3 地域の安全・安心願って
 分団単位で年末警戒開始  (古座川町消防団 )

 古座川町消防団(樫原一好団長)の年末警戒が29日夜から始まった。30日深夜までの2日間、町内を警戒巡視して出火に備え、その姿勢を通して町民の火災予防意識を高めることを目指すという。

 この警戒は、地域の安全・安心を確保する目的で毎年、分団単位で活動する形で取り組んでいる。平年は四つある分団が七つある詰め所に分散待機し適時分団車両で管内を警戒巡視して出火の早期発見早期対処に努めるが、今年は新型コロナウイルスの情勢を考慮して分散待機をせず午後9時と11時に警戒巡視をする規模縮小の形で臨むとしている。

 その活動に対し平年は町長、古座消防署長、串本警察署長が各詰め所を巡って激励を届けているが、今年は分散待機の中止に伴い町役場で出発式を営む手法を計画。団本部と各分団長が出席し、一括して激励を受けた。

 西前啓市町長は今年9月に住宅火災で1人が亡くなったことを振り返り、「そういうことが二度とないよう火災予防の啓発をしっかりとしていきたい」と思いを掲げて同団の尽力を期待。串本警察署の泉政勝署長は、警戒巡視は防災に加え防犯でも効果があるとして行動をたたえつつ「住民が安全、安心に新年を迎えられるようもうひと頑張りしてほしい」と求めた。

 これら激励を受けて樫原団長は団員に向け「住民が安心して新年を迎えられるようよろしくお願いします」と号令を掛け、分団車両を年末警戒へと送り出した。

(2021年12月31日付紙面より)

年末警戒へと出発する分団車両=29日、古座川町役場
2021年12月31日
4 お正月の花を生けよう
 くろしお児で児童7人  (新宮市 )

 新宮市佐野のくろしお児童館で28日、「お花をいけましょう」があった。同館に登録している小学1~6年生の児童7人が参加。花芸安達流の萱野賛曈(かやの・さんとう)さんから教わり、お正月飾りにふさわしい花を生けた。

 この日用意されたのは枝若松、ヒペリカム、ガーベラ、チューリップの四つ。正しいお辞儀の仕方やオアシス(吸水スポンジ)の使い方などを学んだ児童らは、萱野さんの指導の下、バランス良く花を配置。最後に金色の水引で和紙でくるんだ器を飾って完成させた。

 萱野さんは子どもたちに対し「今日は皆さん、お利口にきれいに生けてくれました」とあいさつ。慶事や弔事の水引のマナーなどを伝え、生けた花について「減ってきたらお水をあげて」と呼び掛けた。

 昨年に引き続いて参加した橋爪健心君。水引を結ぶのが難しかったとしながらも「家の目立つ所に飾りたい」と笑顔で話した。

(2021年12月31日付紙面より)

作品を手に「はい、チーズ」=28日、新宮市佐野(一時的にマスクを外して撮影)
バランスを見ながら花を生けた
2021年12月31日
5 「森の役割」ってなあに  木材会館で森林学習教室  (新宮市 )
2021年12月31日
6 めざせ、じょふくこうえん  わかば保育園がお出かけ  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
7 楽しくお花生ける  新木保で「花つぼみ」  (新宮市 )
2021年12月31日
8 「とびだしは、しません」  宇久井保で交通安全教室  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
9 祝日の救急当直医を廃止  高齢化や働き方を考慮  (新宮市医師会 )
2021年12月31日
10 持続可能な観光地域づくりに向けて  セミナーとワークショップで学ぶ  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
11 二代目坂東伊峰さん出演  西日本チャリティー舞踊会  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
12 ひっそりとツルソバの花  宇久井ビジター園地内  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
13 植地さんと吾部墨游倶楽部展  1月1日から喫茶きよもんで  (那智勝浦町 )
2021年12月31日
14 「納得するまで勉強したかった」  中谷利夫さん、放送大学を卒業  (新宮市 )
2021年12月31日
15 強い寒波で度合い増す  冬ならではの海の光景  (串本町 )
2021年12月31日
16 一丸で練習場所を大掃除  串本少女バレーの選手ら  (串本町 )
2021年12月31日
17 女子団体が連覇達成  県中学生柔道新人大会  (矢渕中 )
2021年12月31日
18 教育プログラム学ぶ  教員対象にスキルアップ研修会  (紀宝町 )
2021年12月31日
19 新年に向け門松作り  子どもから大人も挑戦  (紀宝町 )
2021年12月31日
20 筆走らせ干支や抱負  児童が「己書」に挑戦  (きほっこ )
2021年12月31日
21 「地元への感謝伝えたい」  成人式実行委員が思い語る  (紀宝町 )
2021年12月30日
22 官公庁で仕事納め
 6日間の休業に入る  

 官公庁は28日、仕事納めだった。仕事納め式では各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は1月3日(月)まで6日間の休業となっている。

 新宮市では市役所別館で仕事納め式が行われ、榎本鉄也市議会議長や職員約50人が出席。田岡実千年市長は「職員一丸となってさまざまな課題に取り組んでくれたおかげで無事に仕事納め式を挙行することができた」と、ワクチン接種をはじめとした職員の新型コロナウイルス対応や市民の協力に対し感謝。

 市文化複合施設「丹鶴ホール」オープン、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部との連携協定締結などを振り返りつつ「市民一人一人に寄り添い、誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくりのために、来年も皆さんと一緒に頑張っていきたい」とあいさつした。

 稗田明総務部長が、市が講じた新型コロナ対策や長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行、岩手県一関市との友好都市締結、市長選、紀伊半島大水害追悼献花など、今年の出来事や主な事業を振り返り紹介。

 向井雅男副市長が「一人一人の頑張りで無事今日の日を迎えることができた」と職員らをねぎらい「交通安全や新型コロナ感染対策に気を付けていただきたい。英気を養い元気に新年を迎えて」と呼び掛けた。

(2021年12月30日付紙面より)

職員らを前に田岡実千年市長があいさつ=28日、新宮市役所
2021年12月30日
23 市民の平穏な年越し願い
 消防本部と消防団が年末警戒  (新宮市 )

 市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(越水薫消防長)と同市消防団(竹内由定団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。

 火を使用する機会の多い年末の火災予防啓発と警戒を行うことにより地域住民の防火意識の高揚を図ることを目的に、この時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組む。

 同日夜にあった市消防本部における出陣式には、旧市内七つの消防団から43人が出席した。

 整列した団員らを前に、田岡実千年市長は日頃の活動に対し感謝を述べ「火災が発生しやすい時季の警戒は大変意義深いこと」と激励。

 榎本鉄也市議会議長は「市民が健やかに新年を迎えられるよう、警戒にご尽力を」。濱口太史県議は「2年にわたるコロナ禍の中、訓練や活動に苦労があったと思う。体に気を付けて来年もご活躍を」と呼び掛け。

 山田守孝・新宮警察署長は「年末年始に当たり警察でも特別警戒を行っている。地域住民や帰省している人たちが平穏にお正月を過ごせるよう、力を合わせて」と協力を求めた。

 式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中担当地域へ出発。30日までの3日間、午後8時から11時まで市内を巡視し、地域住民の防火意識の高揚を図る。なお、市内では今年に入って12件の火災が発生している(28日現在)。

 那智勝浦町消防団では29、30日の2日間にわたり年末特別警戒を実施する。新型コロナ感染拡大防止のため、町長巡回を中止し、各団3密を避けるため出動人員を減らして取り組む。

(2021年12月30日付紙面より)

田岡実千年市長らに見送られ新宮市消防本部を出発した=28日夜、新宮市消防本部
2021年12月30日
24 道の駅虫喰岩で迎春準備
 池野山出荷組合の関係者  (古座川町 )

 古座川町の池野山出荷組合(淡佐口幸男組合長)の関係者約20人が27日、道の駅虫喰岩の美化に取り組んだ。建物周囲の掃除をし、入り口前に門松一対を設置。新年の営業再開に向けた迎春の準備を整えた。

 同組合は同駅に地場産品を納める生産者で結成。過去に同駅の運営を担った経緯もあり、その当時からの流れで今年も迎春の準備に取り組んだという。

 建物内の準備を現在の運営者・町観光協会に委ね、同組合は建物外の準備を担当した。関係者は役割分担をして未舗装の敷地に生えた雑草を刈り取り、建物についたクモの巣やすすを払って同駅を美化。池野山区内で主に調達した材料を使って高さ約1・5㍍の門松一対を組み、左に白、右に紅のハボタンを添えるなどして縁起良く仕上げた。

 同駅の物産販売は29日から来年1月3日(月)まで年末年始休業し、翌4日(火)から営業を再開する。淡佐口組合長は「この組合も高齢者が増えていつまで続けられるか心配だが、今年もこうして多くの皆さんに参加いただけたのはありがたい話」と話し、来年も出荷した地場産品が親しまれることを願った。

 今では町内でも見かける機会が少なくなった本格的な門松一対は、15日(土)まで飾っておくという。

(2021年12月30日付紙面より)

物産販売棟前に門松を飾り付ける関係者ら=27日、道の駅虫喰岩
2021年12月30日
25 大会での活躍を報告
 レスリング・山口、井筒両選手が表敬訪問  (那智勝浦町 )

 16日から19日にかけて駒沢体育館(東京都)で開催された「天皇杯全日本レスリング選手権大会」男子フリースタイル65㌔級で優勝した那智勝浦町出身の山口海輝選手(22)=日本体育大学=と同92㌔級で3位に入賞した井筒勇人選手(22)=拓殖大学=が28日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長を表敬訪問した。

 65㌔級には11人が参加。2回戦からの出場となった山口選手は、同じ大学の堤泰樹選手に勝ち初戦を突破すると、準決勝で徳力貫太選手(専修大学)に勝利した。決勝戦では自他ともに認めるライバルである安楽龍馬選手(早稲田大学)と対戦。白熱した試合を展開し、ポイント2―0で接戦をものにして見事、大会2連覇を果たした。

 12人が出場した92㌔級で井筒選手は、大原和也選手(育英大学レスリング部)、竹内亮亘選手(ALSOK)に快勝。準決勝で同級を制した高谷惣亮選手(ALSOK)に敗れたものの、3位決定戦で山中良一選手(名古屋工業高)にポイント10―0で勝利し、3位に入賞した。井筒選手は同大会を最後に競技からの引退を決め、卒業後は地元に戻ることを決めた。

 訪問を受け、堀町長は新型コロナウイルスで暗い話題が多い中、喜ばしいことと述べ、山口選手に「競技ができる環境は整っている。今後も活躍を期待しています」とエール。井筒選手には「いろんな支援をしてもらい、勝浦を盛り上げていただきたい。子どもたちの指導などもしてもらいたい」と話した。

 山口選手は「来年は日体大のレスリング授業の助手を務めさせていただく一方、2024年に開催されるパリオリンピックを目指し、頑張っていきたい」。井筒選手は「レスリングを通して多くの方々に人として成長させていただきました。自分の中では完全燃焼したと思っている。これからは大好きな地元に少しでも貢献していければ」と語っていた。

(2021年12月30日付紙面より)

堀順一郎町長(中央)を表敬訪問した井筒勇人選手(左)と山口海輝選手=28日、那智勝浦町役場(一時的にマスクを外して撮影)
2021年12月30日
26 浜口さん(男性)、田路さん(女性)が制す
 県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会  
2021年12月30日
27 最年長13人の勇姿見届ける
 6年生お別れ試合と卒団式  (串本少年野球連盟 )
2021年12月30日
28 アルマボーラが制す
 8人制サッカー「トルベリーノカップ」  
2021年12月30日
29 プランターもお正月色  王子地区で花の寄せ植え  (新宮市 )
2021年12月30日
30 練習の成果を披露  はまゆう・こども園で発表会  (新宮市 )
2021年12月30日
31 クリスマス会で盛り上がる  円満地公園で2年ぶりに開催  (那智勝浦町 )
2021年12月30日
32 利用者がクリスマス楽しむ  グランドール紀の風  (新宮市 )
2021年12月30日
33 最優秀賞と知事賞受賞  下里とも子ガーデン  (那智勝浦町 )
2021年12月30日
34 鏡餅作りがピーク  蓬莱の畑地製菓舗  (新宮市 )
2021年12月30日
35 えと「寅」にちなみ構成  正月期間限定展示始まる  (串本海中公園センター )
2021年12月30日
36 クリスマスイベント楽しむ  南紀パラグライダー交えて  (潮岬子ども会 )
2021年12月30日
37 自慢のたこ、大空に  井田保の園児が楽しむ  
2021年12月30日
38 元気いっぱいボールを蹴り  相野谷保育所でサッカー教室  
2021年12月30日
39 院内に相談窓口、支援室を  12月定例会で一般質問  (紀南病院組合議会 )
2021年12月30日
40 最下位から全国7位に躍進  信号のない横断歩道での停止率調査  (三重県 )
2021年12月30日
41 一年の感謝を込めて  中央児童館で大掃除  (新宮市 )
2021年12月30日
42 お悔やみ情報
  
2021年12月24日
43 女性警察官ペアが快挙
 現場鑑識競技会で1位に  (新宮警察署 )

 新宮警察署(山田守孝署長)生活安全刑事課生活安全捜査係の永谷美波巡査(22)と地域課大橋交番勤務の川口淑翔(しお)巡査(21)の2人が、先月26日に和歌山市の鑑識科学センターなどで開かれた第25回和歌山県警察現場鑑識競技会で1位の快挙を果たした。

 犯罪現場における鑑識技術向上のほか、優秀な鑑識員の発掘を目指し開催されている競技会。今回は車上狙いがテーマに定められ、乗用車の助手席ガラスが割られ、車内の現金が入った財布が盗まれたという想定で競技が行われた。

 県内14署28人が参加。2人一組となり制限時間内で車に付着した指紋を採取したり、被害者役の立会人から状況を聞いたりしながら犯人に結び付く資料を作成。鑑識技術を競い合った。

 適切な鑑識捜査ができているか、立会人にちゃんと説明ができているか、資料が的確に採取できているかなどが総合的に審査され順位が決定。なお、14署中女性ペアは新宮署のみであったという。

 結果を受け、永谷巡査は「現場で実践を通して学んできた。やり切ったという気持ちはあった。『1位だったらいいな』ぐらいに思っていたけど、結果を聞いてとてもうれしい」。

 川口巡査は「競技会は現場とはまた違う緊張感があった。結果がどうであれベストを尽くした。全力を尽くして1位だったことがうれしい」と笑顔。

 今後の鑑識活動に対する自信向上につながったと口をそろえ「自分の経験として残った。現場でも犯人につながるような資料を作ることを心掛けたい」(永谷巡査)、「積極的に専門的な鑑識も実施していけたら」(川口巡査)と目を輝かせていた。

(2021年12月24日付紙面より)

見事、1位に輝いた永谷美波巡査(右)・川口淑翔巡査ペア=22日、新宮警察署
鑑識活動を進める2人(新宮警察署提供)
2021年12月24日
44 「梛」がつないだ熊野と善通寺
 修学旅行で児童が平和学ぶ  (熊野速玉大社 )

 熊野速玉大社のご神木で平和の象徴として知られる梛(なぎ)の木。梛、そして熊野とゆかりのある香川県善通寺市の市立筆岡小学校(佐藤宏一校長)の6年生28人が21日、修学旅行で新宮市の熊野速玉大社を訪れ、上野顯宮司から梛に込めた世界平和への思いを聞いた。

 筆岡小学校区内には、紀伊熊野を意味する木熊野(きくまの)神社があり、熊野速玉大社から梛が移植されたことから「梛の宮」と呼ばれている。児童たちは「ふるさと学習」として、熊野速玉大社との関係性を調べ、その集大成として訪れた。

 熊野速玉大社では祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。佐藤校長が玉串を奉奠(ほうてん)した。

 上野宮司は、2012年6月に沖縄県で開催した「沖縄県本土復帰四十周年記念式典」に梛が深く関わっていたことを紹介。50年前、善通寺市の植木職人、山地義一さんが梛の木の苗500本を種から育て、本土復帰の記念として沖縄県内の各学校へ植樹する計画を立てた。

 その後の足跡をたどるため、1991年ごろから沖縄に足を運び、2010年にようやく農林高校の校庭で発見したという上野宮司。痛々しい木が戦火にまみれた沖縄と重なり、校庭での式典挙行を決意し、平和への願いを梛の木に託した。

 開催前年には紀伊半島大水害が発生し、「災害は人の力であらがうことができず、受け入れるしかない。戦争や犯罪、いじめなど人の手でつくられた悲しみは人の手でなくさないといけない」と説いた。

 「迷ったときは自然を見渡して大きく深呼吸し、人は自然の一部と気付いてほしい」と伝え、本土復帰50周年の前年に訪問してくれたことに感謝。「山地さんや多くの人が思いをつなげた素晴らしさを感じ『できた人』になってほしい」と呼び掛けた。

(2021年12月24日付紙面より)

梛と平和への思いを伝える上野顯宮司=21日、新宮市の熊野速玉大社
修学旅行で学習に取り組む児童
2021年12月24日
45 ウミガメや紀州犬など紹介
 紀南高生らのPR映像を投影  (ウミガメ公園 )

 紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で22日、紀南高校、松阪商業高校、皇學館大学の生徒・学生が作成したプロジェクションマッピングの上映が始まった。同公園物産館に投影するイベントで来年1月3日(月)まで、午後5時から6時30分まで開催する。小雨決行。

 昨年に続く取り組み。初日は物産館で点灯式があり、紀南高校の高橋幸暉君(3年)が「東紀州についてもっと知ってもらいたく、授業で精いっぱい作りました。ご家族や知り合いにぜひ、ウミガメ公園のプロジェクションマッピングを紹介してください」とあいさつした。

 活動に協力した同公園の石本慶紀さん、紀勢国道事務所熊野維持出張所の阪井宣行所長、同校の森典英校長もそれぞれ、開催への感謝を伝えた。

 式終了後、建物正面に映像を投影した。約20分のうち、紀南高校のプロジェクションマッピングは約7分。11月上旬から1カ月かけて作成し、ウミガメや紀州犬などを紹介した。

 生徒たちは「みんなで協力し合って一つの作品ができた」「来てくれた皆さんに分かりやすいよう心掛けた」などと話し「ぜひ、ウミガメ公園に来てください」と呼び掛けている。

(2021年12月24日付紙面より)

紀南高校の生徒が手掛けたプロジェクションマッピング=22日、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
2021年12月24日
46 「いい匂いでポカポカ」
 ピーアップシングウでゆず湯  (新宮市 )

 冬至となる22日、新宮市蜂伏の温泉利用型健康増進施設ピーアップシングウ(岡野俊平施設長)にゆず湯が登場した。爽やかな香りがプール内に広がり、利用者やスイミングスクールを終えた子どもたちが季節のお風呂を満喫した。

 ユズの精油成分には血行を促進させる働きがあり、風呂に入れると体を芯から温める。疲れや痛み、冷え性の他、皮に含まれるクエン酸やビタミンCには美肌効果もある。

 冬至とゆず湯の関係性は不明だが、ユズがこの時季に旬を迎えることや「冬至」に「湯治(とうじ)」が掛けられており、「ユズ」だけに「融通が利くように」という願いが込められているという説がある。

 ピーアップシングウでは毎月、季節の草花などを楽しむ温泉を用意している。

 宇井彩人君(9)は「いい匂いがして、いつもとは違う感覚で新鮮だった。ポカポカして気持ち良かったです」と笑顔を見せていた。

(2021年12月24日付紙面より)

ゆず湯を満喫する子どもたち=22日、新宮市蜂伏の温泉利用型健康増進施設ピーアップシングウ
2021年12月24日
47 楽しく開放的な気持ちに 三佐木蜂伏地区福祉委員グラウンドゴルフ交流会 (新宮市)
2021年12月24日
48 プレーで親睦深める
 グラウンドゴルフ交流大会  (太地町教育委員会 )
2021年12月24日
49 松實海斗君が全国3位
 全国中学選抜レスリング選手権  (新宮ジュニアレスリングクラブ )
2021年12月24日
50 トラッキング情報に注意 中学校でネットモラル教室 (那智勝浦町)
2021年12月24日
51 音楽に触れ興味を持って  熊野川小で音楽講演会  (新宮市 )
2021年12月24日
52 健康保ち食事で親睦深める  熟年クラブが研修会・懇親会  (那智勝浦町 )
2021年12月24日
53 山﨑仁君が全国で優秀賞  「ごはん・お米とわたし」作文  (那智勝浦町 )
2021年12月24日
54 共に市政発展を  向井副市長選任、速水教育長を任命  (新宮市 )
2021年12月24日
55 帝京大、3年ぶり10回目の優勝  新宮出身、岩出監督率いる  (関東ラグビー対抗戦 )
2021年12月24日
56 太地城見学し歴史学ぶ  令和3年度生涯学習講座  (太地町 )
2021年12月24日
57 ヨガで心と体整える  全力青春プロジェクト  (近大新宮 )
2021年12月24日
58 大川昌生さんに感謝状  25年間選挙執行に尽力  (新宮市 )
2021年12月24日
59 校内でウオークラリー楽しむ  縦割り班でゲームに挑戦  (井田小 )
2021年12月24日
60 18日間の冬休みに入る  小中で一斉に2学期の終業式  (熊野市・南牟婁郡 )
2021年12月24日
61 県分配の生活支援を届ける  二色や高富の高齢者世帯へ  (串本福祉会 )
2021年12月24日
62 第4回定例会一般質問④  串本町議会  
2021年12月24日
63 沿線各所で歓送迎にぎわう  特急「銀河」が最終運行  (串本町 )
2021年12月21日
64 皆「ほほえみの種」を持っている
 横田南嶺老師講話に800人  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で18日夜、同施設開館記念講演があった。同市出身の臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺(なんれい)老師が「ほほえみの種をまこう」を題目に講話。約800人が聴講した。

 横田老師は1964年同市船町生まれ。旧丹鶴小学校、緑丘中学校、新宮高校卒業。87年に筑波大学卒業後、建仁寺僧堂、円覚寺僧堂で修行。円覚寺足立大進老師に嗣法した。2010年、臨済宗円覚寺派管長、17年に花園大学総長に就任。13年には旧市民会館で、紀伊半島大水害(11年)追悼講演会「生きねばならぬ」を行っている。

 講話に先立ち、10年前の大水害の犠牲者に追悼の意を込めて手を合わせた横田老師。熊本県出身の詩人・坂村真民(しんみん)の詩の一節「念ずれば花開く」を紹介し「真民は、女手一つで5人の子どもを育てた母が、口癖のようにつぶやいていた言葉を世に広めるために詩を作った。海の深さを測ることはできるが愛の深さを測ることはできない」と話した。

 「かつての日本人は、身内を大切にするように他人にも慈悲の心を示していたのでは」と述べ、1890年に日本を訪れた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が「日本の面影」で「日本人のように、幸せに生きていくための秘訣(ひけつ)を十分に心得ている人々は他の国にはいない」と記していると紹介。

 串本沖で起こったエルトゥールル号遭難事故(1890年)の際、不眠不休でオスマン・トルコ帝国の生存者救助などに当たった日本人と、イラン・イラク戦争の際にイランに残された日本人救援のためにトルコ政府が救援機を派遣し、日本に対して恩返しを果たしたエピソード(1985年)にも触れた。

 横田老師は「お釈迦(しゃか)様が説いたように、本来私たちはお互いのことを思いやる気持ちを備えている。しかしつらいことが続くと愚痴を言ったりしてしまう」。

 「そんな中においても人の幸せを願い、人のために努力をしている人が観音様。観音様の心を持った人は身近にいる。それに気付く眼(まなこ)を持つことが大事」と説いた。

 人のためにできることは数多くあるが、最も簡単でいつでも誰でもできることは「ほほ笑み」であるとし「ほほ笑むと免疫も上がる。磨くほど効果が大きい。ほほ笑むことは人間が最後の時までできることの一つでは」。

 佐藤春夫が作詞した旧丹鶴小学校校歌の一節「心あかるく すこやかに ま心の人 たらんかな」を引用し「身近な人に対してできるだけの愛情を注ぎ、どんなときもほほ笑む努力をしたら『あのまちに行ってみたい』と思う人が増えると確信している。未来を開いていくのは私たち一人一人のほほ笑みでは」と講演を締めくくった。

(2021年12月21日付紙面より)

臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺老師が講演=18日夜、新宮市下本町の「丹鶴ホール」
約800人が来場した
2021年12月21日
65 児童が生の議会を見学
 下里小と市野々小が傍聴  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)と市野々小学校(中西健校長)は15日、那智勝浦町役場議場を訪れ、一般質問を傍聴した。両校の児童は議員の質問や町当局の答弁を見学し、生の議会に触れた。

 この日は午前に下里小の6年生児童14人が、午後に市野々小の5、6年生児童12人が社会科学習の一環で訪れた。堀順一郎町長と荒尾典男議長が児童にあいさつし、「議場の様子をしっかりと見学していってください」と歓迎した。

 両校の児童はそれぞれの地元選出となる城本和男議員と中岩和子議員の一般質問を傍聴した。両議員は冒頭で議員や当局の役割、議会の意味などを説明した。

 児童は真剣な表情で議論に耳を傾け、メモを取っていた。

(2021年12月21日付紙面より)

議会を傍聴する下里小学校児童=15日、那智勝浦町役場議場
市野々小学校の児童
一般質問の様子
2021年12月21日
66 「またね」「ありがとう」
 「銀河」見送りに400人  (JR西日本 )

 長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の22日(水)の運行終了に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅構内で19日、最終運行直前お見送りイベントが催された。子ども連れの家族やカメラを手にした鉄道愛好家ら約400人が、同駅を出発する列車に手旗を振り「またね」「ありがとう」などと声を掛けた。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。当地域では7月16日に紀南コースの運行を開始し、約半年にわたり京都―新宮間を往復。多くの観光客を当地方に運んだ。

 この日のお見送りイベントでは、参加する子どもたちにはお菓子の詰め合わせをプレゼント。市ツイッターキャラクターめはりさんと一緒に、京都駅に向けて出発する列車を見送った。

 同列車のラストランは22日正午新宮発。なお、同列車受入協議会(会長=田岡実千年新宮市長)は先月22日、JR西日本に対し同列車の再運行を求める要望書を提出している。

(2021年12月21日付紙面より)

手旗を手に京都に向かう列車を見送った=19日、JR新宮駅
2021年12月21日
67 利用者負担を求めて運行
 買い物支援バス活動継続  (七川ふるさとづくり協議会 )

 古座川町の七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)が18日、平井地区の住民7人の希望を受けて買い物支援バスを運行した。

 この運行は、2018~20年度に展開した過疎対策事業の中で試行を重ねてきた取り組みの発展形。同協議会は山間部にある七川地区で切実な課題となっている買い物の不便緩和策として、同事業が終了し自立運営が求められる中でも続ける方向で方策を模索している。

 七川地区区長会が運用する送迎車両「福祉号」を活用し、一定人数(最大9人)の希望者を集めて荷物運搬車両分も含めて運行収支のバランスを取り継続する、というのが現在の考え方だそう。利用は有償で、その枠で今月中に4回の実施が決まり順次運行する状況となっている。

 この日は平井地区の住民7人が平井簡易郵便局前で買い物支援バスと合流。▽コメリハード&グリーン南紀店▽オークワ串本店▽AコープVASEO店―を巡り、7人によるとこの機会に花苗や農薬、衣類や化粧品など地区内では得難いものを選り好みして買い出したという。

 下山会長によると、地区内では移動販売2事業者が巡回しているが人口減で経営維持が年々厳しさを増しているそう。農協店舗も近々閉所となる予定で、この先移動販売が限界に達したときに移動手段を持たない住民の生活が成り立たなくなる状況を恐れてこのバスの継続に力を入れている。

 同協議会の思いに呼応して、同区長会が同バス運行時に運転手の日当を出すことを最近になって決断したという。下山会長はその分で利用者1人当たりの有償負担の緩和(燃料代を分割負担)を見据え、次はさらに希望しやすい運行計画を組みたいと意気込みを語った。

 本年度は今月中のみの運行で、今後は25日(土)と26日(日)に運行する予定という。

(2021年12月21日付紙面より)

買い出した品を運搬車両に預ける利用者=18日、串本町串本
買い物支援バスとして運行する七川地区区長会車両「福祉号」
2021年12月21日
68 防災マップで情報共有  地域住民と通学路歩く  (相野谷小中 )
2021年12月21日
69 笑い満喫の休日に  吉本新喜劇に師走の慌ただしさ忘れ  (熊野市 )
2021年12月21日
70 新たに中世の溝などを発見  鵜殿西遺跡で現地説明会  (紀宝町 )
2021年12月21日
71 英語で大門坂をガイド  星林高校生が修学旅行  (那智勝浦町 )
2021年12月21日
72 医療体制や防災などただす  太地町議会一般質問㊤  
2021年12月21日
73 官民一体となって美化活動  熊野川町で清掃作業  (新宮市 )
2021年12月21日
74 世界に1本の「新宮ギター」  新宮出身のギタリスト・尾崎力さんが制作  
2021年12月21日
75 2人のピエロがドタバタ劇  宇久井小学校で巡回公演  (那智勝浦町 )
2021年12月21日
76 冬の夜を明るく照らす  体文のイルミネーション  (那智勝浦町 )
2021年12月21日
77 年内~来年に10万円給付  子育て世代臨時特別給付  (串本町と古座川町 )
2021年12月21日
78 生徒ら26人が楽曲を奏でる  おとなのピアノ教室発表会  (古座川町公民館 )
2021年12月21日
79 お悔やみ情報
  
2021年12月10日
80 おいしいリンゴ召し上がれ
 一関市から学校給食に提供  (新宮市 )

 今年7月21日に新宮市と友好都市提携を結んだ岩手県一関市から、新宮市内小・中学校の給食にリンゴ約400個が届いた。8日には市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)をはじめとする4校の給食で提供され、児童・生徒計1069人が甘くシャキシャキした「サンふじ」を味わった。

 一関市は岩手県最南端、仙台市と盛岡市の中間に位置するまちで、面積1256・42平方㌔㍍、人口は11万2639人(3月31日現在)。室根山(むろねさん)中腹に鎮座する室根神社は、718(養老2)年に熊野速玉大社と熊野本宮大社の熊野神の分霊を迎え、1300年の歴史を持つ。両市の交流は1996年に熊野三山協議会が室根神社を訪問して以来、約25年にわたって続いている。

 今回の提携記念事業は一関市からの提案によるもので、新宮市からは一関市内44校の小中学校へ県産ミカン約9600個を提供。食材交換はこれまでの新宮市の姉妹・友好都市交流の中でも初の試みとなる。

 王子ヶ浜小学校では、校内放送で一関市の紹介があり、「一関市には新宮市と関わりのある場所がたくさんある。ぜひ調べてみましょう」と呼び掛けがあった。

 この日提供された「サンふじ」は甘味、酸味、歯応えの三つがそろったリンゴの品種。吉見明真君(6年)は「今まで食べたリンゴの中で一番甘くてシャキシャキしている」と笑顔で語った。

 市教育委員会の澤原謙二教育部次長は「両市の子どもたちの相互交流など、新たな交流方法を模索しながら、発展させていければ」と話していた。

(2021年12月10日付紙面より)

一関市から届いた「サンふじ」=8日、新宮市立王子ヶ浜小学校
給食のデザートとして提供
2021年12月10日
81 「海を越えた芸術家」
 石垣記念館創立30周年講演  (太地町 )

 太地町公民館で11月27日、同町立石垣記念館創立30周年記念講演会が開かれ、ニューヨークの日本人社会や日本人芸術家の研究を行う佐藤麻衣さんが「海を越えた芸術家―ニューヨークの石垣栄太郎―」と題して講演した。

 講演では、石垣栄太郎のニューヨークでの創作活動を▽1910年代の文芸作品(第一次世界大戦とアメリカ)▽20年代の美術作品(狂騒のアメリカ社会)▽30年代の美術活動(世界恐慌と社会問題)―の3期に分けて解説。「ボーナスマーチ」や「鞭(むち)打つ」、「リンチ」などの代表的な作品を題材に、当時の新聞・雑誌での論評など多様な資料を交えて変遷を追った。

 アメリカで出会った芸術家との関わりによる石垣の思想の変容にも触れ、「石垣の作品には、世界恐慌や第2次世界大戦という混沌(こんとん)とした世情の中で、アメリカ社会の変容や民衆の様相をつぶさに描き、記録するジャーナリスト的視点があったのでは」と結んだ。

 町歴史資料室の櫻井敬人・学芸員は「石垣栄太郎の旧制新宮中学校時代のスケッチなども見つかっており、当時の社会運動家との関わりなどが明らかになれば、今後も新しいことが分かってくるのでは」と語る。

 佐藤さんの著書「ニューヨークの日本人画家たち―戦前期における芸術活動の足跡―」は、石垣記念館などで販売している。

(2021年12月10日付紙面より)

佐藤麻衣さんが講演=11月27日、太地町公民館
2021年12月10日
82 4校それぞれに成果披露 第25回中学校音楽会開く (串本町教育研究会)

 串本町文化センターで8日に第25回中学校音楽会があり、町立の4中学校がそれぞれに音楽発表に臨み互いに鑑賞するなどして交流した。

 この音楽会は町教育研究会が主催、同研究会音楽部会が主管する全町規模の交流行事。前年度は新型コロナウイルス対応の一環で中止したが、本年度は町内近隣で感染者が出ておらず予防対策を講じる条件で実施することとし、各校とも対策相応に発表する音楽内容を決め、練習に打ち込んできた。

 生徒教職員数だけで同センターホールの座席(600席)の半分を埋める規模となるため、今回はソーシャルディスタンス確保のため家族など招待をせず。同研究会を代表して潮岬中の水上茂秀校長が実施のいきさつを伝えて予防意識を促しつつ、人の心を動かす力が音楽にはあることを振り返り「それぞれの学校でどんな練習を重ねてきたのかを想像し、真剣な頑張りに敬意を払いしっかりと聴いてほしい」と呼び掛けて元気な成果発表を期待した。

 発表内容は▽潮岬中吹奏楽部〈演奏〉▽西向中〈器楽演奏〉▽串本西中〈合唱〉▽潮岬中〈ボディーパーカッション〉▽串本中1年生〈合唱〉▽同2年生〈同〉▽同3年生〈同〉。合唱コンクールを体育祭と対の文化行事としている串本中と串本西中は全員マスク着用で合唱に臨み、潮岬中と西向中は演奏を選ぶなど四半世紀の節目となった今回は表現の幅が広がる音楽会となった。

 最後に同研究会音楽部会を代表して潮岬中の坂本健斗教諭は「2年ぶりの実施だが、楽しい、良かったと互いに言える音楽会になった」と講評。他人と合わせる場面は音楽に限らず人生の中でいろいろと出てくるものだとし、今回の音楽にかけた努力を忘れることなく、勉強にクラブ活動、好きなことにも注ぐことを今後に願って締めくくった。

(2021年12月10日付紙面より)

全校生徒一丸でボディーパーカッションを披露する潮岬中=8日、串本町文化センター
歴代生徒の伝統となっている合唱を披露する串本中3年生
2021年12月10日
83 心を込めて一生懸命読んで 下里中で読み聞かせ学習 (那智勝浦町)

 那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で、1年生30人による読み聞かせ学習がスタートしている。8日には地域の読み聞かせボランティアグループ「ブックスマイル」(草下千秋代表)、「りぼん」(尾鷲愛子代表)のメンバー6人が来校し、読み聞かせのこつを伝授した。

 2016年度から始まった取り組みで、生徒たちが母校である町立下里小学校、太田小学校を訪れ、児童に絵本の読み聞かせを行う。

 8日の学習では、絵本、大型絵本、紙芝居の特徴やページの送り方、立ち位置などの基礎的な技術を学習。草下代表は生徒たちに向け「人に何かをしてもらうというのは、とてもぜいたくなこと。それを皆さんが、小学生にしてあげる。一番大切なのは、心を込めて、一生懸命読むこと」と語り掛け、絵本「であえてほんとうによかった」「にげてさがして」の読み聞かせを実演した。

 りぼんメンバーによる大型絵本「よかったねネッドくん」では、生徒も「そいつはよかった」「なんてこった」などの掛け声に参加し、小学生に戻った気持ちで絵本の世界に引き込まれていた。母校への訪問は、来年1月を予定している。

(2021年12月10日付紙面より)

ブックスマイルの草下千秋代表が実演=8日、那智勝浦町立下里中学校
絵本の世界に引き込まれる生徒たち
2021年12月10日
84 数々のレースで活躍
 山本大喜選手、初代個人総合王者に  (キナンサイクリングチーム )
2021年12月10日
85 産婦人科問題、議員が追及  新宮市議会一般質問②  
2021年12月10日
86 手話言語条例を可決  12月定例会が開会  (那智勝浦町議会 )
2021年12月10日
87 特選に野中誠一さん  写連紀南支部11月優秀作品  
2021年12月10日
88 来年は良い年の予感?  喫茶きよもんの幸福の木  (那智勝浦町 )
2021年12月10日
89 楽しくボールライト作り  橋本児童館で冬の工作  (新宮市 )
2021年12月10日
90 ピラティスでリフレッシュ  Cafe丹福でJA女性会  (新宮市 )
2021年12月10日
91 横山さんが最優秀賞受賞  国際平和ポスター・コンテスト  (新宮LC )
2021年12月10日
92 師走に備え確認  熊野市消防団第2方面隊56人が訓練  (東紀州広域防災拠点 )
2021年12月10日
93 地震時の危険箇所を確認  5、6年生が防災教育学習  (井田小 )
2021年12月10日
94 昔の遊び通して交流深める  下地ふれあい広場のメンバーが訪問  (成川小 )
2021年12月10日
95 住宅用火災警報器の設置を  紀宝町では購入費補助も  
2021年12月10日
96 橋杭園地にネットを設置  飛散抑えるため関係者ら  (串本町 )
2021年12月10日
97 総代ら交え本尊開眼供養  寄進による修理完了祝う  (錦江山無量寺 )
2021年12月10日
98 お悔やみ情報
  
2021年12月03日
99 新しめ縄で迎春準備 大しめ縄と大絵馬掛け替え (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で2日、神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替え、大しめ縄の奉告祭があった。新しいしめ縄を前に九鬼宮司は「シャープで力強く、すっきりとしたしめ縄。気が引き締まる思い」と話した。

 大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(88)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。1983年に政子さんの夫の故・剛吉さんが先代宮司から「熊野の伝統と歴史を守ってほしい」としめ縄づくりの依頼を受けて以降、38年にわたり奉納を続けている。

 今年は約10人がかりで10月末から11月末にかけて制作。稲わら約2000束を使用し、長さ約4・5㍍、重さ約250㌔に及ぶしめ縄を完成させた。今年は天候の影響で稲わらが少なく、わらを選定する作業に苦労したという。

 政子さんは、掛け替えられた大しめ縄を前に「病気も戦争もいや。新型コロナウイルスが収まって、平和が続くように祈りながら制作しました」と述べ「苦労はあったが立派にできたと思う」と笑顔を見せた。

 えと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬(横232㌢、縦117㌢)は九鬼宮司が制作したもの。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図。全体を包み込む形で虹を描き、「人々が未来に向かって進み、皆にとって光差す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。

 九鬼宮司は「現在、新型コロナが収まりつつあるが、いまだ厳しい状況。新しい大しめ縄をくぐって、多くの人が光り輝く年であってほしい」と思いを語った。

(2021年12月3日付紙面より)

神門の大しめ縄と大絵馬が掛け替えられた=2日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
掛け替え作業を見守る九鬼家隆宮司(左)と榎本政子さん
2021年12月03日
100 道路開通や起工式開催など
 高速道建設協が要望  (那智勝浦町 )

 高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)はこのほど、近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間(串本太地道路)の早期整備やその工事に伴う年内の起工式開催について、国土交通省や地元選出の国会議員などの元を訪問し要望活動に取り組んだ。

 11月の要望では小阪会長や大江清一副会長、漆畑繁生副会長らと共に、堀順一郎那智勝浦町長も同行。

 国交省道路局の村山一弥局長や長谷川朋弘国道・技術課長、加藤鮎子国土交通大臣政務官、泉田裕彦国土交通大臣政務官らと面会。さらに自由民主党の二階俊博衆院議員や鶴保庸介参院議員、林幹雄衆院議員、鈴木英敬衆院議員などの元を訪ねた。

 要望書には全国的に、近年の大型台風や局地的豪雨、地震などによる自然災害の多発、発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波で紀南地方は甚大な浸水被害が想定されるとし、唯一の幹線道路である国道42号の分断で、多くの「孤立地域」が発生すると記した。「防災」「減災」「国土強靱(きょうじん)化」の加速化、深化を図るため、令和3年から7年の5カ年間の事業費15兆円確保は平成31年度事業化された紀伊半島一周高速道路の完成を加速するとし、感謝を示した。

 さらに「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」にのっとり、「串本太地道路」の一日も早い多数箇所着工に向けた配慮を求める内容となっている。

 小阪会長は「2025年の大阪万博までに完成し、国内外からのお客さまを安心安全に那智勝浦へお越しいただけるよう、ご配慮賜りますよう、強く要望いたします。25年には道路の景色が変わる。人々の幸せにつながる道路。道路が変われば街も変わる。私たちはこのことを望んでいます」と話した。

(2021年12月3日付紙面より)

高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会と堀順一郎町長らが要望活動を行った(同協議会提供)
2021年12月03日
101 物資配って運動趣旨託す
 わかやま冬交安街頭啓発  (串本町 )

 串本町くじ野川にある橋杭園地駐車場で1日、わかやま冬の交通安全運動(12月1~10日)にかかる街頭啓発があり国道42号を走行するドライバーに安全運転が呼び掛けられた。

 この啓発は、県・交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会(会長=久保浩也・東牟婁振興局串本建設部部長)が主催。事務局の東牟婁振興局串本建設部と▽串本警察署▽町▽町交通指導員協議会▽串本地区交通安全母の会▽県交通安全協会串本支部―の各関係者計16人が啓発員として参加し、同署署員が国道42号を田辺市方面に向け走行する車両を同駐車場へ誘導して停車を求め啓発員が手分けしてドライバーに啓発物資を配る形で今期運動の趣旨を託した。

 同協議会が掲げる今期運動の重点事項は▽飲酒運転の根絶▽高齢運転者等の安全運転意識の向上▽歩行者の安全確保と自転車の安全利用の推進―の3点で、啓発物資の一品として組み込んだ周知チラシでは佐川急便株式会社とヤマト運輸株式会社の各車両がキャラクター「きいちゃん」をモデルにした交通安全啓発ステッカーを貼って安全運転を促していることや、各重点事項に関係するトピックスなどを紹介している。

 同署によると管内ではこの日のほか、6日(月)にオークワ串本店前と同古座川店前、7日(火)に同すさみ店前でも街頭啓発がある予定という。

(2021年12月3日付紙面より)

啓発物資を配って安全運転を呼び掛ける啓発員=1日、串本町くじ野川
2021年12月03日
102 ようこそ、冬を彩る光の世界へ
 「光の祭典in紀宝」始まる  (紀宝町 )

 紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館で始まった。点灯期間は来年1月5日(水)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(金)と1月1日(土・祝)はオールナイト点灯する。

 今年も新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、密にならないよう飾り付けに工夫した。初日はカウントダウンで一斉に点灯し、かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。

 町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。西村会長は「魅力ある明るい町づくりを願ってイルミネーションを点灯した。今年は昨年同様、医療関係者への感謝の気持ちを込めた」と話し、来場時のマスク着用を呼び掛けている。

 イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は昨年に続き中止となった。

(2021年12月3日付紙面より)

数々のイルミネーションで彩った会場=1日、紀宝町大里のふるさと資料館
2021年12月03日
103 貴重なキイイトラッキョウ咲く  古座川町  
2021年12月03日
104 納税システムの普及などに感謝  生駒さんと橋本さんに署長納税表彰  (新宮税務署 )
2021年12月03日
105 SNSで感謝と勝浦を発信  グローバル共和国の冬フェス  (那智勝浦町 )
2021年12月03日
106 季節感味わい楽しく制作  東花園でクリスマスアレンジメント  (那智勝浦町 )
2021年12月03日
107 食卓に笑顔広がる  きっちん・クローバー再開  (新宮市 )
2021年12月03日
108 追悼の誠ささげ平和願う  正宗寺で太田地区戦没者慰霊祭  (那智勝浦町 )
2021年12月03日
109 夜の楼門幻想的に  徐福公園がライトアップ  (新宮市 )
2021年12月03日
110 子育て有志が体制確保要望  医療センター分娩予約休止受け  (那智勝浦町 )
2021年12月03日
111 ファムトリップで糸口探る  外国人を対象にし実証実験  (古座川町 )
2021年12月03日
112 家族をもてなし成果披露  子ども茶道教室が発表会  (古座川町 )
2021年12月03日
113 クリスマス制作楽しむ  「やってみよう広場」で  (紀宝町社協 )
2021年12月03日
114 浮島の森などを訪れ  鵜殿小学校が秋の遠足  (紀宝町 )
2021年12月03日
115 御浜・阿田和が県大会優勝  有馬・木本が準優勝  (県軟式野球大会 )
2021年12月03日
116 宮戸さんが上位入賞  日本オランダ全国品評大会で  (新宮市 )
2021年12月03日
117 お悔やみ情報