大賞目指し投票呼び掛け (わたぼうし音楽祭 )
佐野駅から電車に乗って太地で降りる
雨の日はバス 晴れの日は歩いてハイツに帰る
道の駅を通る トンネルをくぐる
ガソリンスタンドを曲がる
ガソリンスタンドのおっちゃん
いつも手をあげてくれる
毎日僕はこんなにしています
仕事に行っています
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新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆう(野々江美管理者)の利用者で太地町在住の野澤大輔さん(36)の作品「僕の一日」がこのほど、「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」(奈良たんぽぽの会主催)の「作詩・作曲の部」で入選を果たした。音楽祭の様子は8月1日(日)に動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信され、視聴者らの投票により各賞が決定される。
障害のある人が書いた詩にメロディーを付けて歌う同音楽祭は、1976年に奈良県で誕生した。生きることの喜びや悲しみ、命の尊さ、人間の素晴らしさなど、障害のある人たちが書く詩を通して、社会の理解と共感を深める目的で全国各地で開催されており、今年で46回目を数える。
45周年を迎えた昨年、新型コロナウイルス感染症の影響で音楽祭はインターネットで開催。いまだ終息のめどが立たない情勢を鑑み、今年も昨年に引き続きネット上での開催となった。
熊野地方で活躍するフォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当する野澤さんの元に、同音楽祭の入選通知が届いたのは5月下旬。「作詩の部」361点、「作詩・作曲の部」319点の応募数の中、初めての応募で見事、8組のファイナリストの1人に選ばれた。
歌詞では「今日はパンどんなけ焼くんかな?」「(バスに)いつものおばちゃん乗ってないな どうしたんかな? 病気かな? さびしくなった」「佐野で降りる 『おはよう』って声掛けてくれる うれしいな 今日も一日頑張ろう」「おやすみグナイ!! いい夢見てね」など、野澤さんの日常と、日々の中で感じたことなどを方言を盛り込みつつ紹介。伸びやかな声で歌い上げている。
一報を聞き「うれしかった」と笑顔を見せる野澤さん。「つい」応募してみたら入選した、とはにかみながらも「一生懸命作りました。投票お願いします」。
「第46回わたぼうし音楽祭」は8月1日午後2時からユーチューブ「わたぼうしチャンネル」で配信される。野澤さんは3時ごろ出演予定とのこと。野々管理者は「多くの人に応援していただければ」と視聴を呼び掛けている。
(2021年7月30日付紙面より)
外来診療を休止、院長がコメント (那智勝浦町立温泉病院 )
那智勝浦町天満の町立温泉病院(山本康久院長)は29日、同病院に勤務する委託業者職員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。現在、同病院では外来診療と救急患者の受け入れを休止している。
同病院によると、陽性が確認されたのは20代と30代の女性職員。20代女性は26日から咽頭痛があり、28日に同病院の発熱外来を受診。PCR検査の結果、陽性と判定された。
30代女性は無症状だったが、上記職員との接触歴があったため28日に同病院を受診し、PCR検査を受け陽性が分かった。20代女性は患者と直接接する業務には当たっていないが、30代女性は26日午後に整形外科外来の診察室で従事したという。
同病院では、当該職員と濃厚接触したと思われる職員については当面の間自宅待機を命じている。また、28日午後から救急を含む外来診療、新規入院の受け付けを中止し、当該職員の執務場所などの消毒作業を実施。院内に従事する全職員のPCR検査を実施し、全員の陰性を確認した上で療養環境が整い次第、外来診察・入院受け付けを再開していくとのこと。
同病院は、26、27日に外来受診などで病院を訪問した人で、発熱や風邪の症状がある人は同病院へ連絡するよう呼び掛けている。
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■山本院長コメント
当院に勤務する職員2名が新型コロナウイルスに感染したことが判明しました。このことを受け、7月28日午後より救急を含む外来診療・新規入院の受け付けをすべて中止しています。
当該職員は現在入院中で、当該職員と濃厚接触したと思われる職員は当面の間自宅待機を命じました。また当該職員が業務を行った場所などの消毒作業を実施したほか、院内に従事するすべての職員のPCR検査を実施しています。
全員の陰性を確認し、療養できる環境が整いましたら、外来診療・入院受け付けを再開します。この間、患者さまをはじめ多くの方々にご迷惑をおかけしますが、院内感染を防止するための措置ですので、何とぞご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
また、7月26、27日に当院へ来られた方で、発熱や風邪の症状などがある方は、当院へご連絡ください。
入院・外来に来られる皆さまに、これまで通り安心して診療を受けていただけるよう、院内感染防止を一層徹底してまいります。
(2021年7月30日付紙面より)
第3次地域福祉(活動)計画に向け (紀宝町 )
紀宝町と町社会福祉協議会は、今後5年間の福祉向上につながる「第3次地域福祉(活動)計画」策定に向けて、26日、町福祉センターで第1回合同委員会を開いた。今後のスケジュールを確認し、研修会やグループワークで委員同士が福祉への理解を深めた。
地域福祉(活動)計画は「みんながふだんのくらしをしあわせに感じるまちへ」を基本理念とし、2010年度に初めて策定。5年ごとに見直しを進め、第2次計画は16~20年度に実施した。
新型コロナウイルス感染症により、今後、新しい生活様式へ移行するとともに、地域福祉活動も「ウィズコロナ」に対応した新たな取り組みが求められている。
第3次計画はこれらを踏まえ、来年度からの5年間に地域福祉の課題解決に取り組み、誰もが安心して暮らし続けることができる地域づくりを進めるもの。12月までに素案をまとめ、来年1月の第3回合同会議で最終確認する。
委員は住民代表や町内外の各組織の代表ら27人で構成し、策定委員会と作業部会でそれぞれ(活動)計画を進める。策定委員会は皇學館大学現代社会学部の大井智香子准教授を委員長、町民生委員児童委員協議会の濵口啓会長を副委員長、作業部会は町ボランティア・市民活動センターの久原章作さんを委員長、町民生委員児童委員協議会の樫山恵美さんを副委員長に選出した。
第1回合同委員会で町福祉課の池田英治課長が「地域福祉にご理解とご協力を」とあいさつ。町社協の木下起査央会長は、12月までの完成を目指して協力を呼び掛けた。
グループワークでは「コロナ禍で施設に入所する家族に会えない」「新型コロナウイルスに対応した防災訓練や避難所運営も大切」「デジタル化が進むが、福祉は人と人との対話が大事」「いま一度、原点に戻って家族や福祉について見直す時期ではないか」などの意見があった。
(2021年7月30日付紙面より)
警備員配置し工事が開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は27日、役場庁舎玄関前に9台分の駐車場設置のための整備工事を開始した。それに伴い庁舎玄関入り口の一部を閉鎖し、庁舎前の町道は午前9時から午後5時までの間、通行止めとなる。
同工事は庁舎にある花壇と玄関の旧スロープを撤去し、駐車場となだらかなスロープを新設するもので、工期は9月22日(水)まで。予算は948万9000円で今年の3月議会で可決された。
同町によると、これまでの旧スロープは古く、急な傾斜だったことから現在の基準に合わせたものを設置するという。また、駐車場は紀陽銀行の現金自動預払機(ATM)側に屋根が完備された障害者用駐車場を1台分、通常タイプの駐車場を8台分設置するとした。
工事期間中は警備員を配置し、周辺の安全確認を行う。車椅子での来庁者に対しては警備員が町に連絡を入れ、仮スロープを用いて町職員がサポートなどに当たるという。
同町では「工事期間中は町民の皆さまにご迷惑をお掛けいたしますがご了承ください」と話している。
(2021年7月30日付紙面より)
文科大臣に文化審議会が答申 (新宮市 )
国の文化審議会(佐藤信会長)は16日、文化財分科会を開き、審議・議決を経て、文部科学大臣に新宮市三輪崎の大前屋旅館を国登録有形文化財(建造物)にするよう答申した。官報告示を経て正式に登録される。登録後、県内の登録文化財(建造物)は109カ所301件に、市内では三輪崎青年会館、旧チャップマン邸に続き3件目となる。
文化財登録制度は1996(平成8)年に誕生。50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、緩やかな規制を通じて保存が図られ活用が促されている。全国では1万3000件余りの建造物が登録されている。
大前屋旅館は、三輪崎漁港近くに所在する近代和風の旅館建築。1903(明治36)年に建てられ、2019(令和元)年ごろまでは旅館を営み、その後は住宅として使用されてきた。
古くは目抜き通りであった目前の通り沿いには、19年9月に登録有形文化財に登録された三輪崎青年会館が所在している。
建物は木造2階建て、入母屋造(いりもやづくり)、瓦ぶきで北面して建つ。1階には出格子(でごうし)を構え、2階には出桁造(だしげたづくり)の軒や高欄付きの連続する腰高窓を設けて旅館らしい開放的な造りとする。
内部は両階とも中廊下を設け、その南北に各部屋を並べる。2階にある7室の客室は、4畳半から8畳の和室とし、北側の通りや南側の海への眺望に配慮した造りとなっている。
1973(昭和48)年には内部が一部改修され、南側には居住部が増築されたが、建具や外観などは旧来の姿を残す。
通りに面した近代和風の旅館建築である同建物は現在も地域に親しまれ、通り沿いの歴史的景観の形成に寄与している。
(2021年7月22日付紙面より)
「海の日」ミニイベント (那智勝浦町 )
那智勝浦町下里の第五管区海上保安本部下里水路観測所(橋本友寿所長)は17日、22日(木・祝)の「海の日」に伴うミニイベントとして施設を一般公開した。家族連れなど約20人が参加し、同所の役割や人工衛星レーザー測距観測(SLR)について知る機会とした。
海上保安庁唯一の水路観測所で、1954年に設立され、地磁気観測や天体観測業務を行ってきた。82年からは、観測機器から人工衛星に向けてレーザーを発射して地上から人工衛星までの距離を測るSLRを開始。得られたデータで日本本土の精密な位置を知ることができ、航海の安全を支える海図の作製や領海・排他的経済水域の確定にも役立てられている。
橋本所長は一家族ずつ施設内を案内し、天体観測をしていたドーム状の第一観測所やレーザー装置、望遠鏡、制御室などがある第二観測所を公開。日本が打ち上げた衛星「あじさい」や「みちびき」の他、世界各国の衛星を用いて観測をしていることや、測地技術の向上と2002年の世界測地系導入にともなって日本の座標が北西へ距離にして約500㍍ずれたことなどを紹介した。
太地町から参加した磯田和則さんは「中学生の頃に友人から下里水路観測所について聞いたことがあり、仕事でも無線関係のことをしていたので、長年来てみたいと思っていた」。妻の京子さんは「串本町のロケット打ち上げのこともあるので、時間があればもっと質問したかった」と話していた。
(2021年7月22日付紙面より)
紀宝町民児協の7月定例会で
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の7月定例会が20日、町福祉センターであった。委員約30人が参加し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた心肺蘇生法の手順と自動体外式除細動器(AED)の操作方法を学んだ。
熊野市消防本部紀宝分署の山田卓司さんら3人が講師を務め「コロナ発生以前は胸骨圧迫、人口呼吸、AEDの電気ショックを実施する流れだったが、今は感染防止の観点から人口呼吸はやめてもらうことになった。子どもの場合は人口呼吸を行っても構わない」と説明した。
心肺蘇生法の手順として「声を掛けて反応を確認し、ハンカチやタオルなどを傷病者の鼻と口にかぶせて呼吸の有無を観察する。呼吸がないと判断した場合は、傷病者が回復するか救急車が到着するまで交代で胸骨圧迫を続ける。AEDの手順は音声に従ってください」と伝えた。
委員は3グループに分かれて人形を使った訓練に取り組んだ。「救急車呼んでください」「AEDを持ってきてください」など周りの人に協力を求め、1分間に100回のペースで胸骨圧迫を続け、手順に沿ってAEDも操作した。
濵口会長は「万が一に備えて、毎年7~8月に講習会を開いている。何度も受講した委員も多いが、継続することが大事。来年も続けていきたい」と話していた。
(2021年7月22日付紙面より)
CGS部が応援隊結成 (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長)がこのほど、小型ロケット「カイロス」にちなんだ缶バッジシリーズの生産を始めた。初回生産分100個は24日(土)実施の大会「宇宙シンポジウムin串本」会場で配る考え。地域振興の応援になればと願って20日、部員らが袋詰めなどの準備に励んだ。
同ロケットの打ち上げに対して何か支援ができないかと今年1月から話し合いを重ね、手軽に買いやすく思い出になる土産物として缶バッジを生産することを決めた同部。そのデザインを考える中で部員の雑賀和さん(1年)が得意の延長で下書きした神名「カイロス」の絵が顧問や他の部員の目に止まり、以降その絵をベースにしてオリジナルキャラクター「かいろすくん」を生み出した。
複数描いた絵柄の中から座像を選び、まだ打ち上げが始まっていないため「0」のシルエットを背景に配置。大会参加者への進呈を前提にしてキャラクター名と大会期日を情報として上乗せしたデザインを仕上げ、初回生産分となる直径約3㌢の缶バッジを発注した。
部内班にとらわれないこの挑戦の担い手として「カイロス応援隊」を部内で結成。同町の独自ロゴやキャッチフレーズを取り入れた名刺大の台紙も製作し、20日はラッピングタイでこれらをつなぎ袋に詰めて配れる状態にした。
雑賀さんが参考にした原画は写実的で壮年の印象が強かったそうで、これをどうすれば世代を問わず好まれるかを意識してキャラクター化を進めたそう。特徴的な前髪と手にするてんびんを強調しつつ、全身のバランスを三頭身とし顔立ちを丸く、手足を短く、衣服を原色系にするなどして親近感を強めた。
大会当日は登壇者など主賓に手紙を添えて進呈し、残りを来賓や会場聴講者に先着順で配る予定。森部長(3年)によると小型ロケットの打ち上げ数をなぞらえて追加生産し次回以降は販売を考えているそうで、「一歩ずつ着実に進めてほしい」と後輩に期待。シリーズ化の要となった雑賀さんは「今後も改良してより良くしていく。『かいろすくん』が応援の弾みになれば」と意気込んでいる。
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この日は缶バッジの袋詰めと並行し、活動費確保を目的とした仕組みの段取りも進めた。
CGSは「Community General Support」(地域包括的支援)の略称。この仕組みは、目指す思いが高まるほどに活動費が不足するというジレンマを同部自身で克服する挑戦として動き出した。
植田航平副部長(3年)を軸にして模擬団体「CGS株式会社」を立ち上げ1口500円の投資の代価として株券1枚を発行する内容。まずは校内実施で試みるという。
植田副部長も間もなく引退となるが、在校中は最後まで後輩を支えることを決意。「活動費を出してもらうだけでなく自分らで集めることを意識付けたい」など思うところを語った。
(2021年7月22日付紙面より)
定期演奏会に130人 (新翔高校吹奏楽部 )
新宮市の県立新翔高校中庭で17日、同校吹奏楽部(西浦久博顧問、木下綾子部長)の「第5回定期演奏会」があった。保護者や地域住民、吹奏楽ファンなど約130人が会場に訪れ、迫力ある演奏を楽しんだ。
2015年に吹奏楽同好会として発足し、18年に「吹奏楽部」に昇格した。今年、3年生らの地道な新入生勧誘の成果が実り部員数は40人に。現在は8月9日(月・振休)に和歌山市の県民文化会館で開催される「第57回和歌山県吹奏楽コンクール」の同校初となる大編成部門(高校A部門)出場に向けて部員一丸となって日々練習を重ねている。
3年生にとって最後の定期演奏会であり1年生にとっては初の舞台。この日は「自転車マナーアップ推進リーダー」として新宮警察署より委嘱を受けている同部が、演奏会を通して交通ルールやマナーの遵守(じゅんしゅ)を呼び掛ける機会ともした。
演奏会開催に当たり、阪口博紀教頭が「新入部員がたくさん入り、活気あるクラブになった。また、マナーアップ推進リーダーとして責任感と信頼感が感じられるクラブに成長している。今日は熱心に練習を重ねてきた成果を見てあげてください」とあいさつ。
西浦顧問は「部員の半分が初心者。楽譜にない音が聞こえてくることもあるけどそれは吹いている証拠。部員たちの伸び伸びとした演奏を聴いてほしい」。木下部長は「部員が増えて音に厚みが出るようになった。これからも応援よろしくお願いします」と述べ「交通ルールを守りましょう」と呼び掛けた。
演奏会は「軽騎兵より」のファンファーレで幕開け。時折、雨の影響で演奏が中断となる中、同校校歌やコンクール演奏予定曲、アニメ主題歌、ジャズナンバーなどを披露。観客らは手拍子などで演奏を盛り上げた。
新入部員やコンクール出場をもって引退となる3年生部員の紹介もあり、最後にアンコール曲「学園天国」を演奏。迫力ある演奏に大きな拍手が贈られた。
演奏会を終え、木下部長は「雨で何度か中断となり、いい演奏ではなかったかもしれないが途中で吹っ切れて『楽しもう』と思った」と笑顔。
「コンクールに向け、今日の演奏で失敗したところを練習して後悔のないように頑張りたい」と、最後の夏に懸けた思いを語った。
(2021年7月21日付紙面より)
新宮市婦人団体連絡協議会
新宮市福祉センターで19日、市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)の人権学習会があった。市人権政策課の谷嗣弘さんが「身近な人権問題」と題して講話し、15人が不当差別や合理的配慮の事例、コロナ差別について学んだ。
同協議会は市内7団体で組織。互いの活動について共有しながら、毎年愛のバザーや福祉施設訪問、美化活動などに取り組んでいる。
谷さんは「障害のある人もない人も、全ての人に公平・公正で住みやすい社会」と目指すべき共生社会のイメージを述べ、合理的配慮について「配慮する側、配慮される側どちらか一方の立場が強くなるのではなく、平等な関係を築くことが目的」。
新型コロナウイルス感染者やその家族に対する偏見、差別、インターネット上の誹謗中傷といった人権問題にも触れ、正しい知識と理解を持って接するよう伝えた。
学習DVDでは、視覚障害や発達障害などさまざまな障害を持つ人々と同じ職場に勤める人々が、合理的配慮の重要性に気づいていく様子を視聴。偏見を持たずに会話を通じて互いの理解を深めることの大切さを学んだ。
会員からは「知らず知らずのうちに自分も差別する側に立っているのではと省みる機会になった。高齢で自分も足が悪くなってきたことで、自分も障害者も同じなんだなと感じる」との声があった。
仲会長は「障害のある人もない人も、みんな明るく一緒に暮らせる社会をつくっていくため、本当に勉強になるお話だった」と話していた。
(2021年7月21日付紙面より)
那智勝浦町立大野保育所(永野陽美所長)の園児8人と同町立色川小学校(寺地琢也校長)の児童19人が15日、同町南平野の民泊「みなみ野フィールズ不動坂」(浦勝良代表)のブルーベリー園で旬の果実摘み取りと試食を体験した。
同園では、数種類で220本のブルーベリーを栽培している。毎年、園児や児童を招いてこの催しを実施していたが、昨年はコロナ禍で中止。2年ぶりの開催となったが、今年は空梅雨という自然条件もあって日差しに恵まれ、5月末には紫色に色づいたのが確認されたという。
午後に到着した児童たちは、歓声を上げながらブルーベリー園へ。大きいもので直径2㌢ほどに成長した甘い果実を口に入れながら、各人が手に提げた小型のかごにも。教師も含めブルーベリー園で28人が集めたのは15㌔余り。浦さんの指導で2班に分かれ、それぞれが約25分煮詰め、香り高く甘いジャムを完成させた。
矢中健太朗君(小4)は「楽しんでいます。ブルーベリーはめちゃ甘かった」、多持莉心(たもち・りこ)さん(同)も「おいしかった。おなかいっぱいになった」と感想を述べた。浦さんの用意したかき氷もブルーベリーのシロップで味わい、夏の味覚を堪能した。出来上がったジャムは瓶詰めにして持ち帰った。
午前は保育所園児8人に保護者9人が付き添い、親子で旬の味を楽しんだ。浦さんは「子どもたちも楽しみにしていたのでは? 私自身も思い出づくりに加われてうれしい」と目を細めた。
(2021年7月21日付紙面より)
3小学校合同でカヌー体験 (古座川町 )
古座川町内の小学6年生が19日、月野瀬~串本町古田間の古座川流域でカヌー体験に取り組んだ。
この体験は、古座川流域で育つ子どもとして正しく安全に川と親しむ経験を積むことを目的として町立3小学校合同で実施。最近2年はコロナ禍の情勢で休止続きだが、夏休み序盤に来町する川崎市ふれあいサマーキャンプの参加者と川遊びやカヌーツーリングで交流する時に6年生が地元の強みでリーダーシップを発揮することにも役立つため、その直前に体験する形が定着している。
3小学校は本年度も南紀串本観光協会古座に協力を求め、前述した区間でカヌーツーリングに挑戦する内容を準備。当日は高池小から12人、明神小から2人(3人いるが1人欠席)、三尾川(みとがわ)小から1人が参加し、インストラクターから安全な乗り降りの仕方やパドルの扱い方を教わった後は2人1組(端数は教員とペア)で2人艇に乗り、下流の清暑島(通称・河内様=こおったま)前河原までツーリングした。
途中、少女峰前の河原に寄って水分補給をし川遊びを楽しむなどした。カヌーに乗るのは初めてという直塚源君(高池小6年)は、古座川で泳いでいる時に思うのと同じようにいつも岸でみるのより景色がきれいに見えるとツーリングの印象を語り、「自分で操縦して思い通りに進めるのが楽しい。向きがおかしくなった時にどうすればいいかだいたいわかった。自分の体力ではまだしんどいので、家族でまた乗ってみたい」と興味を強めていた。
(2021年7月21日付紙面より)
熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日(水)に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事で、日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り替えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は例大祭前の7月と年末の毎年2回行われている。
昨年7月は天候不良で延期となり宵宮(よいみや)の朝に実施。連日の大雨で水量が多くなったため、例年より上流にしめ縄を張った。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。到着後、命綱を着け、滝の流れに足をつけた神職らは声を掛け合いながら無事にしめ縄を設置した。
新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
男成宮司は「参列者や奉仕者、拝観者の安全を優先し、今年も皆さまのご参列をご遠慮いただく形となった。コロナ禍が一日も早く終息し穏やかな日々に戻ること、来年こそはいつも通りの例大祭が斎行できることを切に祈ります」と話していた。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2021年7月10日付紙面より)
町教委主催で教職員研修 (古座川町 )
古座川町教育委員会が6日、同町立高池小学校でGIGAスクール教職員研修会を開き、町内の教員16人が児童生徒用パソコンを活用するときの素地となる理解を深めるなどした。
この研修会は、同スクール構想の急進で充実する校内の情報通信技術(ICT)環境の教育活用を円滑に進めるため、文部科学省「GIGAスクールサポーター配置促進事業」を活用して計画。東牟婁地域が1人1台の割り当てで共同調達した児童生徒用パソコンはオペレーションシステム(OS)「グーグルクローム」を搭載した機種で、その使い方や推奨ソフトを紹介する内容を準備して町立小中学校の教員に参加を呼び掛けた。
この日は同サポーター・岡田政彦さん(和歌山IT教育機構所属)が講師として登壇。序盤は「Google Chrome」のアカウント管理や基本操作、他のOSと比較したときのデータ管理の特色を確かめ、中盤は教育活用頻度が高いと見込まれる推奨ソフト「Google Classroom」、終盤は児童生徒用パソコンを一括管理する授業支援ソフトを紹介。児童生徒の立場で実活用を模擬体験してもらいながら、できる教育活用の基本線を伝えた。
研修会は春にも開いた経緯があり、すでに一部のクラスで同端末の活用が始まっている段階。町教委教育課の坂本耕一さんは活用の裾野をさらに広げて児童生徒用パソコンを生かしたいとし、7月中~下旬には各学校単位で活用を主導する人材(情報担当教諭など)を育てるリーダー研修〈上級研修〉も実施するという。
(2021年7月10日付紙面より)
建設工事関係者連絡会議 (新宮・東牟婁地方 )
建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(中前英人署長)は8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の約20人が出席。取り組み紹介や意見交換を行った。
会議は、三者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。
新宮・東牟婁管内では昨年78件(前年比9件減)の労働災害が発生した。中前署長は「昨年、管内では土木工事業で大きく減少したが、過去3年間発生のなかった死亡事故が発生した。今年は5月末現在で、休業4日以上の労働災害が昨年同月に比べて5件増加となる21件発生している」などと説明。
工事現場災害の減少を図るため▽労働災害の防止▽熱中症対策▽建設業の働き方改革の取り組み推進▽新型コロナウイルス感染症対策―に対する協力を呼び掛けた。
乾孝行監督・安衛課長が、管内の建設工事における災害発生状況を説明したほか、現場での安全管理について▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置―などが重要とした。
2023年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、建設現場での新型コロナウイルス感染防止対策、安全帯など適切な器具の使用、災害復旧工事における注意事項などについて、災害事例を交えて解説した。
今後の同連絡会議の取り組みについて「合同パトロールや安全教育などに当署の活用を」と呼び掛けた。
紀南河川国道事務所串本国道維持出張所、東牟婁振興局農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、串本町、太地町などが公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。
(2021年7月10日付紙面より)
優秀安全運転事業所表彰 (新宮市 )
自動車安全運転センター和歌山県事務所(寺園勝人所長)と県警本部はこのほど、優秀安全運転事業所として、新宮市王子町の佐川急便株式会社新宮営業所(白井康弘所長、33人)に3年ぶりとなる金賞を贈呈した。8日、新宮警察署で開かれた伝達式には同営業所安全推進課主任の松岡裕太さん(30)が出席し、山田守孝新宮警察署長から表彰状を受け取った。
表彰は同センターが主催、警察が共催して毎年3期に分けて実施している。対象となるのは社員が20人以上で、そのうち8割がドライバーの事業所。社員は運転記録証明書を申請し、分析結果の交付を受けている。公私にわたって1年間の事故や違反が3%以内なら金賞(7点)、5%以内なら銀賞(5点)、7%以内なら銅賞(3点)が贈られる。連続で受賞し合計15点以上になった事業所にはプラチナ賞が贈られる。
同営業所は2017、18年に2回連続で金賞を受賞しており、会社全体で環境・安全面を最優先にして事業に当たっている。
松岡さんは「営業所全体で、事故・違反を出さないように努めてきたことが表彰につながりありがたい。日頃から交通弱者を守るために歩行者を優先する運転などに取り組んでいる。今後も交通安全活動を継続していきたい」。
表彰式に同席した寺園所長は「数多くの受賞は安全運転管理をしっかりとしていただいているからこそ。今後も継続していただけたら。また、運転経歴に係る証明書やセーフドライバーカードを活用してもらいたい」と話した。
山田署長は受賞について「交通安全意識の持続がないと難しい。ほかの事業者さまの模範になるとともに一般のドライバーの啓発につながってほしい。他の事業所さまにも参加していただけたら」と話していた。
(2021年7月10日付紙面より)
熊野川地域フラワーツーリズム協議会 (新宮市 )
熊野川地域フラワーツーリズム協議会(下阪殖保会長)のメンバーら約10人は7日、新宮市熊野川町日足のバイパス近くの休耕田約0・5㌶にヒマワリの種約15㌔を植えた。
同協議会は、2011年9月の紀伊半島大水害で被災した町を花の名所として活性化し町民らを元気づけようと、休耕田や耕作放棄地にヒマワリやコスモス、菜の花などの種をまいている。今年で9回目の取り組みとなる。
他にもこいのぼりの設置やさまざまなイベントを企画・実施し、復興を祈念するとともに水害当時に思いを寄せる機会としている。
市制施行10周年記念として15年から開催されている「ひまわりまつり」では一帯を大輪のヒマワリが彩るが、今年は新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、昨年に引き続きまつりは中止に。
そんな状況下でも協議会メンバーらは「町の活性化につながれば」と思いを込め、一つ一つ丁寧に大輪花で耐倒伏性が強いヒマワリの品種「ハイブリッドサンフラワー」の種を植えていった。
先月30日には約1・5㌶の休耕田に約20㌔のコスモスの種をまいた協議会メンバー。種をまいた後は発芽しやすいように土をかけ、肥料の散布も実施した。今年のコスモスは約3カ月で開花する早咲き種で花径約7、8㌢の大輪になるものもあるという。
「秋には花畑があふれ、町を訪れる人たちに楽しんでもらうとともに、復興を祈念できれば」。大水害以降も幾多の風水害を乗り越えてきた熊野川町。町を彩るヒマワリとコスモスの開花は9月ごろを予定している。
(2021年7月8日付紙面より)
図書館が引き継いで所蔵へ (串本町 )
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)がこのほど、ケンケン漁ゆかりの漁具・工具や研究資料一式の寄贈を受けた。串本町図書館(池田三明館長)へ引き継ぐ方向で段取りを進めていて、池田館長は閲覧できる状態にある研究資料は7月中旬をめどに郷土資料として蔵書登録し閲覧公開、漁具は年末をめどに展示公開を目指すとしている。
町教委によると、一式は田並の故・雑賀徹也さんが生前の研究でそろえたもの。遺品整理をする中で「貴重では」と感じた家族が知り合いの役場職員の仲介で町教委に相談し、寄贈するに至ったという。
内訳は漁具が▽潜行板7個▽飛行機6個〈大2、小4〉▽爆弾3個▽ウキ1個▽手釣り用木枠〈釣り糸つき〉1個▽疑似餌複数個―、工具は木製の潜行板、飛行機、爆弾を作る道具など11個。研究資料がファイル4冊(写真や新聞記事の切り抜き、独自考察など)と未整理の文書・図面・写真で数量不詳となっている。
潜行板、飛行機、爆弾は漁業従事者が漁具の形状や用途を見て用いていた呼称。研究資料は故・雑賀さんが生前に和歌山東漁業協同組合へ寄稿したケンケン漁推察の出典元となるさまざまな文書資料や独自考察、写真などで「天馬船」の設計図面〈実物〉も含まれている。
一式全体として整理が追いついていない状態にあり、その作業を進めてできる限り所蔵していくという。池田館長は「本館は農業関係に比べて漁業関係の民具が少ない。(同町の代表的な漁業の一つである)田並発祥のケンケン漁にまつわる内容ともあってとてもありがたい寄贈だ」と喜び、今後の公開に意気込んでいる。
ケンケン漁は、田並からハワイへ渡った移民者が現地の漁法を洗練して持ち帰り全国へと広めたとされるカツオ漁法。現在は長さおを漁船の両舷へ羽のように伸ばして仕掛けを引く形へと発展し、代表的なカツオ漁法の一つとして浸透している。
(2021年7月8日付紙面より)
宇久井中で海洋教育 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で6日、地元漁師の東信義さんによる漁業学習があった。2年生29人が地元の漁業について学び、理解を深めた。
同校で20年以上続く海洋教育の一環で、ふるさとの漁業の歴史や取り組みを学ぶとともに、将来的な漁業後継者を育てることも目的の一つとしている。
東さんは宇久井漁業協同組合に所属し、引き縄(ケンケン)漁とイセエビの刺し網漁を営む傍ら、ホエールウオッチング業にも従事している。
授業では東さんの経験を基に、地元の主な漁法としてマグロやカツオを取る「はえ縄」「引き縄」「一本釣り」、アジやサバ、サンマなどの「棒受け網」、ブリを中心に季節の魚を取る「定置網」、「養殖」などの仕組み、クジラの種類や生態についても解説した。
生徒からは「クジラが見える確率は」「宇久井漁協はどういった組織なのか」「難しい漁法は」「漁に出ないときは何をしているのか」などの質問があった。
東さんは「ウオッチングは5月のシーズンなら90%以上見ることができる」「組合がないと僕らは魚を持って行くことができない。漁師のまとめ役」「どの漁法も慣れるまで難しいが、棒受け網は難しい」「漁以外では網の修理などをしている」と答えた。
この日の朝に定置網で取れたイワシやイカ、サバ、カツオ、シイラ、タチウオなどを直接見せながら特徴や種類を説明した。
学級委員の田原まなさんは「漁法の説明や実際に魚を見せていただき、ありがとうございました。宇久井の漁業について学ぶことができました」と感謝を述べた。
坊校長は「発展した漁業がこの地域を支えてきた。その歴史などを学んでほしい」と述べた。
同校によると、2年生は3学期、船に乗って定置網の見学を実施するほか、3年生は漁協女性部の協力の下、魚食体験を行うという。
(2021年7月8日付紙面より)
区長会で各種事業を報告 (紀宝町 )
町内14地区と町で組織する紀宝町区長会(会長・辰巳尚鵜殿区長)は6日、同町役場大会議室で定例会を開催。役員改選に伴い、会長に辰巳区長、副会長に鮒田区の東口高士区長を再任した。
各区の区長、役場職員が出席し、西田健町長は「町内でこれまで新型コロナウイルスの感染者がないものの、地域経済にとっても厳しい状況にあり、町としてもできる限り支援をしたい。全国学力テストで、小中学校5教科中3教科で全国平均を超えた。子どもたちは学力やスポーツも頑張ってくれている」とあいさつ。各課の担当職員が町の関連事業などを説明した。
65歳以上の新型コロナウイルスワクチン接種は1日現在、1回目が2701人、2回目は1769人が済ませた。3、4日に720人が集団接種し、1回目接種率は約85%だという。
担当課長は「8月も土、日曜日に集団接種を計画しているが、ワクチン供給量によって設定できないかもしれない」と報告。「接種した人は新型コロナの発症を予防できるとされているが、接種を受けた人から他の人への感染をどの程度予防できるか分からない。接種後も引き続き、手洗い・マスク着用・3密回避などの対策徹底を」と呼び掛けた。
新型コロナウイルス感染症支援事業や第15回紀宝町花火大会の打ち上げ花火中止、町空き家バンク事業、第2次町総合計画、鵜殿保育所建設工事、矢渕中学校大規模改修工事の概要なども伝えた。
(2021年7月8日付紙面より)