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2021年07月27日
1 同定や見分け方など学ぶ
 日本クマノザクラの会が観測会  (那智勝浦町 )

 「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長)は23日、那智勝浦町二河の那智勝浦町教育センターで観察会と講習会および役員会を開いた。同会の役員ら約15人が参加。勝木会長がクマノザクラの見分け方や標本の作り方などを解説した。

 クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種で、勝木会長が発見、命名した。紀伊半島南部の3県に分布。早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。

 同会は、国内で約100年ぶりに新種と確認されたクマノザクラの利活用や保全活動を目指し2月に発足。会員同士が連携し、和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組むことを目的としている。

 観察会では、同センター敷地内や近隣のソメイヨシノ、ヤマザクラを観察しつつ、勝木会長が植物の同定(生物の分類上の所属や種名を決定すること)やそれぞれのサクラの特徴などを説明。「長枝ではなく短枝で見る」「観察したものの特徴を言葉で表していく」「五感を使って植物の特徴を捉える。見る項目を増やすことでより確かな同定ができる」などを観察のポイントとして挙げた。

 同会員が所有する、同センター近隣にあるクマノザクラ観察地では、勝木会長が「葉っぱが他のサクラより幅が狭く、裏が淡い緑色」などとクマノザクラの特徴を解説し標本用の木を採取。「同定には写真と標本が必要だがそれだけでは不十分。現場でできる限り多くの視点で観察し、情報を持ち帰ることが大事」とし、「標本は採ってもいい場所で採取を」と呼び掛けた。

 講習会では、勝木会長は植物分類学の基礎などについて説明。学名や属名、標準和名などにも言及し「原則として学名と標準和名は対応する。クマノザクラは学名が付いたことで初めて世界共通となった」。

 クマノザクラの同定に関して、花序や苞(ほう)、短枝、葉柄などの判断材料をソメイヨシノやヤマザクラなどと比較し特徴を解説。「花びらの形や色、葉の鋸歯(きょし)など、年齢や環境でも大きく変わってくる。同定に使えるくらい安定しているものを見極めていくことが大きなポイントとなる。場数を踏んで覚えていくしかない」と説明した。

(2021年7月27日付紙面より)

サクラの見分け方などを学んだ=23日、那智勝浦町二河
勝木俊雄会長が同定方法などを説明した=同日、那智勝浦町教育センター
2021年07月27日
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2021年07月27日
3 最先端の話題世界へ発信 第3回宇宙シンポin串本 (和歌山県)

 県主催の大会「第3回宇宙シンポジウムin串本」が24日にホテル&リゾーツ和歌山串本であり、宇宙の最先端の話題などを会場聴講とオンライン聴講の2系統で世界へ向け発信した。

 国内初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」と地域を結び付けて印象付けるためおととし、県と射点がある串本町が両輪となって立ち上げた大会。以降はコロナ禍の情勢により県主催で年1回開く形が続いていて、今回も会場聴講を第1回比で約3分の1の規模に抑え代替のオンライン聴講を受け付けるなど感染症予防対策を講じて参加を募り、両聴講合わせて1500人規模の申し込みを得たという。

 開会に当たり仁坂吉伸知事は同発射場と地域の最近の主な動向を伝えつつ聴講を歓迎。テレビ和歌山が進行役を務め、来賓の紹介を経て序盤から中盤は基調講演、終盤はパネルディスカッションを実施した。

 基調講演の登壇者は▽山崎直子さん(宇宙飛行士)▽津田雄一さん(JAXAはやぶさ2プロジェクトマネジャー)▽小山浩さん(三菱電機株式会社電気システム事業本部主席技監)▽遠藤守さん(スペースワン株式会社最高顧問)。

 前3人はそれぞれの立場から宇宙との関わりを振り返り、周囲を取り巻く状況やそれらと向き合うときの姿勢を示し同発射場や有する地域への期待を寄せるなどした。遠藤さんはスペースワン社の事業概念や中核となる小型ロケット「カイロス」の開発段階や同発射場建設の進捗(しんちょく)を報告。「カイロス」はシステム試験段階、同発射場はおおむね完成段階だと伝え、和歌山の新たな魅力としての宇宙を地域と一緒になって盛り上げたいと貢献の思いを掲げて事業に対する地域の協力を求めた。

 パネルディスカッションは東京大学大学院の中須賀真一教授がモデレーターを担当。基調講演登壇者に県産業技術政策課の大原眞晴課長を加えた5人をパネリストに迎え、中須賀教授は宇宙と関わるようになったきっかけ、人工衛星事業・アルテミス計画・国際連携による有人探査の展望、地域の状況対応や今後の人材育成など状況活用の展望などをざっくばらんに探り明かした。

 会場から質問を受け付ける時間もあり、県立串本古座高校の清野健太郎君(1年)が「串本町は宇宙に希望や夢を抱いている。皆さんにとって宇宙とは何か」と質問して中須賀教授を含めた6人それぞれの思いを引き出した。最後にパネリストが今後に向けたメッセージをそれぞれ掲げて締めくくった。

  □     □

中高生なども聴講し支援も



 この日は県立桐蔭中学校科学部や県立串本古座高校のCGS部カイロス応援隊・雑賀和さん(1年)と生徒有志2人など次代を担う若い世代も複数、引率の教職員や家族と共に会場聴講に参加。同高校の生徒はその延長で同隊が準備した缶バッジをパネルディスカッション登壇者や仁坂知事に進呈し、残りを先着順で手分けして会場聴講参加者に配った。

 この缶バッジはロケット事業に対する地域包括的支援として生産を始めた。手軽でかさばらず思い出になる土産物として、さらにはコレクション需要による見学リピーター拡大ツールとして今後は「カイロス」打ち上げを節目にしてシリーズ生産しその原資を得るため販売を目指すとしている。

(2021年7月27日付紙面より)

第3回宇宙シンポジウムin串本、パネルディスカッションの様子=24日、ホテル&リゾーツ和歌山串本
CGS部カイロス応援隊の缶バッジを会場聴講参加者へ配る串本古座高校の生徒有志ら
2021年07月27日
4 現金給付し生活状況確認
 職員ら協力し全町民宅訪問  (太地町 )

 太地町は新型コロナウイルス感染症対策の一環として25日、全町民に対して現金1万円の給付を行った。町や町社会福祉協議会の職員らが協力して町民宅を訪問し現金を手渡した。

 同町ではこれまで、全町民に対してマスクや米を支給し、現金5000円と1万円の給付も行ってきた。

 同給付金の予算は6月定例会において議決されたもので、予算額は3000万円。財源の一部は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用している。

 この給付には町民の生活環境や健康状態などの確認も目的に含まれているという。給付や職員が訪問する旨は町内放送や町防災メールの登録者へのメールで周知を促した。

 当日朝、町や社協の職員ら42人が集まり、役場庁舎内で訪問時の注意や不在時の対応などの打ち合わせを行った。職員らは10班体制で、9地区の1565世帯2960人に現金を届けた。

 森尾伸総務課長は「生活支援として3度目の給付となる。コロナ禍において、町民の皆さまの生活状況や健康状態を確認することが給付の本来の目的です」と話した。

 現金を受け取った平見地区の上中綾子さんは「本当にありがたい。コロナ禍で子どもが外に出て行けないため、屋内で遊ぶことのできるものを購入したいと思う。職員の皆さんが各戸のことに詳しく、『子どもさんは元気ですか』など、お声掛けもしてくれるので安心感があります」と話していた。

(2021年7月27日付紙面より)

給付金を手渡すとともに町民の生活状況などを把握した=25日、太地町内
2021年07月27日
5 5歳児が「夕涼み会」楽しむ 鵜殿、井田両保育所で (紀宝町)
2021年07月27日
6 井田海岸で清掃に汗流す  にっこりクリーンフェスタ  (ウミガメ公園 )
2021年07月27日
7 総勢150人で溝掃除  業者らも協力し町内美化  (新宮市 )
2021年07月27日
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2021年07月27日
9 なんだろうこの花?  西さん宅の不思議植物  (那智勝浦町 )
2021年07月27日
10 ゲーム通じて絆深める  新高田会館で親子行事  (新宮市 )
2021年07月27日
11 加寿地蔵尊で初の納涼会  祠の新築祝し奉納神楽  (那智勝浦町 )
2021年07月27日
12 「えび太くん」がデビュー  包括支援セの案内役として  (古座川町 )
2021年07月27日
13 お悔やみ情報
  
2021年07月10日
14 新しい大しめ縄に張り替え 例大祭に向け那智の滝で (熊野那智大社)

 熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日(水)に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事で、日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り替えた。

 那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は例大祭前の7月と年末の毎年2回行われている。

 昨年7月は天候不良で延期となり宵宮(よいみや)の朝に実施。連日の大雨で水量が多くなったため、例年より上流にしめ縄を張った。

 しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。到着後、命綱を着け、滝の流れに足をつけた神職らは声を掛け合いながら無事にしめ縄を設置した。

 新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。

 男成宮司は「参列者や奉仕者、拝観者の安全を優先し、今年も皆さまのご参列をご遠慮いただく形となった。コロナ禍が一日も早く終息し穏やかな日々に戻ること、来年こそはいつも通りの例大祭が斎行できることを切に祈ります」と話していた。

 同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。

(2021年7月10日付紙面より)

例大祭を前に神職らが大しめ縄を張り替えた=9日、那智勝浦町の那智の滝
2021年07月10日
15 操作など伝え活用を促す
 町教委主催で教職員研修  (古座川町 )

 古座川町教育委員会が6日、同町立高池小学校でGIGAスクール教職員研修会を開き、町内の教員16人が児童生徒用パソコンを活用するときの素地となる理解を深めるなどした。

 この研修会は、同スクール構想の急進で充実する校内の情報通信技術(ICT)環境の教育活用を円滑に進めるため、文部科学省「GIGAスクールサポーター配置促進事業」を活用して計画。東牟婁地域が1人1台の割り当てで共同調達した児童生徒用パソコンはオペレーションシステム(OS)「グーグルクローム」を搭載した機種で、その使い方や推奨ソフトを紹介する内容を準備して町立小中学校の教員に参加を呼び掛けた。

 この日は同サポーター・岡田政彦さん(和歌山IT教育機構所属)が講師として登壇。序盤は「Google Chrome」のアカウント管理や基本操作、他のOSと比較したときのデータ管理の特色を確かめ、中盤は教育活用頻度が高いと見込まれる推奨ソフト「Google Classroom」、終盤は児童生徒用パソコンを一括管理する授業支援ソフトを紹介。児童生徒の立場で実活用を模擬体験してもらいながら、できる教育活用の基本線を伝えた。

 研修会は春にも開いた経緯があり、すでに一部のクラスで同端末の活用が始まっている段階。町教委教育課の坂本耕一さんは活用の裾野をさらに広げて児童生徒用パソコンを生かしたいとし、7月中~下旬には各学校単位で活用を主導する人材(情報担当教諭など)を育てるリーダー研修〈上級研修〉も実施するという。

(2021年7月10日付紙面より)

児童生徒用パソコンの使い方を伝える岡田政彦さん=6日、古座川町立高池小学校
2021年07月10日
16 労働災害を防げ
 建設工事関係者連絡会議  (新宮・東牟婁地方 )

 建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(中前英人署長)は8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の約20人が出席。取り組み紹介や意見交換を行った。

 会議は、三者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。

 新宮・東牟婁管内では昨年78件(前年比9件減)の労働災害が発生した。中前署長は「昨年、管内では土木工事業で大きく減少したが、過去3年間発生のなかった死亡事故が発生した。今年は5月末現在で、休業4日以上の労働災害が昨年同月に比べて5件増加となる21件発生している」などと説明。

 工事現場災害の減少を図るため▽労働災害の防止▽熱中症対策▽建設業の働き方改革の取り組み推進▽新型コロナウイルス感染症対策―に対する協力を呼び掛けた。

 乾孝行監督・安衛課長が、管内の建設工事における災害発生状況を説明したほか、現場での安全管理について▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置―などが重要とした。

 2023年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、建設現場での新型コロナウイルス感染防止対策、安全帯など適切な器具の使用、災害復旧工事における注意事項などについて、災害事例を交えて解説した。

 今後の同連絡会議の取り組みについて「合同パトロールや安全教育などに当署の活用を」と呼び掛けた。

 紀南河川国道事務所串本国道維持出張所、東牟婁振興局農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、串本町、太地町などが公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。

(2021年7月10日付紙面より)

約20人が出席した建設工事関係者連絡会議=8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
中前英人署長
2021年07月10日
17 佐川急便が3年ぶり金賞受賞
 優秀安全運転事業所表彰  (新宮市 )

 自動車安全運転センター和歌山県事務所(寺園勝人所長)と県警本部はこのほど、優秀安全運転事業所として、新宮市王子町の佐川急便株式会社新宮営業所(白井康弘所長、33人)に3年ぶりとなる金賞を贈呈した。8日、新宮警察署で開かれた伝達式には同営業所安全推進課主任の松岡裕太さん(30)が出席し、山田守孝新宮警察署長から表彰状を受け取った。

 表彰は同センターが主催、警察が共催して毎年3期に分けて実施している。対象となるのは社員が20人以上で、そのうち8割がドライバーの事業所。社員は運転記録証明書を申請し、分析結果の交付を受けている。公私にわたって1年間の事故や違反が3%以内なら金賞(7点)、5%以内なら銀賞(5点)、7%以内なら銅賞(3点)が贈られる。連続で受賞し合計15点以上になった事業所にはプラチナ賞が贈られる。

 同営業所は2017、18年に2回連続で金賞を受賞しており、会社全体で環境・安全面を最優先にして事業に当たっている。

 松岡さんは「営業所全体で、事故・違反を出さないように努めてきたことが表彰につながりありがたい。日頃から交通弱者を守るために歩行者を優先する運転などに取り組んでいる。今後も交通安全活動を継続していきたい」。

 表彰式に同席した寺園所長は「数多くの受賞は安全運転管理をしっかりとしていただいているからこそ。今後も継続していただけたら。また、運転経歴に係る証明書やセーフドライバーカードを活用してもらいたい」と話した。

 山田署長は受賞について「交通安全意識の持続がないと難しい。ほかの事業者さまの模範になるとともに一般のドライバーの啓発につながってほしい。他の事業所さまにも参加していただけたら」と話していた。

(2021年7月10日付紙面より)

山田守孝新宮警察署長(左から2人目)から表彰状を受け取った佐川急便株式会社新宮営業所の松岡裕太さん(中央)=8日、新宮警察署
2021年07月10日
18 2カ月遅れで開講を迎える  生涯学習活動「英会話教室」  (串本町公民館 )
2021年07月10日
19 審査請求見解で町長諮問  臨時会開き特別委に付託  (古座川町議会 )
2021年07月10日
20 第2回定例会一般質問(終)  串本町議会  
2021年07月10日
21 住民らに理解求める  千穂王子ヶ浜線計画説明会  (和歌山県、新宮市 )
2021年07月10日
22 食の大切さと成長過程知る  トウモロコシ皮むき体験  (わかば保育園 )
2021年07月10日
23 3年生6人が2級に昇級  64年の歴史に幕閉じる  (新宮高校合気道部 )
2021年07月10日
24 全身にカラフルな絵の具  ボディペインティング楽しむ  (うどの幼 )
2021年07月10日
25 平日の夜間接種始まる  今月からネット予約も  (紀宝町 )
2021年07月10日
26 私たちにもできる+1とは?  アイマスクを装着し福祉体験  (相野谷中 )
2021年07月10日
27 お悔やみ情報
  
2021年07月02日
28 下里でウミガメが産卵
 児童がふ化場へ埋める  (那智勝浦町 )

 ウミガメの卵の保護やふ化などを手助けする玉の浦リップルズクラブ(掛橋郁雄会長、会員20人)は6月29日早朝、那智勝浦町下里の太田川河口の大浜海岸で3年ぶりにアカウミガメが産卵しているのを発見した。海洋学習に取り組んでいる町立下里小学校(泉一代校長)に呼び掛け、5、6年生児童21人が卵を取り出し、同クラブの産卵ふ化場へ埋め戻した。

 30年ほど前に発足した同クラブ。はじめは地域の景観のために桜の植樹などを精力的に行ってきたが、以前からウミガメが産卵する場所であった同海岸に注目してきた。

 地形的にふ化が難しい場合も多かったことから、卵を保護し無事にふ化させる活動に取り組むようになった。ふ化したカメを同小の児童たちと共に放流することで地域の自然や歴史を学ぶきっかけづくりに協力してきた。

 同校も総合学習の一環で参加し、ウミガメの上陸がスムーズに行えるようにクラブ協力の下、毎年海岸のクリーン作戦にも取り組んでいる。

 会員で紀伊半島ウミガメ情報交換会の会長を務める湊久和さんは「ウミガメは後ろ足を使って45㌢ほど穴を掘って卵を埋めていた。土の中が29度であれば約60日後にふ化します」と説明した。

 児童は割れたものなどを除いた114個の卵を慎重に取り出してバケツに移し、海岸内に設置されたふ化場で丁寧に埋め戻した。これまでは同校のふ化場でもふ化させていたが、今回はこちらでふ化させるという。

 初めてウミガメの卵を見たという上地愛莉さんは(5年)は「柔らかかった。ウミガメが元気に育った姿を見たい」。

 泉校長は「児童にはウミガメの生態や地域の環境、命の大切さなどを学んでほしい」と話した。

 会員の濵﨑修さんは「研究熱心な子どもが多かった。下里は自然が多く、何でもできるため考えも広がると思う」。

 湊さんは「恵まれた環境じゃないとウミガメは来ない。子どもたちに興味を持ってほしい」と述べた。

 掛橋会長は「自然や生物に触れることは今後の人生においてもプラスになるはず。自然環境が豊富な場所で学ぶことは重要だと思う」と語った。

(2021年7月2日付紙面より)

慎重に卵をバケツに移す児童=6月29日、那智勝浦町の大浜海岸
2021年07月02日
29 住民に対し理解求める
 千穂王子ヶ浜線計画説明会  (和歌山県、新宮市 )

 東牟婁振興局新宮建設部と新宮市都市建設課は6月30日夜、市役所別館で地域住民を対象とした都市計画道路「千穂王子ヶ浜線」の計画説明会を開いた。住民ら約50人に対し計画の概要や今後の予定などを説明した。

 都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づいて決定される。

 原則、整備は市町村が施工するが、同道路においては県と市が整備に関する協議を実施。県が、市と県の各整備区間を合わせて整備していくことが決定しており、昨年度から着手している。将来的には2024年秋の開通を目指して現在工事が進む新宮紀宝道路とをつなぐ幹線道路となる予定。

 現在幅員9~10㍍の道路を16㍍に拡幅していく同整備事業の認可区間は、同市千穂3丁目の裁判所前交差点から浮島の中央通交差点までの約500㍍で認可期間は昨年11月~26年3月。

 県によると、現地測量で基準点設置、地形図作成などを済ませており、今後は周辺住民に対する事業の周知や説明、用地実測図作成、建物調査、建物などの補償額・土地価格の算定などを進めていくという。工事着手は23年度以降を予定している。総事業費は約18億円。

 市は「県と一体となって取り組んでいきたい」。県は「多くの学生が通学路として利用する道路。地域のお子さんや観光に訪れた方々に安心してご利用いただけるように整備するもの。早期完成に向け取り組みを実施していきたい」とそれぞれ理解を求めた。

(2021年7月2日付紙面より)

千穂王子ヶ浜線(写真は浮島付近)
地域住民ら約50人が出席した=6月30日夜、新宮市役所別館
2021年07月02日
30 海開きに向けて資材設置
 橋杭、田原の両海水浴場  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)が6月30日、橋杭海水浴場と田原海水浴場の資材設置に取り組んだ。いずれも遊泳期間は4日(日)から8月31日(火)まで。海開きに向け島野会長は「今年も感染症予防を保ちつつ盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 橋杭海水浴場は串本町くじ野川地内、橋杭岩の南西に位置。環境省「快水浴場百選」の一つとして多くの海水浴客を集め、その状況を包括する橋杭ビーチはアウトドア拠点化を目指しシーカヤックなど各種アクティビティーのレンタル提供で春~秋の3季活用を図るところともなっている。

 田原海水浴場は同町田原地内、国民宿舎あらふねリゾート前に位置。レジャー利用にも適した広い芝地や砂浜を持ち味とし、最近は小型ロケット「カイロス」初号機打ち上げ時のプレミア見学場となることでも注目されている。

 その資材設置の作業には、島野会長ら関係者16人が参加。役割分担して遊泳区域を示すブイロープを洋上に張り、感染症予防対策として砂浜を陣取るときの目安としてもらう幅杭を横一線4㍍間隔で砂浜に打ち込むなどして海水浴の環境を整えた。

 利用者数が多い橋杭海水浴場は、期間中有料とする駐車場環境も準備。同対策としてビーチハウス内の座席にも利用間隔の目安を貼るなどした。更衣室内の密を避けるため、使えるロッカーの数を制限して抗菌処理を施し屋外に無料の簡易水シャワーを設ける段取りは事前に実施済み。密を誘いやすい洋上遊具(滑り台)は今年も設置を見合わせた状況となっている。

 昨年に続いて今年も感染症予防対策を講じつつ海開き期間に臨む同協会。島野会長は「新型コロナワクチン接種が進みオリンピックやパラリンピックを目指すなど明るい兆しが見える中、われわれも感染症に気を付けてやっていかなければ」と思いを語り、冬のロケット初打ち上げと並んで夏の海水浴がまちの盛況につながることを期待した。

  □     □

 同期間中、両海水浴場とも午前9時~午後5時を監視員配置の遊泳時間としている。橋杭海水浴場の駐車料金は普通車1回1000円など。

 本年度も串本まつりの中止が発表されているが、その一企画として含まれている同協会主催イベント「橋杭ビーチサマーフェスタ」は今月25日(日)に実施予定。島野会長は「やりたい」という思いを持ちつつ、今しばらく状況を見て実施の有無を判断したいとしている。問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)まで。

(2021年7月2日付紙面より)

海水浴場資材を設置する南紀串本観光協会の関係者=6月30日、串本町くじ野川の橋杭海水浴場(同協会提供)
(同提供)
2021年07月02日
31 夏の無病息災祈る
 熊野三山で茅の輪くぐり  

 熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれた。参拝者たちは「茅(ち)の輪くぐり」で半年間の災厄をはらい清め、夏の疫病退散と新型コロナウイルス感染症の終息などを願った。

 12月31日(大晦日(おおみそか)の大祓)と年2回営まれる、上代から伝わる儀式。「夏越大祓式」では、社会全般の不浄をはらい除き、不慮の事故や災害に巻き込まれることのないよう、また日々重なる災厄を清め、夏に向かい疫病にかかりやすくなる時季を無事に過ごせるように願いを込める。

 「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳(ちとせ)の命のぶというなり」という唱え歌があり、3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。

 熊野速玉大社(上野顯宮司)では、検温と手指消毒を済ませた約100人の参列者が大祓詞(おおはらえのことば)を唱え、人形(ひとがた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移した。人形は全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納められ、神職がはらった。

 続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ上野宮司はじめ神職、巫女(みこ)の後に続いて境内に設けられた直径約2㍍の茅の輪を8の字に3回くぐり、夏の無病息災を願った。

 上野宮司は「私たちは健康であることを当たり前のことだとおざなりにしがちだが、新型コロナウイルスの現状を見ると健康のありがたさを身に染みて感じる。子どもも大人も健康をお祈りしながら茅の輪をくぐる、その気持ちが未来へつながっていくのでは」とあいさつ。

 自分だけではなく人のためにも健康を分かち合っていきたいと述べ「祈るだけではなく命を頂いている、その思いを大切にしたい」と語った。

(2021年7月2日付紙面より)

健康などを祈願し茅の輪をくぐった=6月30日、熊野速玉大社
2021年07月02日
32 6月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年07月02日
33 新谷真央さんが全日本大会へ
 都道府県対抗少年剣道優勝大会県選考会  (三輪崎剣道クラブ )
2021年07月02日
34 優勝は砂平さん、中村さん
 新宮グラウンドゴルフ同好会「あじさい大会」  
2021年07月02日
35 倉本さんが県代表に
 国体卓球競技和歌山県予選会  (新宮高校 )
2021年07月02日
36 催し前に開催地きれいに  渚の会が弁天島で清掃活動  (那智勝浦町 )
2021年07月02日
37 栄太郎や作品の背景を説く  生涯学習講座「移民の子」  (太地町 )
2021年07月02日
38 自分自身と仲間を信じて  新宮高で壮行会と表彰  
2021年07月02日
39 生徒のために役立てて  光洋中学校卒業生が寄付  (新宮市 )
2021年07月02日
40 太平洋岸自転車道を国指定  世界に誇りうるルート  (紀宝町経由 )
2021年07月02日
41 税金の使い道など学ぶ  6年生対象の租税教室  (鵜殿小 )
2021年07月02日
42 七里御浜海岸に3頭上陸  アカウミガメの産卵シーズン  (御浜町 )
2021年07月02日
43 子どもの支援体制学ぶ  民児協相談部会が視察研修  (紀宝町 )
2021年07月02日
44 感謝で前任送り新任迎える  任期満了により副町長交代  (串本町 )