近畿自動車道紀勢線説明会
紀伊半島の海沿いを一周する高速道路「近畿自動車道紀勢線」の事業説明会が28日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷であった。和歌山県側は国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の堤英彰所長、三重県側は同省中部地方整備局紀勢国道事務所の桑昌司所長が説明した。
田岡実千年新宮市長、西田健紀宝町長、大畑覚御浜町長、河上敢二熊野市長、山口賢二北山村長をはじめ各市町村の関係者、議会議長らが出席した。
開会に当たり、開催地を代表して西田町長が「紀宝熊野道路、熊野道路が新規事業化された。事業が進むよう協力し、一日も早く完成することを願っている」とあいさつした。
堤所長は救急医療や地域の活性化、観光客の増加といった道路効果を挙げ「魅力ある地域づくりを進めることで通過ではなく、入り込み客増加につながる」。和歌山県側で進む各事業の状況を伝えた。
新宮道路は新宮市あけぼの―三輪崎間を結ぶ延長4・8㌔で、熊野川河口大橋を含み紀宝町神内に至る延長2・4㌔の新宮紀宝道路につながる。本年度は測量、地質調査、道路設計に取り組む。
新宮紀宝道路については「現在、3基の橋の設置工事を実施しており、秋以降に着手する三重県側下部工事のための契約手続きも進めている」と述べた。
事業中のすさみ串本道路は西牟婁郡すさみ町江住から東牟婁郡串本町サンゴ台までの延長19・2㌔。本年度は調査設計、用地調査・取得、改良・橋・トンネル工事を進める。
昨年度新規事業化した串本太地道路は、那智勝浦町八尺鏡野から串本町鬮野川に至る延長18・4㌔。現在事業中のすさみ串本道路、開通済の那智勝浦新宮道路と接続する。
北山村と熊野市を通る奥瀞道路(Ⅲ期)は昨年11月に起工式を行い、本年度は橋・トンネル工事などを推進する。
三重県側について桑所長は、本年度事業化した紀宝熊野道路に関し「紀宝町神内から熊野市久生屋町までの延長15・6㌔で、神内の紀宝インターチェンジ(IC)=仮称=から新宮紀宝道路、久生屋町の熊野IC(仮称)から熊野道路にそれぞれつながる。御浜ICの位置が正式確定した後、ルートなどを説明する」と述べた。
熊野道路は熊野市久生屋町から同市大泊町までの延長6・7㌔。本年度は用地買収、詳細設計、埋蔵文化財調査などを経て大泊ICの橋から工事着手する。
尾鷲市内の熊野尾鷲道路(Ⅱ期)は順調にトンネル工事が進んでいることを報告した。
(2019年5月30日付紙面より)
第21回ツール・ド・熊野
熊野地方を舞台に国内外の強豪17チームが集い熱戦を繰り広げる、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「ツール・ド・熊野」が、いよいよ30日に開幕する。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野(角口賀敏理事長)が主催。
レースは全4ステージで行われ、30日に新宮市内でのプロローグ(0・7㌔)個人タイムトライアルで開幕。
翌31日(金)は、第1ステージ「赤木川清流コース」(100・4㌔)で、レース前には、新宮市役所からパレード壮行も実施される。6月1日(土)の第2ステージは、熊野市や御浜町などが舞台で、大会の山場となる「熊野山岳コース」(109・3㌔)。2日(日)の最終第3ステージは、捕鯨の歴史が色濃く残る太地町が舞台の「太地半島周回コース」(104・3㌔)となっている。
レースの模様は地元ケーブルテレビ局で生中継される他、インターネット(https://cycling-ch.tv)で生配信される。その他のツール・ド・熊野に関する情報は、大会ホームページ(https://tourdekumano.jp/)を参照。
(2019年5月30日付紙面より)
熊野古道をウオーキング (那智勝浦町 )
宇久井ニュータウン東・西熟年クラブ(峰武久、角本聖洋会長)は28日、那智勝浦町狗子ノ川の熊野古道「小狗子峠」などを歩く「健康ウオーキング」を実施した。参加した会員30人は会話や景色を楽しみながら約5㌔の道のりを歩いた。
健康ウオーキングは、和歌山県老人クラブ連合会などが実施主体となり、定期的なウオーキングを通して健康づくりの定着を目指している。新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町、北山村の各市町村老連で各1地区(計6地区)をモデル地区として指定し、最低月2回の活動を行う。高齢者向け体力測定の紹介やウオーキングの正しい知識を学習し、活動PRなどに取り組む。実施期間は本年4月から来年2月末まで。
この日は同町宇久井のコミュニティーセンター和を出発した。小狗子峠の入り口では、会員で熊野那智ガイドの会に所属する宇保英生さんが熊野古道や小狗子峠について説明した。途中、雨も降り出したが一行は約90分かけて狗子ノ川とニュータウンの境目までたどり着いた。
峰会長は「皆さんが健康を維持していくためにウオーキングを習慣にしていただけたら。1人でも多くの方々に参加していただきたい。今後も活動を継続していく」と述べ、「雨も降ってきたが皆さんのご協力があったから最後まで来ることができた」と話した。
次回の開催は6月25日(火)を予定している。
(2019年5月30日付紙面より)
H&Rで本年度総代会 (串本町商工会 )
串本町商工会(須賀節夫会長、会員674人)が26日、同町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ(H&R)和歌山串本で本年度通常総代会を開き、事業関連諸議案の審議に加えて優良従業員や功労役員を対象にした県商工会連合会会長表彰伝達や懇親会も交えて今後に弾みをつけた。
同町域の商工業者らが結成する総合経済団体としてイニシアチブを発揮する同商工会。各種会員事業の支援に加え、会下組織の青年部や女性部、串本リリースタンプ会が消費者との距離を縮める地域貢献の取り組みを活発に展開し、その総和により地域商圏の活性化を推し進めている。
会員規模が大きく、事業関連諸議案の審議は例年会員が代表選出する総代の判断に基づいて実施。今回は開会時点で総代31人が出席し、委任状提出27人を加えて規約に定める過半数条件を満たし総代会が成立した。
開会に当たり須賀会長は▽会員増減の推移(前年度は長らくのマイナス推移から一転しプラス3人の実績)▽県内でも特に活発な小規模事業者持続化補助金の申請と採択現況▽経営指導員異動に伴う事務局体制の変化―などを報告。併せてキャッシュレス決済などこれからの時代の変化に対応できる人材に会長職を引き継いで取り組みに弾みをつけたい考えも掲げ、人材の推薦を求めてあいさつとした。
来賓を代表して田嶋勝正町長は、ロケット発射場進出など好調な環境変化に対し商工会や観光協会を軸にしていかに知恵を絞るかが肝要だとし、この波に乗り遅れないよう共に取り組むことを呼び掛けた。佐藤武治議員はロケット射場が10年間でもたらす経済効果の達成は会員の力にもかかっていることを示唆し、そのために微力だが一生懸命努めることを誓いつつ、それぞれ祝辞を述べた。町議会の結城力議長、町当局の清野武志副町長と南和夫産業課長、日本政策金融公庫田辺支店の須藤健文支店長、紀陽銀行串本支店の坂本充寿支店長も同席して総代会の始終を見届けた。
以降は堀周雄さんを議長に立てて前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。事業計画では、喫緊の消費税率引き上げと軽減税率制度導入や今後の事業承継への支援、キャッシュレス化や東京オリンピック、大阪万博といった大きな景気拡大要素の商圏への引き込みなどを会員への伴奏型支援と共に進めることを具体的な取り組み事項と共に基本方針として決めた。
総代会冒頭では県商工会連合会会長表彰の伝達もあり、功労役員として苫谷伸一郎さん(トマタニ電器店)、優良従業員として桑山崇明さん(株式会社人見建設)と尾﨑友昭さん(おざきのひもの)が須賀会長から誉れを受けた。
(2019年5月30日付紙面より)
建設に先立ち市民説明会 (新宮市文化複合施設 )
新宮市教育委員会文化振興課は23日夜、市文化複合施設建設工事の今月下旬の着手に先立ち、市役所別館で市、設計業者による市民説明会を開いた。約70人の市民が参加する中、施設概要などについて説明があった。
説明会に先立ち、田岡実千年市長が「皆さんにご心配を掛けいろいろな意見を頂く中、紆余(うよ)曲折しながら当初予定地の丹鶴小学校跡地西側1棟案で決定した。どのような施設になるのかを中心に説明させていただきたい」とあいさつした。
当局は、市文化複合施設は市街地再生を目的としていると説明。外観は所々に熊野材を使用し、周りと調和の取れた色彩計画としている。
文化ホールは可動席を利用してさまざまな会場づくりができるとし、熊野学機能に関しては熊野学の情報発信の拠点として、熊野学ファンが集まる空間をつくっていくとした。
図書館には子ども、大人それぞれのゾーンがあり、授乳室や子ども用トイレを配備する。低い本棚を設置することで見通しの良い空間にしていくと説明した。床面積、開架図書ともに現図書館の1・7倍の規模となる。
財源や事業費などの説明もあったほか、2021(令和3)年2月の完成を見越しているが、図書館の引越しや運用トレーニングなどのために夏頃のオープンになると伝えた。
質疑応答では、財源やランニングコスト、可動席などについての質問や「このタイミングで説明会をするのは遅すぎる」といった意見もあった。
「引っ越しにかかる図書館の閉館期間はどれくらいか」の質問には「他の地方の前例を参考に3、4カ月を見込んでいる。できる限り短くする工夫をしていきたい」と回答した。
「新施設にはメジャーな人も呼べるように努力してほしい」「ランニングコストをカバーできるような壮大な計画を」などの意見もあり、当局は「市民に参画してもらい委員会を立ち上げるなどして自主事業を実施していきたい」と述べた。
図書館を別の場所にとの意見に対して、向井雅男副市長は「土地の優位性、複合であるという優位性を加味し、結果的に丹鶴小学校跡に文化の拠点を持ってくると決まった」と説明し、理解を求めた。
速水盛康教育長は「次世代に向け、本当に市民にとって良かったと実感してもらえるように検討を重ねていきたい」と述べ閉会のあいさつとした。
説明会は全4回を予定しており、27日(月)午後6時30分から熊野川総合開発センター、28日(火)午後6時30分から新高田会館、29日(水)午後7時から佐野会館で開く。
(2019年5月25日付紙面より)
新しい川舟の進水式営む (川舟製作プロジェクト )
紀宝町北桧杖の熊野川河川敷で24日、新しい川舟の進水式が営まれた。新宮市の熊野川町ふれあい公社が川舟製作の資金を募る「クラウドファンディング」の支援を受けて完成したもの。森本博也・熊野川川舟センター長や田岡実千年市長らがお神酒によりお清めをし、運航の安全を祈願した。
インターネット経由で資金を集める「クラウドファンディング」では、定員14人の木船1隻の製作と船外機1台の購入に充てるため、目標金額を200万円と定め、昨年12月3日から今年1月31日まで支援を求めていた。
支援総額は目標金額を22%超える244万2000円(支援者数142人)となり、集まった資金で熊野速玉大社例大祭・御船祭(みふねまつり)の早舟製作も手掛ける「熊野川体感塾 川舟工房」の谷上嘉一さんに川舟製作を依頼していた。製作期間は約2カ月。
開式に当たり、森本センター長が支援者や関係者らに感謝を述べ「皆さまのご支援を無駄にせぬよう、歴史ある『川の熊野詣で』を、これからも守り続け、後世に伝えていくため努力を重ねていく」とあいさつ。田岡市長が「クラウドファンディングで多くの共感が得られたのは、なにより船頭さんや語り部さんをはじめ、事業を支えているスタッフの皆さんの『思い』や『頑張り』が伝わったから」と祝辞を述べた。
進水式では古式にのっとり、サカキで舟を飾り、舳先(へさき)をお神酒で清めた後、船頭の津呂進さんと打越保さんが舟に乗り込みサオをさして右回りに舟を3度回した。
谷上さんは「安全安心に乗っていただけるような舟づくりを目指している。進水式を終えてまずは一安心。運航される日が楽しみです」と話していた。
新しい川舟は現在、運航に係る必要な手続きを進めており、6月下旬の実用を目指している。
(2019年5月25日付紙面より)
UMOUプロジェクト (紀宝町社協 )
紀宝町社会福祉協議会は本年度から、「UMOU(うもう)プロジェクト」の取り組みを始めた。古くなり使わなくなった羽毛製品の提供を求めている。
プロジェクトは、使わなくなった羽毛製品を回収し、羽毛をリサイクルすることで羽毛の安定供給や環境の保全、障害者の就労支援などに貢献するもの。紀宝町では、その羽毛製品が募金となり「赤い羽根共同募金」を通じて町の地域福祉に使われる。
製品に付いている品質タグにダウン率50%以上の表示がある羽毛の布団やダウンジャケットなどが対象。穴あきや汚れがある不要な製品も回収可能だという。
町福祉センター内の同協議会で持ち込みを受け付けており、「衣替え時期の今が確認のチャンスです。不要になった羽毛製品で募金活動しませんか」と呼び掛けている。
問い合わせは、同協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2019年5月25日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は22日、同町湯川などで人気の催し「新春ウオーク」の下見と同町内の夏山(なっさ)トンネル周辺のガードレール沿いの草刈りを実施した。
守る会は年に1回、町内の魅力を再発見しながら歩く新春ウオークを開催しており、毎回、多くの参加者が集まる。その催しのために、ルートの発見や確認に取り組んでおり、この日は会員9人が湯川と二河を歩いた。
その後、夏山トンネル周辺で草刈りや清掃に汗を流した。守る会によると、同所のガードレール付近には投棄されたごみが多く、草が生い茂っているとごみ自体が目立たたないことから、さらに投棄が増加してしまうという。それを含め、ごみが川や海に流れ出てしまうと生態系にも悪影響を及ぼしてしまうことから、景観と環境の保護のため定期的にクリーン作戦を実施している。
会員の一人は「今回は大きな袋に入ったごみがいくつも見つかった。行政に対処してもらうことにした」と述べ、下見については「この町には使われなくなった古い街道も多い。知る人がいなくなったり、全く通れない状態のままも残念」と話した。
(2019年5月25日付紙面より)
新宮弓友会主催月例射会
空手道・拳武館新宮道場
都道府県対抗少年剣道優勝大会選考会 (三輪崎剣道クラブ )
30日から「ツール・ド・熊野」
熊野地方を舞台に30日(木)から6月2日(日)までの4日間、国際自転車競技連合(UCI)公認で国内屈指の自転車ロードレース「第21回TOUR・de・熊野(ツール・ド・くまの)」が開催される。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
同レースには、現在UCIアジアランキング2位で新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内から11チーム、海外からは現在UCIアジアランキング1位のトレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム、同3位のHKSIプロサイクリングチームなど6チームが出場。17チーム102選手(各チーム6選手)が熱戦を繰り広げる。
21回目を迎え新たなスタートを切る今大会は、昨年まで同時開催していた全日本実業団自転車競技連盟による「3デイズ・ロード・熊野」を行わず、国際ランキングのポイントが加算される「ツール・ド・熊野」のみで実施。第1、第3ステージのコースが変更になった他、第2ステージでの熊野市街のパレード走行は行わない。
コースは海、山、川の景観と、起伏のある自然豊かな環境で、本場ヨーロッパのコースに似た雰囲気が特徴。30日は新宮市の市田川沿いでタイムトライアル。31日(金)の第1ステージは同市熊野川町の赤木川清流コース。1日(土)の第2ステージは三重県熊野市~御浜町の山間部を走る熊野山岳コース。2日の第3ステージは太地町の太地半島周回コース。
開催に当たり角口賀敏実行委員長は「できるだけスムーズな運営を行い、地域の皆さまに喜んでいただける大会にしたい。期間中、皆さまにご迷惑をお掛けすると思いますが、ご理解、ご協力よろしくお願いします。国内外17チームによる熱い戦いを期待します」と話している。
今年のレースアシスタントは、森下紗妃さんと上西ありささんが務め、毎年恒例のフォトコンテストやインターネット生配信、地元ケーブルテレビ局での生中継を予定している。
(2019年5月22日付紙面より)
身障者連盟が定例総会 (串本町 )
串本町身体障害者連盟(中野實会長、会員43人)が19日、同町地域保健福祉センターで定期総会を開いた。役員改選があり、中野会長を再任とする体制案を承認。議事に先立ち来賓として列席した田嶋勝正町長に要望書を提出し、考えを聞く機会も持った。
障害の種別を超え一丸で結成する同連盟は、会員相互の親交を深め結束を高めるとともに、地域における社会的障壁を解消するための提案を当事者の視点で町当局など関係機関に行う重要な役割も担っている。
定期総会は年1回、年度序盤に町長らとじかに意見を交わす機会を取り入れながら計画している。開会に当たり中野会長はかねて要望してきた文化センターのトイレのバリアフリー化が実現したことへの感謝を掲げ、昨今の関心事として災害時要支援者個別計画策定と手話言語条例制定を課題視しつつあいさつ。
来賓として田嶋町長と同町社会福祉協議会の松本英明副会長が列席し代表して田嶋町長は大字串本東側堤防のかさ上げによる避難時間確保と小型ロケット射場建設の展望を報告しつつ祝辞を述べた。
その後に提出した要望書の事項は▽障害者用駐車場整備(青色塗装の実施)▽歩道環境整備(潮岬西口信号交差点~同東口信号交差点間の国道42号)▽コミュニティバス運行(リフト付きバスの採用と停留所増設や増便)▽JR串本駅にエレベーター設置▽公的機関に手話通訳者を配置▽災害時要支援者の個別計画策定や災害時福祉避難所の明確化―の6点。
回答は提出した翌年の総会で聞くのが近年の慣例だが、今回は中野会長から①エレベーター設置②リフト付きバス導入③手話言語条例制定―の3点で質問をして町長の考えを聞いた。
田嶋町長は、①について小型ロケット射場稼働時に車両以外の交通手段として鉄道を振興することで駅の利用者数を増やし設置条件をクリアすることをJR西日本和歌山支社長と話す、②について一気に全部とはいかないがまずは補助的なステップ装置が付いたバス1台を導入したい、③について実効性がある制定を目指す、とそれぞれ答えて今後を示唆した。
続く議事では前年度と本年度の事業関係諸議案を審議。本年度は同連盟グラウンドゴルフ大会を晩秋から初夏に振り替えた以外、前年度をほぼ踏襲する事業計画とすることを決めた。
役員改選は事前に役員会で体制案を立案し、その内容を読み上げて承認を受ける形で決めた。任期は2年間で、続投となった中野会長は「老骨にむちを打って皆さんと共に頑張りたい。毎年同じ要望をし、少しずつだが解消しているので今後も粘り強く続けていきたい」と意気込みを掲げた。
(2019年5月22日付紙面より)
自主防災組織連協が総会 (紀宝町 )
紀宝町自主防災組織連絡協議会(会長・東口高士鮒田自主防災会長)は20日、同町防災拠点施設防災研修室で本年度総会を開催。視察研修会や防災訓練など事業計画を決めた。
同協議会は加盟する町内37の自主防災組織が連携を密にし、災害時に迅速、的確な活動ができるよう各種事業に取り組んでいる。
総会には、各自主防災組織の代表らが出席し、東口会長が「訓練は訓練、実践は実践。災害時には何があるか分からない。皆さまは地域の代表として、共助を大切にしてもらいたい」とあいさつ。西田健町長は「皆さまの活動のおかげで安全安心の向上を図っていける町になってきた。今後ともご協力を」と述べた。
議事では昨年度の事業を報告し、本年度の事業計画案を審議して採択した。町の担当職員が防火防災訓練災害補償共済制度や町地震対策支援事業などについて説明した。
本年度は10月から来年3月にかけて研修会を実施し、名古屋市港防災センター、京都市市民防災センター、稲むらの火の館、淡路大震災記念「人と防災未来センター」などを視察する。尾鷲市、紀北町、松阪市などの県内自主防災組織と意見交換も行う。また、年間を通して各地区で防災訓練に取り組む。
(2019年5月22日付紙面より)
「生命の駅伝」ランナーが到着 (新宮市 )
がんと闘う人を励まし、研究の支援を呼び掛ける「第25回生命(いのち)の駅伝」(同駅伝の会主催)のランナー6人が20日夕方、新宮市に到着した。速水盛康教育長と田中幸人市健康福祉部長が、市役所などに設置していた募金箱をランナーに手渡した。
同駅伝は三重大学が共催。駅伝を通してがん治療や予防の研究者を支援し、社会全体でがんと闘う募金啓発イベントで毎年開催されている。ランナーは三重県から和歌山県にまたがるコースを走り、事前に各所に設置されていた募金箱を受け取る。
午前中に串本町立文化センターを出発し、古座川町、太地町、那智勝浦町の各役場、市立医療センター、市立光洋中学校、東牟婁振興局を経て、雨脚が強まる中、市役所別館に到着。約40人の市民や市職員が拍手で迎えた。
同所でランナーをねぎらう激励式が行われ、田中健康福祉部長が「皆さまの活動を広げようという意志、活動は多くの人の心に響いている」と田岡実千年市長のあいさつを代読。「元気に完走し、さらなるがん医療の充実化が図られますよう祈念します」と結んだ。
同駅伝実行委員会の上村眞由実行委員長は協力に感謝の意を表し「医学部を出たからといって誰でも研究者になれるわけではない。研究者が恵まれた環境とは言い難い」と実情を説明し「がんと闘う人や家族だけでなく、人類全体を救う気持ちでがん研究を支援していきたい」と思いを語った。
ランナーは22日から三重県に入り、6月1日(土)まで各地の役場や医療機関で支援を呼び掛ける。ゴールは松阪市中部台運動公園。
(2019年5月22日付紙面より)
会長杯紀南卓球大会 (新宮東牟婁卓球協会 )
第30回体協ソフトバレーボール夏季大会 (那智勝浦町 )
なでしこジャパン必勝祈願 (熊野三山一寺 )
サッカー女子ワールドカップ(W杯)フランス大会(6月7日~7月7日)を直前に控え、熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は17、18の両日、熊野三山一寺で日本女子代表(愛称=なでしこジャパン)の必勝祈願祭を営んだ。17日には熊野速玉大社で神事を行い、日本サッカー協会の岩上和道副会長、団長として帯同する今井純子女子委員長、和歌山県サッカー協会の中村源和会長、田中克紀専務理事、大前四郎常務理事や地元のサッカー関係者ら約30人が参列した。
岩上副会長と今井委員長、田岡会長が正式参拝を行い、高倉麻子監督のサイン入りボールと代表メンバーのサインが入ったユニホームを奉納。大会に持参するフラッグと新宮市から代表チームに贈る熊野川産ヤタガラス米の祈祷(きとう)も受けた。
上野潤権宮司は「なでしこジャパンという名の通り、美しい心で日本人の誇りを世界に伝えてほしい」と活躍を願った。
岩上副会長は「高倉監督の指導の下で国際経験が豊かな選手が多く、ベテランも入ったことでバランスの取れたチームになった。粘り強く芯の強いなでしことして頑張ってほしい」とエールを送り、「これまでにもお参りをして御利益があったので、今回もあやかりたい。厳しい戦いになるかもしれないが、優勝を目標にしたい」と意気込んだ。
今井委員長は「2011年、15年とお参りをさせていただいて、W杯を頑張って戦ってきた。引き継げるように力を得てフランスの地へ行きたい」と話した。
日本代表23人のうち、W杯経験者はドイツ大会優勝メンバーの熊谷紗希、宇津木瑠美、阪口夢穂、鮫島彩、岩渕真奈の5人にカナダ大会を経験した菅澤優衣香を加えた6人で、初出場が17人という顔ぶれで挑む。グループステージでアルゼンチン(日本時間6月11日午前1時)、スコットランド(同14日午後10時)、イングランド(同20日午前4時)と対戦する。
日本サッカー協会のシンボルマークに熊野の神鳥「ヤタガラス(八咫烏)」が描かれていることや、日本近代サッカーの始祖といわれる中村覚之助のふるさとが那智勝浦町という縁で、2002年の日韓W杯から参拝が始まった。女子日本代表の必勝祈願は3回目。参拝した11年のドイツ大会で優勝、15年のカナダ大会で準優勝という成績を収めている。
(2019年5月19日付紙面より)
新宮市交通指導員協が総会
新宮市交通指導員協議会(清岡幸子会長、20人)は17日夜、市役所で総会を開き、本年度事業計画などを決めた。指導技術向上のための研修会、講習会への参加や、新規会員の加入促進に力を入れていくことなどを確認した。
開会に当たり、大前嘉助副会長が「全力で交通安全指導に取り組む」と宣誓。田岡実千年市長が退任する阪本惇さん(欠席)に感謝状を贈呈した。議事では子ども対象の交通安全教室、自転車安全運転の街頭啓発、高齢者に対する交通安全指導の実施計画などを承認した。
清岡会長は、事故の発生件数は減少しているものの、高齢者関係の事故が後を絶たないとし、「私たちを取り巻く環境は依然として予断を許さない厳しい状況。事故の撲滅を目指し、各種施策をより一層推進していきたい」と述べ、協力を呼び掛けた。
田岡市長は、指導員たちの活動に感謝し、「交通安全に関しては行政としても取り組んでいかなければならない」とあいさつ。新宮警察署の髙砂(たかす)浩之署長は「全国的に毎日のように交通事故のニュースが報道されている。交通事故のない安全・安心なまちのために、皆さんとの連携を強化していかなければならない」と述べた。
同署の松浦友範交通課長が管内の交通情勢をテーマに講話。和歌山県が2年前に「死亡率における飲酒運転の率」全国ワースト1だったことを受け、県では条例が制定されたことや飲酒運転専門の取り締まり部隊が設置されることなどを紹介した。残り酒で飲酒運転になるケースも多いとし「夜遅くまで飲まない。飲んだ場合は朝の運転を控えてください」と呼び掛けた。
(2019年5月19日付紙面より)
観光ガイドブックを作成 (紀宝町 )
紀宝町は新たな観光ガイドブックを作成し、道の駅「ウミガメ公園」や飛雪の滝キャンプ場など町内の各施設で配布を始めた。
これまで観光パンフレットを改訂して町をPRしてきたが、10年ぶりに一新し、1万部を作った。
同町鵜殿出身の絵本作家・山本真嗣さんがイラストを担当した。町のキャラクター「みかんちゃん」と「ユメカメ」が町内の名所を訪ね、特産品を紹介する内容に仕上がった。
カラーの22㌻で構成。1㌻目では、町ぐるみでウミガメの保護活動に取り組んでいることや保護啓発活動の拠点となっている道の駅「紀宝町ウミガメ公園」を紹介した。
昨年4月にリニューアルした浅里地区の飛雪の滝キャンプ場や世界遺産の熊野川、七里御浜といった自然、井田観音、神内神社、平尾井薬師、烏止野(うどの)神社、京城跡(みやこのじょうせき)、諸手船(もろとぶね)など町の歴史と文化も掲載している。
特産品のミカンについては収穫時期が一目で分かる「みかんカレンダー」や種類を写真付きで載せた。郷土料理「なれ寿(ず)し」、町内で栽培される飛雪米、れんげ米、熊野灘で水揚げされるシラスや伊勢エビも紹介している。
町の担当者は「ぜひ活用してもらいたい」と話している。
(2019年5月19日付紙面より)
補陀洛山寺で「春まつり」 (那智勝浦町 )
補陀落渡海の信仰で知られる那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で17日、年中行事の一つ「春まつり」が営まれ、信者ら約40人が集まった。
世界遺産に登録されている本堂では、本尊で国の重要文化財でもある1・9㍍の像「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳された。髙木住職が読経し、参拝者らが「家内安全」「商売繁盛」「身体健康」などと書かれた護摩木を護摩壇にくべてたき上げた。祈祷(きとう)の後、同寺裏山にある渡海上人(とかいしょうにん)の供養塔と歴代住職の墓地で追善供養も営まれた。
髙木住職は「観音浄土へ民衆を導くという思いで海に出た上人に畏敬の念を込め供養した。千手観音は、あらゆる手を差し伸べ宗派を超えて守ってくださる。どうぞ安心してお過ごしください」と話した。
補陀落渡海は、平安時代から江戸時代まで行われた宗教儀礼。観音の浄土、補陀洛山に往生しようと多くの行者が渡海した。渡海上人が一度乗り込むと出入り口に板が打たれ、外に出られないようにした状態で、海のかなたへ出航した。
同寺本尊の開帳は、立春大護摩供星祭(1月27日)、土用護摩供・先祖供養(7月10日)とこの春まつりの年3回となっている。
(2019年5月19日付紙面より)
空家等対策検討委員会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は8日、倒壊の危険性が高い特定空き家に対する措置などを検討する1回目の空家等対策検討委員会を開いた。昨年9月に所有者不明で特定空き家と判定され、空家対策特別措置法に基づく略式代執行が予定されている同町宇久井の空き家などについて話し合った。順当に進めば、今年夏ごろには解体される見込み。町独自の代執行は初となる。
同委員会は総務課、防災対策室、税務課、住民課、観光企画課で組織され、空き家などが及ぼす深刻な悪影響から町民の生命、財産を保護し、管理や利活用を推進することが目的。和歌山県空家等対策推進協議会の判定基準を基に、同委員会が特定空き家と判定する。判定後は、「助言指導」「勧告」「命令」の順を経て、「行政代執行」となる。
矢熊義人委員長(副町長)は「特定空き家の現場を直接見たが、環境面、防災面などを含め喫緊の課題と感じた。この委員会を本格的に実施、稼働していきたい」とあいさつした。
宇久井の特定空き家は、解体するための当初予算が可決されており、今月中旬に現状を周知する広告が1カ月間、役場や各出張所に張り出される。業者が決まり次第、解体に取り掛かる。それまでに所有者が名乗り出た場合は工事が中止されるという。
同特定空き家付近に住む60代男性は「何十年も前からあり、ずっと人も住んでいなかった。台風や強風のときはなにか飛んで来るのではと不安になる」と語った。
町によると、特定空き家の判定となる可能性が高い空き家が現在、数軒あり、協議を進めていると話していた。
(2019年5月10日付紙面より)
古座川町観光協会(須川陽介会長)が8日夜、南紀月の瀬温泉ぼたん荘で第1回古座川桜フェアフォトコンテストの審査会を開き、入賞作品12点を決めた。最高位のグランプリは大阪府高槻市の川竹淳さんが撮影した作品「熊野採光」。翌9日に公式ホームページなどで審査結果を発表し、表彰の準備に取り掛かっている。
古座川桜フェアは、昨年9月に立ち上がった同協会の誘客事業第1弾となる帯企画。クマノザクラなどさまざまなサクラの花盛りが親しまれる地域性にいっそうの勢いをつけるため、開花期間中の交流イベントを包括し、時には自らイベントを主催するなどして一括アピールし、古座川へ足を運ぶきっかけの増強を図った。
同コンテストは、帯企画の一端として取り入れた主催企画。写真作品を通して町内の自然の豊かさを地域ぐるみで楽しみ、愛好を持って守っていくことを目的とし、テーマ「クマノザクラを中心とした、町内のさまざまな桜」と条件「2017年以降に撮影した写真」を掲げて4月30日まで作品を受け付けた。
応募総数は25人66点。審査は須川会長ら会員と事務局職員8人による投票、次いで協議を交える形で進め、▽グランプリ1点▽準グランプリ2点▽入選8点▽特別賞1点―の各入賞作品を決めた。
グランプリ作品は同協会公式ホームページのトップページ素材として活用。他の入賞作品も各種宣伝の中で鋭意活用を目指すという。表彰の期日は8日現在で未定だが、グランプリには同荘のペアディナー券、他の入賞には同町特産品を副賞として贈呈する方向で準備を進めるという。
同コンテストの中心メンバー、深海政也副会長(写真部会長)は「思っていた以上に多くの皆さんに興味を持っていただけて良かった。地元にいる自分たちも知らないいろいろな表情があることが分かり、伝えるべき可能性の幅が一段と広がった」と第1回の成果を振り返り、「次も、ではなく10年、20年、30年後の世代に託すという思いで、今後もこのコンテストを続けていきたい」と意気込みを新たにした。
(2019年5月10日付紙面より)
チェアエクササイズ (紀宝町 )
紀宝町生涯学習センターまなびの郷で8日、「チェアエクササイズ」の教室が始まった。町の新規事業で認知症予防が目的。今回は神内・井田地区を対象に65歳以上の参加者を募ったところ、6人が参加した。10月23日(水)までの半年間、毎月3回開く。
今後は御船、相野谷、鵜殿の3地区を対象に参加者を募集し、2年かけて町内全域に普及していく。
チェアエクササイズは、椅子に座ってできる認知症予防のための音楽体操。音楽とやさしい運動の組み合わせで健康を維持するもの。
ヤマハ音楽振興会専任トレーナーの仲浩美さんが講師を務め、「音楽と運動を組み合わせることで認知症予防にもなる。半年間楽しんでください」と呼び掛けた。
エクササイズは体をほぐすウオーミングアップから始まり、参加者は音楽に合わせて椅子に座ったまま手や足、肩などを動かし、心地よい汗を流していた。
今回は20人の定員に達しなかったため、町では地区を問わず参加希望者を募集している。問い合わせは、みらい健康課(電話0735・33・0355)まで。
(2019年5月10日付紙面より)
三輪崎保で花まつり (新宮市 )
新宮市の三輪崎保育園(中畑元太園長、園児128人)は8日、お釈迦(しゃか)様の誕生を祝う「花まつり」を開いた。同園に隣接する曹洞宗龍雲寺(中畑弘士住職)で話を聞き、花御堂(はなみどう)の釈迦の立像に甘茶を注いで祝った。
本来は4月8日に行うが、園児らが入園して間もないことから1カ月ずらして開いている。冠をかぶった園児らは中畑園長からお釈迦様誕生の様子を紙芝居で学んだ。
誕生の時、空から茶色の雨(甘茶)が降ったという故事に倣い、一人一人が花御堂に甘茶を掛けて手を合わせた。練習した歌を歌い、甘茶を味わうと園児らは「甘い」「おいしい」などと口々に話した。「おかわりが欲しい人は」の問い掛けに、多くの園児らが元気に手を上げていた。中畑園長は「お釈迦様のように『ありがとう』や『ごめんなさい』の言葉を言える人になってください」と呼び掛けた。
同寺ではこの日、お堂を開放し甘茶を振る舞った。甘茶は低木アジサイの変種であるアマチャの若い芽を蒸してもみ、乾燥させ煎じたもの。葉を乾燥させることによって甘みが出る。生薬としては抗アレルギー作用や歯周病に効果を有する。
(2019年5月10日付紙面より)
トルベリーノキッズフェス
第9回東牟婁地方中学校春季卓球大会
12年目の紀南福祉SB連盟リーグ戦
2位宇久井、3位串本と共に本戦へ (県スポ少バレー東牟婁予選 )
新天皇陛下が即位され、新たな時代「令和」が始まった1日、熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社では即位と改元を寿(ことほ)ぎ、奉告祭や揮毫(きごう)などが営まれた。
新宮市新宮の熊野速玉大社で営まれた「践祚(せんそ)改元奉告祭」では、上野顯宮司が祝詞を読み上げ、みこたちが世界平和を願う「神なぎの舞」を優雅に奉納。上野宮司に続き、参列者たちが玉串を供えた。
神事後、上野宮司は「新緑薫る時に新しい時代を麗しく迎えることができました」とあいさつ。11月に執り行われる、天皇の即位の礼の後初めて行われる新嘗祭(にいなめさい)である大嘗祭(だいじょうさい)に触れ「御代替(みよが)わりのたびに行われてきた。日本人が大切にする節目というものは、確認し魂を引き継ぐこと」と説明。
「清らかに真心を込めて見守る皇室をいただいていることはわが国にとって幸せなこと」と述べ、令和の名の下に、平成に引き続き平和な時代であるよう願いを込めた。
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田辺市本宮町の熊野本宮大社本殿前では、九鬼家隆宮司が新元号「令和」を揮毫した。多くの参拝者が見守る中、新時代への希望を込めて力強く筆を走らせた。
昨年12月21日には、御創建二千五十年奉祝式年大祭の締めくくりとなる終了奉告祭で、新年への願いを込め「刻」の一文字を書いた。
白装束に身を包んだ九鬼宮司は両手で大筆を持ち、縦2・9㍍、横2・1㍍の白い布に「令和」と一気に書き上げた。迫力のある筆運びを見つめた参拝者からは大きな拍手が湧き起こった。
最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は、「平成の30年間はさまざまな災害があり、今なお復興に向かって歩んでいる。令和の時代は穏やかで平和で素晴らしい時代であってほしい。和歌山の和でもあり、大きな力押しの元号になってほしい」と話した。
揮毫した「令和」の文字は瑞鳳殿正面に掲げる。
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那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では践祚(即位)改元奉告祭が営まれた。大社責任役員や那智の扇祭り保存会、町観光協会の関係者らが参列。小雨の降る中、大型連休の中日ともあって境内は大勢の参拝客でにぎわった。
祭典で男成宮司が祝詞を奏上し、2人のみこが浦安の舞を奉納した。神事の後、宇久井青年会(柴原寛会長)が「天狗之舞」「扇之舞」「終之舞」を披露。紀宝町の熊野水軍太鼓保存会(廣里稔暢代表)は太鼓の演奏を奉納した。
霧の立ち込める幽玄な雰囲気の境内では、即位奉祝の記帳や新元号が記される御朱印を求めて、参拝客が列をなした。お神酒、紅白の餅、梅ジュースの振る舞いもあった。
この日の午後からは、本殿内庭の一般参入も許可された。参拝者らは順におはらいを受けた後、間近に見る本殿に恭しく手を合わせた。日没から午後9時までは、那智の滝をライトアップする。
(2019年5月2日付紙面より)
下里の清水啓自さん (那智勝浦町 )
明治43年の建築当時は県内で最も大きい校舎といわれた下里小学校旧校舎。惜しまれつつ昭和63年に取り壊された建物の50分の1スケールの模型が完成した。那智勝浦町下里在住の大工・清水啓自さん(75)が、スギなどの流木を材料に制作した。
模型を作り始めたのは今年の正月明けごろで、3月20日に完成した。古い写真を集めて作られた旧校舎のスライド映像を見て制作意欲が湧いたという。校門や校庭なども当時のままに作ろうと、校庭にはシーソーなどの遊具や藤棚を配置。教室の数などは、写真や映像で確認した。コの字型の校舎の一角には、佐藤春夫が作詩した校歌も飾られている。
大工歴60年の清水さんが新宮の「おいさま」(=棟りょう)に弟子入りしたのは昭和34年。新宮城跡では二の丸旅館を建築中で「ちょうど内装工事が始まっていました。伊勢湾台風の時は、現場で雨戸を押さえて建物を守りました」と懐かしそうに話し、「自分の腕というより、道具がきっちりあるからできるんです」と謙遜する。
清水さんの自宅は、サーフィンのポイントとして有名な下里天満海岸の近くにある。同海岸の太田川河口付近には、大木が流れ着くことが多いため、こうした流木を材料に木工品の制作を思いついたという。最初は初盆で使う灯籠をヒントに花立てを作り、希望があれば地区住民に提供していた。
「海岸で見つけた流木を60㌢くらいにカットして運ぶのですが、とにかく重い。学校は皆さん懐かしがってくれるのでうれしいですね。(工程を)見に来てくれた人たちと、当時を思い出しながら作りました」と話していた。
(2019年5月2日付紙面より)
令和元年の初日の出観望 (串本町 )
串本町潮岬にある望楼の芝で1日早朝、ツアー客ら約400人が令和元年の初日の出観望を試みた。前日来の雨はやんだものの、曇天で観望はかなわず。日の出時刻の午前5時9分を過ぎても太陽が姿を見せる気配のない空模様を残念がりながらの散会となった。
試みたのは阪急交通社のツアー企画「潮岬から見る新時代の初日の出と熊野三山詣夜行日帰り」の参加者ら約300人、現在有料期間中の望楼の芝キャンプ場の利用者数十人など。
ツアーの来訪に合わせ、潮岬観光タワー(タワー・売店・無料休憩所「エルトゥールル館」)も午前4時すぎから早朝営業を開始。集まった人々は同タワー上や望楼の芝の丘、クレ崎を見下ろす展望所などで日の出の瞬間を待った。
4時30分には雨がやんだが東の空は折り重なるように雲が満ち、「せめて切れ目から日が差さないか」という期待の声もあったが同時刻を過ぎてもその状況は訪れない結果となった。
大阪府と福岡県からツアーを利用して訪れた男女(共に26)は「初日の出が見られなかったのは残念だが、たまたまこうなっただけだと軽く受け止めておきたい。令和の日本は今まで以上に(国際化して)いろいろな国と接することになると思う。その先で平和な時代になればと思う」と話し、次の目的地・熊野速玉大社へと移動した。
同町産業課によると、この日は道の駅くしもと橋杭岩でも観望を試みる人波があったが、臨時駐車場所へ誘導するほどには至らなかったという。
(2019年5月2日付紙面より)
大里桜愛好会(松場貞治会長)は平成最後の「昭和の日」となった4月29日、紀宝町大里の大里親水公園に「令和の桜」の記念碑を建てた。
3月30日に実施した「平成最後そして新しい時代を迎える 桜の植樹会」でサクラを植えた場所に設置した。
親水公園には、昭和50年と平成30年にそれぞれ「昭和の桜」、「平成の桜」が植樹され、サクラの名所として知られている。
松場会長は「新たな時代の幕開けとなるこの時にサクラの植樹ができ、非常に感慨深い気持ちです。平和で豊かな平成の時代に感謝し、新しい時代への希望を胸に植樹することができて良かった」と話していた。
(2019年5月2日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
天長西日本ソフトテニス大会 (黒潮クラブ )
県学童選手権大会東牟婁支部大会